JP2008174740A - 液体洗浄剤組成物用洗浄溶剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体洗浄剤用の溶剤としてアルキルエーテルカルボン酸アミドアルコール類を用いる。
【効果】浴室、台所、住居周りに多用されているプラスチック、特にアクリル系樹脂に対して損傷を与えず、且つ、界面活性剤を可溶化する能力が高く、均一な組成の液体洗浄剤組成物が得られる。
【選択図】なし
Description
ここで、これら洗浄剤組成物に含まれる長炭素鎖長のアニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤、両性活性剤、カチオン界面活性剤は、住居回りの家具や浴槽などの各種構造物に近年多用されているプラスチックに対して損傷を与えにくいものの、該洗浄剤組成物に含まれるブチルカルビトールなどの短鎖長のポリアルキレングリコールアルキルエーテル溶剤が、プラスチックに対して悪影響を及ぼすことが知られている(非特許文献1)。例えば、ブチルカルビトールは、プラスチックを溶解する作用が強く、誤った使用方法で液体洗浄剤組成物を用いたときになどに、プラスチックを損傷する恐れがある。プラスチック、主にABS樹脂等のスチレン系樹脂からなる材質に対する損傷の低い洗浄剤組成物が検討されている(特許文献1〜13)。他方、透明で高級感があり最近使用が増加しているアクリル系樹脂に対する損傷の少ない洗浄剤組成物として、洗浄溶剤を配合しないもの(特許文献14)やショ糖エステルを配合した洗浄剤組成物(特許文献15)が開示されているものの、洗浄溶剤を含まないため洗浄力が低かったり、洗浄剤組成物中にアクリル系樹脂を損傷する恐れのある低級アルコールが配合されていたりするなど、プラスチック用洗浄剤組成物としては十分に満足できるものがないのが現状である。
これまでに、アルキル基の炭素数8〜16のアルキルエーテルカルボン酸アミドアルコールが増粘剤として好ましいこと(特許文献16、非特許文献2)、染毛用組成物でのレベリング剤として好ましいこと(特許文献17)、水溶性インキ組成物中の1成分として使用することが好ましいこと(特許文献18)などが報告されているものの、プラスチックに対する損傷性に関する知見は全く知られていない。
すなわち、本発明は、下記式(1)または(2)で表されるアルキルエーテルカルボン酸アミドアルコールを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物用溶剤を提供する。
Rは炭素数4〜10の炭化水素基であり、
A及びBは、水素または炭素数1〜3のアルキル基を示し、AとBは同一でも異なっていても良く、
Xは水素または下式:
Yは水素、メチル基、または下式:
Zは炭素数2〜5のアルキレングリコール基を示し、
nは0〜20の数、mは1〜20の数、sは1〜2の整数、pは1〜4の整数、q及びrは各々0〜20の数を示し、qとrとの和は20以下である。]
本発明はまた、前記液体洗浄剤組成物用洗浄溶剤を含有する液体洗浄剤組成物を提供する。
A及びBは、水素または炭素数1〜3の炭化水素基であるが、反応原料の入手容易さを考えると、水素またはメチル基が好ましい。
Xは水素または下式:
Yは水素、メチル基、または下式:
Zは炭素数2〜5のアルキレングリコール基を示し、好ましくは炭素数2または3である。
nは0〜20の数であり、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜5である。nが20より大きくなると、親水性が強すぎて、洗浄剤組成物の水系での安定性や起泡性が低下するため好ましくない。
mは1〜20の数であり、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。である。mが20より大きくなると、親水性が強すぎて、洗浄剤組成物の水系での安定性や起泡性が低下するため好ましくない。
lは1〜20の数であり、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。lが20より大きくなると、親水性が強すぎて、洗浄剤組成物の水系での安定性や起泡性が低下するため好ましくない。
mとlとの和は20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。mとlとの和が20より大きくなると、親水性が強すぎて、洗浄剤組成物の水系での安定性や起泡性が低下するため好ましくない。
sは1〜2の整数であるが、製造性を考えると、好ましくは1である。
pは1〜4の整数であるが、原料の入手容易さを考えると、好ましくは1または4である。
q及びrは各々0〜20の数を示し、qとrとの和は20以下、好ましくは10以下である。
式(1)の好適な化合物として、具体的には以下の化合物が例示されるが、本発明は下記化合物によって何ら限定されるものではない。
式(2)の好適な化合物として、具体的には以下の化合物が例示されるが、本発明は下記化合物例によって何ら限定されるものではない。
式(2)における好適なアミド基のアミン残基としては、例えば3−アミノプロパン−1,2−ジオール、メチルグルカミン、グルカミンなどが挙げられる。
本発明の式(1)でs=2の化合物は、特開昭63−303960号公報や特開2005−47885号公報記載の実施例に準じた方法で、アルコールまたはポリアルキレングリコールアルキルエーテルをアクリル酸アミドに付加反応した反応物を得たのち、アルカリまたは酸触媒下でアミド基にアルキレンオキシドを付加反応する公知の方法で容易に得られる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄剤基剤として、各種界面活性剤を含有することができる。
該液体洗浄剤組成物に用いることのできる界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤が好ましいが、必要に応じて陽イオン性界面活性剤も使用できる。
陰イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(nav=1〜5)アルキル硫酸塩、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、石鹸、α−スルホ脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、リン酸アルキル塩、リン酸アルキルポリオキシエチレン塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等である。
(なお、navは、エチレンオキサイドの平均付加モル数である。)
これら陰イオン性界面活性剤の対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミノプロピオン酸、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸などが挙げられる。これらは単一または2種以上の混合物でも良い。
さらに、半極性を有する界面活性剤の具体例としては例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルアミンオキシドなどがあげられる。
陽イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等である。これらカチオン界面活性剤の対イオン(陰イオン)は、ハロゲンイオンなどである。
これらの界面活性剤は単独で、または2種以上混合して用いることができる。本発明の液体洗浄剤組成物に用いることのできる界面活性剤の疎水基としては、炭素数8〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基が好ましく、さらに炭素数10〜14の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基が特に好ましい。特に、陰イオン性界面活性剤及び半極性を有する界面活性剤が好ましい。
キレート剤の具体例としては、金属イオン封鎖剤またはその塩が使用される。金属イオン封鎖剤としては、通常使用されるものであれば特に制限されないが、例えば、有機カルボン酸類、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、ホスホノカルボン酸類、リン酸類などが挙げられる。
アミノカルボン酸類としては、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミノペンタ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、エチレングリコールジエーテルジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸、ジエンコル酸などを挙げることができる。
ホスホン酸類としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体、1−ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸などを挙げることができる。
リン酸類としては、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸等の縮合リン酸などを挙げることができる。
これら金属イオン封鎖剤は、酸の形でも使用可能であるし、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属との塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンとの塩等、塩基性物質との塩の形で使用することも可能である。
水溶性高分子の具体例としては、アニオン性基含有ビニル系単量体、カチオン性基含有ビニル系単量体、ノニオン性基含有ビニル系単量体からなる共重合体が挙げられる。
具体的には、アニオン性基含有ビニル系単量体としてはビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸等のカルボン酸類、またはその塩などが挙げられる。
塩基性化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルモノエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンなどの有機アミンや炭酸塩等の無機塩等が挙げられる。
また、液体洗浄剤組成物に必要に応じて配合される色素としても特に制限はなく、一般に界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物に使用される公知のものを使用できる。
pH調整剤としても特に制限はなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。本発明の液体洗浄剤組成物のpHは、4〜12(25℃)となるよう調整するのが好ましい。
また、該液体洗浄剤組成物には、界面活性剤の他、キレート剤、水溶性高分子、塩基性化合物、香料、色素、pH調整剤、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)などを使用目的に応じて配合することができる。
表1に、実施例及び比較例で用いた溶剤を示す。
表1中の合成品は以下のようにして合成した。
(1)ジエチレングリコールモノオクチルエーテル(h)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた1Lの四ツ口フラスコに、ジエチレングリコール127.34g(1.2モル)、t‐ブトキシカリウム33.66g(0.3モル)、テトラヒドロフラン200mLを仕込み、室温でt‐ブトキシカリウムが溶解するまで攪拌を継続した。溶解した後、臭化オクチル58g(0.45モル)のテトラヒドロフラン200mL溶液を室温で1時間かけて滴下した。滴下終了後、オイルバス温60℃に加温して4.5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、酢酸エチル400mLで抽出した。抽出の最中にエマルジョンになった時は、飽和食塩水を小量添加すると有機層と水層は分離する。有機層を3回水洗し、最後に飽和食塩水で1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去したのち、残渣を減圧蒸留で精製してジエチレングリコールn-モノオクチルエーテル(h)を42.1g(bp88.5〜94.5℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.83ppm(t、3H)、1.23ppm(br、10H)、1.54ppm(t、2H)、2.81ppm(br、1H)、3.41ppm(t、2H)、3.52−3.67ppm(m、8H)
仕込みでテトラエチレングリコール350g(1.8モル)、t‐ブトキシカリウム55.6g(0.495モル)、テトラヒドロフラン300mLを用い、滴下溶液に臭化オクチル87g(0.45モル)のテトラヒドロフラン200mL溶液を用いた以外は(1)の合成法と同様に行い、テトラエチレングリコールn-モノオクチルエーテル(i)を97.9g(bp164.5〜165.5℃/80Pa)得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.82ppm(t、3H)、1.22ppm(br、10H)、1.52ppm(t、2H)、2.96ppm(br、1H)、3.39ppm(t、2H)、3.50−3.68ppm(m、16H)
(i)塩化カルシウム管付きの滴下ロートを取り付けた100mLの一口ナスフラスコに、テトラエチレングリコールn-モノオクチルエーテル11.5g(0.0375モル)、トリエチルアミン3.8g(0.0375モル)、テトラヒドロフラン50mLを仕込み、塩化メタンスルホニル4.3g(0.0375モル)のテトラヒドロフラン10mL溶液を0℃で滴下した。滴下終了後0℃で1時間攪拌した。その後、析出したアミン塩酸塩を減圧濾過で除去し、テトラエチレングリコールn-モノオクチルエーテルのメタンスルホニルエステルの溶液を得た。ろ過で析出した残渣はテトラヒドロフラン10mLで洗浄した。
(ii)窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた500mLの四ツ口フラスコに、テトラエチレングリコール36.44g(0.188モル)、t‐ブトキシカリウム4.63g(0.3モル)、テトラヒドロフラン100mLを仕込み、室温でt‐ブトキシカリウムが溶解するまで攪拌を継続した。溶解した後、(i)で調製したテトラエチレングリコールn-モノオクチルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を室温で一気に加えて、オイルバス温65℃に加温して4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、酢酸エチル300mLで抽出した。抽出の最中にエマルジョンになった時は、飽和食塩水を少量添加すると有機層と水層は分離する。有機層を3回水洗し、最後に飽和食塩水で1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を減圧下で留去したのち、真空ポンプで完全に溶媒を飛ばして粗オクタエチレングリコールモノn-オクチルエーテル(j)を得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.84ppm(t、3H)、1.23ppm(br、10H)、1.54ppm(t、2H)、3.02ppm(br、1H)、3.41ppm(t、2H)、3.53−3.75ppm(m、32H)
減圧可能な留出管(ト字管とリービッヒ冷却管)を取り付けた100mLの一口ナスフラスコに、(2-ブトキシエトキシ)酢酸(東京化成(株)製)22.9g(0.131モル)と2‐(メチルアミノ)エタノール10.3g(0.136モル)を仕込み、オイルバス温140℃で加温し、徐々に4kPaまで減圧にしながら3時間反応後、加熱を停止した。この反応液をクロロホルム200mLと1N塩酸水溶液150mLで抽出して、有機層を分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で1回洗浄したのち、有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を分液して減圧下溶媒を留去したのち、真空ポンプで完全に乾燥して粗精製物の化合物(k)を21.8g得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.85ppm(t、3H)、1.28ppm(br、2H)、1.52ppm(t、2H)、2.88ppmと3.02ppm(s、3H)、3.37−3.71ppm(m、10H)、4.20ppm(s、2H)
仕込みでメトキシ酢酸(東京化成(株)製)20g(0.22モル)と2‐アミノエタノール20.1g(0.33モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(n)を17.2g得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ3.39(s、3H)、3.38−3.50ppm(m、5H)、3.64ppm(m、2H)、3.85ppm(s、2H)、7.02ppm(br、1H)
仕込みでブトキシ酢酸(東京化成(株)製)20g(0.15モル)と2‐アミノエタノール13.4g(0.22モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(O)を21.3g得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.86ppm(t、3H)、1.33ppm(m、2H)、1.54ppm(m、2H)、3.36−3.51ppm(m、5H)、3.66ppm(m、2H)、3.87ppm(s、2H)、6.98ppm(br、1H)
仕込みでisoペンチルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]21.9g(0.15モル)と2‐アミノエタノール13.4g(0.22モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(r)を25.3g得た。
仕込みでn−ヘキシルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]15g(0.093モル)と2‐アミノエタノール6.3g(0.103モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い粗精製物を得た後、減圧蒸留で精製して化合物(q)を14.4g(bp148.5〜152.5℃/75Pa)得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.75ppm(t、3H)、1.09ppm(m、6H)、1.46ppm(m、2H)、3.27−3.38ppm(m、4H)、3.56ppm(m、2H)、3.79ppm(s、2H)、4.29(br、1H)、7.01ppm(br、1H)
仕込みでn−ヘキシルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]24g(0.15モル)とジエタノールアミン31.5g(0.3モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(r)を34.1g得た。
減圧可能な留出管(ト字管とリービッヒ冷却管)を取り付けた100mLの一口ナスフラスコに(2-ヘキシルエトキシ)酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]31.2g(0.13モル)と2‐アミノエタノール8.77g(0.144モル)を仕込み、オイルバス温140℃で加温し、4kPaの減圧下で6.5時間反応後、加熱を停止した。得られた反応物を減圧蒸留で精製して化合物(s)を19.3g得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.75ppm(t、3H)、1.10ppm(m、6H)、1.48ppm(m、2H)、3.28−3.38ppm(m、4H)、3.56ppm(m、2H)、3.63−3.70ppm(m、4H)、3.98ppm(s、2H)、4.14ppm(br、1H)、7.43ppm(br、1H)
仕込みでn−ヘキシルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]15g(0.094モル)と2−(2−アミノエトキシ)エタノール(東京化成(株)製)10.8g(0.103モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い組成生物を得た後、減圧蒸留で精製して化合物(t)を15.7g(bp167〜169℃/75Pa)得た。
1H NMR(CDCL3、25℃) δ0.76ppm(t、3H)、1.17ppm(m、6H)、1.46ppm(m、2H)、3.28(br、1H)、3.33−3.39ppm(m、4H)、3.43−3.46(m、4H)、3.59ppm(m、2H)、3.79ppm(s、2H)、6.91ppm(br、1H)
仕込みでn−ヘキシルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]24g(0.15モル)、3−アミノ-1,2−プロパンジオール20g(0.22モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(u)を31.5g得た。
仕込みでn−オクチルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]28.2g(0.15モル)、2‐アミノエタノール13.4g(0.22モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物のn−オクチルオキシ酢酸のモノエタノールアミド化合物32.9g得た。この反応物30g(0.13モル)、カリウムメトキシド90mgを100mLのオートクレーブに仕込み、回転数350rpm、90℃で真空ポンプにより15分間減圧にして触媒のメタノールを留去した。その後減圧にして窒素で常圧に戻す操作を3回行った。90℃でエチレンオキシド22.88g(0.52モル)を内圧0.25MPa以下の条件で徐々に吹き込み反応させた。エチレンオキシドの吹き込みが終了したのち、90℃で1時間反応することで化合物(v)を得た。
特開2000−154163号公報の実施例に準じて、テトラエチレングリコールn−オクチルエーテルとモノクロロ酢酸ナトリウムから相当するアルキルエーテルオキシ酢酸を調製し、このアルキルエーテルオキシ酢酸27.3g(0.075モル)、2‐アミノエタノール6.7g(0.11モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物の化合物(w)を29.2g得た。
n−デシルオキシ酢酸[特開2000−154163号公報の実施例に準じて合成]32.4g(0.15モル)、2‐アミノエタノール13.4g(0.22モル)を用いた以外は化合物(k)の合成と同様に行い、粗精製物のn−デシルオキシ酢酸のモノエタノールアミド化合物を37.3g得た。この反応物30g(0.116モル)、ナトリウムメトキシド70mgを100mLのオートクレーブに仕込み、エチレンオキシド45.9g(1.04モル)を用いた以外は化合物(v)の合成と同様にエチレンオキシド付加反応を行い、化合物(x)を得た。
特開昭63−303960号公報の実施例1に準じて、n−ヘキサノール300mLとアクリルアミド19.17(0.27モル)、水酸化ナトリウム0.1gを用いて反応を行い、n−ヘキサノールとアクリルアミドの付加物を43.2g得た。この反応物30g(0.17モル)、カリウムメトキシド122mgを100mLのオートクレーブに仕込み、エチレンオキシド22.4g(0.51モル)を用いた以外は化合物(v)の合成と同様にエチレンオキシド付加反応を行い、化合物(y)を得た。
(1)評価法
100mLのビーカーに評価する溶剤を15mL加え、そこに5cm×2cmに裁断したポリアクリル板(2mm三菱レーヨン製)を浸漬し、50℃、24hr放置後の損傷程度を目視で判定した。結果を表2に記載する。
(2)判定基準
○・・・・・・試験片が全く変化しなかった
SLC・・・・わずかにクラッキングが起こった
C・・・・・・クラッキングが起こった
R・・・・・・試験片が割れた
D・・・・・・溶けて変形した
(1)評価法
洗浄溶剤の界面活性剤可溶化力は、50mLのバイヤル瓶にC12アルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS−Na:ライオン(株)製、分子量:348)の20質量%水溶液を2.715g、ドデシルジメチルアミンオキシド(C12−AX:ライオンアクゾ社製、商品名:アロモックスDM12D−W(C)、分子量:229)の33.1質量%水溶液を1.08g、表1記載の溶剤1.5gを正確に量り取り、水を全量が30gとなるように加え(水の添加量は24.705g)、手でバイヤル瓶を30回振とうして良く混合し、C12アルキルベンゼンスルホン酸Na/ドデシルジメチルアミンオキシド=1/1(モル/モル)が3質量%、表1記載の溶剤が5質量%配合された水溶液を調製した。このバイヤル瓶を25℃の恒温水槽1時間放置したときの溶液外観を目視で確認した。
結果を表2に併記する。
(2)判定基準
完全な白濁 : ×
半透明 : △
透明 : ○
(1)評価法
「[4]界面活性剤可溶化力試験」と同様の方法で、界面活性剤と溶剤、及び水の量を変えて、C12アルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS−Na:ライオン(株)製、分子量:348)/ドデシルジメチルアミンオキシド(C12−AX:ライオンアクゾ社製、商品名:アロモックスDM12D−W(C)、分子量:229)=1/1(モル/モル)が3質量%、表1記載の溶剤が5質量%配合された液体洗浄剤組成物を100mL調製した。該液体洗浄剤組成物100mLを市販の商品名「おふろのルック」スプレーボトル(ライオン(株)商品、2005年購入)に入れて、垂直面から20cm離れた位置に該スプレーボトルの噴射孔を設定し、該垂直面に対して液体洗浄剤組成物をスプレーしたときのスプレーパターンを観察した。なお、スプレーパターンについては、下記の評価基準で視覚評価した。結果を表2に併記する。
(2)スプレーパターンの評価基準
○ : 垂直面に泡がしっかり形成される
△ : 垂直面に泡が液体と混じった状態で形成される
× : 垂直面に形成される泡の量は非常に少なく、液に近い状態で下方に流れる。
[6]結果
表2に示されるように、本発明のアルキルエーテルカルボン酸アミドアルコール類は、各比較例と比べて、アクリル系樹脂に対して損傷を与えないこと、活性剤の可溶化力を有すること、泡性能にも優れた効果を示すことが分かる。
Claims (5)
- 下記式(1)または(2)で表されるアルキルエーテルカルボン酸アミドアルコールを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物用溶剤:
[式(1)及び(2)中、
Rは炭素数4〜10の炭化水素基であり、
A及びBは、水素または炭素数1〜3のアルキル基を示し、AとBは同一でも異なっていても良く、
Xは水素または下式:
Yは水素、メチル基、または下式:
Zは炭素数2〜5のアルキレングリコール基を示し、
nは0〜20の数、mは1〜20の数、sは1〜2の整数、pは1〜4の整数、q及びrは各々0〜20の数を示し、qとrとの和は20以下である。] - 前記アルキルエーテルカルボン酸アミドアルコールが、式(1)又は(2)において、Rが炭素数5〜10であり、及びX又はYが水素である化合物である、請求項1記載の液体洗浄剤組成物用溶剤。
- 前記アルキルエーテルカルボン酸アミドアルコールが、式(3)〜(10)、(12)〜(18)、(21)、(24)〜(27)、(28)〜(31)、(34)及び(35)からなる群から選ばれる、請求項3記載の液体洗浄剤組成物用溶剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の液体洗浄剤用溶剤を含有する液体洗浄剤組成物。
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