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JP2008152600A - 移動経路作成方法、自律移動体および自律移動体制御システム - Google Patents

移動経路作成方法、自律移動体および自律移動体制御システム Download PDF

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JP2008152600A
JP2008152600A JP2006340773A JP2006340773A JP2008152600A JP 2008152600 A JP2008152600 A JP 2008152600A JP 2006340773 A JP2006340773 A JP 2006340773A JP 2006340773 A JP2006340773 A JP 2006340773A JP 2008152600 A JP2008152600 A JP 2008152600A
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Abstract

【課題】移動障害物をスムーズに回避する移動経路を作成することが可能な移動経路作成方法、自律移動体、自律移動体制御システムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる移動経路作成方法は、移動領域P内に存在する移動始点より移動を開始し、移動領域内に存在する移動終点に到達する自律移動体10の移動経路を作成する移動経路作成方法である。まず、移動障害物2の将来位置を算出する。次に、算出された移動障害物2の将来位置に基づき禁止領域4を算出する。さらに、禁止領域4を回避するように自律移動体10の移動経路を作成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自律移動体の移動する移動経路を作成するための移動体経路作成方法、および移動経路作成機能を備えた自律移動体、および自律移動体の移動制御を行う自律移動体制御システムに関する。
近年、屋外の限られたエリアや、屋内といった所定の移動領域を自律的に移動する、いわゆる自律移動体としての車両や歩行ロボットなどが開発されている。
このような自律移動体を移動させるためには、移動領域内での自律移動体の自己位置を認識させるだけでなく、自律移動体が移動しようとする移動経路を予めまたはリアルタイムに作成する必要がある。自律移動体は作成された移動経路に沿って移動するように制御される。
前述の移動経路は、移動領域内の移動開始を行う移動始点から、移動を停止する移動終点までを結ぶものであり、移動領域における環境等の要素に基づいて様々な方法で作成されるものである(例えば特許文献1、2)。
特開2005−32196号公報 特開平9−178481号公報 「障害物回避するための案内ロボットの軌道計画」高知工科大学知能機械システム工学科 影山広行
移動領域にある障害物に対しては自律移動体が衝突することがないように、移動経路が作成される。ここで、障害物には、固定で動かない固定障害物と、人や他のロボットのように移動する移動障害物がある。固定障害物については、最初にこの障害物の近傍を禁止領域と設定して移動経路を作成すれば逐次的に移動経路を生成する場合であっても問題がないが、移動障害物については、移動を伴うものであるためさまざまな問題が発生する。例えば、この移動障害物が大きな速度を有している場合には、移動経路を生成する度に移動障害物の位置が変わるため、移動経路が大幅に変更され、その結果、自律移動体が経路に追従しきれずに障害物と衝突する可能性がある。特に、移動障害物が自律移動体に対して相対的に近づくように移動している場合には、衝突の危険性が高くなる。
また、移動経路をリアルタイムで生成している場合に、自律移動体と衝突する危険性がないタイミングで移動障害物が自律移動体の移動経路を横切るときには、その移動障害物を回避する必要はないにもかかわらず、従来技術においては、単に移動障害物の現在位置情報のみを利用して移動経路を作成しているため、移動障害物を回避する経路を移動経路として作成してしまう。例えば、遠方で速い速度で移動している移動障害物が、自律移動体が到着する前に自律移動体の移動経路を横切る場合であり、この場合にも、従来技術によれば、かかる移動障害物を回避するような移動経路を生成する。
このような、衝突する可能性の低い移動障害物を避ける動作は、利用者からみると、何も障害物がないところで、自律移動体が不自然な障害物回避動作をしているように見えるため、利用者に違和感を与えることになる。
ここで、非特許文献1には、障害物の周りに仮想的な斥力ポテンシャルを作り、ロボットは斥力ポテンシャルを避けるように移動する点とともに、斥力ポテンシャルを物体の速度方向に引き伸ばす技術が開示されている。この非特許文献1によれば、禁止領域に相当する斥力ポテンシャルを変形させているが、ロボットの現在位置が斥力ポテンシャルに含まれているため、ロボットは、移動障害物の背後をすり抜けるような動作を行うことができない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、移動障害物をスムーズに回避する移動経路を作成することが可能な移動経路作成方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、移動障害物をスムーズに回避するように移動可能な自律移動体を提供することである。
さらに、本発明は、移動障害物をスムーズに回避するように自律移動体を移動させる自律移動体制御システムを提供することをも目的とする。
本発明にかかる移動経路作成方法は、移動領域内に存在する移動始点より移動を開始し、前記移動領域内に存在する移動終点に到達する自律移動体の移動経路を作成する移動経路作成方法であって、移動障害物の将来位置を算出するステップと、算出された移動障害物の将来位置に基づき禁止領域を算出するステップと、前記禁止領域を回避するように当該自律移動体の移動経路を作成するステップとを備えたものである。このような方法によれば、特に移動障害物の現在位置でなく、将来位置に基づき禁止領域を算出しているので、スムーズに移動障害物を回避する移動経路を作成できる。
ここで、前記移動障害物の将来位置を算出するステップは、少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出するステップと、移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出するステップと、算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出するステップと、前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出するステップを備えていることが望ましい。ここで、移動障害物の移動方向情報には、移動障害物の並進方向と回転方向の移動情報が含まれる。
また、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、移動方向情報により特定される移動方向に延長した線としてもよく、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該自律移動体の目標位置を結ぶ線としてもよい。ここで、自立移動体の移動方向情報には、自立移動体の並進方向と回転方向の移動情報が含まれる。さらには、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路としてもよい。
また、前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定するステップをさらに備えてもよい。このとき、前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることが好ましい。
本発明にかかる自律移動体は、移動障害物の将来位置を算出する手段と、算出された移動障害物の将来位置を含む領域を禁止領域として算出する手段と、前記禁止領域を回避するように移動経路を作成する手段と、作成された移動経路に応じて移動する手段とを備えたものである。
ここで、前記移動障害物の将来位置を算出する手段は、少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出する手段と、移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出する手段と、算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出する手段と、前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出する手段を備えたものである。
また、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、前記移動方向情報により特定される移動方向に延長した線としてもよく、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該自律移動体の目標位置を結ぶ線としてもよい。さらには、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路としてもよい。
また、前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定するステップをさらに備えてもよい。このとき、前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることが好ましい。
本発明にかかる自律移動体制御システムは、自律移動体の移動を制御するための自律移動体制御システムであって、移動障害物の将来位置を算出する手段と、算出された移動障害物の将来位置を含む領域を禁止領域として算出する手段と、前記禁止領域を回避するように移動経路を作成する手段とを備えたものである。
ここで、前記移動障害物の将来位置を算出する手段は、少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出する手段と、移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出する手段と、算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出する手段と、前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出する手段を備えたものである。
また、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、前記移動方向情報により特定される移動方向に延長した線としてもよく、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該自律移動体の目標位置を結ぶ線としてもよい。さらには、前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路としてもよい。
また、前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定するステップをさらに備えてもよい。このとき、前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることが好ましい。
本発明により、移動障害物をスムーズに回避する移動経路を作成することが可能な移動経路作成方法を提供することができる。また、本発明によれば、移動障害物をスムーズに回避するように移動可能な自律移動体を提供することができる。さらに、本発明によれば、移動障害物をスムーズに回避するように自律移動体を移動させる自律移動体制御システムを提供することができる。
発明の実施の形態1.
以下に、図を参照しつつ本実施の形態1にかかる移動経路作成方法を説明する。
図1は、移動領域としての床部1上の限られたエリアP(破線に囲まれた領域)を、自律移動体としての車両10が制御部40からの信号により移動する自律移動体制御システム100の一実施形態を概略的に示すものである。図1では、床部1上のエリアP上に物体は表記されていないが、既知の固定障害物及び外界センサにより検知された固定障害物や移動障害物が存在し、車両10はこれらの障害物を回避する必要がある。
図2に示すように、車両10は、箱型の車両本体10aと、1対の対向する車輪11と、キャスタ12を備える対向2輪型の車両であり、これらの車輪11、キャスタ12とで車両本体10aを水平に支持するものである。さらに、車両本体10aの内部には、車輪11をそれぞれ駆動する駆動部(モータ)13と、車輪の回転数を検出するためのカウンタ14と、車輪を駆動するための制御信号を作成し、駆動部13にその制御信号を送信する演算部15が備えられている。そして、演算部15内部に備えられた記憶部としてのメモリなどの記憶領域15aには、制御信号に基づいて車両10の移動速度や移動方向、移動距離などを制御するための制御プログラムが記録されている。前述の移動速度や移動距離などは、カウンタ14で検知された車輪11の回転数に基づいて求められている。
また、車両本体10aの前面には、移動する方向に現れた障害物等を認識するための外界センサ16が固定されており、この外界センサ16で認識した画像や映像等の情報が演算部15に入力された結果、制御プログラムに従って車両の移動する方向や速度等が決定される。外界センサ16は、障害物等において反射されたレーザを検知するセンサや、CCDカメラにより構成することができる。
さらに、車両本体10aの上面には、自己位置を認識するためのアンテナ17が備えられており、例えば図示しないGPS等からの位置情報を受け取り、演算部15においてその位置情報を解析することにより、自己の位置を正確に認識することができる。
このように構成された車両10は、1対の車輪11の駆動量をそれぞれ独立に制御することで、直進や曲線移動(旋回)、後退、その場回転(両車輪の中点を中心とした旋回)などの移動動作を行うことができる。そして、車両10は、外部からの移動場所を指定する制御部40からの指令にしたがって、エリアP内の指定された目的地までの移動経路を作成し、その移動経路に追従するように移動することで、目的地に到達する。
演算部15内部に備えられた記憶領域15aには、床部1上のエリアP全体の形状に、略一定間隔d(例えば10cm)に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで得られるグリッドマップが記憶されている。前述のように、車両10は、GPS等から得られた位置情報を、このグリッドマップ上における自己の位置に置き換えて、グリッドマップ上における自己位置を認識する。グリッドマップ上において、車両10の自己位置に相当する場所、および目的地である移動終了点、および移動終了点における車両10の移動方向が特定される。演算部15は、グリッドマップ上において特定された自己位置を移動始点から、目的地である移動終点までの移動経路を作成し、作成された移動経路に従って移動を行う。
続いて、図3を用いて、移動始点から移動終点までの間に移動障害物が存在する場合における移動経路の作成方法について説明する。図3に示す例では、3つの移動障害物2a,2b,2cが存在する。従来技術の技術によれば、各移動障害物2a,2b,2cの周りの所定範囲3a,3b,3cをそれぞれ禁止領域として、この禁止領域を通過しないように移動経路を作成する。
これに対して、本実施の形態1では、所定時間後、即ち、将来の移動障害物2a,2b,2cの位置を基準として禁止領域4a,4b,4cを設定して、この禁止領域4a,4b,4cを通過しないように移動経路5を作成する。
続いて、図4を用いて本実施の形態1における禁止領域の設定方法について詳細に説明する。図4では、移動障害物が一つだけ存在する状態を示しているが、複数存在する場合であってもそれぞれの移動障害物について同様に計算して禁止領域を設定する。
禁止領域を設定するにあたっては、自律移動体10の現在速度Vr、現在位置情報である座標情報(xr,yr)及び進行方向情報θrと、移動障害物2の現在速度Vh、現在位置を示す座標情報(xh,yh)及び進行方向情報θhと、回転速度θ'hとを用いる。なお、さらに自律移動体10の現在の回転速度θ'rを用いるようにしてもよい。
まず、自律移動体10の現在位置情報(xr,yr)及び進行方向情報θrと、移動障害物2の現在位置情報(xh,yh)及び進行方向情報θhと、回転速度θ'hとに基づいて、自律移動体10が移動すると予測される予測移動経路7aと、移動障害物2が移動すると予測される予測移動経路8との交点(xc,yc)を衝突予測点6aとして算出する。この衝突予測点6aは、自律移動体10や移動障害物2の移動速度を考慮したものではなく、両者の予測される経路である予測移動経路7aと予測移動経路8のみで算出したものであり、両者の衝突を厳密に予測したものではない。また、回転速度θ'h=0と近似した場合に、予測移動経路8は直線となるが、回転速度θ'h≠0の場合は円弧になる。
本実施の形態1において、当該自律移動体10の予測移動経路7aは、自律移動体10の現在位置(xr,yr)から進行方向θr及びその反対方向に伸びる直線である。同様に移動障害物2の予測移動経路8は、移動障害物2の現在位置(xh,yh)から進行方向θh及びその反対方向に伸びる直線である。この例では、進行方向θr,θhの反対方向に伸びる直線も予測移動経路7a,8としたが、進行方向θr,θhに伸びる直線のみとしてもよい。
次に、自律移動体10の現在位置(xr,yr)から衝突予測点(xc,yc)までの距離Lrを算出する。そして、この距離Lrを自律移動体10の現在速度Vrによって割り算することによって自律移動体10が当該衝突予測点6aに到達するまでの時間Tを算出する。この時間Tと移動障害物2の現在速度Vhを乗算することによって、時間Tの経過により、移動障害物2が移動する距離Lhを求める。そして、移動障害物2の現在位置(xh,yh)から予測移動経路8上を距離Lh分だけ進行方向に移動させた位置(xh',yh')を算出することにより、現在より時間T経過後に自律移動体10が衝突予測点6aに到達した時点における移動障害物2の将来位置を求めることができる。そして、この将来位置(xh',yh')に基づいて移動障害物2の禁止領域を設定する。具体的には、本例では将来位置(xh',yh')から予め定められた距離の円形状の範囲を禁止領域としている。禁止領域は、移動障害物2の外周から一定距離分だけ離れた領域の大きさを有するようにしてもよい。
このように、本発明においては、移動障害物2の未来の予測位置を推定するために、自律移動体10と移動障害物2の速度情報及び自律移動体10と移動障害物2の相対距離を利用している。そして、移動障害物2の未来の予測位置に禁止領域を移動させている。この結果、大きな速度を持つ移動障害物2や遠方の移動障害物2は、予測位置が速度方向に大きく移動することになる。逆に、移動速度の小さな移動障害物2や近傍の移動障害物2は、予測位置が現時点の移動障害物2の位置の近傍となる。
このように移動障害物2の予測位置に、禁止領域を設けることにより、高速な移動障害物2を回避することが可能になるとともに、移動障害物2の背面をすり抜ける動作が可能となる。
続いて、この移動経路作成機能を有する自律移動体の制御について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
最初に、演算部15は、既知情報として記憶領域15aに格納された環境の地図データと、外界センサ16によって取得された測定データを比較し、地図データにない測定データを移動障害物として認識する(S101)。さらに、演算部15は、認識された移動障害物の位置情報を記憶領域15aに格納する。なお、測定データの履歴情報に基づいて、地図データにない測定データのうち、動きが観察された障害物のみ移動障害物として認識することも可能である。
次に、演算部15は、認識した移動障害物をグループ化する処理を実行する(S102)。具体的には、認識した移動障害物間の距離が、予め設定された距離よりも短いと判定された場合(即ち、移動障害物同士が近くに存在すると判定された場合)に、それらを一つの障害物として認識する。かかるグループ化処理によって、人の左右の足を一つの障害物として認識することが可能となる。演算部15は、グループ化された移動障害物の位置情報を記憶領域15aに格納する。
演算部15は、それぞれの移動障害物グループの重心における移動速度を推定する(S103)。具体的には、まず、それぞれの移動障害物グループの重心の位置情報を算出する。次に、一制御周期前のタイミングにおいて算出した移動障害物グループの重心の位置と、現在のタイミングにおいて算出した移動障害物グループの重心の位置を比較して、移動障害物グループの移動距離を算出し、これを制御周期で割り算することによって、それぞれの移動障害物グループの速度を算出する。ここで、制御周期は、例えば、120m秒である。
次に、演算部15は、禁止領域を設定する(S104)。禁止領域の設定は、図4を用いて説明した通りであり、移動障害物グループが複数ある場合には、それら全てに対して禁止領域を設定する。
さらに、演算部15は、設定された禁止領域内の移動を回避するような移動経路を生成する(S105)。経路生成方法については、さまざまな経路生成方法が適用可能であるが、例えば、A*(エースター)経路探索法を用いて、移動経路を探索する。生成された移動経路情報は、記憶領域15aに格納される。
そして、生成された移動経路情報に基づいて車輪を駆動するための制御信号を生成し、駆動部13に対して出力することにより、自律移動体10を制御する(S106)。これにより、自律移動体10は、移動経路情報により特定される移動経路を追従して移動する。
上述のように、本実施の形態1にかかる移動経路作成方法によれば、移動障害物をスムーズに回避する移動経路を作成することができる。特に、移動障害物が大きな速度を有している場合であっても、その速度に応じた禁止領域を設定することができるため、この移動障害物との衝突の危険性を大幅に低減することができる。さらに、移動障害物の背面をすり抜ける動作が可能となる。
また、本実施の形態1にかかる移動経路作成方法によって作成された移動経路に基づき動作する自律移動体は、衝突する可能性の低い移動障害物を避ける動作を行わないため、不自然な障害物回避動作を行うことなく、自然な移動動作を行うことができ、利用者に不安を与えることを抑制できる。
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態1では、自律移動体の移動予測経路を、自律移動体の現在位置から進行方向及びその反対方向に伸びる直線としたが、本実施の形態2では、自律移動体の現在位置と、移動終点を結ぶ直線とした。
図6に示されるように、自律移動体10の現在位置と、移動終点9を結ぶ直線を移動予測経路7bとして、移動障害物2の移動予測経路8との交点6bを求めて発明の実施の形態1にかかる移動経路作成方法と同様にして、移動経路を作成する。
本実施の形態2にかかる移動経路作成方法においても、発明の実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態1では、自律移動体の移動予測経路を、自律移動体の現在位置から進行方向及びその反対方向に伸びる直線としたが、本実施の形態3では、現時点において作成した自律移動体の移動経路とした。
図6に示されるように、本実施の形態3においては、移動予測経路7cを現時点において作成した自律移動体10の移動経路であり、この移動経路は、自律移動体10の現在位置、移動終点、禁止領域等の情報を用いて、例えば、A*(エースター)経路探索法を用いて移動経路を作成する。
本実施の形態3にかかる移動経路作成方法においても、発明の実施の形態1と同様の効果を奏することができ、さらに精確に衝突予測点を算出することができるため、よりスムーズに移動障害物を回避することができる。
発明の実施の形態4.
発明の実施の形態1〜3では、禁止領域の大きさは一定であったが、本実施の形態4では、自律移動体と禁止領域の相対的距離に応じて、禁止領域の大きさを変化させている。
図8に示されるように、この例では、自律移動体10に対する相対的な距離は、禁止領域4a、禁止領域4b、禁止領域4cの順に短いが、自律移動体10に対する相対的な距離が長いほど小さくなるように設定している。即ち、自律移動体10に対して、禁止領域4が遠くにあるほど、禁止領域が小さくなるように設定している。
ここで、このように禁止領域の大きさを変化させた理由について説明する。環境が動的に変化する場合、自律移動体の進行方向に移動障害物があることが予測される場合であったとしても、自律移動体に対してより遠方にある移動障害物である程、自律移動体がその移動障害物と衝突する可能性があるタイミングまでの時間が長いため、移動障害物の移動予測は困難である。この場合に、遠方の移動障害物の禁止領域を近傍の移動障害物の禁止領域と同じ大きさとすると、衝突する危険性が相対的に低いにもかかわらず、遠方の移動障害物を大きく回避する経路を生成することは、自律移動体の動作を不自然にする。そこで、本実施の形態4では、そのような予測困難な遠方の移動障害物に関しては、禁止領域の大きさを小さくするか零にすることにして、自律移動体の動作が自然になるようにした。
例えば、禁止領域の大きさは、図9に示すグラフのように定められる。即ち、自律移動体10と禁止領域4との距離がP2までは、禁止領域の大きさを一定とする。また、自律移動体10と禁止領域4の距離がP2〜P3までは、その距離が大きくなるに従って、禁止領域の大きさが小さくなるよう連続的に変化する。さらに、自律移動体10と禁止領域4の距離がP3以上の場合は、禁止領域の大きさを零とする。
また、障害物の属性と、自律移動体と禁止領域との相対距離の関係について、図10を用いて説明する。図10に示されるように、固定障害物については、遠方・近傍の双方とも禁止領域を設定するが、移動障害物については、近傍のみ禁止領域を設定し、遠方は禁止領域を設定しない。
なお、この例では、禁止領域の大きさを自律移動体と禁止領域との相対距離に基づいて決定することとしたが、自律移動体の現在位置と移動障害物の現在位置との相対距離に基づいて決定するようにしてもよい。禁止領域の大きさの変化は、自律移動体と禁止領域(移動障害物)の相対距離に応じて連続的に変化することなく、離散的に変化するものであってもよい。
その他の実施の形態.
なお、前述の実施の形態では、車両10がキャスタ12を備えた2輪台車である例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、自律移動体としては、ステアリング型(1輪駆動型1ステアリング)の車両であっても、倒立状態を制御しつつ平面上を走行する、いわゆる倒立振子型の2輪台車であってもよい。このような倒立振子型の2輪台車は、キャスタを備えない代わりに、車両本体の鉛直方向に対する傾斜角や傾斜角速度などの傾斜度合いを検出するための、ジャイロ等の傾斜検出部を備える。そして、演算部の内部に備えられた記憶領域(メモリ)に記憶された、車両の移動を行う制御信号に基づいて車両本体の倒立状態を維持しつつ、車輪を駆動させて移動するように駆動部に出力を与えるプログラムにより移動することができる。
さらに、自律移動体としては、前述のような2輪型のものに限られず、前2輪、後2輪の4輪型の車両など、種々のタイプの車両であってもよい。特に、車輪で移動する移動体の場合、車輪の軸方向(進行方向に垂直な方向)に移動ができないため、本発明にかかる移動経路作成方法を適用すると、滑らかな経路で正確に移動終点(目的地)に到達することが可能になる。
さらには、前述の自律移動体としては車両に限られるものではなく、脚式歩行を行う歩行ロボットなどであっても本発明を適用することは可能である。特に、歩行ロボットの歩行制御において、大きな曲率による歩行や走行をできるだけ行わせずに自律移動を行わせることができるため、安定した歩行を行わせるために必要な制御をできるだけ簡易にすることができる。
また、前述の実施形態においては、車両10はGPS等からの位置情報を受け取ることで自己位置を認識しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、車輪の駆動量や移動した方向等から、既知の地点からの移動量および移動方向等を求め、自己位置を認識するものであってもよい。この場合、移動する移動領域としてのエリア内に、位置情報を与えるマーカ等が単一または複数箇所設置されており、自律移動体がこのマーカ上を移動する際に、自律移動体に設けられた読み取り部などからマーカに記憶された位置情報を読み取るようにしてもよい。
また、前述のようなグリッドマップを、自律移動体側(演算部の記憶領域)に記憶させるのではなく、制御部側に記憶させてもよい。すなわち、自律移動体を制御するための制御部内に設けられたメモリやHDDなどの記憶領域に、前述のグリッドマップをデータとして記憶させ、移動経路を作成してもよい。
本発明にかかる自律移動体制御システムを概略的に示す全体図である。 図1に示す自律移動体制御システムに含まれる自律移動体としての車両を概略的に示す斜視図である。 本発明にかかる移動経路作成方法を説明するための説明図である。 本発明にかかる移動経路作成方法を説明するための説明図である。 本発明にかかる自律移動体の制御処理を示すフローチャートである。 本発明にかかる移動経路作成方法を説明するための説明図である。 本発明にかかる移動経路作成方法を説明するための説明図である。 本発明にかかる移動経路作成方法を説明するための説明図である。 本発明にかかる移動経路作成方法における禁止領域の大きさと、自律移動体と禁止領域との相対距離の関係を示すグラフである。 本発明にかかる移動経路作成方法における禁止領域の属性と、自律移動体と禁止領域との相対距離の関係を示す表である。
符号の説明
1 ・・・床部
2 ・・・移動障害物
3 ・・・従来の移動経路作成方法を適用した場合の禁止領域
4 ・・・本発明の移動経路作成方法を適用した場合の禁止領域
5 ・・・移動経路
6 ・・・衝突予測点
7 ・・・自律移動体の移動予測経路
8 ・・・移動障害物の移動予測経路
9 ・・・目標地点
10 ・・・車両(自律移動体)
15 ・・・演算部
P ・・・エリア(移動領域)

Claims (21)

  1. 移動領域内に存在する移動始点より移動を開始し、前記移動領域内に存在する移動終点に到達する自律移動体の移動経路を作成する移動経路作成方法であって、
    移動障害物の将来位置を算出するステップと、
    算出された移動障害物の将来位置に基づき禁止領域を算出するステップと、
    前記禁止領域を回避するように当該自律移動体の移動経路を作成するステップとを備えた移動経路作成方法。
  2. 前記移動障害物の将来位置を算出するステップは、
    少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出するステップと、
    移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出するステップと、
    算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出するステップと、
    前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出するステップを備えていることを特徴とする請求項1記載の移動経路作成方法。
  3. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、移動方向情報により特定される移動方向に延長した線であることを特徴とする請求項2記載の移動経路作成方法。
  4. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該自律移動体の目標位置を結ぶ線とであることを特徴とする請求項2記載の移動経路作成方法。
  5. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路であることを特徴とする請求項2記載の移動経路作成方法。
  6. 前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の移動経路作成方法。
  7. 前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項6記載の移動経路作成方法。
  8. 移動障害物の将来位置を算出する手段と、
    算出された移動障害物の将来位置に基づき禁止領域を算出する手段と、
    前記禁止領域を回避するように移動経路を作成する手段と、
    作成された移動経路に応じて移動する手段とを備えた自律移動体。
  9. 前記移動障害物の将来位置を算出する手段は、
    少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出する手段と、
    移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出する手段と、
    算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出する手段と、
    前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出する手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の自律移動体。
  10. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、移動方向情報により特定される移動方向に延長した線であることを特徴とする請求項9記載の自律移動体。
  11. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該移動体の目標位置を結ぶ線であることを特徴とする請求項9記載の自律移動体。
  12. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路であることを特徴とする請求項9記載の自律移動体。
  13. 前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8〜12いずれかに記載の自律移動体。
  14. 前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項13記載の自律移動体。
  15. 自律移動体の移動を制御するための自律移動体制御システムであって、
    移動障害物の将来位置を算出する手段と、
    算出された移動障害物の将来位置に基づき禁止領域を算出する手段と、
    前記禁止領域を回避するように移動経路を作成する手段とを備えた自律移動体制御システム。
  16. 前記移動障害物の将来位置を算出する手段は、
    少なくとも自律移動体の現在位置情報に基づいて、自律移動体の移動予測経路を算出する手段と、
    移動障害物の現在位置情報と、移動方向情報に基づいて、移動障害物の移動予測経路を算出する手段と、
    算出された自律移動体の移動予測経路と、移動障害物の移動予測経路の交点を衝突予測点として算出する手段と、
    前記自律移動体が前記衝突予測点に到達する時点における前記移動障害物の将来位置を算出する手段と備えたことを特徴とする請求項15記載の自律移動体制御システム。
  17. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置から、移動方向情報により特定される移動方向に延長した線であることを特徴とする請求項16記載の自律移動体制御システム。
  18. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体の現在位置情報により特定される現地位置と、当該移動体の目標位置を結ぶ線であることを特徴とする請求項16記載の自律移動体制御システム。
  19. 前記自律移動体の移動予測経路は、当該自律移動体について算出された計画経路であることを特徴とする請求項16記載の自律移動体制御システム。
  20. 前記自律移動体の現在位置情報により特定される現在位置と、前記移動障害物の将来位置との間の距離に応じて、前記禁止領域の大きさを決定する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項15〜19いずれかに記載の自律移動体制御システム。
  21. 前記自律移動体の現在位置と移動障害物の将来位置の距離が離れるほど、当該禁止領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項20記載の自律移動体制御システム。
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