JP2008105050A - 残留応力低減方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接の信頼性を確保しつつ安価な残量応力低減方法及び装置を提供する。
【解決手段】溶接施工表面を溶接後に加熱機で加熱した後に冷却機で冷却することにより、溶接構造物の残留応力を低減させる。
【選択図】図1
【解決手段】溶接施工表面を溶接後に加熱機で加熱した後に冷却機で冷却することにより、溶接構造物の残留応力を低減させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶接構造物の残留応力低減方法及びその装置に関する。
一般に、原子炉圧力容器等の構造物は、高温高圧下の環境において溶接箇所又はその近辺で応力腐食割れ(SCC)が発生することが知られている。この応力腐食割れは、溶接に起因する残留応力が応力腐食割れの発生やその進展、及び疲労強度の低下を引き起こすものとされている。この残留応力は、溶接によって溶接構造物に熱膨張と塑性ひずみが発生することに起因することが知られており、従来からこの残留応力を低減するためにいろいろな方策がとられていた。
例えば、特許文献1及び2に示されている残留応力低減手段は、溶接電極と冷却ノズルとを隣接配置して一体化した溶接装置を、溶接線に沿って設けたレール上を移動させ、溶接後に冷却材を噴霧することで溶接施工面を急冷して、溶接施工面に発生した引っ張り応力を緩和し、その結果、残留応力を低減させるものである。
特許第3732040号公報
特開2006−7301号公報
上記特許文献1及び2に示されている残留応力低減手段は、溶接施工直後に冷却材で溶接施工面を急冷し、施工表面の残留応力を低減させるものである。その際、溶接施工表面の温度が十分高い間に冷却を行う必要があり、溶接直後に冷却を行わなければならない。そのためには溶接のトーチと冷却機構を極力近づける必要がある。しかしながら、冷却機構を溶接機に近づけると、アーク放電が不安定化するため溶接の信頼性が低くなるという課題があった。また、アーク放電を安定化させるために溶接機を特殊な構造にすることも考えられるが、装置が複雑となり、コストも高くなるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するために、溶接残留応力低減方法およびその装置において、溶接施工表面を溶接後に加熱機で加熱した後に冷却機で冷却することを特徴とする。
本発明は、特殊な溶接機を使用することなく、既存の溶接機に加熱機及び冷却機を併用することにより、溶接の信頼性を確保しつつ、溶接構造物の残留応力を効率的に低減させることができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明に係る残留低減方法が適用される溶接構造物の例として、原子炉圧力容器または炉心シュラウドを例とする板厚40mmのオーステナイト系ステンレス鋼の円筒構造物1が図示されている。この例では、円筒構造物1は、周方向の溶接部2で相互に溶接される。実際に、円筒構造物1の溶接部2の溶接を行うには、図1(b)に図示の溶接ビードパス4に示すように、例えば23パスの溶接を行う必要がある。なお、図1(b)は溶接部Aの拡大断面図で、3は溶接部断面である。
図1(a)は、本発明に係る残留低減方法が適用される溶接構造物の例として、原子炉圧力容器または炉心シュラウドを例とする板厚40mmのオーステナイト系ステンレス鋼の円筒構造物1が図示されている。この例では、円筒構造物1は、周方向の溶接部2で相互に溶接される。実際に、円筒構造物1の溶接部2の溶接を行うには、図1(b)に図示の溶接ビードパス4に示すように、例えば23パスの溶接を行う必要がある。なお、図1(b)は溶接部Aの拡大断面図で、3は溶接部断面である。
溶接後の施工表面には溶接の熱による膨張収縮により通常は引張の残留応力が生じる。図2は、この残留応力を低減させるための残留応力低減装置の構成を示している。この残留応力低減装置は、溶接機5、加熱機6及び冷却機7からなり、最終のパスである23パス目の溶接の際に、この装置が用いられる。
本実施の形態では、最終パスの溶接時に、加熱機6と冷却機7が溶接機5の溶接トーチに追随するように、溶接機5と同じレール8に取り付けられる。なお、本実施の形態では加熱機6と冷却機7は一体化されており、溶接機5と同じ移動速度で移動するが、溶接機5と加熱機6と冷却機7を一つの装置として一体化してもよい。また、加熱・冷却時間を考慮して加熱機6と冷却機7との間の間隔を設定して一体化させて良いのはもちろんである。
本実施の形態では、図3に示すように、加熱機6としてガスバーナ10が用いられているが、図6に示すようにガスバーナ10の換わりに高周波加熱装置14を用いてもよい。なお、図中14aは高周波発生装置である。
また、実際の溶接の際に、溶接熱が溶接構造物に及ぼす影響範囲は事前試験や予測から、溶融部の上下範囲を区画する溶融線9(2本)からそれぞれ外側に最大15mmの範囲であったので、図3に示すように加熱範囲がその範囲を含むように少なくとも溶融線9から20mmの範囲を加熱機6のガスバーナ10の炎10aで加熱するようにした。
さらに、加熱機6による加熱によって、加熱温度が500℃以上になると材料の鋭敏化等が生じ、また、加熱温度が300℃以下になると十分な残留応力改善効果が得られないため、加熱部分の温度が300℃〜500℃になるように加熱機6の熱量を調整している。
次に、加熱器6によって加熱した直後に、冷却器7によって急激に冷却される。本実施の形態では、冷却材としてドライアイスが用いられ、ノズル7aを介してドライアイス7bが加熱部に吹き付けられる。なお、ドライアイス7bによる冷却の代わりに他の冷却手段を用いてもよいことはもちろんである。また、冷却範囲は上記加熱範囲と同じでよい。
なお、本実施の形態では、ガスバーナ10の炎10aが冷却工程に影響しないように、図4に示すように冷却チャンバ11を設け、ドライアイス7bが冷却機7の冷却チャンバ11で覆われた範囲のみに吹き付けられるようにしている。これにより、ガスバーナ10からの熱の影響を遮断し、材料表面1aの温度が十分低下するまで効率的に冷却される。
図5は本発明による溶接後の施工表面の残留応力分布で、溶接中心からの距離をパラメータとして示した図である。図5において、13は本発明の溶接方法による残留応力分布、12は通常の溶接方法による残留応力分布である。図5から、溶接近傍の残留応力を比較すると、通常溶接の分布12では引張残留応力が低減されていないのに対し、本発明に係る溶接方法を用いた場合の残留応力分布13をみると、引張残留応力が著しく低減していることがわかる。
1…円筒構造物、1a…材料表面、2…溶接部、3…溶接部断面、4…溶接ビードパス、5…溶接機、6…加熱機、7…冷却機、7a…ノズル、7b…ドライアイス、8…レール、9…溶融線、10…ガスバーナ、10a…炎、11…冷却チャンバ、12,13…残留応力分布、14…高周波加熱装置、14a…高周波発生装置。
Claims (6)
- 構造物の残留応力を低減させる残留応力低減方法において、溶接施工表面を溶接後に加熱機で加熱した後に冷却機で冷却することを特徴とする残留応力低減方法。
- 前記加熱は、溶融線から20mmの範囲にある前記溶接施工表面を300℃〜500℃で加熱することを特徴とする請求項1記載の残留応力低減方法。
- 前記加熱は、ガスバーナ又は高周波加熱により行われることを特徴とする請求項1又は2記載の残留応力低減方法。
- 前記冷却は、ドライアイスを前記溶接施工表面に噴射することにより行われることを特徴とする前記請求項1乃至3記載の残留応力低減方法。
- 構造物の残留応力を低減させる残留応力低減装置において、溶接機と、溶接施工表面を溶接後に加熱する加熱機と、前記溶接施工表面を加熱した後冷却する冷却機と、を備えることを特徴とする残留応力低減装置。
- 前記溶接機と前記加熱機と前記冷却機のうち、少なくとも前記加熱機と前記冷却機を一体化したことを特徴とする請求項5記載の残留応力低減装置。
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JP2006289726A JP2008105050A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 残留応力低減方法及びその装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009128305A1 (ja) | 2008-04-14 | 2009-10-22 | 三井化学株式会社 | グルコース製造用の酵母及びこれを用いたグルコース製造方法 |
JP2013022613A (ja) * | 2011-07-20 | 2013-02-04 | Toyota Motor Corp | クランクシャフトの製造方法及び製造装置 |
CN103160657A (zh) * | 2011-12-08 | 2013-06-19 | 林德股份公司 | 用于热成型坯料的方法和设备 |
KR101680534B1 (ko) * | 2015-09-22 | 2016-12-12 | 한국원자력연구원 | 원자로 내부구조물의 조사유기 응력부식 균열 저감 장치 및 그 방법 |
WO2018070769A1 (ko) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 한국수력원자력 주식회사 | 재료의 미세구조 개선을 위한 이종용접부의 일차수 응력 부식 균열 저감 후열처리 방법 |
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2006
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