JP2008056544A - 微細な直線溝を有するガラス板の製造方法及びガラス板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微細で直線的な凹部溝を形成することのできるガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】 マスキング処理されたガラス板GLにエッチング液を接触させることで、ガラス板の非マスキング部分に凹部溝を形成する、微細溝を有するガラス板の製造方法である。傾斜状態に保持されたガラス板GLの表面に沿って、エッチング液を流下させる化学研磨工程と、化学研磨工程を経たガラス板を除去液に浸漬する浸漬工程と、除去液から取り出したガラス板を洗浄液で洗浄する洗浄工程とを複数回繰り返す。
【選択図】 図1
【解決手段】 マスキング処理されたガラス板GLにエッチング液を接触させることで、ガラス板の非マスキング部分に凹部溝を形成する、微細溝を有するガラス板の製造方法である。傾斜状態に保持されたガラス板GLの表面に沿って、エッチング液を流下させる化学研磨工程と、化学研磨工程を経たガラス板を除去液に浸漬する浸漬工程と、除去液から取り出したガラス板を洗浄液で洗浄する洗浄工程とを複数回繰り返す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、微細で高精度の凹部溝を有するガラス板の製造方法、及び製造されたガラス板や表示装置などに関する。
ガラス板は、フラットパネルディスプレイなどの表示装置の構成要素としてだけでなく、化学装置や電子部品の構成要素としても好適に使用されている。フラットパネルディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイを例示することができる。
一方、化学装置としては、例えば、マイクロリアクタ(極小反応器)を例示することができる。ここでマイクロリアクタとは、ガラス板に形成された数μmのマイクロ空間を利用して化学反応を実現する装置であり、必要な物質を必要な量だけ必要に応じて生産できるなどの利点を有している。
これらマイクロリアクタや液晶ディスプレイでは、何れも、その製造工程中に、マスキング工程とエッチング工程とを有し、例えば、マスキング処理されたガラス板をエッチング液に浸漬することで凹部溝を形成していた。なお、エッチング液としては、フッ化水素の水溶液(フッ酸)が使用される。
しかしながら、フッ酸を含有するエッチング液を使用する場合には、ガラス板の深さ方向にエッチングが進行すると共に、これに直交する幅方向にも、相当にエッチングが進行する点が大きな問題であった。
すなわち、マスキング剤で被覆されたガラス板の部分にも、少なからずエッチングが進行し、しかも、この幅方向のエッチング量がかなりバラツクので、一般的なエッチング方法では、所望の直線性を有する凹部溝を形成することができなかった。この点は深さ方向についても同様であり、一般的なエッチング方法では、均一な深さの凹部溝を形成することができなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ガラス板に微細で直線的な凹部溝を形成することのできるガラス板の製造方法を提供することを目的とする。また、微細で直線的な凹部溝を有するガラス板、及びこれを使用した表示装置や化学装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、ガラス板の非マスキング部分に凹部溝を形成する、微細溝を有するガラス板の製造方法であって、傾斜状態に保持されたガラス板の表面に沿って、エッチング液を流下させる化学研磨工程と、前記化学研磨工程を経たガラス板に除去液を接触させて反応生成物を除去する後処理工程と、前記後処理工程後のガラス板を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする。本発明に係る製造方法は、微細な凹部溝を有するガラス板を使用した表示装置や化学装置の製造工程に取り入れることができる。
本発明において、微細溝の形状は特に問わないが、真っ直ぐに伸びた直線状の凹部溝である場合には、本発明の製造方法が優れた効果を発揮する。ここで、直線状の凹部溝は、一方向に整列した一方向直線溝(図1(b)参照)でも良いし、複数方向に整列した多方向直線溝(図1(c)〜(e)参照)でも良い。なお、多方向直線溝には、交差箇所が存在する場合(図1(d)参照)と、存在しない場合とがある。
本発明の微細溝は、その幅は問わないが、その深さは、好ましくは、10μm〜250μmである。特に、微細溝の深さが50μm未満、更に好ましくは、15〜50μmの場合に、本発明の製造方法が優れた効果を発揮する。
すなわち、本発明の製造方法は、マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、直線的な非マスキング部分に、深さ15〜50μmの凹部溝が形成されたガラス板であって、前記凹部溝の幅は、長さ20mm以上にわたって、その偏差が±10μm以下であるガラス板を実現できる。更に、工業化可能な適正な条件を採れば、前記凹部溝の幅は、少なくとも300mmの長さにわたって、その偏差を±5μm以下に抑制することができる。
また、本発明の製造方法は、マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、直線的な非マスキング部分に、深さ15〜50μmの凹部溝が形成されたガラス板であって、前記凹部溝の深さは、長さ20mm以上にわたって、その偏差が±6μm以下であるガラス板を実現できる。更に、工業化可能な適正な条件を採れば、前記凹部溝の深さは、少なくとも300mmの長さにわたって、その偏差を±3μm以下に抑制することができる。
本発明のマスキング処理では、所望の微細溝に対応する部分を残して、ガラス板にマスキング剤を使用する。マスキング剤として、エッチング液に腐食されないものが選択されるが、マスキング方法は、好ましくは、スクリーン印刷法、ラミネートフィルム加工法又はレジスト塗布フォトリソ法が選択される。
スクリーン印刷法とは、マスキング剤の通る部分と通らない部分を備えたスクリーンを母材表面に当接して、マスキング剤の通る部分からマスキング剤を押し出しガラス表面にマスキングをする方法である。ラミネートフィルム加工法とは、片面に粘着層を形成したフィルムをマスキング剤として使用し、このマスキング剤を母材表面に貼り付ける方法である。レジスト塗布フォトリソ法とは、フォトレジストをマスキング剤に使用し、これを母材表面に塗布後、光を照射してマスキングを行う方法である。
何れにしても、本発明では、非マスキング部分が、好ましくは、真っ直ぐに伸びた直線状に形成される。これにより、化学研磨工程ではガラス板に直線溝が形成される。ここで、複数方向に整列した多方向直線溝(図1(c)〜(e)参照)を生成する場合にも、簡易的には、一回のマスキング処理を経て、複数回の化学研磨工程が繰り返される。
この場合、複数回繰り返される化学研磨工程において、ガラス板の取付け姿勢を適宜に変更して、エッチング液が、非マスキング部分の長さ方向に流下するよう管理するのが好ましい。例えば、図1(c)や図1(d)の場合には、エッチング液を、紙面の上下方向に流下させる場合と、左右方向に流下させる場合とを適宜に切り換える。
但し、多方向直線溝の製造精度を極限的に向上させるには、複数回のマスキング処理を設けるのが好ましい。この場合には、先ず、第一マスキング処理の後に、複数回のエッチング処理を繰り返して第一方向の直線溝を形成する。続いて、第二マスキング処理の後に、複数回のエッチング処理を繰り返して第二方向の直線溝を形成する。以下、同様の処理を繰り返せば、複雑なパターンの直線溝を、極めて高精度に形成することができる。
何れにしても、本発明の化学研磨工程では、ガラス板の表面に沿ってエッチング液を流下させる。ここで、エッチング液は、非マスキング部分のみを選択的に流下させても良いが、化学研磨工程における反応生成物を、効果的に洗い流す趣旨からは、マスキング部分も含め、ガラス板の全表面に沿ってエッチング液を流下させるのが好ましい。なお、エッチング液は、非マスキング部分の長さ方向に流下させるのが良いのは、前記の通りである。
ガラス板の傾斜角度は、特に限定されないが、通常は、5〜30度程度に傾斜させる。エッチング液の流下量も特に限定されないが、100mm×100mmのガラス板に換算して、好ましくは、5〜20リットル/分の流量、より好ましくは、7〜12リットル/分の流量である。
化学研磨工程では、複数個のノズルを一方向に向けて整列させて、各ノズルからエッチング液を一斉に出力させるのが望ましい。各ノズルから出力されたエッチング液は、流下するに応じてガラス板の表面を広がろうとするが、隣接するノズルから出力されたエッチング液の液流と干渉して、ほぼ直線的な液流となる。
本発明のエッチング液は、フッ酸を必須成分とし、更にこれに一種又は二種以上の無機酸が含有されている。無機酸として塩酸や硫酸が好適に例示される。エッチング液は、ガラス板の深さ方向に、5〜30μm/分程度のエッチング速度となるよう混合比や濃度が調製される。
本発明の微細溝の深さDは、表示装置に使用するガラス板の場合には、好ましくは、10μm〜100μm程度(更に好ましくは15〜50μm)であるが、一回の化学研磨工程で、目標深さDまでエッチングするのではなく、好ましくは、2〜60秒程度の化学研磨処理の後に後処理工程に移行させる。なお、マイクロリアクタなどの化学装置に使用するガラス板の場合、微細溝の深さDは、10〜250μmの範囲内で適宜に選択されるが、この場合にも、2〜60秒程度の化学研磨処理の後に後処理工程に移行させる。
本発明の後処理工程は、化学研磨工程においてガラス板に僅かに残存する反応生成物を除去する工程である。したがって、除去液は、反応生成物をガラス板から剥離する液体が選択され、好ましくは、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸から選択される一種又は二種以上の無機酸が主成分とされる。
本発明では、複数回の化学研磨工程を繰り返して、ガラス板を目標深さDまで化学研磨するが、各回の化学研磨工程が終了する毎に、そのガラス板を除去液に接触させて反応生成物を除去する。したがって、洗浄工程後に再実行される化学研磨工程において、反応生成物によって、均一な化学研磨処理が阻害されるような弊害がない。なお、後処理工程の処理時間は、特に限定されないが、化学研磨工程の処理時間と同程度にすれば製造ラインを円滑化することができる。
本発明の洗浄工程は、除去液を洗い流す工程であり、洗浄液として好適には水が使用される。この洗浄工程の処理時間も特に限定されないが、化学研磨工程や後処理工程の処理時間と同程度にすれば製造ラインを円滑化することができる。
上記した本発明によれば、ガラス板に微細で直線的な凹部溝を形成することのできるガラス板の製造方法を実現できる。また、微細で直線的な凹部溝を有するガラス板、及びこれを使用した化学装置や表示装置を提供することができる。
以下、実施形態に基づき本発明に係るガラス板の製造方法を説明する。図1は、ガラス板に微細な直線的な凹部溝を、高精度に形成する方法を示す工程図である。ガラス板には、所望の凹部溝を残して適宜なマスキング処理がされており、搬送路上を右方向に移送されるよう構成されている。凹部溝は、図1(b)に示すような一方向直線溝の場合と、図1(c)〜(e)に示すような多方向直線溝の場合があるが、最初に、一方向直線溝(図1(b))を設けたガラス板の製造方法から説明する。
<一方向直線溝を有するガラス板の製造>
[マスキング工程]
研磨工程に先立って、所望の一方向直線溝に対応して、ガラス板には、目標幅Tよりも2×Wだけ狭い、隙間T−2×Wを残したマスキング処理が施される(図3(b)参照)。ここで、Wは、ガラス板の幅方向へのエッチング量であり、一方向直線溝の凹部溝の目標深さDに対応して、W=Dに設定される。すなわち、この実施形態では、ガラス板の深さ方向のエッチング量Dと、幅方向のエッチング量Wが同一になるよう化学研磨工程が設定されている。
研磨工程に先立って、所望の一方向直線溝に対応して、ガラス板には、目標幅Tよりも2×Wだけ狭い、隙間T−2×Wを残したマスキング処理が施される(図3(b)参照)。ここで、Wは、ガラス板の幅方向へのエッチング量であり、一方向直線溝の凹部溝の目標深さDに対応して、W=Dに設定される。すなわち、この実施形態では、ガラス板の深さ方向のエッチング量Dと、幅方向のエッチング量Wが同一になるよう化学研磨工程が設定されている。
[化学研磨工程]
マスキング処理を終えたガラス板は、搬送路上を図1の右向きに移動して、第一次研磨工程の位置に移送される。図2は、研磨工程におけるガラス板GLの傾斜姿勢と、ガラス板の上部に位置する複数のノズルNZとを図示したものである。図示の通り、ガラス板GLは、一方向直線溝の長さ方向に、15度程度傾斜させて保持され、その上部には、一方向直線溝の方向に整列させた複数個のノズルNZが配置されている。
マスキング処理を終えたガラス板は、搬送路上を図1の右向きに移動して、第一次研磨工程の位置に移送される。図2は、研磨工程におけるガラス板GLの傾斜姿勢と、ガラス板の上部に位置する複数のノズルNZとを図示したものである。図示の通り、ガラス板GLは、一方向直線溝の長さ方向に、15度程度傾斜させて保持され、その上部には、一方向直線溝の方向に整列させた複数個のノズルNZが配置されている。
そして、化学研磨工程では、静止状態のガラス板GLの上面に向けて、複数個のノズルNZから一斉にエッチング液が出力される。例えば、ガラス板が400×500mm程度の大きさであって、これに、一方向直線溝を均一に形成する場合には、10〜15本程度のノズルが等間隔に配置されて、全体として100リットル/分のエッチング液が出力される。エッチング速度は、10〜25μm/分であることが好ましいが、この程度のエッチング速度であれば、3〜60秒程度、研磨工程が継続される。
[浸漬工程(スラッジ除去工程)]
以上のようにして第一次の化学研磨処理が終わったガラス板は、搬送路を図1の右向きに移動して、浸漬槽の除去液に浸漬される。除去液は、化学研磨工程で生成された反応生成物(スラッジ)を、ガラス板から剥離する液体であり、塩酸、硫酸、燐酸から選択される一種又は二種以上の無機酸が主成分とされる。浸漬時間は特に限定されないが、研磨工程の継続時間に対応して10〜30秒程度に設定される。
以上のようにして第一次の化学研磨処理が終わったガラス板は、搬送路を図1の右向きに移動して、浸漬槽の除去液に浸漬される。除去液は、化学研磨工程で生成された反応生成物(スラッジ)を、ガラス板から剥離する液体であり、塩酸、硫酸、燐酸から選択される一種又は二種以上の無機酸が主成分とされる。浸漬時間は特に限定されないが、研磨工程の継続時間に対応して10〜30秒程度に設定される。
[洗浄工程]
以上のようにして、ガラス板GLからスラッジが除去されたら、ガラス板GLは、浸漬槽から引き出され、搬送路を図1の右向きに移動される。そして、ガラス板GLの上面に十分な洗浄水を供給することで、ガラス板に付着している除去液が洗い流される。なお、洗浄時間は、特に限定されないが、研磨工程や浸漬工程の継続時間に対応して10〜30秒程度に設定される。
以上のようにして、ガラス板GLからスラッジが除去されたら、ガラス板GLは、浸漬槽から引き出され、搬送路を図1の右向きに移動される。そして、ガラス板GLの上面に十分な洗浄水を供給することで、ガラス板に付着している除去液が洗い流される。なお、洗浄時間は、特に限定されないが、研磨工程や浸漬工程の継続時間に対応して10〜30秒程度に設定される。
以上のように、一連の研磨工程→浸漬工程→洗浄工程によって、ガラス板の第一次の処理が終わる。そして、その後も、同様の一連の処理を繰り返すことにより、ガラス板を、目標の深さDまでエッチングして直線的な凹部溝(一方向直線溝)を形成する。この場合、各回の研磨工程において、ガラス板の傾斜状態を180°回転させて、上下関係を切り換えるのが好ましい。
上記の方法によれば、例えば、目標深さDを30μmに設定して、上記の手順で一方向直線溝を生成した場合、一直線上300mmにわたって計測した結果、深さの偏差(バラツキ)ΔDが、±3μm以下であることが確認された。横方向へのエッチング量の目標値Wは、目標深さDに合わせて30μmであるが、これについても偏差ΔWが±5μm以下であることが確認された。
<二方向直線溝を有するガラス板の製造>
図1(c)、図1(d)に示すような、直交する二方向に直線溝を形成する場合にも、その手順は、上記の場合と同じである。但し、第i研磨工程と、これに続く第i+1研磨工程とでは、ガラス板の取付け姿勢を90°変化させる必要がある。ガラス板の取付け姿勢を変更することにより、常に、非マスキング部分の、何れかの長さ方向に、エッチング液を流下させることができる。
図1(c)、図1(d)に示すような、直交する二方向に直線溝を形成する場合にも、その手順は、上記の場合と同じである。但し、第i研磨工程と、これに続く第i+1研磨工程とでは、ガラス板の取付け姿勢を90°変化させる必要がある。ガラス板の取付け姿勢を変更することにより、常に、非マスキング部分の、何れかの長さ方向に、エッチング液を流下させることができる。
このように、ガラス板の取付け姿勢を90°変化させつつ、n回の研磨処理を繰り返すことにより、上記と同様の深さ偏差ΔDと、幅偏差ΔWに抑えた凹部溝を形成できることを確認した。
<多方向直線溝を有するガラス板の製造>
図1(e)に示すような、多方向の直線溝を形成する場合にも、上記した二方向直線溝を形成する手順と同様で良い。但し、各凹部溝の直線性を更に向上するためには、マスキング処理を複数回に分け、マスキング処理毎に、別々に一方向直線溝を形成するのが好ましい。例えば、図1(e)の場合であれば、マスキング処理を三回に分け、第一回マスキング処理の後、一連の研磨工程→浸漬工程→洗浄工程によって、第一方向(例えば縦方向)の凹部溝を形成する。
図1(e)に示すような、多方向の直線溝を形成する場合にも、上記した二方向直線溝を形成する手順と同様で良い。但し、各凹部溝の直線性を更に向上するためには、マスキング処理を複数回に分け、マスキング処理毎に、別々に一方向直線溝を形成するのが好ましい。例えば、図1(e)の場合であれば、マスキング処理を三回に分け、第一回マスキング処理の後、一連の研磨工程→浸漬工程→洗浄工程によって、第一方向(例えば縦方向)の凹部溝を形成する。
次に、第一方向溝のためのマスキングを剥離した後、第二回マスキング処理を行い、その後、一連の研磨工程→浸漬工程→洗浄工程によって第二方向(例えば縦方向)の凹部溝を形成する。
以下同様であり、第二方向溝のためのマスキングを剥離した後、第三回マスキング処理を行い、その後、一連の研磨工程→浸漬工程→洗浄工程によって第三方向(例えば斜め方向)の凹部溝を形成する。
このような複数回の処理を経れば、複雑な形状の凹部溝であっても、その製造精度を極限的に向上させることができる。なお、この手法は、図1(c)のような二方向直線溝の形成にも使用できるのは勿論である。
以上、本発明について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、図1の製造ラインには浸漬工程を設けたが、必ずしも、ガラス板を除去液に浸漬する必要はなく、ガラス板の上から除去液を供給しても良い。
この場合、ガラス板を傾斜させて、そこに除去液を流下させても良いが、傾斜姿勢は、研磨工程の場合より急峻となり、好ましくは45°以上である。
また、図1の製造ラインは、直線状に図示しているが、一連の工程(研磨工程→浸漬工程→洗浄工程)の繰り返し回数が多い場合には、ループ状の製造ラインとなる。
GL ガラス板
Claims (11)
- マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、ガラス板の非マスキング部分に凹部溝を形成する、微細溝を有するガラス板の製造方法であって、
傾斜状態に保持されたガラス板の表面に沿って、エッチング液を流下させる化学研磨工程と、
前記化学研磨工程を経たガラス板に除去液を接触させて反応生成物を除去する後処理工程と、
前記後処理工程後のガラス板を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、
を複数回繰り返すことを特徴とする微細溝を有するガラス板の製造方法。 - 前記微細溝は、一方向に直線状に整列した一方向直線溝か、多方向に各々直線状に整列した多方向直線溝である請求項1に記載の製造方法。
- 前記エッチング液は、前記凹部溝が形成されるべき前記非マスキング部分の長さ方向に流下される請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記化学研磨工程では、一方向に向けて整列させた複数個のノズルから、エッチング液を一斉に出力させている請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
- 前記凹部溝は、その深さが10〜250μmである請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
- 前記エッチング液は、フッ酸を必須成分とし、更にこれに一種又は二種以上の無機酸が含有されている請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
- 前記除去液は、塩酸、硫酸、燐酸から選択される一種又は二種以上の無機酸を主成分とする請求項1〜6の何れかに記載の製造方法。
- マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、直線的な非マスキング部分に、深さ15〜50μmの凹部溝が形成されたガラス板であって、
前記凹部溝の幅は、長さ20mm以上にわたって、その偏差が±10μm以下であるガラス板。 - マスキング処理されたガラス板にエッチング液を接触させることで、直線的な非マスキング部分に、深さ15〜50μmの凹部溝が形成されたガラス板であって、
前記凹部溝の深さは、長さ20mm以上にわたって、その偏差が±6μm以下であるガラス板。 - 請求項1〜7の何れかの製法で製造されたガラス板を使用する表示装置。
- 請求項1〜7の何れかの製法で製造されたガラス板を使用する化学装置。
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