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JP2008028207A - メスねじ部が凸設された平板状の金属製シャーシを有する電子機器 - Google Patents

メスねじ部が凸設された平板状の金属製シャーシを有する電子機器 Download PDF

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JP2008028207A JP2006200095A JP2006200095A JP2008028207A JP 2008028207 A JP2008028207 A JP 2008028207A JP 2006200095 A JP2006200095 A JP 2006200095A JP 2006200095 A JP2006200095 A JP 2006200095A JP 2008028207 A JP2008028207 A JP 2008028207A
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Abstract

【課題】電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつその機械的強度を満足すべきものとする。特に、プリント基板を配置する電子機器において、薄型化、軽量化のメリットを損うことなしに構造強化を図るとともに、プリント基板を金属製シャーシにねじ止固定することを可能にするため、構造強化のための部材をできるだけ小さなものとし、かつ必要最小限の位置に取り付ければ済むようにするとの要求を満足する構造を提供するとともに、プリント基板の固定といった構造強化以外の機能をも兼ねる構造の電子機器を提供する。
【解決手段】薄型電子機器筐体と前記薄型電子機器筐体内部に配置され構造部材として機能するとともに、メスねじを刻設し主面上に凸設されるメスねじ部0702を有する平板状の金属製シャーシ0700と、金属製シャーシに対してメスねじ部を利用してねじ止固定されるプリント基板0703とからなる電子機器などを提供する。
【選択図】図7

Description

本発明は、薄型電子機器の機械的強度を保持する構造に関する。
従来、電子機器の機械的強度は筐体を構造部材として機能させることで確保していた。すなわち、筐体自身が機械的強度を有することで電子機器の形状を保持し、内部の電子部品を押圧や衝撃、ねじれ等の外力から保護していた。しかし、近年、電子機器の薄型化や軽量化に伴って筐体の一層の薄肉化が求められるようになり、筐体の機械的強度を低くせざるを得なくなっている。その結果、電子機器の機械的強度を確保するという目的を達成することがますます困難となってきている。この傾向は特に携帯型・可搬型電子機器で顕著である。一方で、当該電子機器は、落下、圧迫、打撃等の外力の影響を受け易いため、耐衝撃性等の機械的強度は必須の要素となっている。このような相反する問題の解決を目的として、以下のような発明が知られている。
特許文献1は、液晶パネル、反射板とランプを支持するダイキャストフレームを設けることで、液晶表示装置全体の軽量化を図る発明である。
特許文献2は、背面筐体の平面部に溝又は段差を複数設け、かつ、溝又は段差の間隔を従来に比べ狭くするとともにそこに形成される空間に表示装置の制御回路基板を配置することで、外力に強く、液晶表示装置と背面筐体との間に配置されたインバータなどの制御回路基板や液晶表示装置内にある部品を保護することが可能な表示装置構造を提供する発明である。
特許文献3は、略矩形状の平面部を有する筐体を溶融による金属成型品とし、成型時に1辺側の湯口から対抗する他辺に向かって溶融金属の湯流れ方向に対し略平行な段差を設け、平面部の中央部を凸状に隆起させるようにすることで、筐体の肉厚を薄くし、かつ、金属成型部品作成時の成形性を悪化させることなく、外力に対して高い耐久力を有し、より軽量な携帯型情報処理装置を提供する発明である。
特開2004−334299号公報 特開2004−325844号公報 特開2003−204174号公報
しかし、上記発明は液晶表示装置の液晶表示部のみの機械的強度を高める技術、あるいは筐体の機械的強度を高める技術である。また、内部の電子部品は、筐体に直接、若しくは他の電子部品を介して間接的に固定されている。すなわち、いずれの技術も依然、筐体が電子機器全体における構造部材として中心的な機能を果たしていることに変わりはない。したがって、電子機器の薄型化、軽量化を達成するために、機械的強度を保持したままで筐体を薄肉化させるには限界があった。
そこで、本件発明の解決すべき課題は、電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつ、電子機器全体の機械的強度を満足すべきものにする構造の電子機器を提供することにある。特に、プリント基板を配置する電子機器にあっては、プリント基板を金属製シャーシにねじ等で固定する必要があるが、薄型の電子機器の場合、金属製シャーシも薄いものとなるため、そこにメスねじを刻設することは困難である。一方、メスねじを刻設することを優先して金属製シャーシ全体を厚くした場合、構造強化には資するものの、電子機器の厚みも増し、重量も増加してしまうため、電子機器の薄型化、軽量化の要請には反することとなる。そこで、電子機器の薄型化、軽量化のメリットを損うことなしに構造強化を図るとともにプリント基板を金属製シャーシにねじ止固定することを可能にするため、構造強化のための部材をできるだけ小さなものとし、かつ必要最小限の位置に取り付ければ済むようにするとの要求を満足する構造を提供するとともに、プリント基板の固定といった構造強化以外の機能をも兼ねる構造の電子機器を提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明のうち、請求項1に記載の発明は、薄型電子機器筐体と、前記薄型電子機器筐体内部に配置され構造部材として機能するとともに、メスねじを刻設し主面上に凸設されるメスねじ部を有する平板状の金属製シャーシと、前記金属製シャーシに対して前記メスねじ部を利用してねじ止固定されるプリント基板とからなる電子機器を提供する。また、請求項2に記載の発明は、前記メスねじ部は、金属製シャーシの主面央部領域に凸設されている請求項1に記載の電子機器を提供する。また、請求項3に記載の発明は、前記メスねじ部は、金属製シャーシ主面の外周部に凸設されている請求項1又は2に記載の電子機器を提供する。また、請求項4に記載の発明は、前記メスねじ部は、金属製シャーシの表裏面に凸設されている請求項1から3のいずれか一に記載の電子機器を提供する。また、請求項5に記載の発明は、前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造壁を有し、前記メスねじ部は、辺構造壁を利用して形成された請求項3に記載の電子機器を提供する。また、請求項6に記載の発明は、前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の角の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める角構造突起を有し、前記メスねじ部は、角構造突起を利用して形成された請求項3又は5に記載の電子機器を提供する。また、請求項7に記載の発明は、前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造突起を有し、前記メスねじ部は、辺構造突起に配置された請求項3、5又は6に記載の電子機器を提供する。また、請求項8に記載の発明は、前記プリント基板に代えて、プリント基板以外の電子部品又は、前記プリント基板とともにプリント基板以外の電子部品を前記メスねじ部を利用してねじ止め固定した請求項1から7のいずれか一に記載の電子機器を提供する。
本発明により、電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつ、電子機器全体の機械的強度を満足すべきものにする構造の電子機器を提供することが可能となる。特に、電子機器の薄型化、軽量化のメリットを損なわないような、構造強化のための部材をできるだけ小さなものとし、かつ必要最小限の位置に取り付ければ済むようにするとの要求を満足する構造を提供するとともに、プリント基板の固定といった構造強化以外の機能をも兼ねる構造の電子機器を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項2、請求項3、請求項4などに関し、実施例2は主に請求項5、請求項6、請求項7などに関し、実施例3は主に請求項8などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
<概要>
本実施例の電子機器は、薄型電子機器筐体と、その内部に配置される平板状の金属製シャーシと、プリント基板とからなるが、金属製シャーシは、メスねじを刻設し主面上に凸設されるメスねじ部を有し、プリント基板は、金属製シャーシに対してメスねじ部を利用してねじ止固定される点に特徴を有する。つまり、本実施例は、この辺構造突起又はこれに加え辺構造壁によって、電子機器の薄型化、軽量化のメリットを損なわずに、小さなかつ必要最小限の位置に取り付ければ済む部材を提供し、これにより電子機器全体の構造強化を図るものである。
<構成>
(構成の概要)
図1は、本実施例の電子機器(0100)の一例を示す。「電子機器」とは、プリント基板等の電子部品を筐体内部に配置した装置をいう。例えば、ディスプレイ装置、ハードディスク、ノートパソコン、UMPC(Ultra−Mobile PC)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、ポータブルプレーヤー、デジタルカメラ、電子辞書、電子ブック、ICレコーダー、スピーカー、腕時計などが挙げられる。本図の電子機器は可搬性薄型液晶ディスプレイ装置の例である。
図2、図3は、本実施例の電子機器の構成を説明するため、図1で示した電子機器を分解したときの前面斜視分解図(図2)と、背面斜視分解図(図3)をそれぞれ示す。これらの分解図で示すように、本発明の電子機器(0200、0300)は、薄型電子機器筐体(0201、0301)と、この薄型電子機器筐体の内部に配置される金属製シャーシ(0202、0302)とからなる。また、本図の電子機器の例では、金属製シャーシは電子部品である液晶ディスプレイユニット(0203、0303)、基板(0204、0304)、バッテリーケース(0205、0305)等をその両面に配置し、固定している。
(構成要素の説明(1)薄型電子機器筐体)
「薄型電子機器筐体」とは、電子部品を内部に収納する薄型の箱体である。「電子部品」とは、基板、ディスプレイユニット、スピーカーの電子関連部品に限らず、バッテリーケース、端子等、電子機器の機能上必要となる主要な内部部品を指す。また、ここでいう「薄型」とは、筐体の縦横高比によって定まる概念である。すなわち、筐体の縦、横、高さの比をそれぞれa、b、cとするとき、a>c、かつ、b>cの関係にある電子機器筐体が薄型電子機器筐体に該当する。このとき高さcが薄型電子機器筐体の厚さに相当する。当該厚さサイズは薄型電子機器筐体のサイズや電子機器の種類によって異なる。一般的には大型電子機器筐体ほど当該厚さサイズは大きくなる。例えば、ディスプレイ装置等の大中型電子機器の筐体であれば厚さサイズが1cm以上15cm以下、ノートパソコンのような中型の器電子機の筐体であれば厚さサイズが5mm以上4cm以下、また、携帯電話、ポータブルプレーヤー、デジタルカメラなどの小型電子機器の筐体であれば厚さサイズが2mm以上1.5cm以下、の場合がここでいう「薄型」に該当する。より具体的な一例を挙げれば、電子機器筐体の縦サイズが10cmから20cmの範囲内、及び横サイズが20cmから40cmの範囲内にあるとき、その厚さサイズが8mmから2cmの範囲内にあるものは、薄型電子機器筐体として挙げることができる。
なお、本発明の薄型電子機器筐体は、電子機器における構造部材としての機能を必ずしも有さずともよい。また、基板やディスプレイパネルなどの電子部品を配置する必要もない。これは、後述する金属製シャーシが従来の筐体に代わる機能を有しているためである。
(構成要素の説明(2)金属製シャーシ)
「金属製シャーシ」とは、本実施例の電子機器において構造部材として機能する最も重要な部材であって、前記薄型電子機器筐体の内部に配置されるように構成されている。「構造部材」とは、外力による電子機器の全部又は一部の変形、破壊を阻止することを目的として配置される部材である。また、電子機器に対して外部から加えられる曲げモーメント、衝撃、せん断力に対して低い変形能を有する単一の部材である。本実施例における電子機器において構造部材は複数存在していてもよいが、その場合、当該金属製シャーシは前記外力に対して構造部材中最も低い変形能を有する。したがって、薄型化、軽量化の観点から本発明の電子機器において最も好ましい形は、樹脂製の薄型電子機器筐体内に一の金属製シャーシが配置され、当該金属製シャーシに支持されるようにその両面に電子部品が配置されていることである。
金属製シャーシの素材は、一定の形状を保持可能な剛性を有する金属であればよい。好ましくは、アルミニウム、チタン、又はマグネシウムのいずれか一以上を含む軽量合金製である。これらの金属は、いずれも比重が小さいことから電子機器の軽量化という本発明の目的に資するためである。金属製シャーシの素材として金属が好ましい理由は、金属は熱伝導性が高いことから筐体内部で発生した熱を拡散させやすいこと、電磁波のシールド効果を有すること、リサイクルが可能なこと等の理由による。ただし、本発明の金属製シャーシにおいて最も重要な機能は、電子機器に曲げ、ねじれ、衝撃などの外力に対して抵抗できる機械的強度を付与し、外力による当該電子機器の全部、又は一部の変形や破壊を阻止することである。したがって、金属製シャーシは当該機能を有する素材であれば金属以外であっても構わない。当該金属以外の素材としては、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)、構造用ファインセラミックス等が挙げられる。金属製シャーシは、自身の剛性を高める目的や他部材を配置する必要性から、シャーシ平面にエンボス加工や突出部等の凹凸を有していてもよい。ただし、当該凹凸を有する場合であっても、全体として平板上であることが好ましい。
金属製シャーシは、薄型電子機器筐体の内部に配置されるため、通常電子機器の組立後には外部から視認できない。ただし、筐体に設けられた孔若しくは前部・後部筐体の接合部等から、その一部が露呈していても構わない。
この金属製シャーシによって、電子機器全体の機械的強度を確保しながら、従来の電気機器に最低限必要とされていた筐体の機械的強度をさらに低下することが可能となる。つまり、薄型電子機器筐体の肉厚を一層削減することができるため、電子機器のさらなる薄型化、軽量化が可能となる。
(構成要素の説明(3)メスねじ部)
次に、本発明の最大の特徴であるメスねじ部を利用したプリント基板のねじ止固定の構成について説明する。
図4は金属製シャーシの一例として、図2、図3に示したもの(0202、0302)と同じものであって、これらの図の右側に現われる面を上面として示した斜視全体図である。本図に示すように、金属製シャーシ(0400)は、主面(0401)上に凸設されるメスねじ部(0402)を有する。メスねじ部にはメスねじが刻設され、プリント基板は、金属製シャーシに対してメスねじ部を利用してねじ止固定される。図5は、図4の金属製シャーシにプリント基板がねじ止固定された状態の一例を示す。本図において、(0501)は金属製シャーシ(0500)の主面、(0503)(斜線で示す)はプリント基板である。また、(0504)はねじ(オスねじ)であり、図4に示したメスねじ部の位置でプリント基板(0503)が金属製シャーシ(0500)に対してねじ止固定されている状態が示されている。また、図6は図5の線X1−X1´で垂直方向に切断したときに概ね矢印Y方向(厳密にはやや上方)から見た断面図である。また、図7は図6のうち破線円(0604a)で囲んだ領域の拡大断面図であり、横線部分(0704a)はオスねじ(0704)の断面、左上がり斜線部分(0703a)はプリント基板(0703)の断面、右上がり斜線部分(0700a)はメスねじ部(0702)を含む平板状の金属製シャーシ(0700)の断面を示す。なお、オスねじ及びメスねじ部のねじ山は本図では便宜上省略して描かれている(以下、後述する角構造突起、辺構造突起の図示を含め同様である)。
「凸設」とは、金属製シャーシ主面上に凸形状にて設置されている状態をいい、メスねじ部の高さは図7に示すようにプリント基板の厚みとほぼ同程度であることが望ましい。これは、同図に示すようにプリント基板に穿たれた穴にメスねじ部が挿入されてねじ止固定されるため、メスねじ部の高さをプリント基板の厚みとほぼ同程度とすることで、プリント基板を金属製シャーシ主面に密着させて安定的に固定することができるためである。
図8は、金属製シャーシ主面上に凸設されたメスねじ部の別の一例を示す。本図のメスねじ部(0802)は、図4で破線円(0402a)で囲んだメスねじ部(0402)を拡大して示したものであり、その形状は、図6、7で示したメスねじ部が円筒形状であるのと異なり、円筒形状のメスねじ部本体部分(0802a)の横に略直方体形状の部分(0802b)が付加され、さらに当該直方体部分のメスねじ部本体部分とは反対側の端の上面に突起状部分(0802c)を有する。また、図9は、図5の線X2−X2´で垂直方向に切断したときに概ね矢印Y方向(やや上方)から見た断面図のうち、破線円(0504a)領域のみを拡大して示したものである。即ち、本図は図4で破線円(0402a)で示したメスねじ部(0402)を利用してプリント基板を平板状の金属製シャーシに固定する例を示すものである。この例は、平板状の金属製シャーシ(0900)の一部に設けられた突起状部分(0900b)をプリント基板(0903)に穿たれた穴(0903a)に挿入することで、プリント基板をより安定的に固定することを目的としたものである。
以上の例は、メスねじ部が金属製シャーシの主面央部領域に凸設されている例で説明したが、本実施例の電子機器は、メスねじ部が金属製シャーシ主面の外周部に凸設されているものであってもよい。その具体的構成は、メスねじ部が金属製シャーシの主面央部領域に凸設されている場合と同様である。
さらに、本実施例の電子機器は、メスねじ部は、金属製シャーシの表裏面に凸設されているものであってもよい。かかる構成は、プリント基板が平板状の金属製シャーシの両面に配置される場合に、これらを固定するために用いられる。図10は、このような表裏面に凸設されたメスねじ部の一例を示す断面図である。なお、本図では、金属製シャーシ(1000)の表裏両面に凸設されたメスねじ部(1002)が平面図上で重なる位置にある例を示したが、必ずしも重なる位置に設ける必要はなく、メスねじ部の配置位置は、構造強化上の観点、プリント基板(1003)の表裏それぞれにおける配置位置等に照らした当業者の適宜の設計事項である。
<効果>
本実施例の発明により、電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつ、電子機器全体の機械的強度を満足すべきものにする構造の電子機器を提供することが可能となる。特に、電子機器の薄型化、軽量化のメリットを損なわないような、構造強化のための部材をできるだけ小さなものとし、かつ必要最小限の位置に取り付ければ済むようにするとの要求を満足する構造を提供するとともに、構造強化以外の機能をも兼ねる構造の電子機器を提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の電子機器は、実施例1の電子機器と基本的に共通する。ただし、本実施例においては、金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部又は角に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造壁、角構造突起又は辺構造突起を有し、メスねじ部は、これら辺構造壁等を利用して形成された点に特徴を有する。つまり、本実施例は、これら構造強化部材である辺構造壁等を利用することにより、プリント基板の固定のために固有の部材を必要とせず、これにより部材を節約して電子機器の薄型化、軽量化のメリットを損なわずに、小さなかつ必要最小限の位置に取り付ければ済む部材を提供し、これにより電子機器全体の構造強化を図るものである。
<構成>
(構成の概要)
本実施例の電子機器の構成は、実施例1の電子機器と基本的に共通する。ただし、本実施例においては、金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部又は角に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造壁、角構造突起又は辺構造突起を有し、メスねじ部は、これら辺構造壁等を利用して形成された点に特徴を有する。以下これらの具体的構成について順次説明する。
(構成要素の説明(1)辺構造壁)
本実施例の金属製シャーシは、辺構造壁を有する。「辺構造壁」は、シャーシ平面部の外周部の全部又は一部に配置されるもので、これを配置する目的はシャーシ平面部の剛性を高めることにある。
辺構造壁は、後述する辺構造突起(やはり外周部の辺上に配置される)とは、外周部の辺上に占める寸法、配置場所により区別される。即ち、辺構造壁は外周部の辺上に占める長さが辺構造突起より長く、外周部の全部に配置されてもよい(従って角を含んでもよい)。このように外周部上においてある程度の長さを占める結果、側面にある程度の面積を有する(平たく言えばいわゆる「壁」を有する)。一方、高さについては辺構造壁は金属製シャーシの厚さからくる制約がある(後述するようにこの点は辺構造突起も同様である)。外周部の辺上に占める寸法の一例を、前述の電子機器筐体の縦サイズが10cmから20cmの範囲内、横サイズが20cmから40cmの範囲内、厚さサイズが8mmから2cmの範囲内にある薄型電子機器筐体の例に即して言えば、辺構造突起にあっては3cm以下、辺構造壁にあっては3cm超(外周部全部を占めてもよい)である場合が挙げられる。このように辺構造壁は一つの壁が外周部全体に配置されてもよく、外周部の「全部」に配置されるとはかかる場合を指す趣旨である。前出の図5において、(0505)で示すものが辺構造壁の一例であり、0506で示すものが角構造突起の一例であり、(0507)で示すものが辺構造突起の一例である。
図11は、辺構造壁(1105)を利用して形成されたメスねじ部(1102)の一例を示す。具体的には、辺構造壁の内側の側面の一部に略直方体の突起部分(1105a)が付設されており、その略直方体部分の先端にメスねじ部(1102)が形成されている。本図では、プリント基板(1103)に穿たれた穴(1103a)にメスねじ部の円筒形の突起部分が挿入されて、ねじ止固定されている状態が示されている。ただし、既述のようにメスねじ部を表示するために便宜上オスねじの記載は省略されている。実際にはオスねじがメスねじ部に刻設されたメスねじに嵌合されてプリント基板が固定されている状態になっており、実際の外観は本図右下に示すオスねじ(1104)が嵌合されてプリント基板が固定されているのと同じ外観となる。
図12は、この状態をより詳細に説明するため、図11の線X2‐X2´(辺構造壁の上面に接する線)で垂直方向に切断したときに概ね矢印Y方向(やや上方)から見た断面図である。横線部分(1204a)はオスねじ(1204)の断面、左上がり斜線部分(1203a)はプリント基板(1203)の断面、右上がり斜線部分(1200a)はメスねじ部(1202)を含む平板状の金属製シャーシ(1200)の断面を示す。本図に示すように、プリント基板は、金属製シャーシに対してメスねじが刻設されたメスねじ部を利用してねじ止固定される。辺構造壁の具体的形状、メスねじ部の具体的形状等は当業者の適宜の設計事項である。その余の構成は、実施例1で述べたところと同様である。
(構成要素の説明(2)角構造突起)
本実施例の金属製シャーシは、角構造突起を有する。「角構造突起」は、シャーシ平面部の角の全部又は一部に配置されるもので、これを配置する目的もシャーシ平面部の剛性を高めることにある。
角構造突起は、辺構造突起とは寸法の範囲は共通するが、両者は配置場所によって区別される。即ち、辺構造突起は角を含まない位置に配置されるのに対し、角構造突起は角を含む位置に配置されるものを指す。
図13は、角構造突起(1306)を利用して形成されたメスねじ部(1302)の一例を示す。本例のメスねじ部の具体的形状、プリント基板の具体的固定要領は、辺構造壁について示した例とほぼ同様である。また、図14は、この状態をより詳細に説明するため、図13の線X2‐X2´(角構造突起の上面に接する線)で垂直方向に切断したときに概ね矢印Y方向(やや上方)から見た断面図である。横線部分(1404a)はオスねじ(1404)の断面、左上がり斜線部分(1403a)はプリント基板(1403)の断面、右上がり斜線部分(1400a)はメスねじ部(1402)を含む平板状の金属製シャーシ(1400)の断面を示す。本図に示すように、本例のメスねじ部の具体的形状、プリント基板の具体的固定要領は、辺構造壁について示した例とほぼ同様ではあるが、辺構造壁の例と異なり、角構造突起に付設された略直方体の突起部分がなく、プリント基板(1403)は平板状の金属製シャーシ(1400)に直に接着するように固定されている。この結果、角構造突起(1406)とメスねじ部(1402)は一体でない別部材であり、メスねじ部が角構造突起を利用して形成されていないようにも見える。しかし、辺構造壁について前に示した例と異なり、プリント基板は、角構造突起の側面に直接接する形で固定されており、この結果、プリント基板の安定的な固定が実現されている。このように、本実施例にいう「メスねじ部は、角構造突起を利用して形成され(ている)」とは、必ずしもメスねじ部が角構造突起と構造的に一体をなすものとして形成されている必要はなく、プリント基板を角構造突起を利用して固定できるような位置にメスねじ部が形成されている場合を含む概念である。これは、辺構造壁及び次に述べる辺構造突起についても同様である。その余の構成は、実施例1で述べたところと同様である。
(構成要素の説明(3)辺構造突起)
本実施例の金属製シャーシは、辺構造突起を有する。「辺構造突起」は、シャーシ平面部の角の全体又は一部に配置されるもので、これを配置する目的もシャーシ平面部の剛性を高めることにある。角構造突起の、辺構造壁、辺構造突起との違いは既に述べたとおりである。
図15は、辺構造突起(1507)を利用して形成されたメスねじ部(1502)の一例を示す。本例のメスねじ部の具体的形状、プリント基板(1503)の具体的固定要領は、角構造突起について示した例と同様である。また、図16は、この状態をより詳細に説明するため、図15の線X4‐X4´(辺構造突起の上面に接する線)で垂直方向に切断したときに概ね矢印Y´方向(やや上方)から見た断面図である。横線部分(1604a)はオスねじ(1604)の断面、左上がり斜線部分(1603a)はプリント基板(1603)の断面、右上がり斜線部分(1600a)はメスねじ部(1602)を含む平板状の金属製シャーシの断面を示す。その余の構成は、実施例1で述べたところと同様である。
(構成の目的)
このように、本実施例のメスねじ部を、シャーシ平面部の外周部又は角に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造壁、角構造突起又は辺構造突起を利用して形成するのは、主面上に凸設されるメスねじ部を利用してプリント基板をねじ止固定することで、シャーシ平面の剛性を高めるという実施例1と同様の目的に加え、さらに本来同じ剛性強化目的で設置される辺構造壁をメスねじ部の形成にも利用することで、剛性強化のための部材を節約し、もって電子機器のさらなる薄型化・軽量化に資することにある。
<効果>
本実施例の発明により、電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつ、電子機器全体の機械的強度を満足すべきものにする構造の電子機器を提供することが可能となる。特に、本来同じ剛性強化目的で設置される辺構造壁をメスねじ部の形成にも利用することで、剛性強化のための部材を節約し、もって電子機器のさらなる薄型化・軽量化を図ることが可能になる。
<概要>
本実施例の電子機器は、基本的に実施例1又は2の電子機器と共通するが、プリント基板に代えて、プリント基板以外の電子部品又は、プリント基板とともにプリント基板以外の電子部品を前記メスねじ部を利用してねじ止め固定する点に特徴を有する。
<構成>
(構成の概要・目的)
本実施例の電子機器の構成は、実施例1又は2の電子機器と基本的に共通する。ただし、本実施例の電子機器は、プリント基板に代えて、プリント基板以外の電子部品又は、プリント基板とともにプリント基板以外の電子部品を前記メスねじ部を利用してねじ止固定するように構成されている。これは、プリント基板以外にも、かかるねじ止によりシャーシ平面部に固定することが可能な電子部品があり得るので、かかる電子部品を、プリント基板に代えて、又はプリント基板とともにねじ止固定することで、プリント基板以外の電子部品も同様の構成により保護し、もって電子機器の剛性強化に資することを目的とする。よって、ここでいう電子部品は、ねじ止可能なものであれば何でもよく、実施例1で定義したものが広く含まれる。
図17は、プリント基板以外の電子部品がメスねじ部を利用してねじ止固定されている一例を、バッテリーケースの例で示したものである。本図はシャーシ平面(1700)とバッテリーケース(1708)を分離した状態で示したものである。本図に示すように、シャーシ平面部にはメスねじ部(1702)が設けられ、バッテリーケースに穿たれた穴(1704)を通してオスねじ(1704)が挿入されて、バーテリーケースがシャーシ平面にねじ止固定される構造になっている。その余の構成は実施例1又は2と同様である。
<効果>
本実施例により、電子機器の薄型化、軽量化を実現しつつ、電子機器全体の機械的強度を満足すべきものにする構造の電子機器を提供することが可能となる。特に、プリント基板以外のねじ止によりシャーシ平面部に固定することが可能な電子部品についても、これをプリント基板に代えて又はプリント基板とともにねじ止固定することで、プリント基板以外の電子部品も同様の構成により保護し、もって電子機器の剛性強化を図ることが可能となる。
実施例1の電子機器の一例を示す図 実施例1の電子機器の一例である可搬性薄型液晶ディスプレイ装置の前面斜視分解図 実施例1の電子機器の一例である可搬性薄型液晶ディスプレイ装置の背面斜視分解図 実施例1の電子機器の金属製シャーシの一例を示す斜視全体図 実施例1の電子機器の金属製シャーシにプリント基板がねじ止固定された状態の一例を示す図 実施例1の電子機器の金属製シャーシの一例の垂直断面図 実施例1の電子機器の金属製シャーシ主面上に凸設されたメスねじ部の一例を示す拡大断面図 実施例1の電子機器の金属製シャーシ主面上に凸設されたメスねじ部の一例を示す図 実施例1の電子機器の金属製シャーシ主面上に凸設されたメスねじ部の一例を示す拡大断面図 実施例1の電子機器の金属製シャーシの表裏面に凸設されたメスねじ部の一例を示す図 実施例2の辺構造壁を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す図 実施例2の辺構造壁を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す断面図 実施例2の角構造突起を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す図 実施例2の角構造突起を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す断面図 実施例2の辺構造突起を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す図 実施例2の辺構造突起を利用して形成されたメスねじ部の一例を示す断面図 実施例3の電子機器のプリント基板以外の電子部品がメスねじ部を利用してねじ止固定されている一例を示す図
符号の説明
0100 電子機器
0201 薄型電子機器筐体
0202 金属製シャーシ
0700 平板状の金属製シャーシ
0700a 平板状の金属製シャーシの断面
0702 メスねじ部
0703 プリント基板
0704 オスねじ
0704a オスねじの断面

Claims (8)

  1. 薄型電子機器筐体と
    前記薄型電子機器筐体内部に配置され構造部材として機能するとともに、メスねじを刻設し主面上に凸設されるメスねじ部を有する平板状の金属製シャーシと、
    前記金属製シャーシに対して前記メスねじ部を利用してねじ止固定されるプリント基板と、
    からなる電子機器。
  2. 前記メスねじ部は、金属製シャーシの主面央部領域に凸設されている請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記メスねじ部は、金属製シャーシ主面の外周部に凸設されている請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記メスねじ部は、金属製シャーシの表裏面に凸設されている請求項1から3のいずれか一に記載の電子機器。
  5. 前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造壁を有し、前記メスねじ部は、辺構造壁を利用して形成された請求項3に記載の電子機器。
  6. 前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の角の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める角構造突起を有し、前記メスねじ部は、角構造突起を利用して形成された請求項3又は5に記載の電子機器。
  7. 前記金属製シャーシは、さらにシャーシ平面部の外周部の全部又は一部に配置されてシャーシ平面の剛性を高める辺構造突起を有し、前記メスねじ部は、辺構造突起に配置された請求項3、5又は6に記載の電子機器。
  8. 前記プリント基板に代えて、プリント基板以外の電子部品又は、前記プリント基板とともにプリント基板以外の電子部品を前記メスねじ部を利用してねじ止め固定した請求項1から7のいずれか一に記載の電子機器。
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