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JP2008147245A - 劣化診断回路及び半導体集積回路 - Google Patents

劣化診断回路及び半導体集積回路 Download PDF

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JP2008147245A
JP2008147245A JP2006329699A JP2006329699A JP2008147245A JP 2008147245 A JP2008147245 A JP 2008147245A JP 2006329699 A JP2006329699 A JP 2006329699A JP 2006329699 A JP2006329699 A JP 2006329699A JP 2008147245 A JP2008147245 A JP 2008147245A
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Hiroyuki Nishikawa
浩行 西川
Hiroshi Nakatani
博司 中谷
Akira Sawada
彰 澤田
Koichi Takene
浩一 竹根
Toshikazu Kawamura
敏和 川村
Yoshitomi Sameda
芳富 鮫田
Motohiko Okabe
基彦 岡部
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】単純な回路で構成される劣化診断回路及びIPコア化された劣化診断回路が組み込まれた半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路10a内に設けられた実回路12の経年劣化による故障時期を予測する劣化診断回路13aであって、一定の周波数でパルス信号を出力する信号発生回路14と、実回路12と同時期に設けられ、信号発生回路14により出力されたパルス信号を通過させて出力する劣化診断対象回路16aと、信号発生回路14により出力されたパルス信号の立ち上がりから所定時間だけ遅れて立ち上がりかつ信号発生回路14により出力されたパルス信号と同じ周波数を有するクロック信号を生成するとともに、劣化診断対象回路16により出力されたパルス信号のタイミングとクロック信号のタイミングとを比較して劣化診断対象回路16aの劣化が発生したか否かを判定し、判定結果を実回路と外部との少なくとも一方に出力する劣化判定回路18とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路に設けられた実回路の経年劣化による故障時期を予測する劣化診断回路に関する。
一般的な半導体集積回路の時間経過に対する故障発生率は、図9に示す故障率曲線(いわゆる「バスタブカーブ」)のような傾向を持つ。このバスタブカーブは、故障発生率に応じて3つの期間に分けられ、それぞれ初期故障期、偶発故障期、摩擦故障期と呼ばれている。
従来、半導体集積回路の故障発生率低減の策として、初期故障期に発生する故障に対しては、温度条件や電圧条件の規格に対して高負荷状態で動作させ、時間経過による初期不良を加速的に発生させ、不良品を排除するいわゆるバーンインと呼ばれる方法がとられている。
しかしながら、半導体集積回路の劣化によって発生確率が増す摩擦故障期に発生する故障に対しては、初期故障期に発生する故障に対する方法は有効ではない。
摩擦故障期に発生する故障を分類すると、以下のような3つの場合が考えられる。1つ目は、酸化膜(絶縁膜)の経過故障による耐圧劣化や短絡。2つ目は、配線、ビアコンタクト、及びスルーホールの腐食やエレクトロマイグレーションが原因のボイドによる開放、短絡、抵抗増大。3つ目は、ワイヤボンディングの接合部の金属化合物成長による高抵抗や断線である。
この摩擦故障期での故障発生を抑制することにより、MTBF(平均故障間隔)は延長され、半導体集積回路の品質を向上させることができる。
半導体集積回路の劣化による故障を判定する方法として、同一の半導体チップ内に機能回路として同一の機能を有するものを複数設け、その機能回路の出力信号を期待値と比較し、不一致が生じている場合には不一致が生じた機能回路が故障したと判定する半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。故障が生じていると判定された場合には、故障の生じていない機能回路の出力を選択することで、長寿化を達成することができる。
また、劣化チェック用回路を別途設け、劣化チェック用回路に対して実回路よりも大きな使用負荷を与えて、劣化進行状況測定センサにより劣化チェック用回路の電気特性等を測定し、劣化進行状況を把握する半導体装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。劣化チェック用回路は、大きな負荷が与えられているので、実回路よりも劣化の進行が早く、迅速に実回路の劣化を予測することができる。
図10は、特許文献2に公開されている半導体装置の構成を示す。半導体装置1は、使用頻度の増大によってまたは周囲の環境に起因して経時劣化する実回路要素2を含み各種データ処理等を行う集積回路3と、集積回路3へのデータの入出力の為の複数の入出力端子4と、実回路要素2と同一の積層構造を持つ劣化チェック用回路要素5と、劣化チェック用回路要素5に実回路要素2以上の使用負荷を与える使用最大負荷回路6と、劣化チェック用回路要素5の劣化進行状況を測定するためのセンサ7と、センサ7からの信号を外部に出力する出力端子8とで構成されている。
ここで同一の構造というのは、経時劣化に関し実回路要素2と膜質、応力状態、添加物の析出状態等がほぼ同一の条件にあるような、同一の積層構造と同一の断面積を有する、実回路要素2の劣化を模擬し得る構造を示す。
上記のような構成の半導体装置において、劣化チェック用回路要素5の劣化進行状況をセンサ7が測定するので、実回路要素2の劣化進行状況を間接的に把握することができる。従って、例えばメインテナンスを行う場合、劣化チェック用回路要素5の劣化進行状況を見ることによって、次回のメインテナンスまで半導体装置が仕様を維持できるかどうかを知ることができ、ユーザの使用頻度及び使用環境に応じた半導体装置の交換時期を的確に判断することが可能となる。
特開2004−340877号公報 特開平7−128384号公報
しかしながら、上記のような特許文献1に記載の半導体装置は、半導体集積回路の実際の機能回路と同一の機能を有する回路を複数設ける必要があるので、回路規模が大きくなるという問題点がある。また、特定の限られた機能回路のみを複数設けた場合、故障判定の対象となる回路は、その特定の部位のみとなってしまう。
また、上記のような特許文献2に記載の半導体装置は、実回路には必要のない大きな使用負荷を与える回路と、劣化具合(例えば抵抗値の変化)をアナログ値として判定するセンサとが必要であり、回路が複雑化、大規模化するという問題点がある。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、単純な回路で構成される劣化診断回路を提供すること及びIPコア化された劣化診断回路が組み込まれた半導体集積回路を提供することを課題とする。
本発明に係る劣化診断回路は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、半導体集積回路内に設けられた実回路の経年劣化による故障時期を予測する劣化診断回路であって、一定の周波数でパルス信号を出力する信号発生回路と、前記実回路と同時期に設けられ、前記信号発生回路により出力されたパルス信号を通過させて出力する劣化診断対象回路と、前記信号発生回路により出力されたパルス信号の立ち上がりから所定時間だけ遅れて立ち上がりかつ前記信号発生回路により出力されたパルス信号と同じ周波数を有するクロック信号を生成するとともに、前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号のタイミングと前記クロック信号のタイミングとを比較して前記劣化診断対象回路の劣化が発生したか否かを判定し、判定結果を前記実回路と外部との少なくとも一方に出力する判定回路とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記判定回路は、前記クロック信号の立ち上がり時に前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がLレベルである場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記判定回路は、前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち上がってから前記クロック信号が立ち上がるまでの時間が所定時間以内である場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記判定回路は、前記クロック信号が立ち上がってから前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち下がるまでの時間が所定時間以内である場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記劣化診断対象回路は、経年的に腐食又は酸化による劣化が進行する金属導体配線により構成されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5において、前記金属導体配線は、アルミ又は銅の配線であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6において、前記金属導体配線は、前記実回路の近傍又は実回路の内部を通して配線されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項において、前記金属導体配線は、前記信号発生回路から前記判定回路までの最短距離よりも長く引き回して配線されていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、前記劣化診断対象回路は、配線上にビアコンタクト、トランジスタで構成されるバッファ、ワイヤボンディング、アルミ電極、及びリードフレームの少なくとも1つを備えることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項5乃至請求項9のいずれか1項において、前記金属導体配線は、前記半導体集積回路の外周に引き回して配線されるとともに、配線の途中で折り返され、折り返された前記金属導体配線が折り返される前の前記金属導体配線に近接に配置されることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項5乃至請求項9のいずれか1項において、前記劣化診断対象回路は、配線上に論理反転回路を有し、前記金属導体配線は、前記半導体集積回路の外周に引き回して配線されるとともに、前記論理反転回路で折り返され、折り返された前記金属導体配線が折り返される前の前記金属導体配線に近接に配置されることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項5乃至請求項9のいずれか1項において、前記劣化診断対象回路は、太さの異なる複数の前記金属導体配線により構成されていることを特徴とする。
本発明に係る半導体集積回路は、上記課題を解決するために、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の劣化診断回路をIPコア化して、IPコア化された前記劣化診断回路をASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)のパッケージ内に備えることを特徴とする。
本発明の請求項1記載の発明によれば、劣化診断対象回路を通るパルス信号の伝達時間の変化に基づいて、劣化診断対象回路に劣化が生じたか否かを判定するので、簡易な回路構成で劣化診断回路を提供することができる。
本発明の請求項2記載の発明によれば、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がLレベルであるか否かにより劣化を判定するので、簡易な構成で確実に信号の伝達時間の変化を検出して、劣化診断を行うことができる。
本発明の請求項3記載の発明によれば、劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち上がってからクロック信号が立ち上がるまでの時間が所定時間以内である場合には劣化が発生したと判定するので、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がHレベルであったとしても、セットアップ違反として早期に劣化を検出することができる。
本発明の請求項4記載の発明によれば、クロック信号が立ち上がってから劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち下がるまでの時間が所定時間以内である場合には劣化が発生したと判定するので、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がHレベルであったとしても、劣化診断対象回路内で短絡等が起きた場合にホールド違反として早期に発見することができる。
本発明の請求項5記載の発明によれば、経年的に腐食又は酸化による劣化が進行する金属導体配線を劣化診断対象回路に用いるので、金属導体配線の劣化を調べることができる。また、劣化が発生した場合に、金属導体配線が劣化の原因であると推定することができる。
本発明の請求項6記載の発明によれば、金属導体配線は、アルミ又は銅であるため、実回路内にアルミ又は銅による配線を行っている場合に、劣化の有無を予測できるとともに、劣化の要因を特定することができる。
本発明の請求項7記載の発明によれば、金属導体配線が実回路の近傍又は内部を通して配線されているので、実回路に起きる劣化を早期かつ高い確率で予測することができる。
本発明の請求項8記載の発明によれば、金属導体配線は、信号発生回路から判定回路までの最短距離よりも長く引き回して配線されているので、より信号の伝達時間が長くなり、伝達の遅延が生じた場合に早期に発見することができる。また、半導体集積回路内の大きな面積を引き回しているので、様々な場所で起こる劣化に対して劣化診断を行うことが可能となる。
本発明の請求項9記載の発明によれば、配線上にビアコンタクト、トランジスタで構成されるバッファ、ワイヤボンディング、アルミ電極、及びリードフレームの少なくとも1つを備えるので、半導体回路内のあらゆる部分に対する劣化診断を行うことができる。また、備えた部品から、劣化要因及び場所を特定することができる。
本発明の請求項10記載の発明によれば、近接した金属導体配線の線間の絶縁シリコンが劣化して短絡が生じた場合に、判定回路がシリコンの劣化を発見することができる。
本発明の請求項11記載の発明によれば、論理反転回路で論理が反転するので、折り返されて近接した2本の金属導体配線は電位差を有する。したがって、近接した金属導体配線の線間に電位差によるストレスを与え、絶縁シリコンの劣化を促進するので、早期にシリコンの劣化を発見することができる。
本発明の請求項12記載の発明によれば、劣化診断対象回路が太さの異なる複数の金属導体配線で構成されているので、金属導体配線は、細い順に劣化により切断され、劣化の進行具合を判定することができる。
本発明の請求項13記載の発明によれば、IPコア化された劣化診断回路をASIC又はFPGAのパッケージ内に備えるので、必要な劣化診断回路を簡単に選択することができ、より早期のより正確な劣化診断を行うことができる。
以下、本発明の劣化診断回路及び半導体集積回路の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施例1の劣化診断回路13aを有する半導体集積回路10aの構成を示すブロック図である。
まず、本実施の形態の構成を説明する。図1に示すように、半導体集積回路10aは、実回路12と本実施の形態に係る劣化診断回路13aとを有する。実回路12は、経年劣化する可能性を有する。劣化診断回路13aは、信号発生回路14、劣化診断対象回路16a、及び劣化判定回路18で構成されている。
劣化診断回路13aは、半導体集積回路10a内に設けられた実回路12の経年劣化による故障時期を予測する。信号発生回路14は、一定の周波数でパルス信号を劣化診断対象回路16aに出力する。
劣化診断対象回路16aは、実回路12と同時期に設けられ、信号発生回路14により出力されたパルス信号を通過させて劣化判定回路18に出力する。この劣化診断対象回路16aが実回路12と同時期に設けられているので、劣化診断対象回路16aに劣化が生じた場合には、劣化診断回路13aは、実回路12にも経年劣化による故障が生じている可能性が高いと判断する。
劣化判定回路18は、本発明の判定回路に対応し、信号発生回路14により出力されたパルス信号の立ち上がりから所定時間だけ遅れて立ち上がりかつ信号発生回路14により出力されたパルス信号と同じ周波数を有するクロック信号を生成するとともに、劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号のタイミングとクロック信号のタイミングとを比較して劣化診断対象回路16aの劣化が発生したか否かを判定し、判定結果を実回路12と外部との少なくとも一方に出力する。
本実施例においては、劣化判定回路18は、実回路12及び外部の両方に接続されている。劣化判定回路18が実回路12又は外部に判定結果を出力した後の動作はどのようなものであってもよい。例えば、外部に送られた判定結果が劣化を検出した場合には、ランプ等により使用者に劣化の可能性を知らせることができる。また実回路12に劣化を示す判定結果が出力された場合には、実回路12の動作を一時停止しても良いし、メンテナンスの時期を設定してもよい。
信号発生回路14により出力されたパルス信号と、劣化判定回路18内で生成されるクロック信号のタイミングの同期をとる方法は色々考えられるが、1例として以下のような方法が考えられる。半導体集積回路10a内には、図示しないクロックが設けられており、劣化判定回路18内で生成されるクロック信号よりも非常に早い第2クロック信号を生成するとする。この第2クロック信号の10周期ごとに信号発生回路14内でパルス信号を生成、出力し、パルス信号を生成してから第2クロック信号の3周期後に常に劣化判定回路18内でクロック信号を生成するとすれば、パルス信号と劣化判定回路18内で生成されるクロック信号とのタイミングの同期をとることができる。この場合、第2クロック信号自体に遅れが生じない限り、両信号は、同じ周波数かつ第2クロック信号3周期分の立ち上がり時刻のずれを有する。ここでは第2クロック信号3周期分と仮定しているが、劣化診断対象回路16a内でのパルス信号伝達時間に合わせて調節する必要がある。
次に実施例1に係る劣化診断回路13aの動作を説明する。図2及び図3は、各部における信号の動作タイムチャートを示す図である。本実施例において、劣化判定回路18は、D(Delay)タイプのフリップフロップを劣化の判定に用いている。Dタイプのフリップフロップは、クロック信号の立ち上がり時(LレベルからHレベルに変化した時)に、フリップフロップのD端子に入力された信号の状態をそのままQ端子に出力する。
信号発生回路14は、時刻tにおいてパルス信号を生成し出力する。出力されたパルス信号は、劣化診断対象回路16aを通過し、時刻tにおいて劣化判定回路18に入力される。劣化診断対象回路16aをパルス信号が伝達するのに所定の時間を要するため、パルス信号が信号発生回路14により出力されてから劣化判定回路18に入力されるまで正常遅延時間Tを要する。
信号発生回路14により生成されたパルス信号のオン時間(Hレベルの時間)は、セットアップ時間+α及びホールド時間+βの合計期間である。ここで、セットアップ時間は、本発明の所定時間に対応し、フリップフロップにパルス信号が入力されてからクロック信号が立ち上がるまでの間に最小限必要な時間を指す。またホールド時間は、本発明の所定時間に対応し、クロック信号が立ち上がってからフリップフロップに入力されたパルス信号が立ち下がるまでに最小限必要な時間を指す。
α及びβは、劣化診断対象回路16aの固有の値であり、計算や経験則により求めて設定する。α及びβの時間を調節することにより、劣化診断の基準を定めることができる。α及びβが非常に短い場合には、判定回路18は、わずかな劣化に基づく遅延時間の増加に対して劣化を検出することができる。逆にα及びβが長い場合には、判定回路18は、劣化が進行して遅延時間が非常に長く増加したときに限って劣化を検出する。
したがって、信号発生回路14は、時間α、βを調節できる機能を有する。この調節により劣化判定のマージンが調節される。
劣化判定回路18は、時刻tにおいてクロック信号が生成され立ち上がる。劣化判定回路18にパルス信号が入力される時刻tから、劣化判定回路18がクロック信号を生成する時刻tまでの時間はセットアップ時間+αである。したがって、劣化判定回路18は、信号発生回路14により出力されたパルス信号の立ち上がりから、正常遅延時間T+セットアップ時間+αの時間だけ遅れてクロック信号が立ち上がるように、あらかじめ設定する必要がある。
時刻tにおけるクロック信号の立ち上がり時に、劣化判定回路18内のフリップフロップに入力されたパルス信号がHレベルであるため、劣化判定回路18内のフリップフロップは、Hレベルの信号を出力する。正常状態が続いていれば、劣化判定回路18内のフリップフロップの出力信号は、常にHレベルである。
劣化診断対象回路16aが劣化した場合、劣化診断対象回路16aに入力されたパルス信号が劣化診断対象回路16a内を伝達する時間が遅れる、若しくは進む現象が現れる。パルス信号が遅れる場合の原因は、劣化診断対象回路16a内の半導体の劣化現象により高抵抗になる等が考えられる。
図2において、パルス信号が遅れた場合の動作を説明する。信号発生回路14は、時刻tにおいてパルス信号を生成し出力する。出力されたパルス信号は、劣化診断対象回路16aを通過し、正常な状態であれば、時刻tにおいて劣化判定回路18に入力される。しかしながら、劣化診断対象回路16a内で劣化が生じているためパルス信号の伝達時間に遅延が生じ、パルス信号が信号発生回路14により出力されてから劣化判定回路18に入力されるまでにかかる時間Tは、正常遅延時間Tよりも長い。
したがって、時刻tにおけるクロック信号の立ち上がり時に、劣化診断対象回路16aにより出力され劣化判定回路18内のフリップフロップに入力されたパルス信号がLレベルであるため、劣化判定回路18内のフリップフロップは、Lレベルの信号を出力する(時刻t)。
劣化判定回路18は、フリップフロップの出力信号をラッチ判定して、劣化判定信号を出力する。したがって、フリップフロップが1度でもLレベルの信号を出力すると、劣化判定回路18は、その後Lレベルの劣化判定信号を出力し続ける(時刻t)。すなわち、劣化判定回路18は、劣化診断対象回路16aに劣化が生じていることを検出した場合、Lレベルの劣化判定信号を出力する
以上のような動作により、劣化判定回路18は、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号がLレベルである場合には劣化診断対象回路16aの劣化が発生したと判定する。
また、クロック信号の立ち上がり時にセットアップ違反又はホールド違反が生じた場合にも、劣化診断対象回路16aの劣化が発生したと判定することができる。この場合の動作を図3を用いて説明する。
劣化診断対象回路16aにおいて劣化が生じてない場合、パルス信号は、信号発生回路14により出力されてから劣化判定回路18に入力されるまで正常遅延時間T´を要する。時刻t´、t´、及びt´における各部の動作は、図2の時刻t、t、及びtにおける各部の動作と同じであるため、詳しい説明を省略する。
信号発生回路14は、時刻t´においてパルス信号を生成し出力する。出力されたパルス信号は、劣化診断対象回路16aを通過し、正常な状態であれば、時刻t´において劣化判定回路18に入力される。しかしながら、劣化診断対象回路16a内で劣化が生じているためパルス信号の伝達時間に遅延が生じ、パルス信号が信号発生回路14により出力されてから劣化判定回路18に入力されるまでにかかる時間T´は、正常遅延時間T´よりも長い。
しかしながら、劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号が、時刻t´において劣化判定回路18内のフリップフロップに入力された際にまだクロック信号は立ち上がっていない。その後、クロック信号が時刻t´において立ち上がった時に、劣化診断対象回路16aにより出力され劣化判定回路18内のフリップフロップに入力されたパルス信号は、Hレベルである。
ところが、パルス信号が劣化判定回路18内のフリップフロップに入力された時刻t´から、クロック信号の立ち上がる時刻t´までの時間がセットアップ時間よりも短いため、セットアップ違反が起こる。この際、フリップフロップの出力信号は、メタステーブルとなる。ここでメタステーブルとは、フリップフロップの入力信号においてセットアップ時間、もしくはホールド時間が守られなかった場合に、出力信号が不安定な状態になることを言う。
劣化判定回路18は、フリップフロップの出力信号をラッチ判定して、劣化判定信号を出力する。したがって、フリップフロップの出力信号がメタステーブルとなり、1度でもLレベルの信号を出力すると、劣化判定回路18は、その後Lレベルの劣化判定信号を出力し続ける(時刻t´)。
すなわち、劣化判定回路18は、劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号が立ち上がってからクロック信号が立ち上がるまでの時間が所定時間(セットアップ時間)以内である場合には劣化診断対象回路16aの劣化が発生したと判定して、Lレベルの劣化判定信号を出力する
逆に、劣化診断対象回路16a内で短絡等が起きて、パルス信号の伝達時間が短い場合が考えられる。この場合にはホールド違反となり、セットアップ違反の場合と同様にメタステーブルが起きる。すなわち、劣化判定回路18は、クロック信号が立ち上がってから劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号が立ち下がるまでの時間が所定時間(ホールド時間)以内である場合には劣化診断対象回路16aの劣化が発生したと判定して、Lレベルの劣化判定信号を出力する。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る劣化診断回路13aによれば、劣化診断対象回路16aを通るパルス信号の伝達時間の変化に基づいて、劣化診断対象回路16aに劣化が生じたか否かを判定するので、簡易な回路構成で劣化診断回路13aを提供することができる。
また、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号がLレベルであるか否かにより劣化を判定するので、簡易な構成で確実に信号の伝達時間の変化を検出して、劣化診断を行うことができる。
さらに、劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号が立ち上がってからクロック信号が立ち上がるまでの時間が所定時間以内である場合には劣化が発生したと判定するので、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がHレベルであったとしても、セットアップ違反として早期に劣化を検出することができる。
一方、クロック信号が立ち上がってから劣化診断対象回路16aにより出力されたパルス信号が立ち下がるまでの時間が所定時間以内である場合には劣化が発生したと判定するので、クロック信号の立ち上がり時に劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がHレベルであったとしても、劣化診断対象回路16a内で短絡等が起きた場合にホールド違反として早期に発見することができる。
図4は、本発明の実施例2の劣化診断回路13bを有する半導体集積回路10bの構成を示すブロック図である。実施例1の構成と異なる点としては、劣化診断対象回路16bは、経年的に腐食又は酸化による劣化が進行する金属導体配線である銅配線20により構成されている。本実施例では銅配線20を用いているが、アルミ配線であってもよい。
また銅配線20は、実回路12の近傍で且つ実回路12を取り囲んで長く引き回して設けられている。したがって、実回路12において酸化等による劣化が生じた場合に、銅配線20が実回路12の近くに設けられているため、銅配線20に同様に酸化等による劣化が生じ、早期に劣化を発見することができる。銅配線20は、実回路12の内部を通るように配線することも可能であり、同様の効果を期待できる。
さらに、銅配線20は、信号発生回路14から劣化判定回路18までの最短距離よりも長く引き回して配線されているので、より信号の伝達時間が長くなり、伝達の遅延が生じた場合に早期に発見することができる。また、銅配線20は、半導体集積回路10b内に広い面積を占めるように引き回されているので、様々な場所で起こる劣化に対して劣化診断を行うことが可能となる。
銅配線20上には、配線の層間接続を行うビアコンタクト22及びトランジスタで構成されるバッファ24が設けられている。本実施例においては両方が設けられているが、必ずしも両方設置する必要はなく、いずれか一方若しくは両方が設置されていなくてもよい。
次に実施例2に係る劣化診断回路13bの動作を説明する。信号発生回路14により出力されたパルス信号が劣化診断対象回路16bを伝達して劣化判定回路18に入力されるのは、実施例1と同様である。劣化診断対象回路16b内で、銅配線20は、エレクトロマイグレーションによる空孔(ボイド)による抵抗増大や断線、若しくは腐食による短絡や断線などが生じる可能性がある。またビアコンタクト22は、銅配線20と同様の劣化に加え、不純物混入によりその不純物が劣化していくことで開放などが生じる可能性がある。さらにトランジスタで構成されるバッファ24は、ゲート酸化膜の絶縁破壊などによる動作不良に至る可能性がある。
以上のような劣化が生じた結果、信号発生回路14により出力されたパルス信号は、劣化診断対象回路16b内で伝達時間が長く又は短くなる。劣化判定回路18の動作は、実施例1と同様である。
上述のとおり、本発明の実施例2の形態に係る劣化診断回路13bによれば、経年的に腐食又は酸化による劣化が進行する金属導体配線である銅配線20を劣化診断対象回路16bに用いるので、銅配線20の劣化を調べることができる。また、劣化が発生した場合に、銅配線20が劣化の原因であると推定することができる。
また、銅配線20を用いているので、実回路12内に銅による配線を行っている場合に、劣化の有無を予測できるとともに、劣化の要因を特定することができる。
さらに、銅配線20が実回路12の近傍に配線されているので、実回路12に起きる劣化を早期かつ高い確率で予測することができる。
一方、銅配線20は、信号発生回路14から劣化判定回路18までの最短距離よりも長く引き回して配線されているので、より信号の伝達時間が長くなり、伝達の遅延が生じた場合に早期に発見することができる。また、銅配線20は、半導体集積回路10b内で広い面積を占めるように引き回されているので、様々な場所で起こる劣化に対して劣化診断を行うことが可能となる。
さらに、配線上にビアコンタクト22及びトランジスタで構成されるバッファ24を備えるので、劣化診断対象回路16b内に劣化が生じた場合に、実回路12内のビアコンタクト又はバッファが劣化要因であると特定できるとともに、劣化の場所も特定することができる。
次に、図5は、本発明の実施例3の劣化診断回路13cを有する半導体集積回路10cの構成を示すブロック図である。実施例2の構成と異なる点としては、劣化診断対象回路16cの配線上に、ワイヤボンディング28と、ワイヤボンディング28の一端及び信号発生回路14に接続されたアルミ電極26と、ワイヤボンディング28の他端に接続されたリードフレーム30とが設けられている点である。本実施例においては、ワイヤボンディング28とアルミ電極26とリードフレーム30との全てが設けられているが、必ずしも全て設ける必要はなく、少なくとも一つを設ける構成とすることもできる。
またリードフレーム30は、外部接続配線32に接続されている。外部接続配線32は、例えばあらかじめ設けられたプリント基板上の配線であってもよい。外部接続配線32の他端は、別のワイヤボンディング及びアルミ電極を介して劣化判定回路18に接続されている。
次に実施例3に係る劣化診断回路13cの動作を説明する。信号発生回路14により出力されたパルス信号が劣化診断対象回路16cを伝達して劣化判定回路18に入力されるのは、実施例1と同様である。劣化診断対象回路16c内で、半導体集積回路10cの表面電極であるアルミ電極26やパッケージのリードフレーム30とワイヤボンディング28との接合部は、劣化を生じる可能性がある。劣化を生じた場合、金属化合物成長による高抵抗や断線が生じる。
以上のような劣化が生じた結果、信号発生回路14により出力されたパルス信号は、劣化診断対象回路16c内で伝達時間が長く又は短くなる。劣化判定回路18の動作は、実施例1と同様である。
上述のとおり、本発明の実施例3の形態に係る劣化診断回路13cによれば、配線上にアルミ電極26、ワイヤボンディング28、及びリードフレーム30が備えられているので、劣化診断対象回路16c内に劣化が生じた場合に、実回路12内のアルミ電極26、ワイヤボンディング28、及びリードフレーム30のいずれかが劣化要因であると特定できるとともに、劣化の場所も特定することができる。
次に、図6は、本発明の実施例4の劣化診断回路13dを有する半導体集積回路10dの構成を示すブロック図である。実施例3の構成と異なる点としては、劣化診断対象回路16dは、配線上に入力された論理を反転して出力する論理反転回路34を有する。また、銅配線20は、半導体集積回路10dの外周で且つ実回路12と劣化診断回路13dとを取り囲むように引き回して配線されるとともに、論理反転回路34で折り返され、折り返された銅配線20が折り返される前の銅配線20に近接に配置されている。
なお、論理反転回路34は必ずしも必須ではない。論理反転回路34が無いとすると、銅配線20は、半導体集積回路10dの外周で且つ実回路12と劣化診断回路13dとを取り囲むように引き回して配線されるとともに、配線の途中で折り返され、折り返された銅配線20が折り返される前の銅配線20に近接に配置されている。
次に実施例4に係る劣化診断回路13dの動作を説明する。信号発生回路14により出力されたパルス信号が劣化診断対象回路16dを伝達して劣化判定回路18に入力されるのは、実施例1と同様である。劣化診断対象回路16d内で、温度サイクル環境において半導体集積回路10dに収縮応力が加わるため、特に半導体集積回路10dのコーナー部に配線スライド現象が起こり、銅配線20は亀裂等の断線を生じる。また、半導体集積回路10dは、一般的に樹脂封止タイプのパッケージを使用する。このパッケージは、経年とともに水分に進入される。特に樹脂とリードフレームとの界面から進入する水分は、パッケージ表面に付着した不純物を含んだ腐食性水溶液となり、半導体集積回路10dの周辺から進入して、アルミ配線又は銅配線20を腐食させる。
よって、銅配線20は半導体集積回路10dの外周に配置されているので、コーナー部に発生するスライド現象による断線や進入した水分による腐食に基づく劣化が生じた場合には、劣化判定回路18は、劣化を検出することができる。また論理回路34は、入力された信号の論理を反転させる。したがって、銅配線20に入力されたパルス信号は、論理反転回路34により折り返される前と折り返された後とで論理が反転しているため、近接した2本の銅配線20に電位差を生じさせる。その電位差は、2本の銅配線20の線間の絶縁シリコンが劣化するのを促進させる。したがって、近接配線間の短絡の劣化が早期に検出される。劣化判定回路18の動作は、実施例1と同様である。
さらに、仮に論理反転回路34が無いとしても、近接した2本の銅配線20の線間に電位差によるストレスは与えられないが、短絡が生じた場合には通常よりも早くパルス信号が劣化診断対象回路16d内を伝達するので、劣化判定回路18は、劣化を検出することができる。
上述のとおり、本発明の実施例4の形態に係る劣化診断回路13dによれば、論理反転回路34で論理が反転するので、折り返されて近接した2本の銅配線20は電位差を有する。したがって、近接した銅配線20の線間に電位差によるストレスを与え、絶縁シリコンの劣化を促進するので、早期にシリコンの劣化を発見することができる。また仮に論理反転回路34が無いとしても、上述した理由により、近接した銅配線20の線間に生じる短絡を検出することができる。
また銅配線20は、半導体集積回路10dの外周に配置されている。したがって、コーナー部に発生するスライド現象による断線や進入した水分による腐食に基づく劣化が生じた場合には、劣化判定回路18は、劣化を検出することができる。
次に、図7は、本発明の実施例5の劣化診断回路13eを有する半導体集積回路10eの構成を示すブロック図である。実施例4の構成と異なる点としては、劣化診断対象回路16eは、太さの異なる複数の配線36(36−1〜36−n)により構成されている。劣化判定回路18がフリップフロップを用いて劣化の判定を行う場合には、劣化判定回路18は、太さの異なる複数の配線36(36−1〜36−n)の数nと同数のフリップフロップを有し、それぞれの配線に接続されている必要がある。
次に実施例5に係る劣化診断回路13eの動作を説明する。信号発生回路14により出力されたパルス信号が劣化診断対象回路16eを伝達して劣化判定回路18に入力されるのは、実施例1と同様である。太さの異なる複数の配線36(36−1〜36−n)は、経年劣化により、細い順に断線する。劣化判定回路18は、太さの異なる複数の配線36(36−1〜36−n)のいずれかに断線が生じた場合に、パルス信号が入力されずにLレベルの信号が入力され続けるので、いずれの配線に劣化が生じているのかを判定する。劣化判定回路18の動作は、実施例1と同様である。さらに劣化判定回路18は、いずれの配線に劣化が生じているのかを判定した後、判定結果を実回路12及び外部に出力する。
上述のとおり、本発明の実施例5の形態に係る劣化診断回路13eによれば、劣化診断対象回路16eが太さの異なる複数の配線36(36−1〜36−n)で構成されているので、劣化判定回路18が複数の配線を個別に判定することで、劣化の進行具合を知ることができる。
次に、図8は、本発明の実施例6の半導体集積回路10fの構成を示すブロック図である。半導体集積回路10fは、ASIC又はFPGAのパッケージにより構成されており、実回路12と劣化診断対象回路16fと劣化診断対象回路16gと劣化診断IPコア38と劣化診断IPコア40とを有する。いずれもIPコアと呼ばれるニーズの多い処理をプログラム化した大規模機能ブロックを書き込むことで、任意の処理を行うことができる。
実回路12aは、演算装置IPコア42、アナログIPコア44、通信IPコア46といった特定の処理を行う機能ブロックであるIPコアを有している。
また実施例1乃至実施例5で詳述した劣化診断回路13a乃至13e内の信号発生回路14及び劣化判定回路18は、IPコア化され、ASIC又はFPGAのパッケージである半導体集積回路10f内に劣化診断IPコア38及び劣化診断IPコア40として備えられている。劣化診断IPコアは、一つであっても複数であってもよく、本実施例においては、劣化診断IPコア38と劣化診断IPコア40とが備えられている。
劣化診断IPコア38は、実施例2で述べたような実回路12の近傍に備えられた劣化診断対象回路16fに劣化が生じたが否かを判定する。
劣化診断IPコア40は、実施例4で述べたような半導体集積回路10dの外周に備えられた劣化診断対象回路16gに劣化が生じたが否かを判定する。
次に実施例6に係る半導体集積回路10fの動作を説明する。劣化診断IPコア38と劣化診断IPコア40とは、それぞれASIC又はFPGAのパッケージに応じて、例えば正常遅延情報などのパラメータが設定されている。また、パッケージ毎の劣化しやすい箇所の情報等が登録されている。使用者は、診断が必要と思われる箇所に応じて必要な劣化診断IPコアを選択する。もしくは実回路12aが自動的に選択する。
上述のとおり、本発明の実施例6の形態に係る半導体集積回路10fによれば、IPコア化された劣化診断回路をASIC又はFPGAのパッケージ内に備えるので、ASIC又はFPGAのパッケージ毎に適した劣化診断IPコアを選択して構成することができ、より早期の、より正確な劣化診断を実現することができる。
本発明に係る劣化診断回路及び半導体集積回路は、経年劣化による故障を生じる回路を有する半導体集積回路に利用可能である。
本発明の実施例1の形態の劣化診断回路を有する半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1の形態の劣化診断回路の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施例1の形態の劣化診断回路の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施例2の形態の劣化診断回路を有する半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3の形態の劣化診断回路を有する半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4の形態の劣化診断回路を有する半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例5の形態の劣化診断回路を有する半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例6の形態の半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 一般的な半導体集積回路の時間経過に対する故障発生率を示す図である。 従来の半導体装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 半導体装置
2 実回路要素
3 集積回路
4 入出力端子
5 劣化チェック用回路要素
6 使用最大負荷回路
7 劣化進行状況測定センサ
8 出力端子
10a、10b、10c、10d、10e、10f 半導体集積回路
12、12a 実回路
13a、13b、13c、13d、13e 劣化診断回路
14 信号発生回路
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g 劣化診断対象回路
18 劣化判定回路
20 銅配線
22 ビアコンタクト
24 バッファ
26 アルミ電極
28 ワイヤボンディング
30 リードフレーム
32 外部接続配線
34 論理反転回路
36−1〜36−n 太さの異なる配線
38、40 劣化診断IPコア
42 演算装置IPコア
44 アナログIPコア
46 通信IPコア

Claims (13)

  1. 半導体集積回路内に設けられた実回路の経年劣化による故障時期を予測する劣化診断回路であって、
    一定の周波数でパルス信号を出力する信号発生回路と、
    前記実回路と同時期に設けられ、前記信号発生回路により出力されたパルス信号を通過させて出力する劣化診断対象回路と、
    前記信号発生回路により出力されたパルス信号の立ち上がりから所定時間だけ遅れて立ち上がりかつ前記信号発生回路により出力されたパルス信号と同じ周波数を有するクロック信号を生成するとともに、前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号のタイミングと前記クロック信号のタイミングとを比較して前記劣化診断対象回路の劣化が発生したか否かを判定し、判定結果を前記実回路と外部との少なくとも一方に出力する判定回路と、
    を備えることを特徴とする劣化診断回路。
  2. 前記判定回路は、前記クロック信号の立ち上がり時に前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号がLレベルである場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする請求項1記載の劣化診断回路。
  3. 前記判定回路は、前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち上がってから前記クロック信号が立ち上がるまでの時間が所定時間以内である場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の劣化診断回路。
  4. 前記判定回路は、前記クロック信号が立ち上がってから前記劣化診断対象回路により出力されたパルス信号が立ち下がるまでの時間が所定時間以内である場合には前記劣化診断対象回路の劣化が発生したと判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の劣化診断回路。
  5. 前記劣化診断対象回路は、経年的に腐食又は酸化による劣化が進行する金属導体配線により構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  6. 前記金属導体配線は、アルミ又は銅の配線であることを特徴とする請求項5記載の劣化診断回路。
  7. 前記金属導体配線は、前記実回路の近傍又は実回路の内部を通して配線されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の劣化診断回路。
  8. 前記金属導体配線は、前記信号発生回路から前記判定回路までの最短距離よりも長く引き回して配線されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  9. 前記劣化診断対象回路は、配線上にビアコンタクト、トランジスタで構成されるバッファ、ワイヤボンディング、アルミ電極、及びリードフレームの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  10. 前記金属導体配線は、前記半導体集積回路の外周に引き回して配線されるとともに、配線の途中で折り返され、折り返された前記金属導体配線が折り返される前の前記金属導体配線に近接に配置されることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  11. 前記劣化診断対象回路は、配線上に論理反転回路を有し、
    前記金属導体配線は、前記半導体集積回路の外周に引き回して配線されるとともに、前記論理反転回路で折り返され、折り返された前記金属導体配線が折り返される前の前記金属導体配線に近接に配置されることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  12. 前記劣化診断対象回路は、太さの異なる複数の前記金属導体配線により構成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載の劣化診断回路。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の劣化診断回路をIPコア化して、IPコア化された前記劣化診断回路をASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)のパッケージ内に備えることを特徴とする半導体集積回路。
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