JP2008045411A - 過給機付き内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアフローメータ18の出力に基づいて、遠心式コンプレッサ26aの通過空気量を取得する。取得されたコンプレッサ通過空気量に基づいて、サージ限界コンプレッサ回転数を取得する。ターボ回転数センサ30に基づいて、現状のコンプレッサ回転数(ターボ回転数)を取得する。サージ限界コンプレッサ回転数と、現状のコンプレッサ回転数とに基づいて、コンプレッサ26aのサージ判定を行う。
【選択図】図3
Description
前記遠心式コンプレッサのコンプレッサ回転数を取得する回転数取得手段と、
前記遠心式コンプレッサの作動特性と相関のある内燃機関の運転パラメータであって、吸気管圧力に比して変動の少ない前記運転パラメータを取得する運転パラメータ取得手段と、
前記運転パラメータに基づいて、サージ限界コンプレッサ回転数を取得する限界回転数取得手段と、
前記サージ限界コンプレッサ回転数と、前記コンプレッサ回転数とに基づいて、前記遠心式コンプレッサのサージ判定を行うサージ判定手段と、
を備えることを特徴とする。
前記サージ余裕度に基づいて、サージを回避するための内燃機関のアクチュエータの制御量を調整するサージ回避制御手段と、
を備えることを特徴とする。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための概略構成図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の吸気系は、吸気マニホールド12と、吸気マニホールド12に接続される吸気管(吸気通路)14とを備えている。空気は大気中から吸気管14に取り込まれ、吸気マニホールド12を介して各気筒の燃焼室に分配される。
図2は、コンプレッサ26aの入口圧力に対する出口圧力の圧力比と、コンプレッサ26aの通過空気量との関係を示す図である。図2中に太線で示す曲線は、サージラインを表しており、図2において、サージラインより左側のハッチングを付した領域がサージ領域に対応している。すなわち、サージは、コンプレッサ26aの圧力比が大きく、コンプレッサ通過空気量が少ない状況下で発生し易くなる。
次に、サージ判定後に行われるサージ回避制御について説明する。
本実施形態では、ECU50は、上述した図3に示す関係を用いて、コンプレッサ通過空気量と現状のターボ回転数とに基づいて、現状のターボ過給機26の作動点(言い換えれば、上記図2に示すコンプレッサマップにおける現在の運転位置)を算出する。そして、ECU50は、その作動点がコンプレッサ26aのサージラインを超えずにそのサージライン近傍を通過するように、内燃機関10の所定のアクチュエータ(ウエストゲートバルブ44、バイパスバルブ34など)を制御するようにしている。
また、本実施形態のように、電動モータ28付きのターボ過給機26を備えている場合には、上記ステップ108におけるサージ回避のために、電動モータ28の出力を所定量だけ下げるようにしてもよい。このような手法によっても、ターボ回転数を下げることができる。
更には、タービンの入口面積を可変とするための可変ノズルを備えるターボ過給機(図示省略)を備えた内燃機関であれば、上記ステップ108におけるサージ回避のために、可変ノズルの開度を所定量だけ大きくしてもよい、すなわち、タービンの入口面積を大きくしてもよい。このような手法によっても、ターボ回転数を下げることができる。
更には、本実施形態のように、吸気弁および排気弁の開閉時期を制御するための可変動弁機構46、48を備えている場合には、上記ステップ108におけるサージ回避のために、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ量を所定量だけ増加させるようにしてもよい。図5は、バルブオーバーラップによるサージ余裕度の変化を示す図である。バルブオーバーラップ量を適度に大きくすれば、内燃機関10の吸気効率が向上する。その結果、図5に示すように、コンプレッサ通過空気量が増えることとなり、コンプレッサ26aの作動点がサージラインから離れることで、サージ余裕度が向上する。また、サージ回避のために吸気効率を高める手法は、これに限らず、例えば、スワールコントロールバルブを備える内燃機関(図示省略)の場合には、サージ回避のために、スワールコントロールバルブの開度を所定量だけ大きくしてもよい。
図6に示すルーチンでは、先ず、吸気温度センサ37および吸気圧センサ36のそれぞれの出力に基づいて、吸気温度および吸気圧力がそれぞれ計測される(ステップ200)。
修正空気量=コンプレッサ通過空気量×√θ/δ
修正ターボ回転数=ターボ回転数/√θ
但し、上記の各式において、θは、吸気温度/基準温度(例えば293.15K)、δは、吸気圧力/基準圧力(例えば101.325kPa abs(絶対圧))
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、図4に示すルーチンに類似するルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1においては、サージ限界ターボ回転数をコンプレッサ通過空気量との関係を定めたマップを用いるようにしている。しかしながら、サージ判定のために用いることのできる内燃機関10の運転パラメータであって、コンプレッサ26aの作動特性と相関があり、かつ、吸気管圧力に比して変動の少ない運転パラメータは、コンプレッサ通過空気量に限らず、エンジン回転数であってもよい。
更に、吸気効率を考慮するその他の手法としては、内燃機関10の吸気マニホールド12内の圧力および温度をそれぞれ検知するインマニ圧センサおよびインマニ吸気温センサを備えることとしてもよい。そして、次式に従って吸気効率を内燃機関10の運転中に算出し、算出された吸気効率に応じてサージマップ中のサージラインを変更するようにしてもよい。
吸気効率(体積効率)=(吸入空気量/吸入空気密度)/(エンジン回転数×排気量)×(基準圧力/インマニ圧)×(インマニ吸気温度/基準温度)
次に、図10乃至図12を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、図4に示すルーチンに代えて後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1においては、現状のターボ回転数がサージ限界ターボ回転数に達したと判定された場合に、迅速にサージ回避制御を行うようにしている。これに対し、本実施形態では、サージ限界ターボ回転数と現状のターボ回転数との差に基づいて、サージ余裕度を判断するとともに、そのようなサージ余裕度に基づいて、サージ回避のための所定のアクチュエータの制御量を制御することを特徴としている。
尚、サージを回避するためのアクチュエータは、上述した実施の形態1でも説明したように、ウエストゲートバルブ44に限定されるものではない。すなわち、サージ余裕度が小さくなった場合に、バイパスバルブ34であればその開度を大きくし、電動モータ28であればその出力を小さくし、燃料噴射量であれば減量し、可変ノズルであればその開度を大きくし、バルブオーバーラップ量であればそれを増加させ、または、スワールコントロールバルブであればその開度を大きくしてもよい。
14 吸気管
18 エアフローメータ
24 過給圧センサ
26 電動モータ付きターボ過給機
26a コンプレッサ
26b タービン
28 電動モータ
30 ターボ回転数センサ
32 吸気バイパス管
34 バイパスバルブ
36 吸気圧センサ
37 吸気温度センサ
44 ウエストゲートバルブ
46 吸気可変動弁機構
48 排気可変動弁機構
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 モータコントローラ
56 燃料噴射弁
58 クランク角センサ
Claims (5)
- 遠心式コンプレッサを備える過給機と、
前記遠心式コンプレッサのコンプレッサ回転数を取得する回転数取得手段と、
前記遠心式コンプレッサの作動特性と相関のある内燃機関の運転パラメータであって、吸気管圧力に比して変動の少ない前記運転パラメータを取得する運転パラメータ取得手段と、
前記運転パラメータに基づいて、サージ限界コンプレッサ回転数を取得する限界回転数取得手段と、
前記サージ限界コンプレッサ回転数と、前記コンプレッサ回転数とに基づいて、前記遠心式コンプレッサのサージ判定を行うサージ判定手段と、
を備えることを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。 - 前記サージ限界コンプレッサ回転数と、前記運転パラメータとに基づいて、前記遠心式コンプレッサにサージが発生するまでのサージ余裕度を取得するサージ余裕度取得手段と、
前記サージ余裕度に基づいて、サージを回避するための内燃機関のアクチュエータの制御量を調整するサージ回避制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の過給機付き内燃機関の制御装置。 - 前記運転パラメータは、前記遠心式コンプレッサの通過空気量であることを特徴とする請求項1または2記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
- 前記運転パラメータは、エンジン回転数であることを特徴とする請求項1または2記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
- 前記限界回転数取得手段は、エンジン回転数に加え、内燃機関の吸気効率に基づいて、前記サージ限界コンプレッサ回転数を取得することを特徴とする請求項4記載の過給機付き内燃機関の制御装置。
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