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JP2008147469A - 半導体装置 - Google Patents

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Shinji Hiramitsu
真二 平光
Koji Sasaki
康二 佐々木
Masato Nakamura
真人 中村
Yasushi Ikeda
靖 池田
Satoshi Matsuyoshi
聡 松吉
Ryoichi Kajiwara
良一 梶原
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】
ダイオード用半導体装置の接合材には、導電性,熱伝導性,接続強度,耐熱疲労性および降伏応力・硬度が低いことが要求される。これら全ての特性を有する鉛非含有の接合材料は存在しない。
【解決手段】
Siチップ1と応力緩衝板2,3の間の接合材4,5には耐熱疲労性がやや劣るが耐熱性に優れるAgナノペーストを用い、応力緩衝板2,3と電極6,7の間の接合材8,9には耐熱性がやや劣るが耐熱疲労性に優れるSn−Cu系はんだを用いる。
【効果】
接合材の場所に適した材料を用いることで、使用時の高温環境においても十分な性能,接続強度および耐熱疲労性を確保し、かつ、熱応力によりSiチップに破損を生じることのない鉛非含有の半導体装置が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、特に自動車等のオルタネータに用いられるダイオードに関する。
自動車用オルタネータは、エンジンによって得られた回転力から発電してバッテリーに給電する3相交流式の発電機であり、オルタネータダイオードは、発電機によって得られた3相交流を、バッテリーに供給するために直流に整流する機能を持っている。オルタネータダイオードは、整流機能を持つSiチップと、通電機能を持つリード電極及びベース電極と、これらを接合するはんだからなり、ベース電極の内側にシリコーンゴムなどの樹脂を充填した構造である。
オルタネータ動作時には、オルタネータダイオードには大電流が流れるため、損失によりSiチップが発熱し、Siチップと、周辺のはんだ,リード電極及びベース電極は最高で200℃以上の高温になる。オルタネータが停止すると電流も停止し、オルタネータダイオードは周囲環境温度まで冷却される。オルタネータは長期にわたって動作と停止を繰り返すため、オルタネータダイオードは加熱による膨張と冷却による収縮を繰り返す。このとき、Siチップとリード電極,ベース電極の線膨張係数が異なるため熱変形量に差が生じることから、これらを接合するはんだには熱応力が発生し、この熱応力が原因ではんだが疲労破壊する恐れがある。
このため、例えば特許文献1に示すような、Siチップとリード電極の間、Siチップとベース電極の間に、線膨張係数がSiの線膨張係数より大きく、かつ、リード電極,ベース電極材料の線膨張係数よりも小さい材料からなる応力緩衝板を設けたダイオードが提案されている。
特開昭56−50542号公報
近年、鉛が環境に及ぼす影響が明らかになるにつれて、電子部品への鉛の使用が規制される傾向が強まっており、2006年7月には欧州でRoHS規定が施行された。この
RoHS規定に対応し、電子部品から鉛を排除するために、これまでにSn−Ag系,
Sn−Bi系はんだ等、多種多様な鉛非含有のはんだが開発されてきた。
しかし、オルタネータダイオードにおいては、その温度は200℃以上の高温に達することもある。このため、接合材として融点が低いはんだは使用できない。さらに、オルタネータダイオードの特性,信頼性を確保するために、その接合材には、導電性,熱伝導性,接続強度,耐熱疲労性および低い降伏応力・硬度が要求される。しかし、これらの要求される全ての特性を十分に兼ね備えた鉛非含有のはんだは見つかっていない。
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、接続材として鉛非含有の材料を使用し、かつ、使用時の高温環境においても十分な性能,接続強度および耐熱疲労性を確保し、かつ、熱応力によりSiチップに破損を生じることのない半導体装置を提供することである。
本発明では、前記目的を達成するために、Siチップ上下の接合材に比べ、上側応力緩衝板の上側の接合材および下側応力緩衝板の下側の接合材の方が、使用時の温度で20℃程度低いことに着目した。Siチップの上下に応力緩衝板を設けた半導体装置構成とし、Siチップ上下の接合材には、融点が200℃以上である銀のナノ粒子と有機材料の混合材の接合材を用い、上側応力緩衝板の上側の接合材および下側応力緩衝板の下側の接合材には、180℃程度あれば十分な接続強度および耐熱疲労性を有するSnとCuからなる合金の一部ないし全部からなる接合材を用いる。一方で、応力緩衝板には、線膨張係数がリード電極やベース電極の線膨張係数よりもSiチップの線膨張係数に近いものを用いる。これによって、Siチップ・応力緩衝板間の線膨張係数は、比較的小さくなるので、降伏応力や硬度が比較的高い銀のナノ粒子と有機材料の混合材の接合材でも対応することができる。また、応力緩衝板・リード電極ベース電極間の線膨張係数は、比較的大きくなるが、ここを接合するSn−Cu系はんだは、十分な接続強度を有している。
本発明によれば、接続材として鉛非含有の材料を使用し、かつ、使用時の熱応力によりSiチップに破損を生じず、かつ、十分な接続強度および耐熱疲労性を確保した半導体装置を得ることができる。
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例による半導体装置の断面を表す。本実施例では、Siチップ1の上下に応力緩衝板2,3を設け、Siチップと応力緩衝板の間を厚さ0.05mm の接合材4,接合材5で接合している。また、応力緩衝板2,3の上下にはCuリード電極6及びCuベース電極7を設け、応力緩衝板2とリード電極6の間、及び応力緩衝板3とベース電極7の間を厚さ0.2mm の接合材8,接合材9で接合している。また、ベース電極の内側は封止樹脂10で封止している。接合材4,5には銀のナノ粒子と有機材料の混合材を用いており、かつ、接合材8,9にはSn−Cu系はんだを用いている。応力緩衝板2,3は、その線膨張係数がSiチップ(3×10-6/℃)に近いものが好ましく、ここではMo(モリブデン,線膨張係数4.9×10-6/℃ )を用いている。他にW(タングステン,線膨張係数4.5×10-6/℃ ),Fe−42%Ni合金(通称42アロイ,線膨張係数5×10-6/℃),CIC(Cu−Invar−Cuの積層材,Invar(Fe−Ni合金)線膨張係数2.8×10-6/℃,Cu線膨張係数16.5×10-6/℃),Cu−Mo合金,Cu−Mo焼結体(等価線膨張係数7.3×10-6/℃) 等を用いても同様の効果を得る事ができる。
ここで、本発明が上記の接合部材を用いる理由を説明する。近年、鉛が環境に及ぼす影響が明らかになるにつれて、電子部品への鉛の使用が規制される傾向が強まっており、
2006年7月には欧州でRoHS規定が施行された。このRoHS規定に対応し、電子部品から鉛を排除するために、これまでにSn−Ag系,Sn−Bi系はんだ等、多種多様な鉛非含有のはんだが開発されてきた。
これらの鉛非含有のはんだは、比較的低温で用いられる弱電機器用のはんだとしては有効である。しかし、オルタネータダイオードにおいては、大電流を流すために発熱量が大きいこと、自動車のエンジン近くに取り付けられるため周囲環境温度が高いことから、その温度は200℃以上に達することもある。このため、融点が低いSn−Ag系,Sn−Bi系等の鉛非含有のはんだは使用できず、従来はPb−5Sn等の高融点はんだを用いてきた。つまり、オルタネータダイオードの接合材には、融点が少なくとも200℃以上であることが要求される。
さらに、オルタネータダイオードの特性,信頼性を確保するために、その接合材には、導電性,熱伝導性,接続強度,耐熱疲労性および降伏応力・硬度が低いことが要求される。
一般的に、亜鉛,銀などの融点が高い鉛非含有のはんだは、降伏応力や硬度が高く、マウント時や使用時の熱応力によりSiチップに破損が生じる恐れがある。Bi−Ag系はんだのように融点が高く、降伏応力や硬度が低い鉛非含有のはんだも存在するが、低温での接続強度に難があるなど、要求される全ての特性を十分に兼ね備えた高融点で鉛非含有のはんだは見つかっていない。そのため、鉛非含有のオルタネータダイオードは実用化されていない。
図2に、鉛非含有のオルタネータダイオードの実現にあたり、接合材に要求される仕様と各材料の特性の関係を示す。どの接合材料も何れかの項目が適合しておらず、現在知られている単一材料では鉛非含有の前記半導体装置は実現できないことが分かる。
次に、前記半導体装置における接合材の位置によって要求される仕様を分けて考える。図3にSiチップ上下の接合材に要求される仕様と各材料の特性の関係を、図4に上側応力緩衝板の上側の接合材および下側応力緩衝板の下側の接合材に要求される仕様と各材料の特性の関係を示す。
図3においては、図2と比べて、耐熱疲労性と電極からの力を緩和の項目が削除されている。Siチップ1上下の接合材4,5は、Siチップ1と応力緩衝板2,3に挟まれており、Siチップ1と応力緩衝板2,3との線膨張係数差は応力緩衝板2,3と電極6,7との線膨張係数差よりも小さくしており、大きな熱応力がかからないため、耐熱疲労性の項目は不要となる。また、電極6,7と直に接していないため、電極6,7からの力を緩和の項目も不要となる。よって、銀のナノ粒子と有機材料の混合材であるAgナノペーストから形成した接合材は全項目で適合することとなる。
図4においては、図2と比べて耐熱性が200℃から180℃へ低温化し、Siチップ割れ防止の項目が削除されている。上側応力緩衝板2の上側の接合材8および下側応力緩衝板3の下側の接合材9は、Siチップ1から離れているため、使用時の温度が比較的低くなり、要求される耐熱性も低くなる。Sn−Cu系はんだは180℃に対する耐熱性は有しており、結果、耐熱性の項目で適合となる。また、Siチップ1と直に接していないため、Siチップ割れ防止の項目も不要となる。よって、Sn−Cu系はんだは全項目で適合することとなる。
図3,図4より、Siチップ上下の接合材には銀のナノ粒子と有機材料の混合材が、上側応力緩衝板の上側の接合材および下側応力緩衝板の下側の接合材にはSn−Cu系はんだが適していることが分かる。
ここで銀のナノ粒子と有機材料の混合材とは、例えば銀ナノ粒子の表面を有機物の保護層で被覆した独立分散ナノ粒子であり、加熱することで有機物が除去され、銀粒子が結合し接合材の役割を果たす。このため、接合温度は有機物が除去される300℃付近であるのに対し、接合後の溶融温度は銀の融点と同じ900℃以上となる特性を持っている。つまり、銀のナノ粒子と有機材料の混合材による接合は、銀はんだと同様の高い耐熱性を確保でき、さらにマウント温度が低いことにより、Siチップと応力緩衝板を接合する際のSiチップの熱応力を小さくできる効果も有している。
本発明の一実施形態になる半導体装置を示す断面図である。 鉛非含有のオルタネータダイオードの実現にあたり、接合材に要求される仕様と各材料の特性の関係を示す図である。 本発明の一実施形態においてSiチップ上接合材4およびSiチップ下接合材5に要求される仕様と各材料の特性の関係を示す図である。 本発明の一実施形態において応力緩衝板上接合材8および応力緩衝板下接合材9に要求される仕様と各材料の特性の関係を示す図である。
符号の説明
1 Siチップ
2 Siチップ上側の応力緩衝板
3 Siチップ下側の応力緩衝板
4 Siチップ上側接合材
5 Siチップ下側接合材
6 リード電極
7 ベース電極
8 応力緩衝板上接合材
9 応力緩衝板下接合材
10 封止樹脂

Claims (3)

  1. 整流機能を有する半導体チップと、
    前記半導体チップの上に第一の接合材を介して接合された上側応力緩衝板と、
    前記上側応力緩衝板の上に第二の接合材を介して接合されたリード電極と、
    前記半導体チップの下に第三の接合材を介して接合された下側応力緩衝板と、
    前記下側緩衝板の下に第四の接合材を介して接合されたベース電極とを備え、
    前記第一の接合材及び前記第三の接合材は、前記第二の接合材及び前記第四の接合材とは、材料が異なっていることを特徴とする半導体装置。
  2. 整流機能を有する半導体チップと、
    前記半導体チップの上に第一の接合材を介して接合された上側応力緩衝板と、
    前記上側応力緩衝板の上に第二の接合材を介して接合されたリード電極と、
    前記半導体チップの下に第三の接合材を介して接合された下側応力緩衝板と、
    前記下側緩衝板の下に第四の接合材を介して接合されたベース電極とを備え、
    前記半導体チップと前記上側応力緩衝板との線膨張係数の差は、前記上側応力緩衝板と前記リード電極との線膨張係数の差よりも小さく、
    前記半導体チップと前記下側応力緩衝板との線膨張係数の差は、前記下側応力緩衝板と前記ベース電極との線膨張係数の差よりも小さく、
    前記第一の接合材及び前記第三の接合材は、銀ナノペーストから形成した接合材であり、前記第二の接合材及び前記第四の接合材は、Sn−Cu系であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記上側応力緩衝板及び前記下側応力緩衝板が、Mo,W,Fe−Ni合金,Fe−
    Ni合金とCuからなる積層板、またはMoとCuからなる合金あるいは焼結体であることを特徴とする請求項2項に記載の半導体装置。
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