JP2008114452A - 燃料用ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】層間接着性,柔軟性等に優れ、燃料に対する低透過性に優れる燃料用ホースを提供する。
【解決手段】アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR/PVC)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ポリエーテルサルホン(PES)およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一方を用いて形成された最内層1と、上記最内層1の外周に設けられる低透過層2と、上記低透過層2の外周に設けられるゴム外層(内面ゴム外層3aおよび外面ゴム外層3b)とを備えたホースであって、上記低透過層2が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されている。
【選択図】図1
【解決手段】アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR/PVC)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ポリエーテルサルホン(PES)およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一方を用いて形成された最内層1と、上記最内層1の外周に設けられる低透過層2と、上記低透過層2の外周に設けられるゴム外層(内面ゴム外層3aおよび外面ゴム外層3b)とを備えたホースであって、上記低透過層2が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料用ホースに関するものであり、詳しくは、自動車等に用いられる、ガソリン,アルコール混合ガソリン(ガソホール),アルコール,水素,軽油,ジメチルエーテル,ディーゼル,CNG(圧縮天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の燃料の輸送等に用いられる燃料用ホースに関するものである。
世界的な環境意識の高まりから、燃料用ホース、とりわけ自動車用の燃料用ホースからの炭化水素蒸散量の規制が強化されてきており、なかでも米国ではかなり厳しい蒸散規制が法制化されている。このような状況の中で、炭化水素蒸散量の規制に対応するため、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、ポリアミド11、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等からなる燃料低透過層を備えた多層構造のホースが提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−212481公報
しかしながら、ETFE、EVOH等からなる層を備えたホースは、他の材料との接着性が悪いため、層間接着性に劣る傾向がみられる。また、ETFE層、EVOH層等のみにより炭化水素蒸散量の規制に対応する場合、その層の厚みを分厚くする等しなければならず、結果、柔軟性、組み付け性、振動伝達抑制等の点で問題が生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、層間接着性,柔軟性等に優れ、燃料に対する低透過性に優れる燃料用ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の燃料用ホースは、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR/PVC)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ポリエーテルサルホン(PES)およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一方を用いて形成された最内層と、上記最内層の外周に設けられる低透過層と、上記低透過層の外周に設けられるゴム外層とを備えたホースであって、上記低透過層が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されているという構成をとる。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その過程で、NBR、NBR/PVC、CR、ECO、CSM、FKM、CPEといったゴムや、PES、フッ素系樹脂といった樹脂を用いてホース最内層を形成すると、ホース内部を流通する燃料に対する耐油性に優れるようになり、また、その最内層の外周に、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを用いて塗膜形成したところ、上記最内層との層間接着性に優れるとともに、その塗膜が薄膜であっても、炭化水素に対する低透過性に優れるようになることを突き止めた。そして、上記塗膜の厚みを特定範囲内に設定することにより、上記低透過性と、ホースの柔軟性のバランスが良好な結果となり、さらに上記塗膜の外周にゴム外層を設けることにより、振動吸収性や、外部からの機械的衝撃等に対するホース耐性にも優れるようになることから、このような構成により、所望のホース性能を発揮することができることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明の燃料用ホースは、NBR、NBR/PVC、CR、ECO、CSM、FKM、CPE、PESおよびフッ素系樹脂を、単独であるいは二種以上併せて用いて形成された最内層と、上記最内層の外周に設けられる低透過層と、上記低透過層の外周に設けられるゴム外層とを備えており、上記低透過層が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されていることから、特に炭化水素に対して優れた低透過性能を得ることができ、近年強化されている燃料用ホースの炭化水素蒸散規制に対応することができる。しかも、本発明の燃料用ホースは、耐燃料油性に優れるとともに、層間接着性や柔軟性にも優れ、配管の際に有利であるとともに、振動の激しい自動車のエンジンルーム内での配管用ホースとしても有利に用いることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の燃料用ホースは、例えば図1に示すように、最内層1と、上記最内層1の外周に設けられる低透過層2と、上記低透過層2の外周に設けられるゴム外層(内面ゴム外層3aおよび外面ゴム外層3b)とを備えており、上記最内層1が特定の材料によって形成されているとともに、上記低透過層2が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、かつ、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されている。なお、図1では、上記ゴム外層が、内面ゴム外層3aと外面ゴム外層3bとの二層構造となっているが、特に限定はなく、単層であっても、三層以上であってもよい。また、図1に示すように、適宜、補強層4を設けてもよい。
上記最内層1の形成材料としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR/PVC)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ポリエーテルサルホン(PES)およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一方が用いられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、より炭化水素性に優れることから、NBR、NBR/PVC、FKM、PESおよびフッ素系樹脂が好適に用いられる。
なお、上記最内層1の形成材料には、必要に応じて、カーボンブラック、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加工助剤、白色充填材、可塑剤、軟化剤、受酸剤、着色剤、スコーチ防止剤等を適宜に配合することができる。
上記最内層1の外周に形成される低透過層2の形成材料は、先に述べたように、けん化度90%以上のポリビニルアルコール(PVOH)が用いられる。すなわち、けん化度90%未満のポリビニルアルコールであると、特に炭化水素に対して、所望のレベルの低透過性能を得ることができないからである。ここで、ポリビニルアルコールのけん化度は、そのポリビニルアルコールを下記の化学式(1)に示した場合の、mとnとの値を、下記の数式(a)に当てはめることにより、求めることができる。
ここで、本発明において、「主成分とする」とは、樹脂膜全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
そして、上記低透過層2の形成材料であるPVOHは、水やアルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)に溶解等することにより、コーティング液として使用に供される。特に、上記低透過層2の形成材料に対する溶解性の点で、水(90〜95℃程度の熱水)を溶剤として用いることが好ましい。そして、このようにして得られるコーティング液は、粘度を10〜1000000(mPa・s/25℃)にすることが、塗工性(濡れ性や作業性)等の点で好ましい。
上記低透過層2の外周のゴム外層(内面ゴム外層3aおよび外面ゴム外層3b)を形成する材料としては、特に限定はなく、例えば、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR),臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等のハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、NBR/PVC、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、アクリルゴム、シリコンゴム、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ウレタンゴム等が用いられる。なかでも、より炭化水素性に優れることから、NBR、NBR/PVC、CR、FKMおよびECOが好適に用いられる。なお、上記ゴム外層の材料中には、必要に応じて、カーボンブラック、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加工助剤、白色充填材、可塑剤、軟化剤、受酸剤、着色剤、スコーチ防止剤等が適宜配合される。
なお、上記ゴム外層は、図1では、内面ゴム外層3aおよび外面ゴム外層3bの二層であるが、このように二層以上の複数層からなるとき、その各層の形成材料は、同じであっても異なっていてもよい。また、図1のように、必要に応じ、補強層4を形成してもよい。上記補強層4は、図示のように、上記内面ゴム外層3aと外面ゴム外層3bとの間に介在させることが、その機能(ホース耐圧性能)が充分発揮されることから、好ましい。上記補強層4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),アラミド,ポリアミド(ナイロン),ビニロン,レーヨン,金属ワイヤ等の補強糸を、スパイラル編組,ニット編組,ブレード編組等によって編組することにより補強層として構成することができる。
ここで、前記図1に示すような、本発明の燃料用ホースは、例えばつぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、先に述べた最内層1用材料および低透過層2用材料(コーティング液)をそれぞれ準備する。つぎに、上記最内層1用材料をホース状に押し出し成形して、管状の最内層1を形成する。なお、この時、マンドレルを用いても差し支えない。ついで、この最内層1の外周面に、上記低透過層2用のコーティング液を塗工する。この塗工法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、刷毛塗り等の従来の方法が適用できる。そして、塗工後、乾燥処理を行うことにより、特定の厚みを有する低透過層(樹脂膜)2を形成する。このようにして低透過層2を形成した後、その低透過層2の外周に、ゴム外層の押し出し成形を行い、また、必要に応じ補強層4を構成する(図1では、内面ゴム外層3aを形成した後、その外周面に補強層4を形成し、さらに上記補強層4の外周面に外面ゴム外層3bを形成している)ことにより、目的とする層構造の燃料用ホースを作製することができる。
なお、上記低透過層2の成膜前に、上記最内層1の外周面に、接着下地処理として、紫外線照射処理,プラズマ処理,コロナ放電処理等のエッチング処理を施しても差し支えない。これらのなかでも、塗膜接着性(層間接着性)が向上する点で、最内層1の外周面をプラズマ処理により粗面化し、その粗面上に上記低透過層2を直接形成することが好ましい。
また、上記低透過層2の成膜前に、上記最内層1の外周面に、接着剤層を形成してもよい。接着層用材料としては、特に限定はなく、例えば、フェノール系、シラン系、塩素系、ウレタン系、ポリエステル系、イソシアネート系、エポキシ系等の接着剤があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、上記最内層1と低透過層2との層間接着性に優れることから、フェノール系接着剤が好適に用いられる。
本発明の燃料用ホースにおいて、ホース内径は2〜40mmの範囲内が好ましい。また、上記最内層1の厚みは、0.02〜2.0mmの範囲内が好ましい。
そして、本発明では、上記低透過層2の厚みを、2〜100μmの範囲内とすることを要する。すなわち、上記低透過層2の厚みが2μm未満であると、炭化水素に対する低透過性に劣るからであり、逆に、上記低透過層2の厚みが100μmを超えると、コーティング膜が硬くなり、ホースの柔軟性に支障をきたすこととなり、割れ(クラック)を生じるおそれもあるからである。
また、上記低透過層2の外周に形成されるゴム外層の厚みは、特に限定はないが、図1のように、内面ゴム外層3aと外面ゴム外層3bとの二層により構成する場合、上記内面ゴム外層3aの厚みを0.5〜5mmの範囲内とし、外面ゴム外層3bの厚みを0.5〜2.0mmの範囲内とすることが好ましい。
本発明の燃料用ホースは、ガソリン,アルコール混合ガソリン(ガソホール),アルコール,水素,軽油,ジメチルエーテル,ディーゼル,CNG(圧縮天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の燃料輸送用ホースに好適に用いられる。そして、上記燃料輸送用ホースは、自動車や輸送機器(飛行機,フォークリフト,ショベルカー,クレーン等の産業用輸送車両、鉄道車両等)等に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
TPX(合成樹脂)製のマンドレル(外径6mm)上に、NBRをホース状に押し出し成形して、管状の最内層(厚み0.7mm)を形成した。つぎに、この最内層の外周面に、フェノール系接着剤からなる接着剤層(厚み1μm)を形成し、その上から、けん化度99%のポリビニルアルコール(PVOH)(日本合成化学社製、ゴーセノール N−300)を90℃の熱水に溶解してなるコーティング液(粘度:500mPa・s/25℃)をディッピングした。その後、この積層ホース体を乾燥炉に装入して、乾燥させることにより、上記ディッピングによる塗膜層(低透過層。厚み10μm)を形成した。そして、上記塗膜層の外周に、NBRの押し出し成形により、内面ゴム外層を形成(厚み1.0mm)した後、その外周面にPET糸のブレード編組により補強層を形成し、さらに上記補強層の外周面にECOの押し出し成形により、外面ゴム外層を形成(厚み1.2mm)した。そして、加硫後、この積層ホース体からマンドレルを抜き取り、長尺の成形品を切断することにより、目的とする燃料用ホースを作製した(図1参照)。
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを100μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを2μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)形成用のPVOHとして、けん化度90%のPVOH(日本合成化学社製、ゴーセノール AH−17)を用いた。そして、上記塗膜層(PVOH層)の厚みを2μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
〔比較例1〕
上記塗膜層(PVOH層)形成用のPVOHとして、けん化度86%のPVOH(日本合成化学社製、ゴーセノール GH−17)を用いた。そして、上記塗膜層(PVOH層)の厚みを2μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)形成用のPVOHとして、けん化度86%のPVOH(日本合成化学社製、ゴーセノール GH−17)を用いた。そして、上記塗膜層(PVOH層)の厚みを2μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
〔比較例2〕
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを101μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを101μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
〔比較例3〕
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを1μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)の厚みを1μmに形成した。それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
〔比較例4〕
上記塗膜層(PVOH層)の形成を行わず、それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
上記塗膜層(PVOH層)の形成を行わず、それ以外は実施例1と同様にし、目的とする燃料用ホースを作製した。
このようにして得られた実施例1〜4および比較例1〜4のホースに関し、下記の基準に従って、ガソリン透過性、クラック性の評価を行った。その結果を、後記の表1に併せて示した。
〔ガソリン透過性〕
ホース内にトルエン/イソオクタン/エタノールを45:45:10(体積比)の割合で混合した模擬ガソリンを封入し、40℃で二週間、封入ホースの重量変化量から模擬ガソリンの透過係数を測定した(単位:mg/m/day)。なお、表に記載した値は、平衡に達したときの値である。また、上記測定方法では、0.1mg/m/dayが測定限界であるため、0.1mg/m/day未満であったものは「<0.1」と表記した。そして、上記測定値が0.1mg/m/day未満であったものを○、0.1mg/m/day以上であったものを×と評価した。
ホース内にトルエン/イソオクタン/エタノールを45:45:10(体積比)の割合で混合した模擬ガソリンを封入し、40℃で二週間、封入ホースの重量変化量から模擬ガソリンの透過係数を測定した(単位:mg/m/day)。なお、表に記載した値は、平衡に達したときの値である。また、上記測定方法では、0.1mg/m/dayが測定限界であるため、0.1mg/m/day未満であったものは「<0.1」と表記した。そして、上記測定値が0.1mg/m/day未満であったものを○、0.1mg/m/day以上であったものを×と評価した。
〔クラック性〕
実施例および比較例において、内面ゴム外層、補強層および外面ゴム外層が形成される前のチューブ〔最内層の外周に塗膜層(PVOH層)が形成され乾燥されたチューブ〕に対し、クラック性の評価を行った。すなわち、上記チューブを90°に折り曲げ、その塗膜層(PVOH層)にクラックや剥離といった異常が確認されたものを×、そのような異常が確認されなかったものを○と評価した。
実施例および比較例において、内面ゴム外層、補強層および外面ゴム外層が形成される前のチューブ〔最内層の外周に塗膜層(PVOH層)が形成され乾燥されたチューブ〕に対し、クラック性の評価を行った。すなわち、上記チューブを90°に折り曲げ、その塗膜層(PVOH層)にクラックや剥離といった異常が確認されたものを×、そのような異常が確認されなかったものを○と評価した。
上記結果から、全実施例品は、比較例品に比べ、柔軟性が高いためにクラックが発生し難く、かつ、ガソリン透過量を著しく低減させることができることがわかる。
本発明の燃料用ホースは、自動車等に用いられる、ガソリン,アルコール混合ガソリン(ガソホール),アルコール,水素,軽油,ジメチルエーテル,ディーゼル,CNG(圧縮天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の燃料輸送用ホースに好適に用いることができる。
1 最内層
2 低透過層
3a 内面ゴム外層
3b 外面ゴム外層
2 低透過層
3a 内面ゴム外層
3b 外面ゴム外層
Claims (4)
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR/PVC)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ポリエーテルサルホン(PES)およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一方を用いて形成された最内層と、上記最内層の外周に設けられる低透過層と、上記低透過層の外周に設けられるゴム外層とを備えたホースであって、上記低透過層が、けん化度90%以上のポリビニルアルコールを主成分とする樹脂膜によって形成され、その樹脂膜の厚みが、2〜100μmの範囲に設定されていることを特徴とする燃料用ホース。
- 上記最内層と低透過層との間に、接着剤層が設けられている請求項1記載の燃料用ホース。
- 上記接着剤層が、フェノール系接着剤を用いて形成されている請求項2記載の燃料用ホース。
- 上記最内層の外周面が、プラズマ処理により粗面化されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料用ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009006575A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-01-15 | Nissan Motor Co Ltd | 多層ホース |
KR101007095B1 (ko) * | 2008-06-17 | 2011-01-10 | 주식회사 엘지화학 | 황동 코팅 강선과의 접착력이 강화된 고압호스용 고무 조성물로 제조된 고압호스 |
-
2006
- 2006-11-02 JP JP2006299075A patent/JP2008114452A/ja active Pending
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KR101007095B1 (ko) * | 2008-06-17 | 2011-01-10 | 주식회사 엘지화학 | 황동 코팅 강선과의 접착력이 강화된 고압호스용 고무 조성물로 제조된 고압호스 |
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