JP2008145316A - 色むら検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スキャン方向と直角に1次元配列された各素子からスキャンして得られる標準画像からの情報を実値とし、得られた実値の最高値と同一となるように、各実値に掛ける補正係数を各素子ごとに算出し、検査対象から得られた画像情報において、同位置の素子から得られる実値に対して、標準画像から算出した同位置の素子の該補正係数を、各素子ごとに演算処理して補正することを特徴とする。また、検査対象からの入力光をフィルタを介在させてカメラに入力する光量を調整するとともに、カメラからの入力に10bitを用いた後、8bitに情報を減らした特徴空間を形成する処理をし、該特徴空間において前記補正係数を各素子ごとに算出する。
【選択図】図2
Description
しかし、高機能性フィルムや、大型液晶表示装置などでは、広域の表示エリア全体で、極めて均一な色再現性が要求され、微妙な色むらでも基本性能に関わる重大な欠陥となるため、このような装置では、微妙な色むらでさえ検査が必要不可欠となってきた。特に、高機能性フィルム、あるいは、半導体ウエファー上に発生する、むら、色むらなどは、製造時に何らかの原因で発生する微妙な物性的変化として現れ、重大な欠陥となることから、欠陥検査の手法として微妙な、色均一性評価が重要になっている。
例えば、特許文献1には、カラー画像からこのカラー画像における色の出現頻度情報を持つカラーヒストグラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから前記出現頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前記カラー画像における色の不均一部分として検出するとともに、頻度の高い部分を前記カラー画像における色の均一部分として検出することが記載されている。
さらに、熟練度や年齢によりむらの検出レベルが異なる場合や、同じ人でも検査時の体調により検出レベルに違いが生じることもあり、むらは定量的な評価が難しく、むら検出には人間の視覚特性や心理的な要因が大きく影響するという問題もある。
近時、液晶表示装置などのむら検査では、検査基準が微妙すぎ人間の官能ぎりぎりのところでむら検査が行われている。
RGBカラーカメラで、各色8ビット256階調の画像が取得できたとすると、この画像は人間の色の分解能より高い画像で、人間が認識できる色むらは全て検出できるはずである。よって、人間の感度を越える色の不均一部分まで抽出しておけば、人間が、むらと判断する候補は抽出された中に存在する。この抽出された部分が、色むらかどうかを検出する場合、むらの種類や、人間の官能特性に基づいて判断することで、むら検出を抽出部と判定部に分けて実行することが可能となる。抽出部のアルゴリズムはほぼ一定で、判定部のみ被検査物のむら判定の基準に合わせて変更することで、種々のむら検査に対応できる柔軟性のあるアルゴリズムが構築できる。
しかし、実際の撮像系にはノイズや量子化誤差があり、RGB各8ビット全て有効に利用できるわけではない。また、人間の色識別の分解能は低いが、人間は検査時に、検査対象物を、最もむらの見えやすい、方向角度から見ることが可能であるため、検査方向角度が固定としたカメラでは、さらに高い色分解能が要求される。
また、例えば、高機能性フィルムを初めとする、視野角依存性が強い検査対象では、2次元カメラなど、内部の素子の大きさより視野領域が広い過ぎる場合では、素子の内側と外側で、光学的同一条件とはならないため、検査自体不正確になるなど問題がある。
そこで、本発明は、人間の感覚特性に合わない、即ち人間では検出できないような不均一部分まで検出でき、検出部分の色の特徴を、検査対象物に応じて、さらに詳しく調べることで、人間の感覚特性に合わせた色むらの判定を可能とする色むら検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、取得したカラー画像の色の情報から、人間の目でも検出が難しいような、色の不均一部分を検出し、計算量は極めて少なくして高速化を実現できる色むら検査装置を提供することである。
また、この頻度情報を、RGBカラーヒストグラム空間を特徴量として用いて求めることで、人間の目でも検出が難しい色の不均一部分まで検出でき、しかも計算量は極めて少なく高速に色むらを検査することができる。
実際には、このRGB空間で頻度を比較するのは現実的でなく、カラー画像のカラー値をこのRGB空間より得られる頻度で置き換えた頻度画像を用いる。すなわち、
(1)本発明の色むら検査装置は、スキャン方向と直角に1次元配列された各素子からスキャンして得られる標準画像からの情報を実値とし、得られた実値の最高値と同一となるように、各実値に掛ける補正係数を各素子ごとに算出し、検査対象から得られた画像情報において、同位置の素子から得られる実値に対して、標準画像から算出した同位置の素子の該補正係数を、各素子ごとに演算処理して補正することを特徴とする。
(3)さらに、本発明の色むら検査装置は、カラー画像からこのカラー画像における色の出現頻度情報を持つカラーヒストグラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから前記出現頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前記カラー画像における色の不均一部分として検出するとともに、頻度の高い部分を前記カラー画像における色の均一部分として検出し、前記不均一部分に補正係数を掛けて均一部分となるように補正処理することを特徴とする。
この時,均一部分と不均一部分を分ける頻度の閾値をdとし、dより小さい頻度の画素を、その頻度値に応じて濃淡表示したものを頻度特徴検出画像gd(x,y)と呼ぶ。不均一領域は,均一領域よりも色の出現頻度が小さいため、値が閾値dより小さい部分が不均一領域として検出される。不均一領域が複数ある場合は、d値により検出される不均一領域の大きさが変わってくる。
本発明の色むら検査装置の開発に当たり、一実施形態として大型液晶表示装置用途に塗布したカラーフィルタを検査対象(被検査物)とした。また、検査装置は、取付治具交換により、高機能性フィルムや多数の色むらの検出検査対象物に、交換可能な光学機構とした。さらに、カラー画像取得には、検出の光学条件を同一とするため、1次元高精度10bit RGBカラーラインセンサカメラを採用した。このため、1次元ラインセンサーカメラの場合では、素子長を考慮し、視野角依存性の影響の無い範囲でレンズ倍率を定め、視野幅を選定すれば、取付角を含め、光学的同一条件となり評価検査が行えるようになる。
検査装置は、この1次元ラインセンサーカメラを視野幅分X軸Y軸に移動できる機構を備え、光源として、極めて安定なライン型白色蛍光照明を、透過と反射の2系列搭載した。さらに、色むら検査装置として高性能を維持するため、外乱光を遮る暗室構造とした。
そして、RGBカラーヒストグラム空間を、特徴量として使用する際、各特徴空間のレンジが狭いほうが良い結果が出る傾向にあるため、RGBの各バンドを8ビットで処理することを前提に、特徴空間の最適化を行った。
最適化は、カメラの入力を、各色10bitとし、8bitに情報を減ずる際、各色のバランスが取れるように演算を行いながら、特徴空間にデータを受け渡しノイズを除去し、有効色分解能を極力上げて不均一部分を抽出した。
説明した従来法の不均一部分の抽出方法では、前記dの値により抽出される不均一部分の大きさが変わってくる。よって、本実施形態で用いた色むら検出の手順を図1に示す。
前提として、被検査物の均一性が高い場合、むらを検出するためには、照明、カメラを含む、光学系の高い均一性が要求される。
光源には、RGBカメラで撮像を行う場合、その波長成分と合致した出力を持った光源を使用する必要がある。また、可能な限り均一なライン光を出せる光源が必要である。そこで実験を重ねた結果、ライン型蛍光照明が極めて有効であった。
照明および、撮像系の均一性が低い場合には、全くむらの無い均一性の高い被検査物を撮影し、キャリブレーションを行う必要がある。
そこで、1次元カラーラインセンサカメラの素子方向(水平方向)の照明ムラを補正するため、補正係数を乗じて原画像を補正した。この補正係数には照明のムラとレンズの歪みによるムラも同時に含まれる。これらの補正係数の取得は、ムラの無いサンプルを用いて、照明とレンズを同一条件にして検査画像を取得することにより可能となる。あるいは、スキャン方向(垂直方向)に平行にムラが無い画像でも補正係数を得ることは可能となる。具体的には、1次元配列された素子の1ピクセルごとの位置に対して、欠陥のない画像の最高値となるよう係数を掛け算し同一レベルとし、補正係数を算出する。
すなわち、キャリブレーションはdの値を大きくしても不均一領域(部分)が現れないようにRGBのバランスを調整し取得画像を補正する。具体的には取得した画像の各RGB値に画像の位置に応じた係数を乗じる。また、不均一部分を抽出するために検出するむらの種類、人間の感覚特性を考慮してdの値を決定する。そして、この時抽出される不均一部分が多めになるようにdの値を設定する。あるいは、抽出される不均一部分が一定の値、たとえば50%になるようにdの値を設定することもできる(図1のむら検出手順を参照)。
カラーヒストグラム空間を特徴量として用いた検査装置を構成する場合、色むら検査対象とするワークの光学特性を十分考慮した、低ノイズで安定したカラー画像取得ができる光学系を構成することが重要となる。
以下に本検査装置で考慮した光学系の基本事項を示す。
1)偏光特性や視野角依存特性などがある検査対象でも、視野内、視野幅内で、同一光学検査条件とする光学系を構成する。
2)検出の忠実度を上げるため、カメラには、プリズムで分光してRGB各成分をそれぞれのセンサで受けることができるものを使用する。また、RGBの各センサが見ている個所が同一になるように、そのずれが基本的に無いものを使用する。
3)カメラ固有のノイズを極力減らすため可能な限り低ノイズの、ダイナミックレンジの広いカメラを使用する。
4)照明系には、低ノイズで、視野内各所で極めて均一で、安定した明るさとなる照明装置を使用し、これを、複数の検査対象ワークに対応させるため、透過方式と反射方式の2系統を使用できるようにする。
5)検査対象ワークに対するカメラの設置角は、最適なコントラストを得るため変更可能な機構とする。
6)同様に照明系においてもワークに対する照明の設置角は、最適なコントラストを得るため、変更可能な機構とする。
7)画像取得時に動作ノイズが回り込まないようシールドなど十分に配慮する。
8)検査対象ワークの広域の検査を可能とするX軸Y軸が移動できる、大型のスキャナ機構を搭載する。
9)微妙な色むらを安定的に検出するために、検出部を暗箱に収納し、外乱光の影響を避ける機構とする。
以上のように、カラーヒストグラム空間を特徴量としたアルゴリズムで安定した検出が行えるような検査装置となるよう構成した。
図2に示す本実施形態の色むら検査装置の主要構成の各部を以下に説明する。
1)色むら検査装置の画像取得手段には、1次元RGB2048dot各色10bit3CCD型カラーラインセンサを使用した。
1ピクセル10μ素子長20.5mmに対し、分解能10μ〜25μ、視野幅20.5mm〜51mm、ワークディスタンス174mm、倍率0.4〜1.0の高精細マクロレンズを搭載した。1次元型カメラと、このマクロレンズの倍率を適宜組み合わせることで、特に偏光特性や、視野角依存特性がある検査対象ワークであっても1次元視野幅内は、ほぼ同一光学検査条件とすることができる。図3に、視野と視野角の関係を説明する。
3)照明系には、低ノイズで、視野内各所で極めて均一で、安定した明るさとなる白色系蛍光型ライン照明装置を使用し、これを、複数の検査対象に対応させるため、機構下部に透過方式と機構上部に反射方式の2系統を設置し使用できるようにした。
4)画像取得時、最良のコントラストを得るため検査対象に対するカメラの設置角は変更可能な機構とし、同様に照明系においても検査対象に対する照明の設置角が変更可能な機構とした。さらに、画像取得時に動作ノイズが回り込み画像演算に影響を与えないよう電気配線を含む電子機材のシールドなどは十分に配慮した。
5)検査対象ワークの広域の検査を可能とするX軸Y軸が移動できるACサーボ型スキャナ機構を搭載し、本機で検査可能な最大サイズを当面650mmx550mmに設定した。検査可能な最大サイズは必要に応じ、更に大きくする変更をすることは問題はなく容易である。機構下部の透過型ライン型照明は、上部1次元カメラと同期しながら、光軸を合わせ同様に、X軸Y軸が移動できる、ACサーボで駆動する。
スキャン状態を図4に示し、透過照明との同期移動の状態を図5に示す。
6)画像処理演算には、汎用のCPUを機構下部に設置し、これに画像取得のための、画像キャプチャボードを搭載し、X軸、Y軸を初め、機構制御のためのサーボユニット、その他、コントローラを配した。
テスト運用では、液晶用に塗布したガラス基板を使用した。ガラス基板には機構下部から、均一な、白色ライン型蛍光照明を使用した、透過光型光学系を構成し、1次元カラーラインセンサカメラの取付角は最良のコントラストとなるよう調整し、約5°程度光軸より傾けて固定した。図6にRを塗布したガラス基板を撮影した原画像を示す。図6を見ても人間の官能検査では良否判断は難しい。なお、非検査箇所が存在する場合など、dmin値を調整することで、出現頻度が少ない部分、例えば、枠線、印刷文字などは検出対象から除外することもできる。
図6を見ると、中央部に比べて両端の明度が低く、照明の照射ムラがあることが分かる。中央部の水平方向の濃度断面を図7に示す。図7の上段がRで、下段がGである。このまま取得画像を処理すれば、両側の明度の低い部分が不均一部分として抽出され忠実度は失われ不正確となる。図8に原画像のまま処理した場合を示す。これを、n=10、d7000、dmin=1の条件で検査すると図8のようになった。この図8で、白画素が均一領域で、濃度を持つ画素が不均一領域(部分)を示す。
むらがスキャン方向に平行な図12に示すように垂直方向に延出している場合について説明する。いわゆる縦筋の場合である。この場合は、照明むらの補正係数をこの画像自身から取得することはできない。そのため、垂直方向にはむらのない同色のフィルタを同一条件で撮影し、この画像より補正係数を取得する方法を一部採用している。図12用いて検出した画像を図13に示す。
検出結果を見ると両側の明度が低くなっている部分を不均一部分として検出している。また、図13の補正画像を図14に示し、図14より検出した画像を図15に示す。この補正画像は、図12の検査対象ワークを、90°回転させて取得した画像より得た補正係数を用いて作成した。この結果、図13の検出結果よりかなり改善されていることが分かる。
ラインセンサカメラにより取得される画像は、CCD素子、増幅回路、電源回路、制御回路、照明などのノイズを含み、ノイズはCCD固定パターンノイズや電源、クロックなどの影響による周期的なノイズ、熱雑音や照明のゆらぎなどに起因するランダムノイズなどある。
通常、カラーカメラの使用方法は、「色」の判別に使用したり、撮像した色を忠実に表したりする用途に用いられている。本実施形態の色むら検査装置では、1次元カラーラインセンサカメラを使用するが、撮像された画像はRGBのバランスをとり、基本的に、グレーに見えるよう撮像する。この情報から特徴空間を用いて解析することで、欠陥を抽出できるような処理を行う。特徴空間による処理は、カラー画像でありながら、極めて高速に検査が行える。特徴空間を使用する際には、各特徴空間のレンジが狭いほうが良い結果が期待できる。本装置では、RGBの各バンドを8ビットで処理することを前提とし、特徴空間の最適化を行った。特徴空間における解析は、RGB成分をベクトルとして扱うため、8ビットで飽和しないように解析を行う必要があり、撮像する輝度レベルはRGB各バンドで128になるように撮像時調整を行っている。
しかし、カラーフィルタの場合では、RGB成分がすべて128の値を示すのは困難である。カラーフィルタ本来の目的はその色しか通さないためである。そこで、検査対象ワークそのものの色は、フィルタで透過量を落とす。ただし、フィルタそのものの色だけを都合の良い明るさに落としてくれるフィルタは簡単には作れない。
そこで、ある程度まで既存のフィルタで光量を調整し、カメラからの入力には10bitを用い、8bitに情報を減らす際、各バンドのバランスが取れるように演算を行い、特徴空間にデータを入れる処置を施した。図18に、青フィルタを計測する場合に緑成分が不足した場合を示す。右側に示したかっこの範囲のみを計算に使用する。
この条件を満たすためには次の用件を満たすハードウェアで構成する必要がある。カメラには、プリズムで分光してRGB各成分をそれぞれのセンサで受けることができる、3CCD型1次元カラーラインセンサカメラを使用する。またRGBの各センサが見ている個所が同一位置、同列になるよう、各センサピクセルのずれが、1dot以内に精密に調整した。
以下に本発明の色むら検査装置によって検出された、微妙なむらの検出画像を、図19〜図21に示す。図19(b)、)(d)、図20の下、図21の下の画像が本実施形態の検査装置で処理を行った画像であり、むらがはっきりと認識できる。
特に、液晶用ガラスパネルの塗布を対象として、人間のむらの官能における明度差と、大きさに対する知覚特性を基に、不均一部分の抽出と、色むらの検査を行うために効果的である。
さらに、不均一部分抽出アルゴリズムは、種々の色むらに対して有効で、例え、テクスチャ成分があるものにも適用ができる。
Claims (3)
- 色むら検査装置において、スキャン方向と直角に1次元配列された各素子からスキャンして得られる標準画像からの情報を実値とし、得られた実値の最高値と同一となるように、各実値に掛ける補正係数を各素子ごとに算出し、
検査対象から得られた画像情報において、同位置の素子から得られる実値に対して、標準画像から算出した同位置の素子の該補正係数を、各素子ごとに演算処理して補正することを特徴とする色むら検査装置。 - 検査対象からの入力光をフィルタを介在させてカメラに入力する光量を調整するとともに、
カメラからの入力に10bitを用いた後、8bitに情報を減らした特徴空間を形成する処理をし、該特徴空間において前記補正係数を各素子ごとに算出することを特徴とする請求項1に記載の色むら検査装置。 - カラー画像からこのカラー画像における色の出現頻度情報を持つカラーヒストグラムを作成し、得られたカラーヒストグラムから前記出現頻度情報を抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前記カラー画像における色の不均一部分として検出するとともに、頻度の高い部分を前記カラー画像における色の均一部分として検出し、
前記不均一部分に補正係数を掛けて均一部分となるように補正処理することを特徴とする色むら検査装置。
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