JP2008120105A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アキュムレータ圧センサに固着異常が生じたか否かを正確に判定する。
【解決手段】ブレーキ制御装置200において、アキュムレータ圧制御部84は、検出されたアキュムレータ圧が所定の圧力範囲内となるように、ポンプを駆動するモータ36aの作動を制御する。増圧リニア制御弁66は、アキュムレータとホイールシリンダとを結ぶ連通路に設けられ、開弁および閉弁することによりアキュムレータからホイールシリンダへの作動液の供給および供給停止を切り換える。センサ異常判定部88は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく増圧リニア制御弁66を開弁させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいてアキュムレータ圧センサ72が異常か否かを判定する。
【選択図】図2
【解決手段】ブレーキ制御装置200において、アキュムレータ圧制御部84は、検出されたアキュムレータ圧が所定の圧力範囲内となるように、ポンプを駆動するモータ36aの作動を制御する。増圧リニア制御弁66は、アキュムレータとホイールシリンダとを結ぶ連通路に設けられ、開弁および閉弁することによりアキュムレータからホイールシリンダへの作動液の供給および供給停止を切り換える。センサ異常判定部88は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく増圧リニア制御弁66を開弁させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいてアキュムレータ圧センサ72が異常か否かを判定する。
【選択図】図2
Description
本発明はブレーキ制御装置に関し、特にアキュムレータの作動液圧であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧センサが異常か否かを判定するブレーキ制御装置に関する。
自動車等の車両用の制動システムとして、たとえば特許文献1に記載されるように、アキュムレータ圧センサの検出結果を利用してアキュムレータ圧を所定の圧力範囲内に維持し、アキュムレータからホイールシリンダに作動液を供給することによりホイールシリンダ圧を増圧させる液圧ブレーキシステムが知られている。
特開2005−35471号公報
このような液圧ブレーキシステムにおいては、アキュムレータ圧センサから正確なアキュムレータ圧が出力されることが常に要求される。しかしながら、実際はアキュムレータ圧が変化しているにもかかわらずアキュムレータ圧センサがある一定の検出値を出力してしまう固着異常がアキュムレータ圧センサに生じる場合がある。このような固着異常のうち、たとえば、アキュムレータ圧を維持すべき所定の圧力範囲の下限値より低い一定の検出値を出力する固着異常がアキュムレータ圧センサに発生した場合、アキュムレータ圧の増圧に伴いアキュムレータ圧センサの検出値も上昇するか否かを判定することによって、アキュムレータ圧センサに固着異常が発生したか否かを判定することは可能である。
しかし、アキュムレータ圧を維持すべき所定の圧力範囲内において一定の検出値を出力する固着異常が発生した場合、たとえばアキュムレータ圧が所定の圧力範囲の下限値よりも低い圧力に低下した場合であっても外観上はアキュムレータ圧は維持すべき所定の圧力範囲内となっているため、上述の特許文献1に開示される液圧ブレーキシステムではアキュムレータ圧の増圧も行われない。このため、このような固着異常が発生した場合、アキュムレータ圧の増圧に伴いアキュムレータ圧センサの検出値も上昇するかによってアキュムレータ圧センサに固着異常が発生したか否かを判定することは困難である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アキュムレータ圧センサに固着異常が生じたか否かを正確に判定することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、ポンプが駆動されることにより蓄圧するアキュムレータの作動液圧であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧センサと、検出されたアキュムレータ圧が所定の圧力範囲内となるように、ポンプを駆動するモータの作動を制御するアキュムレータ圧制御手段と、アキュムレータとホイールシリンダとを結ぶ連通路に設けられ、開弁および閉弁することによりアキュムレータからホイールシリンダへの作動液の供給および供給停止を切り換える液圧制御弁と、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく液圧制御弁を開弁させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいてアキュムレータ圧センサが異常か否かを判定するセンサ異常判定手段と、を備える。
アキュムレータ圧センサに固着異常が発生していた場合には、このように液圧制御弁を開弁させてアキュムレータ圧が所定の圧力範囲の下限値より低い圧力としても、アキュムレータ圧が所定の圧力範囲の下限値より低い圧力となったことが検出されないと考えられる。この態様によれば、このように液圧制御弁を開弁させたときのアキュムレータ圧センサの検出値を利用して、アキュムレータ圧センサに固着異常が発生したか否かを正確に判定することができる。
本発明のある態様のブレーキ制御装置は、アキュムレータ圧とホイールシリンダの作動液圧であるホイールシリンダ圧との差圧と、前記液圧制御弁を開弁させるために前記液圧制御弁に供給すべき電流値との関係を示す電流差圧特性を格納する記憶部をさらに備えてもよい。センサ異常判定手段は、格納された電流差圧特性を参照してアキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力とするために液圧制御弁に供給すべき電流値を決定し、決定された電流値の電流をバッテリから供給させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいてアキュムレータ圧センサが異常か否かを判定してもよい。
アキュムレータ圧とホイールシリンダ圧との差圧が様々に変化した場合においても適切に液圧制御弁を開弁させるべく、一般的にこのような差圧と液圧制御弁の開弁電流との関係を示す電流差圧特性が取得され、車両に設けられた記憶部に予め保持されている。この態様によれば、この電流差圧特定を参照することによりアキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力とするために液圧制御弁に供給すべき電流値を簡易に決定することができる。
センサ異常判定手段は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく液圧制御弁を開弁させたときに所定の圧力範囲内のアキュムレータ圧が検出された場合、アキュムレータ圧センサが異常であると判定してもよい。この態様によれば、アキュムレータ圧センサに所定の圧力範囲内の検出値を出力する固着異常が発生した場合においても、そのような固着異常の発生を検出することが可能となる。
本発明のある態様のブレーキ制御装置は、開弁するための電流が供給されたときの液圧制御弁の作動状態に基づいて液圧制御弁が異常か否かを判定する制御弁異常判定手段をさらに備えてもよい。センサ異常判定手段は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく液圧制御弁を開弁させたときに所定の圧力範囲内のアキュムレータ圧が検出され、さらに液圧制御弁が正常と判定された場合に、アキュムレータ圧センサが異常であると判定してもよい。
アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値よりも低い圧力にしているにもかかわらず、アキュムレータ圧センサによって所定の圧力範囲内のアキュムレータ圧が検出される場合、その要因としてアキュムレータ圧センサの異常および液圧制御弁の異常の双方が考えられる。この態様によれば、これら2つの要因を考慮してアキュムレータ圧センサに固着異常が発生しているか否かをより正確に判定することができる。
本発明のある態様のブレーキ制御装置は、ポンプを駆動するモータの作動のオンオフを切り換えるリレーに、当該モータの作動をオンにする制御電流が与えられたときのリレーの応答に基づいてリレーが異常か否かを判定するリレー異常判定手段をさらに備えてもよい。リレー異常判定手段は、センサ異常判定手段によってアキュムレータ圧センサの異常を判定すべく、アキュムレータ圧が所定の圧力範囲の下限値より低い圧力とされたときに、リレーが異常か否かを判定してもよい。
上述のような固着異常判定を実施する場合、アキュムレータ圧が低下することから、アキュムレータ圧を増圧させるべくモータを作動させる必要が生じる。この態様によれば、この機会を利用してモータの作動のオンオフを切り換えるリレーの異常検出も実施することができる。このため一つの異常検出工程においてアキュムレータ圧センサおよびリレーの双方の異常検出を実施することができ、異常検出工程を簡素なものとすることが可能となる。
本発明のブレーキ制御装置によれば、アキュムレータ圧センサに固着異常が生じたか否かを正確に判定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るブレーキ制御装置200が備える液圧ブレーキシステム20の系統図である。ブレーキ制御装置200は、液圧ブレーキシステム20およびブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)70を備える。液圧ブレーキシステム20は、図1に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧された作動液としてのブレーキフルードをディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット27、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により増圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギ、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、液圧ブレーキシステム20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、マスタシリンダ32から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65は、レギュレータ33から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設けるのと比べて、コストの観点からは好ましい。
液圧ブレーキシステム20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、ブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECU(図示せず)などと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御して、ブレーキ回生協調制御を実行可能である。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
分離弁60は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67によりホイールシリンダ圧が制御されているときには開状態とされており、このとき第1流路45aと第2流路45bとは同様の圧力となっている。さらにABS保持弁51〜54も増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67によりホイールシリンダ圧が制御されているときには通常は開状態とされている。このため、第1流路45aおよび第2流路45bのブレーキフルードの圧力はホイールシリンダ圧と同様となっている。したがって、この場合、制御圧センサ73はホイールシリンダ23のホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサとして機能する。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
図2は、本実施形態に係るブレーキ制御装置200の機能ブロック図である。なお、図2においてブレーキECU70は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
アキュムレータ圧センサ72および制御圧センサ73はブレーキECU70に接続されている。アキュムレータ圧センサ72および制御圧センサ73の検出結果はブレーキECU70に出力される。
ブレーキECU70は、駆動回路102を介して増圧リニア制御弁66に接続されている。後述するブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁66に供給すべき電流値およびそのデューティーを決定し、決定した電流値およびデューティーで増圧リニア制御弁66に電流を供給すべく駆動回路102に制御電流を供給する。駆動回路102は、入力された制御電流に応じた電流値およびデューティーでバッテリ110から増圧リニア制御弁66へ電流を供給する。
同様に、ブレーキECU70は、駆動回路104を介して減圧リニア制御弁67に接続されている。ブレーキ制御部82は、減圧リニア制御弁67に供給すべき電流値およびそのデューティーを決定し、決定した電流値およびデューティーで減圧リニア制御弁67に電流を供給すべく駆動回路104に制御電流を供給する。駆動回路104は、入力された制御電流に応じた電流値およびデューティーでバッテリ110から減圧リニア制御弁67へ電流を供給する。
ブレーキECU70は、第1リレー106および第2リレー108を介してモータ36aに接続されている。後述するアキュムレータ圧制御部84は、第1リレー106または第2リレー108に制御電流を供給することにより第1リレー106または第2リレー108のオンおよびオフを制御し、バッテリ110からモータ36aへの電流の供給および供給停止を制御することにより、モータ36aの作動および作動停止を制御する。
なお、第2リレー108は第1リレー106に異常が生じた場合に備えて設けられたものである。アキュムレータ圧制御部84は、第1リレー106が正常な場合は第1リレー106をオンオフさせることによりモータ36aの作動を制御し、第1リレー106に異常が発生した場合は第2リレー108をオンオフさせることによりモータ36aの作動を制御する。
ブレーキECU70は、ブレーキ制御部82、アキュムレータ圧制御部84、学習制御部86、センサ異常判定部88、バルブ異常判定部90、リレー異常判定部92、および記憶部94を有する。
ブレーキ制御部82は、ストロークセンサ25やレギュレータ圧センサ71などの検出結果を利用して車両に設けられた車輪の各々に適切な制動力を与えるべく、ホイールシリンダ23の各々に発生させるべきホイールシリンダ圧を算出する。ブレーキ制御部82は、算出したホイールシリンダ圧を発生させるために、増圧リニア制御弁66または減圧リニア制御弁67に供給することが必要とされる電流値およびそのデューティーを決定し、決定された電流値およびデューティーに応じた制御電流を駆動回路102または駆動回路104に供給する。ブレーキ制御部82は、このようしてホイールシリンダ23の各々に適切なホイールシリンダ圧を発生させる。
アキュムレータ圧制御部84は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲内となるよう制御する。具体的には、アキュムレータ圧制御部84は、アキュムレータ圧センサ72の検出結果を利用して、アキュムレータ圧が所定の下限圧力(以下、「ポンプ作動アキュムレータ圧Pβ」という)に低下したとき、第1リレー106または第2リレー108をオンにしてモータ36aを作動させ、アキュムレータ圧を増圧する。モータ36aの作動を継続してアキュムレータ圧が所定の上限圧力(以下、「ポンプ停止アキュムレータ圧Pα」という)に達したとき、アキュムレータ圧制御部84は、第1リレー106または第2リレー108をオフにしてモータ36aの作動を停止させ、それ以上のアキュムレータ圧の増圧を抑止する。
学習制御部86は、アキュムレータ圧とホイールシリンダ圧との差圧と、増圧リニア制御弁66を開弁させるための開弁電流(以下、「開弁電流Is」という)との関係を示す電流差圧特性を取得する学習制御を実施する。また、学習制御部86は、ホイールシリンダ圧と、減圧リニア制御弁67を開弁させるための開弁電流との関係を示す電流差圧特定を取得する学習制御を実施する。これらの学習制御は、一般的に車両の出荷前に実施される。学習制御の具体的な手順については公知であるため説明を省略する。なお、これらの学習制御が車両の出荷後に実施されてもよいことは勿論である。
記憶部94は、ROM、RAM、または他の書き換え可能な記憶媒体など、ブレーキECU70に設けられる記憶装置を総称したものをいう。学習制御部86は、学習制御部86が学習制御を実施することによって取得した電流差圧特性を格納する。
センサ異常判定部88は、アキュムレータ圧センサ72に異常が発生しているか否かを判定する。ここで、実際はアキュムレータ圧が変化しているにもかかわらず一定のアキュムレータ圧を検出値として出力してしまう固着異常がアキュムレータ圧センサ72に生じる場合がある。たとえばアキュムレータ圧を維持すべき所定の圧力範囲の下限値より低い一定の圧力を検出値として出力する固着異常がアキュムレータ圧センサ72に発生した場合、まずアキュムレータ圧制御部84は所定の圧力範囲内にアキュムレータ圧を増圧させるべくポンプ36を作動させる。センサ異常判定部88は、このときにアキュムレータ圧センサ72によって検出されたアキュムレータ圧がポンプ36の作動に伴って増圧するか否かを判定することにより、アキュムレータ圧センサ72に固着異常が発生しているか否かを判定することが可能である。
しかし、アキュムレータ圧を維持すべき所定の圧力範囲内の一定の圧力を検出値として出力する固着異常がアキュムレータ圧センサ72に発生した場合、アキュムレータ圧制御部84は、アキュムレータ圧はポンプ作動アキュムレータ圧Pβまで低下していないと判定し、ポンプ36を作動させない。この場合上述のような判定方法でアキュムレータ圧センサ72に固着異常が発生しているか否かを判定することは困難となる。
このため、本実施形態に係るセンサ異常判定部88は、アキュムレータ圧を所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく液圧制御弁を開弁させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいてアキュムレータ圧センサが異常か否かを判定する。アキュムレータ圧センサ72の固着異常の判定手順は、図3に関連して以下に詳述する。
バルブ異常判定部90は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を含む、液圧ブレーキシステム20に設けられたすべての電磁制御弁について、異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、ブレーキECU70には、電磁制御弁を開弁させるべく電磁制御弁にバッテリ110から電流が供給されたときの通電状態を示す情報が、駆動回路102および駆動回路104などの駆動回路から入力される。バルブ異常判定部90は、この通電状態を示す情報を利用して電磁制御弁各々のの作動状態を判定し、電磁制御弁の各々について異常が発生しているか否かを判定する。
リレー異常判定部92は、リレーが異常か否かを判定する。具体的には、リレー異常判定部92は第1リレー106または第2リレー108にモータ36aの作動をオンにする制御電流が与えられたときの第1リレー106または第2リレー108の通電状態などの応答に基づいてリレーが異常か否かを判定する。
図3は、本実施形態に係るブレーキ制御装置200におけるアキュムレータ圧センサなどの異常判定手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、車両のイグニッションスイッチがオンにされた後、所定時間毎に実施される。なお、本フローチャートにおける処理は、ストロークセンサ25によってブレーキペダル24の踏み込み操作が検出されているときは実施されない。また、本フローチャートにおける処理が実施されているときにストロークセンサ25によってブレーキペダル24の踏み込み操作が検出された場合、本フローチャートにおける処理は終了する。
ブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁に異常検出開弁電流I1を供給する(S10)。ここで、異常検出開弁電流I1の決定方法について、図4に関連して説明する。
図4は、アキュムレータ圧Paccと、増圧リニア制御弁66に供給する電流値Isとの関係を示す図である。図4において、横軸はアキュムレータ圧Pacc、縦軸は増圧リニア制御弁66に供給する電流値Isとなっている。図4には、アキュムレータ圧とホイールシリンダ圧との差圧と、増圧リニア制御弁66の開弁電流との関係を示す電流差圧特性が描かれている。図4に示すように、この場合の電流差圧特性はアキュムレータ圧Paccが増加するにしたがって電流値Isが低下する直線となる。なお、電流差圧特性は、アキュムレータ圧Paccと電流値Isとの関係でなくアキュムレータ圧Paccとホイールシリンダ圧との差圧と電流値Isとの関係を本来示すが、本実施形態における異常判定手順においてはブレーキペダル24が踏み込み操作されておらずホイールシリンダ圧が大気圧と概ね等しくなっていることから、アキュムレータ圧Paccと電流値Isとの関係として図4に示している。
ポンプ停止アキュムレータ圧Pα、ポンプ作動アキュムレータ圧Pβ、およびこれらの間の圧力範囲であるアキュムレータ圧制御範囲Waccも図4に示す。電流差圧特性において、ポンプ作動アキュムレータ圧Pβのときの電流値Isをポンプ作動開弁電流Iβとする。アキュムレータ圧がアキュムレータ圧制御範囲Wacc内にあるときなど、アキュムレータ圧がポンプ作動アキュムレータ圧Pβよりも大きいときに増圧リニア制御弁66にポンプ作動開弁電流Iβを供給すると、アキュムレータ圧は減圧していきポンプ作動アキュムレータ圧Pβに達したときに増圧リニア制御弁66が閉弁してそのままアキュムレータ圧がポンプ作動アキュムレータ圧Pβに保持される。このためポンプ作動開弁電流Iβは、アキュムレータ圧をポンプ作動アキュムレータ圧Pβに減圧するために増圧リニア制御弁66に供給すべき電流値Isということができる。
本実施形態では、センサ異常判定部88は、まずポンプ作動アキュムレータ圧Pβよりも低い圧力である異常検出アキュムレータ圧P1を設定する。次にセンサ異常判定部88は、記憶部94に格納された増圧リニア制御弁66の電流差圧特性を参照し、アキュムレータ圧Paccを異常検出アキュムレータ圧P1とするために増圧リニア制御弁66に供給すべき開弁電流の電流値Isを算出する。センサ異常判定部88は、こうして算出した電流値Isを異常検出開弁電流I1に決定する。電流差圧特性はアキュムレータ圧が減少するにしたがって電流値Isが増加するため、異常検出開弁電流I1はポンプ作動開弁電流Iβよりも大きな値となる。センサ異常判定部88は、このようにしてアキュムレータ圧をポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い圧力に減圧するために増圧リニア制御弁66に供給すべき電流を決定する。
図3に戻る。S10において、ブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁66を開弁させると共に、減圧リニア制御弁67も開弁させる。これによりホイールシリンダ圧が増圧されることが抑制されるため、たとえば車両が走行中であってもアキュムレータ圧センサ72の異常判定処理を実施することが可能となる。
増圧リニア制御弁66に異常検出開弁電流I1が供給された場合、アキュムレータ圧センサ72および増圧リニア制御弁66が共に正常であれば、アキュムレータ圧はポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い異常検出アキュムレータ圧P1に減圧され、アキュムレータ圧センサ72も異常検出アキュムレータ圧P1を検出するはずである。このため、増圧リニア制御弁66に異常検出開弁電流I1が供給されると、センサ異常判定部88は、アキュムレータ圧センサ72による検出値がポンプ作動アキュムレータ圧Pβより小さいか否かを判定する(S12)。
アキュムレータ圧Paccをポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い圧力に減圧しているにもかかわらず、アキュムレータ圧センサ72による検出値がポンプ作動アキュムレータ圧Pβ以上と判定された場合(S12のN)、アキュムレータ圧センサ72および増圧リニア制御弁66のいずれかに異常が発生している可能性がある。このためバルブ異常判定部90は、増圧リニア制御弁66とアキュムレータ圧センサ72のどちらに異常が発生しているかを明確にするため、増圧リニア制御弁66に異常検出開弁電流I1を供給したときの増圧リニア制御弁66の通電状態を利用して増圧リニア制御弁66は異常か否かを判定する(S14)。増圧リニア制御弁66が通電しないなど、増圧リニア制御弁66の通電状態に異常がある場合(S14のY)、バルブ異常判定部90は増圧リニア制御弁66に異常が発生したと判定する(S16)。
増圧リニア制御弁66に異常が発生したと判定されると、ブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67による制動力の電子制御を中止し、マスタシリンダ32およびレギュレータ33の圧力をホイールシリンダ23に直接与える制動力発生方法に切り換える。
具体的には、センサ異常判定部88により増圧リニア制御弁66に異常が発生したと判定された場合、ブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を閉弁し、マスタカット弁64、レギュレータカット弁65を開弁し、および分離弁60を閉弁する。その結果、マスタシリンダ圧が右前輪用ホイールシリンダ23FRおよび左前輪用ホイールシリンダ23FLに、レギュレータ圧が右後輪用ホイールシリンダ23RRおよび左後輪用ホイールシリンダ23RLにそれぞれ与えられる。
さらにブレーキECU70は、制動力の電子制御ブレーキシステムに異常が発生した旨を示す情報を統合ECU(図示せず)に送信し、統合ECUは車両客室内のインスツルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯させてその旨を車両の乗員に報知する。
アキュムレータ圧Paccをポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い圧力に減圧しているにもかかわらずアキュムレータ圧センサ72による検出値がポンプ作動アキュムレータ圧Pβ以上となり、さらに増圧リニア制御弁66は正常と判定された場合(S14のN)、センサ異常判定部88は、アキュムレータ圧センサ72に異常が発生したと判定する(S18)。アキュムレータ圧センサ72に異常が発生したと判定された場合も、ブレーキ制御部82は、上述と同様に増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67による制動力の電子制御を中止し、マスタシリンダ32およびレギュレータ33の圧力をホイールシリンダ23に直接与える制動力発生方法に切り換える。また、統合ECUは警告ランプを点灯させる。
アキュムレータ圧Paccをポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い圧力に減圧し、アキュムレータ圧センサ72による検出値もポンプ作動アキュムレータ圧Pβより小さい場合(S12のY)、アキュムレータ圧センサ72および増圧リニア制御弁66の双方が正常であると考えられる。このため、ブレーキ制御部82は、そのまま増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67による制動力の電子制御を継続する。
ここで、アキュムレータ圧センサ72の異常判定を実施したことによってアキュムレータ圧は異常検出アキュムレータ圧P1に減圧していることから、アキュムレータ圧制御部84は、アキュムレータ圧をアキュムレータ圧制御範囲Wacc内に戻すためポンプ36の作動を開始する(S20)。
このように、本実施形態に係るアキュムレータ圧センサ72の異常判定制御では、アキュムレータ圧をポンプ作動アキュムレータ圧Pβより低い圧力とすることから、モータ36aを作動させることとなる。このため、本実施形態に係るブレーキ制御装置200は、アキュムレータ圧センサ72の異常判定制御に伴って、第1リレー106および第2リレー108の異常判定も実施する。
ポンプ36の作動が開始されると、リレー異常判定部92は、第1リレー106をオンに切り換えるための制御電流を第1リレー106に供給し、このときの第1リレー106の通電状態を利用して第1リレー106は正常か否かを判定する(S22)。
第1リレー106が通電しないなど、第1リレー106の通電状態に異常がある場合(S22のN)、リレー異常判定部92は、第1リレー106に異常が発生したと判定する(S24)。この場合、記憶部94は第1リレー106に異常が発生した旨を示すフラグを設定する。また、このときブレーキECU70は第1リレー106に異常が発生した旨を示す情報を統合ECUに出力し、統合ECUは、車両客室内に設けられた警告ランプを点灯させてもよい。
第1リレー106の異常判定が終了すると(S22のY、S24)、リレー異常判定部92は、第2リレー108をオンに切り換えるための制御電流を第2リレー108に供給し、このときの第2リレー108の通電状態を利用して第2リレー108は正常か否かを判定する(S26)。
第2リレー108が通電しないなど、第2リレー108の通電状態に異常がある場合(S26のN)、リレー異常判定部92は、第2リレー108に異常が発生したと判定する(S28)。この場合、記憶部94は第2リレー108に異常が発生した旨を示すフラグを設定する。また、ブレーキECU70は第2リレー108に異常が発生した旨を示す情報を統合ECUに出力し、統合ECUは、車両客室内に設けられた警告ランプを点灯させてもよい。第2リレー108の異常判定が終了すると(S26のY、S28)、本フローチャートにおける処理を終了する。
アキュムレータ圧制御部84は第1リレー106の異常に関するフラグ、および第2リレー108の異常に関するフラグを参照し、第1リレー106および第2リレー108のどちらも正常である場合には、モータ36aを作動させるときに第1リレー106をオンにする。第1リレー106および第2リレー108の一方が正常で他方が異常である場合には、モータ36aを作動させるときに正常な方のリレーをオンにする。
第1リレー106および第2リレー108の双方に異常が発生した場合、ブレーキ制御部82は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67による制動力の電子制御を中止し、マスタシリンダ32およびレギュレータ33の圧力をホイールシリンダ23に直接与える制動力発生方法に切り換える。また、統合ECUは警告ランプを点灯させる。
20 液圧ブレーキシステム、 23 ホイールシリンダ、 35 アキュムレータ、 36 ポンプ、 36a モータ、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 70 ブレーキECU、 72 アキュムレータ圧センサ、 73 制御圧センサ、 82 ブレーキ制御部、 84 アキュムレータ圧制御部、 86 学習制御部、 88 センサ異常判定部、 90 バルブ異常判定部、 92 リレー異常判定部、 94 記憶部、 106 第1リレー、 108 第2リレー、 200 ブレーキ制御装置。
Claims (5)
- ポンプが駆動されることにより蓄圧するアキュムレータの作動液圧であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧センサと、
検出されたアキュムレータ圧が所定の圧力範囲内となるように、ポンプを駆動するモータの作動を制御するアキュムレータ圧制御手段と、
アキュムレータとホイールシリンダとを結ぶ連通路に設けられ、開弁および閉弁することによりアキュムレータからホイールシリンダへの作動液の供給および供給停止を切り換える液圧制御弁と、
アキュムレータ圧を前記所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく前記液圧制御弁を開弁させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいて前記アキュムレータ圧センサが異常か否かを判定するセンサ異常判定手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。 - アキュムレータ圧とホイールシリンダの作動液圧であるホイールシリンダ圧との差圧と、前記液圧制御弁を開弁させるために前記液圧制御弁に供給すべき電流値との関係を示す電流差圧特性を格納する記憶部をさらに備え、
前記センサ異常判定手段は、前記格納された電流差圧特性を参照してアキュムレータ圧を前記所定の圧力範囲の下限値より低い圧力とするために前記液圧制御弁に供給すべき電流値を決定し、決定された電流値の電流をバッテリから供給させたときに検出されたアキュムレータ圧に基づいて前記アキュムレータ圧センサが異常か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。 - 前記センサ異常判定手段は、アキュムレータ圧を前記所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく前記液圧制御弁を開弁させたときに前記所定の圧力範囲内のアキュムレータ圧が検出された場合、アキュムレータ圧センサが異常であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
- 開弁するための電流が供給されたときの前記液圧制御弁の作動状態に基づいて前記液圧制御弁が異常か否かを判定する制御弁異常判定手段をさらに備え、
前記センサ異常判定手段は、アキュムレータ圧を前記所定の圧力範囲の下限値より低い圧力にすべく前記液圧制御弁を開弁させたときに前記所定の圧力範囲内のアキュムレータ圧が検出され、さらに前記液圧制御弁が正常と判定された場合に、アキュムレータ圧センサが異常であると判定することを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。 - ポンプを駆動するモータの作動のオンオフを切り換えるリレーに、当該モータの作動をオンにする制御電流が与えられたときの前記リレーの応答に基づいて前記リレーが異常か否かを判定するリレー異常判定手段をさらに備え、
前記リレー異常判定手段は、前記センサ異常判定手段によってアキュムレータ圧センサの異常を判定すべく、アキュムレータ圧が前記所定の圧力範囲の下限値より低い圧力とされたときに、前記リレーが異常か否かを判定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
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JP2006302590A JP2008120105A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | ブレーキ制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012066650A (ja) * | 2010-09-22 | 2012-04-05 | Toyota Motor Corp | 液圧ブレーキシステム |
JP2021014832A (ja) * | 2019-07-12 | 2021-02-12 | 株式会社デンソー | 蒸発燃料処理装置 |
EP2468596B1 (en) * | 2010-12-21 | 2022-02-02 | Airbus Operations Limited | A method of monitoring aircraft brake performance and apparatus for performing such a method |
-
2006
- 2006-11-08 JP JP2006302590A patent/JP2008120105A/ja active Pending
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