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JP2008121617A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

内燃機関の排気還流装置 Download PDF

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JP2008121617A
JP2008121617A JP2006308617A JP2006308617A JP2008121617A JP 2008121617 A JP2008121617 A JP 2008121617A JP 2006308617 A JP2006308617 A JP 2006308617A JP 2006308617 A JP2006308617 A JP 2006308617A JP 2008121617 A JP2008121617 A JP 2008121617A
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の排気還流装置において、低圧EGRクーラで排気からの廃熱を機関冷却水に回収し、機関冷却水を暖めることで内燃機関の暖機を促進する技術を提供する。
【解決手段】機関冷却水が所定温度T1以下の場合には、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁32を閉じ側に制御することにより、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出され、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収し、機関冷却水を暖めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
ターボチャージャのタービンよりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込みターボチャージャのコンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、タービンよりも上流の排気通路から排気の一部を高圧EGRガスとして取り込みコンプレッサよりも下流の吸気通路へ高圧EGRガスを還流させる高圧EGR通路と、を備える内燃機関の排気還流装置が知られている。
そして、低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGR通路内を流れる低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラを備える技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−076456号公報 特開2001−140701号公報 特開平11−193753号公報
ところで、低負荷時や冷間始動時には、内燃機関の燃焼温度が低く未燃HCが発生し易い状態であるため、低圧EGRクーラで冷却された大量の低圧EGRガス(排気)を還流させることができない。このため、低負荷時や冷間始動時に、低圧EGR弁を閉弁して排気の還流を制限している。しかし、従来の構成であると、低圧EGR弁を閉弁すれば低圧EGRクーラに排気が流れなくなるので、低圧EGRクーラで排気からの廃熱を機関冷却水に回収することはできず、機関冷却水が暖まらないことによって内燃機関の暖機が遅れる場合がある。
本発明の目的は、内燃機関の排気還流装置において、低圧EGRクーラで排気からの廃熱を機関冷却水に回収し、機関冷却水を暖めることで内燃機関の暖機を促進する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記低圧EGR弁を閉じ側に制御する第1制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置である。
また、本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
前記タービンよりも上流の排気通路から排気の一部を高圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも下流の吸気通路へ高圧EGRガスを還流させる高圧EGR通路と、
前記高圧EGR通路に配置され、高圧EGRガス量を調節する高圧EGR弁と、
前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記低圧EGR弁を閉じ側に制御しつつ前記高圧EGR弁を開き側に制御する第2制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置である。
このように本発明では、低圧EGRクーラと低圧EGR弁との間の低圧EGR通路に一端が接続され、排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路を備え、機関冷却水が所定温度以下の場合には、排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁を閉じ側に制御する。
ここで、所定温度とは、機関冷却水がそれ以下の低温であると、機関冷却水が過剰に低温であり、内燃機関の暖機に時間がかかる温度である。
この構成によると、機関冷却水が所定温度以下の場合には、排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁を閉じ側に制御することで、排気通路を流れる排気が低圧EGRクーラの配置された低圧EGR通路の上流側に流入し、低圧EGRクーラを流れた排気が低圧EGR通路の中途部から排気連通路を流れ、再び排気通路へ排出される。
このような経路を排気が流れる際に、排気が流れる低圧EGR通路の途中に低圧EGRクーラが備えられているので、低圧EGRクーラで排気からの廃熱を機関冷却水に回収できる。これにより、機関冷却水を暖めることで内燃機関の暖機を促進できる。
また、このような経路を流れる排気はタービンよりも下流の排気通路から低圧EGR通路に流れ込むので、十分な過給を維持可能な量の排気がタービンを通過する。このため、機関冷却水が所定温度以下の場合に上記制御を行っても、十分な過給を維持して燃費を損なわない。
さらに、このような経路を流れる排気は排気浄化触媒よりも下流の排気通路から低圧EGR通路に流れ込むので、排気は排気浄化触媒を暖め、加えて排気は排気浄化触媒における触媒の反応熱を持ちさることになる。このため、低圧EGRクーラで回収する排気の廃熱には上記触媒の反応熱も含まれることから、熱量が大きくなり機関冷却水をより一層暖めることで内燃機関の暖機をさらに促進できる。また、排気は排気浄化触媒を通過し、排
気に含まれるHCは排気浄化触媒で除去されるため、低圧EGRクーラに流入する排気が低圧EGRクーラを汚染することが抑制できる。
また、本発明では、低圧EGRクーラと低圧EGR弁との間の低圧EGR通路に一端が接続され、排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路を備え、機関冷却水が所定温度以下の場合には、排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁を閉じ側に制御しつつ、高圧EGR弁を開き側に制御する。
この構成によると、低圧EGR弁を閉じ側に制御することにより低圧EGRガス量が低減した分、高圧EGR弁を開き側に制御することにより高圧EGRガス量を増加させてトータルのEGRガス量を確保できる。このため、上記制御を行ってもEGR運転を継続でき、EGR運転を行うことによる窒素酸化物(NOx)低減効果を引き続き得ることができる。
また、上記のように高圧EGRガスとしての排気を内燃機関へ還流させることから、内燃機関に吸入される吸気に含まれる高温の高圧EGRガスが増加する。これによって、内燃機関に吸入される吸気の温度が上昇し、さらには排気の温度も上昇し、高温の排気が低圧EGRクーラに流入することで機関冷却水を暖めることも促進できる。
前記排気連通路を遮断可能な遮断弁を備えるとよい。
この構成によると、遮断弁で排気連通路を遮断することによって、排気が排気通路から排気連通路を流れ低圧EGR通路の途中から低圧EGR通路に流れ込み低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ流入することを阻止できる。このため、低圧EGRクーラを迂回させず、低圧EGRクーラの廃熱回収効率が低下することを防止できる。また、低圧EGRクーラを迂回した排気が吸気通路へ流入しコンプレッサの温度が上昇してしまうことも防止できる。
また、本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
前記低圧EGR通路の前記低圧EGRクーラの配置された部分を含み前記排気連通路との接続部分よりも上流側と前記排気連通路とを疎通しつつ前記低圧EGR通路の下流側を遮断可能な遮断弁と、
前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記遮断弁で前記低圧EGR通路の下流側を遮断する第3制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置である。
本発明では、低圧EGRクーラと低圧EGR弁との間の低圧EGR通路に一端が接続され、排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路を備え、機関冷却水
が所定温度以下の場合には、排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に遮断弁で低圧EGR通路の下流側を遮断する。
この構成によると、機関冷却水が所定温度以下の場合には、排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に遮断弁で低圧EGR通路の下流側を遮断することで、低圧EGR弁の操作によらず、排気通路を流れる排気が低圧EGRクーラの配置された低圧EGR通路の上流側に流入し、低圧EGRクーラを流れた排気が低圧EGR通路の中途部から排気連通路を流れ、再び排気通路へ排出される。
運転状態が高負荷、高回転であり、前記排気絞り弁を開き側に制御する場合には、前記遮断弁によって前記排気連通路を遮断する排気連通路遮断手段を備えるとよい。
この構成によると、高負荷、高回転の運転状態であり、排気絞り弁が閉弁していることによる圧力損失を防止するために排気絞り弁を開弁していても、遮断弁で排気連通路を遮断することによって、排気が排気通路から排気連通路を流れ低圧EGR通路の途中から低圧EGR通路に流れ込み低圧EGRクーラを迂回して吸気通路へ流入することを阻止できる。
ここで、前記遮断弁は、前記低圧EGRクーラの配置された部分よりも下流の前記低圧EGR通路と前記排気連通路との接続部分に配置され、前記低圧EGR通路の上流側と下流側とを疎通しつつ前記排気連通路を遮断可能であると共に、前記低圧EGR通路の上流側と前記排気連通路とを疎通しつつ前記低圧EGR通路の下流側を遮断可能であるとよい。
前記排気の温度が前記機関冷却水の温度よりも低い場合には、前記低圧EGRクーラへの排気の流入を禁止させる排気流入禁止手段を備えるとよい。
この構成によると、排気の温度が機関冷却水の温度よりも低い場合には、低圧EGRクーラへの排気の流入を禁止させ、低圧EGRクーラへ流入する排気によって機関冷却水が却って冷却されてしまうことを防止できる。
本発明によると、内燃機関の排気還流装置において、低圧EGRクーラで排気からの廃熱を機関冷却水に回収でき、機関冷却水を暖めることで内燃機関の暖機を促進できる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気還流装置を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、燃焼室を形成する気筒2を4つ有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。内燃機関1には、吸気通路3及び排気通路4が接続されている。
内燃機関1に接続された吸気通路3の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ5のコンプレッサハウジング5aが配置されている。また、コンプレッサハウジング5aよりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調節する第1スロットル弁6が配置されている。この第1スロットル弁6は、電動アク
チュエータにより開閉される。第1スロットル弁6よりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気(新気)の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が配置されている。このエアフローメータ7により、内燃機関1の吸入空気量(新気量)が測定される。
コンプレッサハウジング5aよりも下流の吸気通路3には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ8が配置されている。そして、インタークーラ8よりも下流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調整する第2スロットル弁9が設けられている。この第2スロットル弁9は、電動アクチュエータにより開閉される。
一方、内燃機関1に接続された排気通路4の途中には、ターボチャージャ5のタービンハウジング5bが配置されている。また、タービンハウジング5bよりも下流の排気通路4には、パティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという。)10が配置されている。このフィルタ10には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒という。)が担持されている。フィルタ10は、排気中の粒子状物質(PM)を捕集する。また、NOx触媒は、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、一方、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下したときは吸蔵していたNOxを放出する。その放出の際、排気中にHCや一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒から放出されたNOxが還元される。なお、NOx触媒の代わりに、酸化触媒または三元触媒をフィルタ10に担持させてもよい。本実施例におけるNOx触媒を担持したフィルタ10が、本発明における排気浄化触媒に相当する。
フィルタ10よりも下流の排気通路4には、該排気通路4内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁11が設けられている。この排気絞り弁11は、電動アクチュエータにより開閉される。
そして、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を低圧で吸気通路3へ還流(再循環)させる低圧EGR装置30が備えられている。この低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、及び低圧EGRクーラ33を備えて構成されている。
低圧EGR通路31は、フィルタ10よりも下流且つ排気絞り弁11よりも上流側の排気通路4と、コンプレッサハウジング5aよりも上流且つ第1スロットル弁6よりも下流側の吸気通路3と、を接続している。この低圧EGR通路31を通って、排気が低圧で内燃機関1へ送り込まれる。そして、本実施例では、低圧EGR通路31を流通して還流される排気を低圧EGRガスと称している。
また、低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31の通路断面積を調整することにより、該低圧EGR通路31を流れる低圧EGRガスの量を調節する。
さらに、低圧EGRクーラ33は、該低圧EGRクーラ33を通過する低圧EGRガスと、内燃機関1の機関冷却水とで熱交換をして、該低圧EGRガスの温度を低下させる。また、低圧EGRクーラ33は、機関冷却水が低圧EGRガスよりも低温の場合には、低圧EGRガスによって逆に機関冷却水を暖めることもできる。
ここで、機関冷却水の温度は、機関冷却水の流路に配置された冷却水温度センサ34によって検出可能となっている。
また、本実施例では、低圧EGRクーラ33と低圧EGR弁32との間の低圧EGR通路31に一端が接続され、排気絞り弁11よりも下流の排気通路4に他端が接続された排
気連通路50が備えられている。
一方、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を高圧で吸気通路3へ還流させる高圧EGR装置40が備えられている。この高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41、及び高圧EGR弁42を備えて構成されている。
高圧EGR通路41は、タービンハウジング5bよりも上流側の排気通路4と、コンプレッサハウジング5aよりも下流側の吸気通路3と、を接続している。この高圧EGR通路41を通って、排気が高圧で内燃機関1へ送り込まれる。そして、本実施例では、高圧EGR通路41を流通して還流される排気を高圧EGRガスと称している。
また、高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41の通路断面積を調整することにより、該高圧EGR通路41を流れる高圧EGRガスの量を調節する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU12が併設されている。このECU12は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU12には、エアフローメータ7、冷却水温度センサ34、運転者がアクセルペダル13を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出可能なアクセル開度センサ14、及び機関回転速度を検出するクランクポジションセンサ15が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。
一方、ECU12には、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、排気絞り弁11、低圧EGR弁32、及び高圧EGR弁42の各アクチュエータが電気配線を介して接続されており、該ECU12によりこれらの機器が制御される。
そして、本実施例では、運転状態に応じて低圧EGR弁32を用い低圧EGRガス量を制御しつつ高圧EGR弁42を用い高圧EGRガス量を制御する。これにより、内燃機関1に吸入される吸気に低圧EGRガス及び高圧EGRガスが含まれた状態で内燃機関1を運転させる、いわゆるEGR運転を行い、吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度、燃焼速度を低下させて、燃焼時に発生するNOxを低減させる効果を発揮させている。
ところで、低負荷時や冷間始動時は、内燃機関1の燃焼温度が低く未燃HCが発生し易い状態である。よって、低圧EGRクーラ33で冷却された大量の低圧EGRガス(排気)を還流させることができない。このため、低負荷時や冷間始動時に、低圧EGR弁32を閉弁して低圧EGRガス(排気)の還流を制限している。
しかしながら、低負荷時や冷間始動時には、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進することが望まれる。
そこで、本発明者らは、低圧EGRガスとして還流しないタービンハウジング5bよりも下流の排気通路4を流れる排気を無駄にしないために、排気の廃熱を回収し、この熱によって機関冷却水を暖めることができないか思案した。そして、通常時においては機関冷却水を用いて熱交換して低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラ33を、低負荷時や冷間始動時には高温の排気と低温の機関冷却水とを熱交換して機関冷却水を暖めることができることを見出した。
ここで、低圧EGRクーラ33に排気を流すために、低圧EGR通路31を用いて低圧EGRガスを内燃機関1へ還流させてしまうと、上記と同様に内燃機関1の燃焼温度が低
く未燃HCが発生し易くなってしまうので、低圧EGRクーラ33を流れた排気を低圧EGR通路31から低圧EGR通路31の接続部位よりも下流の排気通路4へ流すよう、排気連通路50を設けた。
このため、排気連通路50は、低圧EGRクーラ33と低圧EGR弁32との間の低圧EGR通路31に一端が接続され、排気絞り弁11よりも下流の排気通路4に他端が接続される。
そして、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁32を全閉に制御することで、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される、機関冷却水を暖めるための排気の経路を形成できることを見出した。
したがって、本実施例では、低負荷時や冷間始動時において、特に内燃機関1の暖機に時間がかかる機関冷却水が温度T1以下の場合には、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁32を全閉に制御する。
ここで、温度T1とは、機関冷却水がそれ以下の低温であると、機関冷却水が過剰に低温であり、内燃機関1の暖機に時間がかかる温度である。
したがって、本実施例によると、機関冷却水が温度T1以下の場合には、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁32を全閉に制御することで、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される。
このような経路を排気が流れる際に、排気が流れる低圧EGR通路31の途中に低圧EGRクーラ33が備えられているので、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収できる。これにより、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
また、機関冷却水が温度T1以下の場合の上記経路を流れる排気はタービンハウジング5bよりも下流の排気通路4から低圧EGR通路31に流れ込むので、十分な過給を維持可能な量の排気がタービンハウジング5bを通過する。このため、機関冷却水が温度T1以下の場合に上記制御を行っても、内燃機関1は十分な過給を維持して燃費を損なわない。
さらに、このように流れる排気はフィルタ10よりも下流の排気通路4から低圧EGR通路31に流れ込むので、排気はフィルタ10を暖め、加えて排気はフィルタ10における触媒の反応熱を持ちさることになる。このため、低圧EGRクーラ33で回収する排気の廃熱には上記触媒の反応熱も含まれることから、熱量が大きくなり機関冷却水をより一層暖めることで内燃機関1の暖機をさらに促進できる。また、排気はフィルタ10を通過し、排気に含まれるHCはフィルタ10で除去されるため、低圧EGRクーラ33に流入する排気が低圧EGRクーラ33を汚染することが抑制できる。
また、本実施例では、機関冷却水が温度T1以下の場合には、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に低圧EGR弁32を全閉に制御しつつ、高圧EGR弁42を開き側に制御する。
この構成によると、低圧EGR弁32を全閉に制御することにより低圧EGRガス量が低減した分、高圧EGR弁42を開き側に制御することにより高圧EGRガス量を増加させてトータルのEGRガス量を確保できる。このため、EGR運転を継続でき、EGR運転を行うことによるNOx低減効果を引き続き得ることができる。
また、上記のように高圧EGRガスとしての排気を内燃機関1へより多く還流させることから、内燃機関1に吸入される吸気に含まれる高温の高圧EGRガスが増加する。これによって、内燃機関1に吸入される吸気の温度が上昇し、さらには排気の温度も上昇し、高温の排気が低圧EGRクーラ33に流入することで機関冷却水を暖めることも促進できる。
次に、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42の制御のフローについて説明する。図2は、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42の制御のルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU12が、本発明の第1、第2制御手段に相当する。
ステップS101では、ECU12は、冷却水温度センサ34を用いて機関冷却水の温度THWを検出する。
ステップS101から移行するステップS102では、ECU12は、機関冷却水の温度THWが温度T1以下か否かを判定する(THW≦T1?)。
ここで、温度T1は、機関冷却水がそれ以下の低温であると、機関冷却水が過剰に低温であり、内燃機関1の暖機に時間がかかる温度であり、実験等により予め定められた温度である。
ステップS102において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS105へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、ECU12は、低圧EGR弁32を全閉に制御すると共に高圧EGR弁42を開き側に制御する。
ここで、高圧EGR弁42の開き側への開度増加量は、低圧EGR弁32が全閉して減少する低圧EGRガス量を補う分の高圧EGRガス量を増量できるような開度増加量である。
低圧EGR弁32を全閉に制御することにより、機関冷却水の温度THWが温度T1以下の場合においては低圧EGRガスの還流を停止させる。また、高圧EGR弁42を開き側に制御することにより、低圧EGR弁32が全閉して低圧EGRガス量が低減した分、高圧EGRガス量を増加させてトータルのEGRガス量を確保できる。
ステップS103から移行するステップS104では、ECU12は、サブルーチンを用いて排気絞り弁11の開度を調整する。
サブルーチンは、低圧EGR弁32が全閉か否かによって、排気絞り弁11の開度調整のためのマップを選択し、そのマップに従って排気絞り弁11の開度を調整するルーチンである。
このサブルーチンは、図3に示すように、クランクポジションセンサ15の出力値から
機関回転数Neを算出すると共に内燃機関1の気筒2内へ噴射される燃料噴射量Qを算出し(ステップS201)、低圧EGR弁32が全閉か否か判断し(ステップS202)、低圧EGR弁32が全閉であればマップg(Ne,Q)によって排気絞り弁11の開度を調整し(ステップS203)、低圧EGR弁32が全閉でなければマップf(N,Q)によって排気絞り弁11の開度を調整する(ステップS204)。
なお、マップg(Ne,Q)及びマップf(N,Q)は、排気絞り弁11の開度、機関回転数Ne、及び燃料噴射量Qの3次元マップであり、予め実験等から求められたものであり、マップg(Ne,Q)及びマップf(N,Q)に機関回転数Ne及び燃料噴射量Qを代入することにより排気絞り弁11の開度を求めることができるものである。また、マップg(Ne,Q)とマップf(N,Q)とを比較すると、略等しい機関回転数Ne及び燃料噴射量Qであれば、マップg(Ne,Q)の方が排気絞り弁11を閉じ側に制御する値を採る。
ステップS104の説明に戻ると、サブルーチンが実行され、ステップS103で低圧EGR弁32を全閉としていることから、マップg(Ne,Q)によって排気絞り弁11の開度を調整することになる。
これにより、マップg(Ne,Q)によって排気絞り弁11の開度を閉じ側に調整すると、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される。
そして、上記のような経路を排気が流れる際に、排気が流れる低圧EGR通路31の途中に低圧EGRクーラ33が備えられているので、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収できる。これにより、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
一方、ステップS105では、ECU12は、機関冷却水の温度THWが温度T2以下か否かを判定する(THW≦T2?)。
ここで、温度T2は、温度T1よりも高温(T1<T2)で機関冷却水がそれ以下の低温であると、機関冷却水が未だ通常よりも低温であり、EGR運転を行いつつも内燃機関1の暖機をさらに促進させたい温度であり、実験等により予め定められた温度である。
ステップS105において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS108へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS106へ移行する。
ステップS106では、ECU12は、低圧EGR弁32を少なくとも全閉でない開状態に制御する。なお、このとき高圧EGR弁42は、要求されるEGRガス量等に応じて適宜制御される。
低圧EGR弁32を少なくとも全閉でない開状態に制御することにより、機関冷却水の温度THWが温度T2以下の場合においては、低圧EGRガスの還流を行わせる。
ステップS106から移行するステップS107では、ECU12は、サブルーチンを用いて排気絞り弁11の開度を調整する。
本ステップでは、図3に示すサブルーチンが実行され、ステップS105で低圧EGR弁を全閉としていないことから、マップf(Ne,Q)によって排気絞り弁11の開度を
調整することになる。
排気絞り弁11の開度を少なからず全開でない開状態に制御することにより、機関冷却水の温度THWが温度T2以下の場合においては、低圧EGR通路31に排気が流入し易くし、低圧EGRクーラ33を流れる排気の流量が、排気絞り弁11が全開となっている場合よりも多くなるようにしている。この低圧EGRクーラ33に流入する排気は、一部が低圧EGR通路31の下流側を通って内燃機関1に還流し、他の一部が排気連通路50を通って排気通路4へ排出される。
よって、機関冷却水の温度THWが温度T2以下の場合においては、低圧EGR弁32が開状態であることから低圧EGRガスによるEGR運転を行い、さらに低圧EGRクーラ33を流れる排気の流量が、排気絞り弁11が全開となっている場合よりも多いことから内燃機関1の暖機をさらに促進させる。
ステップS108では、ECU12は、機関冷却水が暖まっているので、排気絞り弁11の開度を全開とし、内燃機関1は通常のEGR運転を行う。
以上のように、排気連通路50を備え、機関冷却水の温度に応じて、排気絞り弁11、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42を制御することにより、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収でき、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
<実施例2>
次に実施例2を説明する。以下では、上記実施例と同様な点については説明を省略し、異なる点のみを説明する。
機関冷却水の温度がフィルタ10から排出される排気の温度よりも高い場合には、低圧EGRクーラ33に排気が流入すると、却って機関冷却水が冷却されることになる。そこで、本実施例では、排気の温度Tcが機関冷却水の温度THWよりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させる。
ここで、排気の温度は、図1に示すフィルタ10の直下流の排気通路4に配置された排気温度センサ16の出力値から求められる。そして、低圧EGRクーラ33へ流入する排気を禁止する方法は、低圧EGR弁32を全閉に制御すると共に排気絞り弁11を全開に制御することである。
したがって、本実施例によると、排気の温度が機関冷却水の温度よりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させ、低圧EGRクーラ33へ流入する排気によって機関冷却水が却って冷却されてしまうことを防止できる。
次に、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42の制御のフローについて説明する。図4は、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42の制御のルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU12が、本発明の排気流入禁止手段に相当する。
ここで、図4に示すフローのステップS101〜S108については、実施例1と同様なものである。
ステップS101では、ECU12は、冷却水温度センサ34を用いて機関冷却水の温
度THWを検出する。
ステップS101から移行するステップS301では、ECU12は、排気温度センサ16を用いて、フィルタ10から排出された排気の温度Tcを検出する。
ステップS301から移行するステップS302では、ECU12は、機関冷却水の温度THWが排気の温度Tc以下か否かを判定する(THW≦Tc?)。
ステップS302において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS303へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS102へ移行する。
ステップS303では、ECU12は、低圧EGR弁32を全閉に制御すると共に排気絞り弁11を全開に制御する。
以上のように排気の温度Tcが機関冷却水の温度THWよりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させることにより、低圧EGRクーラ33へ流入する排気によって機関冷却水が却って冷却されてしまうことを防止できる。
<実施例3>
次に実施例3を説明する。以下では、上記実施例と同様な点については説明を省略し、異なる点のみを説明する。
排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入する場合がある。そこで、本実施例では、図5に示すように排気連通路50を遮断可能な遮断弁51を備える。
遮断弁51は、低圧EGR通路31と排気連通路50との接続部分に配置され、ECU12に制御されることで、低圧EGR通路31の低圧EGRクーラ33が配置された排気連通路50との接続部分よりも上流側と、低圧EGR通路31の低圧EGR弁32が配置された排気連通路50との接続部分よりも下流側と、を疎通しつつ、排気連通路50を遮断可能である。またそれと共に、低圧EGR通路31の上流側と、排気連通路50と、を疎通しつつ、低圧EGR通路31の下流側を遮断可能である。なお、遮断弁51は、上記流通経路を形成できれば配置は本実施例に限定されず、例えば、低圧EGR通路31の排気連通路50よりも下流側かつ低圧EGR弁32よりも上流側の間に配置されてもよい。
遮断弁51が低圧EGR通路31の下流側を遮断することで、低圧EGR弁32の操作によらず、排気通路4から低圧EGR通路31の上流側、排気連通路50を経て排気通路4に再び戻る経路を形成することができる。
また、遮断弁51が排気連通路50を遮断することで、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。このため、低圧EGRクーラ33を迂回させず、低圧EGRクーラ33の廃熱回収効率が低下することを防止できる。また、低圧EGRクーラ33を迂回した排気が吸気通路3へ流入しコンプレッサハウジング5aの温度が上昇してしまうことも防止できる。
次に、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42及び遮断弁51の制御のフローについて説明する。図6は、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42及
び遮断弁51の制御のルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU12が、本発明の第1、第2制御手段に相当する。
ここで、図6に示すフローのステップS101〜S107については、実施例1と同様なものである。
ステップS102において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS105へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS401へ移行する。
ステップS401では、ECU12は、低圧EGR弁32を全閉に制御し、高圧EGR弁42を開き側に制御すると共に、遮断弁51で低圧EGR通路31の下流側を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と排気連通路50とを連通する。
ステップS401から移行するステップS104では、ECU12は、サブルーチンを用いて排気絞り弁11の開度を調整する。
一方、ステップS105において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS403へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS402へ移行する。
ステップS402では、ECU12は、低圧EGR弁32を少なくとも全閉でない開状態に制御する。また、遮断弁51で排気連通路50を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と低圧EGR通路31の下流側とを連通する。なお、このとき高圧EGR弁42は、要求されるEGRガス量等に応じて適宜制御される。
これにより、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の下流側を流れ、吸気通路3へ排出される。
また、遮断弁51で排気連通路50を遮断することにより、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。
ステップS402から移行するステップS107では、ECU12は、サブルーチンを用いて排気絞り弁11の開度を調整する。
一方、ステップS403では、ECU12は、機関冷却水が暖まっているので、排気絞り弁11の開度を全開とすると共に、遮断弁51で排気連通路50を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と低圧EGR通路31の下流側とを連通し、内燃機関1は通常のEGR運転を行う。
本ステップにおいても、遮断弁51で排気連通路50を遮断することにより、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。
以上のように、排気連通路50を備え、機関冷却水の温度に応じて、排気絞り弁11、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42及び遮断弁51を制御することにより、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収でき、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
<実施例4>
次に実施例4を説明する。以下では、上記実施例と同様な点については説明を省略し、異なる点のみを説明する。
機関冷却水の温度がフィルタ10から排出される排気の温度よりも高い場合には、低圧EGRクーラ33に排気が流入すると、却って機関冷却水が冷却されることになる。そこで、本実施例では、排気の温度Tcが機関冷却水の温度THWよりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させる。
ここで、排気の温度は、図5に示すフィルタ10の直下流の排気通路4に配置された排気温度センサ16の出力値から求められる。そして、低圧EGRクーラ33へ流入する排気を禁止する方法は、排気絞り弁11を全開に制御すると共に低圧EGR弁32を全閉に制御し、遮断弁51で排気連通路50を遮断することである。
したがって、本実施例によると、排気の温度が機関冷却水の温度よりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させ、低圧EGRクーラ33へ流入する排気によって機関冷却水が却って冷却されてしまうことを防止できる。
次に、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42及び遮断弁51の制御のフローについて説明する。図7は、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42及び遮断弁51の制御のルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU12が、本発明の排気流入禁止手段に相当する。
ここで、図7に示すフローのステップS101〜S107及びS401〜S403については、実施例3と同様なものである。
ステップS101では、ECU12は、冷却水温度センサ34を用いて機関冷却水の温度THWを検出する。
ステップS101から移行するステップS501では、ECU12は、排気温度センサ16を用いて、フィルタ10から排出された排気の温度Tcを検出する。
ステップS501から移行するステップS502では、ECU12は、機関冷却水の温度THWが排気の温度Tc以下か否かを判定する(THW≦Tc?)。
ステップS502において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS503へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS102へ移行する。
ステップS503では、ECU12は、低圧EGR弁32を全閉に制御すると共に排気絞り弁11を全開に制御し、遮断弁51で排気連通路50を遮断する。
以上のように排気の温度Tcが機関冷却水の温度THWよりも低い場合には、低圧EGRクーラ33への排気の流入を禁止させることにより、低圧EGRクーラ33へ流入する排気によって機関冷却水が却って冷却されてしまうことを防止できる。
<実施例5>
次に実施例5を説明する。以下では、上記実施例と同様な点については説明を省略し、異なる点のみを説明する。
本実施例は、排気絞り弁11及び遮断弁51の制御のみを行うようにし、低圧EGR弁32を、EGR運転を行う通常制御のみ行い、強制制御しない場合である。
このため、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される、機関冷却水を暖めるための排気の経路を形成するように、遮断弁51が低圧EGR通路31の上流側と排気連通路50とを疎通しつつ低圧EGR通路31の下流側を遮断する。なお、本実施例での遮断弁51を含む内燃機関1の基本構成は、図5に示す実施例3と同様なものである。
したがって、本実施例によると、機関冷却水が温度T1以下の場合には、排気絞り弁11を閉じ側に制御すると共に遮断弁51で低圧EGR通路31の下流側を遮断することで、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される。
このような経路を排気が流れる際に、排気が流れる低圧EGR通路31の途中に低圧EGRクーラ33が備えられているので、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収できる。これにより、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
また、運転状態が高負荷、高回転の際には、排気絞り弁11が閉弁していることによる圧力損失を防止するために排気絞り弁11を開弁する。しかし、排気絞り弁11を開弁すると、本実施例の場合には低圧EGR弁32が開弁している場合があるため、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入する場合がある。そこで、本実施例では、運転状態が高負荷、高回転であり、排気絞り弁11の開度ETHVが開度L1よりも大きい場合には、遮断弁51が低圧EGR通路31の上流側と下流側とを疎通しつつ排気連通路50を遮断する。
したがって、遮断弁51で排気連通路50を遮断することによって、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。このため、低圧EGRクーラ33を迂回させず、低圧EGRクーラ33の廃熱回収効率が低下することを防止できる。また、低圧EGRクーラ33を迂回した排気が吸気通路3へ流入しコンプレッサハウジング5aの温度が上昇してしまうことも防止できる。
次に、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11及び遮断弁51の制御のフローについて説明する。図8は、本実施例による機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁11及び遮断弁51の制御のルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンを実行するECU12が、本発明の第3制御手段及び排気連通路遮断手段に相当する。
ステップS601では、ECU12は、冷却水温度センサ34を用いて機関冷却水の温度THWを検出する。
ステップS601から移行するステップS602では、ECU12は、機関冷却水の温度THWが温度T1以下か否かを判定する(THW≦T1?)。
ステップS602において否定判定された場合には、ECU12は、ステップS608へ移行する。また、肯定判定された場合には、ステップS603へ移行する。
ステップS603では、ECU12は、クランクポジションセンサ15の出力値から機関回転数Neを算出すると共に内燃機関1の気筒2内へ噴射される燃料噴射量Qを算出する。
ステップS603から移行するステップS604では、ECU12は、マップh(Ne,Q)によって排気絞り弁11の開度ETHVを調整する。
なお、マップh(Ne,Q)は、排気絞り弁11の開度、機関回転数Ne、及び燃料噴射量Qの3次元マップであり、予め実験等から求められたものであり、マップh(Ne,Q)に機関回転数Ne及び燃料噴射量Qを代入することにより排気絞り弁11の開度ETHVを求めることができるものである。そして、マップh(Ne,Q)は、機関回転数Ne及び燃料噴射量Qから運転状態を推定して、運転状態に応じて排気絞り弁11の開度を調整するものである。このため、運転状態が高負荷、高回転となると、排気絞り弁11の開度ETHVが小さくなる(開き側である)。
ステップS604から移行するステップS605では、ECU12は、ステップS604で求めた排気絞り弁11の開度ETHVが開度L1よりも小さい(開き側である)か否かを判定する(ETHV<L1?)。
ここで、開度L1は、排気絞り弁11の開度がそれよりも小さい(開き側である)と、高負荷、高回転の運転状態で圧力損失を防止するために排気絞り弁11を大きく開弁している開度であり、実験等により予め定められた開度である。
ステップS605において否定判定された場合(開度L1以上の閉じ側である)には、ECU12は、ステップS606へ移行する。また、肯定判定された場合(開度L1よりも開き側である)には、ステップS607へ移行する。
ステップS606では、ECU12は、遮断弁51で低圧EGR通路31の下流側を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と排気連通路50とを連通する。
これにより、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の中途部から排気連通路50を流れ、再び排気通路4へ排出される。
一方、ステップS607では、ECU12は、運転状態が高負荷、高回転と判断し、遮断弁51で排気連通路50を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と下流側とを連通する。
これにより、排気通路4を流れる排気が低圧EGRクーラ33の配置された低圧EGR通路31の上流側に流入し、低圧EGRクーラ33を流れた排気が低圧EGR通路31の下流側を流れ、吸気通路3へ排出される。
また、遮断弁51で排気連通路50を遮断することにより、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。
一方、ステップS608では、ECU12は、機関冷却水が暖まっているので、排気絞
り弁11の開度を全開とすると共に、遮断弁51で排気連通路50を遮断して、低圧EGR通路31の上流側と低圧EGR通路31の下流側とを連通し、内燃機関1は通常のEGR運転を行う。
本ステップにおいても、遮断弁51で排気連通路50を遮断することにより、排気が排気通路4から排気連通路50を流れ低圧EGR通路31の途中から低圧EGR通路31に流れ込み低圧EGRクーラ33を迂回して吸気通路3へ流入することを阻止できる。
以上のように、排気連通路50を備え、機関冷却水の温度に応じて、排気絞り弁11及び遮断弁51を制御することにより、低圧EGRクーラ33で排気からの廃熱を機関冷却水に回収でき、機関冷却水を暖めることで内燃機関1の暖機を促進できる。
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
実施例1に係る内燃機関とその吸・排気系を示す図である。 実施例1に係る機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁、低圧EGR弁及び高圧EGR弁の制御のルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に係る排気絞り弁の開度を調整するサブルーチンを示すフローチャートである。 実施例2に係る機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁、低圧EGR弁及び高圧EGR弁の制御のルーチンを示すフローチャートである。 実施例3に係る内燃機関とその吸・排気系を示す図である。 実施例3に係る機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁、低圧EGR弁、高圧EGR弁及び遮断弁の制御のルーチンを示すフローチャートである。 実施例4に係る機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁、低圧EGR弁、高圧EGR弁及び遮断弁の制御のルーチンを示すフローチャートである。 実施例5に係る機関冷却水の温度に応じた排気絞り弁及び遮断弁の制御のルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 ターボチャージャ
5a コンプレッサハウジング
5b タービンハウジング
6 スロットル弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 スロットル弁
10 フィルタ
11 排気絞り弁
12 ECU
13 アクセルペダル
14 アクセル開度センサ
15 クランクポジションセンサ
16 排気温度センサ
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 低圧EGRクーラ
34 冷却水温度センサ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁
50 排気連通路
51 遮断弁

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
    前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
    前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
    前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
    前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
    前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記低圧EGR弁を閉じ側に制御する第1制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
    前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
    前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
    前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
    前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
    前記タービンよりも上流の排気通路から排気の一部を高圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも下流の吸気通路へ高圧EGRガスを還流させる高圧EGR通路と、
    前記高圧EGR通路に配置され、高圧EGRガス量を調節する高圧EGR弁と、
    前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記低圧EGR弁を閉じ側に制御しつつ前記高圧EGR弁を開き側に制御する第2制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  3. 前記排気連通路を遮断可能な遮断弁を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気還流装置。
  4. 内燃機関の排気通路に配置されたタービン及び内燃機関の吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンよりも下流の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒よりも下流の排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み前記コンプレッサよりも上流の吸気通路へ低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路と、
    前記低圧EGR通路に配置され、低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁と、
    前記低圧EGR弁よりも上流の低圧EGR通路に配置され、機関冷却水を用いて低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラと、
    前記低圧EGR通路との接続部位よりも下流の排気通路に配置される排気絞り弁と、
    前記低圧EGRクーラと前記低圧EGR弁との間の前記低圧EGR通路に一端が接続され、前記排気絞り弁よりも下流の排気通路に他端が接続された排気連通路と、
    前記低圧EGR通路の前記低圧EGRクーラの配置された部分を含み前記排気連通路との接続部分よりも上流側と前記排気連通路とを疎通しつつ前記低圧EGR通路の下流側を遮断可能な遮断弁と、
    前記機関冷却水が所定温度以下の場合には、前記排気絞り弁を閉じ側に制御すると共に前記遮断弁で前記低圧EGR通路の下流側を遮断する第3制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  5. 運転状態が高負荷、高回転であり、前記排気絞り弁を開き側に制御する場合には、前記遮断弁によって前記排気連通路を遮断する排気連通路遮断手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の排気還流装置。
  6. 前記遮断弁は、前記低圧EGRクーラの配置された部分よりも下流の前記低圧EGR通路と前記排気連通路との接続部分に配置され、前記低圧EGR通路の上流側と下流側とを疎通しつつ前記排気連通路を遮断可能であると共に、前記低圧EGR通路の上流側と前記排気連通路とを疎通しつつ前記低圧EGR通路の下流側を遮断可能であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気還流装置。
  7. 前記排気の温度が前記機関冷却水の温度よりも低い場合には、前記低圧EGRクーラへの排気の流入を禁止させる排気流入禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気還流装置。
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