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JP2007514001A - ジプラシドン塩基の多形形態b2 - Google Patents

ジプラシドン塩基の多形形態b2 Download PDF

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JP2007514001A JP2006545604A JP2006545604A JP2007514001A JP 2007514001 A JP2007514001 A JP 2007514001A JP 2006545604 A JP2006545604 A JP 2006545604A JP 2006545604 A JP2006545604 A JP 2006545604A JP 2007514001 A JP2007514001 A JP 2007514001A
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Abstract

ジプラシドン塩基の結晶形態と、その調製方法が提示されている。

Description

関連する出願
本出願は、2003年12月18日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/531,244号の恩恵を主張するものであり、その内容全体がこの明細書に組み込まれているものとする。
本発明は、ジプラシドンの固体化学に関する。
ジプラシドンは抗精神病薬であり、フェノチアジン抗精神病薬またはブチロフェノン抗精神病薬とは化学的に無関係である。ジプラシドンは以下の構造を有する。
Figure 2007514001
ジプラシドン塩基の調製法は、アメリカ合衆国特許第4,831,031号(実施例16)と第5,312,925号に開示されている。平均粒径が約85ミクロン以下であるジプラシドンHCl一水和物の調製法は、アメリカ合衆国特許第6,150,366号とヨーロッパ特許第0 965 343 A2号に開示されている。
ジプラシドンは、ゲオドンという名称で、経口カプセルおよび注射薬として市販されてきた。ゲオドンのカプセルは、ジプラシドンの塩酸塩一水和物を含んでおり、20mg、40mg、60mg、80mgの投与形態がある。注射用のゲオドンは、ジプラシドンメシラート三水和物を凍結乾燥させた形態で含んでおり、ジプラシドン塩基20mgに相当する量を含んでいる。ジプラシドンのメシラート塩(例えば一水和物や三水和物)は、アメリカ合衆国特許第6,110,918号と第5,245,765号に開示されている。
本発明は、ジプラシドン塩基の固体状態の物理的性質に関する。その性質は、固体形態のジプラシドン塩基またはジプラシドンHClが得られる条件を制御することによって変えることができる。固体状態の物理的性質としては、例えば、粉砕した固体の流動性がある。流動性は、その材料を処理して医薬製品にする際の取り扱いやすさに影響を与える。粉末状化合物の粒子が互いに容易に流動しない場合には、製剤の専門家は、錠剤やカプセルを開発する際にそのことを考慮せねばならない。つまり流動促進剤として例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプン、三塩基性リン酸カルシウムなどを使用せねばならない可能性がある。
医薬化合物の固体状態での別の重要な性質は、水性流体への溶解速度である。患者の胃液中で活性成分が溶解する速度は、治療効果に影響を与える可能性がある。なぜなら溶解速度は、経口投与した活性成分が患者の血流に到達する速度の上限を決めるからである。溶解速度は、シロップ、エリキシル、あるいは他の液体医薬を調製する際にも考慮される。ある化合物の固体状態での形態は、圧縮する際の挙動や保管安定性にも影響を与える可能性がある。
こうした実用上の物理的特徴は、単位セル内の分子のコンホメーションや配向性による影響を受け、その結果としてある物質が特定の多形形態になる。コンホメーションや配向性に関するこうした因子のために、今度は、隣接した分子との間に特定の分子内相互作用や分子間相互作用が起こる。その結果、バルク化合物のマクロな性質に影響が現われる。特定の多形形態になっていると、分光学的性質に明確な違いが生じる可能性がある。それは、粉末X線回折、固体状態の13C NMR分光、赤外分光によって検出できる可能性がある。多形形態になっていると、熱的挙動がアモルファス材料や他の多形形態とは異なってくる可能性もある。熱的挙動は、実験室において例えば毛管融点測定、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)などの方法で測定されるため、ある多形形態を別の多形形態から区別するのに利用できる。
ジプラシドンHCl半水和物は、アメリカ合衆国特許第4,831,031号の実施例16(第13列、第13行)に開示されている。ジプラシドンHCl一水和物は、アメリカ合衆国特許第5,312,925号とヨーロッパ特許第0 586 181 A1号に開示されている。この一水和物は、XRD、IR、含水量によって特徴づけられる。一水和物の含水量は、3.8〜4.5重量%であることが報告されている。ジプラシドンHCl一水和物は、ジプラシドン塩基無水物から調製される。
ジプラシドンHClは、通常はジプラシドン塩基から調製され、使用するジプラシドン塩基は、塩酸塩の品質に影響を与える可能性がある。固体状態のジプラシドン塩基は、アメリカ合衆国特許第5,338,846号に開示されている。この'846号特許では、ジプラシドン塩基はNMRスペクトルによって特徴づけられる。アメリカ合衆国特許第5,206,366号の実施例1でもジプラシドン塩基が得られる。この塩基は、NMR、薄層クロマトグラフィ、218〜220℃の融点によって特徴づけられる。WO 03/070246では、ジプラシドン塩基がテトラヒドロフランから得られる。この生成物は、別の方法では特徴づけられない。ジプラシドン塩基は、アメリカ合衆国特許第5,312,925号でも得られる。従来技術で得られる形態は、この明細書では、ジプラシドン塩基の形態Bと呼ぶ。
ジプラシドン塩基の形態Bは、X線回折図形のピークが2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0°の位置にあることを特徴とし、X線回折図形のピークがさらに2θ=5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1の位置にもあることを特徴とする。ジプラシドン遊離塩基は、92℃と220℃の位置にそれぞれ17J/gと120J/gという吸熱ピークがあるDSCサーモグラムを有する。最初のピークは脱水に対応し、第2のピークはジプラシドン遊離塩基の融解に対応する。この塩基サンプルの含水量は約1.2重量%である。TGAによると、乾燥による水分の損失は約2.1重量%である。
アメリカ合衆国出願第2004/152711号には、ジプラシドンHClとジプラシドン塩基の別の結晶形態が提示されている。
薬理学的に有用な化合物の新しい多形形態が発見されると、医薬製品の性能が向上する新たな機会が提供される。この発見により、例えば目的とする放出プロファイルまたは他の望ましい特性を持った薬の投与形態を設計するのに製剤の研究者が利用できる材料の幅が広がる。
新しい多形形態は、製剤の改善を可能にするだけでなく、XRD装置、FTIR装置、DSC装置の較正に使用することもできる。多形形態は、活性医薬成分の精製にも役立つ可能性がある。準安定である場合、準安定な多形形態を用いてより安定な多形にすることができる。したがって新しい多形形態と新しい方法が発見されると、製剤に含まれる活性医薬成分としてのジプラシドンを製剤の研究者がよりよく調製するのに役立つ。
そのためジプラシドン塩基の別の多形形態が必要とされている。
本発明の1つの特徴によれば、2θ=9.4、13.7、14.5、14.9、18.1、20.2、22.8±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を持つジプラシドン塩基の結晶形態が提供される。この結晶形態をこの明細書では形態B2と呼ぶ。
本発明の別の特徴によれば、結晶形態B2を調製する方法であって、
a)水を含み、場合によっては、水と混和する有機補助溶媒をさらに含む反応混合物の中で、ジプラシドンの塩を塩基と反応させてジプラシドンの結晶形態を取得し;
b)その結晶形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)水を含み、場合によっては、水と混和する有機補助溶媒をさらに含む反応混合物の中で、ジプラシドンの塩を塩基と反応させてジプラシドンの結晶形態B2を取得し;
b)その結晶形態をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHClの調製方法であって、HClをジプラシドン塩基の結晶形態B2と反応させてジプラシドンHClを取得し、そのジプラシドンHClを回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)ジプラシドンの塩を塩基と反応させてジプラシドンの結晶形態B2を取得し;
b)得られたその結晶形態をC1〜C4アルコールの中でスラリーにし;
c)その結晶形態を酸と組み合わせることによってジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を取得し;
d)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)の調製方法であって、ジプラシドン塩基B2を非プロトン性溶媒の中でスラリーにしてジプラシドン塩基を取得し、得られたジプラシドン塩基を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)ジプラシドン塩基B2を非プロトン性溶媒の中でスラリーにして、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
b)そのジプラシドン塩基をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)ジプラシドン塩基B2を非プロトン性溶媒の中でスラリーにして、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
b)得られたそのジプラシドン塩基をC1〜C4アルコールの中でスラリーにし;
c)そのスラリーを酸と組み合わせることによってジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を取得し;
d)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=10.9、17.4、19.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドンHCl(形態A)を調製する方法であって、
a)水と、水と混和する溶媒とからなる反応混合物の中で、HClをジプラシドン塩基のスラリーと組み合わせて結晶形態を取得し;
b)その結晶形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHCl一水和物(形態M)を調製する方法であって、THF、メタノール、DMA、酢酸、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択した溶媒にジプラシドン塩基B2を溶かした溶液にHClを組み合わせることによってその溶液から結晶形態を沈澱させ、その結晶形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHCl半水和物を調製する方法であって、C2〜C4アルコールの中から選択した溶媒の中でジプラシドン塩基B2から作ったスラリーに、HCl溶液を組み合わせる操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHCl一水和物(形態M)を調製する方法であって、水の中でスラリー化することによってジプラシドンHCl半水和物をジプラシドンHCl一水和物に変換し、その一水和物を回収する操作をさらに含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHCl無水物を調製する方法であって、メタノールの中でジプラシドン塩基B2から作ったスラリーに、HCl溶液を組み合わせ、無水形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンHCl無水物を調製する方法であって、C1〜C4アルコールの中でジプラシドン塩基B2から作ったスラリーに、ガス状のHClを組み合わせ、無水形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=9.1、19.1、25.7、26.3、26.9±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を特徴とするジプラシドンHCl結晶(形態J)を調製する方法であって、ジプラシドン塩基B2をC5〜C12の芳香族または脂肪族の炭化水素の中でスラリー化する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、ジプラシドン塩基B2を加熱してジプラシドン塩基を取得する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)ジプラシドン塩基B2を加熱して、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
b)そのジプラシドン塩基をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、テトラヒドロフランの中で、抗溶媒を、ジプラシドン塩基B2を用いて調製した溶液と組み合わせて結晶形態を沈澱させ、その結晶形態を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)テトラヒドロフランの中で、抗溶媒を、ジプラシドン塩基の溶液と組み合わせて、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)の結晶形態を沈澱させ;
b)その結晶形態を薬理学的に許容可能な塩に変換し;
c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、水の中で、塩基の存在下にてジプラシドンHClをスラリー化した後、メタノールで洗浄し、ジプラシドン塩基を回収する操作を含む方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、ジプラシドン塩基半水和物が提供される。
本発明の別の特徴によれば、水を約1.9%〜約2.5%含んでいる(カール・フィッシャー法による)ジプラシドン塩基半水和物が提供される。
本発明により、5-[2-[4-(1,2-ベンゾイソチアゾル-3-イル)-1-ピペラジニル]エチル]-6-クロロ-1,3-ジヒドロ-2H-インドル-2-オン(ジプラシドン塩基)の1つの結晶形態である“形態B2”が提供される。ジプラシドン塩基の形態B2により、ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩(例えばHCl塩やメシラート塩)を調製することができる。ジプラシドン塩基の形態B2は、ジプラシドン塩基の形態Bを調製するための理想的な1つの出発材料でもある。
ジプラシドン塩基の形態B2は、ジプラシドンの塩(HCl塩が最も好ましい)を、水を含む反応混合物の中で塩基と反応させることによって調製できる。他の塩(例えば酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ゲンチシン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、タウロコール酸塩、臭化水素酸塩)も使用することができる。中和に適した塩基としては、例えば、有機アミン、アルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の水素化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩などがある。塩基の具体例としては、例えば、1,8-ビス(N,N-ジメチルアミノ)ナフタレン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩基性アルミナなどがある。
反応は、スラリーまたは溶液の中で完全に溶かすことなく行なわせることができる。反応を水の中で行なわせる場合には、スラリーが形成される。有機補助溶媒を水に添加して溶質の溶解度を大きくできるため、溶液が形成される。補助溶媒の具体例としては、水と混和する溶媒であるC1〜C4アルコール(メタノールまたはエタノールが好ましい)またはテトラヒドロフランがある。
反応混合物(スラリーまたは溶液)は加熱することができる。反応混合物は、約40℃からほぼ還流温度までの温度に加熱することが好ましい。使用する塩基は、塩をすべて中和するのに十分であるよう、過剰なモル数にすることが好ましい。反応にとって好ましいpHは7〜約10である。反応は、塩をすべて中和するのに十分な時間にわたって行なわせる。高温にて1時間にわたって反応させることが好ましい。
次に、塩基を従来法(例えば濾過、デカント、遠心分離など)によってスラリーまたは溶液から回収することができる。
回収した結晶形態をさらに精製するため、ジプラシドン塩基は、溶媒(例えばC1〜C4アルコール)の中でさらに時間をかけてスラリー化することができる。好ましい一実施態様では、塩基の純度をさらに大きくするため、その塩基をイソプロパノールの中でスラリーにする。
得られた湿潤な生成物は、周囲圧下または減圧下(約50mmHg未満)で乾燥させることができる。乾燥プロセスを加速するため、温度を上げることができる。温度は約40℃〜約60℃が好ましい。
実施例に示した一実施態様では、水と、炭酸ナトリウムと、ジプラシドンHClとを組み合わせる。得られる不均一混合物(スラリー)を1時間にわたって高温に加熱した後、濾過する。スラリーの場合には、変換が起こるのに十分な時間にわたってスラリーを維持する。変換するのに最適な時間は、ルーチン作業としてスラリーからサンプルをさまざまな時点で採取することによって明らかにできる。
ジプラシドンHCl塩を中和することによって得られたジプラシドン塩基の形態B2のX線粉末回折(図1)は、ピークが2θ=9.4、13.7、14.5、14.9、18.1、20.2、22.8±0.2°の位置にあることを特徴とする。ジプラシドン塩基の形態B2は、カール・フィッシャー法によると、水を約1.9〜約2.5%含んでいる。この含水量は、半水和物の形態であることを示している。
ジプラシドン塩基の形態B2は、特に、結晶状またはアモルファス状のジプラシドンHCl塩またはジプラシドンメシラート塩を調製するため(例えばアメリカ合衆国特許第5,312,925号のジプラシドンHClの形態AやジプラシドンHCl一水和物を調製するため)の中間体として役立つ。他の多形形態(例えば形態E、形態F、形態G、形態I、アモルファス形態、形態J、形態E1、形態M)も調製することができる。ジプラシドンHClの形態A、形態E、形態F、形態G、形態I、形態Mは、2003年8月13日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/494,970号に開示されており、参考としてその内容がこの明細書に組み込まれているものとする。ジプラシドンの薬理学的に許容可能な他の塩(酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ゲンチシン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、タウロコール酸塩、臭化水素酸塩)もジプラシドン塩基から調製することができる。好ましい塩は、塩酸塩とメシラートである。薬理学的に許容可能なこれらの塩は、GEODENと同じ経路で哺乳動物に投与するための製剤にすることができる。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Aを調製する方法を実施例2に示してある。この実施態様では、水と、水と混和する溶媒(C1〜C3アルコールが好ましく、イソプロパノールがより好ましい)とからなる混合物の中でスラリーになったジプラシドン塩基にHClを添加する。酸性化によって温度が上昇するため。反応は低い温度で行なわせるとよい。一実施態様では、反応を室温よりも低い温度で行なわせる。より好ましいのは約10℃未満である。反応温度は実質的に一定に維持することが好ましい。
ジプラシドンHClの形態Aは、ピークを2θ=10.9、17.4、19.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形(実質的に図2に示したもの)と、ほぼ3400、3344、3172、2949、970、940、872、843cm-1の位置に特徴的な吸収帯を有するFTIRスペクトル(実質的に図3に示したもの)とからなるグループの中から選択したデータによって特徴づけられる。ジプラシドンHClの形態Aの結晶はさらに、2θ=25.0と26.0±0.2°の位置にXRDのピークを持つことと、2θ=13.9、20.6、21.3、21.8、23.0±0.2°の位置にXRDのピークを持つことを特徴とする。
ジプラシドン塩基の形態B2を利用してジプラシドンHClの形態M(一水和物)を調製することもできる。形態Mは、ジプラシドン塩基の形態B2と溶媒から作った溶液にHClを添加して形態Mを沈澱させることによって調製できる。適切な溶媒としては、THF、メタノール、DMA、酢酸、ならびにこれらの混合物が挙げられる。HClを添加している間の温度は約40℃よりも高いことが好ましく、約50℃よりも高いことがさらに好ましい。
ジプラシドン塩基の形態B2を用いてジプラシドンHCl半水和物を調製することもできる。そのためには、C2〜C4アルコール(エタノールが好ましい)の中で、高温(約40℃よりも高いことが好ましく、約50℃よりも高いことがさらに好ましい)にて、ジプラシドン塩基の形態B2から作ったスラリーにHCl溶液を添加する。約4時間〜約24時間にわたってスラリー化すると十分である。
この半水和物は、高温(約40℃よりも高いことが好ましく、約50℃よりも高いことがさらに好ましい)にて水中でスラリー化することによってジプラシドンHClの形態Mに変換できる。
ジプラシドン塩基の形態B2を用いてジプラシドンHCl無水物を調製することもできる。無水とは、結合している溶媒がないこと、すなわち溶媒が結晶構造の一部になっていないことを意味する。ジプラシドンHCl無水物は、メタノール中でスラリーになっているジプラシドン塩基の形態B2にHClを添加することによって調製できる。ガス状のアルコールを含むC1〜C4アルコールを使用できる。反応は、実質的に室温で行なわせることができる。しかし他の温度でも最適化は可能である。
ジプラシドン塩基の形態B2を用いてジプラシドンHClの形態Jを調製することもできる。ジプラシドンHClの形態Jは、C5〜C12の芳香族または脂肪族の炭化水素(トルエン、ヘプタン、ヘキサンが好ましい(直鎖または環式のもの))の中でジプラシドン塩基の形態B2から作ったスラリーにHCl溶液を添加することによって調製できる。
ジプラシドンHClの結晶(形態J)は、粉末XRD図形2θ=9.1、19.1、25.7、26.3、26.9±0.2°の位置にピークがあることを特徴とする。
ジプラシドン塩基の形態B2を用いてジプラシドン塩基の他の多形形態を調製することも可能である。形態B2を非プロトン性溶媒(例えばC5〜C12炭化水素)の中でスラリー化してジプラシドン塩基の形態Bを得ることができる。スラリーは、少なくとも約60℃の温度であることが好ましい。炭化水素はトルエンであることが好ましい。スラリーにするには、トルエンに加え、他の非プロトン性溶媒(例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF))を用いることもできる。ジプラシドン塩基の形態Bは、従来法(例えば濾過)によってスラリーから回収することができる。
ジプラシドン塩基の形態B2は、加熱することによってジプラシドン塩基の形態Bに変換することもできる。この実施態様では、ジプラシドン塩基の形態B2を少なくとも約50℃(約60℃を超えることが好ましい)の温度に加熱する。スラリー化のための理想的な時間は約4〜約24時間である。加熱中に空気循環炉または減圧を利用することができる。
好ましい一実施態様では、ジプラシドン塩基の形態Bは、ほぼ室温からほぼ還流温度までの温度において水中で塩基の存在下にてジプラシドンHClをスラリー化し、得られた生成物を回収した後にメタノールで洗浄し、さらに約30℃を超える温度に加熱することによって得られる。場合によっては、得られた生成物を回収した後、その生成物をスラリー化し、C1〜C4アルコールで洗浄する。アルコールはイソプロパノールであることが好ましい。
ジプラシドン塩基の形態Bまたはジプラシドン塩基の他の形態は、沈澱によってジプラシドン塩基の形態B2に変換することができる。好ましくは高温にてジプラシドン塩基を適切な溶媒に溶かし、抗溶媒を用いて沈澱させる。一実施態様では、ジプラシドン塩基をテトラヒドロフランに溶かし、水を添加して沈澱させる。抗溶媒を添加する温度はほぼ室温よりも高いことが好ましく、約50℃よりも高いことがさらに好ましい。
医薬組成物を薬にし、経口投与、非経口投与、直腸投与、経皮投与、口内投与、鼻腔内投与することができる。経口投与に適した形態としては、錠剤、圧縮ピル、コーティング・ピル、ドラジェ、サッシェ、硬質ゼラチン・カプセル、軟質ゼラチン・カプセル、舌下錠、シロップ、懸濁液などがある。非経口投与に適した形態としては、水溶液、非水性溶液、エマルジョンなどがあり、直腸投与に適した形態としては、親水性ビヒクルまたは疎水性ビヒクルを含む座薬がある。局所投与するためには、本発明により、従来技術で知られている適切な経皮送達系が提供される。鼻腔内送達のためには、従来技術で知られている適切なエーロゾル送達系が提供される。
本発明の医薬組成物は、ジプラシドン塩基の上記多形形態またはその塩(塩酸塩とメシラートが好ましい)を含んでいる。本発明の医薬組成物は、活性成分に加え、1種類以上の賦形剤またはアジュバントを含むことができる。賦形剤の選択と使用量は、製剤の研究者であれば、経験と、この分野での標準的な手続きおよび参考文献に基づいて容易に決定することができる。
希釈剤を用いると固体医薬組成物の体積が増大するため、その組成物を含む医薬投与形態の取り扱いが患者や世話をする人にとって容易になる。固体組成物のための希釈剤としては、例えば、微結晶セルロース(例えばアビセル(登録商標))、微細セルロース、ラクトース、デンプン、あらかじめゼラチン化したデンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えばオイドラギット(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール、タルクなどがある。
投与形態(例えば錠剤)に圧縮される固体医薬組成物は、圧縮後に活性成分と他の賦形剤を互いに結合させるのに役立つ機能を持つ賦形剤を含むことができる。固体医薬組成物のための結合剤としては、アラビアゴム、アルギン酸、カルボマー(例えばカルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアルゴム、水素処理した植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えばクルセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばメトセル(登録商標))、液体グルコース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えばコリドン(登録商標)、プラスドン(登録商標))、あらかじめゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどがある。
圧縮された固体医薬組成物が患者の胃で溶解する速度は、その組成物に崩壊剤を添加して大きくすることができる。崩壊剤としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えばAc-Di-Sol(登録商標)、プリメロース(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えばコリドン(登録商標)、ポリプラスドン(登録商標))、グアルゴム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、あらかじめゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えばエクスプロタブ)、デンプンなどがある。
流動促進剤を添加して圧縮されていない固体組成物の流動性を改善し、投与量の正確さを向上させることができる。流動促進剤として機能する賦形剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、三塩基性リン酸カルシウムなどがある。
粉末組成物の圧縮によって錠剤などの投与形態を作る場合、パンチまたはダイからその組成物に圧力を加える。賦形剤や活性成分の中には、パンチやダイの表面に付着する傾向を持ったものがある。すると製品の表面に穴やそれ以外の不規則さが生じる可能性がある。潤滑剤を組成物に添加して付着を減らし、製品がダイから離れやすくすることができる。潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素処理したひまし油、水素処理した植物油、鉱物油、ポリエチレングリコール、、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛などがある。着香剤と風味増強剤は、患者にとって投与形態をより口当たりのよいものにする。医薬製品にとって一般的で本発明の組成物に含めることのできる着香剤と風味増強剤としては、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、酒石酸などがある。
薬理学的に許容可能な任意の着色剤を用いて固体組成物と液体組成物を着色し、外観を向上させること、および/または患者が製品が何であるかと単位用量のレベルを知るのを容易にすることもできる。
本発明の液体医薬組成物では、活性成分と他のあらゆる固体賦形剤は、液体基剤(例えば水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン)の中に懸濁させる。
液体医薬組成物は、液体基剤に溶けない活性成分や他の賦形剤を組成物全体に均一に分散させるため、乳化剤を含むことができる。本発明の液体医薬組成物で役に立つ可能性のある乳化剤としては、例えばゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アラビアゴム、トラガカントゴム、ツノマタ、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、セチルアルコールなどがある。
本発明の液体医薬組成物は、製品の口当たりを改善するため、および/または胃腸管のライニングをコーティングするため、増粘剤も含むことができる。増粘剤としては、アラビアゴム、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアルゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、炭酸プロピレン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、トラガカントゴム、キサンタンゴムなどがある。
甘味剤(例えばソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、転化糖)を添加して味を改善することができる。
摂取しても安全なレベルで保存剤やキレート剤(例えばアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エチレンジアミン四酢酸)を添加して保管安定性を改善することができる。
本発明によれば、液体組成物は、緩衝液(例えばグルコン酸、乳酸、クエン酸、酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)も含むことができる。
賦形剤の選択と使用量は、製剤の研究者であれば、経験と、この分野での標準的な手続きおよび参考文献に基づいて容易に決定することができる。
本発明の固体組成物としては、粉末、顆粒、凝集体、圧縮組成物などがある。投与形態としては、経口投与、口内投与、直腸投与、非経口投与(例えば皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与)、吸入、目への投与に適した形態がある。所定のケースにおいて最適な投与経路は治療する疾患の性質と程度によって異なるが、本発明の最も好ましい経路は経口である。投与形態は、単位用量の形態で提示することができ、製薬の分野でよく知られている任意の方法で調製することができる。
投与形態としては、固体投与形態(例えば錠剤)、粉末、カプセル、座薬、サッシェ、トローチ、ロゼンジなどのほか、液体シロップ、懸濁液、エリキシルなどがある。
本発明の投与形態は、組成物を含むカプセルにすることができる。この投与形態は、硬質または軟質のシェルの中に入った本発明の粉末状固体組成物または顆粒状固体組成物であることが好ましい。シェルはゼラチンから作ることができ、場合によっては可塑剤(例えばグリセリンやソルビトール)と、不透明剤または着色剤を含むことができる。
従来技術で知られている方法に従って活性成分や賦形剤を組成物や投与形態にすることができる。
錠剤用またはカプセル充填用の組成物は、湿式顆粒化によって調製できる。湿式顆粒化では、粉末形態になった活性成分と賦形剤の一部または全部を混合した後、液体(一般に水)の存在下でさらに混合し、粉末を凝集させて顆粒にする。顆粒は、スクリーニングおよび/または粉砕し、乾燥させた後、スクリーニングおよび/または粉砕して望む粒径にする。次に、顆粒を錠剤にすること、または顆粒に他の賦形剤(例えば流動促進剤および/または潤滑剤)を添加した後に錠剤にすることができる。
錠剤組成物は、乾式混合によって容易に調製することができる。例えば活性成分と賦形剤を混合した組成物を圧縮してスラグまたはシートにした後、粉砕して圧縮顆粒にすることができる。圧縮顆粒は、その後圧縮して錠剤にすることができる。
乾式顆粒化に代わる方法として、混合した組成物を直接圧縮技術を利用して直接圧縮して圧縮投与形態にすることができる。直接圧縮により、顆粒のないより均一な錠剤が得られる。直接圧縮錠剤化に特に適した賦形剤としては、微結晶セルロース、スプレー乾燥させたラクトース、リン酸二カルシウム二水和物、コロイド状シリカなどがある。これらの賦形剤ならびに他の賦形剤を直接圧縮錠剤化において適切に使用する方法は、直接圧縮錠剤化による特別な製剤化に挑戦した経験と技術のある当業者に知られている。
本発明によるカプセル充填剤は、錠剤化に関して説明した上記の任意の混合物や顆粒を含むことができるが、その混合物や顆粒に対して最終的な錠剤化ステップが実施されることはない。
ゲオドンの投与量をガイドとして利用することができる。本発明の経口投与形態は、用量が約10mg〜約160mgの経口カプセルの形態であることが好ましい。用量は、約20mg〜約80mgであることがより好ましく、20、40、60、80mgのカプセルになっていることが最も好ましい。別の好ましい投与形態は、注射可能な投与形態である。
X線粉末回折のデータは、固体検出器を備えたシンタグ社の粉末X線回折計モデルX'TRAを用い、従来技術で知られている方法により得られた。銅からの1.5418オングストロームの放射線を利用した。丸いゼロ・バックグラウンド用水晶板を備えていて、25(直径)×0.5(深さ)mmのキャビティを有する丸いアルミニウム製サンプル・ホルダ。検出限界:5%。
IR分析は、パーキン・エルマー社のスペクトラム・ワンFT-IR分光計をドリフトtモードで使用して実施した。4000〜400cm-1の範囲にわたって4.0cm-1の分解能でサンプルを16回走査した。
実施例
ジプラシドン塩基の形態B2を調製する方法
4リットルの三つ首フラスコに、1リットルの水と、20gのNa2CO3と、300gのジプラシドンHClとを充填した。得られたスラリーに水(1リットル)とNa2CO3(10g)をさらに添加した。この反応混合物を60℃に加熱し、1時間にわたってその温度を維持した。固形物を濾過し、水(2×300ml)で洗浄することにより、ジプラシドン塩基の形態B2を得た。この生成物の化学的純度を上げるため、湿った固形物をイソプロピルアルコール(2リットル)の中に入れ、得られたスラリーを60℃にて2時間にわたって撹拌した。冷却後、固形物を濾過し、イソプロピルアルコールで洗浄し、50℃にて23時間にわたって乾燥させた。23時間にわたって乾燥させた後の固形物は水を2.3%含んでおり(カール・フィッシャー法による)、2日間乾燥させた後には、水を2.1%含んでいた(カール・フィッシャー法法による)。乾燥後のこの材料のXRDは、ジプラシドン塩基の形態B2のものであった。
この実施例では、使用したジプラシドンHClは形態Aであったが、ジプラシドンHClの他の形態も使用することができる。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Aを調製する方法
250mlの反応容器に、ジプラシドン塩基の形態B2(10g)と、イソプロピルアルコール(25ml)と、水(25ml)を充填した。得られたスラリーを約5℃に冷却した。HCl(32%、29.4ml)を約10分間かけて一滴ずつ添加した。HClを添加している間、温度を10℃未満に維持した。反応混合物をこの温度で24時間にわたって撹拌し、得られた固形物を濾過し、IPA/水(1:1)の混合物で洗浄し、50℃にした真空炉の中で乾燥させた。最終生成物はジプラシドンHClの形態Aであった(KFによる含水量は4.5%)。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドン塩基の形態Bを調製する方法
0.5リットルの三つ首フラスコに、ジプラシドン塩基(50g)とトルエン(250ml)を充填し、得られたスラリーを2時間にわたって85℃に加熱した。この熱いスラリーを濾過し、固形物をメタノールで洗浄した。固形物を50℃にした空気循環炉の中で乾燥させると、乾燥したジプラシドン塩基の形態Bが得られた(XRDによる)(45.39g)。
ジプラシドン塩基の形態Bを調製する方法
1リットルの水の中でスラリーになったジプラシドンHClの形態A(300g)に、Na2CO3(20g)を1リットルの水に溶かした溶液を添加した。pHが6.0になった。pHが8になるまで追加量の塩基(10g)を添加し、全体を1時間にわたって60℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、固形物を濾過し、水で洗浄した(XRDで分析すると、サンプルはジプラシドン塩基の形態Bであることを示していた)。この湿った材料を60℃にて2時間にわたってイソプロピルアルコール(2リットル)の中でスラリー化した。室温にて固形物を濾過し、IPAで洗浄した後、メタノールで洗浄した。得られた湿潤材料(XRDによるとジプラシドン塩基の形態B)を60℃で乾燥させると、乾燥した固体ジプラシドン塩基の形態Bが得られた(XRDによる)(KFによる含水量は0.89%)。
ジプラシドン塩基の形態B2を乾燥させてジプラシドン塩基の形態Bを調製する方法
ジプラシドン塩基の形態B2(20g)を80℃にした真空炉の中で14時間にわたって乾燥させた。乾燥させた後の固形物は、ジプラシドン塩基の形態Bであった。
ジプラシドン塩基の形態B2を調製する方法
還流温度に加熱することにより、ジプラシドン塩基(30g)をTHF/水(12.5:1)の混合物(1650ml)に溶かした。色をよくするため、この溶液に活性炭とトンシルを添加した。15分間にわたって撹拌した後、この混合物を濾過し、得られた溶液を約60℃に温めて水(1000ml)を添加し、次いでこの溶液を約2℃に冷却した。2時間後、固形物を濾過し、THF/水の混合物で洗浄し、40℃で乾燥させると、ジプラシドン塩基の結晶(42.5g)が得られた。サンプルのXRDから、それがジプラシドン塩基の形態B2であることがわかる。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Mを調製する方法
フラスコに、ジプラシドン塩基の形態B2(20g)とTHF:AcOH(9:1)の混合物700mlを充填した。60℃に加熱すると全体が透明な溶液になった。濁りが観察されるようになるまで10%HClを数滴添加した後、より多くの10%HCl(60ml)をゆっくりと添加した。1時間にわたって撹拌を続けた後、熱源を除去した。固形物を濾過し、同じ溶媒混合物で洗浄し、50℃にて1時間にわたって乾燥させた後、フードの中で室温に維持した。XRDから、その固形物がジプラシドンHClの形態Mであることがわかる。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Mを調製する方法
反応容器に、ジプラシドン塩基の形態B2(5g)とN,N-ジメチルアセトアニド(DMA)(100ml)を充填し、この混合物を60℃に加熱した。得られた溶液にHClを(5分間かけて)添加し、60℃にて4時間にわたって撹拌を続けた。得られた固形物を濾過し、DMAで洗浄し、50℃にした真空炉の中で一晩にわたって乾燥させた。乾燥した固形物は、ジプラシドンHClの形態Mであった。
THF/メタノール中でのジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Mを調製する方法
ジプラシドン塩基の形態B2(5g)を60℃にてTHF/MeOH(10:3)の混合物(225ml)の中にほぼ完全に溶かした。この温度で32%HCl水溶液(20ml)を約1時間にわたって添加した。60℃で一晩にわたって撹拌を続けた。その後スラリーを室温まで冷却し、固形物を濾過し、同じ溶媒混合物で洗浄し、50℃で乾燥させた。乾燥した固形物は、ジプラシドンHClの形態Mであった。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHCl半水和物を調製する方法
フラスコに、ジプラシドン塩基の形態B2(5g)と無水エタノール150mlを充填し、得られたスラリーを65℃に加熱した。この温かいスラリーに、32%HCl(3ml)を無水エタノール(50ml)に溶かした溶液を1時間30分かけて一滴ずつ添加した。この温度で一晩にわたって撹拌を続けた。まだ温かい状態の反応混合物の一部を濾過し、60℃にした真空炉の中で6時間にわたって乾燥させた。得られた固形物は、ジプラシドンHCl半水和物であった。
反応混合物の残りに対しては以下のようにした。すなわち、水(50ml)を温かいスラリーに添加し、65℃にてさらに4時間にわたって撹拌した。この固形物を濾過した後、50℃にした真空炉の中で1.5時間にわたって乾燥させ、次いで2日間にわたって換気フードの中に入れた。この固形物は、ジプラシドンHClの形態Mであった。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHCl無水物を調製する方法
メタノール(200ml)の中でスラリーになったジプラシドン塩基の形態B2(10g)に、室温にて32%HCl(10ml)を添加した。HClを添加している間に温度が30℃になった。室温にて約16時間にわたって撹拌を続けた。固形物を濾過し、メタノール(2×10ml)で洗浄し、60℃にて乾燥させた。得られた固形物は、ジプラシドンHCl無水物であった。
ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンHClの形態Jを調製する方法
フラスコに、ジプラシドン塩基の形態B2(10g)とトルエン(200ml)を充填した。得られたスラリーを機械式撹拌装置で撹拌した。32%HCl(20ml)を添加すると、粘性のある材料が形成された。溶媒を蒸留によって除去し、乾燥した固形物を閉鎖容器の中で冷やした状態に維持した。得られた固形物は、ジプラシドンHClの形態Jであった。
予想:ジプラシドン塩基の形態B2からジプラシドンメシラート塩を調製する方法
フラスコに、ジプラシドン塩基の形態B2(10g)と水(100ml)を充填する。得られるスラリーを機械式撹拌装置で撹拌し、メタンスルホン酸(2ml)を添加する。得られる反応混合物を4時間にわたって60℃に加熱した後、冷却し、濾過する。得られる固形物は、ジプラシドンメシラート塩である。
本発明を特定の好ましい実施態様と具体的な実施例を参照して説明してきたが、当業者であれば、この明細書に開示した本発明の精神と範囲を逸脱することなく、ここに説明した本発明に対して変更を施しうることが理解できよう。実施例は本発明の理解を助けるために提示したものであり、いかなる意味でも本発明の範囲を制限することは意図しておらず、そのように解釈してもならない。実施例には、従来法の詳細な説明は含まれていない。そのような方法は当業者には周知であり、多数の出版物に記載されている。『医薬用固体、薬、薬理科学における多形』、第95巻をガイダンスとして利用できよう。
ジプラシドン塩基の形態B2のX線粉末回折図形である。 ジプラシドンHClの形態AのX線粉末回折図形である。 ジプラシドンHClの形態AのFTIRスペクトルである。 ジプラシドンHClの形態JのX線粉末回折図形である。

Claims (63)

  1. 2θ=9.4、13.7、14.5、14.9、18.1、20.2、22.8±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を持つジプラシドン塩基の結晶形態。
  2. X線粉末回折図形が実質的に図1に示した通りであることを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 請求項1の結晶形態を調製する方法であって、
    a)水を含み、場合によっては、水と混和する有機補助溶媒をさらに含む反応混合物の中で、ジプラシドンの塩を塩基と反応させてジプラシドンの結晶形態を取得し;
    b)その結晶形態を回収する操作を含む方法。
  4. 上記塩の選択を、塩酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ゲンチシン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、タウロコール酸塩、臭化水素酸塩からなるグループの中から行なう、請求項3に記載の方法。
  5. 上記塩が塩酸塩である、請求項4に記載の方法。
  6. 上記塩の選択を、有機アミン、アルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の水素化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩からなるグループの中から行なう、請求項3に記載の方法。
  7. 上記塩基の選択を、1,8-ビス(N,N-ジメチルアミノ)ナフタレン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩基性アルミナからなるグループの中から行なう、請求項6に記載の方法。
  8. 上記塩基が炭酸塩である、請求項6に記載の方法。
  9. 上記反応混合物がスラリーである、請求項3に記載の方法。
  10. 上記水を有機溶媒との混合物にする、請求項3に記載の方法。
  11. 上記有機溶媒が水と混和する溶媒であり、その溶媒の選択を、C1〜C4アルコール、テトラヒドロフラン、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から行なう、請求項10に記載の方法。
  12. ステップa)において反応混合物を約40℃からほぼ還流温度までの温度に加熱する、請求項3に記載の方法。
  13. 得られた結晶形態を乾燥させる操作をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  14. 上記結晶形態をC1〜C4アルコールの中でスラリーにする操作をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  15. 上記C1〜C4アルコールがイソプロピルアルコールである、請求項14に記載の方法。
  16. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)水を含み、場合によっては、水と混和する有機補助溶媒をさらに含む反応混合物の中で、ジプラシドンの塩を塩基と反応させて請求項1のジプラシドンの結晶形態を取得し;
    b)その結晶形態をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
    c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  17. 薬理学的に許容可能な上記塩が塩酸塩である、請求項16に記載の方法。
  18. 上記塩酸塩がジプラシドンHCl一水和物である、請求項17に記載の方法。
  19. 上記塩酸塩がジプラシドンHCl半水和物である、請求項17に記載の方法。
  20. 上記塩酸塩がジプラシドンHCl無水物である、請求項17に記載の方法。
  21. 上記塩酸塩がジプラシドンHClの形態Aである、請求項17に記載の方法。
  22. 薬理学的に許容可能な上記塩がメシラート塩である、請求項16に記載の方法。
  23. 上記変換ステップの前に、C1〜C4アルコールを用いてジプラシドン塩基の結晶形態をスラリーにする、請求項16に記載の方法。
  24. 上記C1〜C4アルコールがイソプロピルアルコールである、請求項23に記載の方法。
  25. ジプラシドンHClの調製方法であって、HClを請求項1のジプラシドン塩基の結晶形態と反応させてジプラシドンHClを取得し、そのジプラシドンHClを回収する操作を含む方法。
  26. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)ジプラシドンの塩を塩基と反応させて請求項1のジプラシドンの結晶形態を取得し;
    b)得られたその結晶形態をC1〜C4アルコールの中でスラリーにし;
    c)その結晶形態を酸と組み合わせることによってジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を取得し;
    d)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  27. 上記酸がHCl溶液である、請求項26に記載の方法。
  28. 2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)の調製方法であって、請求項1のジプラシドン塩基を非プロトン性溶媒の中でスラリーにしてジプラシドン塩基を取得し、得られたジプラシドン塩基を回収する操作を含む方法。
  29. 上記スラリーが少なくとも約60℃の温度である、請求項28に記載の方法。
  30. 上記非プロトン性溶媒がC5〜C12炭化水素である、請求項28に記載の方法。
  31. 上記炭化水素がトルエンである、請求項30に記載の方法。
  32. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)請求項1のジプラシドン塩基を非プロトン性溶媒の中でスラリーにして、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
    b)そのジプラシドン塩基をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
    c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  33. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)請求項1のジプラシドン塩基を非プロトン性溶媒の中でスラリーにして、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を特徴とするジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
    b)得られたそのジプラシドン塩基をC1〜C4アルコールの中でスラリーにし;
    c)そのスラリーを酸と組み合わせることによってジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を取得し;
    d)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  34. 2θ=10.9、17.4、19.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドンHCl(形態A)を調製する方法であって、
    a)水と、水と混和する溶媒とからなる反応混合物の中で、HClを請求項1のジプラシドン塩基のスラリーと組み合わせて結晶形態を取得し;
    b)その結晶形態を回収する操作を含む方法。
  35. 水と混和する上記溶媒がC1〜C3アルコールである、請求項34に記載の方法。
  36. 水と混和する上記溶媒がイソプロパノールである、請求項35に記載の方法。
  37. ジプラシドンHCl一水和物(形態M)を調製する方法であって、THF、メタノール、DMA、酢酸、ならびにこれらの混合物からなるグループの中から選択した溶媒に請求項1のジプラシドン塩基を溶かした溶液にHClを組み合わせることによってその溶液から結晶形態を沈澱させ、その結晶形態を回収する操作を含む方法。
  38. ジプラシドンHCl半水和物を調製する方法であって、C2〜C4アルコールの中から選択した溶媒の中で請求項1のジプラシドン塩基から作ったスラリーに、HCl溶液を組み合わせる操作を含む方法。
  39. 上記アルコールがエタノールである、請求項38に記載の方法。
  40. 上記スラリー化を少なくとも約40℃の温度で行なう、請求項38に記載の方法。
  41. ジプラシドンHCl一水和物(形態M)を調製する方法であって、水の中でスラリー化することによって請求項38のジプラシドンHCl半水和物をジプラシドンHCl一水和物に変換し、その一水和物を回収する操作をさらに含む方法。
  42. 上記スラリー化を少なくとも約40℃の温度で実施する、請求項41に記載の方法。
  43. ジプラシドンHCl無水物を調製する方法であって、メタノールの中で請求項1のジプラシドン塩基から作ったスラリーに、HCl溶液を組み合わせ、無水形態を回収する操作を含む方法。
  44. ジプラシドンHCl無水物を調製する方法であって、C1〜C4アルコールの中で請求項1のジプラシドン塩基から作ったスラリーに、ガス状のHClを組み合わせ、無水形態を回収する操作を含む方法。
  45. 2θ=9.1、19.1、25.7、26.3、26.9±0.2°の位置にピークがあるX線粉末回折図形を特徴とするジプラシドンHCl結晶(形態J)を調製する方法であって、請求項1のジプラシドン塩基をC5〜C12の芳香族または脂肪族の炭化水素の中でスラリー化する操作を含む方法。
  46. 上記炭化水素がトルエンである、請求項45に記載の方法。
  47. 2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、請求項1のジプラシドン塩基を加熱して請求項1のジプラシドン塩基を取得する操作を含む方法。
  48. 上記加熱を少なくとも約50℃の温度で実施する、請求項47に記載の方法。
  49. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)請求項1のジプラシドン塩基を加熱して、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を取得し;
    b)そのジプラシドン塩基をジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩に変換し;
    c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  50. 2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、テトラヒドロフランの中で、抗溶媒を、請求項1のジプラシドン塩基を用いて調製した溶液と組み合わせて結晶形態を沈澱させ、その結晶形態を回収する操作を含む方法。
  51. 上記抗溶媒が水である、請求項50に記載の方法。
  52. ジプラシドンの薬理学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
    a)テトラヒドロフランの中で、抗溶媒を、請求項1のジプラシドン塩基を用いて調製した溶液と組み合わせて、2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)の結晶形態を沈澱させ;
    b)その結晶形態を薬理学的に許容可能な塩に変換し;
    c)その薬理学的に許容可能な塩を回収する操作を含む方法。
  53. 半水和物である、請求項1に記載の結晶形態。
  54. カール・フィッシャー法によると、上記半水和物が水を約1.9%〜約2.5%含んでいる、請求項53に記載の結晶形態。
  55. 2θ=12.1、15.2、16.3、18.4、25.0、5.2、10.4、11.3、13.1、21.1、22.1±0.2°の位置にピークがあるX線回折図形を持つジプラシドン塩基(形態B)を調製する方法であって、水の中で、塩基の存在下にてジプラシドンHClをスラリー化した後、メタノールで洗浄し、ジプラシドン塩基を回収する操作を含む方法。
  56. メタノールで洗浄する前に、得られた生成物を反応混合物から回収する、請求項55に記載の方法。
  57. メタノールで洗浄する前に、メタノール以外のC1〜C4アルコールを用いてスラリー化および/または洗浄する操作をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  58. 上記アルコールがイソプロパノールである、請求項57に記載の方法。
  59. メタノールでの洗浄を、ほぼ室温からほぼ還流温度までの温度で実施する、請求項55に記載の方法。
  60. 請求項1または2に記載のジプラシドンを利用してジプラシドンHClを調製する方法。
  61. 請求項1または2に記載のジプラシドンを利用してジプラシドンHCl一水和物を調製する方法。
  62. 請求項1または2に記載のジプラシドンを利用してジプラシドンHCl半水和物を調製する方法。
  63. 請求項1または2に記載のジプラシドンを利用してジプラシドンHClの形態Aを調製する方法。
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