JP2008195310A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立て作業を容易に行なえる様にすべく、スプライン軸部14とスプライン孔13とのスプライン係合部19のバックラッシュを或る程度確保して、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑えられる構造を実現する。
【解決手段】上記スプライン孔13の内周面と上記スプライン軸部14の外周面との間に弾性材製の予圧付与部材20を設置する。この予圧付与部材20は、上記スプライン軸部14の外周面に形成された係止凹溝23に嵌合支持された円環状の基部21と、この基部21から軸方向に突出た舌片22、22とを備える。これら各舌片22、22を、雌スプライン歯17の円周方向側面と雄スプライン歯18の円周方向側面との間で弾性的に圧縮した状態で挟持する。
【選択図】図2
【解決手段】上記スプライン孔13の内周面と上記スプライン軸部14の外周面との間に弾性材製の予圧付与部材20を設置する。この予圧付与部材20は、上記スプライン軸部14の外周面に形成された係止凹溝23に嵌合支持された円環状の基部21と、この基部21から軸方向に突出た舌片22、22とを備える。これら各舌片22、22を、雌スプライン歯17の円周方向側面と雄スプライン歯18の円周方向側面との間で弾性的に圧縮した状態で挟持する。
【選択図】図2
Description
この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。本発明は、この様な電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸と、減速機のウォーム軸とのスプライン係合部で、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を抑えられる構造の実現を意図して発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、上記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図8〜9は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、上記ウォーム軸6の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と上記ハウジング3との間にコイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、上記押圧駒10を介して、上記ウォーム歯6を上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯6とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合、上記ウォーム歯5と上記ウォームホイール4との噛合部で上記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部とを回転力の伝達を自在に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸12の先端部にスプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。尚、本明細書及び特許請求の範囲に於ける「スプライン」には、ピッチの細かい、所謂「セレーション」と呼ばれるものも含む。
上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で発生する歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在する。このスプライン係合部のバックラッシュは、上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる作業を容易に行なえる様にする為に必要である。又、上記出力軸12の中心軸と上記ウォーム軸6の中心軸とが僅かにずれた程度では、上記スプライン係合部にコジリが発生しない様にして、上記出力軸12を回転させる為に要するトルクが上昇する事を防止する為にも、上記バックラッシュは必要である。
ところが、上記スプライン係合部にバックラッシュが存在すると、上記電動モータ7の回転方向が変換される瞬間に、上記スプライン軸部14の外周面に設けられた雄スプライン歯の円周方向側面と、上記スプライン孔13の内周面に設けられた雌スプライン歯の円周方向側面とが勢い良く衝突し、上記歯打ち音が発生する。この様な歯打ち音は、上記バックラッシュが大きくなる程著しくなるので、従来は、このバックラッシュを、上記スプライン係合部の組立が可能な範囲で小さく抑える様にしていた。但し、このバックラッシュを小さくすると、その分、上記スプライン軸部14を上記スプライン孔13に挿入しにくくなり、組立作業性が低下し、電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。又、上記出力軸12と上記ウォーム軸6との組み付け精度を高くしないと、上記コジリによるトルク上昇の問題が発生し易くなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。一方、特許文献4には、スプライン軸部の外周面とスプライン孔の内周面との間にOリング等の弾性体を設けて、スプライン歯の刃先と歯底とが勢い良く衝突する事を防止する発明が記載されている。但し、上記特許文献4に記載された発明の構造では、上述した様な、電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑える事はできない。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、組立て作業を容易に行なえる様にすべく、スプライン軸部とスプライン孔とのスプライン係合部のバックラッシュを或る程度確保して、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑えられる電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、前述した従来から知られている電動式パワーステアリング装置と同様に、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータとを備える。
このうちのハウジングは、車体等の固定の部分に支持されて、操舵時にも回転する事はない。
又、上記回転軸は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。この様な回転軸としては、ステアリングホイール及び操舵輪に同期して動く軸であれば採用可能である。例えば前述の図8に示した構造でのステアリングシャフト2、或いは、中間シャフト15、更には、ステアリングギヤ16の入力軸(ピニオン軸)が採用可能である。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に(締り嵌めによる外嵌固定、キー係合、スプライン係合等により相対回転を阻止された状態で)支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成る。そして、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により、上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
更に、上記電動モータは、上記ウォーム軸の基端部と出力軸の先端部とを回転力の伝達を自在に係合させて、このウォーム軸を両方向に回転駆動自在としている。
そして、上記電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とを、このウォーム軸の基端部にこのウォーム軸の基端面に開口する状態で形成したスプライン孔と上記出力軸の先端部に形成したスプライン軸部とをスプライン係合させる事で、回転力の伝達を自在に結合している。
このうちのハウジングは、車体等の固定の部分に支持されて、操舵時にも回転する事はない。
又、上記回転軸は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。この様な回転軸としては、ステアリングホイール及び操舵輪に同期して動く軸であれば採用可能である。例えば前述の図8に示した構造でのステアリングシャフト2、或いは、中間シャフト15、更には、ステアリングギヤ16の入力軸(ピニオン軸)が採用可能である。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に(締り嵌めによる外嵌固定、キー係合、スプライン係合等により相対回転を阻止された状態で)支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成る。そして、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により、上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
更に、上記電動モータは、上記ウォーム軸の基端部と出力軸の先端部とを回転力の伝達を自在に係合させて、このウォーム軸を両方向に回転駆動自在としている。
そして、上記電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とを、このウォーム軸の基端部にこのウォーム軸の基端面に開口する状態で形成したスプライン孔と上記出力軸の先端部に形成したスプライン軸部とをスプライン係合させる事で、回転力の伝達を自在に結合している。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、弾性材製の予圧付与部材を備える。この予圧付与部材は、弾性材製で、上記スプライン孔の内周面と上記スプライン軸の外周面との間に挟持されて、これらスプライン孔とスプライン軸とのスプライン係合部の円周方向のがたつきを抑える。
上記予圧付与部材は、基部と、少なくとも1個の舌片とを備える。
このうちの基部は、円環状で、上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面とのうちの少なくとも一方の周面の軸方向中間部に、当該周面の全周に亙り形成された係止凹溝に嵌合支持されている。
又、上記舌片は、上記基部の少なくとも軸方向片側面から軸方向に突出しており、上記スプライン孔の内周面に存在する少なくとも1個の雌スプライン歯の円周方向側面と上記スプライン軸の外周面に存在する少なくとも1個の雄スプライン歯の円周方向側面との間に、弾性的に圧縮された状態で挟持されている。
上記予圧付与部材は、基部と、少なくとも1個の舌片とを備える。
このうちの基部は、円環状で、上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面とのうちの少なくとも一方の周面の軸方向中間部に、当該周面の全周に亙り形成された係止凹溝に嵌合支持されている。
又、上記舌片は、上記基部の少なくとも軸方向片側面から軸方向に突出しており、上記スプライン孔の内周面に存在する少なくとも1個の雌スプライン歯の円周方向側面と上記スプライン軸の外周面に存在する少なくとも1個の雄スプライン歯の円周方向側面との間に、弾性的に圧縮された状態で挟持されている。
上述の様な構成を有する本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、スプライン軸部とスプライン孔とのスプライン係合部のバックラッシュを或る程度確保して、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑えられる。
この為、上記バックラッシュを或る程度確保する事で、上記スプライン軸部を上記スプライン孔に挿入し易くなり、組立作業性を向上させて、電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。又、上記スプライン軸部を設けた出力軸と、上記スプライン孔を設けたウォーム軸との組み付け精度を高くしなくても、コジリによるトルク上昇の問題が発生しにくくなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。
この為、上記バックラッシュを或る程度確保する事で、上記スプライン軸部を上記スプライン孔に挿入し易くなり、組立作業性を向上させて、電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。又、上記スプライン軸部を設けた出力軸と、上記スプライン孔を設けたウォーム軸との組み付け精度を高くしなくても、コジリによるトルク上昇の問題が発生しにくくなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。
図1〜7は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、電動モータ7の出力軸12の先端部(図1の左端部)に設けたスプライン軸部14と、ウォーム軸6の基端部(図1の右端部)に設けたスプライン孔13との結合部の構造にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、前述の特許文献2に記載された従来構造と同様であるから、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、前述の図8〜9と図1とで、ハウジング3に対する電動モータ7の取付方向が異なっているが、この点は、設置する自動車に応じ適宜設計的に変更するものであって、本発明の特徴部分とは関係がない。
上記ウォーム軸6の基端部に上記スプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、上記出力軸12の先端部に上記スプライン軸部14を、この出力軸12と同心に形成している。そして、このスプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。上記スプライン孔13の内周面に形成した各雌スプライン歯17、17のピッチ円直径は、上記スプライン軸部14の外周面に形成した各雄スプライン歯18、18のピッチ円直径よりも少し大きくして、上記スプライン軸部14を上記スプライン孔13に緩く挿入できる様にしている。従って、これらスプライン軸部14とスプライン孔13とのスプライン係合部19には、ウォーム歯5とウォームホイール4との噛合部のバックラッシュを解消すべく、上記スプライン軸部14の先端部(図1の左端部)を上記ウォームホイール4に向け変位させる為に十分なバックラッシュが存在する。言い換えれば、上記ウォーム歯5とウォームホイール4との噛合部のバックラッシュの解消に伴って、上記スプライン係合部19にコジリ等の不都合が発生する事はない。
上述の様に、緩くスプライン係合した、上記スプライン孔13の内周面と上記スプライン軸部14の外周面との間には、弾性材製の予圧付与部材20を設けている。この予圧付与部材20は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、基部21と、少なくとも1個(図示の例では、上記雌、雄各スプライン歯17、18と同数)の舌片22、22とを備える。又、この様な予圧付与部材20を組付け可能にする為に、上記スプライン軸部14の外周面の軸方向中間部に係止凹溝23を、全周に亙って形成している。この係止凹溝23の溝底径は、上記スプライン軸部14の溝底径(上記各雄スプライン歯18、18の溝底径)よりも小さい。
上記予圧付与部材20のうち、上記基部21は、断面形状が、径方向の厚さ寸法に比べて軸方向の幅寸法が大きい(角を丸めた)矩形で、全体が円環状である。この様な基部21は、上記係止凹溝23に嵌合支持する事で、上記予圧付与部材20を、上記スプライン軸部14の軸方向中間部に支持固定している。又、上記各舌片22、22は、それぞれの長さ方向中間部で径方向内半部を上記基部21の外径側端部に一体的に結合した状態で、それぞれの長さ方向両端部をこの基部21の軸方向両側面から軸方向に突出させている。本例の場合には、上記各舌片22、22を、前記各雌スプライン歯17、17及び前記各雄スプライン歯18、18と同じピッチで、これら各スプライン歯17、18と同じ数だけ形成している。又、上記基部21に対して上記各舌片22、22を、これら各スプライン歯17、18の円周方向側面のうちで、これら各舌片22、22を挟持すべき部分に合わせて傾斜させている。
上記各舌片22、22の長さ方向両端部は、前記スプライン孔13と上記スプライン軸部14とをスプライン係合させるのに伴って、上記各雌スプライン歯17、17の円周方向側面と、上記各雄スプライン歯18、18の円周方向側面との間に、弾性的に圧縮した状態で挟持する。この作業は、予め上記予圧付与部材20を外嵌支持した上記スプライン軸部14を上記スプライン孔13に、上記各舌片22、22の厚さを弾性的に縮めつつ押し込む事により行なう。この押し込み作業を容易に行なえる様にする為に本例の場合には、上記各舌片22、22の長さ方向端部を、端縁に向かうに従って厚さ寸法が小さくなる様に傾斜した、くさび状としている。又、好ましくは、少なくとも上記各舌片22、22の表面(実際上は上記予圧付与部材20の表面全体)に、PTFEやMoS2 等の固体潤滑剤やグリース等の潤滑剤を塗布又はコーティングしておく。
何れにしても、上記記スプライン孔13と上記スプライン軸部14とを、上記各舌片22、22を介してスプライン係合させた状態では、上記各雌スプライン歯17、17の円周方向片側面と上記各雄スプライン歯18、18の円周方向片側面との間には、上記各舌片22、22が、これら各スプライン歯17、18の円周方向片側面同士の間で弾性的に圧縮された状態で存在する。これに対して、上記各雌スプライン歯17、17の円周方向他側面と上記各雄スプライン歯18、18の円周方向他側面とは、上記各舌片22、22の弾力に基づき、弾性的に当接した状態となる。
従って、前述の様に、上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とのスプライン係合部19に十分なバックラッシュが存在するにも拘らず、このスプライン係合部19の円周方向のがたつきを抑えられる。そして、前記電動モータ7の回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑えられる。この為、組立作業性を向上させて、電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。又、上記スプライン軸部14を設けた、上記電動モータ7の出力軸12と、上記スプライン孔13を設けた前記ウォーム軸6との組み付け精度(同心度)を高くしなくても、コジリによるトルク上昇の問題が発生しにくくなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。
図示の例では、予圧付与部材20をスプライン軸部14の外周面側に1個のみ設けた場合を示した。これに対して、予圧部材をスプライン孔の内周面側に設ける事もできる。更には、軸方向に離隔した複数個所に、複数個の予圧付与部材を設ける事もできる。この場合に、何れかの予圧付与部材をスプライン軸の外周面側に、他の予圧付与部材をスプライン孔の内周面側に、それぞれ設ける事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駆
11 コイルばね
12 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15 中間シャフト
16 ステアリングギヤ
17 雌スプライン歯
18 雄スプライン歯
19 スプライン係合部
20 予圧付与部材
21 基部
22 舌片
23 係止凹溝
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駆
11 コイルばね
12 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15 中間シャフト
16 ステアリングギヤ
17 雌スプライン歯
18 雄スプライン歯
19 スプライン係合部
20 予圧付与部材
21 基部
22 舌片
23 係止凹溝
Claims (1)
- 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とを、このウォーム軸の基端部にこのウォーム軸の基端面に開口する状態で形成したスプライン孔と上記出力軸の先端部に形成したスプライン軸部とをスプライン係合させる事で、回転力の伝達を自在に結合している電動式パワーステアリング装置に於いて、上記スプライン孔の内周面と上記スプライン軸の外周面との間に挟持されて、これらスプライン孔とスプライン軸とのスプライン係合部の円周方向のがたつきを抑える、弾性材製の予圧付与部材を備え、この予圧付与部材は、上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面とのうちの少なくとも一方の周面の軸方向中間部に、当該周面の全周に亙り形成された係止凹溝に嵌合支持された円環状の基部と、この基部の少なくとも軸方向片側面から軸方向に突出して、上記スプライン孔の内周面に存在する少なくとも1個の雌スプライン歯の円周方向側面と上記スプライン軸の外周面に存在する少なくとも1個の雄スプライン歯の円周方向側面との間に、弾性的に圧縮された状態で挟持されている、少なくとも1個の舌片とを備えたものである事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103982575A (zh) * | 2013-02-07 | 2014-08-13 | 发那科株式会社 | 具有防止轴落下功能的电磁制动器、电动机以及机械设备 |
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2007
- 2007-02-15 JP JP2007034420A patent/JP2008195310A/ja active Pending
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