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JP2008060382A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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JP2008060382A
JP2008060382A JP2006236235A JP2006236235A JP2008060382A JP 2008060382 A JP2008060382 A JP 2008060382A JP 2006236235 A JP2006236235 A JP 2006236235A JP 2006236235 A JP2006236235 A JP 2006236235A JP 2008060382 A JP2008060382 A JP 2008060382A
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Keiji Onishi
慶治 大西
Hiroshi Nakatsuka
宏 中塚
Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
Hiroyuki Nakamura
弘幸 中村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】面内異方性が大きくかつ熱膨張係数が大きく異なる基板を三層構造にしても、温度変化による反りや割れが生じない信頼性の高い電子部品を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品は、機能基板110と機能部111及び配線電極112とからなる二層構造の機能素子を、支持基板120と蓋基板130とで挟み込み、機能素子の入出力信号をビアホール140を介して端子電極150に引き出した構造である。そして、機能部111及び配線電極112の周囲に、空間部131を設けている。
【選択図】図1B

Description

本発明は、携帯電話に代表される携帯型電子機器等に用いられる、主に二層構造からなる機能素子(以下同様)を含む電子部品(例えば、弾性表面波デバイス、圧電バルク波デバイス、アクチュエータ、及びメカニカルスイッチ等の機械的振動を行う電子部品、高周波信号や光信号を扱う電子部品)、及びその電子部品の製造方法に関する。
携帯型電子機器等に内蔵される電子部品は、高性能を維持しつつ、より小型化及び軽量化されることが望まれる。例えば、携帯電話に使用されている高周波信号を選別するフィルタや共用器では、小型かつ挿入損失が小さいことが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、圧電振動を利用した弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave)デバイスが知られている。
図13は、従来の電子部品として、弾性表面波デバイスの断面図を示した例である。
この従来の電子部品は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電基板911、櫛型電極913、及び電極パッド915からなる弾性表面波素子910を、導電性薄膜920と共に、空間部932を設けたキャップ状ガラス基板930に貼り合わせ、弾性表面波素子910の入出力信号をスルーホール940を介して引き出した構造である。
この従来の電子部品の製造は、次のような手順で行われる。
まず、圧電基板911の上に、弾性表面波を励振するための櫛型電極913と、外部からの電気信号を入出力する電極パッド915とを、例えばアルミニウム(Al)等の導電性薄膜を通常のフォトリソグラフィ技術によってパターニングすることにより形成する。次に、櫛型電極915の周縁部に、ロの字型に連続して形成したアルミニウム、チタン(T)、又はシリコン(Si)等の導電性薄膜920を形成する。次に、凹状の空間部932を有するキャップ状ガラス基板930を準備する。ここで、ガラスは、可動イオンを含み、圧電基板911とほぼ等しい熱膨張係数を持っている。そして、圧電基板911とキャップ状ガラス基板930とが、100℃から400℃において、数十Vから数kV程度の電圧を印加することで陽極接合される。最後に、キャップ状ガラス基板930に、導電性物質を充填して外部との電気的接続を図るためのビアホール940が形成される。
以上の製造工程により、従来では用いられていたメタル製やセラミック製のパッケージを用いることなく、また、ワイヤボンディングを不要とした弾性表面波デバイスのパッケージングを行うことで、弾性表面波デバイスの小型化及び低コスト化を図ることができる(特許文献1を参照)。
特開平8−330894号公報
しかしながら、図13に示した従来の電子部品の構造では、キャップ状ガラス基板930と異方性のある圧電基板911との熱膨張係数が完全には一致していないため、高温で陽極接合を行うことにより、常温では弾性表面波デバイスに反りを生じるという課題があった。
特に、異方性の大きいニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はニオブ酸カリウム(KNbO3)等の圧電基板を用いる場合には、弾性表面波の伝搬方向と伝搬垂直方向とでの熱膨張係数が異なる。このため、弾性表面波デバイスの反りが大きく、弾性表面波デバイスをさらに回路基板に半田実装する際に、接続不良が発生したり、弾性表面波デバイスが割れてしまう、といった課題があった。
大きな異方性を有する基板を利用した機能デバイスにおいて、ガラス等からなる蓋基板を用いてチップサイズパッケージ(CSP)を実現しようとする場合、基板の反り等により、圧電基板が割れたり、完成した弾性表面波デバイスが反る等の不具合が生じる。ガラスの熱膨張係数を、弾性表面波伝搬方向と伝搬垂直方向との中間の値に設定したとしても、このような不具合を防ぐことは困難である。特に、3インチやそれ以上のウエハを一括でパッケージングするウエハレベルCSP(W−CSP)の場合には、その影響は顕著となり、温度変化により蓋基板が接合された機能基板は馬の鞍状に変形し、デバイスによってその工程は異なるが、フォトリソ工程、印刷工程、又はダイシング工程等の後工程で、製造歩留まりを大幅に劣化させる原因となっていた。
それ故に、本発明の目的は、面内異方性が大きくかつ熱膨張係数が大きく異なる基板を三層構造にしても、温度変化による反りや割れが生じない信頼性の高い電子部品を提供することである。
本発明は、機能部及び配線電極を備えた機能基板と支持基板との二層構造からなる機能素子を含む電子部品に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の電子部品は、機能基板と、機能基板の少なくとも一方主面上に形成された機能部と、機能基板の少なくとも一方主面上に形成され、かつ、機能部と電気的に接続された配線電極と、機能基板の他方主面と接合された支持基板と、一方主面が機能基板の一方主面と接合され、かつ、少なくとも機能部及び配線電極に対向する位置に、機能部及び配線電極を覆う減圧雰囲気の凹状の空間部を形成する蓋基板と、蓋基板の他方主面に形成された端子電極と、蓋基板を貫通し、配線電極と端子電極とを電気的に接続するスルーホールとを備えている。
空間部は、配線電極に対向する領域に形成された第1凹部と、機能部に対向する領域に形成された第1凹部より深い第2凹部とで構成されていることが好ましい。また、支持基板と機能基板とが、接着層を介さず直接接合されていることが好ましい。また、機能部が、機械的振動部を備えることが好ましい。この機械的振動部を備えた典型的な機能素子は、弾性表面波素子、バルク波振動素子、圧電アクチュエータ、又はメカニカル振動素子である。また、機能基板が異方性材料であり、支持基板と蓋基板とが同じ材料であることが好ましい。また、機能基板が、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、又はニオブ酸カリウムの圧電単結晶であることが好ましい。さらに、支持基板及び蓋基板が、シリコン、サファイア、又はガラスであることが好ましい。
上記構造の電子部品は、機能基板の少なくとも一方主面上に機能部及び配線電極を形成する工程と、機能基板の他方主面に支持基板を接合する工程と、蓋基板の一方主面上に凹状の空間部及び穴部を形成する工程と、機能基板の一方主面と蓋基板の一方主面とを接合する工程と、減圧雰囲気下において、蓋基板の穴部に導電体を充填して配線電極と電気的に接続されたスルーホールを形成する工程と、蓋基板の他方主面上にスルーホールと電気的に接続された端子電極を形成する工程とによって、製造される。
上記本発明によれば、面内異方性が大きくかつ熱膨張係数が大きく異なる機能基板を、同一材料の蓋基板と支持基板とで挟む三層構造にする。これにより、接合強度を強化するための高温熱処理を行っても温度変化により構造体が反ったり割れたりすることなく、信頼性の高い電子部品を得ることができる。また、支持基板と機能基板とを接着層を介さず直接接合したため、接合熱処理時、マザーボードに電子部品を実装する際の半田リフロー時、及び環境の変化に対しても、高度な耐性を備えている。また、空間部を減圧雰囲気とすることにより、機械的振動部の振動阻害がなく、低損失等の電気的特性が優れる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した上面図である。図1Bは、図1Aに示す電子部品のA−A断面図である。
この第1の実施形態に係る電子部品は、機能基板110と機能部111及び配線電極112とからなる二層構造の機能素子を、支持基板120と蓋基板130とで挟み込み、機能素子の入出力信号をビアホール140を介して端子電極150に引き出した構造である。そして、第1の実施形態に係る電子部品の特徴は、機能部111及び配線電極112の周囲に、空間部131を設けることにある。
電子部品として圧電基板を利用した弾性表面波デバイスを構成する場合には、機能基板110に、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、又はニオブ酸カリウム等の圧電単結晶を使用すればよい。これらの圧電基板は、結晶異方性が大きく、また使用するカット角により、弾性表面波伝搬方向の熱膨張係数と弾性表面波伝搬面の伝搬垂直方向の熱膨張係数とが大きく異なる。例えば、携帯電話等の無線部に用いられる弾性表面波フィルタ等に広く利用される36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムの場合、弾性表面波伝搬方向の熱膨張係数は約16ppm/℃であり、伝搬垂直方向の熱膨張係数は約8ppm/℃である。
また、機能基板110に、シリコン、ガラス、又はサファイア基板上に形成された圧電薄膜を用いてもよい。この場合、支持基板120として、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、又はジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電薄膜が形成された基板を代用することができる。
なお、各基板の厚さに制約はないが、蓋基板130と支持基板120とは、同一の材料かつ略同一の厚さであることが望ましい。また、加工性や製造コストの観点から、各基板の材料は、シリコン、ガラス、又はサファイアであることが好ましい。
図2A及び図2Bは、上記構造による電子部品の好ましい製造方法の手順を概略的に示した図である。なお、図2A及び図2Bでは、電子部品が弾性表面波デバイスである場合を一例に製造方法を説明しているが、圧電バルク波デバイス、メカニカルスイッチ、可変容量、可変インダクタ、及びアクチュエータ等のMEMS(Micro Electro−Mechanical System)デバイスであってもよい。
まず、機能基板110の一方主面に、弾性表面波を励振する櫛型電極からなる機能部111が形成される(図2A、工程a)。この機能部111は、例えば、アルミニウム(Al)等の導電性薄膜を通常のフォトリソグラフィを用いてパターニングすることで形成される。次に、機能基板110の一方主面に、機能部111から電気信号を入出力するための電極パッドを含む配線電極112が形成される(図2A、工程b)。
次に、シリコン等からなる支持基板120が、機能基板110の他方主面に、接着剤を介さずに直接接合される(図2A、工程c)。この直接接合は、例えば、両基板の接合面を、平坦化及び清浄化し、かつ、アンモニア系溶剤処理や紫外線照射処理により親水化処理して、重ね合わせることで実現される。このとき、接合強度を向上させるために、重ね合わせた基板を熱処理することが好ましい。また、どちらかの基板が窒化物系材料である場合等、基板の組み合わせによって接合強度が十分に得られない場合は、図3や図4に示すように、機能基板110と支持基板120との間に、酸化ケイ素等の無機薄膜160を介在させてもよい。特に、機能基板110が弾性表面波デバイスの場合、図4に示すように、機能基板110の他方主面を粗面化した後に無機薄膜160を形成し、平坦化した後に支持基板120と接合してもよい。これにより、機能基板110の他方主面での弾性表面波の反射による特性劣化を防止することができる。
蓋基板130には、支持基板120と同様に、凹部加工やスルーホール加工が比較的容易なシリコン基板が用いられることが好ましい。この蓋基板130の一方主面には、機能基板110上に形成された機能部111及び配線電極112の領域に対向する位置に、凹状の空間部131が設けられる(図2A、工程d)。この空間部131は、シリコンの異方性エッチングにより形成される。さらに、蓋基板130の一方主面には、配線電極112に接続されるビアホール140となる部分に、垂直な穴部132が形成される(図2A、工程e)。この穴部132は、シリコンのドライエッチング手法により形成され、その壁面は酸化ケイ素等の絶縁膜でコーティングされることが好ましい。
この穴部132と空間部131との形成順序に制約はないが、空間部131を設けた後に穴部132を形成することが好ましい。その理由は、穴部132を設けた後に空間部131をウエットエッチングにより形成すると、穴部132の形状が変形するためである。また、本実施形態の製造方法のようにドライエッチングにより穴部132を形成する場合には、穴部132が空間部131へ貫通する部分の断面が垂直形状となり、導電性材料の充填時の機能部111への浸透が防止でき、接続信頼性が向上する。なお、空間部131及び穴部132の形成方法は、ウエットエッチングやドライエッチングに限らず、機械的加工で形成してもよい。
次に、支持基板120に接合された機能基板110と、空間部131及び穴部132が形成された蓋基板130とを、機能部111及び配線電極112と空間部131とを向かい合わせて、接着剤等を介さずに直接接合する(図2B、工程f)。この直接接合は、上述した支持基板120と機能基板110との直接接合と同様に、行うことができる。
なお、支持基板120に機能基板110を接合する工程を先に行う場合、機能基板110を、単独では扱えない数十μmから百μm程度まで薄板化することができ、電子部品の低背化が可能となる。この際、機能部111及び配線電極112を形成する工程は、支持基板120に機能基板110を接合した後かつ薄板化した後に行われる。本実施形態では、蓋基板130及び支持基板120が250μmに、機能基板110が100μmに薄板化でき、トータル600μmの低背な電子部品を得ることができた。
次に、通常の印刷手法を用いて、導電性材料を穴部132に充填して硬化させることにより、配線電極112と接続されたビアホール140を形成する(図2B、工程g)。導電性材料は、銀(Ag)等の導電性フィラーを含有した導電性ペーストや、半田等の金属材料を用いればよい。このとき、穴部132に導電性材料を充填する工程の一部又は全部は、減圧下で行うことが好ましい。この工程の一部又は全部を減圧下で行うことにより、空間部131内を減圧雰囲気に保つことができ、かつ機械的振動が妨げられないため、機能部111の性能を最大限に発揮させることができる。また、空間部131に内在する湿度を低くすることができるため、長時間の使用による機能部111の性能劣化や寿命劣化の速度を抑えることができる。例えば、減圧下での成膜(蒸着やスパッタ等)方法を用いて、配線電極112上に穴部132へ達するまで導電膜を形成して、その後に導電性材料を充填する等の工法を用いてもよい。
最後に、ビアホール140を覆うように、蓋基板130の他方主面上に端子電極150を形成する(図2B、工程h)。この端子電極150の形成方法には、例えば、イオンプレーティング法により下地電極を形成し、通常のメッキ手法により仕上げ加工を施す方法がある。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る電子部品の構造及び製造方法によれば、面内異方性が大きくかつ熱膨張係数が大きく異なる機能基板110を、同一材料の蓋基板130と支持基板120とで挟む三層構造にする。これにより、接合強度を強化するための高温熱処理(例えば400℃程度)を行っても温度変化により構造体が反ったり割れたりすることなく、信頼性の高い電子部品を得ることができる。また、支持基板120と機能基板110とを接着層を介さず直接接合したため、接合熱処理時、マザーボードに電子部品を実装する際の半田リフロー時、及び環境の変化に対しても、高度な耐性を備えている。また、空間部131を減圧雰囲気とすることにより、機械的振動部(機能部111)の振動阻害がなく、低損失等の電気的特性が優れる。
なお、上述した本発明の製造方法は、1つの電子部品を製造する場合(CSP)でも、ウエハに複数の電子部品を一括で製造する場合(W−CSP)でも、適用可能である。なお、ウエハに一括で製造された複数の電子部品を個々の電子部品に分割する際にダイシングソーが使用される場合には、端子電極150へのダメージを防止するため、図5に示すように電子部品の外形よりも小さい領域で端子電極105を形成することが好ましい。又は、端子電極150の製造方法や材料には何ら制約はないので、図6に示すように半田ボール等により端子電極150を形成してもよい。
また、本発明の第1の実施形態に係る電子部品の構造を、図7〜図11に示すように目的に応じて適宜変形しても構わない。
図7に示す電子部品は、無機薄膜からなる絶縁膜160を、機能部111及び配線電極112の一部又は全部を覆う領域と、蓋基板130と機能基板110とが接合される領域とに形成した構造である。この構造により、機能部111の耐環境性を高めることができると共に、接合強度が得にくい基板同士であっても接合強度を向上させることができる。
図8に示す電子部品は、機能基板110が支持基板120よりも小さく、空間部131が機能基板110を覆うように設けられる構造である。例えば、圧電薄膜を利用したバルク波デバイスの場合には、窒化アルミニウム等の窒化物系圧電薄膜が広く用いられており、酸化物系基板に比べて接合強度が小さくなる。そのため、支持基板120と蓋基板130とを直接接合できるように、機能基板110(この場合は圧電薄膜)を支持基板120よりも小さく形成し、支持基板120と蓋基板130とを直接接合する。この構造により、接合強度が十分な信頼性の高い電子部品を提供することができる。
図9に示す電子部品は、上記図8に示す電子部品の構造において、支持基板120と蓋基板130とを、酸化ケイ素やガラスフリット等の無機薄膜からなる接着層170を介して接合させた構造である。この構造により、図8と同様に、接合強度が十分な信頼性の高い電子部品を提供することができる。
図10に示す電子部品は、ビアホール140を、真空蒸着等により形成した金属薄膜140bと、充填により形成した半田等の導電性金属140aとで構成した構造である。この構造のように真空蒸着等の手法を用いると、容易に空間部131を減圧雰囲気に保つことができ、電子部品の信頼性を向上させることができる。
図11に示す電子部品は、支持基板120に機能部及び空間部の加工が施され、機能部111に圧電薄膜を用いたバルク波デバイスの構造である。この構造でも、同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図12Aは、本発明の第2の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した上面図である。図12Bは、図12Aに示す電子部品のB−B断面図である。
この第2の実施形態に係る電子部品も、上記第1の実施形態に係る電子部品と同様に、機能基板110と能部部111及び配線電極112とからなる二層構造の機能素子を、支持基板120と蓋基板130とで挟み込み、機能素子の入出力信号をビアホール140を介して端子電極150に引き出した構造である。そして、この第2の実施形態に係る電子部品の特徴は、機能部111と対向する領域の第2凹部231bと他の領域の第1凹部231aとの深さが異なる2段構造の空間部231を設けることにある。
この空間部231は、次のように蓋基板130の一方主面に形成される(上述した図2Aの工程dに相当)。最初に、蓋基板130の一方主面の、機能基板110上に形成された機能部111及び配線電極112の領域に対向する位置に、エッチング加工により浅い第1凹部231aが形成される。次に、機能部111が形成された領域に対向する位置だけさらにエッチング加工を施し、より深い第2凹部231bが形成される。
浅い第1凹部131aを形成する理由は、ビアホール140と配線電極112との接続の信頼性を高めるためである。すなわち、蓋基板130と配線電極112との距離を可能な限り近接させることで、ビアホール140となる穴部132に充填する導電性材料が、深い第2凹部231bの領域へ侵入することを防ぐためである。例えば、液状の導電性材料を用いる場合には、浅い第1凹部231aと深い第2凹部231bとの境界において、液状の導電性材料の表面張力によって深い第2凹部231bへの広がりを自己抑制する効果がある。これは、溶融状態の半田等の金属を充填する場合も同様である。
よって、蒸着やスパッタやイオンプレーティング等の手法で、ビアホール140の一部又は全部を金属膜で充填する際には、機能部111への導電性材料の広がりを最小限に抑えることができると共に、成膜時間を大幅に短縮することができる。よって、接続信頼性が高くかつ低コストな電子部品を得ることができる。
なお、深い第2凹部231bの深さは、機能部111の機械的振動を阻害しない深さであればよい(例えば、約5μm)。また、浅い第1凹部231aの深さは、配線電極112の電極厚さより深ければよい(例えば、約1μm)。
また、ビアホール140は、機能基板110上に形成された配線電極112に対向する位置、かつ、浅い第1凹部231aの領域に形成することが好ましい。
さらに、上記図3〜図11で示した第1の実施形態に係る電子部品の変形例は、第2の実施形態に係る電子部品に対しても、同様に適用可能である。
本発明は、二層構造からなる機能素子を含む電子部品を使用する携帯型電子機器等に利用可能であり、特に面内異方性が大きくかつ熱膨張係数が大きく異なる基板を三層構造にしても、温度変化による反りや割れが生じない信頼性の高い電子部品を得たい場合等に適している。
本発明の第1の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した上面図 本発明の第1の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る電子部品の製造方法を概略的に示した図 第1の実施形態に係る電子部品の製造方法を概略的に示した図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 第1の実施形態に係る他の電子部品の構造を模式的に示した断面図 本発明の第2の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した上面図 本発明の第2の実施形態に係る電子部品の構造を模式的に示した断面図 従来の電子部品の構造を模式的に示した断面図
符号の説明
110 機能基板
111 機能部
112 配線電極
120 支持基板
130 蓋基板
131、231、932 空間部
132 穴部
140 ビアホール
140a 導電性金属
140b 金属薄膜
150 端子電極
160 無機薄膜(絶縁膜)
170 接着層
231a、231b 凹部

Claims (9)

  1. 機能基板と機能部及び配線電極とからなる機能素子を含む電子部品であって、
    機能基板と、
    前記機能基板の少なくとも一方主面上に形成された機能部と、
    前記機能基板の少なくとも一方主面上に形成され、かつ、前記機能部と電気的に接続された配線電極と、
    前記機能基板の他方主面と接合された支持基板と、
    一方主面が前記機能基板の一方主面と接合され、かつ、少なくとも前記機能部及び前記配線電極に対向する位置に、前記機能部及び前記配線電極を覆う減圧雰囲気の凹状の空間部を形成する蓋基板と、
    前記蓋基板の他方主面に形成された端子電極と、
    前記蓋基板を貫通し、前記配線電極と前記端子電極とを電気的に接続するスルーホールとを備えた、電子部品。
  2. 前記空間部が、前記配線電極に対向する領域に形成された第1凹部と、前記機能部に対向する領域に形成された第1凹部より深い第2凹部とで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記支持基板と前記機能基板とが、接着層を介さず直接接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  4. 前記機能部が、機械的振動部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  5. 前記機能素子が、弾性表面波素子、バルク波振動素子、圧電アクチュエータ、又はメカニカル振動素子であることを特徴とする、請求項4に記載の電子部品。
  6. 前記機能基板が異方性材料であり、前記支持基板と前記蓋基板とが同じ材料であることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  7. 前記機能基板が、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、又はニオブ酸カリウムの圧電単結晶であることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  8. 前記支持基板及び前記蓋基板が、シリコン、サファイア、又はガラスであることを特徴とする、請求項6に記載の電子部品。
  9. 電子部品の製造方法であって、
    前記機能基板の少なくとも一方主面上に機能部及び配線電極を形成する工程と、
    前記機能基板の他方主面に支持基板を接合する工程と、
    蓋基板の一方主面上に凹状の空間部及び穴部を形成する工程と、
    前記機能基板の一方主面と前記蓋基板の一方主面とを接合する工程と、
    減圧雰囲気下において、前記蓋基板の穴部に導電体を充填して前記配線電極と電気的に接続されたスルーホールを形成する工程と、
    前記蓋基板の他方主面上に前記スルーホールと電気的に接続された端子電極を形成する工程とを備える、製造方法。

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