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JP2008164763A - フィルム状光導波路 - Google Patents

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JP2008164763A
JP2008164763A JP2006351982A JP2006351982A JP2008164763A JP 2008164763 A JP2008164763 A JP 2008164763A JP 2006351982 A JP2006351982 A JP 2006351982A JP 2006351982 A JP2006351982 A JP 2006351982A JP 2008164763 A JP2008164763 A JP 2008164763A
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JP2006351982A
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Akitsugu Tatara
了嗣 多田羅
Yukio Maeda
幸勇 前田
Yuuichi Eriyama
祐一 江利山
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Abstract

【課題】優れた難燃性及び耐屈曲性を有し、かつ、UV硬化性の接着剤を用いた受光素子及び発光素子の接合時に好適な紫外線透過性を有するフィルム状光導波路を提供する。
【解決手段】フィルム状光導波路1は、下部クラッド層3と、下部クラッド層3の上面に形成された、特定の幅を有するコア部分4と、下部クラッド層3及びコア部分4の上に積層して形成された上部クラッド層5と、下部クラッド層3及び上部クラッド層5の周面に積層して形成された被覆層2とからなる。被覆層2は、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含みかつ厚み方向の光透過率(波長400nm)が10%以上である重合物である。下部クラッド層3、コア部分4、及び上部クラッド層5の各々は、(メタ)アクリル系、エポキシ系等の光硬化性の組成物の硬化体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状光導波路に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピューターにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。
光導波路は、フォトダイオード等の発光素子及び面発光レーザ等の受光素子を光導波路の片面に接合して電気/光信号を変換するインターフェースにおいて、発光素子から受光素子に伝送される光信号の伝送媒体として使用されている。
従来、光硬化性組成物を用いて光導波路の各部(下部クラッド層、コア部分、上部クラッド層)を形成する技術が、種々提案されている。
例えば、(メタ)アクリル系の光硬化性組成物として、(A)カルボキシル基、重合性基及びそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、及び(C)放射線重合開始剤、を含有する光導波路形成用放射線硬化性組成物が提案されている(特許文献1)。
また、エポキシ系の光硬化性組成物として、(A)特定のノボラック型エポキシ樹脂、及び(B)光酸発生剤を含有する光導波路形成用感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2003−195079号公報 特開2005−274664号公報
光導波路の形成材料として用いられる従来の光硬化性組成物は、光信号の伝送媒体としての使用に適する伝送特性を有し、かつ、UV硬化性の接着剤を用いた受発光素子の接合に好適な紫外線透過性を有するものの、難燃性に劣るという問題がある。
難燃性を高めるために、光硬化性の樹脂組成物に既存のハロゲン系、アンチモン系等の難燃剤を配合した場合には、光導波路の信頼性が低下することに加えて、環境問題を生じるおそれがあるという問題がある。
また、既存の難燃剤を配合した場合には、UV硬化性の接着剤を用いた受発光素子の接合に支障を生じるという問題もある。この点を詳しく説明すると、まず、受光素子または発光素子は、光導波路の片面に接合される。接合手段としては、作業の容易性、効率性、コスト等の観点から、UV(紫外線)硬化性の接着剤が好適に用いられる。この場合、光導波路の片面と、光導波路の当該片面側に配置させた受光素子または発光素子の間に、UV硬化性の接着剤からなる接着剤層を介在させた状態で、光導波路の他の面の側から紫外線を照射して、接着剤層を硬化させ、光導波路と、受光素子または発光素子を接合する。このため、光導波路本体を形成する樹脂組成物に既存の難燃剤が含まれていると、紫外線の透過が不十分となり、接合作業ができなくなるなどの問題を生じる。このように、接合の作業を効率的に行うためには、光導波路の紫外線透過部分の透過率が高いことが必要である。
さらに、上述の(メタ)アクリル系やエポキシ系の光硬化性樹脂組成物を用いて作製したフィルム状光導波路は、屈曲させるとクラックや破断が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、優れた難燃性及び耐屈曲性を有し、かつ、UV硬化性の接着剤を用いた受光素子及び発光素子の接合時に好適な紫外線透過性を有するフィルム状光導波路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層を有するフィルム状光導波路において、所望の実装形状に切り出した光導波路フィルムの下部クラッド層、上部クラッド層及びフィルム側面(コア部分が露出している前後の面を除く、左右の一対の面)の各々の外表面に、厚さが12μmの場合の光透過率(波長400nm)が10%以上である芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含む被覆層を設けることによって、難燃性、紫外線透過性及び耐屈曲性のすべてに優れたフィルム状光導波路が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層を有するフィルム状光導波路であって、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の各々の外表面に、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含み、かつ、厚み方向の光透過率(波長400nm)が10%以上である被覆層を有することを特徴とするフィルム状光導波路。
[2] 前記被覆層が、コア部分が露出している面を除く、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の各々の外表面に形成された前記[1]のフィルム状光導波路。
[3] 前記被覆層が、下記一般式(1)で示される化合物と芳香族ジアミンとを反応させて得られる芳香族ポリアミド及び/又は芳香族ポリアミック酸からなる前記[1]又は[2]のフィルム状光導波路。
Figure 2008164763
(式中、Xは2価の基であり、ベンゼン環のどの位置に結合していてもよい。)
[4] 前記下部クラッド層、前記コア部分及び前記上部クラッド層が、アクリル系の光硬化性組成物を硬化させて得られたものである前記[1]〜[3]のいずれかのフィルム状光導波路。
[5] 前記被覆層が、被覆層の形成用フィルムとして、接着層を有する芳香族ポリイミドフィルムを用いることによって形成されたものである前記[1]〜[4]のいずれかのフィルム状光導波路。
[6] 前記被覆層が、被覆層の形成用材料として、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸と、有機溶媒とを混合してなる液状物を塗布し、乾燥または加熱処理することによって形成されたものである前記[1]〜[4]のいずれかのフィルム状光導波路。
本発明のフィルム状光導波路は、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含む被覆層を備えているので、優れた難燃性を有する。
また、本発明のフィルム状光導波路は、厚み方向の光透過率(波長400nm)が10%以上であるため、受光素子または受発光素子との間にUV硬化性の接着剤を介在させた状態で紫外線を照射したときに、被覆層内の紫外線の透過性が良好であり、その結果、UV硬化性の接着剤を短時間で硬化させて、フィルム状光導波路と、受光素子または受発光素子との接合を効率的に行なうことができる。本発明のフィルム状光導波路は、フォトダイオード等の発光素子及び面発光レーザ等の受光素子を光導波路の片面に接合して電気/光信号を変換するインターフェースにおいて、発光素子から受光素子に伝送される光信号の伝送媒体として好適に用いることができる。
さらに、本発明のフィルム状光導波路は、下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層に加えて、下部クラッド層及び上部クラッド層の各々の外表面に被覆層を備えているので、優れた耐屈曲性を有する。
本発明のフィルム状光導波路は、下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を有し、かつ、下部クラッド層、上部クラッド層及びフィルム側面の各々の外表面(具体的には、下部クラッド層の下面、上部クラッド層の上面、及び、多数のコア部分を有するフィルムを実装形状となるように切断して得られたフィルム状光導波路の当該切断面)に、特定の芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含む重合物からなる被覆層を有するものである。
まず、被覆層を形成する芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸について詳述する。
本発明で用いる芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸の好適な例として、下記の成分(A)と成分(B)を反応させてなるものが挙げられる。
[成分(A)]
成分(A)は、下記一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物である。
Figure 2008164763
(式中、Xは2価の基であり、ベンゼン環のどの位置に結合していてもよい。)
ここで、一般式(1)中のX(2価の基)は、例えば、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−C(CH−、−Si(CH−または−Si(Ph)−であり、好ましくは、−O−、−SO−、より好ましくは−O−である。
成分(A)の具体的な化合物名としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(オルトジフェニルフタル酸二無水物)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物等が挙げられる。
中でも、紫外線透過性の向上の観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が、好ましく用いられ、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が特に好ましく用いられる。
[成分(B)]
成分(B)は、芳香族ジアミンである。
成分(B)として用いられる芳香族ジアミンの例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリン等が挙げられる。
中でも、紫外線透過性の向上の観点から、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリンが、好ましく用いられ、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリンが特に好ましく用いられる。
本発明のフィルム状光導波路の被覆層を形成するための芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸は、成分(A)と成分(B)を反応させることにより製造される。
下記の式(2)で表される成分(A)(4,4’−オキシジフタル酸二無水物)と下記の式(3)で表される成分(B)(4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリン)を反応させて芳香族ポリイミドを製造する場合を例にして、反応機構を説明する。
Figure 2008164763
Figure 2008164763
まず、下記の式(4)、(5)に示すように、成分(A)の酸無水物基(式(4)の左側の化学式を参照)と、成分(B)のアミノ基(式(4)の右側の化学式を参照)が反応して、芳香族ポリアミック酸(式(5)を参照)が生成する。
Figure 2008164763
Figure 2008164763
本発明において、成分(A)と成分(B)の反応による芳香族ポリアミック酸の生成は、有機溶媒中で−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度下に成分(A)と成分(B)を混合攪拌することにより行われる。
成分(A)及び成分(B)の配合割合は、成分(B)のアミノ基1当量に対して、成分(A)の酸無水物基が0.8〜1.2当量となる割合が好ましく、1.0〜1.1当量となる割合がより好ましい。成分(B)のアミノ基1当量に対して、成分(A)の酸無水物基の量が0.8当量未満、若しくは1.2当量を超えると、基材に塗布し乾燥させた後にフィルムが形成されない場合がある。
本発明で使用される有機溶媒の例としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール類等を挙げることができる。
中でも、溶解性の観点からN−メチルピロリドン(NMP)が、好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、成分(A)と成分(B)と有機溶媒とを含む反応溶液の全量中に占める成分(A)と成分(B)の合計量の質量割合が0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%となる量である。
反応時の圧力は特に限定されず、通常、常圧でよい。反応時間は、通常、1〜10時間である。
式(5)で示される芳香族ポリアミック酸は、基材に塗布し乾燥させて形成されたフィルム状態で加熱することによってイミド化が進み、式(6)で示される芳香族ポリイミドになる。
Figure 2008164763
イミド化の際の加熱温度は、200℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃である。該温度範囲内で加熱することにより、芳香族ポリアミック酸のイミド化を十分に進行させることができる。加熱時間は、好ましくは、30〜120分間である。
芳香族ポリアミック酸のイミド化の割合は、0〜100%の間で特に限定されるものではないが、好ましくは50〜100%、より好ましくは80〜100%である。該割合が50%未満では、フィルムの耐水性が低下することがある。
芳香族ポリイミド及び芳香族ポリアミック酸の数平均分子量は、GPC法で測定されたポリスチレン換算値として、機械的強度の観点から、好ましくは3,000以上である。
芳香族ポリイミド及び芳香族ポリアミック酸の数平均分子量の上限値は、特に限定されないが、通常、500,000以下である。
本発明のフィルム状光導波路中の下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層の各部を形成するための材料としては、光硬化性または熱硬化性の材料が挙げられる。
中でも、耐屈曲性、製造効率等の観点から、(メタ)アクリル系またはエポキシ系の光硬化性組成物等が好ましく用いられる。ここで、(メタ)アクリル系の光硬化性組成物としては、例えば、上述の「背景技術」の欄で説明した特開2003−195079号公報に記載されたものが挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル系の光硬化性組成物の例として、エチレン性不飽和基等の重合性官能基を有する樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤等を含む組成物が挙げられる。コア用の組成物は、前記エチレン性不飽和基等の重合性官能基を有する樹脂をアルカリ可溶性にすることで、組成物をアルカリ現像可能にすることができる。
ここで、エチレン性不飽和基等の重合性官能基を有する樹脂は、例えば、カルボキシル基や水酸基を有するポリ(メタ)アクリレートに、グリシジル基とエチレン性不飽和基を含有する化合物、イソシアネート基とエチレン性不飽和基を含有する化合物、あるいはアクリル酸クロライドを付加反応させることにより得ることができる。このとき、アクリル酸やメタクリル酸を共重合させ、樹脂中にカルボキシル基を導入することでアルカリ現像が可能な樹脂とすることができる。また、ポリエチレンオキシド構造、ポリプロピレンオキシド構造や、ウレタン結合を繰り返し有する直鎖構造を含み、かつ、2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を使用することもできる。
ここで、重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、及びこれらの化合物を製造する際の出発アルコール類のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
光重合開始剤の例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン等が挙げられる。
前記「エチレン性不飽和基等の重合性官能基を有する樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤等を含む組成物層」をフィルム上に形成する方法は、前記各成分を、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の溶媒に溶解させた組成物を、ロールコート、グラビアコート、ダイコート等の方法でフィルムに塗布した後、溶媒を除去(乾燥)することで、感光性を有する組成物層を形成することができる。このとき、ドライフィルムとしての特性を損なわない範囲で、例えば5質量%程度の溶媒が残存していても構わない。
また、エポキシ系の光硬化性組成物としては、例えば、上述の「背景技術」の欄で説明した特開2005−274664号公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、エポキシ系の光硬化性組成物の例として、ノボラック型エポキシ樹脂、および光酸発生剤を含有するものが挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂の市販品の例としては、エピコート152、エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロンN740、エピクロンN770(以上、大日本インキ化学工業社製)、エポトートYDPN638(東都化成社製)、DER431、DER438(以上、ダウケミカル社製)、アラルダイトEPN1138(チバガイギー社製)(以上、フェノールノボラック型エポキシ樹脂)や、エピコート180(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロンN660、エピクロンN670(以上、大日本インキ化学工業社製)、エポトートYDCN701、エポトートYDCN702(以上、東都化成社製)、アラルダイトECN1273、アラルダイトECN1280(チバガイギー社製)(以上、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)等が挙げられる。他には、ノボラック型エポキシ樹脂の市販品の例としては、エピコート157S65、エピコート157S70(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、N865(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
また、光酸発生剤は、光を受けることによりルイス酸を放出する光カチオン重合開始剤であり、具体例として、例えば、下記一般式(7)で表される構造を有するオニウム塩が挙げられる。このオニウム塩は、400nm未満に実質的な光吸収波長を有する。
[R Z]+m[MXn+m−m (7)
(式中、カチオンはオニウムイオンであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN≡Nを示し、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なる有機基を示す。a、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はZの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MXn+m]の中心原子を構成する金属またはメタロイドを示し、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。〕光酸発生剤の市販品の例としては、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業社製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、Irgacure 261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達社製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学社製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。
さらに、上述の成分以外にも樹脂組成物の硬化前の粘度の調整や、樹脂組成物の硬化後の屈折率の調整や、硬化速度の増大等を目的として、ブチルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールトリグリシジルエーテル、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物や、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキレート、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンなどのシクロヘキセンオキシド化合物や、フェニルオキセタン、キシレンジオキセタンなどのオキセタン化合物を含むこともできる。また、他にも各種添加剤として、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等を必要に応じて配合することができる。
次に、図面を参照しつつ、本発明のフィルム状光導波路の一例を説明する。
図1は、本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、図1に示すフィルム状光導波路を受光素子及び発光素子と共に使用する場合の一例を示す断面図である。
[フィルム状光導波路の構造]
図1中、フィルム状光導波路1は、下部クラッド層3と、下部クラッド層3の上面に形成された、特定の幅を有するコア部分4と、下部クラッド層3及びコア部分4の上に積層して形成された上部クラッド層5と、下部クラッド層3及び上部クラッド層5の周囲を被覆するように形成された被覆層2とからなる。被覆層2と下部クラッド層3との境界面、及び被覆層2と上部クラッド層5との境界面には、必要に応じて、接着層を設けることができる。
下部クラッド層3、コア部分4、及び上部クラッド層5の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層3の厚さが1〜200μm、コア部分4の厚さが3〜200μm、上部クラッド層5の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分5の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分4の屈折率は、下部クラッド層3及び上部クラッド層5のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分4の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層3及び上部クラッド層5の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分4の屈折率が、2つのクラッド層3,5のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
被覆層2の厚み方向の光透過率(波長400nm)は、10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは35%以上、特に好ましくは45%以上である。該光透過率が10%未満では、紫外線硬化性の接着剤を十分に硬化させることができず、受光素子または発光素子と光導波路との接合強度が小さくなったりあるいは接合不能になるため、好ましくない。
被覆層の厚さは、十分な難燃性を付与し、かつ、高い光透過性を得る観点から、1〜50μm、好ましくは3〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。
なお、被覆層2は、少なくとも、下部クラッド層3の下面と、上部クラッド層5の上面と、下部クラッド層3及び上部クラッド層5の各々の側面(ただし、コア部分が露出している面を除く。)とからなる、実装形状のフィルム状光導波路の周面全体に形成されていることが好ましい。
被覆層2とクラッド層3,5との境界面に接着層を設けた場合、接着層の厚さは、特に限定されないが、通常、3〜20μmである。
接着層の形成材料は、紫外線透過性に優れたものであればよく、特に限定されないが、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂等を使用することができる。
[フィルム状光導波路の製造方法]
次に、本発明のフィルム状光導波路の製造方法について説明する。
まず、下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層からなる光導波路本体を作製する。
具体的には、シリコンウェハやガラス基板等の平坦な表面を有する光導波路本体の形成用の基板の上面に、下部クラッド層形成用の組成物を塗布し、乾燥またはプリベークして下層用薄膜を形成する。この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層を形成する。
次に、下部クラッド層の上面に、コア部分形成用の組成物を塗布し、乾燥またはプリベークしてコア用薄膜を形成する。その後、コア用薄膜の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して光の照射(露光)を行う。これにより、コア用薄膜のうち、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像処理して除去することにより、下部クラッド層上に、パターニングされた硬化膜からなる多数のコア部分を形成することができる。
その後、コア部分及び下部クラッド層の上面に、上部クラッド層形成用の組成物を塗布し、乾燥またはプリベークして上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対し、光を照射して硬化させると、上部クラッド層が形成される。
上述のようにして形成された下部クラッド層、多数のコア部分及び上部クラッド層から成るフィルム(フィルム状光導波路本体の集合体)を、所望の実装形状になるように、隣り合うコア部分の中間で切断すれば、フィルム状光導波路本体(以下、「光導波路本体」と略すことがある。)が得られる。
次いで、光導波路本体の周面(上面、下面及び側面)に被覆層を形成する。被覆層の形成方法の例としては、(A)接着層を有するポリイミドフィルムを用いる方法、及び、(B)被覆層の形成材料を塗布して硬化させる方法、が挙げられる。これら2つの方法の各々について説明する。
(A)接着層を有するポリイミドフィルムを用いる方法
まず、上述のポリアミック酸(前記の式(5)参照)の有機溶媒溶液を、基板上に塗布し乾燥させた後、加熱によりポリアミック酸を部分的または完全にイミド化して、芳香族ポリイミドフィルムを形成させる。その後、このフィルムの上面に、接着層用の液状熱硬化性樹脂組成物を塗布し、加熱により半硬化させて接着層を形成させ、接着層を有するポリイミドフィルムを得る。該ポリイミドフィルムの接着層が、光導波路本体の下部クラッド層の下面及び上部クラッド層の上面の各々と対峙するようにして、光導波路の両面にポリイミドフィルムを熱ラミネートで積層し、光導波路本体の側面が露出しないようにポリイミドフィルム部を切断することによって、フィルム状光導波路を得ることができる。
接着層を有するポリイミドフィルムを作製する際に用いる基板としては、平坦な表面を有するものであればよく、特に限定されないが、シリコンウェハ、ガラス基板等が挙げられる。
ポリアミック酸の有機溶媒溶液の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いることができる。中でも、均一な厚さの薄膜が得られることから、スピンコート法を採用することが好ましい。
接着層用の樹脂組成物の塗布方法としては、ポリアミック酸の有機溶媒溶液の塗布方法と同様のものが挙げられる。また、接着層用の樹脂組成物の加熱条件は、通常50〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
熱ラミネートは、100℃〜200℃、好ましくは130℃〜180℃で、10分間〜2時間行われる。
接着層用の樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物が好ましく、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂が挙げられる。
(B)被覆層の形成材料を塗布して硬化させる方法
まず、基板上に、ポリアミック酸の有機溶媒溶液を塗布して加熱するか、または、ポリイミドの有機溶媒溶液を塗布して乾燥させることによって、ポリイミドを含む薄膜(第一の被覆層)を形成させた後、この薄膜の上に、上述と同様の方法によって予め作製した光導波路本体(下部クラッド層、コア部分、上部クラッド層)を設置する。次いで、光導波路本体及び第一の被覆層の上にポリアミック酸の有機溶媒溶液を塗布して加熱するか、または、ポリイミドの有機溶媒溶液を塗布して乾燥させることによって、ポリイミドを含む薄膜(第二の被覆層)を形成させると、第一及び第二の被覆層と光導波路本体とからなる積層体(フィルム状光導波路)が完成する。最後に、基板から積層体を剥離し、光導波路本体の側面が露出しないようにポリイミドフィルム部を切断すれば、フィルム状光導波路を得ることができる。
[受光素子または発光素子の接合方法]
本発明のフィルム状光導波路を受光素子または発光素子と接合する際には、フィルム状光導波路の片面側の被覆層の外表面の一部に紫外線硬化性の接着剤を塗布して接着剤層7を形成させ、接着剤層7の表面に受光素子8(または発光素子)を当接させる。その後、フィルム状光導波路の、受光素子8を配置した面とは反対側の面の側から、紫外線を照射し、接着剤層7を硬化させると、受光素子8を接合することができる(図2参照)。なお、図1及び図2中、同一名称の各部は、同一の符号で示している。
以下、本発明を実施例により説明する。
[1.光導波路用樹脂組成物の用意]
光導波路本体の各部(下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層)の材料として、以下の材料を用意した。
下部クラッド層及び上部クラッド層形成用の光硬化性樹脂組成物として、オプスターPJ3075(JSR社製)を用いた。また、コア形成用の光硬化性樹脂組成物としてオプスターPJ3074(JSR社製)を用いた。
[2.光導波路の製造]
下部クラッド層形成用の光硬化性樹脂組成物(オプスターPJ3075;JSR社製)をシリコン基板上にスピンコータで塗布し、ホットプレートを用いて100℃、10分間の条件でプリベークして、塗膜を形成した。次いで、この塗膜に、波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を75秒間照射して、光硬化させた。そして、この硬化膜を150℃、1時間の条件で、ポストベークをすることにより、厚さ10μmの下部クラッド層を形成した。
次に、コア部分形成用の光硬化性樹脂組成物(オプスターPJ3074;JSR社製)を下部クラッド層上に、スピンコータで塗布し、100℃、10分間の条件でプリベークした。次いで、コア部分形成用の光硬化性樹脂組成物からなる厚さ50μmの塗膜に、幅50μmのライン状パターンを有するフォトマスクを介して、波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を75秒間照射して、光硬化させた。そして、硬化させた塗膜を有する基板をアセトンからなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解させた。その後、150℃、1時間の条件で、ポストベークをすることにより、幅50μmのライン状パターンを有する、厚さが50μmのコア部分を形成した。
コア部分を有する下部クラッド層の上面に、上部クラッド層形成用の光硬化性樹脂組成物(オプスターPJ3075;JSR社製)をスピンコータで塗布し、ホットプレートを用いて100℃、10分間の条件でプリベークした。その後、上部クラッド層形成用の光硬化性樹脂組成物からなる塗膜に、波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を75秒間照射して光硬化させ、コア部分の上面からの厚さが10μmの上部クラッド層を形成し、下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層からなる光導波路フィルムを得た。次いで、該光導波路フィルムを所望の実装形状に切断し、光導波路本体(幅1.5mm、長さ100mm、厚さ70μm)を作製した。
[3.フィルム状光導波路の製造]
[実施例1]
ガス雰囲気下で、4,4’−(p−ビフェニレンジオキシ)ジアニリン(和光純薬社製)5.4gを脱水N−メチルピロピドン(NMP)80g中に溶解させた。次いで、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック社製、ODPA−M)4.6gを添加し、室温で4時間攪拌し、ポリアミック酸ワニス(ポリアミック酸の有機溶媒溶液)を得た。
次いで、このポリアミック酸ワニスをシリコンウェハ上に塗布し、120℃で5分間乾燥させた後、更に200℃で5分間乾燥させた。次いで300℃で1時間加熱することによりイミド化を行い、厚さ12μmのポリイミドからなるフィルム状硬化体を得た。
このフィルム状硬化体の上面に、接着層用の樹脂組成物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)95質量部とイミダゾール系硬化剤(四国化成社製、キュアゾール2E4MZ)5質量部とからなる混合物を、厚さが10μmになるように塗布した後、100℃で2分間加熱することにより、接着層を形成させ、被覆層を有するポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムを、当該ポリイミドフィルムの接着層が、前記の作製済みの光導波路本体(幅1.5mm、長さ100mm、厚み70μm)の下部クラッド層の下面及び上部クラッド層の上面の各々に対峙するようにして、光導波路本体の両面に、150℃にて熱ラミネートで積層した後、150℃にて1時間加熱することにより、フィルム状光導波路を得た。フィルム状光導波路の側面端面が露出しないように、端面から1mm離れたところでフィルム状光導波路を切断した。また、長さ方向の端部は、実装するために、フィルム状光導波路の断面が露出するように切断した。
[実施例2]
被覆層形成用の樹脂組成物として、「リカコートSN−20」(商品名、新日本理化社製、3,3’、4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合物のN−メチルピロリドン溶液(ポリイミドの有機溶媒溶液))を用意した。
シリコンウェハ上に「リカコートSN−20」をスピンコータを用いて塗布し、120℃で5分間乾燥させた後、更に200℃で5分間乾燥させることにより、厚み12μmのポリイミドからなる第一の被覆層を形成した。
第一の被覆層の上に、前記の作製済みの光導波路本体を載置した後、この光導波路本体及び第一の被覆層の上面に、「リカコートSN−20」をスピンコータを用いて塗布し、120℃で5分間乾燥させた後、更に100℃で3時間乾燥させることにより、厚み12μmのポリイミドからなる第二の被覆層を形成し、フィルム状光導波路を完成させた。その後、実施例1と同様にしてフィルム状光導波路を切断した。
[比較例1]
被覆層を有しない前記の作製済みの光導波路本体のみからなるフィルム状光導波路を、比較例1とした。
[比較例2]
実施例1のポリイミドフィルムに代えて、カプトンフィルム(商品名、東レ・デュポン社製、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノフェニルエーテルとの重縮合物(芳香族ポリイミド)からなるフィルム)の片面に接着層を形成してなる接着層付きポリイミドフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状光導波路を作製した。なお、ポリイミドフィルムにおける接着層の形成は実施例1と同様にして行なった。
[比較例3]
ポリアミック酸ワニスに代えて、脂環式ポリイミドの有機溶媒溶液である「PI−100」(丸善石油化学社製)を用いて、ポリイミドフィルムを作製したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状光導波路を作製した。
[4.フィルム状光導波路の評価]
フィルム状光導波路(実施例1、2、比較例1〜3)を次のようにして評価した。
[紫外線透過性]
ポリイミドフィルム(厚さ12μm)の波長400nmにおける光透過率を測定した。
その結果、実施例1で52%、実施例2で19%、比較例2で0%、比較例3で98%であった。
光線透過率が10%以上の場合を「○」、10%未満の場合を「×」とする。
[難燃性]
作製したフィルム状光導波路を垂直に固定し、下端からバーナーの炎(ブタンガス、流量5cc/分、炎の長さ12mm)を5秒間接炎した場合に、接炎後、フィルム状光導波路が焼失しない場合を「○」、焼失する場合を「×」とする。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2008164763
表1から、実施例1、2では、紫外線透過性及び難燃性に優れることがわかる。一方、比較例1では、被覆層を有さないため、難燃性に劣る。比較例2では、被覆層が本発明で規定する光透過性の条件を備えていないため、紫外線透過性に劣る。比較例3では、本発明に属しない脂環式ポリイミドからなる被覆層を有するため、難燃性に劣る。なお、実施例1、2及び比較例1〜3のいずれにおいても、フィルム状光導波路としての使用に適する耐屈曲性を有しているが、特に、被覆層を有するフィルム状光導波路(実施例1、2等)では、被覆層を有さない場合(比較例1)と比べて、より優れた耐屈曲性を発揮することができる。
本発明のフィルム状光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示すフィルム状光導波路を受光素子/発光素子と共に使用する場合の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 フィルム状光導波路
2 被覆層
3 下部クラッド層
4 コア部分
5 上部クラッド層
6 接着剤層
7 受光素子/発光素子

Claims (6)

  1. 下部クラッド層、コア部分及び上部クラッド層を有するフィルム状光導波路であって、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の各々の外表面に、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸を含み、かつ、厚み方向の光透過率(波長400nm)が10%以上である被覆層を有することを特徴とするフィルム状光導波路。
  2. 前記被覆層が、コア部分が露出している面を除く、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の各々の外表面に形成された請求項1に記載のフィルム状光導波路。
  3. 前記被覆層が、下記一般式(1)で示される化合物と芳香族ジアミンとを反応させて得られる芳香族ポリアミド及び/又は芳香族ポリアミック酸からなる請求項1又は2に記載のフィルム状光導波路。
    Figure 2008164763
    (式中、Xは2価の基であり、ベンゼン環のどの位置に結合していてもよい。)
  4. 前記下部クラッド層、前記コア部分及び前記上部クラッド層が、アクリル系の光硬化性組成物を硬化させて得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム状光導波路。
  5. 前記被覆層が、被覆層の形成用フィルムとして、接着層を有する芳香族ポリイミドフィルムを用いることによって形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム状光導波路。
  6. 前記被覆層が、被覆層の形成用材料として、芳香族ポリイミド及び/又は芳香族ポリアミック酸と、有機溶媒とを混合してなる液状物を塗布し、乾燥または加熱処理することによって形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム状光導波路。
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