JP2008016501A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 1つの熱処理装置において複数種類の成膜処理を行う場合に、各成膜処理に対応する温度領域に関わらず、高精度でかつ制御性能が高い温度制御を行うことができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】 基板の処理を行う処理室と、該処理室を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御するための制御パラメータとして、予め基準温度に対する制御パラメータを記憶すると共に、複数の異なる温度領域とそれら温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率を記憶し、新たな目標値が取得された場合に、該取得された目標値が属する温度領域の温度上昇率と前記基準温度の温度上昇率とに基づいて、前記基準温度に対する制御パラメータから前記目標値に対する制御パラメータを算出し前記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板の処理を行う処理室と、該処理室を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御するための制御パラメータとして、予め基準温度に対する制御パラメータを記憶すると共に、複数の異なる温度領域とそれら温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率を記憶し、新たな目標値が取得された場合に、該取得された目標値が属する温度領域の温度上昇率と前記基準温度の温度上昇率とに基づいて、前記基準温度に対する制御パラメータから前記目標値に対する制御パラメータを算出し前記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば拡散装置やCVD装置など、半導体製造装置における半導体ウェハをバッチ処理する熱処理装置に関するものである。
縦型拡散装置や縦型CVD装置など、多数のウェハを処理する基板処理装置では、炉内、特に熱処理する半導体ウェハが置かれる領域の温度を均一に精度良く制御する必要がある。
対象とする熱処理装置の構成は、例えば、図4のように、ボート9に縦列に載せた多数のウェハ1を熱処理するための反応管(処理室)2と反応管2を周囲から熱するヒータ(加熱手段)3a,3b,3c,3d(総称して3とする)と、ヒータ3の周囲の温度を計測する第1の温度センサ4a,4b,4c,4d(添え字a〜dはヒータ3のそれらと対応しており、総称して4とする)と、炉内すなわち反応管2の内部のウェハ1が置かれる領域の温度を計測する第2の温度センサ(温度検出手段)5a〜5d(添え字a〜dはヒータ3と対応しており、総称して5とする)と、各温度センサの目標温度を設定する温度設定部6と、第1の温度センサ4と第2の温度センサ5の温度と温度設定部6の目標温度からヒータ3が出力すべき電力を個別に指示する温度コントローラ(加熱制御手段)7と、温度コントローラ7の制御出力に従って、ヒータ3へ電力を供給する電力制御部8とで構成される。
さらに、ボート9は炉口キャップ10に設置されている。炉口キャップ10は図示しない昇降エレベータによって上下に移動することができ、上への移動によってボート9に載せられている多数のウェハ1を炉内へ投入しつつ反応管2の下部を閉塞する。また、下への移動によってボート9に載せられている多数のウェハ1を引き出すことができる。炉内は通常、反応管2内部の空間を示すが、装置によっては、反応管2とヒータ3の間に均熱管があり、第2の温度センサ5が反応管2と均熱管の間にあることもあり、その場合は均熱管内部を炉内とすることもある。
次に、図8を用いて熱処理装置で行われる成膜処理の一例について説明する。図8は熱処理装置で行われる成膜処理のうち温度に関する処理の一例について、左側にフローチャートを示し、右側に炉内の温度変化の概略図を示したものである。温度変化概略図に付されている記号はフローチャートの中の同一処理が行われていることを示す。
ステップS101は、炉内の温度を比較的低い温度T0に維持及び安定させる処理である。ステップS101では、ボート9はまだ炉内へ投入されていない。ステップS102は、ウェハ1を保持しているボート9を炉内へ投入する処理である。ウェハ1の温度はこの時点で炉内の温度T0より低いために、ボート9を炉内へ投入した結果、炉内の温度は一時的にT0より低い温度になる。しかし、温度コントローラ7による適切な制御方法と電力制御部8による電力供給手段によって、炉内はある程度の時間を経て再びT0に安定する。
ステップS103は、T0から成膜処理を施すための温度T1まで徐々に炉内の温度を上昇させる処理である。ステップS104はウェハ1に成膜処理を施すために炉内の温度をT1に維持および安定させる処理である。ステップS105は、T1から再びT0まで徐々に炉内の温度を下降させる処理である。ステップS106は成膜処理が施されたウェハ1を保持しているボート9を炉内から引き出す処理である。成膜処理すべきウェハ1が残っている場合は、再びステップS101へ戻り、ステップS101と同時にボート9に保持されている成膜処理済みのウェハ1を未処理のものと交換した後、同じ手順を繰り返すようになっている。
ステップS101からステップS106までの処理はいずれも、温度設定部6からの目標温度に対し、炉内温度が予め定められた微小温度範囲にあり、且つ予め定められた時間だけその状態が続くといった安定状態を得た後、次のステップへ進むようになっている。あるいは、最近では、一定時間でのウェハ1の成膜処理枚数を大きくすることを目的として、ステップS101、S102、S105、S106などにおいては安定状態を得ずして次のステップへ移行することもある。
ここで、温度コントローラ7の構成について説明する。図9に示すように、温度コントローラ7では、CPU712が制御アルゴリズムに従ってプログラム726を実行する。温度コントローラ7の内部では、バス714に通信IF716、パルス出力回路718が接続されている。CPU712は、通信IF716を介して温度設定部6と通信し、目標温度を受信することができるようになっている。
また、CPU712は、パルス出力回路718を介して制御信号を電力制御部8へ出力できるようになっている。さらに、バス714には、温度入力回路722、パルス入力回路724が接続されている。これらの要素を介して、それぞれ炉内温度とヒータ温度、同期パルスをデジタル信号化して受信できるようになっている。尚、バス714にはメモリが接続されており、制御プログラム726、制御パラメータ728、位相変換テーブル730がそれぞれ記憶されている。さらに、バス714には、表示・入力装置720が接続可能であり、制御パラメータなどを表示・入力することができる。
制御パラメータ728の内容は、制御アルゴリズムが後述する図3に示すカスケード制御ならば、図示されているように、少なくとも第1のPIDパラメータ(第1のPID演算要素702用)と第2のPIDパラメータ(第2のPID演算要素706用)が含まれ用意されている。図9中の制御パラメータ728に示されるゾーンaは、ヒータ3aと第1の温度センサ4aと第2の温度センサ5aに関連する制御演算についてのパラメータを表し、以下b,c…と同様である。位相変換テーブル730は、制御演算によって得られた図1に示すヒータ3への電力供給値(0〜100%)から、電力制御部8へのゲートパルスの遅延位相を求める変換テーブルである。
このような基板処理装置の温度コントローラ7の内部で行われる制御方法としては、図3で示される所謂カスケード制御が用いられている。図3では、温度設定部6と温度コントローラ7と電力制御部8との接続を表し、さらに温度コントローラ7の内部については、制御出力の演算方法についてブロック図で表している。入力端Sには、温度設定部6からの目標温度が入力される。
目標温度及び入力端Sは、実際には第2の温度センサ5の個数分だけ存在し、それに対応して温度コントローラ7は、図3の破線内部の構成要素が第2の温度センサ5と同数だけ存在するが、図3では、簡単のため一つだけ図示している。同様に、入力端F、入力端H、入力端C、及び出力端Pも実際には、第2の温度センサ5と同数だけ存在するが、簡単のため一つだけ図示している。入力端Fには、第2の温度センサ5からの炉内温度が入力される。入力端Hには、第1の温度センサ4からのヒータ温度が入力される。
温度コントローラ7の内部では、図のように、第1の減算要素700、第1のPID演算要素702、第2の減算要素704、第2のPID演算要素706が直列に並び、所謂カスケード制御に従う制御演算が行われている。後段に続くリミッタ708では、演算結果をヒータ3が出力可能な範囲に制限し、ヒータ3への電力供給値とする。ここでは、リミッタ708の出力をヒータ3の最大出力(ヒータ3a,3b,3c,3dの最大出力はそれぞれ異なる)からの割合とし、0〜100%で制限するとする。この出力は割合に限らず実際の物理量である電力値や他の指標でもよい。
続く後段の位相変換要素710では、電力制御部8からの同期パルスを入力端Cに入力し、図9に示す位相変換テーブル730を参照して、ヒータ3へ供給する電力量が0〜100%の電力供給値に対応するように位相を遅延させたゲートパルスを出力し、電力制御部8を制御するようになっている。図5は電力制御部8の内部にある交流電源と同期パルス、ゲートパルス、そしてヒータ3への負荷電力との関係をタイミングチャートで示したものである。
リミッタ708の出力(電力供給値0〜100%)が100%のときは、図10(c)のように、ゲートパルスを同期パルスから遅延させない(実際には交流電源にノイズがあることから、ノイズを考慮してわずかに位相を遅延させる)。その結果図10(e)の網掛け部分のように、交流電源からの全電力がヒータ3へ供給されることとなる。リミッタ708の出力が20%のときは、図10(d)のように、ゲートパルスを20%に対応する位相だけ遅延させる。その結果図10(f)の網掛け部分のように、交流電源からの全電力の20%がヒータ3へ供給されることとなる。
以上のような温度コントローラ7の構成により、十分速い周期で演算を行い、ヒータ3へ供給される電力を調節することによって、図2によって例示した温度制御を行うようになっている。
なお、従来技術の関連文献として、下記特許文献が知られる(例えば特許文献1参照)。
特開2006−093194号公報
しかしながら、最近における半導体表面加工技術の微細化や、半導体ウェハの大口径化は、より高精度な温度制御が求められている。さらに、最近では一定時間でのウェハの成膜処理枚数を大きくすることを目的として、より収束性能(制御性能)の高い温度制御が要求されている。その上、装置の使用効率を高めるために、最近では一つ熱処理装置において数種類の成膜処理を行うことがある。その場合、膜種によって制御する温度領域(例えば400〜600℃を低温度帯、600〜800℃を中温度帯、800〜1000℃を高温度帯とする)が異なることがあるが、そのような場合でも制御性能を維持しなければならない。そのため、従来の温度制御方法では、その要求を満たすことが困難となってきた。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、1つの熱処理装置において、複数種類の成膜処理を行う場合に、各成膜処理に対応する温度領域に関わらず、高精度でかつ制御性能が高い温度制御を行うことができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る熱処理装置は、基板の処理を行う処理室と、該処理室を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御するための制御パラメータとして、予め基準温度に対する制御パラメータを記憶すると共に、複数の異なる温度領域とそれら温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率を記憶し、新たな目標値が取得された場合に、該取得された目標値が属する温度領域の温度上昇率と前記基準温度の温度上昇率とに基づいて、前記基準温度に対する制御パラメータから前記目標値に対する制御パラメータを算出し前記加熱手段を制御する加熱制御手段を備えるものである。
また、本発明に係る熱処理方法は、基板の処理を行う処理室を加熱する加熱手段を制御するための制御パラメータとして、予め基準温度に対する制御パラメータを記憶すると共に、複数の異なる温度領域とそれら温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率を記憶しておき、新たな目標値が取得された場合に、該取得された目標値が属する温度領域の温度上昇率と前記基準温度の温度上昇率とに基づいて、前記基準温度に対する制御パラメータから前記目標値に対する制御パラメータを算出し前記加熱手段を加熱制御するようにしたものである。
なお、実施の形態においては、上述した課題を解決するために、基板の処理を行う処理室と、該処理室を加熱する加熱手段と、該加熱手段への電力供給値を制御する加熱制御手段と、前記処理室内の温度を検出する温度検出手段と、予め取得されている前記加熱手段への電力供給値と所望の基準温度との関係に基づいて求められた前記電力供給値と前記処理室内の温度との基準温度情報が付加された制御パラメータと、温度領域とその温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率が記憶されている温度上昇率テーブルと、新たに取得する目標値が属する温度領域の温度上昇率と、前記基準温度の温度上昇率との比に対応して、前記制御パラメータを変更する制御パラメータ変更手段と、前記処理室内が所望の温度となるように前記検出温度と前記変更した制御パラメータとを基に演算する演算手段と、該演算手段による演算結果を基に電力供給値を求める電力供給値算出手段とを備えた熱処理装置が開示されている。
以上に詳述したように本発明によれば、新たに取得する目標値が設定されるたびに、その温度領域に対応する制御パラメータが与えられるため、1つの熱処理装置において、複数種類の成膜処理を行う場合であっても、温度領域に関わらず高精度でかつ高い温度制御性能を実現することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図5は、電力供給値と炉内温度の関係を示す折れ線図、図6(a)は、高温度帯での温度変化を示す折れ線図、図6(b)は、中温度帯での温度変化を示す折れ線図、図7は、ヒータ温度と炉内温度の関係を示す折れ線図である。
図5は、電力供給値と炉内温度の関係を示す折れ線図、図6(a)は、高温度帯での温度変化を示す折れ線図、図6(b)は、中温度帯での温度変化を示す折れ線図、図7は、ヒータ温度と炉内温度の関係を示す折れ線図である。
熱処理装置を高精度かつ高い制御性能で温度制御するためには、予め図9に示した制御パラメータ728に最適な値を入力しておかなければならない。さらに、最近では1つの熱処理装置において数種類の成膜処理を行うことも実施されており、温度領域にかかわらず制御性能を維持しなければならない。
しかし、高温度帯と低温度帯では温度の上がり方が異なるために、たとえある特定の温度条件下において制御パラメータ728に最適な値を入力しておいても、温度帯によっては高い制御性能を維持することは困難である。例えば、図6に示したグラフは、同じ制御パラメータを使用したときの中温度帯の温度変化と高温度帯での温度変化を並べたものである。この例では、図6(a)の高温度帯(900℃)においてオーバーシュートを最小とすべく制御パラメータを調整したため、高温度帯でのオーバーシュート値が小さいが、図6(b)の中温度帯(700℃)では、温度が上がりやすいためにオーバーシュートが大きくなっている。
図5は、図4で説明した熱処理装置において、温度コントローラ7の内部におけるリミッタ708の出力値である電力供給値と、炉内温度の関係を図示したものである。電力供給値(単位%)が縦軸、炉内温度(単位℃)が横軸である。図を注意深く観察すると、電力供給値と炉内温度は線形(1次関数で表せる関係)ではないことが分かる。そして、800〜1000℃の高温度帯と400〜600℃の低温度帯では折れ線グラフの傾きが異なり、低温度帯より高温度帯の方が傾きが大きくなる傾向にある。この傾向はゾーンdにおいて顕著に表れており、具体的にはゾーンdにおいて400→600℃での縦軸の増加量は3.7%に対し800→1000℃では16.0%である。この傾向は、高温度帯の方が低温度帯よりも温度上昇に必要な電力量が大きいことを意味している。言い換えると、高温度帯の方が低温度帯よりも温度が上がり難いということである。この現象は一般的な感覚に沿うものであるとともに、図6の現象にも合致している。
図7は、図1で示す熱処理装置におけるヒータ温度と炉内温度との関係を図示したものであり、ヒータ温度(単位℃)が縦軸、炉内温度(単位℃)が横軸である。ヒータ温度と炉内温度の関係は、若干ゾーン毎の傾きに違いがあるが、ほぼ直線上にある。ヒータ温度の上がり方に対する炉内温度の上がり方、又は、ヒータ温度の下がり方に対する炉内温度の下がり方は、温度帯に関わらず、ほとんど変わらないというがこの図から予想できる。
したがって、本実施の形態による温度コントローラ7を以下のように構成する。
図1は、実施の形態による温度コントローラ7の構成図、図2は、実施の形態による温度コントローラ7内部の電力供給値を得る制御演算動作についての動作フロー図である。また、図3は、実施の形態による温度コントローラ7内部の制御ブロック図であり、図4は、実施の形態による熱処理装置の構成図であるが、図3及び図4は、それぞれ背景技術で説明したものと同じであり、すでに説明をしているため、ここでは説明を省略する。
図1は、実施の形態による温度コントローラ7の構成図、図2は、実施の形態による温度コントローラ7内部の電力供給値を得る制御演算動作についての動作フロー図である。また、図3は、実施の形態による温度コントローラ7内部の制御ブロック図であり、図4は、実施の形態による熱処理装置の構成図であるが、図3及び図4は、それぞれ背景技術で説明したものと同じであり、すでに説明をしているため、ここでは説明を省略する。
図1に示す実施の形態による温度コントローラ7の構成において、図9に示す温度コントローラ7と異なる点は、バス714に接続されているメモリの内容において、制御パラメータ728の代わりに制御パラメータ732を記憶するとともに、温度上昇率テーブル734を記憶している点にある。
制御パラメータ732では、制御パラメータ728と同様に制御パラメータが記憶されているが、これに加えて、制御パラメータ732ではその制御パラメータを適用するために適した温度(図1では、500℃)も記憶される。この温度を、以下の説明において、基準温度とする。
温度上昇率テーブル734では、ゾーン毎に、温度領域とその温度領域に対応する温度上昇率が表形式で記憶されている。なお、温度上昇率とは、電力供給値1%あたりのヒータの上昇温度を、図5と図7とで示したようなデータから計算するものである。温度上昇率は、温度の上がり易さ及び下がり易さを示す指標となる値であり、本実施の形態では、温度領域を200℃毎に分割してテーブルを作成している。
次に、図3に示す第1のPID演算要素702及び第2のPID演算要素706におけるPID演算について説明する。PIDパラメータとは、比例帯と言われるPB、積分時間と言われるTi、微分時間と言われるTdの集合である。PIDパラメータの各値は、基準温度において制御を繰り返すことによって、予め調整して取得した最適な値であり、図1中の各値に拘束されるものではない。また、PID演算とは、通常、与えられたPIDパラメータを元に、入力値をe(t)(tは時刻)として、以下の式に基づいて値を求める演算である。
e(t)の積分及び微分が含まれるため、温度コントローラ7のようなマイクロコンピュータ上でこの式を実際に実現するには、サンプル値近似をして実現する。
サンプル値近似とは、式1では説明の簡単の為に連続値の表現をしているが、温度コントローラ7では一定期間ごとに温度をサンプルして処理する。そのとき、積分・微分を数値積分・数値微分の各種方法を使い、積分値・微分値として近似する方法であり、ここではサンプル値近似と呼ぶ。一例として、積分は和分、微分は後進差分を適用することができる。
また、図3に示す温度コントローラ7の制御において、ヒータ3の機能の限界などにより飽和特性を有するため、偏差の積分値が飽和限界に達したらそれを超える方向の積分機能を停止するというリセットワインドアップ対策等が施されることがある。しかし、本発明の本質には影響しないため、リセットワインドアップ対策等が施されているものにも適用することができる。
次に、温度コントローラ7の構成要素であるCPU712で実行される動作のうち、本発明で追加した制御パラメータ732と温度上昇率テーブル郡734に関するものについて、図2に基づいて説明する。
温度コントローラ7において、高精度かつ高い温度制御性能を実現するために、図2の動作フローは微小時間毎に繰返し実行される。まず、ステップS200は、通信IF716を介して、温度設定部6から新たな目標温度が受信されたかどうかを判断する。ステップS200において、Yes、すなわち新たな目標が設定されたと判断された場合、ステップS204が実行される。
ステップS204では、まず、制御パラメータ732を参照し、第1のPIDパラメータと第2のPIDパラメータ等と基準温度を取得する。次に、温度上昇率テーブル734を参照し、基準温度が属する温度領域を判断してその領域に対応する温度上昇率(以下ROとする)を取得する。次に、新たな目標温度が属する温度領域を判定してその領域に対応する温度上昇率(以下Rとする)を取得する。属する温度領域を判定する際に、目標温度で判定する代わりに、温度入力回路722を介して得た炉内温度、又は、ヒータ温度、又は目標温度とそれらの混合値などで判定することも可能であり、また、有益であることもあるため、属する温度の判定基準を限定しない。次に、取得したRO及びRに基づいて第2のPIDパラメータのうちPBを式2に基づいて演算された値に変更する。
但し、分かり易くするために変更後のPBをPBUpdateと表す。変更後のPBを含む制御パラメータを制御アルゴリズムに設定する。
次に、ステップS202では、新たな目標温度と設定された制御パラメータを用いて制御演算を実行し、制御演算結果は電力供給値として出力される。また、ステップS200において、No、すなわち、新たの目標温度が設定されなかったときは、S202へ移行し、前回の制御演算動作で用いた目標温度及び制御パラメータを用いて制御演算を実行する。
制御パラメータのうちPB、あるいは100/PBは、式1で示すように、制御演算の全体のゲインを示す値であり、制御対象である温度の上がり方や下がり方、又は上がり易さや上がり難さに対応しているものと考えられる。図6に示すように電力供給値に対する温度の上がり方や下がり方は温度帯によって変わってしまうため、これに対応することを主な目的として構成される。
また、第2のPIDパラメータのPBのみを変更し、第1のPIDパラメータのPBを変更しない理由は、図7に示すようにヒータ温度の上がり方に対する炉内温度の上がり方が温度帯によって変化しないためである。このため、炉内温度をフィードバックしてヒータ温度を制御する第1のPID演算要素702に係る第1のPIDパラメータを変更することは不適当と判断したためである。
また、電力供給値に対する温度の上がり方及び下がり方が温度帯によって変化することに対応することを主な目的としているため、図3に示すカスケード制御以外にも、炉内温度またはヒータ温度のみを検出して温度制御する構成であっても、本発明を同様に適用することが可能である。
さらには、本実施の形態では、半導体製造装置だけでなく、LCD装置のようなガラス基板を処理する装置でも適用できる。更に、炉内の処理には何ら関係なく、CVD、酸化、拡散、アニールでも適用できる。
なお、ヒータ3が加熱手段を、温度コントローラ7が加熱制御手段を、第2の温度センサ5が温度検出手段を、リミッタ708が電力供給算出手段を、ステップS204が制御パラメータ変更手段を、ステップS202が、演算手段をそれぞれ構成する。
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
1 ウェハ(基板)、2 反応管(処理室)、3 ヒータ(加熱手段)、5 第2の温度センサ(温度検出手段)、7 温度コントローラ(加熱制御手段)、708 リミッタ(電力供給算出手段)
Claims (1)
- 基板の処理を行う処理室と、
該処理室を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御するための制御パラメータとして、予め基準温度に対する制御パラメータを記憶すると共に、複数の異なる温度領域とそれら温度領域に対応する前記処理室内の温度上昇率を記憶し、新たな目標値が取得された場合に、該取得された目標値が属する温度領域の温度上昇率と前記基準温度の温度上昇率とに基づいて、前記基準温度に対する制御パラメータから前記目標値に対する制御パラメータを算出し前記加熱手段を制御する加熱制御手段と
を備える熱処理装置。
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