JP2008246801A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャムの発生を防止し且つ両面への鮮明な画像記録を行うことができる画像記録装置の提供。
【解決手段】この複合機10は、搬送路に沿って記録用紙を搬送し、搬送路に配置された記録部によって画像を記録した後、第1ローラ対61及び第2ローラ対80によって記録用紙を挟持して搬送方向下流側へ送る。裏面にも画像が記録される場合は、記録用紙が反転され、記録部へ再送される。第1ローラ対61が記録用紙の第2端81付近を挟持し、且つ、第2ローラ対80が当該記録用紙を挟持した状態で、第1ローラ対61及び第2ローラ対80の回転が停止される(ステップS5)。このとき、記録用紙の先端付近に、搬送方向の張力が発生する。
【選択図】図13
【解決手段】この複合機10は、搬送路に沿って記録用紙を搬送し、搬送路に配置された記録部によって画像を記録した後、第1ローラ対61及び第2ローラ対80によって記録用紙を挟持して搬送方向下流側へ送る。裏面にも画像が記録される場合は、記録用紙が反転され、記録部へ再送される。第1ローラ対61が記録用紙の第2端81付近を挟持し、且つ、第2ローラ対80が当該記録用紙を挟持した状態で、第1ローラ対61及び第2ローラ対80の回転が停止される(ステップS5)。このとき、記録用紙の先端付近に、搬送方向の張力が発生する。
【選択図】図13
Description
本発明は、被記録媒体を表裏反転させることにより被記録媒体の両面に画像を記録する画像記録装置の構造に関するものである。
従来から、記録用紙の表裏両面に画像を記録することができる画像記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の画像記録装置は、給紙トレイから記録用紙を引き出し、搬送路に沿って搬送する。搬送路中のインクジェット記録部は、記録用紙の一方の面にインク滴を吐出することによって画像を記録する。その後、記録用紙は、排紙ローラ対によって反転経路に戻され、再び搬送路の上流側(記録部よりも上流側)へ送られる。インクジェット記録部は、表裏反転された記録用紙の他方の面に画像を記録し、記録用紙は、その後排出される。
そして、特許文献1に係る画像記録装置は、反転経路中で記録用紙を自然状態で放置し、乾燥するように構成されている。
ところで、インク滴によって濡れた記録用紙が乾燥すると、搬送方向の変形である、いわゆるカールが発生する。そして、このカールが発生した記録用紙が反転されて裏面にも画像が記録される場合に、記録用紙の後端部が先頭となってインクジェット記録部に再送されたときに、記録用紙の後端部がインクジェット記録部に接触してしまい、ジャムが発生したり、画像記録が不鮮明になったりするおそれがある。
そこで、本発明の目的は、ジャムの発生を防止し且つ両面への鮮明な画像記録を行うことができる画像記録装置を提供することである。
(1) 上記目的が達成されるため、本発明に係る画像記録装置は、被記録媒体が搬送方向に搬送される搬送路と、搬送路に配置され、被記録媒体にインク滴を吐出して画像を記録する記録部と、記録部よりも搬送方向下流側に配置され、被記録媒体を挟持して搬送方向下流側へ送る第1ローラ対と、第1ローラ対よりも搬送方向下流側に配置され、被記録媒体を挟持して搬送方向下流側へ送る第2ローラ対と、被記録媒体を表裏反転すべく搬送路の上記記録部よりも下流側部位と上流側部位とを接続する反転案内部と、上記下流側部位に配置され、第1端を先頭として搬送された被記録媒体を第2端を先頭として反転案内部へ送ることが可能な経路切換部と、第1ローラ対が被記録媒体の第2端付近を挟持し、且つ、第2ローラ対が被記録媒体を挟持したときに、被記録媒体の第2端付近に搬送方向の張力が発生した状態で被記録媒体を停止させるべく第1ローラ対及び第2ローラ対の回転を停止させる制御部とを備えている。
被記録媒体は、搬送路に進入して記録部へ送られる。記録部は、搬送された被記録媒体の表面に画像を記録する。被記録媒体は、第1ローラ対及び第2ローラ対によって搬送方向下流側へ送られる。被記録媒体の裏面にも画像が記録される場合は、経路切換部は、被記録媒体を反転案内部に送る。このとき、第1端を先頭として搬送された被記録媒体は、第2端を先頭として反転案内部に送られる。反転案内部に送られた被記録媒体は、表裏反転されて再び記録部へ送られ、裏面にも画像が記録される。
表面に画像が記録された被記録媒体が乾燥されるために、第1ローラ対が被記録媒体の第2端付近を挟持し、且つ、第2ローラ対が被記録媒体を挟持した状態で、第1ローラ対及び第2ローラ対の回転が停止される。このとき、被記録媒体の第2端付近には、搬送方向の張力が発生した状態となっているため、被記録媒体の第2端付近の、乾燥時のカールが抑制される。したがって、被記録媒体の裏面にも画像が記録される場合に、被記録媒体が円滑に搬送路へ再送される。
(2) 複数の第1ローラ対が上記被記録媒体の幅方向に沿って並設されているのが好ましい。
これにより、被記録媒体の第2端付近には、搬送方向に直交する方向の張力が発生した状態となっているため、被記録媒体の第2端付近の幅方向(搬送方向に直交する方向)の変形である、いわゆるコックリングが抑制される。したがって、被記録媒体の裏面に画像が記録される場合に被記録媒体がより一層円滑に搬送路へ再送される。
(3) 被記録媒体の表面にのみ画像が記録される片面記録モード又は被記録媒体の表裏両面に画像が記録される両面記録モードを受け付けるモード設定受付部が備えられていてもよい。その場合、制御部は、モード設定受付部が両面記録モードを受け付けたことを条件に第1ローラ対及び第2ローラ対の回転を停止させるように構成されているのが好ましい。
これにより、表面にのみ画像記録される場合には、給紙から記録終了までの時間が長引くことはない。
本発明によれば、画像が記録された後の被記録媒体の第2端付近が搬送方向に引っ張られるので、被記録媒体が乾燥されるときに、被記録媒体の第2端付近が搬送方向に湾曲することが抑制される。したがって、表裏両面に画像が記録される場合に、被記録媒体が円滑に搬送されると共に高画質記録が可能になる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、本実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。
1.全体構成と本実施形態の特徴点
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。図2は、この複合機10のプリンタ部11の構造を示す縦断面図である。
複合機10は、プリンタ部11及びスキャナ部12を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。本発明に係る画像記録装置は、複合機10のプリンタ部11として実施されている。したがって、複合機10においてプリンタ機能以外の機能は任意のものである。
図1が示すように、複合機10の下部がプリンタ部11である。図2が示すように、プリンタ部11の内部に搬送路23及び反転案内部16が形成されている。被記録媒体としての記録用紙は、搬送路23に沿って搬送される。プリンタ部11は、記録用紙を搬送路23に送り出す給送部15と、記録用紙にインク滴を吐出することにより画像を記録する記録部としての記録部24と、記録用紙を搬送方向下流側へ送る第1ローラ対61と、排紙トレイ21とを備えている。この複合機10は、記録用紙の表裏両面に画像を記録することができる。記録用紙の裏面にも画像が記録される場合には、表面に画像が記録された記録用紙が搬送路23から反転案内部16に戻される。すなわち、記録用紙は、経路切換部41(具体的には第2ローラ対80を構成する第1ローラ45及び第2ローラ46)によって反転案内部16へ案内され(図4参照)、再び搬送路23に送り込まれて表裏反転される。そして、記録部24は、表裏反転された記録用紙の裏面に画像を記録する。
本実施形態に係る複合機10の特徴とするところは、表面に画像が記録された後の記録用紙が後述の要領にて搬送される点である。すなわち、記録用紙は、表面に画像が記録された後搬送方向下流側に送られ、第1ローラ対61及び第2ローラ対80によって挟持されることによって搬送方向に引っ張られた状態で停止乾燥されるようになっている。具体的には、後述される制御部84が、記録用紙の表面への画像記録が終了した後に、上記第1ローラ対61及び第2ローラ対80の回転を停止するようになっている。なお、記録済みの記録用紙は、上記排紙トレイ21へ排出される。この排紙トレイ21は、搬送路23の搬送方向下流側に隣接している。
図1が示すように、複合機10の上部がスキャナ部12である。スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されている。原稿カバー30が複合機10の天板として設けられている。同図では示されていないが、原稿カバー30の下にプラテンガラスが配置されている。原稿は、プラテンガラス上に載置され、原稿カバー30に覆われた状態で画像として読み取られる。
複合機10の正面上部にモード設定受付部としての操作パネル40が設けられている。操作パネル40は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するための装置であって、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機10は、操作パネル40からの操作指示に基づいて動作する。例えば、ユーザーが操作パネル40を操作することによって、記録用紙の表面のみに画像が記録される片面記録モードあるいは表裏両面に画像が記録される両面記録モードが設定される。また、ユーザーが操作パネル40を操作することによって、解像度(ドラフトモード又はフォトモード)が設定される。さらに、複合機10が外部のコンピュータに接続されている場合には、このコンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機10が動作する。この場合、プリンタドライバ又はスキャナドライバがモード設定受付部として機能し得る。さらに、複合機10は、スロット部43を備えている。記憶媒体である各種小型メモリカードがスロット部43に装填され得るようになっている。例えば、スロット部43に小型メモリカードが装填された状態でユーザーが操作パネル40の操作を行うことにより、小型メモリカードに記憶された画像データが読み出され、記録用紙に記録される。
2.プリンタ部
以下、複合機10の内部構成、特にプリンタ部11の構成について説明される。
[2−1 給送部]
図1が示すように、プリンタ部11の正面に開口13が設けられている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、開口13の内側に上下2段に設けられている。図2が示すように、給送部15は、給紙トレイ20と、給紙アーム26及び給紙ローラ25と、給紙ローラ25を駆動するための動力伝達機構27とを備えている。
給紙トレイ20は、記録用紙を貯蔵する。給紙トレイ20に収容された記録用紙は、プリンタ部11の内部へ給送される。給紙トレイ20は、プリンタ部11の底側に配置されている。給紙トレイ20の奥側に分離傾斜板22が設けられている。分離傾斜板22は、上記搬送路23と連続している。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から重送された記録用紙を分離して、最上位置の記録用紙を上方へ案内する。搬送路23は、分離傾斜板22から上方へ向かった後、正面側へU字状に曲がっている。搬送路23は、複合機10の背面側(同図において左側)から正面側(同図において右側)へと延び、記録部24を経て排紙トレイ21へ通じている。したがって、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23に沿って下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に至り、この記録部24によって画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
図3は、プリンタ部11の部分拡大断面図である。
図3が示すように、給紙トレイ20の上側に給紙ローラ25が配置されている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に積載された記録用紙を搬送路23へ供給する。給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端に軸支されている。給紙ローラ25は、同図では示されていないLFモータ71(図12参照)を駆動源として動力伝達機構27を介して回転駆動される。この駆動伝達機構27は複数のギアを有し、これらが噛合されることにより構成されている。
給紙アーム26は、基軸28に支持されている。給紙アーム26の基端部が基軸28に支持されており、給紙アーム26は、基軸28を回動中心軸として回転することができるようになっている。このため、給紙アーム26は、給紙トレイ20に対して接離可能に上下動することができる。給紙アーム26は、自重により又はバネ等に付勢されて下側へ回動付勢されている。このため、給紙アーム26は、通常において給紙トレイ20に接触し、給紙トレイ20が挿抜される際に上側へ退避するようになっている。給紙アーム26が下側へ回動付勢されることにより、給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接する。その状態で、給紙ローラ25が回転されると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間に発生する摩擦力により、最上位置の記録用紙が分離傾斜板22の方へ送り出される。記録用紙の先端が分離傾斜板22に当接すると、この記録用紙は上方へ案内され、矢印14に沿って搬送路23へ送り込まれる。給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出される場合があるが、この記録用紙は分離傾斜板22との当接によって制止される。
搬送路23は、記録部24等が配設されている箇所以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。例えば、複合機10の背面側の搬送路23の湾曲部17は、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19が装置フレームに固定されることにより構成されている。この場合、外側ガイド部材18が外側ガイド面を構成し、内側ガイド部材19が内側ガイド面を構成している。外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19は、所定間隔で対向配置されている。搬送路23が曲がっている箇所には、回転コロ29が設けられている。この回転コロ29は、回転自在である。回転コロ29のローラ面は、外側ガイド面に露出されている。したがって、搬送路23が曲がっている箇所においても、記録用紙が円滑に搬送される。
[2−2 記録部]
記録部24は、同図が示すように搬送路23の途中に配置されている。記録部24は、キャリッジ38及びインクジェット記録ヘッド39とを備えている。インクジェット記録ヘッド39は、キャリッジ38に搭載されている。キャリッジ38は、ガイドレール105、106に沿って主走査方向(同図において紙面に垂直な方向)に往復動するようになっている。具体的には、キャリッジ38は、CRモータ95(図12参照)を駆動源とし、例えばベルト駆動機構を介してスライドされる。なお、複合機10の内部にインクジェット記録ヘッド39とは独立してインクカートリッジが配置されている。同図は、インクカートリッジを図示していない。このインクカートリッジからインクチューブを通じてインクがインクジェット記録ヘッド39に供給されるようになっている。キャリッジ38が往復動される間に、インクジェット記録ヘッド39からインクが微小なインク滴として吐出され、これにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に画像が記録される。
同図では示されていないが、複合機10の本体フレーム53にリニアエンコーダ85(図12参照)が設けられている。このリニアエンコーダ85は、キャリッジ38の位置を検知する。このリニアエンコーダ85のエンコーダストリップが上記ガイドレール105、106に配設されている。このエンコーダストリップは、光を透過させる透光部及び光を遮断する遮光部を備えている。透光部及び遮光部は、このエンコーダストリップの長手方向に所定ピッチで交互に配置されており、所定のパターンを形成している。また、キャリッジ38の上面に透過型センサである光学センサ107が設けられている。この光学センサ107は、エンコーダストリップに対応する位置に設けられている。上記光学センサ107は、キャリッジ38と共にエンコーダストリップの長手方向に沿って往復動し、その往復動の際にエンコーダストリップのパターンを検知する。
記録部24は、インクの吐出を制御するヘッド制御基板を備えている。このヘッド制御基板は、上記光学センサ107が検出したエンコーダストリップのパターンに基づくパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてキャリッジ38の位置が判断されて、キャリッジ38の往復動が制御される。
図3では示されていないが、キャリッジ38は、メディアセンサ86(図12参照)を備えている。このメディアセンサ86は、プラテン42上の記録用紙の存在の有無を検出する。メディアセンサ86は、光源及び受光素子を備えている。光源は、下方に光りを発することができる。この光源から発せられた光は、プラテン42上に搬送された記録用紙に照射される。プラテン42上まで記録用紙が搬送されていない場合は、上記光はプラテン42に照射される。記録用紙又はプラテン42に照射された光は、反射される。上記受光素子は、この反射光を受光し、受光量に応じて出力する。この出力値は、いわゆるAD値(電圧値)によって表される。前述のようにキャリッジ42がスライドされることによって、メディアセンサ86がプラテン42上を走査する。そして、制御部84は、上記AD値の変化に基づいて、記録用紙がプラテン42上に存在することを検知する。
[2−3 反転案内部]
図3が示すように、反転案内部16は、搬送路23に接続されている。反転案内部16は、記録部24よりも搬送路23の下流側部位36に連続している。反転案内部16は、一方の面(表面)に画像が記録された記録用紙を再び給紙トレイ20上に導く反転経路を構成している。この反転経路は、第1ガイド面32と第2ガイド面33とによって区画形成されている。本実施形態では、第1ガイド面32及び第2ガイド面33は、それぞれ、複合機10の本体フレーム53の内部に配置されたガイド部材34及びガイド部材35の表面により構成されている。各ガイド部材34、35は、所定間隔で対向配置されており、第1ガイド面32及び第2ガイド面33は、上記搬送路23の下流側部位36から給紙ローラ25の方へ斜め下方に延びている。
したがって、この複合機10において両面記録モードが設定されているときは、表面に画像が記録された記録用紙は、給紙ローラ25によって再び搬送路23の上流側部位37に送られる。そして、この記録用紙は、前述のように矢印14の方向に沿ってU字状に搬送され、記録部24によって他方の面(裏面)にも画像が記録される。なお、本実施形態では、反転案内部16は、上記記録用紙を給紙トレイ20上に戻すように構成されているが、これに限定されるものではない。反転案内部16は、要するに搬送路23の下流側部位36と上流側部位37とを接続することができれば十分であり、したがって、上記記録用紙は、上記上流側部位37よりも給紙トレイ20側に戻されればよい。
[2−4 用紙搬送系]
図3が示すように、記録部24よりも搬送路23の上流側に搬送ローラ60及びピンチローラ31が設けられている。これらは対をなし、ピンチローラ31は、搬送ローラ60の下側に圧接するように配置されている。搬送ローラ60及びピンチローラ31は、搬送路23を搬送される記録用紙を狭持してプラテン42上へ送る。また、記録部24よりも搬送路23の下流側に第1ローラ対61を構成する排紙ローラ62及び拍車ローラ63が設けられている。排紙ローラ62及び拍車ローラ63は、記録済みの記録用紙を狭持して搬送路23からさらに搬送方向下流側へ(排紙トレイ21側へ)搬送する。
搬送ローラ60及び排紙ローラ62は、上記LFモータ71を駆動源として駆動される。搬送ローラ60及び排紙ローラ62の駆動は同期されており、画像記録時においてこれらは間欠駆動される。これにより、記録用紙は所定の改行幅で送られながら画像記録がなされる。なお、同図では示されていないが、搬送ローラ60にロータリーエンコーダ87(図12参照)が設けられている。このロータリーエンコーダ87は、搬送ローラ60と共に回転するエンコーダディスク(不図示)のパターンを光学センサで検知する。この検知信号に基づいて、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転が制御されるようになっており、画像記録の前後において、搬送ローラ60及び排紙ローラ62は連続駆動される。
拍車ローラ63は、記録済みの記録用紙と圧接する。記録用紙に記録された画像が劣化しないように、拍車ローラ63のローラ面は、拍車状に凹凸している。拍車ローラ63は、排紙ローラ62と接離する方向にスライド移動可能に設けられている。拍車ローラ63は、排紙ローラ62に圧接するように付勢されている。拍車ローラ63を排紙ローラ62に付勢する手段は、典型的にはコイルバネが採用される。図3では示されていないが、本実施形態では複数の拍車ローラ63が備えられており、各拍車ローラ63は、記録用紙の搬送方向と直交する方向、すなわち記録用紙の幅方向に均等に並設されている。拍車ローラ63の数は特に限定されるものではないが、本実施形態では8個に設定されている。
排紙ローラ62と拍車ローラ63との間に記録用紙が進入すると、拍車ローラ63は、記録用紙の厚み分だけコイルバネの付勢力に抗して退避する。記録用紙は排紙ローラ62に圧接され、排紙ローラ62の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。また、上記ピンチローラ31も搬送ローラ60に対して同様に弾性付勢されている。したがって、記録用紙は、搬送ローラ60に圧接され、搬送ローラ60の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。
搬送路23の搬送ローラ60よりも上流側にレジセンサ102が配置されている。このレジセンサ102は、検出子及び光学センサを備えている。検出子は、搬送路23を横切るように配置され、搬送路23に出没可能である。検出子は、常時搬送路23に突出するように弾性付勢されている。搬送路23を搬送される記録用紙が検出子に当接することにより、検出子が搬送路23へ没入する。検出子の出没により、上記光学センサがON又はOFFされる。したがって、記録用紙が検出子を出没させることによって、搬送路23における記録用紙の先端又は後端の位置が検出されるようになっている。
この複合機10では、上記LFモータ71は、給紙トレイ20からの記録用紙の給紙のための駆動源となっており、また、プラテン42上に位置する記録用紙の搬送や記録済みの記録用紙を排紙トレイ21へ排出するための駆動源となっている。すなわち、LFモータ71は、搬送ローラ60を駆動すると共に、前述のように駆動伝達機構27を介して給紙ローラ25を駆動する。さらに、LFモータ71は、所定の動力伝達機構を介して排紙ローラ62を駆動するようになっている。この動力伝達機構は、例えば歯車列により構成されていてもよいし、組付スペースの関係上、タイミングベルト等が使用されてもよい。
[2−5 経路切換部]
図4は、図3における要部拡大図であって、経路切換部41の断面構造を詳細に示している。図5は、経路切換部41の駆動機構44の斜視図である。また、図6及び図7は、それぞれ、図5におけるVI−矢視図及びVII−矢視図である。
図3及び図4が示すように、経路切換部41は、搬送路23において記録部24よりも下流側に配置されている。具体的には、経路切換部41は、記録部24よりも搬送路23の下流側部位36、すなわち搬送路23と反転案内部16との境界部分における搬送方向下流側に配置されている。経路切換部41は、第2ローラ対80を構成する第1ローラ45及び第2ローラ46と、第2ローラ46に並設された補助ローラ47とを有する。
後に詳述されるように、第1ローラ45及び第2ローラ46は、上記排紙ローラ62及び拍車ローラ63から送られた記録用紙を狭持する。第1ローラ45及び第2ローラ46は、記録用紙を搬送路23に沿ってさらに搬送方向下流側へ(排紙トレイ21側へ)搬送することができ、また、記録用紙を反転案内部16へ戻すことができるようになっている。
第2ローラ46及び補助ローラ47は、フレーム48に取り付けられている。このフレーム48は、複合機10の左右方向(図3において紙面に垂直な方向)に延びている。ただし、フレーム48の断面形状は、図4が示すように略L字状に形成されており、これにより、フレーム48の所要の曲げ剛性が確保されている。
図4及び図5が示すように、フレーム48は一体化された8つのサブフレーム49を備えている。各サブフレーム49は、複合機10の中心を基準として上記左右方向に対称に配置されている。各サブフレーム49は、それぞれ一つの第2ローラ46及び補助ローラ47を備えている。したがって、フレーム48は、それぞれ8つの第2ローラ46及び補助ローラ47を備えていることになり、各第2ローラ46及び補助ローラ47は、記録用紙の搬送方向と直交する方向、すなわち記録用紙の幅方向に均等に並設されている。なお、前述のように、複数の拍車ローラ63も記録用紙の幅方向に均等に並設されているが、各拍車ローラ63は、第2ローラ46と同様の支持構造にて支持されている。
第2ローラ46及び補助ローラ47は、各サブフレーム49に設けられた支持軸50、51(図4参照)に支持され、当該支持軸50、51の回りに回転自在となっている。本実施形態では、第2ローラ46及び補助ローラ47は、拍車状に形成されている。補助ローラ47は、第2ローラ46よりも所定距離だけ搬送方向上流側に配置されている。各第2ローラ46は、図示されていないバネにより図4において下方に付勢されている。したがって、各第2ローラ46は、常に第1ローラ45に弾性的に押し付けられている。
第1ローラ45は、上記LFモータ71を駆動源として回転される。各図に表されていないが、第1ローラ45は、所要の駆動伝達機構を介して上記LFモータ71と連結されている。図5が示すように、第1ローラ45は、中心軸52を備えている。中心軸52は、複合機10の本体フレーム53側に支持されている。この中心軸52に、上記駆動伝達機構が接続されている。なお、中心軸52に所要のブラケットが設けられていてもよい。このブラケットが例えばねじにより本体フレーム53側に締結されることにより、中心軸52は、本体フレーム53に確実に支持される。
この第1ローラ45の上に第2ローラ46が載置されている。第1ローラ45は、単一の細長円柱状に形成されていてもよく、また、8つのローラがそれぞれ各第2ローラ46と対向配置されていてもよい。第1ローラ45は、上記LFモータ71によって正転及び逆転される。搬送路23に沿って搬送された記録用紙は、第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持される。第1ローラ45が正転すると、上記記録用紙は第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持されたまま搬送方向下流側へ搬送され、排紙トレイ21に排出される。他方、第1ローラ45が逆転すると、上記記録用紙は第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持されたまま搬送方向上流側へ戻される。本実施形態では、第1ローラ45の外径は、排紙ローラ62の外径よりも若干大きく設定されている。すなわち、両者が同回転速度で駆動された場合は、第1ローラ45の周速度の方が排紙ローラ62の周速度よりも大きくなる。そのため、記録用紙が排紙ローラ62及び第1ローラ45の双方によって搬送されるときは、記録用紙は常に搬送方向に引っ張られるようになっている。
図5ないし図7が示すように、駆動機構44は、中心軸52に設けられた従動ギア54と、これと噛み合う駆動ギア55と、駆動ギア55がピン56を介して連結されたカム57とを有する。このカム57は、回転駆動軸58を備えており、この回転駆動軸58は、上記LFモータ71を駆動源として駆動される。図7が示すように、カム57に案内溝59が設けられている。この案内溝59は、回転駆動軸58の回りに環状に形成されている。具体的には、案内溝59は、回転駆動軸58を中心とする小円弧部69及び大円弧部70と、小円弧部69の一端及び大円弧部70の一端を連結する連結溝72と、小円弧部69の他端及び大円弧部70の他端を連結する連結溝73とを有する。上記ピン56は、案内溝59に嵌合しており、当該嵌合溝59に沿ってスライド自在となっている。
図5及び図6が示すように、従動ギア54は、歯部64とフランジ部65とを有する。歯部64は、上記中心軸52を中心とするインボリュート歯車として構成されている。歯部64は、上記中心軸52に嵌め込まれ、当該中心軸52の回りに回転することができるようになっている。また、フランジ部65は、歯部64と一体的に形成されており、上記フレーム48と連結されている。したがって、歯部64が回転すると、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転するようになっている。
駆動ギア55は、支持軸66に回動自在に支持されている。この支持軸66は、本体フレーム53に設けられている。駆動ギア55は、歯部67とアーム68とを備えており、上記ピン56は、このアーム68に突設されている。歯部67は、上記支持軸66を中心とするインボリュート歯車として構成されており、上記歯部64と噛み合っている。歯部67が回転することにより歯部64が回転し、その結果、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転する。
図8は、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が回転した状態における経路切換部41の駆動機構44の斜視図である。図9及び図10は、それぞれ、図8におけるIX−矢視図及びX−矢視図である。また、図11は、図3における要部拡大図であって、経路切換部41が中心軸52を中心として回転した状態を示している。
図7が示すように、カム57が回転すると、ピン56は案内溝59に沿って相対的に移動し、特に、上記連結溝72、73に沿ってスライドするときは、当該ピン56は、カム57の径方向に移動することになる。このため、図7においてカム57が時計回り(矢印82の方向)に回転されたときは、ピン56が大円弧部70、連結溝72及び小円弧部69のに順に移動する。したがって、駆動ギア55は、図6において時計回りに回転する。その結果、従動ギア54は、図6において中心軸52を中心として反時計回りに回転する。前述のように、従動ギア54はフレーム48と連結されているから、従動ギア54が回転することにより、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第1ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転し、図8ないし図10が示す状態となる。なお、カム57が図8ないし図10が示す状態から、図10において反時計回り(矢印83の方向)に回転されたときは、ピン56は、小円弧部69、連結溝73及び大円弧部70の順に移動する。したがって、駆動ギア55は、図9において反時計回りに回転する。その結果、従動ギア54は、図9において中心軸52を中心として時計回りに回転する。
このとき、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47は、中心軸52を中心に回転する。したがって、図4及び図11が示すように、第2ローラ46は、第1ローラ45の周面上を転動することになる。本実施形態において、図4が示すような経路切換部41の姿勢は「被記録媒体排出姿勢」と定義され、図11が示すような経路切換部41の姿勢は「被記録媒体反転姿勢」と定義される。記録用紙の表面にのみ画像が記録される場合には、経路切換部41が常時被記録媒体排出姿勢となり、搬送路23に沿って搬送される記録用紙は、そのまま排紙トレイ21側へ送られる(図4参照)。
また、経路切換部41が被記録媒体反転姿勢に変化したときは、図11が示すように、記録用紙74が搬送方向上流側へ戻され、反転案内部16へ案内されるようになっている。具体的には、記録用紙の表裏両面に画像が記録される場合、まず、経路切換部41が被記録媒体排出姿勢を維持し(図4参照)、表面に画像記録された記録用紙が搬送方向下流側へ送られる。その後、経路切換部41が被記録媒体排出姿勢から被記録媒体反転姿勢に変化し(図11参照)、補助ローラ47が記録用紙74を押さえつけて反転案内部16側へ案内する。
[2−6 ガイド部]
図4及び図11が示すように、ガイド部76は、第1ローラ45及び第2ローラ46よりも搬送方向下流側に設けられている。本体フレーム53に支持板75が取り付けられており、この支持板75にガイド部76が設けられている。このガイド部76は、支持板75の下面に固定された基部77と、基部77に支持されたガイドローラ78とを備えている。基部77は支軸79を備えており、ガイドローラ78は、この支軸79に回転自在に支持されている。本実施形態では、このガイドローラ78は拍車状に形成されている。
このガイド部76は、所定の位置に配置されている。すなわち、ガイド部76は、上記第1ローラ45及び第2ローラ46が逆転して記録用紙74が反転案内部16へ送られているときに当該記録用紙74の記録面に接触する。また、ガイド部76は、上記第1ローラ45及び第2ローラ46が正転して記録用紙74が反転案内部16へ送られているときは、当該記録用紙74に接触しない。具体的には、ガイド部76は、第1ローラ45及び第2ローラ46の接点と、排紙ローラ62及び拍車ローラ63の接点とを結ぶ仮想線と接触しない位置に設けられている。
後述されるように、記録用紙74は、搬送方向の向きが変えられて反転案内部16に送られる。この記録用紙74のうち第1ローラ45及び第2ローラ46よりも下流側の部分は、記録用紙74の剛性によって反転案内部16と平行な方向に向きが変えられようとする。しかし、上記ガイドローラ78が記録用紙74の記録面に当接し、この記録用紙74を撓ませる。これにより、記録用紙74は、第1ローラ45及び第2ローラ46に巻き付けられるため、記録用紙74は、確実に反転案内部16に送られる。
3.制御系
図12は、複合機10の制御部84の構成を示すブロック図である。
制御部84は、プリンタ部11のみでなくスキャナ部12も含む複合機10の全体動作を制御するものである。制御部84はメイン基板により構成され、本体フレーム53内の所定の位置に配置される。なお、スキャナ部12の制御に関する構成は、本発明の主要な構成ではないので、その詳細な説明は省略される。
制御部84は、同図が示すように、CPU(Central Processing Unit)88、ROM(Read Only Memory)89、RAM(Random Access Memory)90、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)91を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御部84は、バス92を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)93に接続されている。
複合機10の各種動作を制御するためのプログラム等がROM89に格納されている。RAM90は、CPU88が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。また、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等がEEPROM91に格納される。
ASIC93は、CPU88からの指令に従い、LFモータ71に通電する相励磁信号等を生成する。この信号は、LFモータ71の駆動回路94に付与され、この駆動回路94を介して駆動信号がLFモータ71に通電される。このようにして、LFモータ71の回転制御が行われる。
駆動回路94は、給紙ローラ25、搬送ローラ60、排紙ローラ62及び第1ローラ45に接続されたLFモータ71を駆動させるものである。駆動回路94は、ASIC93からの出力信号を受けて、LFモータ71を回転するための電気信号を形成する。この電気信号を受けてLFモータ71が回転する。LFモータ71の回転力が給紙ローラ25、搬送ローラ60、排紙ローラ62及び第1ローラ45へ伝達される。なお、LFモータ71の回転力は、ギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して給紙ローラ25等に伝達される。このように、本実施形態に係る複合機10では、LFモータ71は、給紙トレイ20からの記録用紙の給紙のほか、プラテン42上に位置する記録用紙の搬送や記録済みの記録用紙の排紙トレイ21への排出の駆動源となっている。
ASIC93は、CPU88からの指令に従い、CRモータ95に通電する相励磁信号等を生成する。この信号は、CRモータ95の駆動回路96に付与され、この駆動回路96を介して駆動信号がCRモータ95に通電される。このようにして、CRモータ95の回転制御が行われる。
駆動回路96は、CRモータ95を駆動させるものである。駆動回路96は、ASIC93からの出力信号を受けて、CRモータ95を回転するための電気信号を形成する。この電気信号を受けてCRモータ95が回転する。CRモータ95の回転力は、所要の駆動機構を介してキャリッジ38へ伝達され、これにより、キャリッジ38が往復動される。このようにして、キャリッジ38の往復動が制御部84により制御される。
駆動回路97は、インクジェット記録ヘッド39を所定のタイミングで駆動させるものである。CPU88から出力される駆動制御手順に基づいて、ASIC93が出力信号を生成する。この出力信号に基づいて駆動回路97がインクジェット記録ヘッド39を駆動制御する。この駆動回路97は、ヘッド制御基板に搭載されている。駆動回路97から出力される信号は、制御部84を構成する上記メイン基板からヘッド制御基板へ伝送される。これにより、インクジェット記録ヘッド39は、所定のタイミングで各色インクを記録用紙に対して選択的に吐出する。
搬送ローラ60の回転量を検出するロータリーエンコーダ87、キャリッジ38の位置検知を行うリニアエンコーダ85、記録用紙74の先端及び後端の検知を行うレジセンサ102、プラテン42上の記録用紙74の存在を検出するメディアセンサ86がASIC93に接続されている。キャリッジ38は、複合機10の電源オンにより、一旦そのスライド端まで移動され、リニアエンコーダ85による検知位置が初期化される。キャリッジ38が初期位置からスライド移動すると、キャリッジ38に設けられた上記光学センサ107が上記エンコーダストリップのパターンを検知する。制御部84は、光学センサ107の検知に基づくパルス信号数によって、キャリッジ38の移動量を把握する。制御部84は、この移動量に基づいてキャリッジ38の往復動を制御すべく、CRモータ95の回転を制御する。また、制御部84は、レジセンサ102の信号及びロータリーエンコーダ87が検出するエンコーダ量に基づいて記録用紙74の先端又は後端の位置を把握する。制御部84は、記録用紙の先端がプラテン42の所定の位置に到達すると、記録用紙を所定の改行幅ごとに間欠搬送すべくLFモータ71の回転を制御する。この改行幅は、画像記録の条件として入力された解像度等に基づいて設定される。特に高解像度記録、具体的には、縁無し写真記録が行われる場合においては、メディアセンサ86による記録用紙74の存在の検出と、ロータリーエンコーダ87が検出するエンコーダ量とに基づいて、制御部84が記録用紙の先端、後端を正確に検知する。さらに、メディアセンサ86による記録用紙74の存在の検出と、リニアエンコーダ85が検出するエンコーダ量とに基づいて、制御部84が記録用紙の両端の位置を正確に検知する。そして、このようにして検知された記録用紙74の先端、後端及び両端の位置に基づいて、制御部84は、インクジェット記録ヘッド39によるインク滴の吐出を制御する。
スキャナ部12、画像記録モードの設定その他の複合機10の操作指示を行うための操作パネル40、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部43、パソコン等の外部情報機器とパラレルケーブルやUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース98及びUSBインタフェース79等がASIC93に接続され得る。さらに、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)100やモデム(MODEM)101もASIC93に接続され得る。
4.本実施形態に係る複合機の動作及び利点
図13は、画像記録時における記録用紙の搬送要領を示すフローチャートである。
図3が示すように、給紙トレイ20から引き出された記録用紙74(図4参照)は、矢印14の方向に沿って搬送される。具体的には、記録用紙74は、その第1端103(図4参照)を先頭として且つ第2端81(図4参照)を後尾として搬送される。記録部24は、この記録用紙74の表面に画像を記録する(図13のステップS1)。この記録用紙74は、搬送ローラ60及びピンチローラ31、排紙ローラ62及び拍車ローラ63並びに第1ローラ45及び第2ローラ46によって挟持され、プラテン42上を第3搬送速度V3で搬送方向下流側に送られる(ステップS2)。
この第3搬送速度V3は、制御部84によって決定される。この場合、記録用紙74は間欠的に送られ、記録用紙74が停止している状態でキャリッジ38がスライドして画像が記録される。記録用紙74の間欠送りは、制御部84が搬送ローラ60及びピンチローラ31、排紙ローラ62及び拍車ローラ63並びに第1ローラ45及び第2ローラ46を間欠的に回転させることによって実現される。具体的には、上記キャリッジ38がスライドしつつインクジェット記録ヘッド39からインク滴が吐出されるときは記録用紙74が停止され、インクジェット記録ヘッド39からインク滴が吐出されていないときに記録用紙74が所定の改行幅だけ送られる。そして、間欠的に送られる記録用紙74の平均速度が上記第3搬送速度V3として設定されている。
記録用紙74の表面への画像記録が終了すると(ステップS3)、次に制御部84は、記録モードが片面記録モードに設定されているか、両面記録モードに設定されているかを判断する(ステップS4)。画像記録モードは、ユーザーが予め操作パネル40等を操作することにより設定される。操作パネル40から片面記録モード又は両面記録モードを指定するデータが制御部84のRAM90に送信され、これらのデータがRAM90に格納される。もっとも、片面記録モードを指定するデータが予めROM89にデフォルト値として記憶されていてもよい。そして、制御部84がRAM90又はROM89から両面記録モードを指定するデータを読み込むことによって、記録用紙74の裏面にも画像が記録される。
例えばユーザーが操作パネル40(図1参照)を操作することによって片面記録モードが設定されている場合は(ステップS4:N)、記録用紙74の表面にのみ画像が記録される。前述のように、片面記録モードが設定されている場合は、経路切換部41は、常に被記録媒体排出姿勢(図4参照)となる。そして、第1ローラ45及び第2ローラ46が正転し、これにより、記録用紙74は搬送方向下流側へ搬送される。このとき、記録用紙74は、第2搬送速度V2で搬送され(ステップS17)、排紙トレイ21へ排出される(ステップ18)。上記第2送速度V2の設定については後述される。
また、例えばユーザーが操作パネル40(図1参照)を操作することによって両面記録モードが設定されている場合は(ステップS4:Y)、記録用紙74の裏面にも画像が記録される。この場合、記録用紙74は、次のように搬送される。まず、経路切換部41が被記録媒体排出姿勢(図4参照)を維持し、第1ローラ45及び第2ローラ46が記録用紙74を挟持して正転する。これにより、記録用紙74は排紙トレイ21側へ搬送される。
記録用紙74の第2端81の位置は、レジセンサ102のON/OFFが切り変わった時点を基準としてロータリーエンコーダ87の出力値により制御部84が把握している。また、特にいわゆる縁無し記録が行われる場合には、メディアセンサ86及びロータリーエンコーダの出力値に基づいて制御部84が記録用紙74の第2端81の位置を把握している。記録用紙74の表面への画像記録が終了した後、記録用紙74は、第1搬送速度V1で送られる(ステップS5)。この第1搬送速度V1は、制御部84によって決定される。第1速度V1は、第3速度V3よりも速くなるように設定されていてもよい。
次に、第1搬送速度V1で送られる記録用紙74の第2端81が拍車ローラ63(図3参照)によって挟持されたかどうかが判断される(ステップS6)。そして、記録用紙74の第2端81が拍車ローラ63を通過していない場合は(ステップS6:N)、記録用紙74がさらに第1搬送速度V1で送られる(ステップS5)。
記録用紙74の第2端81の付近が拍車ローラ63によって挟持されたときは(ステップS6:Y)、記録用紙74の搬送が停止される(ステップS7)。そして、記録用紙74が停止された状態が所定時間だけ経過したかどうかが判断される(ステップS8)。この状態で所定時間が経過していなければ(ステップS8:N)、さらに記録用紙74の停止状態が維持される(ステップS7)。このとき、排紙ローラ62及び第1ローラ45の外径の違いから、記録用紙74は搬送方向に引っ張られ、記録用紙74の第2端81の付近に搬送方向の張力が発生した状態となっている。すなわち、記録用紙74の第2端81付近は、所定時間だけ常に引っ張られた状態が維持される。
記録用紙74の停止状態が所定時間経過したときは(ステップS8:Y)、記録用紙74は、第2搬送速度V2で送られる(ステップS9)。この第2搬送速度V2は、制御部84によって決定される。なお、第2搬送速度V2は、上記第1搬送速度V1よりも速く設定されていてもよい。
そして、記録用紙74の第2端81が補助ローラ47に達したときに(図4参照)、経路切換部41は上記被記録媒体反転姿勢となる(ステップS10)。これにより、記録用紙74の第2端81は、補助ローラ47によって押圧され、反転案内部16側に向けられる(図11参照)。その後、第1ローラ45及び第2ローラ46が逆転することにより(ステップS11)、記録用紙74は、反転案内部16に送られる(ステップS12)。このとき、記録用紙74は、第2端81を先頭として反転案内部16に進入する。
経路切換部41が上記記録用紙反転姿勢へ変化するときは、第1ローラ45の支持軸50を中心として揺動する。すなわち、第2ローラ46は、記録用紙74を挟持したままで第1ローラ45の周面上を転動し、補助ローラ47が記録用紙74を押圧する。言い換えると、第2ローラ46は、記録用紙74を第1ローラ45の周面に巻き付かせるように第1ローラ45の周面を転動する。これにより、記録用紙74の向きは、容易に反転案内部16の方に変えられる。
反転案内部16へ送られた記録用紙74は、給紙ローラ25によって搬送路23へ送られ(ステップS13)、記録部24へ再送される。このとき、記録用紙74は、第2端81を先頭、第1端103を後尾として送られる。搬送路23は前述のようにU字状に形成されているから、記録用紙74が表裏反転され、その裏面への画像記録が開始される(ステップS14)。裏面への画像記録が開始された後は、記録用紙74は、表面への画像記録の場合と同様に上記第3搬送速度V3でプラテン42上を間欠的に送られる(ステップS15)。そして、この記憶用紙74の第2端81が経路切換部41に進入する前に、経路切換部41が被記録媒体反転姿勢から再び被記録媒体排出姿勢に変化する(ステップS16)。その後、この記録用紙74の裏面への画像記録が終了し(ステップS17)、両面に画像が記録された記録用紙74は、経路切換部41の第1ローラ45及び第2ローラ46によって挟持され、搬送方向下流側へ送られる。このとき、第1ローラ45及び第2ローラ46が正転し、記録用紙74は、上記第2搬送速度V2で搬送され(ステップS18)、排紙トレイ21へ排出される(ステップS19)。
本実施形態に係る複合機10によれば、排紙ローラ62及び拍車ローラ63が記録用紙74の第2端81の付近を挟持し、且つ、第1ローラ45及び第2ローラ46が記録用紙74を挟持した状態で、排紙ローラ62及び第1ローラ45の回転が停止される。このとき、記録用紙74は搬送方向に引っ張られた状態で、記録用紙74の表面に付着したインクが乾燥されるから、インクが乾燥する際に上記第2端81の付近にカールが生じることが抑制される。したがって、記録用紙74が表裏反転されて裏面にも画像が記録される場合に、記録用紙74が円滑に搬送路23へ再送される。その結果、両面記録がなされる場合に、ジャムの発生が防止され、高画質記録が実現される。
本実施形態では、複数の排紙ローラ62が記録用紙74の幅方向に並設されているので、記録用紙74の第2端81の付近には、搬送方向に直交する方向の張力が発生した状態となり、記録用紙74の第2端81の付近にコックリングが発生することも抑制される。したがって、記録用紙74の裏面に画像が記録される場合に記録用紙74がより一層円滑に搬送路23へ再送され、ジャムの発生が抑制される。
また、本実施形態では、操作パネル40により両面記録モードが設定された場合にのみ排紙ローラ62及び第1ローラ45の回転が停止される。このため、表面にのみ画像記録される場合には、給紙から記録終了までの時間が長引くことはないという利点がある。
加えて、排紙ローラ62及び第1ローラ45の停止時間は様々な要因に応じて決定され得る。例えば、操作パネル40にて解像度がドラフトモードに設定されているかフォトモードに設定されているかによって上記停止時間が変更され得る。フォトモードが設定された場合は、上記停止時間がより長くなる。また、記録用紙74の種類に応じて上記停止時間が設定され得る。たとえば、普通紙に代えて写真プリント用紙が採用された場合は、普通紙の場合に比べて上記停止時間がより長くなる。なお、記録用紙の種類はプリンタドライバからの情報に基づいて決定され得る。さらに、インクジェット記録ヘッド39から吐出されるインクの量(例えば1パス当たりのインクの量)によっても上記停止時間が変更され得る。上記停止時間は、インク量が多いほど長く設定される。このインクの量は、ヘッド制御基板から出力されるデータによって把握される。また、画像記録時における記録用紙74の雰囲気温度、雰囲気湿度によっても上記停止時間が変更され得る。この場合、装置フレーム53内の所要の位置に温度センサ及び湿度センサが設けられ、温度データ及び湿度データに基づいて制御部84が上記停止時間を決定する。そして、環境が高温多湿であるほど、上記停止時間がより長く設定される。
10・・・複合機
11・・・プリンタ部
16・・・反転案内部
23・・・搬送路
24・・・記録部
36・・・下流側部位
37・・・上流側部位
39・・・インクジェット記録ヘッド
40・・・操作パネル
41・・・経路切換部
45・・・第1ローラ
46・・・第2ローラ
62・・・排紙ローラ
63・・・拍車ローラ
74・・・記録用紙
81・・・第2端
84・・・制御部
103・・・第1端
11・・・プリンタ部
16・・・反転案内部
23・・・搬送路
24・・・記録部
36・・・下流側部位
37・・・上流側部位
39・・・インクジェット記録ヘッド
40・・・操作パネル
41・・・経路切換部
45・・・第1ローラ
46・・・第2ローラ
62・・・排紙ローラ
63・・・拍車ローラ
74・・・記録用紙
81・・・第2端
84・・・制御部
103・・・第1端
Claims (3)
- 被記録媒体が搬送方向に搬送される搬送路と、
搬送路に配置され、被記録媒体にインク滴を吐出して画像を記録する記録部と、
記録部よりも搬送方向下流側に配置され、被記録媒体を挟持して搬送方向下流側へ送る第1ローラ対と、
第1ローラ対よりも搬送方向下流側に配置され、被記録媒体を挟持して搬送方向下流側へ送る第2ローラ対と、
被記録媒体を表裏反転すべく搬送路の上記記録部よりも下流側部位と上流側部位とを接続する反転案内部と、
上記下流側部位に配置され、第1端を先頭として搬送された被記録媒体を第2端を先頭として反転案内部へ送ることが可能な経路切換部と、
第1ローラ対が被記録媒体の第2端付近を挟持し、且つ、第2ローラ対が被記録媒体を挟持したときに、被記録媒体の第2端付近に搬送方向の張力が発生した状態で被記録媒体を停止させるべく第1ローラ対及び第2ローラ対の回転を停止させる制御部とを備えている画像記録装置。 - 複数の第1ローラ対が上記被記録媒体の幅方向に沿って並設されている請求項1に記載の画像記録装置。
- 被記録媒体の表面にのみ画像が記録される片面記録モード又は被記録媒体の表裏両面に画像が記録される両面記録モードを受け付けるモード設定受付部を備え、
上記制御部は、上記モード設定受付部が両面記録モードを受け付けたことを条件に上記第1ローラ対及び上記第2ローラ対の回転を停止させる請求項1又は2に記載の画像記録装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010201653A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-16 | Brother Ind Ltd | 画像記録装置 |
JP2010202300A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-16 | Brother Ind Ltd | 画像記録装置 |
-
2007
- 2007-03-29 JP JP2007089874A patent/JP2008246801A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010201653A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-16 | Brother Ind Ltd | 画像記録装置 |
JP2010202300A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-16 | Brother Ind Ltd | 画像記録装置 |
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