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JP2008057953A - 空調システム - Google Patents

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JP2008057953A JP2007089069A JP2007089069A JP2008057953A JP 2008057953 A JP2008057953 A JP 2008057953A JP 2007089069 A JP2007089069 A JP 2007089069A JP 2007089069 A JP2007089069 A JP 2007089069A JP 2008057953 A JP2008057953 A JP 2008057953A
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Akira Kishimoto
章 岸本
Takafumi Kawaguchi
隆文 川口
Toshiaki Shimizu
俊晶 清水
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

【課題】システム構成の簡素化、及び、ランニングコストの低減を図ることができながら、空調対象空間の除湿及び冷房を行うことができる空調システムを提供する点にある。
【解決手段】第1デシカントロータ1及び第1冷却器2が設けられ、第2デシカントロータ3及び第2冷却器4が、第1デシカントロータ1及び第1冷却器2とは別に設けられ、空調用空気通流手段が、第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4の順に通過させる状態で夫々に空調用空気を通流させて、第2冷却器4を通過した空調用空気を第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2の順に通過させる状態で夫々に通流させるとともに、第1冷却器2を通過した空調用空気を第2デシカントロータ3の再生部3bに通流させて、第2デシカントロータ3の再生部3bを通過した空調用空気を室内空間5に供給するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部に通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部に通流される気体に放出する第1デシカントロータと、気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器と、前記第1デシカントロータの吸湿部、前記第1冷却器の順に通過させる状態で夫々に空調用空気を通流させて、前記第1冷却器を通過した前記空調用空気を空調対象空間に供給する空調用空気通流手段と、再生用気体を加熱手段にて加熱したのち前記第1デシカントロータの再生部に通流させる再生用気体通流手段とが設けられている空調システムに関する。
上記のような空調システムは、空調用空気を第1デシカントロータにて除湿し、その除湿された空調用空気を空調対象空間としての室内空間に供給して、空調対象空間の除湿を行うものである。そして、除湿された空調用空気は、第1デシカントロータの吸湿部にて空調用空気の水分を吸着するときの吸着熱の発生により高温となるので、第1冷却器にて空調用空気を冷却して第1デシカントロータの吸湿部を通過したときよりも低温として空調対象空間に供給している。
このような空調システムでは、空調対象空間を除湿することに加え、冷房することが求められることがある。そこで、従来の空調システムでは、第1デシカントロータとしての吸熱ロータ及び第1冷却器としての顕熱交換ロータに加え、第1デシカントロータの吸湿部を通過して乾燥された後に第1冷却器を通過して冷却された空調用空気に水を噴霧して蒸発潜熱を奪う形態で冷却する加湿機を設け、空調用空気通流手段が、加湿機を通過した空調用空気を空調対象空間に供給することによって、空調対象空間の除湿及び冷房を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−115737号公報
しかしながら、上記従来の空調システムでは、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却するための専用の加湿機を設けなければならず、しかも、その加湿機に水を補給するための設備も必要となるので、システム構成の増大化及び複雑化を招く虞がある。
また、加湿機にて空調用空気を加湿するために、加湿機に補給する水が必要となり、ランニングコストの増大を招く虞がある。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、システム構成の簡素化、及び、ランニングコストの低減を図ることができながら、空調対象空間の除湿及び冷房を行うことができる空調システムを提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明にかかる空調システムの第1特徴構成は、回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部に通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部に通流される気体に放出する第1デシカントロータと、気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器と、前記第1デシカントロータの吸湿部、前記第1冷却器の順に通過させる状態で夫々に空調用空気を通流させて、前記第1冷却器を通過した前記空調用空気を空調対象空間に供給する空調用空気通流手段と、再生用気体を加熱手段にて加熱したのち前記第1デシカントロータの再生部に通流させる再生用気体通流手段とが設けられている空調システムにおいて、
回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部に通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部に通流される気体に放出する第2デシカントロータと、気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第2冷却器とが、前記第1デシカントロータ及び前記第1冷却器とは別に設けられ、前記空調用空気通流手段が、前記第2デシカントロータの吸湿部、前記第2冷却器の順に通過させる状態で夫々に前記空調用空気を通流させて、前記第2冷却器を通過した前記空調用空気を前記第1デシカントロータの吸湿部に通流させるとともに、前記第1冷却器を通過した前記空調用空気を前記第2デシカントロータの再生部に通流させて、前記第2デシカントロータの再生部を通過した前記空調用空気を前記空調対象空間に供給するように構成されている点にある。
前記空調用空気は、空調用空気通流手段によって、第2デシカントロータの吸湿部、第2冷却器、第1デシカントロータの吸湿部、第1冷却器、第2デシカントロータの再生部の順に通過して空調対象空間に供給されることになる。そして、空調用空気は、第2デシカントロータの吸湿部を通過するときに除湿されて低湿で高温となり、第2冷却器を通過するときに冷却されて低湿なままで第2デシカントロータの吸湿部を通過したときよりも低温となる。次に、空調用空気は、第1デシカントロータの吸湿部を通過するときにさらに除湿されてより一層低湿で高温となり、第1冷却器を通過するときに冷却されてより一層低湿なままで第1デシカントロータの吸湿部を通過したときよりも低温となる。その後、この空調用空気は、第2デシカントロータの再生部を通過するときに水分の脱着熱を奪う形態で冷却されることにより低湿なまま低温となる。このようにして、低湿で低温となった空調用空気を空調対象空間に供給して、空調対象空間の除湿及び冷房を行うことができる。
そして、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却するために、第2デシカントロータを設けることになるが、第2デシカントロータは、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却するためだけに用いるのではなく、第1デシカントロータに供給する前の空調用空気を除湿するためにも用いている。したがって、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却するためだけの専用の機器を設けずに、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却できる。
また、第2デシカントロータは、第1デシカントロータに供給する前の空調用空気を除湿するときにその空調用空気の水分を吸着し、その吸着した水分を空調用空気に放出して水分の脱着熱を奪う形態で空調用空気を冷却する。したがって、第2デシカントロータに対して水を補給することなく、第1冷却器を通過した空調用空気を冷却できる。
以上のことから、システム構成の簡素化、及び、ランニングコストの低減を図ることができながら、空調対象空間の除湿及び冷房を行うことができる空調システムを提供できるに至った。
本発明にかかる空調システムの第2特徴構成は、前記第2冷却器、前記第1冷却器の順に通過させる状態で夫々に前記空調対象空間から取り込んだ冷却用空気を前記冷却用媒体として通流させる冷却用媒体通流手段が設けられている点にある。
前記冷却用媒体通流手段が、空調対象空間から取り込んだ冷却用空気を第1冷却器及び第2冷却器に通流させることにより、第1冷却器及び第2冷却器にて空調用空気を冷却できる。したがって、第1冷却器及び第2冷却器にて空調用空気を冷却するために、空調対象空間から取り込んだ冷却用空気を利用することができ、構成の簡素化を図ることができる。
そして、第2冷却器では、第2デシカントロータの吸湿部を通過する空調用空気を冷却するのに対して、第1冷却器では、第2デシカントロータの吸湿部及び第2冷却器を通過して温度上昇したのち、第1デシカントロータの吸湿部を通過する空調用空気を冷却する。したがって、冷却用媒体として、第1冷却器よりも第2冷却器の方が低温のものが要求される。そこで、冷却用媒体通流手段が、第2冷却器、第1冷却器の順に冷却用空気を通過させることにより、第2冷却器に第1冷却器よりも低温の冷却用空気を通流させることができ、第1冷却器及び第2冷却器における空調用空気の冷却を的確に行える。
本発明にかかる空調システムの第3特徴構成は、前記再生用気体通流手段が、前記冷却用媒体通流手段により前記第1冷却器を通過した前記冷却用空気を前記再生用気体として前記第1デシカントロータの再生部に通流させて、前記第1デシカントロータの再生部を通過した前記再生用気体を屋外に排出するように構成されている点にある。
前記再生用気体通流手段が、冷却用媒体通流手段により第1冷却器を通過した冷却用空気をそのまま再生用気体として第1デシカントロータの再生部に通流させるので、冷却用空気を通流させるための手段と再生用気体を通流させるための手段とを兼用することができ、構成の簡素化を図ることができる。
そして、冷却用媒体通流手段により第1冷却器を通過した冷却用空気は、第1冷却器及び第2冷却器における空調用空気との熱交換により加熱される。したがって、第1デシカントロータの再生部に通流させる前に、既に加熱された空調用空気を再生用気体として加熱手段にて加熱することになる。その結果、加熱手段の加熱能力として大きいものが要求されず、この点からも構成の簡素化及びランニングコストの低減を図ることができる。
本発明にかかる空調システムの第4特徴構成は、前記第1デシカントロータ及び前記第2デシカントロータにおける前記通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、吸湿性高分子を主成分とする点にある。
前記第1デシカントロータ及び第2デシカントロータにおける通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、吸湿性高分子を主成分とするので、吸湿部に通流される気体の水分を吸着するときに発生する吸着熱を極力小さくできる。したがって、第1デシカントロータの吸湿部及び第2デシカントロータの吸湿部を通過する空調用空気の温度上昇を極力抑えることができるので、第1冷却器及び第2冷却器の冷却能力を小さくすることができ、システム構成の簡素化を図ることができる。
本発明にかかる空調システムの第5特徴構成は、前記第1デシカントロータ及び前記第2デシカントロータにおける前記通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、感温性高分子を主成分とする点にある。ここで、感温性高分子は、転移点(温度)を境として、その吸湿性が異なる高分子であり、低温側では吸湿性高分子として働くものである。
前記第1デシカントロータ及び第2デシカントロータにおける通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、感温性高分子を主成分とするので、吸湿部に通流される気体の水分を吸着するときに発生する吸着熱を極力小さくできる。また、感温性高分子は、転移点を境に低温では親水性、高温では疎水性を有するので、吸湿部を通過する気体の相対湿度が変化したとしても、低温での水分の吸着、高温での水分の脱着を十分に行うことができ、常に安定した状態で低湿化した空調用空気を供給することができる。したがって、第1冷却器及び第2冷却器の冷却能力を小さくすることができるとともに、通気性吸湿体の使用量に対する水分の吸着・脱着可能な量を増やすことができ、システム構成の簡素化を図ることができる。
本発明にかかる空調システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この空調システムは、図1に示すように、第1デシカントロータ1、第1冷却器2、第2デシカントロータ3、第2冷却器4を備えて構成されている。
そして、室外の外気を空調用空気として、各機器に通流させたのち空調対象空間としての室内空間5に供給する空調用空気通流手段6、第1デシカントロータ1に再生用気体を通流させる再生用気体通流手段8、及び、第1冷却器2及び第2冷却器4に冷却用媒体を通流させる冷却用媒体通流手段9も備えられている。
前記第1デシカントロータ1は、第1駆動用モータ10により回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部1aに通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部1bに通流される気体に放出するように構成されている。図1では、上方側に位置する第1デシカントロータ1の一部を吸湿部1aとし且つ下方側に位置する第1デシカントロータ1の一部を再生部1bとして示している。
前記第1デシカントロータ1は、通気可能なハニカム状の基材に通気性吸湿体を保持して回転自在に設けられており、第1駆動用モータ10により回転駆動される。前記第1デシカントロータ1が、第1駆動用モータ10により回転駆動されると、吸湿部1aに相当する部位及び再生部1bに相当する部位が回転方向に連続的に変化するように構成されている。そして、第1デシカントロータ1は、例えば1時間に数10回転で一定に回転駆動されている。
前記第2デシカントロータ3は、第2駆動用モータ11により回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部3aに通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部3bに通流される気体に放出するように構成されている。そして、第2デシカントロータ3は、第1デシカントロータ1と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
前記第1デシカントロータ1及び第2デシカントロータ3における通気性吸湿体は、吸湿性高分子を主成分として構成されている。そして、吸湿性高分子として、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムを用いる。前記第1デシカントロータ1及び第2デシカントロータ3は、直径200mm、厚さ60mmのハニカム状の基材にポリアクリル酸ナトリウム粉末を保持して構成されている。
前記第1冷却器2は、通流される気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させるように構成されている。そして、第1冷却器2は、熱伝導性の高い金属(アルミニウム、銅、鉄、これらを含む合金)や樹脂系材料にて形成した熱伝導用板状体を積層した熱交換器にて構成されている。例えば、厚さ0.1mmの樹脂製コルゲート板を積層した立方体形状の顕熱交換器としている。
前記第2冷却器4は、通流される気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させるように構成されている。そして、第2冷却器4は、第1冷却器2と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
前記空調用空気通流手段6は、室外の外気を空調用空気として、第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4、第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2、第2デシカントロータ3の再生部3bの順に通過させる状態で夫々に空調用空気を通流させるとともに、第2デシカントロータ3の再生部3bを通過した空調用空気を室内空間5に供給するように構成されている。
この空調用空気通流手段6は、第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4、第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2、第2デシカントロータ3の再生部3b、室内空間5を連通する空調用空気流路12と、外気を空調用空気として空調用空気流路12に通流させる電動式の空調用空気供給ファン13とから構成されている。そして、空調用空気通流手段6は、室内空間5の空調を行うときに、空調用空気供給ファン13を連続的に作動させて、例えば、100m3/hの流量で空調用空気を室内空間5に連続的に供給するように構成されている。
前記冷却用媒体通流手段9は、第2冷却器4、第1冷却器2の順に通過させる状態で夫々に室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体として通流させるように構成されている。
この冷却用媒体通流手段9は、室内空間5、第2冷却器4、第1冷却器2を連通する冷却用媒体流路14と、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体流路14に通流させる電動式の冷却用媒体供給ファン15とから構成されている。そして、冷却用媒体通流手段9は、室内空間5の空調を行うときに、冷却用媒体供給ファン15を連続的に作動させて、冷却用空気を第2冷却器4及び第1冷却器2に連続的に供給するように構成されている。
前記再生用気体通流手段8は、冷却用媒体通流手段9により第1冷却器2を通過した冷却用空気を再生用気体として加熱手段7にて加熱したのち第1デシカントロータ1の再生部1bに通流させて、第1デシカントロータ1の再生部1bを通過した再生用気体を屋外に排出するように構成されている。
この再生用気体通流手段8は、第1冷却器2、加熱手段7、第1デシカントロータ1の再生部1bを連通する再生用気体流路16から構成されている。つまり、再生用気体通流手段8は、冷却用媒体通流手段9により第1冷却器2を通過した冷却用空気を再生用気体とすることにより、冷却用空気及び再生用気体を通流させるために冷却用媒体供給ファン15を兼用している。したがって、再生用気体通流手段8を単に再生用気体流路16から構成することができ、構成の簡素化を図ることができる。
前記加熱手段7は、供給される温水により再生用気体を加熱する温水熱交換器にて構成されている。そして、例えば、60℃の温水を2リットル/分の流量で温水熱交換器に供給することにより再生用気体を連続的に加熱している。
前記空調用空気は、図1中実線矢印にて示すように、第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4、第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2、第2デシカントロータ3の再生部3bの順に通過し、その後、室内空間5に供給される。
そして、空調用空気は、第2デシカントロータ3の吸湿部3aを通過するときに除湿されて低湿で高温となり、第2冷却器4を通過するときに冷却されて低湿なままで第2デシカントロータ3の吸湿部3aを通過したときよりも低温となる。次に、空調用空気は、第1デシカントロータ1の吸湿部1aを通過するときにさらに除湿されてより一層低湿で高温となり、第1冷却器2を通過するときに冷却されてより一層低湿なままで第1デシカントロータ1の吸湿部1aを通過したときよりも低温となる。その後、この空調用空気は、第2デシカントロータ3の再生部3bを通過するときに水分の脱着熱を奪う形態で冷却されることにより低湿なまま低温となる。このようにして、低湿で低温となった空調用空気を室内空間5に供給して、室内空間5の除湿及び冷房を行うようにしている。
前記室内空間5から取り込んだ冷却用空気は、図1中点線矢印にて示すように、第2冷却器4、第1冷却器2の順に冷却用媒体として通過したのち、加熱手段7、第1デシカントロータ1の再生部1bの順に再生用空気として通過して屋外に排出される。そして、冷却用空気は、第2冷却器4を通過するときに空調用空気との熱交換により空調用空気を冷却し、第1冷却器2を通過するときに空調用空気との熱交換により空調用空気を冷却する。その後、冷却用空気は、加熱手段7を通過するときに再生用空気として加熱され、第1デシカントロータ1の再生部1bを通過するときに加湿されて冷却される。
図2に示すように、空調用空気を除湿及び冷却できる点について実験により確認したので、以下、その実験結果に基づいて説明する。
図2は、図1における各機器に対する空調用空気の通過前又は通過後となる各計測箇所P1〜P6において、空調用空気の温度(℃)、相対湿度(%)、絶対湿度(g/kg乾燥空気)を計測した実験結果を示している。ちなみに、相対湿度は、空気の水蒸気圧とその温度における飽和水蒸気圧との比を示したものである。絶対湿度は、1(kg)の乾燥空気に含まれる水蒸気の質量を示したものである。
まず、第2デシカントロータ3の吸湿部3aに通流させる前の第1計測箇所P1では、空調用空気の条件が温度35.0(℃)、相対湿度60.0(%)、絶対湿度21.4(g/kg乾燥空気)となっている。また、室内空間5から取り込んで第2冷却器4に通流させる前の冷却用空気の条件も、温度35.0(℃)、相対湿度60.0(%)、絶対湿度21.4(g/kg乾燥空気)となっている。
そして、第2デシカントロータ3の吸湿部3aを通過した第2計測箇所P2では、第2デシカントロータ3の吸湿部3aにおける除湿によって、空調用空気の条件が温度50.0(℃)、相対湿度19.9(%)、絶対湿度15.4(g/kg乾燥空気)となる。第2冷却器4を通過した第3計測箇所P3では、第2冷却器4による冷却によって、空調用空気の条件が温度41.0(℃)、相対湿度31.6(%)、絶対湿度15.4(g/kg乾燥空気)となる。
その後、第1デシカントロータ1の吸湿部1aを通過した第4計測箇所P4では、第1デシカントロータ1の吸湿部1aにおける除湿によって、空調用空気の条件が温度56.1(℃)、相対湿度9.1(%)、絶対湿度9.4(g/kg乾燥空気)となる。第1冷却器2を通過した第5計測箇所P5では、第1冷却器2による冷却によって、空調用空気の条件が温度43.5(℃)、相対湿度17.1(%)、絶対湿度9.4(g/kg乾燥空気)となる。
さらにその後、第2デシカントロータ3の再生部3bを通過した第6計測箇所P6では、第2デシカントロータ3の再生部3bにおける水分の脱着熱を奪う形態で冷却によって、空調用空気の条件が温度28.5(℃)、相対湿度62.9(%)、絶対湿度15.4(g/kg乾燥空気)となる。
このように、室内空間5に供給する第6計測箇所P6での空調用空気は、第1計測箇所P1での空調用空気よりも低湿で低温となっており、この低湿で低温の空調用空気を室内空間5に供給することから、室内空間5の除湿及び冷房を行うことができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第1デシカントロータ1及び第2デシカントロータ3における通気性吸湿体が、吸湿性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを主成分として用いた場合について説明しているが、これに限らず、感温性高分子としてのポリアクリルアミドを用いることもできる。
図3は、感温性高分子としてのポリアクリルアミドの吸湿特性を示す図であり、横軸に相対湿度(%)、縦軸に吸湿量(g/gポリアクリルアミド)を示す。図3においては、ポリアクリルアミドの温度を転移点である45℃を挟んで、それぞれ30℃(四角印)、50℃(丸印)とした場合において、相対湿度を種々変化させてバッチに静置させ、充分に時間を経過させた後に計測した吸湿量を示している。
図から判明するように、ポリアクリルアミドは、転移点を挟んだ低温域側である30℃の雰囲気に置かれた場合の吸湿特性は相対湿度に依存し、相対湿度とほぼ比例して吸湿量が増加する。一方、転移点を挟んだ高温域側である50℃の雰囲気に置かれた場合の吸湿特性は相対湿度によらず、吸湿量が低いままである。したがって、空調用空気の温度、および相対湿度が低い場合(例えば、30℃、70%程度)であっても、デシカントロータの吸湿部における吸湿量を充分に確保することができ、また、空調用空気の温度が高い場合(例えば、50℃程度)には、相対湿度に関係なく、デシカントロータの再生部における再生量を充分に確保することができる。
次に、この感温性高分子としてのポリアクリルアミドを用いた場合の実施形態について説明する。
具体的には、図1に示す、第2デシカントロータ3を、直径200mm、厚さ40mmのハニカム形状の基材にポリアクリルアミド粉末を保持したものに変更した他は、上記実施形態と同じ条件で空調システムを構成した。そして、第2デシカントロータ3を1時間に数10回転で一定に回転駆動させながら、空調用空気供給ファン13および冷却用媒体供給ファン15により空調用空気および冷却用空気をそれぞれ100m3/hの流量で連続的に流通させた。また、加熱手段7には、供給される温水により再生用気体を加熱する温水熱交換器を用い、60℃の温水を2リットル/分の流量で当該温水熱交換器に供給することにより、再生用気体を連続的に加熱した。
結果、図4に示すように、上記実施形態よりもさらに良好に、空調用空気を除湿及び冷却できる点について実験により確認することができた。以下、その実験結果に基づいて説明する。
図4は、図1における各機器に対する空調用空気の通過前又は通過後となる各計測箇所P1〜P6において、空調用空気の温度(℃)、相対湿度(%)、絶対湿度(g/kg乾燥空気)を計測した実験結果を示している。
まず、第2デシカントロータ3の吸湿部3aに通流させる前の第1計測箇所P1では、空調用空気の条件が温度35.0(℃)、相対湿度60.0(%)、絶対湿度21.4(g/kg乾燥空気)となっている。また、室内空間5から取り込んで第2冷却器4に通流させる前の冷却用空気の条件も、温度35.0(℃)、相対湿度60.0(%)、絶対湿度21.4(g/kg乾燥空気)となっている。
そして、第2デシカントロータ3の吸湿部3aを通過した第2計測箇所P2では、第2デシカントロータ3の吸湿部3aにおける除湿によって、空調用空気の条件が温度50.0(℃)、相対湿度19.9(%)、絶対湿度15.4(g/kg乾燥空気)となる。第2冷却器4を通過した第3計測箇所P3では、第2冷却器4による冷却によって、空調用空気の条件が温度41.0(℃)、相対湿度31.6(%)、絶対湿度15.4(g/kg乾燥空気)となる。
その後、第1デシカントロータ1の吸湿部1aを通過した第4計測箇所P4では、第1デシカントロータ1の吸湿部1aにおける除湿によって、空調用空気の条件が温度58.5(℃)、相対湿度7.5(%)、絶対湿度8.4(g/kg乾燥空気)となる。第1冷却器2を通過した第5計測箇所P5では、第1冷却器2による冷却によって、空調用空気の条件が温度43.5(℃)、相対湿度13.1(%)、絶対湿度8.4(g/kg乾燥空気)となる。
さらにその後、第2デシカントロータ3の再生部3bを通過した第6計測箇所P6では、第2デシカントロータの再生部3bにおける水分の脱着熱を奪う形態で冷却によって、空調用空気の条件が温度28.4(℃)、相対湿度54.9(%)、絶対湿度13.9(g/kg乾燥空気)となる。
このように、室内空間5に供給する第6計測箇所P6での空調用空気は、第1計測箇所P1での空調用空気よりも低湿で低温となっており、この低湿で低温の空調用空気を室内空間5に供給することから、より一層、室内空間5の除湿及び冷房を行うことができる。
なお、上記のように、第1デシカントロータ1、第2デシカントロータ3の通気性吸湿体に、上記の吸湿性高分子や感温性高分子を用いたが、これらの吸湿性高分子や感温性高分子に限らず、吸湿特性の高い通気性吸湿体であれば特に制限なく用いることができ、例えば、イソブチレン/マレイン酸塩系、デンプン/ポリアクリル酸塩系、PVA(ポリビニルアルコール)/ポリアクリル酸塩系、デンプン/アクリルアミド/ポリアクリル酸塩系、架橋PVA系、架橋CMC(Sodium Carboxymethylcellulose)系等、適宜変更して好適に用いることができる。
(2)上記実施形態では、第1デシカントロータ1、第2デシカントロータ3、第1冷却器2、第2冷却器4として、デシカントロータを2つ、冷却器を2つ備えた空調システムについて説明したが、デシカントロータを3つ、冷却器を3つ備えた空調システムとして構成することもできる。
具体的には、図5に示すように、第1デシカントロータ1、第2デシカントロータ3、第1冷却器2、第2冷却器4に加えて、第3デシカントロータ50、第3冷却器51とを備え、空調用空気の流路において、第1冷却器2と第2デシカントロータ3の再生部3bとの間に当該第3デシカントロータ50の吸湿部50aおよび第3冷却器51を配置する。また、冷却用媒体若しくは再生用気体の流路において、第3冷却器51を第1冷却器2と加熱手段7との間に配置し、加熱手段7と3方弁Aを介して屋外との間で、当該3方弁から分岐したそれぞれの流路に第1デシカントロータ1の再生部1b、第3デシカントロータ50の再生部50bをそれぞれ配置する。
第3デシカントロータ50の構成、第3冷却器51の構成は、上記実施形態における第1デシカントロータ1、第1冷却器2と同様の構成であるため説明を省略する。
この場合、空調用空気は第3デシカントロータ50の吸湿部50aから第3冷却器51の順番で通流させる。従って、室外の外気である空調用空気は、空調用空気通流手段6によって、第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4、第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2、第3デシカントロータ50の吸湿部50a、第3冷却器51、第2デシカントロータ3の再生部3bの順に通過させる状態で通流させるとともに、当該空調用空気を室内空間5に供給するように構成されている。これにより、上記実施形態における第2デシカントロータ3の吸湿部3a、第2冷却器4、第1デシカントロータ1の吸湿部1a、第1冷却器2における吸湿および冷却に加えて、第3デシカントロータ50の吸湿部50aおよび第3冷却器51において、より一層、除湿・冷却を的確に行うことができることとなる。
一方、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を、冷却用媒体通流手段9により第2冷却器4、第1冷却器2、第3冷却器51の順に通過させる状態で、当該冷却用空気を冷却用媒体として通流させるように構成されている。これにより、上記実施形態における第2冷却器4、第1冷却器2による冷却に加えて、第3冷却器51において、より一層、冷却用空気の冷却を的確に行うことができることとなる。
また、冷却用媒体通流手段9により第3冷却器51を通過した冷却用空気を再生用気体として加熱手段7により加熱したのち、第1デシカントロータ1の再生部1b及び第3デシカントロータ50の再生部50bに通流させて、第1デシカントロータ1の再生部1b及び第3デシカントロータ50の再生部50bを通過した再生用気体を屋外に排出するように構成されている。これにより、第1デシカントロータ1の再生部1b及び第3デシカントロータ50の再生部50bを再生させ、その後の第1デシカントロータ1及び第3デシカントロータ50における吸湿に備えることができる。なお、加熱手段7から、第1デシカントロータ1の再生部1b若しくは第3デシカントロータ50の再生部50bへと分岐する箇所には、当該再生部1b及び再生部50bへ通流させる再生用気体の量の調整が可能な3方弁Aが設けられている。
よって、上記実施形態に加えて、第3デシカントロータ50及び第3冷却器51を設けることにより、第2デシカントロータ3の再生部3bに誘導される空調用空気の湿度を更に低くすることができるとともに、これに伴い、当該再生部3bにおける水分の脱着量が多くなり脱着熱が増加し(空調用空気の熱が奪われて)、空調用空気の温度を更に低くすることができる。したがって、空調用空気を、より一層、低湿かつ低温として室内空間5内に供給することができるとともに、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を有効に利用して空調用空気の冷却を行うことができ、除湿・冷却効率が向上することとなる。
なお、この際、第3デシカントロータ50の通気性吸湿体として、上記実施形態で示した吸湿性高分子や感温性高分子などを好適に用いることができる。
また、上記と同様にしてデシカントロータ、冷却器をさらに備える構成とすることにより、さらなる冷却・除湿性能の向上を図ることもできる。
(3)上記実施形態では、冷却用媒体通流手段9が、第2冷却器4、第1冷却器2若しくは、第2冷却器4、第1冷却器2、第3冷却器51の順に通過させる状態で夫々に室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体として通流させるようにしているが、第1冷却器2、第2冷却器4、第3冷却器51にどのように冷却用媒体を通流させるかは適宜変更が可能である。
例えば、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体として第1冷却器2に通流させる第1冷却器用通流手段と、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体として第2冷却器4に通流させる第2冷却器用通流手段と、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体として第3冷却器51に通流させる第3冷却器用通流手段とを、必要に応じ、各別に設けて実施することもできる。
(4)上記実施形態では、再生用気体通流手段8が、冷却用媒体通流手段9により第1冷却器2若しくは第3冷却器51を通過した冷却用空気を再生用気体として用いるようにしているが、再生用気体通流手段8が、第1冷却器2若しくは第3冷却器51を通過した冷却用空気とは別の気体を再生用気体として用いることもでき、どのような気体を再生用気体として用いるかは適宜変更が可能である。
(5)上記実施形態では、第1デシカントロータ1、第2デシカントロータ3、第3デシカントロータ50として、ハニカム状の基材に通気性吸湿体を保持させたものを例示したが、第1デシカントロータ1、第2デシカントロータ3、第3デシカントロータ50の構成は適宜変更が可能である。例えば、通流される気体の流路に設けた容器に通気性吸湿体を充填したものや、通流される気体の流路及びその流路の壁面部を通気性吸湿体を主成分として形成することもできる。
(6)上記実施形態では、冷却用媒体通流手段9が、室内空間5から取り込んだ冷却用空気を冷却用媒体としているが、例えば、室内空間5から取り込んだ冷却用空気に室外の外気を混合させた冷却用混合気を冷却用媒体とすることもでき、そのような媒体を冷却用媒体とするかは適宜変更が可能である。
(7)上記実施形態では、空調用空気供給ファン13を空調用空気流路12の上流側端部に設けているが、例えば、空調用空気流路12の途中部分や下流側端部に空調用空気供給ファン11を設けることができ、空調用空気供給ファン13の設置位置は適宜変更が可能である。
(8)上記実施形態では、冷却用媒体供給ファン15を冷却用媒体流路14の上流側端部に設けているが、例えば、冷却用媒体流路14の途中部分や下流側端部、或いは、再生用気体流路16に冷却用媒体供給ファン15を設けることができ、冷却用媒体供給ファン15の設置位置は適宜変更が可能である。
本願の実施形態における空調システムの概略図 本願の実施形態における実験結果を示す表 本願の別実施形態における感温性高分子(ポリアクリルアミド)の吸着特性を示すグラフ図 本願の別実施形態における実験結果を示す表 本願の別実施形態における空調システムの概略図
符号の説明
1 第1デシカントロータ
1a 吸湿部
1b 再生部
2 第1冷却器
3 第2デシカントロータ
3a 吸湿部
3b 再生部
4 第2冷却器
5 空調対象空間(室内空間)
6 空調用空気通流手段
7 加熱手段
8 再生用気体通流手段
9 冷却用媒体通流手段
50 第3デシカントロータ
50a 吸湿部
50b 再生部
51 第3冷却器

Claims (5)

  1. 回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部に通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部に通流される気体に放出する第1デシカントロータと、
    気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器と、
    前記第1デシカントロータの吸湿部、前記第1冷却器の順に通過させる状態で夫々に空調用空気を通流させて、前記第1冷却器を通過した前記空調用空気を空調対象空間に供給する空調用空気通流手段と、
    再生用気体を加熱手段にて加熱したのち前記第1デシカントロータの再生部に通流させる再生用気体通流手段とが設けられている空調システムであって、
    回転駆動する通気性吸湿体からなり、吸湿部に通流される気体の水分を吸着し、その吸着した水分を再生部に通流される気体に放出する第2デシカントロータと、
    気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第2冷却器とが、前記第1デシカントロータ及び前記第1冷却器とは別に設けられ、
    前記空調用空気通流手段が、前記第2デシカントロータの吸湿部、前記第2冷却器の順に通過させる状態で夫々に前記空調用空気を通流させて、前記第2冷却器を通過した前記空調用空気を前記第1デシカントロータの吸湿部に通流させるとともに、前記第1冷却器を通過した前記空調用空気を前記第2デシカントロータの再生部に通流させて、前記第2デシカントロータの再生部を通過した前記空調用空気を前記空調対象空間に供給するように構成されている空調システム。
  2. 前記第2冷却器、前記第1冷却器の順に通過させる状態で夫々に前記空調対象空間から取り込んだ冷却用空気を前記冷却用媒体として通流させる冷却用媒体通流手段が設けられている請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記再生用気体通流手段が、前記冷却用媒体通流手段により前記第1冷却器を通過した前記冷却用空気を前記再生用気体として前記第1デシカントロータの再生部に通流させて、前記第1デシカントロータの再生部を通過した前記再生用気体を屋外に排出するように構成されている請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記第1デシカントロータ及び前記第2デシカントロータにおける前記通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、吸湿性高分子を主成分とするものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記第1デシカントロータ及び前記第2デシカントロータにおける前記通気性吸湿体のいずれか一方又は両方が、感温性高分子を主成分とするものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
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