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JP2008193964A - 容器詰コーヒー飲料の製造方法 - Google Patents

容器詰コーヒー飲料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱殺菌によるヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制し、飲用後に体内で過酸化水素を生成せず、風味が良好な容器詰コーヒー飲料を提供する。
【解決手段】レトルト殺菌機の加熱処理温度を125℃から140℃の範囲とし、予備加熱温度から加熱処理温度までの平均昇温速度を6℃/分から10℃/分とする容器詰コーヒー飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、加熱殺菌によるヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制した容器詰コーヒー飲料の製造方法に関する。
活性酸素の一つである過酸化水素は、変異原性、癌原性等の他、動脈硬化症、虚血性心疾患等の循環器系疾患、消化器疾患、アレルギー疾患、眼疾患など多くの疾患に深く関与しているといわれている(非特許文献1)。一方、コーヒーは、コーヒー中に含まれるヒドロキシヒドロキノンに、生体内で過酸化水素を生成させる作用があること、及びヒドロキシヒドロキノンの含有量を通常含まれる量より十分に少ない量(0〜0.00005質量%)に制御すれば、生体内で過酸化水素生成を増加させないコーヒー組成物が得られることが報告されている(特許文献1)。
一方、容器詰めコーヒー飲料は、一般的に加熱殺菌が行なわれている。殺菌方法としては、飲料を容器に充填・封入した後に100℃以上で加熱殺菌をおこなうレトルト殺菌法が一般的に用いられている。しかし、加熱処理することによる風味、成分の劣化や沈殿物等の生成などが問題点となっている。
例えばミルク入りコーヒー飲料のレトルト殺菌は、通常124℃、20分程度、殺菌値(F値)として40程度の殺菌条件で行なわれるが、長時間の殺菌処理による風味やコーヒー成分の劣化が発生する。また、ヒドロキシヒドロキノン含有量においては、殺菌前に低下させておいても、加熱殺菌処理工程でヒドロキシヒドロキノンが再生成してしまう傾向があり、この問題の解決が求められる。
加熱処理による風味劣化や沈殿などを防止する方法としては、高温短時間で加熱処理する方法がある。特許文献2には、すぐれた風味・味覚の乳入り飲料を提供する製造方法として、レトルト殺菌機による加熱処理を中身品温が少なくとも130℃に達するまで1〜5℃/分の昇温を行い、130℃から140℃で最大8分間加熱処理を行なう方法が開示されている。しかし、この殺菌方法を用いた製造方法では、ある程度のヒドロキシヒドロキノン生成抑制効果は得られるものの、その効果は十分とは言えない。
栄養―評価と治療 19,3 (2002) 特開2006−204191号公報 特開2001−275632号公報
本発明の目的は、加熱殺菌によるヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制し、飲用後に体内で過酸化水素を生成せず、風味が良好な容器詰コーヒー飲料を提供することにある。
上記の目的を達成するために検討を行った結果、殺菌条件を限定することで、風味が良好であり、コーヒー飲料中のヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制できることを見出した。
すなわち本発明は、レトルト殺菌機の加熱処理温度を125℃から140℃の範囲とし、予備加熱温度から加熱処理温度までの平均昇温速度を6℃/分から10℃/分とすることを特徴とする容器詰コーヒー飲料の製造方法である。
本発明によれば、レトルト殺菌によるヒドロキシヒドロキノンの生成抑制が可能となる。これにより飲用後に生体内で過酸化水素が生成しない容器詰コーヒー飲料を安定的に得ることができる。
本発明は、焙煎したコーヒー豆を粉砕し、熱水等により抽出したコーヒー抽出液に牛乳や添加剤等を適宜添加してコーヒー飲料を調製する。コーヒー豆は飲料100gあたり生豆換算で1g以上、好ましくはコーヒー豆を2.5g以上、更に好ましくはコーヒー豆を5g以上使用した。また、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、抗酸化剤、pH調整剤、香料等を添加することができる。コーヒー組成物のpHとしては、例えばミルク入りコーヒーであれば5〜7、更に5.4〜6.5、特に5.6〜6.3が飲料の安定性の面で好ましい。次に定量充填機等を使用して100mlから1000mlを容器に充填する。容器はレトルト殺菌が可能な缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ等の容器に詰めて製造することができる。充填量は飲みやすさの点から好ましくは150〜350mL、更に好ましくは180〜250mLである。
次に本発明のレトルト殺菌であるが、コーヒー飲料を充填した容器をレトルト殺菌機に装填し、予備加熱として100℃から110℃の一定温度で所定の時間保持することでレトルト殺菌機内の脱気操作を行った後、所定の加熱条件まで昇温して、加熱処理を行う。
室温から予備加熱温度、すなわち100℃から110℃までの昇温速度としては、10〜30℃/分、好ましくは、15〜25℃/分である。10℃/分以下であると、レトルト運転時間が長くなり生産効率が低下するため好ましくなく、30℃/分以上であると局所的な加熱が発生するため、好ましくない。
また、予備加熱温度は、脱気操作性の観点から105℃〜110℃で行うことが、より好ましい。予備加熱温度が110℃より高くなると殺菌処理までの昇温幅が小さくなりヒドロキシヒドロキノンの増加抑制効果が小さくなるとともに、飲料品質の熱劣化が大きくなり好ましくない。
予備加熱から加熱処理までの昇温は、6℃/分から10℃/分、好ましくは7℃/分から9℃/分の昇温条件で行う。
平均昇温速度が6℃/分未満では、ヒドロキシヒドロキノン生成抑制効果が十分でなく、10℃/分を超えるとレトルト殺菌機内の温度が不均一となり、容器の中身品温の昇温が不安定となることで安定した殺菌値が得られなくなる。
昇温速度を制御する方法としては、昇温速度から単位時間あたりの目標値を設定し、順次目標値を更新しながら加熱処理温度まで連続的に制御を行うことが望ましい。
加熱処理の温度は125℃から140℃の範囲で実施可能である。
コーヒー飲料の風味保持および安定した殺菌値を得るという観点から特に130℃〜135℃が好ましい。
125℃未満では、予備加熱温度から加熱処理温度まで昇温する温度幅が小さくなり、本発明によるヒドロキシヒドロキノンの増加抑制効果が小さくなるため好ましくなく、また、140℃より高温では、殺菌値の安定性および容器耐久性の点から好ましくない。
加熱処理温度における保持時間としては、例えば、ブラックコーヒーの場合においては、F値が20の場合には、8分間以下、好ましくは1〜2分が風味・成分劣化の点から好ましい。また、例えば、ミルクコーヒーの場合においては、F値が40の場合には、16分間以下、好ましくは1〜5分が風味・成分劣化の点からの好ましい。
125℃から140℃の加熱処理温度における保持時間中の温度は、125℃から140℃の範囲で変動しても構わないが、所定の殺菌値を安定して得るためには保持時間中の平均温度に対して±0.5℃の範囲で一定温度に保持する方が望ましい。
温度を保持するための方法としては、ある温度範囲を設けて蒸気バルブを開閉することで、一定範囲内に温度を保持する方法があげられる。より好ましい方法としては、コントロールバルブを用いて、蒸気量を連続的にコントロールすることでより安定に一定温度に保持する方法があげられる。
125℃から140℃の範囲の加熱処理温度で所定の殺菌値となるよう一定時間保持した後、所定の温度まで強制冷却を行う。
冷却速度は、加熱処理温度から100℃までを0.5分〜2分以内、より好ましくは0.5分〜1分以内にすることがヒドロキシヒドロキノン増加抑制の観点から好ましい。100℃以下からの冷却速度は、制限はないが生産効率の観点でできるだけ迅速であることが好ましい。
冷却到達温度としては、コーヒー飲料の保存温度に近い20℃〜35℃が好ましく、冷却方法としては、水冷式が用いられる。
こうして得られる容器詰コーヒー飲料は、ヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制し、かつ風味が良好なものとなっている。
コーヒー飲料の製造において、コーヒー豆の焙煎時にヒドロキシヒドロキノンが生成される。焙煎度の調整によりヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制することは可能であるが、良好なコーヒー風味を得られる焙煎条件においては、ヒドロキシヒドロキノン生成量が多くなる。このような場合は、本発明のレトルト殺菌機による加熱処理前にコーヒー組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量を0〜0.00002質量%とすることで、生体内で過酸化水素が生成しない容器詰コーヒー飲料を得ることができる。
レトルト殺菌機による加熱処理前にコーヒー組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量を低減する方法としては、コーヒー抽出液中のヒドロキシヒドロキノンを低減する方法として、コーヒー抽出液を多孔質吸着体に接触させてヒドロキシヒドロキノンを吸着除去する方法、酵素により分解する方法、超臨界流体により抽出除去する方法等がある。また、焙煎豆中のヒドロキシヒドロキノンを低減する方法としては、焙煎豆を40〜150℃で熟成処理する方法、焙煎豆を水系溶媒と接触させる方法等がある。これらの方法の中でコーヒー抽出液を多孔質吸着体に接触させてヒドロキシヒドロキノンを吸着除去する方法が好ましい。具体的には、ヒドロキシヒドロキノンを多孔質吸着体に吸着させることにより除去する方法が挙げられる。
ヒドロキシヒドロキノンの吸着除去に用いられる多孔質吸着体としては、活性炭、シリカ、ゼオライト、アルミナ、白土(活性白土、酸性白土)等の無機多孔質吸着体;架橋スチレン系、メタクリル酸エステル系、ポリフェノール類等の有機多孔質吸着体が挙げられる。
本発明で用いる好ましい多孔質吸着体としては、細孔半径が0.7ナノメートル(nm)以下の細孔の容量が多孔質吸着体の細孔容量全体に対して10%以上である多孔質吸着体が挙げられる。更には細孔半径が0.7ナノメートル以下、好ましくは0.2〜0.7ナノメートル(nm)の細孔の容量が多孔質吸着体の細孔容量全体に対して30%以上、更に30〜99%、更に50〜95%、特に70〜90%のものが好ましい。細孔半径が0.7ナノメートル(nm)以下の細孔の容量が多孔質吸着体の細孔容量全体に対して10%未満の多孔質吸着体は、ヒドロキシヒドロキノン除去の選択性が低くなるため好ましくない。ここで、多孔質吸着体の細孔半径及び容量は、細孔半径1ナノメートル(nm)以下域においてはMP法により測定された値であり、細孔半径1ナノメートル(nm)超過域においてはKJH法により測定された値であり、細孔半径が0.7ナノメートル(nm)以下の細孔の容量が多孔質吸着体の細孔容量全体に対して10%であるか否かはMP法及びKJH法により得られた細孔分布曲線から判定することができる。
MP法による細孔半径1ナノメートル(nm)以下の全細孔容量:VM(cm3/g)、KJH法による細孔半径1ナノメートル(nm)超過の全細孔容量:VK(cm3/g)、MP法による細孔半径0.7ナノメートル(nm)以下の細孔容量:V7(cm3/g)、細孔半径が0.7ナノメートル(nm)以下の細孔の容量と多孔質吸着体の細孔容量全体の比:V%=V7/(VM+VK)×100%
MP法とは、文献(Colloid and Interface Science, 26, 46(1968))に記載の細孔測定法であり、KJH法とは、文献(J.Amer.Chem.Soc.,73.373(1951))に記載の細孔測定法である。細孔測定装置としては、BELSORP−miniやBELSORP−miniII(日本ベル株式会社製)などがあり、窒素吸着法を用い測定できる。窒素吸着法とは120℃で真空脱気後の試料を窒素ガスを用いた定容法により、細孔分布測定を行う。
また、当該多孔質吸着体は、ミクロ孔領域における平均細孔半径が0.5ナノメートル(nm)以下、更には0.2〜0.5ナノメートル(nm)、特に0.3〜0.5ナノメートル(nm)の範囲にあることが好ましい。ここでミクロ孔領域とは、1ナノメートル(nm)以下を示し、平均細孔半径は、MP法により得られた細孔分布曲線のピークトップを示す細孔半径の値である。
多孔質吸着体の種類としては吸着技術便覧−プロセス・材料・設計−(平成11年1月11日、エヌ・ティー・エス発行、監修者:竹内 雍)に記載されている炭素質吸着材、シリカ・アルミナ系吸着材、高分子吸着材、キトサン樹脂などが使用できる。コーヒー風味を残存させる観点から、炭素質吸着材が好ましい。
炭素質吸着材としてはヒドロキシヒドロキノン選択的吸着の観点から、粉末状活性炭、粒状活性炭、活性炭繊維が好ましい。更に抽出液の風味が良く、クロロゲン酸類の回収量も多いことから活性炭繊維が好ましい。
粉末状及び粒状活性炭の由来原料としては、オガコ、石炭やヤシ殻などがあるが、ヤシ殻由来のヤシ殻活性炭が好ましく、特に、水蒸気などのガスにより賦活した活性炭が好ましい。このような水蒸気賦活活性炭の市販品としては、白鷺WH2C(日本エンバイロケミカルズ株式会社)、太閣CW(二村化学工業株式会社)、クラレコールGL(クラレケミカル株式会社)等を用いることができる。
活性炭繊維としては、ファインガード(東邦レーヨン製)のようなポリアクリロニトリル系、アドール(ユニチカ製)のようなピッチ系、クラクティブ(クラレ製)のようなフェノール系、Kフィルター(東洋紡績製)のようなセルロース系、その他フェノール系や綿花系などが挙げられる。
また、多孔質吸着体の形状は特に限定されず、通常の粉体・粒状はもとより吸着体を繊維に練りこんだもの、各多孔質吸着剤同士で成型したもの、セルロース、不織布、バインダーを用い成型したものでも良い。
多孔質吸着体の粒子径は特に限定されないが、大きすぎると被吸着体との接触面積が小さくなり、吸着速度が遅くなる。以上の点から平均粒径として0.01μm以上2mm以下が好ましく、更に50μm以上400μm以下が好ましく、特に好ましいのは50μm以上200μm以下である。
また、多孔質吸着体のMP法による細孔容量は、0.5cm3/g以上が好ましく、更に0.5〜2cm3/g、特に0.6〜1cm3/gが好ましい。0.5cm3/g以上の多孔質吸着体では、ヒドロキシヒドロキノン含量の低減効果が得られ易い。
これらの多孔質吸着体は水性溶媒で洗浄後に使用するのが好ましい。水性溶媒で洗浄することにより、多孔質吸着体処理によるコーヒー抽出液からのヒドロキシヒドロキノン除去率が向上する。洗浄に使用する水性溶媒としては、水、水道水、イオン交換水、純水、エタノール水溶液、食塩水等が挙げられる。また用いる水溶液の温度は5〜95℃、更に15〜90℃、特に40〜85℃が好ましい。
洗浄に用いる水性溶媒の量は、多孔質吸着体100質量部に対し100質量部以上、更に200〜2000質量部、特に400〜1000質量部が好ましい。洗浄手段としては、例えば多孔質吸着体を水性溶媒に加えて1分〜2時間撹拌する方法、多孔質吸着体を充填したカラムに水性溶媒を導入する方法等が挙げられる。洗浄時に圧力条件下で行なわれると更に風味も向上するので好ましい。水洗浄時の圧力条件は通常0〜1Mpaである。
本発明における原料コーヒー抽出液と多孔質吸着体との接触は、0.01MPa以上10MPa以下の圧力条件下で行なわれる。ここでいう圧力とは、バッチ法において密閉容器内の圧力と容器外の圧力の圧力差を意味し、カラム法においてはカラム出口の圧力と大気圧の圧力差を意味する。かかる加圧条件下で接触させることにより、コーヒー抽出液中のヒドロキシヒドロキノン含量が効率良く低下する。更に、得られたコーヒー組成物を容器詰コーヒー等にする際に必要な加熱殺菌処理してもヒドロキシヒドロキノンの再発生も防止できる。加圧条件は0.01MPa以上10MPa以下であればよいが、0.02〜10MPa、さらに0.05〜5MPa、特に0.1〜1MPaが好ましい。このような加圧処理は、例えばバッチ法の場合には、攪拌付密閉容器へ不活性ガスや空気を導入し圧をかける方法、カラム法の場合には、カラム出口に圧力調整弁を設置し圧をかける方法が挙げられる。
多孔質吸着体の使用量は、原料コーヒー抽出液の可溶性固形分に対して1質量%以上200質量%以下、更に10〜200質量%が好ましい。なお、原料コーヒー抽出液の可溶性固形分は、デジタル示差濃度計DD−7、デジタル屈折計RX−5000、デジタル屈折計RX−5000α(株式会社アタゴ)等を用いて測定することができる。
接触処理手段としては、バッチ法又はカラム通液方法が挙げられる。
バッチ法としては、コーヒー抽出液を含む液に、多孔質吸着体を加え−10〜100℃で0.5分〜5時間撹拌した後、多孔質吸着体を除去すればよい。処理時の雰囲気としては、空気下、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガス)が挙げられるが、風味の観点より不活性ガス下が好ましい。
カラム通液法としては、吸着カラム内に多孔質吸着体を充填し、コーヒー抽出液を含む液をカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させる。吸着体の充填高さL及びD(径)の比L/Dは通常0.1〜10が好ましい。多孔質吸着体のカラム内への充填量は、通液前に吸着カラムに充填できる量であれば良い。吸着カラムの上段又は下段の少なくとも1つにメッシュ(網)又はパンチングメタルなど有し実質的に多孔質吸着体が漏れ出さない分離構造体を有していれば良い。分離構造体の開口径は、多孔質吸着体の平均粒径より小さければ良い、好ましくは多孔質吸着体の平均粒径の1/2以下、特に好ましくは1/3以下の目開きが良い。具体的な開口径は、0.1〜1000μmである。コーヒー抽出液を含む液の吸着処理温度は−10℃〜100℃が好ましいが、更に風味の観点より0〜40℃が好ましい。吸着カラム内の吸着剤量(K[g])対するコーヒー抽出液を含む液流量(QC[g/分])の滞留時間(K/QC)は0.5〜300分である。
コーヒー組成物は、固液分離工程により吸着剤の微粉を除去することが可能である。吸着剤の微粉を除去する方法としては、遠心分離機、ろ紙、ゼータ電位フィルター、フィルタープレス、珪藻土ろ過の1種以上から選ばれる方法が選択できる。固液分離工程により、通常1μm以上の微粉、好ましくは0.5μm以上の微粉、特に好ましくは0.1μm以上の微粉を除去することが風味や食感の観点より好ましい。
実施例1
中焙煎度のコーヒー豆に対して8倍量のイオン交換水(95℃)で抽出し、コーヒー抽出液を得た。次に本コーヒー抽出液中のBrixを測定し、Brixに対して50重量%の量の活性炭(白鷺WH2C)を充填したカラム(内径45mm、長さ150mm)を準備した。その後、活性炭を充填したカラムに温度25℃、SV8[1/容量[m]/流量[m/hr]]の条件下でコーヒー抽出液を通液し、活性炭処理してヒドロキシヒドロキノンを除去したコーヒー組成物を得た。このコーヒー組成物をイオン交換水で希釈し、重曹にてpH調整を行った。こうして得られた加熱殺菌前のコーヒー飲料のヒドロキシヒドロキノンは、0.000005質量%(検出限界)以下であった(HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法)。次にこのコーヒー飲料を190g缶に充填・密封し、表1に示す殺菌条件(昇温速度、殺菌温度および殺菌時間)でレトルト殺菌機にて加熱殺菌処理を施し、容器詰めコーヒー飲料を得た。また加熱殺菌後のヒドロキシヒドロキノンは、HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法を用いた。官能評価については、開栓時の香り立ちや飲んだときのコーヒー感など、総合的なコーヒー風味の良さを4段階で評価し、結果を表1に示した。
比較例1
表1に示す殺菌条件(昇温速度、殺菌温度および殺菌時間)に制御した以外は実施例1と同様に容器詰コーヒー飲料を製造した。
実施例2
実施例1と同様の方法で、ヒドロキシヒドロキノンが0.00001質量%のコーヒー飲料を製造し、表1に示す殺菌条件(昇温速度、殺菌温度および殺菌時間)で容器詰コーヒー飲料を製造した。
比較例2、実施例3
表1に示す殺菌条件(昇温速度、殺菌温度および殺菌時間)に制御した以外は実施例2と同様に容器詰コーヒー飲料を製造した。
Figure 2008193964
表1に示したように、レトルト殺菌機による加熱処理温度を125℃から140℃の範囲とし、加熱処理温度までの平均昇温速度を6℃/分から10℃/分とすることにより、ヒドロキシヒドロキノンの生成が抑制されることが判った。
<HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法>
容器詰コーヒー飲料又はコーヒー組成物のヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、カラムオーブン:505。カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm粒子径5μm((株)資生堂)。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、電気化学検出器の印加電圧:0mV、カラムオーブン設定温度:40℃、溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液A及びBの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学(株))、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学(株))、リン酸(特級、和光純薬工業(株))、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業(株))を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
分析試料の調製は、試料5gを精秤後、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液にて10mLにメスアップし、この溶液について遠心分離を行い上清を得た。この上清について、ボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約0.5mLを除いて通過液を得た。この通過液について、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過し、速やかに分析に供した。
HPLC−電気化学検出器の上記の条件における分析において、ヒドロキシヒドロキノンの保持時間は、6.38分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、質量%を求めた。

Claims (3)

  1. レトルト殺菌機の加熱処理温度を125℃から140℃の範囲とし、予備加熱温度から加熱処理温度までの平均昇温速度を6℃/分から10℃/分とする容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  2. レトルト殺菌機による加熱処理前のコーヒー組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量が0〜0.00002質量%である、請求項1記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  3. レトルト殺菌機による加熱処理前のコーヒー組成物がコーヒー抽出液を多孔質吸着体に接触させてヒドロキシヒドロキノン含量を低減させたものである、請求項1又は2記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
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