JP2008099988A - 採血装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来は、採血された血液の溶血を防止低侵襲且つ短時間で多量の血液を採取可能な採血装置が無かった。
【解決手段】ホルダ部内に搭載され、採血部の複数の微細針を皮膚下の毛細血管に穿刺して、中空針で減圧された真空採血管を封止する真空保持部を貫通させて、毛細血管から減圧により生じる吸引力により微細針から中空針を経て真空採血管内に血液を採血して貯留する採血装置である。
【選択図】 図3
【解決手段】ホルダ部内に搭載され、採血部の複数の微細針を皮膚下の毛細血管に穿刺して、中空針で減圧された真空採血管を封止する真空保持部を貫通させて、毛細血管から減圧により生じる吸引力により微細針から中空針を経て真空採血管内に血液を採血して貯留する採血装置である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、人間、動物等の生体から血液を採取する際に用いる採血装置に関する。
従来より、血液検査を行うための採血に際して、開口部に栓体が気密状態に嵌合された真空採血管が使用されている。真空採血管の採血時には、まず、採血管ホルダに採血針としてマルチプル注射針を取り付け、採血針の先端部を血管内に刺した後、真空採血管を採血管ホルダ内に差し込み、採血針の後端部で、真空採血管の採血管本体に嵌合された栓体を刺し貫くことにより、血管内と採血管本体内とを直結させる。
この採血管本体内は、減圧状態に保たれているため、血液が採血管本体内に吸入されて採血が行われる。次いで所定量の血液を採血した後、真空採血管を採血管ホルダ内から後退させ、採血針の後端部を栓体から抜くことにより、採血を終了する。
しかし、採血される者に与える穿刺に伴う苦痛軽減のため、近年では微細な針を用いての採血が検討されている。数マイクロリットル程度の微量採血については、先端の開口径及び外形が微小(直径が約20μm)なガラス製のマイクロピペットを用いて行う方法がある。
採血は、毛細血管にこのマイクロピペットを差し込んで行い、皮膚表面を顕微鏡で観察し、動脈と静脈の間を結ぶ毛細血管を画面上で観察しながら、前述したマイクロピペットを位置決めをして、差し込んでいた。皮膚下(生体下)の痛点は、まばらに存在するため、マイクロピペットのように微小な径のものが差し込まれても痛さを感じない。このようにして、無痛で、微量の採血を実施している。例えば、特許文献1によれば、微小径の中空針を複数備えた多針構造体と、中空針内の圧力を変化させる圧力可変手段とで構成される採血装置が開示されている。この多針構造体は、高コストとなる半導体製造技術を用いて製作されている旨が記述されている。
具体的には、この採血装置は、空洞構造と複数の微小径の中空針を有する多針構造体とメンブレンと保持機構とマイクロヒータとから構成されており、採血装置を人間が把持しやすいように支持体を設けている。これらの多針構造体とメンブレンは一体形成されており、保持機構は多針構造体を保持している。また、メンブレンは2層構造となっており、中空針側の層がシリコン(Si)で形成され、逆側の層が金(Au)で形成されている。このような装置において、中空針を皮膚表面から穿刺する。その後、マイクロヒータ3から熱を発生させると、メンブレンは空洞構造の容積を増加する方向に変形し、空洞構造及び中空針内の減圧力によって血液を採取することができる。よって、皮膚表面の観察装置、マイクロピペットの位置決め装置等の高価で大型な機構を必要とせず、小型、低価格でありかつ微量な採血を無痛ですることが可能な採血装置を提供するというものである。
特許第3590805号
前述した血液生化学分析を数マイクロリットル程度の検体量で実施する技術は、まだ研究途上であり、一般的には普及していないため、少なくとも十マイクロリットル以上の血液を採取する必要がある上、検査項目数の増加により検体量をさらに多くせねばならない。一方、針外径を最小化することによる弊害として、溶血に留意しなければならない。すなわち、数十μmの微細な内径を有する針孔内を血液が送液される場合、針孔内壁との摩擦により血液中の赤血球表面に傷が入り、破れてヘモグロビンが漏れ出してしまう。このヘモグロビンの血液中への溶出は血液生化学分析結果に影響を及ぼしてしまう。
従って、これを防止するために、吸引採血時、針孔内壁と血液との接触面積をできるだけ小さくする必要がある。 しかしながら従来技術の多針構造体は、微細針を直接吸引機構に連結しているため、多量の採血を行うために吸引速度を速めようとすると微細針内壁と血液との摩擦が強まり、溶血が生じて生化学分析に支障をきたしている。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、低侵襲でかつ、多量の血液を採取可能な採血装置を提供することを目的とする。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、低侵襲でかつ、多量の血液を採取可能な採血装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、血管に挿入される複数の微細針と、前記微細針の本数よりも少ない本数であって、前記複数の微細針の内径の断面積の総和よりも最も細い部分の内径の断面積の総和が大きい中空針と、前記複数の微細針と前記中空針とを連結する連結部と、前記中空針と連結し、前記微細針、前記連結部、及び前記中空針を介して血液を吸引する採血部と、を有する採血装置を提供する。
さらに、血管に挿入される複数の微細針と、前記微細針よりも少ない数であって、前記複数の微細針の内径の断面積の総和よりも最も細い部分の内径の断面積の総和が大きい中空針と、複数の前記微細針と前記中空針とを連結する連結部と、を有する採血針を提供する。
本発明によれば、微細針部の長さを必要最小限にとどめ、採血した血液の流速をすぐに下げることができるので、管壁との摩擦が減少し、溶血現象を抑えられるため、低侵襲でかつ、多量の採血が可能となる採血装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る採血装置の全体構成例を示す断面図である。ここでは、採血装置が生体表面付近に存在した毛細血管から血液を採取する様子を示している。
図1は、第1の実施形態に係る採血装置の全体構成例を示す断面図である。ここでは、採血装置が生体表面付近に存在した毛細血管から血液を採取する様子を示している。
本実施形態の採血装置は、真空採血管1、真空保持部2及び採血部3で構成される。真空採血管1は、例えば試験管形状や筒形状を成す容器であり、採血状態が外側から視認できるように全部又は一部(窓部)が透明材料により形成されている。材質としては、ガラス又は樹脂材料等が好ましく、樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン(登録商標)、ポリプロピレン若しくは、ポリエチレンが好適する。尚、ガラスを用いた場合には、落下等の外部からの衝撃に対して損傷しづらい強度や厚さを有することが望ましい。また、樹脂又はガラスに加えて、種々の金属薄板を用いた複合構造であってもよい。後述する保管ケースにおける温度調節の際に熱伝導をよくするために、例えば、樹脂又はガラスにより内部容器を形成し、アルミニウム等からなる金属ケースを必要な部分に外装する構造などが考えられる。また、図示していないが真空採血管1の側面又は窓部には、採血した血液量を目分量で量るための目盛りが振られている。
真空保持部2は、真空採血管1の真空度を維持するために、真空採血管1の開口部を密閉する栓部材である。この栓部材は例えば、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のゴム材料により一体成形されている。本実施形態の真空保持部2は、上部側面の一周に亘りつば部が設けられ、上面の略中央から内部に向かう漏斗形状に形成され、その凹底部が薄肉となっている。真空保持部2はつば部まで真空採血管1に挿嵌される。その他にも、真空保持部2は、ある程度の弾性を有する樹脂材料により形成することは可能である。さらに、外側が金属キャップで内側がゴムキャップの複合構造でもよい。この複合構造の場合、後述する中空針が貫通する箇所はゴムキャップ部分が露呈する。
真空採血管1に真空保持部2が挿嵌されて、真空吸引機構を構成する。真空採血管の内部は大気圧よりも減圧されている。尚、この真空吸引機構における吸引力は、真空採血管1内の真空度に依存する。しかし、同じ真空度であっても真空採血管1の内容積や後述する微細針や中空針の内径により吸引力が異なっているため、一義的に真空度は設定されていない。この真空度は、採血に掛かる時間や血液の成分に損傷を与えないように、設計やシミュレーション又は、測定により適宜設定される。
採血部3の台座5の1つの端面(図1においては、上面とする)には、被採血部位に挿入される複数の中空の微細針(例えば、注射針)6が略鉛直方向で一列に配設される。この台座5は、中空構造であり、それぞれの微細針6の中空と連通し、後述する真空採血管1へ血液を送り出す連結部として機能している。台座の他方の端面(図1においては、底面とする)には、微細針6よりも少ない数であって真空保持部2の凹底部に穴を空けるための微細針6よりも太い中空針7が形成される。図1においては中空針は1本形成されている。この中空針7は、台座5の中空と中空針7の内部空間とが連通している。つまり、採血部3は、台座5を挟み、微細針6と中空針7が空間的に連通する構造である。
微細針6は、生体に対して安全性の高い材質、例えば、ステンレス、チタン、マグネシウム合金等の金属又は、生体分解性樹脂材料等で形成されている。本実施形態における微細針6の外径は、φ100μm以下とし、生体表面の痛点に対して、比較的に接しない大きさとする。また、微細針6の内径は例えば、φ50μm以上とし、赤血球の大きさ(φ10〜20μm)の約2倍以上の穴径とする。これは、血液を吸引する際に血液内の赤血球等の成分(細胞)に損傷を与えない十分に大きい内径を有し、溶血現象を発生させないことを考慮するものである。この微細針6の内径の断面積の総和は、中空針7の最も細い部分の内径の断面積の総和よりも小さくなっている。これは、中空針7内を流れる血液の移動速度(流速)を微細針6内を流れる血液の流速よりも遅くしてやることで、溶血現象が発生しないように考慮している。また。微細針6の長さは3mm以上とし、皮膚表層下の毛細血管に到達できる長さとする。後述する図12乃至図22において詳細に説明するが、微細針先端は、45度又は30度程度に切断されており、生体表面被採血部位となる生体表面(皮膚表面)に侵入しやすい形状となっている。また微細針は、一列に配置するだけでなく、複数本を束として配置してもよい。
また、台座5の底面には、真空保持部2と安定して支持されるように、中空針7に嵌装されるガイド部4が設けられている。ガイド部4は、樹脂材料又はゴム材料により形成されている。中空針7の先端は、絞られた構造となっている。以降に説明する実施形態及び変形例における中空針についても同じ構成を有しているものとする。
このように構成された採血装置は、採血部3の微細針6を、生体表面9例えば、皮膚下の毛細血管10に刺した後、中空針7を真空保持部2の凹底部を貫通させる。貫通されると、真空採血管1と真空保持部2による吸引機構により、毛細血管10から血液が吸引され、真空採血管1内に採血される。
そして採血後、太い中空針は真空採血管の真空保持部(ゴム栓)より除去されるが、ゴム栓の凹底部には、刺し穴の痕跡が残る。液体を外部に放出する事は無いが、微視的には、真空採血管内に外部の空気が微小量流入して真空採血管内部の圧力はほぼ大気圧に達する。後述する採血管保管容器を用いずに真空採血管を輸送する場合には、別途、密閉用のキャップを用意してもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、複数の微細針6を用いて採血しているため、生体表面の痛点に接する可能性が低減する。よって、従来の1本の注射針による採血に比べて、採血される者(被採血者)の痛みを軽減することができる。複数の微細針により採血を行っているため、一本の微細針6が血液成分により詰まりを生じても、採血に影響を与える事が少ない。また、微細針6の本数に応じて、時間あたりの採血量が増減されるため、微細針6の本数を調整することにより、短時間で採血を終了させることができる。
さらに、皮膚下の毛細血管10から採血するため、従来のように静脈血管を探す等の行為は必要なく、採血を行う者(採血者)の熟練度に左右されることが少なくなる。本実施形態の採血装置は、被採血者が自分自身で採血を行う場合も想定している。特に、採血対象が動物等であった場合、体表面の毛等により、静脈を探すことが困難であるため有用である。
また、微細針内部の径は赤血球の大きさに比較して、十分大きい径であるため、溶血現象が発生しづらい。微細針内の血液の流入速度は、溶血現象が発生しない速度に真空採血管内の真空度を設定することで調整することができる。また、吸引機構に連結している限り、空気に血液が触れないため、血液が固まることなく、長時間採血し続けることが可能となり、容易に血液を採取することが可能になる。
次に、第2の実施形態について説明する。
図2に示す採血装置は、真空採血管1と採血部3とを連結保持部13で連結した構成である。本実施形態の採血装置の採血部3は、複数の微細針6が配設された台座5に、中空針7に嵌装するキャップ形状のガイド部12が設けられている。真空保持部11は、中空針7が貫通した後に、ガイド部12の縁に挿嵌されるようにつば部の張り出しが形成されている。
図2に示す採血装置は、真空採血管1と採血部3とを連結保持部13で連結した構成である。本実施形態の採血装置の採血部3は、複数の微細針6が配設された台座5に、中空針7に嵌装するキャップ形状のガイド部12が設けられている。真空保持部11は、中空針7が貫通した後に、ガイド部12の縁に挿嵌されるようにつば部の張り出しが形成されている。
さらに、真空採血管1の上側外周面とガイド部12の外周面を連結するように、ベローズ形状の連結保持部13が設けられている。この連結保持部13は、金属薄板、ゴム材料又は樹脂材料により形成されている。
本実施形態の採血装置によれば、第1の実施形態の効果に加えて、真空採血管1と採血部3とが一体的に構成されるため、採血行為が容易になる。つまり、採血部3で穿刺しつつ、真空採血管1を支える必要が無く、片手で採血を行うことができる。また、連結保持部13を設けたことにより、採血時に外部からの塵や埃が中空針7に付着せず衛生的に扱うことができる。
次に、第3の実施形態について説明する。
図3(a)乃至図3(d)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構を有している。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した図1に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
図3(a)乃至図3(d)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構を有している。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した図1に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
図3(a)に示す採血装置は、側面外周につば部22が設けられ真空保持部11が挿嵌された真空採血管21と、採血部3と、真空採血管21及び採血部3を挿嵌するガイド穴を備え、真空採血管21と採血部3とをガイド穴の長手方向に移動可能に保持するホルダ部23と、真空採血管21のつば部22とガイド穴内の段差部23aに接して配置され、弾性力を有する連結保持部24と、微細針6の周囲を覆い且つ移動する微細針6が外部に進出できるように進出用孔が開口され、ホルダ部23に取り外し可能に固定されるフード部25とで構成される。
採血部3は、前述した微細針6と台座5と中空針7とガイド部12とで構成される。ガイド部12の上端に形成されるつば部は、ガイド穴に対して採血部3の移動を制限するストッパとして機能する。また、フード部25は、頂部がカットされた円錐形状を成し、微細針6を内部に収容して針先を保護している。フード部25は、微細針6の進出状態が視認できるように、透明な樹脂部材で構成される。
通常状態(例えば、保管時や輸送時)の採血装置は、図3(a)に示すように、微細針6がフード部25から外部に進出しないように、ガイド部12がホルダ部23に引き付けられて保持されている。その構成例としては、ガイド部12を磁性を有する材料で形成し、ガイド部側面と対向するガイド穴の箇所にマイクロ磁石26を配設することにより、磁力により保持させてもよい。その他には、ガイド部12の外側からガイド部側面を貫通する小径の穴を開けて、ストッパ棒を差し込んで保持させる構造でもよい。この構造の場合、使用する際には、ストッパ棒を引き抜き、ガイド部12をフリー状態にする。
このような構成において、真空採血管21の外径及びガイド部12の内径は、真空採血管21がガイド穴内をスムーズに移動できるような寸法で形成されている。連結保持部24は、ゴム材料等の弾性部材により、ベローズ形状に形成される。他にも連結保持部24は、等間隔に配置された複数本のスプリングコイル又は、真空採血管21を嵌装する径を有する1本のスプリングコイルで構成されてもよい。図3(a)においては、連結保持部24が伸びた状態が通常状態である。この時、真空採血管21の底部は、ホルダ部23より下方に張り出し、真空採血管21をガイド穴の長手方向に移動させる際の作用点(押出し箇所)となっている。本実施形態において、ガイド穴の長手方向、微細針6の進出方向、中空針7が真空保持部11を貫通する方向、及び真空採血管21の移動方向は、同じ軸方向である。
次に、図3(b)乃至図3(d)を参照して、本実施形態の採血装置による採血動作について説明する。
まず、図3(b)に示すように、皮膚9の採血箇所にフード部25の先端が当接するように採血装置を宛がう。続いて、指で真空採血管21底部をホルダ部23内に押し込むと、ガイド部12の磁力による保持状態が解除され、中空針7が真空保持部11の凹底部に当接した状態で採血部3が移動される。この移動に伴い、図3(c)に示すように、微細針6がフード部25より進出して皮膚9へ穿刺する。この時、微細針6の先端径は十分細いため、皮膚9への穿刺抵抗は、中空針7が真空採血管11の凹底部を突き破る抵抗よりも小さい。その後、連結保持部24が縮み、予め設定した位置即ち、微細針6の先端が毛細血管に到達した位置で穿刺が停止する。勿論、予め定めた生体内の深さで穿刺動作を停止させるための穿刺停止機構を設けてもよい。穿刺停止機構としては、例えば、図22に示すような台座5上で微細針6の近傍に、穿刺の深さに相当する長さが微細針6よりも短いストッパ部材を台座5上に設ける構成が考えられる。
次に、図3(c)に示す状態から、さらに真空採血管21の底部を押し込むと、太い中空針7が真空保持部11の凹底部のゴム部分を破り貫通して、図3(d)のように、真空採血管1内に中空針7の先端が挿入される。真空採血管1内は真空状態であるため、中空針7から台座5を介して微細針6に吸引力が働く。この吸引力により毛細血管10から採血が開始され、血液が真空採血管21内に貯留される。そして、真空採血管21内の真空度が低下して、自動的に採血動作が終了する。
また、採血後に、真空採血管21をホルダ部23から回収する際には、次のような専用の蓋の使用が考えられる。この専用蓋は、進出用孔に嵌り込む形状、例えば、円周面が凹溝となっているプーリに類似した円盤形状が想定される。使用方法としては、フード部25の進出用孔からゴム製又はコルク製の専用蓋(図示せず)を宛がい、治具例えば、樹脂棒で専用蓋をフード部内に押し込むことで、専用蓋に微細針6を十分に突き刺す。その後、ホルダ部23からのフード部25の取り外しと同時に、使用した微細針6を含む採血部3が、ホルダ部23から取り外される。
以上説明した本実施形態の採血装置によれば、採血者は、片手で採血装置を把持し、例えば、ボールペン頂部のプッシュボタンを押下すると同様に、親指で真空採血管1の底部を押し込むだけのワンアクション操作により、穿刺及び採血を完了させることができる。
また片手操作で採血が行われるため、例えば、採血者が被採血者を空いている他方の片手で押えることができるため、被採血者が小児や動物であっても安全を確保しつつ、採血することが可能となる。
さらに採血前及び採血後は、微細針6がフード25部内に格納されているため、採血者の針への誤接触が防止でき、非常に安全性が高い。フード部25が先端に向かって細くなるテーパー形状に形成されているため、動物等の体毛等が多い生体表面では、毛を避けながら微細針6を生体表面に刺すことができる
また、採血後には、フード部25に専用蓋(図示せず)を取り付けることによって、ホルダ部23からフード部25を取り外すと同時に、採血部3をホルダ部から取り外す場合には、使用した微細針6が採血者又は検査者に触れることなく、容易に回収及び廃棄することができ、血液による感染が防止できる。また、ホルダ部23に新たな未使用の採血部3及びフード部25を取り付けることにより、再利用できるため、ランニングコストの低減が実現できる。
また、採血後には、フード部25に専用蓋(図示せず)を取り付けることによって、ホルダ部23からフード部25を取り外すと同時に、採血部3をホルダ部から取り外す場合には、使用した微細針6が採血者又は検査者に触れることなく、容易に回収及び廃棄することができ、血液による感染が防止できる。また、ホルダ部23に新たな未使用の採血部3及びフード部25を取り付けることにより、再利用できるため、ランニングコストの低減が実現できる。
次に、第4の実施形態について説明する。
図4には、採血部3の構成例を示す。前述した実施形態では、採血部3は、複数の微細針6と台座5と1本の太い中空針7とで構成されていたが、本実施形態では、複数本の採血針を用いた構成である。
図4に示すように、採血部3は、複数の採血針32が中空ではない台座31に貫通して配置されている。採血部3は、採血針32が直接真空採血管1及び真空保持部2により構成される吸引機構に連結する。
また本実施形態の採血針32は、複数の中空針32bが設けられているため、真空保持部2は、中空針32bが貫通する領域内を全て薄肉にしている。この肉薄処理により真空保持部2の栓としての強度が持てない場合には、前述した外側が金属キャップで内側がゴムキャップの複合構造を用いればよい。
本実施形態によれば、採血部3における台座31の構造と連結部分の構造が簡単になり、容易に作製することが可能で、製造コストを安価に提供することが可能となる。
次に、第5の実施形態について説明する。
図5には、外部吸引機構が接続される真空採血管を備える採血装置の構成例を示す。
図5には、外部吸引機構が接続される真空採血管を備える採血装置の構成例を示す。
本実施形態の採血装置は、前述した実施形態では、真空採血管1と真空保持部11により構成される吸引機構であったが、本実施形態は、真空採血管に変えて採血管15を使用し、図5に示すように採血管15に対して着脱可能な吸引用接続具34を介して吸引ポンプ33に接続する構造である。
この吸引ポンプ33は、駆動機構として、電磁力、形状記憶合金、圧電、静電力、熱膨張又は人口筋肉等で構成することができ、吸引可能であれば特に限定されない。使用方法としては、吸引ポンプ33により採血管15内を真空状態にした後、吸引用接続具34を抜き、採血に使用する。
本実施形態によれば、真空採血管は、内部の真空度が少しずつリークして低下するため、一定期間内に使用する必要があるが、本実施形態のように、採血直前に吸引ポンプを用いることで、使用期限が限定されなくなる。
次に、第6の実施形態について説明する。
図6に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管1内に血液から血球を分離するためのフィルタが設置された構成である。本実施形態の構成部位において、前述した第1の実施形態(図1)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管1内に血液から血球を分離するためのフィルタが設置された構成である。本実施形態の構成部位において、前述した第1の実施形態(図1)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の採血装置は、真空採血管1、フィルタ部36、真空保持部37及び採血部3で構成される。これらのうち、真空保持部37は、真空採血管1内の真空度を維持するために、真空採血管1の開口部を密閉する栓部材である。採血部3は、微細針6と台座5と中空針7とで構成され、台座5を挟み微細針6と中空針7が空間的に連通する。
フィルタ部36は、円柱枠形状のフィルタ支持部35とフィルタ部36とで構成される。フィルタ支持部35は、真空採血管1の側面に固着される円筒部35aと一方の端面(ここでは底部)の穴板35bとで構成される。真空採血管1と真空保持部37との間にフィルタ支持部35が挟着されている。
フィルタ部36は、真空採血管1と同じ材料を用いて形成される。図7(a),(b)に示すように、フィルタ支持部35の穴板35bには、血漿もしくは血清が通過するためのφ1mm程度の多数の穴が開けられている。フィルタ部36は、穴板35bの上方に複数のフィルタ部36a,36b,36cが積層して構成されている。以降に説明する実施形態及び変形例におけるフィルタ部は同じ構成であるものとする。
フィルタ部36は、無機質繊維により構成されている。血液に対する凝固性能は、表面積に比例し、その平均繊維径が小さいものの方が少ない量で凝固性能を発揮することができ、平均繊維径が1〜5μmであるものが好ましい。また、無機質繊維には、その耐水性が高くないと、成分が血漿もしくは血清中に溶け出し、検査を妨害することがあるため、耐水性の高い例えば硝子繊維やロックウールが使用することができる。この他にも、膜厚さ方向に数百nmの無数の穴が形成されたアルミナの多孔質構造体シート等を多数積層して用いてもよい。
本実施形態において、重力による自重作用やフィルタ部の毛細管現象により、血液中の構成成分の内、血漿又は血清のみがフィルタ部36内を通過し、穴板35bより採血管本体下部に滴下し、血球はフィルタ部36上に残される。尚、フィルタ部36内全体に血液が浸透すると、見かけ上、穴板35bの上部空間と下部空間では真空度に差が生じる。上部空間では、血液の吸引により真空度がその体積に応じて低下し、下部空間よりも真空度が大気圧側に移行する。このため、上部空間の血液は下部空間に向かい移動する現象が発生する。よって、遠心分離機を使用しなくても、時間経過とともに、上部空間の血液は分離され、下部空間に血漿又は血清が貯留できる。また、採血後、太い中空針は真空採血管の真空保持部(ゴム栓)より除去されるが、ゴム栓の凹底部には、刺し穴の痕跡が残る。液体を外部に放出する事は無いが、微視的には、真空採血管内に外部の空気が微小量流入する。このため、時間経過とともに、上部空間内に外部の空気が流入し、上部空間の真空度を大気圧に戻していく。このため、下部空間との間に圧力差を生じ、採血が完了し太い中空針を除去しても、血液の血球分離は継続される。また、上部空間と下部空間との間に圧力差が生じていない場合であっても、血液に重力がかかることで時間経過とともに自然に血球分離が行われる。
このように構成された本実施形態によれば、真空採血管1内に血球分離フィルタを配置することにより、採血した血液から容易に且つ直後に血球を分離できるため、すぐに検査に移行することができる。また、第3の実施形態における真空採血管に本実施形態のフィルタ部を配設すれば、ワンアクション操作にて穿刺から血球分離まで自動的に行うことが可能となるため、採血者等に対して血液付着等の危険が解消される。
次に、前述したフィルタ部を用いた採血装置の変形例について説明する。
図8(a),(b)は、第1の変形例を示す。この第1の変形例の構成部位において、前述した第1及び第3の実施形態(図1及び図6)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図8(a),(b)は、第1の変形例を示す。この第1の変形例の構成部位において、前述した第1及び第3の実施形態(図1及び図6)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第1の変形例は、真空度が異なる2つの真空採血管41,44を連結させてフィルタ部を使用する構成である。真空採血管41は、開口部が真空保持部11で密閉され、底部には中空で先端が鋭利な針42が取り付けられる。この針42には、脱着可能な栓43が気密に嵌装されている。この真空採血管41は、毛細血管から採血するため、前述した第1の実施形態の真空採血管1と同等の真空度に保持されている。
一方、図8(b)に示すフィルタを備える真空採血管44は、図6に示したフィルタ部を備える真空採血管1と同じ構成であるが、真空採血管1よりも真空度を高めて保持されている。これは、フィルタ処理を短時間で処理したいため、吸引力が強くなるように設定されているものである。
このような構成において、まず、真空採血管41は、採血部3を用いて、皮膚下の毛細血管より採血を行う。次に、真空保持部11上で栓43を外して針42を露呈する。この時、真空採血管41が負圧状態であれば必要がないが大気圧状態であれば、真空保持部11を簡単に塞いで針42から血液8が垂れ出ないように工夫する。この針42で真空採血管44の真空保持部37を貫通させて、真空採血管41と真空採血管44とを連結する。この連結により、内部が大気圧の真空採血管41から真空状態の真空採血管44に血液が吸い出されて、フィルタ部36に送り込まれる。フィルタ部36は、血液から血漿又は血清を分離採取して、真空採血管44内の底部に貯留する。
本実施形態によれば、2本の真空採血管を用いることで、血球分離に適した真空度と採血に適した真空度を各々最適に設定することが可能となる。従って、採血後の血球分離を短時間で処理させることができる。なお、真空採血管41と真空採血管44の真空度は、連結時に真空採血管44の方が相対的に高くなっていればよい。そのため真空採血管41と真空採血管44の未使用時の真空度が同程度であっても、採血により真空採血管41の真空度は相対的に低くなるので真空採血管44へ血液を送り込むことはできる。
図9(a),(b)は、第2の変形例を示す。この第2の変形例の構成部位において、前述した第1及び第3の実施形態(図1及び図6)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。第2の変形例は、真空度が異なる2つの真空採血管45,46を連結させてフィルタ部を使用する構成である。
真空採血管46は、前述した第1の変形例における真空採血管41内の底部にフィルタ部36と穴板35bを設けた構成である。内部の真空度についても、毛細血管から採血するため、前述した第1の実施形態の真空採血管1と同等の真空度に保持されている。真空採血管46は、第1の実施形態の真空採血管1と同等の構成であるが、真空度が真空採血管1よりも真空度を高めて保持されているほうが好ましい。これは、フィルタ処理を短時間で処理したいため、吸引力が強くなるように設定されているものである。
まず、真空採血管45は、採血部3を用いて、皮膚下の毛細血管より採血を行う。次に、栓43を外して針42を露呈する。この時、針42から血液8が垂れ出ないように工夫する。この針42で真空採血管46の真空保持部47を貫通させて、真空採血管45と真空採血管46とを連結させる。この連結により、内部が大気圧の真空採血管45から真空状態の真空採血管46に血液が吸い出される。この吸い出しによって、真空採血管45内のフィルタ部36を素早く通り抜けて、血液から分離された血漿又は血清が、真空採血管46の底部に貯留する。
微細針6による採血では、針孔内壁と血液との摩擦による溶血現象を避けるため、吸引速度をあまり上げることはできない。一方、フィルタ部36による血漿又は血清の分離には所定の圧力がないと分離が極端に遅くなったり、進まなかったりする。
本実施形態によれば、採血する真空採血管であっても、底部に取り付ける中空針の針孔は十分に太くすることができ、吸引速度を上げても溶血の恐れはなく、血球分離処理を迅速に進めることが可能となる。また、真空採血管45内で血球を分離した後で、血漿、血清を真空採血管46に送り込むので、フィルタ除去の作業を必要とせず血漿及び血清の取出しが容易となる。
次に、第7の実施形態について説明する。
図10及び図11に示す本実施形態の採血装置は、真空度が異なる2つの真空採血管51,1とこれらを連結する連結用治具53により構成される。尚、本実施形態の構成部位において、前述した第1及び第3の実施形態(図1及び図6)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図10及び図11に示す本実施形態の採血装置は、真空度が異なる2つの真空採血管51,1とこれらを連結する連結用治具53により構成される。尚、本実施形態の構成部位において、前述した第1及び第3の実施形態(図1及び図6)と同等の構成部位においては、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図10には、本実施形態の真空採血管51と採血部3を示している。
真空採血管51は、開口には真空保持部11が挿嵌され、底部にはゴム等で形成された中央部が薄膜化してある封止栓52が設けられている。この真空採血管51は、前述した第1の実施形態と同様に、採血部3を用いて毛細血管から採血を行う。
真空採血管51は、開口には真空保持部11が挿嵌され、底部にはゴム等で形成された中央部が薄膜化してある封止栓52が設けられている。この真空採血管51は、前述した第1の実施形態と同様に、採血部3を用いて毛細血管から採血を行う。
図11(a)には、真空採血管51と図6に示した内部にフィルタ部36が設けられた真空採血管44とを連結するための連結用治具53の構成例を示す。本実施形態において、真空採血管44は、真空採血管51の真空度より高く設定されている。これは、フィルタ処理を短時間で処理したいため、吸引力が強くなるように設定されているものである。
連結用治具53は、両側から真空採血管51と真空採血管44が挿入できるようなホルダ形状を成し、その中央に封止栓52と真空保持部37を貫通させるための先端が鋭利に切断された中空針54,55が備えられている。
図11(b)に示すように、連結用治具53の両側から真空採血管51の封止栓52を中空針54で貫通させた直後に、真空保持部11を中空針55で貫通する。この連結により、真空採血管51内の血液は、中空針54,55を通じて真空採血管1に吸い出されてフィルタ部36に滴下される。真空採血管51の下部空間には、フィルタ部36により血液から分離された血漿又は血清が貯留される。
以上説明したように、本実施形態によれば、血球分離過程で採血者は、被採血者の血液が付着する機会を無くすことができ、採血者に対する感染症等の危機性を回避することができる。また、遠心分離過程が無いため、液体摩擦による溶血現象が発生しない。
次に、第8の実施形態として、採血部に用いられている微細針の構成例について説明する。採血用の微細針の先端は、皮膚に刺さり易くするために、45度乃至30度に切断された穿刺面が形成され、一般的にはこの穿刺面に針孔(血液が取り込まれる開口部)が開口されている。
図12は、本実施形態の第1の例として、針の先端63の穿刺面に針孔を開口せず、針側面に針孔62を開口した例である。微細な内径の針は、皮膚に穿刺した際に、先端に設けられた針孔には皮膚片等が詰まり採血を阻害する恐れがあるが、針孔62を針側面に開口させることにより、針孔62が詰まる確率が低減し、効率よく血液を採取することが可能となる。
図12は、本実施形態の第1の例として、針の先端63の穿刺面に針孔を開口せず、針側面に針孔62を開口した例である。微細な内径の針は、皮膚に穿刺した際に、先端に設けられた針孔には皮膚片等が詰まり採血を阻害する恐れがあるが、針孔62を針側面に開口させることにより、針孔62が詰まる確率が低減し、効率よく血液を採取することが可能となる。
図13は、本実施形態の第2の例として、針孔が開口された針先65において穿刺面からスリット状の溝66が針側面に形成された構成である。
この第2の例によれば、皮膚に微細針を穿刺した際に、針孔に皮膚片等が詰まっても、側面にスリット状の溝66の隙間から採血が可能となるため効率よく血液を採取することが可能となる。また図12に示した第1の例よりも容易に形成可能なため、安価に形成することが可能となる。
図14は、本実施形態の第3の例として、針自体を多孔質材料で形成した構成である。例えば、セラミック材料に微細な樹脂ビーズ等を添加して針状成型した後、焼成する。この製作工程により、樹脂ビーズ部が空孔となった多孔質セラミックによる針が作製される。本実施形態の微細針は、針先の針孔に皮膚片等が詰まっても、針側壁面から血液を吸引採取することが可能となるため、効率よく血液を採取することが可能となる。
図15は、本実施形態の第4の例として、針69の穿刺面に開口された針孔を気密に封止するように真空封止用の膜70を形成したものである。膜材質としては、例えばポリ乳酸、にかわ、でんぷん、タンパク質、水あめ等から成る生体分解性樹物質で形成されている。
一般の真空採血では後端にゴムチューブ等をつけた中空針を刺した後、真空採血管を針後端に刺すことで採血を開始する。この時ゴムチューブは折りたたまれた状態となる。ゴムチューブ等をつけるのは針刺し時点での血液の漏れを防止するためであるが、真空採血管に連結した後に折りたたまれたゴムチューブの弾性により採血管が外れてしまうことがある(キックバック現象)。キックバック現象が起こると採血が途中で中断してしまう溜め、安定した採血を行うことができなくなる。
第4の例における微細針69は、先端に真空封止用の膜70を形成しているため、例えば図1において、真空採血管1と採血部3を予め連結させておくことが可能である。採血の際に、皮膚への穿刺によって先端の膜が破れるため、真空採血が可能となるため、前述した様な穿刺時の血液漏れは発生せず、キックバック現象による採血不良も防止することができる。
また、多数の微細針を用いて真空吸引にて採血を行う場合、すべての微細針が皮膚に刺さらないと、針孔から空気が吸引され、真空状態からいちはやく大気状態となり、採血が行えなくなってしまう。第4の例のように、真空封止用の膜が針先端に形成されていれば、皮膚を貫通しない針からの真空漏れが防止できるため、多数針を用いても安定した真空採血が可能となる。さらに真空封止用の膜は生体分解性材料で構成されているため、皮膚貫通時に膜が破れて体内に残っても危険は無い。
次に、第9の実施形態として、採血部に用いられている微細針の配置例について説明する。
図16は、本実施形態の第1の例として、微細針の針孔の法線方向の向きが一定に揃わないように配置された例である。
各微細針の針孔は、45度乃至30度に切断された穿刺面に設けられている。各微細針の穿刺面が全て同じ方向を向いている場合には、採血しやすくするために血管の方向に沿うなどの正確な位置決めを行う必要がある。本実施の形態の第1の例では、複数の微細針の針孔それぞれが一定の方向を向かずバラバラな方向を向いているため、血管に正確に位置決めする必要なく、いずれかの微細針が血液を針孔に導く可能性が高くなり、効率よく血液を採取することが可能となる。
図16は、本実施形態の第1の例として、微細針の針孔の法線方向の向きが一定に揃わないように配置された例である。
各微細針の針孔は、45度乃至30度に切断された穿刺面に設けられている。各微細針の穿刺面が全て同じ方向を向いている場合には、採血しやすくするために血管の方向に沿うなどの正確な位置決めを行う必要がある。本実施の形態の第1の例では、複数の微細針の針孔それぞれが一定の方向を向かずバラバラな方向を向いているため、血管に正確に位置決めする必要なく、いずれかの微細針が血液を針孔に導く可能性が高くなり、効率よく血液を採取することが可能となる。
以上のように構成した複数の微細針を用いることで、血管を捜して針を刺さなくてもいずれかの針の針孔が穿刺により傷ついた毛細血管から血液を効率的に採取することが可能となり、微細針であっても多量の血液を短時間に効率的に採取することが可能となる。
図17は、本実施形態の第2の例として、複数の微細針を台座に配置する際に、中央に向かい最も長くなる三角の凸状に配置している。このように構成することにより、針刺し深さを厳密に規定しなくとも、いずれかの針先端が血管部にあたる確率が高まるため、容易に採血可能となる。
また凸形に尖形配置される微細針は、皮膚に穿刺される際に、長いものから順次刺さる。このため、微細針を水平に一列に配置し一度に穿刺されるものに比べて、針刺し圧力が低くても容易に皮膚に穿刺することが可能となる。この例では、一列の微細針の配置を示しているが、3次元におけるピラミッド型や鉛筆の先端のように、面内中央の微細針が最も長くなるような垂体形状に微細針を配置してもよい。図17に示す本例では、微細針の穿刺面が一定の方向を向くように配置されているが、特に限定されているものではなく、図16に示したようにランダムに配置しても構わない。針孔の向きを揃えれば穿刺において皮膚への接触面積を最小にでき、穿刺圧力を低減できる。一方、針孔向きをランダムに配置すれば、厳密に血管部に微細針を穿刺させなくとも、いずれかの微細針が血液を中空孔に導くため、効率よく血液を採取することが可能となる。
図18は、本実施形態の第3の例として、複数の微細針を台座に配置する際に、中央に向かい微細針の長さが最も短くなる漏斗形の凹状に配置している。
このように構成することにより、針刺し深さを厳密に規定しなくとも、いずれかの針先端が血管部にあたる確率が高まるため、容易に採血可能となる。また針形成面の外側に配置した微細針が先に刺さるため、内側の皮膚は盛り上がり、内側に形成した針が皮膚に刺さりやすくなる。従って微細針の皮膚への貫通不良による真空リーク発生を防止することできる。この例では、一列の微細針の配置を示しているが、例えば逆ピラミッド型や漏斗形のように、面内中央の微細針が最も短くなるような逆垂体形状に微細針を配置してもよい。図18に示す本例では、微細針の針孔における開口面が一定の方向を向くように配置されているが、第1の例と同様にランダムに配置しても構わない。
図19は、本実施形態の第4の例として、複数の微細針を台座に配置する際に、微細針の長さが一方の外端から他方の外端に向かって徐々に針長さが短くなるよう配置している。この時の針長さ変化は、図示する角度αが30度乃至45度程度に形成されている。
このように構成することにより、穿刺の深さを厳密に規定しなくとも、いずれかの針先端が血管部にあたる確率が高まるため、容易に採血可能となる。
また斜めに尖形配置される微細針は、皮膚に穿刺される際に、長いものから順次、針刺されるため、微細針を水平に一列に配置し一度に穿刺されるものに比べて、穿刺圧力が低くても容易に皮膚に刺すことが可能となる。この例では、一列の微細針の配置を示しているが、複数列に重ね合わせて、面内で一方の外端から他方の外端に向かって徐々に針長さが短くなるように微細針を配置してもよい。また図19では、針孔の向きは一定方向に揃えてあるが、第1の例と同様にランダムに配置しても構わない。
図20は、本実施形態の第5の例として、複数の微細針を台座に配置する際に、長さが異なる複数の微細針を束として、複数箇所に均等又は不均等に離間させて配置している。不均等に離間させて配置する場合は、例えば、中央側を周辺側よりも離間する距離を近づける等が考えられる。この例では、中央の微細針の長さが最も長い垂体形状に配置している。このように構成することにより、複数の針孔の微細針の長さ方向の位置がそれぞれ異なるので、第2の例の構成による効果に加えて、さらに、いずれかの微細針が血管に当たる確率が高まるため、穿刺位置、穿刺の深さを規定することなく容易に採血可能となる。尚、この配置において、穿刺面の向きを一方向に揃えてもよいし、異なる方向に連結してもよい。
図21は、本実施形態の第6の例として、複数の微細針を台座に配置する際に、針孔の向きを揃えていない複数の微細針を束として、複数箇所に均等又は不均等に離間させて配置している。不均等に離間させて配置する場合は、例えば、中央側を周辺側よりも離間する距離を近づける等が考えられる。このように構成することにより、第1の例の構成による効果に加えて、さらに、いずれかの針が血管に当たる確率が高まるため、穿刺位置、穿刺の深さを規定することなく容易に採血可能となる。尚、前述した第5の例と本第6の例を組み合わせた構成により、複数の長さが異なり且つ微細針の開口面がバラバラな配置により、経験が無く又不慣れな採血者においても、適正に所望する血液量の採取を実施することが可能となる。尚、この配置において、長さを揃えてもよいし、異なる長さであってもよい。
次に、第10の実施形態として、採血部の構成例について説明する。
図22(a)は、本実施形態の第1の例として、鋭利に切断された針孔(皮膚穿刺端)83bから所定長さのところで微細針外径が太くなる段差83aをもつ複数の微細針83と、複数の微細針83が固定される台座82と、微細針より太い中空針84とを有する採血部81の構成を示している。
図22(a)は、本実施形態の第1の例として、鋭利に切断された針孔(皮膚穿刺端)83bから所定長さのところで微細針外径が太くなる段差83aをもつ複数の微細針83と、複数の微細針83が固定される台座82と、微細針より太い中空針84とを有する採血部81の構成を示している。
このように構成することにより、微細針が穿刺された際に、段差83bがストッパ機能となり、微細張りの皮膚への進入が一旦停止する。従って、微細針を所定長さ以上には穿刺できないため、採血針が移動する距離も規定される。そのため、採血針をどの程度穿刺すべきかを把握しておらず、経験が無く又不慣れな採血者においても穿刺することができ、採血に対する不安が解消される。
また図22(b)は、本実施形態の第2の例として、複数の微細針が固定された台座の外周部に、穿刺の深さに規定される高さのストッパ部位89を設けた構成を示している。ストッパ部位89によって微細針における穿刺の深さが規定されるため、その深さを厳密に規定することなく、経験が無く又は不慣れな採血者においても穿刺することができ、採血に対する不安が解消される。
次に、第11の実施形態について説明する。
図23(a)乃至図23(c)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構と毛細血管を検出する血管検出機構とを有している。尚、図23(a)乃至図23(c)は、図24におけるA−A断面を示している。図24は、近赤外光の照射部と受光部の配置例を示している。図25は、血管検出機構のブロック構成を示している。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した第3の実施形態における図3(a)乃至図3(d)に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。本実施形態の連結保持機構は、第3の実施形態と同等であるため、説明を省略する。
図23(a)乃至図23(c)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構と毛細血管を検出する血管検出機構とを有している。尚、図23(a)乃至図23(c)は、図24におけるA−A断面を示している。図24は、近赤外光の照射部と受光部の配置例を示している。図25は、血管検出機構のブロック構成を示している。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した第3の実施形態における図3(a)乃至図3(d)に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。本実施形態の連結保持機構は、第3の実施形態と同等であるため、説明を省略する。
図23(a)に示す構成において、フード部25が取り付けられたホルダ部100の端面には、フード部25の内部から皮膚表面9に近赤外光を照射する近赤外光照射部101と、同様なホルダ部100の端面の別の箇所には、近赤外光照射部101から照射された近赤外光で皮下の散乱光を受光する受光部102とが設けられている。また、ホルダ部100は、真空採血管と真空針とを保持するものであって、この近赤外光照射部101及び受光部102と、採血針との位置関係を固定している。
近赤外光照射部101には、少なくとも光源101a、レンズ101b及び偏光板101cが内蔵されている。光源101aは、表皮組織は透過して真皮組織で散乱される近赤外線等の長波長光を発する光源を用いることが好ましい。光源101aは、例えばLED等を用いることができる。光源101aには、ホルダ部100に内蔵された電池等を含む電源制御回路103により点灯が駆動制御される。図示しないが、ホルダ部100の外装に点灯オンオフ用のスイッチ等を設けてもよい。また、赤外線センサを備えて、皮膚の温度を検出することにより、検出信号を出力する生体感知センサを内蔵させて、フード部材端面を皮膚表面に近づけると光源101aが点灯するように構成してもよい。
また受光部102は、撮像素子(例えば、固体撮像素子)やフォトダイオードからなる受光素子102a、結像レンズ群102b、受光部偏光板102cにより構成されている。
受光部102は、近赤外光照射部101の偏光板101cと受光部102の偏光板102cは振動方向が直行する関係となるように配置されている。
近赤外光照射部101の光源101aからの照射光は、偏光板101cにより振動方向が一方向に制限されて皮膚表面9に照射される。そして、受光部102には偏光板102cが配置されているが、これは振動方向が偏光板101cとは直交するように構成されている。つまり、皮膚表面9での単純な反射光は、振動方向が偏光板102cとは直交することになり、偏光板102cによって遮蔽され、誤検出を防止する。
受光部102の駆動電源は、光源点灯用の電池と共用でもよく、動作開始は前述した外装に設けられたスイッチでもよい。また、受光部102の画像処理回路104がホルダ部100内に内蔵されている。
図24には、フード部25側から見た近赤外光照射部101と受光部102が配置された位置関係を示している。近赤外光照射部101と受光部102とは、一直線上に配置せず、所定の角度βを持たせて、ホルダ部100の端面に設置されている。
また、近赤外光照射部101から照射され生体表面から反射された光が直接、受光部102に入らないように、(図23(a)に一点鎖線にて示された)正反射角度よりもずらして、受光部102が配置されている。
本実施形態の血管検出機構は、皮膚表面へ偏光光を照射し、その反射光を偏光と振動方向が直交する偏光フィルタにより分離する。これにより、皮膚下の組織における散乱により偏光が解消された後方散乱光や複屈折光等のみを得ることができ、皮下の毛細血管などの光学的散乱性を有する組織のパターンを検出することができるものである。可視光の赤や近赤外線等の長波長の帯域では生体の透過性が高くなる。このため、皮下の真皮の毛細血管網にて、照射光が血流により散乱される。
図25(a)に示されるように、画像処理回路104は、信号処理回路105と判定回路106とから構成されている。信号処理回路105は、受光素子102aで検出された皮下の毛細血管を識別・抽出する信号処理を行い、判定回路106は毛細血管の密集度がある一定以上集まっていることを判定する。この判定回路106が判定する毛細血管の密集度について説明する。図25(b)は、一例として近赤外光により抽出された手の一部の毛細血管の画像を示している。ここで、毛細血管の密集度が高まっている部分とは、毛細血管が交差している部分、又は毛細血管が分岐している部分であり、受光部102の撮像素子の受光面の大きさや感度や画角(撮像範囲)により異なるが例えば、撮像画面全体の平均面積に対して、毛細血管が30%以上の領域が含まれる場合には、その領域を密集度が高まっている部分と判定する。例えば、図25(b)に示すように四角枠108内の全体面積に対して、毛細血管部分が割合として約40%を占めている場合には密集度が高いと判定される。また、面積ではなく、四角枠内の平均輝度を算出し、予め定めた基準値と比較し、基準値以下であれば、毛細血管が多いために平均輝度を下げていると判定することもできる。この場合の受光部102はフォトダイオード等を用いて、より安価に構成することができる。
そして、告知部107は、外装に設けられた音源又は発光素子(例えば、LED)又は振動部材(バイブレータ)のいずれか1つ又は組み合わせて構成される。これらを動作させて、毛細血管の密集度が高い箇所を採血者に告知する。実際の動作では、皮膚表面にフード部25の端面を当接させながら走査し、毛細血管の密集度が高い位置を音又は光により採血者に対して告知する。
以上のように構成された採血装置は、次のような動作を行う。図23(a)は、採血に好適する毛細血管を検出している状態を示している。まず、近赤外光照射部101が被採血部位に光を照射し、被採血部位で反射された光を受光部102で受光する。受光した光に基づいて画像処理回路104で判定し、密集度が高まっていると判定された場合には、告知部107で告知する。この告知を受けて採血者が採血動作を行う。図23(b)は、皮膚表面の毛細血管10に微細針6を針刺しする様子を示している。真空採血管21の底部を手等でホルダ部100内に押し込むと、ガイド部12の磁力による保持状態が解除され、中空針7が真空保持部37の凹底部に当接した状態で採血部3が移動される。この移動に伴い、図23(c)に示すように、微細針6がフード部25より進出して皮膚9へ穿刺する。このとき、微細針の挿入抵抗が、太い中空針7が真空保持部37のゴム栓を貫く挿入抵抗よりも小さい関係となっている。その後、連結保持部24が縮み、予め設定した位置即ち、毛細血管に到達した位置で穿刺を停止させる。
さらに、真空採血管21の下部を手等でホルダ部100内に押し込むと、中空針7が真空保持部37を貫通して、真空による吸引力で血液が真空採血管21内に吸引される。図23(c)には、皮膚表面の毛細血管10から血液を採血する様子を示している。採血が完了後、真空採血管21をホルダ部100内に押圧するのを止めると、連結保持部24の弾性力により、真空採血管21が押し戻される。真空採血管21が押し戻されることにより、微細針6が皮膚表面から抜け出て、フード部25内に格納される。
そして、ガイド部12のつば部がホルダ端面に当接して、ガイド部12がホルダ端面に当接した状態に保持され採血針の移動は停止する。その後、真空採血管は、連結保持部24の弾性力により、さらに後退して、真空保持部37から太い中空針7が抜き取られる。
その後、採血者はホルダ部100の下部より、真空採血管21のみを下部方向に引き出して、連結保持部24から切り離して取り出す。これにより、微細針6は、フード部25内に収容されたままであるため、採血者は微細針6に触れることなく、安全に真空採血管21を回収することができる。
尚、採血の終了は、視認による採血量の確認の他に、タイマを搭載して、予め設定された時間が経過した際に採血者に告知してもよい。又は、発光素子と受光素子からなるセンサをホルダ部の側面に対向するように配置し、血液によりセンサ光が遮断された際に、音や光で採血終了を告知してもよい。
また図24に示したように、近赤外光照射部101と受光部102が光学的な正反射位置に配置されていないため、検出に不用とされる生体表面からの反射光による誤検出を防止する。
本実施形態においては、一般の生体認証等のように生体内部パターンを詳細に解析することは必要ではない。このため、受光部102に併設される判定回路106は単純な濃淡解析(撮像素子であれば2値化処理後の全画面の輝度合計値が一定値を超えたかどうかを解析、フォトダイオードであれば信号強度がある一定値を超えたかどうかを解析)を行えば良く、低価格・小型・低消費電力で実現できる。
本実施形態によれば、大型・高価な毛細血管検出装置などを必要とせず、ハンドキャリできる小型のホルダ部100により、採血時のコストと可動性を確保できる。
また、採血者が毛細血管の密集度が高い位置を選択的に狙って、微細針を挿入できるため、容易に多量の採血を実現でき、採血時間を短縮できる。さらに、密集度の高い位置を装置が検出するので、静脈採血のような熟練度に左右されず、簡便に、採血を実施できる。
また、本実施形態では、ホルダ部100によって近赤外光が照射される範囲と採血針との位置関係が固定されているので、判定結果を受けて改めて位置決めすることなく採血を行うことが可能である。さらに、複数の微細針は、血管を検出する機構が血管の密集度を検出する範囲と等しい又は、その範囲よりも広い範囲について採血を行う。そのため、複数の微細針は血管検出機構の密集度が高いと判断した範囲を確実に含んで採血を実施することができる。これにより、血管の検出を行った後に微細針を挿入する位置を決めるという作業を必要とせずに、採血を実施できる。
さらに、毛細血管の密集度が音や光により採血実施者に告知されるため、複雑な行動を必要とせず、簡便である。フィルタを内蔵する構成においては、採血後に真空採血管への押圧を止めると、連結保持部の弾性力により、真空採血管が押し戻され皮膚から微細針が抜かれて、直後に空気が微細針内に流入し、採血管の上部空間の真空度を大気圧側に戻す。このため、フィルタを挟んだ上部空間と下部空間に大きな圧力差が生じ、血液の血清分離が短時間で実施される。
また、本実施形態に構成においては、近赤外光照射部と受光部を内蔵したホルダーは再利用できるため、使用したフード部と採血部と真空採血管21とを新たなものに交換するだけで再使用ができ、ランニングコストが低減できる。
次に、第12の実施形態について説明する。
図26(a)及び図26(b)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構と毛細血管を検出する血管検出機構とを有している。図26(a)には採血装置の断面構成を示す。図26(b)は、血管検出機構における近赤外光照射部と受光部の配置例を示す。本実施形態は、前述した第11の実施形態における血管検出機構の近赤外光照射部の光照射の構成が異なっている。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した第11の実施形態における構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。第11の実施形態とは異なる部分について説明する。
図26(a)及び図26(b)に示す本実施形態の採血装置は、真空採血管を保持するホルダを兼用する連結保持機構と毛細血管を検出する血管検出機構とを有している。図26(a)には採血装置の断面構成を示す。図26(b)は、血管検出機構における近赤外光照射部と受光部の配置例を示す。本実施形態は、前述した第11の実施形態における血管検出機構の近赤外光照射部の光照射の構成が異なっている。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した第11の実施形態における構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。第11の実施形態とは異なる部分について説明する。
本実施形態は、血管検出機構の近赤外光照射部がフード部を利用して照明光を伝搬させる構成である。
ホルダ部100に設けられるフード部25は、光導波路部材として利用され、光学的に透過する材料、例えばガラス、透明樹脂等により形成される。フード部の外面と内面の側面には、例えばアルミニウム薄膜からなる光を反射する膜がコーティングされている。この薄膜成膜は、ガラス製のフード部であれば、半導体製造技術に用いられている蒸着法やCVD法やスパッタリング法等の手法を用いることができる。また、樹脂製のフード部であれば、メッキ法等の手法が適用できる。また、フード部25の端面は、光の入射と出射が行われるため反射膜は形成されていない。
本実施形態では、図26(b)に示すように、ホルダ部100の端面には3つの近赤外光照射部101,111,112と1つの受光部102が設けられている。勿論、近赤外光照射部は、その配置される数は1つ以上であれば、制限されるものではない。また、本実施形態では、図26(b)に示すように、3つの近赤外光照射部101,111,112は、90度間隔で3箇所に配置され、受光部102は前述した第11の実施形態と同様に、所定の角度βを有して配置されている。また、近赤外光照射部101,111,112に対して、皮膚表面の正反射角度からずらして、受光部102が配置されている。また、近赤外光照射部が複数設置されるときには、内部の光源は、生体組織の散乱波長に合わせて、複数波長の光源とする。
また、それぞれの近赤外光照射部101,111,112は、ホルダ部100側のフード部25の後端面から近赤外光が導入され、前述した反射膜により反射されつつ拡散して、フード部25の先端部からリング照明として皮膚表面9に投影される。
以上説明したように、本実施形態によれば、皮膚表面に複数の波長を有する近赤外光をリング照明として照射することができる。皮下の毛細血管に複数方向から近赤外光が照射されることになり、より検出精度が向上して、誤検出を防止することができる。
また、採血を行う被採血対象は、生体の個体差及び人間・動物の種別により、毛細血管からの散乱光を検出する最適な波長がずれる場合がある。このため、複数の波長の光源を搭載した照射部に変更することにより、その誤差をさらに、低減することができる。さらに本実施形態では、1つの受光部を配置した例について説明したが、受光部においても複数配置し、検出精度を向上させることができることは言うまでもない。従って、より確実に、皮下の毛細血管を検出することができ、より多様な生体の個体差と種類に対応することができる。
次に、第13の実施形態について説明する。
図27は、本実施形態の採血装置から取り外された採血後の真空採血管を保管するための採血管保管容器を示している。
図27は、本実施形態の採血装置から取り外された採血後の真空採血管を保管するための採血管保管容器を示している。
図27に示す採血管保管容器120は、上部構造体123と下部構造体121が温度遮断部(ゴム等)122を介して連結された二対構造である。上部構造体123は、上方(下部構造体121と連結しない側)が開口され、この開口を塞ぐように脱着可能な蓋124が螺合されている。
下部構造体121の底面には、ペルチェ素子126が内蔵される。上部構造体123の側面周囲には、リング状ヒータ125が内蔵されている。また上部構造体123の側面には、上部構造体123内の温度を測定するための温度センサ141が設けられている。温度センサ141は一般的な熱電対タイプを用いることができる。勿論、下部構造体121にも、その温度センサ141を設けてもよい。
採血管保管容器121は、温度の伝達効率に優れた金属製(アルミニウム合金、真鍮又は、銅等)が望ましいが、軽量性の観点から樹脂部材でも可能である。上部構造体123下部構造体121及び温度遮断部122の内部には、真空採血管をガタツキ無く嵌装する収納穴が形成されている。但し、上部構造体123の内部は、収納された真空採血管1が取り出せるように、指が入るためのスペースが確保されている。
図示していないがヒータ125とペルチェ素子126を駆動するための電源回路やセンサが採血管保管容器の外部に設置される。これらは小型に構成して、採血管保管容器内に、内蔵されていてもよい。また、ヒータ125とペルチェ素子126による温度調整が行われ、真空採血管の温度が設定温度に至った場合に、その熱を感知する温度センサと、その検知結果を音又は、光又は、感熱材の色変化で告知する部位を設けてもよい。
図28(a)乃至図28(c)を参照して、第13の実施形態に係る採血管保管容器の使用方法について説明する。
まず、例えば図6に示した第6の実施形態の採血装置を用いて採血を行い、内部にフィルタを持つ真空採血管1から採血部3を取り出す。または、図8(b)に示す第6の実施形態の第1の変形例におけるフィルタを備える真空採血管44を用いる。この時、真空採血管1,44はフィルタによって上部空間と下部空間とに分けられており、少なくとも上部空間は大気圧に近い状態となっている。
まず、例えば図6に示した第6の実施形態の採血装置を用いて採血を行い、内部にフィルタを持つ真空採血管1から採血部3を取り出す。または、図8(b)に示す第6の実施形態の第1の変形例におけるフィルタを備える真空採血管44を用いる。この時、真空採血管1,44はフィルタによって上部空間と下部空間とに分けられており、少なくとも上部空間は大気圧に近い状態となっている。
取り出した真空採血管1は、血球分離操作の完了を待つことなく、図28(a)に示すように採血管保管容器120に収納され、蓋124で閉じて、密封状態にする。上部空間には血球が分離される前の血液が保持されている。
その後、図28(b)に示すように、採血管保管容器120の上部構造体123側面のヒータ125と、下部構造体121底面に設置したペルチェ素子126をそれぞれ駆動する。これらの駆動により、真空採血管1は、下部空間が冷却され且つ上部空間が加温されて、下部空間は例えば4度以下、上部空間は例えば37度程度に保持される。この結果、真空採血管1の上部空間の気体は膨張し、下部空間の気体は収縮する作用が働くことで、上部空間の圧力が下部空間の圧力に較べ相対的に高くなり、上部空間と下部空間の圧力差を大きくすることができる。この圧力差により、上部空間にある血液を積極的に下部空間に押し流すことになり、下部空間に血球が分離された血液が収納される。以上によって、採取した血液の血球分離を短時間に、手を触れることなく安全に完了することができる。
採取した血液の血球分離が完了後、図28(c)に示すように、ヒータ125及びペルチェ素子126の駆動を停止する。駆動停止は、予め電源回路に内蔵されたタイマにて自動的に停止しても良いし、採血管上部空間の血液量が所定量以下になったところを検出して停止させても良い。また、ペルチェ素子126の駆動は、血球分離が完了後もそのまま、検査装置1に試料をかけるまで継続しても良い。
このようにペルチェ素子126の駆動を継続させることにより、保温冷却容器全体が低温に維持されて、採取した検査用血液の劣化が防止される。
以上説明した本実施形態によれば、採血管保管容器内で真空採血管の上部空間と下部空間の圧力差を大きくして、上部空間の採血された血液がフィルタを通して積極的に下部空間に押し流すことになり、血液の血清分離処理を短時間で且つ採血者や検査者の手に触れることなく安全に完了することができる。
真空採血管の真空保持部を取り外したり、新たに穴を開けて上部空間に外部の空気を流入させることで血清分離を短時間化させることはできるが、クリーンルーム以外で行った場合には、その雰囲気内で空気中に浮遊するゴミや細菌やカビが入り込む虞があり、望ましくはない。一方、本実施形態による温度差を利用した血清分離の短時間化は、外部の空気は入り込みづらく、採血後の血清の清浄度を高いまま、維持することができる。
また、従来の無遠心採血管では血球分離が完了しないと保管収納することは出来なかったが、本実施形態の採血管保管容器を用いれば、血球分離の完了を待つことなく冷却保管容器に入れることができるので、作業性が向上する。さらに保温冷却容器を用いることにより、郵便や宅配等の輸送を行うことが可能となる。また、真空採血管を輸送時の破損から防止することができる。さらに、採血者に対して、採取した血液が完全に隔離されるため、安全が確保できる。なお、保温冷却容器は、使用後に洗浄すれば、再利用することができ経済的である。
次に、第13の実施形態の変形例について説明する。
前述した様に第13の実施形態においては、上部構造体123と下部構造体121の間に温度差を発生させることによって真空採血管1の上部空間と下部空間との間に圧力差を発生させている。従って、上部構造体123と下部構造体121との間に、温度差を発生させれば良く必ずしもヒータ125とペルチェ素子126の両方を設ける必要はない。
前述した様に第13の実施形態においては、上部構造体123と下部構造体121の間に温度差を発生させることによって真空採血管1の上部空間と下部空間との間に圧力差を発生させている。従って、上部構造体123と下部構造体121との間に、温度差を発生させれば良く必ずしもヒータ125とペルチェ素子126の両方を設ける必要はない。
図29(a)に示す第1の変形例として、ヒータを設けていない上部構造体127と、ペルチェ素子を設置した下部構造体121とによる構成でもよい。または、図29(b)に示す第2の変形例として、ヒータ125を設置した上部構造体123と、ペルチェ素子を設けていない下部構造体128とによる構成でもよい。
また、温度差による圧力変化以外の方法を用いた第3の変形例もある。図29(c)に示すように、窒素ガスや炭酸ガス等を封入した小型ガスボンベ130と調節バルブ131を用いガスを真空採血管1に注入して、上部空間の圧力を相対的に高くしてもよい。この時、調節バルブ131に接続するガス供給配管132の先端を真空採血管1の真空保持部に差し込む。このガス供給配管132にも図示しないエアーフィルタを取り付けて、小型ガスボンベ130内のゴミが入り込まないようにすることが好ましい。尚、ガス供給配管132の途中に空気中に浮遊するゴミや細菌やカビを排除できるエアーフィルタを設ける構成においては、調節バルブに代わってリークバルブを用いて、大気開放することも考えられる。
以上説明した第1乃至第3の変形例であっても第13の実施形態の効果に準ずる効果を得ることができる。
次に、第14の実施形態について説明する。
本実施形態は、前述した各実施形態における採血装置を被採血者の採血箇所(例えば、腕の皮膚)に長時間に亘り保持させて採血を実施する採血装置保持具である。
図30(a),(b)には、本実施形態の採血装置保持具の構成例を示す。ここで、図30(a)は、本実施形態の採血装置保持具を被採血者の腕に装着した状態を示している。採血装置保持具は、微細針を腕に付勢し穿刺状態で保持する付勢部152と、この付勢部152を被採血者の皮膚上に固定する固定部151により構成される。固定部151は、ベルトにより構成され、腕や足等に巻きつけられる。ベルトには微細針用の穴が開けられ、付勢部152が固着されている。固定部151は、ベルトの他にも、粘着テープ、接着剤または粘着ゲル等を用いて皮膚に直接、粘着固定させてもよい。さらに、吸盤等で負圧状態を作り、吸着による固定でも構わない。
本実施形態は、前述した各実施形態における採血装置を被採血者の採血箇所(例えば、腕の皮膚)に長時間に亘り保持させて採血を実施する採血装置保持具である。
図30(a),(b)には、本実施形態の採血装置保持具の構成例を示す。ここで、図30(a)は、本実施形態の採血装置保持具を被採血者の腕に装着した状態を示している。採血装置保持具は、微細針を腕に付勢し穿刺状態で保持する付勢部152と、この付勢部152を被採血者の皮膚上に固定する固定部151により構成される。固定部151は、ベルトにより構成され、腕や足等に巻きつけられる。ベルトには微細針用の穴が開けられ、付勢部152が固着されている。固定部151は、ベルトの他にも、粘着テープ、接着剤または粘着ゲル等を用いて皮膚に直接、粘着固定させてもよい。さらに、吸盤等で負圧状態を作り、吸着による固定でも構わない。
付勢部152は、内壁に雌ネジの切られた筒状部153と、固定部151へ固着させるための固着部154と、筒状部153から延出し開閉可能な少なくとも2本の弾性ストッパ部155と、筒状部153側面上を移動可能で弾性ストッパ部155を固定する枠状固定具156と、枠状固定具156を弾性支持する弾性部材157とで構成される。
付勢部152は、例えば金属材料または、樹脂材料等または、これらの組み合わせにより構成される。また固定部151は、例えば皮、塩化ビニール、樹脂または、金属等により構成される。弾性部材157は、スプリングコイルバネ、板バネ、ゴム等により構成される。
図31には、本実施形態の採血装置保持具に適用する採血装置の構成例を示す。
この採血装置170は、図3に示した第3の実施形態におけるホルダ部に装填される真空採血管にフィルタを備えた構成である。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した図3に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
この採血装置170は、図3に示した第3の実施形態におけるホルダ部に装填される真空採血管にフィルタを備えた構成である。ここで、本実施形態の構成部位において、前述した図3に示す構成部位と同等のものには同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
採血装置170は、前述したホルダ部23と、弾性力を有する連結保持部24と、採血部3と、フード部163とで構成される。
採血部3は、ホルダ部23のガイド穴に移動可能に嵌装される第1のガイド部161と、第1のガイド部161の内部で台座5をカバーし中空針7に嵌装される第2のガイド部162と、を有している。また、フード部として外壁に雄ネジが形成されたフード部163が設けられている。真空採血管21内にはフィルタ部36が設けられている。
図32(a)乃至図32(f)を参照して、本実施形態の採血装置保持具を用いて採血を行う工程について説明する。
図32(a)は、固定部151を図30(a)に示すように、被採血者の腕に固定した後、筒状部153外側に設けられた枠状固定具156を押し下げて、弾性ストッパ部155を拡げる。採血装置170を筒状部153内に挿入し、フード部163の雄ネジを筒状部155の雌ネジにかみ合わせて螺挿して、採血装置170を付勢部152に固定している。この時、フード部163の端面は、被採血者の腕に当接している。さらに図32(b)に示すように、枠状固定具156が弾性部材157に押し上げられて元の位置に戻ると共に、弾性ストッパ部155が閉じて、球形状の先端部155aが真空採血管21に弾性力を持ちながら押し当てられる。
次に真空採血管21を指で押し込むと、真空保持部11のゴム栓が中空針7に当接した状態で採血部3を押し下げ、微細針6が皮膚を穿刺する。さらに真空採血管21を押し込むと、図32(c)に示すように、真空保持部11を太い中空針が貫通して、血液が真空採血管内に吸引されると共に、弾性ストッパ部155の先端部分が閉じて、真空採血管底部に弾性ストッパ部155に保持される。この保持により、穿刺状態の微細針6が皮膚から抜けることを防止し、採血者が真空採血管21の押し込みを維持しなくとも、採血を継続させることができる。
そして、採血量を確認しつつ所定時間の経過後に、図32(d)に示すように、枠状固定具156を押し下げ、弾性ストッパ部155を再び拡げる。この弾性ストッパ部の広がりにより、採血装置への付勢が解除され、真空採血管21及び微細針6が連結保持部24の弾性力により腕から遠ざかる方向に押し上げられて、穿刺前の元の位置に戻る。その後、図32(e)に示すように、ホルダ部23より真空採血管21を取り出して、連結保持部24より外す。真空採血管を取り外した後、図32(f)に示すように採血装置170を付勢部152から取り外すことで採血が完了する。
なお本実施形態では、付勢部152への採血装置固定法としてネジ込みを用いたが、弾性力や固定バンド等を用いても構わない。また、付勢部の真空採血管保持機構として弾性力を用いたが、ネジ込み等により固定しても構わない。さらに、弾性ストッパ部の固定、解除機構等は本実施形態の枠状固定具に限定されるものではなく、種々の形状が適用でき、弾性ストッパ部の先端同士が連結する様な構成、例えば爪形状のフック部とその爪が嵌合するフック受け部とで構成されてもよい。
また図示していないが、真空採血管の代わりに採血管を微細針に連結し、バンド部に固定されたマイクロポンプ等を採血管に接続することにより吸引採血しても構わない。このように構成することにより、より長時間に亘る採血が可能となる。さらに、図示していないが、採血装置のホルダ部の端面又はその近傍からフード部163内の皮膚に向かってアルコール等の消毒液が噴霧される機構を設けても良い。このように構成することにより、皮膚を容易に消毒できるため、衛生処置の手間が簡略化される。
本実施形態における採血の終了は、前述した視認による採血量の確認の他に、タイマを搭載して、予め設定された時間が経過した際に採血者に告知する構成でもよい。又は、発光素子と受光素子からなるセンサをホルダ部の側面に対向するように配置し、血液によりセンサ光が遮断された際に、音や光で採血終了を告知する。また、弾性部材157を記憶形状合金を材料とするバネで構成し、さらに近傍にヒータを配置して、タイマによる設定時間に達した際に、その旨を告知し、さらにヒータを加熱して弾性部材157を縮ませて枠状固定具156を下げて、付勢部152の付勢を解除する構成でもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、採血状態を維持したまま、被採血者の皮膚上に採血装置を長時間固定可能となるため、微細針を用いても十分な血液量を確保することが可能となる。従って、実用段階に至っていないマイクロTAS(Micro Total Analysis Systems)等による分析技術を追求することなく、従来から用いている市販装置にて分析が可能となるので、従来法との置き換えが容易である。また真空採血管や採血装置の固定、脱着は、容易に繰り返し行うことが可能であるため、採血装置保持具を一旦装着しておけば採血部を探す等の手間なく採血が可能となる。
1,21…真空採血管、2,11…真空保持部、3…採血部、4…ガイド部、5…台座、6…微細針、7…中空針、8…血液、9…生体表面(皮膚又は皮膚表面)、10…毛細血管、11…真空保持部、12…ガイド部、13,24…連結保持部、23…ホルダ部、23a…段差部、25…フード部、26…マイクロ磁石、33…吸引ポンプ、34…吸引用接続具、35…フィルタ支持部、35a…円筒部、35b…穴板、36…フィルタ部。
Claims (7)
- 血管に挿入される複数の微細針と、
前記微細針の本数よりも少ない本数であって、前記複数の微細針の内径の断面積の総和よりも最も細い部分の内径の断面積の総和が大きい中空針と、
前記複数の微細針と前記中空針とを連結する連結部と、
前記中空針と連結し、前記微細針、前記連結部、及び前記中空針を介して血液を吸引する採血部と、
を有することを特徴とする採血装置。 - 前記採血部は、大気に対して内部が負圧にされる採血管であることを特徴とする請求項1に記載の採血装置。
- 前記採血部は、内部が減圧状態の真空採血管又は、採血管及び当該採血管と連結した吸引ポンプのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の採血装置。
- 前記真空採血管は、血液から血球を分離するフィルタ部を内部に有することを特徴とする請求項3に記載の採血装置。
- 前記微細針は、毛細血管に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の採血装置。
- 前記中空針を1本有することを特徴とする請求項1に記載の採血装置。
- 血管に挿入される複数の微細針と、
前記微細針よりも少ない数であって、前記複数の微細針の内径の断面積の総和よりも最も細い部分の内径の断面積の総和が大きい中空針と、
複数の前記微細針と前記中空針とを連結する連結部と、
を有することを特徴とする採血針。
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