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JP2008180302A - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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JP2008180302A JP2007014605A JP2007014605A JP2008180302A JP 2008180302 A JP2008180302 A JP 2008180302A JP 2007014605 A JP2007014605 A JP 2007014605A JP 2007014605 A JP2007014605 A JP 2007014605A JP 2008180302 A JP2008180302 A JP 2008180302A
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Mitsuo Akashi
光生 明石
Yukihiro Shoji
幸広 庄司
Junichi Nishimoto
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Abstract

【課題】無段変速機、多段変速機4を有する自動変速機の油圧制御装置10の補助ポンプを簡単で制御が容易なポンプとし、トルクコンバータ変速での通常走行中のエネルギーロスを減じる。
【解決手段】シフトバルブ17の供給ポート18の接続路13上に第一、第二の逆止弁16,32を設け、その間のシリンダ室36を出入りするピストン33を電磁力により往復作動させて油を吸入排出する電磁ポンプ30を設ける。シフトバルブ17等で選択された摩擦係合装置8への圧油の供給時期に第一の油圧ポンプ11が摩擦係合装置が必要とする圧油を供給し、所定圧力に保持後、電磁ポンプからの圧油により摩擦係合装置を保持し、かつ第一の油圧ポンプの圧力を摩擦係合装置に必要な圧力より低く、調圧弁20の圧力を維持できる圧力以上に制御する。摩擦係合装置をドライブポジションとし、それ以外は電磁ポンプを停止させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トルクコンバータ、プーリー式(CVT)等の無断変速機と、歯車等の多段変速機を有する自動車等を含む車両用自動変速機の油圧制御装置の省エネに関する。
従来の自動車用自動変速機には、エンジンからの出力を油圧を介して伝達するトルクコンバータや潤滑装置、冷却装置等と、歯車比や噛み合いを変更することにより中立、1速、2速、ドライブ、逆転等のシフト動作を行う多段変速機から構成されている。また、トルクコンバータ、潤滑装置、冷却装置等への油圧の供給、多段変速機の油圧制御、油圧の供給等を行うための油圧制御装置が設けられている。多段変速機は、マニュアルシフトバルブによって、さらには、マニュアルシフトバルブの下流側に設けられたシフトバルブやソレノイドバルブを介して、複数の摩擦係合装置に選択的に油圧を供給又は排出させて種々の組み合わせにより所望のシフト状態、変速段を選択できるようにされている。例えば、マニュアルシフトバルブでは、中立、1速、2速、ドライブ、逆転を選択する。さらに、選択されたシフト状態に加え、後段のシフトバルブ、ソレノイドバルブを油圧制御あるいは電気制御しながら、アクセルや車速にあわせて、さらに、摩擦係合装置を選択し、1段、2段、3段、4段、さらに細かい段数を選択して、スムースな自動変速を可能にしている。
油圧制御装置には、トルクコンバータ、潤滑部、摩擦係合装置等に油圧を供給するための油圧ポンプが設けられている。油圧ポンプの圧油は圧力調整弁(プライマリーバルブ等と呼ばれる)により調整され、マニュアルシフトバルブ、シフトバルブ、ソレノイドバルブ等を介して、摩擦係合装置に供給され、あるいは排出される。一方、調圧弁(セカンダリーバルブ等と呼ばれる)を介して、油圧ポンプの圧力より低い圧力の圧油がトルクコンバータ、オイルクーラー等の他の油圧装置に供給される。なお、ソレノイドバルブは、電磁コイルをON−OFFさせてスプールやポペットを移動させる電磁切替弁、電磁コイルを微少時間単位でON−OFFさせて制御するデュティー弁、流量や圧力を電気指令信号に応じて制御できる電磁比例弁等の種々のものが知られている。
しかし、油圧ポンプ1台で油圧を供給する場合においては、潤滑・冷却装置・トルクコンバータ側の圧力は低圧でよく、また、速度が増すと流量を増す必要があるのに対し、摩擦係合装置側は高圧が必要であり、さらに速度の増加により摩擦係合装置の保持力を増す必要があり、圧力を高くする必要があるため、油圧ポンプには高圧・大容量の負荷がかかり、エンジンの駆動ロスが大きいという問題があった。
そこで、特許文献1においては、トルクコンバータ側専用に、エンジン駆動の低圧の油圧ポンプ、摩擦係合装置側専用に高圧の電動油圧ポンプをそれぞれ設け、使用目的に応じて系統分けし、エンジンの駆動ロスを低減し、燃費を向上させている。また、電動油圧ポンプは、きめ細かい制御が可能にでき、摩擦係合装置の側に必要な油圧や流量を容易に確保できる。特許文献1に開示はないが、例えば、シフト時は高圧大流量とし、保持時は高圧低流量とすることができる。また、特許文献1のものでは、さらに、低圧側油圧ポンプの供給路を、電動油圧ポンプの供給路に逆止弁を介してバイパス供給させるようにして、電動油圧ポンプの故障時にエンジン駆動の油圧ポンプから摩擦係合装置へ油圧を供給するようにしている。
一方、逆止弁を介して、2つの油圧ポンプからの圧油を摩擦係合装置へ供給するようにしたものに、特許文献2のものがある。このものは、エンジンで駆動される第一の油圧ポンプの圧油が圧力制御弁にて制御され、圧力制御弁と一体にされた調圧弁により低圧制御されたクラッチ圧回路がマニュアルシフトバルブの供給ポートを接続されている。さらに、供給ポートからの逆流を防止するようにクラッチ回路に第一の逆止弁を設けられている。さらに、第一の逆止弁と供給ポートとの接続路に、電動油圧ポンプとアキュムレータ及びアキュムレータ制御回路からなる第二の油圧(ポンプ)源から第二の逆止弁を介して圧油が供給可能に接続されている。これにより、停車時にはアイドリングストップによりエンジンを停止させ省エネを図る一方、第二の油圧源からクラッチ等摩擦係合装置へ圧油を供給して、走行中の締結状態を確保し、エンジン再始動時のショックを防止している。
特開2001−74130号公報 特開平11−159366号公報
しかし、特許文献1のものは、摩擦係合装置への供給及び保持を電動(第二の)油圧ポンプでのみ行うので、大容量から小容量の制御が必要であり、低回転から高速回転間の効率のよいポンプが必要である。また、回転数が一定の場合は可変ポンプを使用するが構造が複雑である。また、回転数を変化させる場合は、モータの制御回路が複雑になる。また、開放又は圧力保持状態から他の状態に圧油を加えて移動させるときには大流量を必要とするが、可変ポンプや電動モータでは応答性が悪い等の問題があった。
また、電動(第二の)油圧ポンプの故障時に第一の油圧ポンプから摩擦係合装置へ圧油を供給するようにされている。しかし、この場合、トルクコンバータ供給圧力は摩擦係合装置の圧力より低いので、保持圧力が低く、高速運転等ができなくなり、通常運転が不可能になるという問題があった。これに備え、故障時に第一の油圧ポンプの圧力を上げるようにするには、ポンプ性能、バルブ性能を本来使用される通常の仕様より高度なものとし、故障時に圧力を高圧設定にする機能を追加しなければならない等の問題があった。
一方、特許文献2のものは、車両停車中、あるいはエネルギー回収中はエンジンを停止させ、第一の油圧ポンプをも停止させ、摩擦係合装置の圧油の保持を電動油圧ポンプ等で行い省エネを図っている。しかし、通常走行中は、常に第一の油圧ポンプが運転されており、プーリー変速機に圧油を供給しつづけており、アイドリング時でも第二の油圧源の圧力より高い値に設定され、その余剰油を摩擦係合装置へ分配しているにすぎず、駆動エネルギーは従来のものとかわらないという問題があった。また、トルクコンバータや潤滑油への低圧側への圧油の供給に関しては開示されていない。さらに、第二の油圧ポンプはアキュムレータ及びアキュムレータ制御回路を要し、構造が複雑で大きくなるという問題があった。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、無断変速機と多段変速機からなる車両用自動変速機の油圧制御装置において、小型、簡単で制御が容易な補助ポンプ(第二の油圧ポンプ)を提供することである。さらに、CVTを使用せず、多段変速機とトルクコンバータを用いた車両用多段変速装置において、通常走行中のエネルギーロスを減じることである。
本発明においては、無断変速機と、複数の摩擦係合装置を選択的に結合・開放することにより変速が行われる多段変速機と、前記摩擦係合装置への圧油の供給・排出の選択切換をするシフトバルブと、前記無断変速機及び前記摩擦係合装置に圧油を供給するようにされた第一の油圧ポンプと、前記第一の油圧ポンプから前記シフトバルブの供給ポートへ圧油を供給する接続路と、を備えた車両用自動変速機の油圧制御装置において、前記接続路に前記シフトバルブへの供給ポートへ向かって圧油を供給する方向に直列に設けられた第一及び第二の逆止弁と、前記第一及び第二の逆止弁間に連通するシリンダ室と、前記シリンダ室を拡縮するピストンと、前記ピストンを往復動する電磁コイルと、からなる電磁ポンプを第二の油圧ポンプを有する車両用自動変速機の油圧制御装置を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、従来と同様の第一の油圧ポンプに摩擦係合装置側のラインへ圧油を供給する補助ポンプとしての第二の油圧ポンプを第一及び第二の逆止弁と、第一、第二の逆止弁間に連通するシリンダ室と、シリンダ室を拡縮するピストンと、ピストンを往復動する電磁コイルと、からなる電磁ポンプとし、第一の油圧ポンプとシフトバルとの接続路に設けた。これにより、電磁コイルに印可しない場合は、第一の油圧ポンプが第一の逆止弁、シリンダ室、、第二の逆止弁を通り、シフトバルブを介して、従来と同様に摩擦係合装置は圧油を供給できる。一方、第一の油圧ポンプが低圧であるときは、電磁コイルにON−OFF電流を印可してピストンを往復させることにより、圧力を発生させ、摩擦係合装置の圧力保持を可能にする。
第二の油圧ポンプは、バルブや摩擦係合装置等の漏れを補償する程度の小容量でよく、流量精度もそれほど高くなく圧力制御すればよく、かかる電磁ポンプ構造で十分である。また、電磁ポンプは一体としても、各部品をシフトバルブ類が取り付けられるバルブアセンブリーに組み込むようにしてもよい。
また、第一、二の逆止弁、シリンダ室が大きいと、ポンプ性能が低下するおそれがあり、逆に小さいと第一の油圧ポンプの圧力損失が大きくなる。そこで、請求項2に記載の発明においては、前記第一及び第二の逆止弁と並列に、同方向に第三の逆止弁を設けた。これによれば、第二の油圧ポンプに関係なく逆止弁のサイズを選べ、シフトバルブへ圧力損失を過大にすることなく圧油供給することができる。
また、CVTを有する変速機では、通常走行運転でも高圧が必要であるが、例えば特許文献1に記載のようなCVTを有せずトルクコンバータと多段変速機の組み合わせにおいては、通常走行ではトルクコンバータへ低圧供給し、摩擦係合装置は高圧を供給している。しかし、摩擦係合装置は圧力保持のみ必要である。
そこで、請求項3に記載の発明においては、前記無断変速機はトルクコンバータであって、前記第一の油圧ポンプの圧力及び前記摩擦係合装置の圧力を制御する圧力制御弁と、前記トルクコンバータへ供給する圧油の圧力を前記圧力制御弁の圧力以下の圧力で制御する調圧弁と、を備え、前記シフトバルブはマニュアルシフトバルブであって、前記マニュアルシフトバルブを通った圧油が前記摩擦係合装置のいずれかに供給されるように選択された場合において、前記選択された摩擦係合装置への圧油の供給時期においては、前記圧力制御弁は前記選択された摩擦係合装置が必要とする圧油を供給するように設定され、少なくとも前記選択された摩擦係合装置への圧力が所定圧力に達し保持した後は、前記電磁ポンプからの圧油により前記選択された摩擦係合装置を保持し、かつ、前記圧力制御弁は、前記第一の油圧ポンプ運転中の圧力を前記選択された摩擦係合装置に必要な圧力より低く、前記調圧弁の圧力を維持できる圧力以上の圧力に制御可能にされるようにした。
即ち、第一の油圧ポンプと第二の油圧(補助)ポンプである電磁弁を配置し、マニュアルシフトバルブを通った圧油が選択された摩擦係合装置へ供給される供給時期、即ち摩擦係合装置のいずれかを作動させるときは、圧力制御弁は摩擦係合装置が必要とする圧油を供給するように設定、即ち第一の油圧ポンプを高圧にし、摩擦係合装置を従来と同様に作動させる。さらに、少なくとも摩擦係合装置への圧力が所定圧力に達し保持した後は、小容量の電磁ポンプからの圧油により摩擦係合装置を保持、即ち高圧で保持するようにした。このとき、圧力制御弁は、第一の油圧ポンプ運転中の圧力を選択された摩擦係合装置に必要な圧力より低く、調圧弁の圧力を維持できる圧力以上の圧力に制御可能、即ち、トルクコンバータ等に必要な圧力で運転される。
これにより、通常運転中に電磁ポンプで摩擦係合装置が高圧保持され、第一の油圧ポンプは低圧で運転されるので、第一の油圧ポンプを高圧で運転するのに比べて、無駄なエネルギーの発生が少なくなる。また、従来の油圧制御装置の動作とほぼ同様であり、従来の制御系をほぼそのまま適用できる。なお、電磁ポンプの容量は、省エネに対しては、小さいほど効果的であるが、マニュアルシフトバルブや、後段のバルブ、摩擦係合装置等の漏れを補い、選択された摩擦係合装置が必要とされる圧力に保持できる容量であることが必要である。また、電磁ポンプ保持時の第一の油圧ポンプの圧力はできる限り低い方がよい。また、電磁ポンプをマニュアルシフトバルブの供給ポートに接続するようにしたので、後段のバルブの経路や動作の複雑さに拘わらず効率的に圧油を選択された摩擦係合装置へ配分できる。
前述したように、多段変速機は、メインのマニュアルシフトバルブのみでなく、後段のシフトバルブやソレノイドバルブにより、さらに細かく摩擦係合装置を選択して、より細かい自動変速制御をするものがある。そこで、請求項4に記載の発明においては、さらに、前記マニュアルシフトバルブの下流側に設けられ、前記摩擦係合装置への油圧の供給・排出を選択切換できるようにされたシフトバルブ及び/又はソレノイドバルブを有し、前記マニュアルシフトバルブ又は前記シフトバルブ又は前記ソレノイドバルブが前記摩擦係合装置のいずれかに圧油を供給するように選択された場合において、前記選択された摩擦係合装置への圧油の供給時期においては、前記圧力制御弁は前記選択された摩擦係合装置が必要とする圧油を供給するように設定され、少なくとも前記選択された摩擦係合装置への圧力が所定圧力に達し保持した後は、前記電磁ポンプからの圧油により前記選択された摩擦係合装置を保持し、かつ、前記圧力制御弁は、前記第一の油圧ポンプ運転中の圧力を前記選択された摩擦係合装置に必要な圧力より低く、前記調圧弁の圧力を維持できる圧力以上の圧力に制御可能な車両用自動変速機の油圧制御装置とした。
即ち、摩擦係合装置への選択は、マニュアルシフトバルブの他、マニュアルシフトバルブの後段のシフトバルブやソレノイドバルブでも行われる場合も、前述したと同様に、選択された摩擦係合装置に圧油を供給するときには、第一のポンプから供給し、所定圧力に達した後は、第一の油圧ポンプの圧力を低圧にし、電磁ポンプにより選択された摩擦係合装置の圧油を保持できるようにした。これにより、マニュアルシフトバルブばかりでなく、後段のより細かい変速制御ができるシフトバルブやソレノイドバルブを有する車両用自動変速機の油圧制御装置に適用できる。
また、マニュアルシフトバルブがニュートラルポジション時には摩擦係合装置への圧油の供給は不要なので、従来と同様第一の油圧ポンプは低圧に制御され、第二の油圧ポンプは停止させればよい。また、バックポジションでは、運転時間も短い。また、ローギヤ等の低速ギヤでは時間も短いか、大出力が必要であったり、エンジンブレーキ状態であるので、駆動ロスの影響は少ない。そこで、請求項5に記載の発明においては、前記選択された摩擦係合装置は、ドライブポジションとした。なお、マニュアルシフトバルブがドライブポジション状態であっても、アクセル、車速等により、後段のシフトバルブやソレノイドバルブが作動し、自動的に各変速段(1速、2速、3速、4速、オーバードライブ等)に応じた摩擦係合装置が選択され、圧油の供給・排出が行われる。
また、電磁ポンプは小容量であり常時運転も可能であるが、摩擦係合装置の圧力保持が不要な場合は停止するのが好ましい。そこで、請求項6に記載の発明においては、前記電磁ポンプは前記、マニュアルシフトバルブが中立時以外のポジション又はドライブポジションで作動し、それ以外は停止するようにした。
さらに、電磁ポンプの圧力は、摩擦係合装置の圧油を保持すればよいが、運転速度等により保持圧力が変化する。そこで、請求項7に記載の発明においては、前記電磁ポンプの圧油は前記摩擦係合装置の保持に必要な圧力の最大圧力又は必要な圧力に制御するようにした。
以上述べたように、本発明においては、摩擦係合装置側のラインへ圧油を供給する補助ポンプとして第一及び第二の逆止弁と、第一、第二の逆止弁間に連通するシリンダ室と、シリンダ室を拡縮するピストンと、ピストンを往復動する電磁コイルと、からなる電磁ポンプとし、第一の油圧ポンプとシフトバルブとの接続路に設けたので、電磁ポンプ用の吸入ラインを設ける必要がない。また、吸い込み不良等のおそれもなく、構造が簡単で、制御の容易なものとなった。また、従来の油圧制御装置の変更も非常に少なく、また、技術的ハードルも小さく設計も容易なものとなった。また、電磁ポンプが故障しても圧油は第一の油圧ポンプから供給でき従来と同様な運転が可能である。
また、請求項2に記載の発明においては、電磁ポンプと並列に第三の逆止弁を設け、シフトバルブへの圧力損失を過大にしないので、省エネを阻害することなく、また、従来と同様の作動ができる。
さらに、請求項3に記載の発明においては、高圧で運転されるCVTではなく、トルクコンバータと多段変速機からなる車両用自動変速機の油圧制御装置において、通常運転中に電磁ポンプで摩擦係合装置を高圧保持し、第一の油圧ポンプでトルクコンバータや潤滑ラインに低圧油を供給し駆動ロスを減じるので、省エネルギーとなる。また、第一の油圧ポンプは圧力を制御するだけなので、応答性も問題ない。さらに、従来の油圧制御装置とほぼ同様の構成でよいので、従来の車両用自動変速機の油圧制御装置の小改良で効率的に駆動エネルギーロスを減じるものとなった。なお、本発明は通常運転中での駆動エネルギーロスを減じるものであるが、前述した特許文献2の場合のようなアイドリングストップ時にも適用できる。
また、請求項4に記載の発明においては、マニュアルシフトバルブだけでなく、後段のシフトバルブやソレノイドバルブにおいても車速やアクセル等により自動的に摩擦係合装置を選択できるような高度な自動変速機にも適用できるので、複雑な構造の車両用自動変速機の油圧制御装置であっても、前述したと同様な効果を得られるものとなった。
また、請求項5に記載の発明においては、各ポジション中、最も効果的なドライブポジションの場合に限定したので、簡単な制御で省エネを図れる。また、走行中の自動変速に応じて、第一の油圧ポンプ、電磁ポンプが働き、運転感覚も従来と同様である。また、電磁ポンプは不要時に停止するようにしたので、騒音やエネルギーロスを生じることがない(請求項6)。さらに、圧力制御するようにすれば速度や負荷に応じた適切な保持力を得られる(請求項7)。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の自動車用自動変速機の説明図、図2は自動車用自動変速機の油圧制御装置の系統図である。本実施の形態においは、従来の自動車用自動変速機の油圧制御装置に、第二の油圧ポンプとして電磁ポンプを第一の油圧ポンプとマニュアルシフトバルブの供給ポートとの接続路(メイン回路)上に配置してマニュアルシフトバルブの供給ポートに圧油を供給するものである。図1に示すように、本実施の形態の自動車用自動変速機1はエンジン2の駆動軸にトルクコンバータ3が接続され、トルクコンバータの出力軸に多段変速機4が接続され、さらに、終端減速機等5を経由して車輪6を駆動させる。
多段変速機は、遊星式等があり、多数の歯車を油圧により作動するブレーキ81やクラッチ82、即ち摩擦係合装置8を複数を組み合わせ制御して、歯車を固定したり、歯車同士を結合させる等して、前進、後進の選択、1速、2速、3速、4速、直結、オーバードライブ等の変速域を得られるようにされている。かかる多段変速機は種々のものが多数公知であり、説明を省略する。
トルクコンバータ3、多段変速機の潤滑冷却用7、摩擦係合装置8であるクラッチやブレーキの作動用として油圧が用いられる。かかる油圧制御装置10は図2に示すように、エンジン2で駆動される第一の油圧ポンプ11、第一の油圧ポンプの圧力を制御する圧力制御弁12が設けられ、接続路(メイン回路)13の圧力を制御する。メイン回路には分岐してリリーフ弁14が安全弁として設けられている。圧力制御弁12はコントローラ15からの電気指令42により、圧力制御される電磁比例圧力制御弁である。また、接続路(メイン回路)13は第一の逆止弁16を経て、マニュアルシフトバルブ17の供給ポート18に接続される。マニュアルシフトバルブ17は所定のポジションを選択し、さらに、後段のシフトバルブ・ソレノイドバルブ等19を経由して、ブレーキやクラッチの摩擦係合装置8へ選択的に圧油を送るようにされている。摩擦係合装置8への圧力は、車速が低いときは低圧であり、車速が早くなるほど高圧となるように制御される。また、例えばマニュアルシフトバルブでドライブを選択し、さらに車速等に応じて、油圧的、電気的に後段のシフトバルブやソレノイドバルブを動作させ、ドライブポジション状態での、より細かい自動変速制御ができるようにされている。
一方、メイン回路13にさらに分岐して調圧弁20を介して低圧ラインが設けられている。調圧弁20の出力側は摩擦係合装置8への必要圧力より低圧でほぼ一定圧、あるいは速度に合わせて上昇するようにされ、低圧ライン21に接続されたトルクコンバータ3やその他の潤滑冷却系統7の油圧装置に低圧油が供給される。また、低圧油は速度上昇に伴い流量が増大するようにされている。調圧弁はセカンダリーバルブ等と呼ばれる。
特に、本実施の形態においては、第一の油圧ポンプ11からシフトバルブ17の供給ポート18へ圧油を供給する接続路13にシフトバルブへの供給ポートへ向かって圧油を供給する方向に直列に第一の逆止弁16、第二の逆止弁32が設けられている。さらに、第一及び第二の逆止弁16,32間に連通するシリンダ室36と、シリンダ室を拡縮するピストン33と、ピストンを往復動する電磁コイル34が設けられ、電磁ポンプ30を構成している。コントローラ15からのON−OFF電流35を電磁コイル34に流しピストン33を往復動させることにより、吸入側逆止弁31から油を吸い込み、排出側逆止弁32から圧油をシフトバルブの供給ポート18に供給する。さらに、第一及び第二の逆止弁と並列に、同方向にバイパス要第三の逆止弁37を設ける。
電磁ポンプ30の吐出量はON−OFFのサイクルで制御され、吐出圧力は印可電圧又は電流で制御される。簡単には、吐出圧力が摩擦係合装置8の必要圧力の最大値に制御され、より好ましくは、車速に応じて圧力制御可能にされる。さらに、シリンダ室36の圧力を検知し信号として出力する圧力検出器40が設けられ、コントローラ15に入力41される。なお、アイドリングストップ等のエンジン停止時にも適用する場合は、電磁ポンプ30の吸入側に油不足が生じる虞がある。このような場合はタンク又はドレーンに接続される逆止弁71(点線で示す)を介して電磁弁が油を吸入できるようにすればよい。
コントローラ15には、マニュアルシフトバルブ17、後段のシフトバルブやソレノイドバルブ19のポジション及びアクセルや車速に応じたメイン回路13の圧力が設定され、各バルブのポジションにより、電気指令を圧力制御弁12に与えメイン回路圧力を所定の圧力にする。また、ポジションに応じて電磁ポンプ30を作動させるようにされている。さらに、電磁ポンプの圧力検出器40の信号がフィードバックされ、電磁ポンプの圧力があらかじめ設定された圧力より大きくなったときに、メイン回路圧力13を摩擦係合装置8に必要な圧力より低く、調圧弁20の出口側低圧ライン21の圧力を維持できる圧力以上の圧力にするように電気指令42を圧力制御弁に与えるようにされている。
また、電磁ポンプ30を作動させる電気指令がありながら、電磁ポンプ圧力が所定圧力より低い場合は、メイン回路圧力13を電磁ポンプに指令する圧力と同じ圧力にするように電気指令を圧力制御弁12に与えるようにされている。ここでは、説明の簡単のため、ドライブポジションの場合のみ電磁ポンプを作動させるように設定する。なお、かかるコントローラの実現にはコンピュータや種々の従来公知の電気回路から容易に得られるものであり説明を省略する。
かかる自動車用自動変速機の油圧制御装置10においては、エンジン2運転中にマニュアルシフトバルブ17が中立の場合はメイン回路圧力13は低圧にされる。また、ロー、セカンド、バックギヤが選択されると、メイン回路圧力が上昇し、ポジションに応じた圧力とし、摩擦係合装置8を作動させ、所望の歯車の組み合わせを行う。この場合は、電磁ポンプ30は作動していないので、従来の自動車用自動変速機の油圧制御装置と変わるところはない。また、バイパス逆止弁37により第一油圧ポンプの大容量を圧力損失が少ない状態で通過させることができる。
次に、ドライブポジションが選択されると、後段のシフトバルブやソレノイドバルブが1速の速度となるように、選択され、1速に応じた摩擦係合装置8が選択される。電磁ポンプ30も作動するが、選択された摩擦係合装置8は作動していないので、圧力検出器40の信号も低い。従って、メイン回路13が上昇し、第一の油圧ポンプにより摩擦係合装置を作動させ、所望の歯車の組み合わせを行う。係合が完了し、圧力が所定圧まで上がることにより、圧力検出器40から信号がだされ、メイン回路圧力13は低圧にされる。摩擦係合装置8は電磁ポンプ30により圧力保持される。
さらに、車速があがると、後段のシフトバルブやソレノイドバルブが2速となるように摩擦係合装置を選択し、同様の動作をする。さらに、速度に応じて3速、4速等の自動変速が行われる。それぞれの変速開始時にメイン回路圧力を上昇させ、変速が完了、即ち選択された摩擦係合装置の圧力が所定圧力に達した後にメイン回路圧力は低圧にされ、電磁ポンプにより選択された摩擦係合装置の圧力がそのまま保持される。これにより、メイン回路13圧力が低圧になるので、エンジン2の駆動ロスが減ずる。ドライブポジションを解除された場合は、電磁ポンプ30も停止し、メイン回路13の圧力は従来の自動車用自動変速機の油圧制御装置と同様になる。
さらに、電磁ポンプ30が故障した場合は、圧力検出器40からの信号も低くなるので、自動的にメイン回路圧力13が上昇し、摩擦係合装置8は第一の油圧ポンプ11の圧力で保持される。なお、電磁弁30の故障等により、圧力検出器40からの信号が下がった場合は、第一の油圧ポンプの圧力が導入されるので、一度圧力が下がり、第一のポンプが再起動した場合は、第一のポンプが圧力検出器と干渉しないように電気的なインターロックを取るようにする。このように従来と同様となり、故障にたいしても確実な作動ができ、フェールセーフを実現できる。また、アイドリングストップの場合にも有効に働くこともでき、省エネに貢献できる。
なお、電気的制御について説明したが、油圧による制御も可能である。また、電磁ポンプはポジション選択時に作動するようにしたが、タイマーで遅延作動させる等してもよい。また、後段のシフトバルブやソレノイドバルブがない簡単な構造の変速機の場合にも同様である。このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の自動車用自動変速機の油圧制御装置に適用できることはいうまでもない。さらに、実施の形態においては、自動車用について説明したが、ディーゼルカー等の鉄道車両を含む車両用についても適用できる。
従来及び本発明の実施の形態を示す自動車用自動変速機の説明図である。 本発明の実施の形態を示す自動車用自動変速機の油圧制御装置の系統図である。
符号の説明
3 トルクコンバータ
4 多段変速機
8 摩擦係合装置
10 車両用自動変速機の油圧制御装置
11 第一の油圧ポンプ
12 圧力制御弁
13 接続路(メイン回路)
16 第一の逆止弁を
17 (マニュアル)シフトバルブ
18 シフトバルブの供給ポート
19 シフトバルブ及び/又はソレノイドバルブ
20 調圧弁
30 電磁ポンプ(第二の油圧ポンプ)
32 第二の逆止弁
33 ピストン
34 電磁コイル
36 シリンダ室
37 第三の逆止弁(バイパス逆止弁)
40 圧力検出器

Claims (7)

  1. 無断変速機と、複数の摩擦係合装置を選択的に結合・開放することにより変速が行われる多段変速機と、前記摩擦係合装置への圧油の供給・排出の選択切換をするシフトバルブと、前記無断変速機及び前記摩擦係合装置に圧油を供給するようにされた第一の油圧ポンプと、前記第一の油圧ポンプから前記シフトバルブの供給ポートへ圧油を供給する接続路と、を備えた車両用自動変速機の油圧制御装置において、前記接続路に前記シフトバルブへの供給ポートへ向かって圧油を供給する方向に直列に設けられた第一及び第二の逆止弁と、前記第一及び第二の逆止弁間に連通するシリンダ室と、前記シリンダ室を拡縮するピストンと、前記ピストンを往復動する電磁コイルと、からなる電磁ポンプを第二の油圧ポンプとして有することを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第一及び第二の逆止弁と並列に、同方向に第三の逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記無断変速機はトルクコンバータであって、前記第一の油圧ポンプの圧力及び前記摩擦係合装置の圧力を制御する圧力制御弁と、前記トルクコンバータへ供給する圧油の圧力を前記圧力制御弁の圧力以下の圧力で制御する調圧弁と、を備え、前記シフトバルブはマニュアルシフトバルブであって、前記マニュアルシフトバルブを通った圧油が前記摩擦係合装置のいずれかに供給されるように選択された場合において、前記選択された摩擦係合装置への圧油の供給時期においては、前記圧力制御弁は前記選択された摩擦係合装置が必要とする圧油を供給するように設定され、少なくとも前記選択された摩擦係合装置への圧力が所定圧力に達し保持した後は、前記電磁ポンプからの圧油により前記選択された摩擦係合装置を保持し、かつ、前記圧力制御弁は、前記第一の油圧ポンプ運転中の圧力を前記選択された摩擦係合装置に必要な圧力より低く、前記調圧弁の圧力を維持できる圧力以上の圧力に制御可能にされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  4. さらに、前記マニュアルシフトバルブの下流側に設けられ、前記摩擦係合装置への油圧の供給・排出を選択切換できるようにされたシフトバルブ及び/又はソレノイドバルブを有し、前記マニュアルシフトバルブ又は前記シフトバルブ又は前記ソレノイドバルブが前記摩擦係合装置のいずれかに圧油を供給するように選択された場合において、前記選択された摩擦係合装置への圧油の供給時期においては、前記圧力制御弁は前記選択された摩擦係合装置が必要とする圧油を供給するように設定され、少なくとも前記選択された摩擦係合装置への圧力が所定圧力に達し保持した後は、前記電磁ポンプからの圧油により前記選択された摩擦係合装置を保持し、かつ、前記圧力制御弁は、前記第一の油圧ポンプ運転中の圧力を前記選択された摩擦係合装置に必要な圧力より低く、前記調圧弁の圧力を維持できる圧力以上の圧力に制御可能にされていることを特徴とする請求項3記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記選択された摩擦係合装置は、ドライブポジションであることを特徴とする請求項3又は4記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  6. 前記電磁ポンプは前記マニュアルシフトバルブが中立時以外のポジション又はドライブポジションで作動し、それ以外は停止するようにされていることを特徴とする請求項3又は4又は5に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記電磁ポンプの圧油は前記摩擦係合装置の保持に必要な圧力の最大圧力又は必要な圧力に制御されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
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