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JP2007509924A - ホスホイノシチド−3−キナーゼ(pi3k)阻害剤としてのピリミジン - Google Patents

ホスホイノシチド−3−キナーゼ(pi3k)阻害剤としてのピリミジン Download PDF

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JP2007509924A
JP2007509924A JP2006537458A JP2006537458A JP2007509924A JP 2007509924 A JP2007509924 A JP 2007509924A JP 2006537458 A JP2006537458 A JP 2006537458A JP 2006537458 A JP2006537458 A JP 2006537458A JP 2007509924 A JP2007509924 A JP 2007509924A
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ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー
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Abstract

本発明は、R、R、およびYが、本明細書でそのために規定する意味のいずれかである、炎症性疾患、心血管疾患、および癌を含む疾患および状態の治療において薬剤として有用な式(I)のピリミジン、および薬学的に許容できるその塩を提供する。式(I)の1種または複数の化合物を含む医薬組成物も提供する。
【化1】

Description

ホスホイノシチド−3−キナーゼ(PI3K)は、ホスホイノシトールの3’−OHをリン酸化してPI−3−P(ホソファチジルイノシトール3リン酸)、PI−3,4−P2、およびPI−3,4,5−P3を生成する脂質キナーゼの1ファミリーである。あるクラスのPI3Kは、増殖因子によって刺激される。別のクラスのPI3Kは、Gタンパク質結合受容体によって活性化され、これにはPI3Kγが含まれる。増殖因子によって刺激されるPI3K(たとえば、PI3Kα)は、細胞増殖および癌と関係付けられている。PI3Kγは、シグナル伝達カスケードに関与することが示されている。たとえば、PI3Kγは、C5a、fMLP、ADP、およびIL−8などのリガンドに応答して活性化される。PI3Kγはさらに、免疫疾患とも関係付けられている(Hirschら、Science2000、第287巻:1049〜1053ページ)。PI3Kγヌルマクロファージは、走化性応答が弱まっており、炎症と闘う能力が低下している(Hirschら、2000年、前掲書)。また、PI3Kγは、血栓性疾患(たとえば、血栓塞栓症、虚血性疾患、心臓発作、および卒中)とも関係付けられている(Hirschら、FASEB J.2000年、第15巻(11):2019〜2021ページ;およびHirschら、FASEB J.、2001年7月9日、10.1096/fj.00−0810fje(本明細書では、Hirschら、2001年として引用する)。
ヒトの疾患の治療のためのPI3Kのメンバーの阻害剤が開発されている(たとえば、WO01/81346、WO01/53266、およびWO01/83456を参照されたい)。医薬品としての使用するためのPI3Kを阻害できる更なる化合物が求められている。
一態様では、本発明は、次式Iのピリミジン
Figure 2007509924
[式中、
は、水素またはメチルであり、
Yは、O、NH、またはSであり、
は、C〜Cアルキル、−L−C〜Cシクロアルキル、アダマンチル、5員または6員ヘテロシクロアルキル、および−J−Rからなる群から選択され、
は、フェニル基またはナフチル基であり、
Lは、不在であり、またはC〜Cアルキレンであり、
Jは、不在であり、またはC〜C−アルキレンである]または薬学的に許容できるその塩を提供する。
ある式Iの実施形態では、YはOであり、Rは水素であり、RはC〜Cシクロアルキルである。すなわち、次式II
Figure 2007509924
の化合物である。
式IIの化合物の例には、それらに限定されるものではないが、
4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−シクロペンチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−シクロヘキシルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−シクロオクチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−(2−シクロヘキシル−エトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−シクロヘキシルメトキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
4−(3,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
が含まれる。
ある式Iの実施形態では、YはOであり、Rはメチルであり、RはC〜Cシクロアルキルである。すなわち、次式III
Figure 2007509924
の化合物である。
式IIIの化合物の例は、4−シクロヘプチルオキシ−6−メチル−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
ある式Iの実施形態では、YはNHであり、Rは水素である。すなわち、次式IV
Figure 2007509924
の化合物である。
式IVの化合物の例には、それらに限定されるものではないが、
4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド、
4−ベンジルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド、および
4−シクロヘキシルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
が含まれる。
ある式Iの実施形態では、YはSである。すなわち、次式V
Figure 2007509924
の化合物である。
式Vの化合物の例は、4−シクロヘプチルスルファニル−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式I〜Vのいずれか1種の化合物と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を提供する。ある実施形態では、これらの組成物は、PI3Kが仲介する障害または状態の治療に有用である。本発明の化合物は、癌、血栓性疾患、心疾患、卒中、関節リウマチなどの炎症性疾患、またはPI3Kが仲介する別の障害の治療に有用な化合物も含む医薬組成物中に配合してもよい。
別の態様では、本発明は、PI3Kが仲介する障害または状態に罹患している対象を治療する方法であって、PI3Kが仲介する状態または障害に罹患している対象に、治療有効量の式I〜Vのいずれか1種の化合物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。ある実施形態では、PI3Kが仲介する状態または障害は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択される。他の実施形態では、PI3Kが仲介する状態または障害は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深在静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓性疾患、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、および冠動脈疾患からなる群から選択される。その他の実施形態では、PI3Kが仲介する状態または障害は、癌、大腸癌、グリア芽細胞腫、子宮体癌、肝細胞癌、肺癌、黒色腫、腎細胞癌、甲状腺癌、細胞リンパ腫(cell lymphoma)、リンパ球増殖性障害、小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、神経膠腫、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、および白血病からなる群から選択される。さらに別の実施形態では、PI3Kが仲介する状態または障害は、II型糖尿病からなる群から選択される。その他の実施形態では、PI3Kが仲介する状態または障害は、呼吸器疾患、気管支炎、喘息、および慢性閉塞性肺疾患からなる群から選択される。ある実施形態では、対象はヒトである。
定義
本明細書では、以下の用語は、別段の指定がない限り、割り当てられた意味を有する。
「PI3Kが仲介する障害または状態」は、1種または複数のPI3KまたはPI3Pホスファターゼ(たとえば、PTENなど)が、障害または状態の開始、1つまたは複数の症状もしくは疾患マーカーの出現、重症度、または進行に関与していることを特徴とする。PI3Kが仲介する障害および状態には、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、肺線維症、自己免疫疾患、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深在静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓性疾患、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、冠動脈疾患、癌、乳癌、グリア芽細胞腫、子宮体癌、肝細胞癌、大腸癌、肺癌、黒色腫、腎細胞癌、甲状腺癌、小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、神経膠腫、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、白血病、細胞リンパ腫、リンパ球増殖性障害、II型糖尿病、呼吸器疾患、気管支炎、喘息、および慢性閉塞性肺疾患が含まれるが、それらに限定されるものではない。
PI3Kは、ホスホイノシトールの3’−OHをリン酸化して、PI3Pを生成することのできる酵素である。PI3Kには、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kγ、およびPI3Kδが含まれるが、それらに限定されるものではない。PI3Kは通常、少なくとも1個の触媒サブユニット(たとえば、p110rなど)を含み、調節サブユニット(たとえば、p101γなど)をさらに含んでもよい。
用語「アルキル基」または「アルキル」は、直鎖状および分枝鎖状の炭素基を含む。用語「アルキレン」とは、非置換または置換アルカンジラジカルを指す。たとえば、「C2〜6アルキル」は、2〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。C〜C直鎖状アルキル基の例には、それらに限定されるものではないが、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、およびn−ヘキシルが含まれる。分枝鎖アルキル基の例には、それらに限定されるものではないが、イソプロピル、t−ブチル、イソブチルなどが含まれる。アルキレン基の例には、それらに限定されるものではないが、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH(CH)−CH−、および−(CH1〜3が含まれる。アルキレン基は、以下でアルキルについて述べる基で置換されていてもよい。
用語アルキルは、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上で置換基が水素と入れ替わっているアルキル部分を指す。そのような置換基は、ハロ、I、Br、Cl、F、−OH、−COOH、トリフルオロメチル、NH、−OCF、およびO−C〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
典型的な置換アルキル基は、したがって、2,3−ジクロロペンチル、3−ヒドロキシ−5−カルボキシヘキシル、2−アミノプロピル、ペンタクロロブチル、トリフロロメチル、メトキシエチル、3−ヒドロキシペンチル、4−クロロブチル、1,2−ジメチル−プロピル、およびペンタフルオロエチルである。
「ハロ」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
用語「C〜Cシクロアルキル」とは、3〜8個の炭素を含むシクロアルキル基を指す。したがって、用語「C〜Cシクロアルキル」は、3〜8個の炭素を含む単環式シクロアルキル基、および7または8個の炭素を含む二環式シクロアルキル基を含む。「C〜Cシクロアルキル」の例には、それらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびビシクロ[2.2.1]ヘプチルが含まれる。シクロアルキル基は、1または2個の二重結合(すなわち、シクロアルキレニル)を含んでいてもよく、それらに限定されるものではないが、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルを含めることができる。「C〜Cシクロアルキル」は、C〜Cアルキル(たとえば、メチル)および−O−C〜Cアルキル(たとえば、メトキシ)からそれぞれ独立に選択される1または2個の基で置換されていてもよい。置換シクロアルキル基の例には、メチル−シクロプロピル、ジメチル−シクロヘキシル、2−メチル−シクロヘキシル、3−メチル−シクロヘキシル、3,5−ジメチル−シクロヘキシル、および4−メチル−シクロヘキシルが含まれるが、それらに限定されるものではない。
用語「アダマンチル」は、非置換アダマンチル、およびC〜Cアルキル(たとえば、メチル)および−O−C〜Cアルキル(たとえば、メトキシ)からそれぞれ独立に選択された1または2個の基で置換されているアダマンチルを含む。
語句「5員または6員ヘテロシクロアルキル」とは、炭素原子と、S、N、またはOからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な環状基を意味し、2個のO原子、または1個のO原子および1個のS原子が存在するとき、その2個のO原子、または1個のO原子および1個のS原子は、それぞれ互いに直接には結合しない。5または6員ヘテロシクロアルキルは、1または2個の炭素−炭素に重結合または炭素−窒素二重結合を含んでいてもよい。5員または6員ヘテロシクロアルキルの実例には、テトラヒドロフラン−3−イル、モルホリン−4−イル、テトラヒドロ−チオピラン−4−イル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、および4−メチル−ピペラジン−2−イルが含まれる。
別段の指摘がない限り、前述のヘテロシクロアルキルは、それが可能であり、安定な構造をもたらす場合には、C結合型でもN結合型でもよい。たとえば、ピペリジニルは、ピペリジン−1−イル(N結合型)でもよいし、またはピペリジン−4−イル(C結合型)でもよい。
用語「5または6員ヘテロシクロアルキル」の範囲には、環中に1個の炭素−炭素二重結合または1個の炭素−窒素二重結合を有する5員環(たとえば、2−ピロリニル、3−ピロリニルなど)、および環中に1個の炭素−炭素二重結合または1個の炭素−窒素二重結合を有する6員環(たとえば、ジヒドロ−2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、3,4−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジンなど)が含まれる。
「5員ヘテロシクロアルキル」とは、2〜4個の炭素原子と、1O、1S、1N、2N、3N、1Sおよび1N、ISおよび2N、1Oおよび1N、ならびに1Oおよび2Nからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な5員単環式シクロアルキル環である。安定な5員ヘテロシクロアルキルの実例には、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、2−ピロリニル、および3−ピロリニルが含まれる。
「6員ヘテロシクロアルキル」とは、3〜5個の炭素原子と、1O、2O、1S、2S、1N、2N、3N、1S、1Oおよび1N、1Sおよび1N、1Sおよび2N、1Sおよび1O、1Sおよび2O、1Oおよび1N、ならびに1Oおよび2Nからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な6員単環式シクロアルキル環である。安定な6員ヘテロシクロアルキルの実例には、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、ヘキサヒドロピリミジン、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラニル、1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、およびトリチアニルが含まれる。
用語「5員または6員ヘテロシクロアルキル」は、飽和および不飽和の「5員または6員ヘテロシクロアルキル」を含む。「5員または6員ヘテロシクロアルキル」は、可能な場合では上でC〜Cシクロアルキルについて述べたように置換されていてもよい。
用語「フェニル」とは、非置換および置換フェニル基を指す。フェニル基は、C〜Cアルキル、−O−C〜Cアルキル、−OCF、ハロ、およびC〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
典型的な置換フェニル基には、それらに限定されるものではないが、3−クロロフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−メチル−フェニル、4−メチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、3,5−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、2−メトキシ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニルなどが含まれる。
「ナフチル基」とは、非置換および置換ナフチル基を指す。ナフチル基は、C〜Cアルキル、−O−C〜Cアルキル、−OCF、ハロ、およびC〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい。
本発明の一部の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体を含む立体異性体として存在する場合がある。幾何異性体としては、E立体配置またはZ立体配置として存在し得るアルケニル基を有する本発明の化合物が挙げられ、この場合では、そのすべての幾何学的形態、すなわち、EおよびZ、シスおよびトランス、ならびにこれらの混合物が本発明の範囲内である。ある本発明の化合物は、1箇所を超える炭素原子のところで置換されていてもよいシクロアルキル基を有し、この場合では、そのすべての幾何学的形態、すなわち、シスおよびトランス、ならびにこれらの混合物が本発明の範囲内である。これらの形態には、(R)、(S)、エピマー、ジアステレオ異性体、シス、トランス、シン、アンチ、(E)、(Z)、互変異性体、およびこれらの混合物が含まれ、これらを本発明の化合物に入れて企図する。
I.序文
本発明は、R、R、およびYが、本明細書でそのために規定する意味のいずれかである、炎症性疾患、心血管疾患、および癌を含む疾患および状態の治療において薬剤として有用な式I〜Vのピリミジン、および薬学的に許容できるその塩に関する。式I〜Vの1種または複数の化合物を含む医薬組成物も提供する。
II.化合物の調製
本発明の化合物(たとえば、式I〜Vの化合物)は、当技術分野で知られている合成法、および以下に記載するスキームで概略を述べる合成法を適用して調製することができる。
Figure 2007509924
スキーム1では、2(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル、Sigma−Aldrich Co.)を適切なヒドロキシル保護基試薬PG(たとえば、(4−ニトロ−フェニル)−メタノール)と反応させて、3(たとえば、2−メチルスルファニル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。当業者ならば、ヒドロキシル基に適する保護基として広範な種類の保護基がスキーム1で使用できることを承知されよう。(たとえば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版、第2章(John Wiley & Sons,Inc.、1991年)を参照のこと)。たとえば、2と、アルキル−リチウム(たとえば、s−ブチル−リチウム、n−ブチル−リチウム)で処理した置換型または非置換のベンジルアルコール(たとえば、(4−ニトロ−フェニル)−メタノール)とを、THF(テトラヒドロフラン)などの溶媒中で反応させて、3(たとえば、2−メチルスルファニル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピラニジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得ることができる。
次いで、クロロホルムやジクロロメタンなどの溶媒中で、適切なオキサジリジン(たとえば、Davisオキサジリジン((IS)−(+)−(10−カンファースルホニル)オキサジリジン)や、3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)−1,2−オキサジリジンなど)、ジメチルジオキシラン、またはmCPBA(3−クロロペルオキシ安息香酸)を使用して、3のメチルチオ基を酸化させ、対応するメチルスルフィニル誘導体にする。次いで、メチルスルフィニル基をモルホリンで置換して、4(たとえば、2−モルホリン−4−イル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。
次いで、4のヒドロキシル保護基を除去して、5(たとえば、4−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。たとえば、適切な圧力の水素ガス中に置いたエタノールなどのアルコール溶媒中でパラジウム/炭素触媒を用いる還元によってニトロ−ベンジルオキシ基を切断すると、ヒドロキシルにすることができる。ある実施形態で、保護基が置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基Rであるならば、保護基は除去しない。そして、以下に記載するように、4を塩基で処理し、アミノテトラゾールと反応させて9を得る。
5は、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中でDEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)およびPPh(トリフェニルホスフィン)を用いる光延反応で、R−OH(たとえば、シクロヘプタノール)と反応させて、7(たとえば、4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)にする。R−OHは、それらに限定されるものではないが、式HO−L−C〜Cシクロアルキル(ここで、Lは不在または存在する)の化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタノール、アダマンタノールを含む化合物であり、Lは、不在またはC〜Cアルキレンである。R−OHの例には、それらに限定されるものではないが、シクロヘキシル−メタノール、シクロヘキサノール、フェニル−メタノール、シクロヘプタノール、およびシクロオクタノールが含まれる。
次いで、MeOHおよびTHF、ジオキサン、ジオキサンおよび水、またはメタノールおよび水中で、7を無機塩基(たとえば、LiOH、NaOHなど)によってけん化して、対応するカルボン酸8(たとえば、4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸)を得る。次いで、THF(テトラヒドロフラン)などの非プロトン性溶媒中でカルボニルジイミダゾール(CDI)を使用して、このカルボン酸を5−アミノテトラゾールと結合させ、カルボキサミド9(たとえば、4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。あるいは、無水CHCl中の8を、触媒量のDMF、次いで塩化オキサリルで処理することもできる。次いで、5−アミノテトラゾールおよびトリエチルアミンをその混合物に加えた後、アセトニトリルを加えて9を得る。
Figure 2007509924
スキーム2では、無水THF中で、2と、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬または水素化物塩基(たとえば、NaH)で処理してあるR−OH化合物とを反応させて、3を生成する。次いで、3を、スキーム1のように酸化させ、モルホリンと反応させて4を得る。次に4を、スキーム1のようにアミノテトラゾールと反応させて9を得る。
Figure 2007509924
スキーム3では、10(モルホリン−4−カルボキサミジン)と11(2−エトキシメチレン−マロン酸ジエチルエステル)および酢酸ナトリウムとをDMF中で反応させて、5(4−ヒドロキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。
Figure 2007509924
スキーム4では、ジクロロメタン中の5を塩化オキサリルおよび触媒量のDMF(ジメチルホルムアミド)と反応させて、20(たとえば、4−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。20を、水素化物塩基(たとえば、NaH)で処理したアルコール(R−OH)またはチオール(R−SH)と反応させて、22(たとえば、2−モルホリン−4−イル−4−フェノキシ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。R−OHは、それらに限定されるものではないが、式HO−L−R(ここで、Lは存在し、Rは、置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基である)の化合物を含む化合物である。R−OHの例には、それらに限定されるものではないが、4−シクロヘキシルフェノールおよび4−イソプロピルフェノールが含まれる。次いで、22を、スキーム1のように塩基で処理し、アミノテトラゾールと反応させて24を得る。
Figure 2007509924
スキーム5では、ジクロロメタンまたは塩化メチレン中の2を、トリエチルアミンなどの塩基性アミンと反応させた後、R−NH(たとえば、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミンなど)と反応させて、30(たとえば、4−シクロペンチルアミノ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を得る。次いで、30を、スキーム1のように酸化させ、モルホリンと反応させて、32(たとえば、4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル)を生成する。次いで、32をけん化して、34(たとえば、4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸)を生成し、次いでこれを、スキーム1で述べたように5−アミノ−テトラゾールに結合させて、36(たとえば、4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
Figure 2007509924
スキーム6では、無水ジクロロメタン中のチオ尿素を、窒素ガス中でN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタールと反応させる。この反応の生成物を後処理し、無水THFに新たに懸濁させ、窒素ガス中でMeIと反応させて、30(1−[1−(ジメチルアミノ)エチリデン]−2−メチルイソチオ尿素ヨウ化水素酸塩)にする。次いで、窒素ガス中で、30と塩化マロニルとを無水ジクロロメタンまたはクロロホルム中で反応させ、その後トリエチルアミンなどの塩基を加えて、32(エチル−4−ヒドロキシ−6−メチル−2−(メチルチオ)−5−ピリミジンカルボキシラート)を得る。32を出発材料として使用する合成を、上のスキーム1〜5で述べたのと同様にして実施すると、Rがメチルである本発明の化合物を得ることができる。
III.化合物の評価
本発明の化合物(たとえば、式I〜Vの化合物および薬学的に許容できるその塩)を、PI3Kを阻害する能力について検定することができる。そうした検定の例を以下で述べるが、それらは、PI3K活性のin vitroアッセイおよびin vivoアッセイを含む。
本発明のある実施形態では、化合物は、環状ヌクレオチド依存性プロテインキナーゼ、PDGF、チロシンキナーゼ、MAPキナーゼ、MAPキナーゼキナーゼ、MEKK、サイクリン依存性プロテインキナーゼを含むがこれに限定されない1種または複数の酵素と比べて1種または複数のPI3Kを選択的に阻害する。本発明の他の実施形態では、化合物は、一方のPI3Kと比べてもう一方のPI3Kを選択的に阻害する。たとえば、ある実施形態では、本発明の化合物は、PI3KαまたはPI3Kβと比べてPI3Kγを選択的に阻害する能力を示す。第一の酵素に対する化合物のIC50が、第二の化合物に対する化合物のIC50よりも小さいとき、その化合物は、第二の酵素と比べて第一の酵素を選択的に阻害する。IC50は、たとえば、in vitroPI3Kアッセイで測定することができる。
現時点で好ましい実施形態では、本発明の化合物は、そのPI3K活性阻害能をin vitroアッセイまたはin vivoアッセイで評価することができる(以下を参照のこと)。
PI3Kアッセイは、PI3K阻害化合物の存在下または不在下で実施し、酵素活性の量を比較して、PI3K阻害化合物の阻害活性を決定する。
PI3K阻害化合物を含まないサンプルに、相対PI3K活性値100を割り当てる。PI3K阻害化合物存在下でのPI3K活性が、対照サンプル(すなわち、阻害化合物なし)よりも低いとき、PI3K活性は阻害されている。化合物のIC50を、対照サンプル活性の50%を示す化合物濃度である。ある実施形態では、本発明の化合物のIC50は、約100μM未満である。他の実施形態では、本発明の化合物のIC50は、約1μM以下である。さらに別の実施形態では、本発明の化合物のIC50は、約200nM以下である。
PI3Kγアッセイについては、当技術分野で記載されている(たとえば、Leopoldtら、J.Biol.Chem.、1998年、第273巻:7024〜7029ページを参照のこと)。通常、p101タンパク質とp110γタンパク質からなる複合体を含有するサンプルに、Gβタンパク質およびGγタンパク質(たとえば、Gタンパク質β/γサブユニット)を配合する。次いで、この混合物に放射標識ATP(たとえば、γ−32P−ATP)を加える。PIPを含有する脂質ミセルを作製して脂質基質を生成する。次いで、脂質および酵素混合物を加えて反応を開始し、HPOを加えて反応を停止する。次いで、脂質生成物をガラスファイバー製フィルタープレートに移し、HPOで数回洗浄する。当技術分野でよく知られている放射分析法を使用して、放射性脂質生成物(PIP)の存在を測定することができる。
増殖因子によって調節されるPI3Kの活性も、脂質キナーゼアッセイを使用して測定することができる。たとえば、PI3Kαは、調節サブユニットおよび触媒サブユニットを含むサンプルを使用して検定することができる。放射標識ATPを加えたサンプルに、活性ペプチド(たとえば、pYペプチド、SynPep Corp.)を加える。次いで、PIPを含有する脂質ミセルをサンプルに加えて、反応を開始する。直前で記載したPI3Kγアッセイについて述べたとおりに反応の後処理および分析を行う。細胞抽出物を使用してアッセイを実施することもできる(Susaら、J.Biol.Chem.、1992年、第267巻:22951〜22956ページ)。
IV.化合物のin vivo評価
本発明の化合物(たとえば、式I〜Vの化合物および薬学的に許容できるその塩)を、炎症などの過程の量的または質的なマーカーを低減し得る能力について検定することができる。本発明の化合物が関節リウマチを治療し得る能力の検定に使用できる関節炎動物モデルの例を以下で述べる。
連鎖球菌細胞壁(SCW)誘発関節炎アッセイ
少しの変更を加えて、Schwabら(1991年)、Infection and Immunity第59巻:4436〜4442ページに記載されているとおりに関節炎を誘発させる。0日目に右脛距関節への関節内注射を行って、ラットに超音波処理した6μgのSCW(10μlのダルベッコPBS(DPBS)中)を与える。21日目に、100μgのSCW(250μl)を静脈内投与して、全身性のSCWによる遅延型過敏反応を惹起することができる。経口化合物試験については、化合物を適切な賦形剤(たとえば、0.5%のヒドロキシプロピル−メチルセルロース/0.2%のTween80)に懸濁させ、超音波処理し、SCWの静脈内注射によって遅延型過敏性反応を惹起する1時間前から始めて1日2回(10ml/kgの体積)投与する。化合物は、通常、20、30、60、100、200、および300mg/kg/日など、1日に体重1kgあたり10mgと500mgの間の量を投与する。21日目の新たな活性化の前に、感作された後足のベースライン体積を求め、その体積を、22日目、23日目、24日目、25日目などのその後の時点の体積と比較することによって、浮腫測定値を得る。水銀式体積変動記録法は、動物の足体積の検定に使用することのできる一方法である。
痛みを測定するために、ラットを、各後足にかかる圧力量を測定する装置に入れる。関節炎の足と正常な足の平均の差は、痛みの測定に使用される一方法である。さらに、関節炎のある動物の関節から洗い出した材料中の炎症性サイトカインレベルを測定し、関節炎でない関節のレベルまたは典型的な非関節炎関節レベルと比較する。
コラーゲン関節炎アッセイ
マウスのII型コラーゲン関節炎(CIA)は、関節リウマチの実験モデルである(たとえば、Stuartら(1984年)、Annual Rev.Immunol.第2巻:199〜218ページ、Wooley(1988年)、Meth.Enzymol.第162巻:361〜373ページを参照のこと)。この疾患は通常、フロイント完全アジュバント中の100μgのII型コラーゲン(「CII」)(たとえば、ウシまたはニワトリのII型コラーゲン)を尾の付け根から皮内投与して送達することによる、DBA/1マウスの免疫感作によって誘発される。
足幅が100%にまで増大していることを特徴とする免疫感作マウスの大半が、進行性かつ炎症性の関節炎になる。試験化合物は、20、60、100、および200mg/体重kg/日などの範囲の量でマウスに投与することができる。試験期間は、40日、60日、または80日などの数週間から2〜3カ月でよい。臨床スコア指数を使用して、紅斑および浮腫(1期)、関節破壊(2期)、関節強直(3期)からの疾患の進行を評価することができる。疾患は、動物の1本またはすべての足を侵すことがあり、各マウスについて12の合計スコアが取得可能となり得る。関節炎関節の組織病理学では、一般に、滑膜炎、パンヌス生成、軟骨および骨の腐食が明らかになる。CIAに罹りやすいすべてのマウス系統で、II型コラーゲンに対する抗体応答が高く、CIIに対する細胞性応答が顕著である。
試験化合物の投与は、普通は予防目的(10週間)または治療目的(疾患が最初に認められたときに10日間)で行われる。マウスは、関節炎が発症しているかどうか通常は毎日検査し、多くの場合臨床スコアを割り当てる。(必要に応じて)抗体またはサイトカインを測定するために、様々な時点で各動物から血清を回収することもできる。試験の終わりに、マウスを安楽死させ、定量的な組織病理学スコアを割り当てる。
モノクローナル抗体関節炎アッセイ
関節リウマチの別の実験モデルは、II型コラーゲンエピトープに対する抗体をマウスに注射して、2〜3日で関節炎を誘発するものである(たとえば、Burkhardtら(2002年)、Arthritis & Rheumatism第46巻:2339〜2348ページ、Teratoら(1992年)、J.Immunol.第148巻:2103〜2108ページを参照のこと)。このモデルでの使用向けに、4種の抗体からなるカクテルが市販されている(Arthrogen−CIA(登録商標)モノクローナル抗体カクテル、CHEMICON International,Inc.、米国カリフォルニア州Temecula)。このモデルは、DBA/1系統のマウスを必要としない。試験化合物は、1日に体重1kgあたり20mg/kg、60mg/kg、100mg/kg、および200mg/kgなどの範囲の量を、1回または複数回、試験中のどの時点でマウスに投与してもよい。くるぶしおよび足の腫脹は通常、端点(end point)としてだけでなく組織学として量的または質的に測定する。さらに、抗体またはサイトカインを測定するために、様々な時点で各動物から血清を回収することもできる。
V.薬学的に許容できる塩および溶媒和化合物
本発明で使用する化合物は、溶媒和でない形態だけでなく、水和した形態を含めて溶媒和の形態で存在し得る。一般に、水和形態を含む溶媒和形態は、溶媒和でない形態に等しく、本発明の範囲内に含まれるものとする。
本発明の化合物(たとえば、式I〜Vの化合物)は、酸の付加塩および/または塩基の塩を含むが、それらに限定されるものではない、薬学的に許容できる両方の塩をさらに生成し得る。式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸の付加塩および塩基の塩(複塩(disalt)を含む)が含まれる。適切な塩の例は、たとえば、StahlおよびWermuthの「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」、Wiley−VCH、ドイツWeinheim(2002年)およびBergeらの「Pharmaceutical Salts」、J.of Pharmaceutical Science、1977年、第66巻:1〜19ページの中に見ることができる。
式I〜Vの化合物の薬学的に許容できる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの無機酸由来の非毒性の塩、ならびに脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸などの有機酸由来の塩が含まれる。たとえば、そのような塩には、式I〜Vの化合物の酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシラート(ベンゼンスルホン酸塩)、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、カプリル酸塩、カムシラート(カンファースルホン酸塩)、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、エジシラート(1,2−エタンジスルホン酸塩)、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、エシラート(エタンスルホン酸塩)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸/ヨウ化物、イソ酪酸塩、一水素リン酸塩、イセチオン酸塩、D−乳酸塩、L−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシラート(メタンスルホン酸塩)、メタリン酸塩、メチル安息香酸塩、メチル硫酸塩、2−ナフシラート(2−ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サッカラート、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、D−酒石酸塩、L−酒石酸塩、トシラート(トルエンスルホン酸塩)、およびキシナホ酸塩などが含まれる。アルギン酸塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩などのアミノ酸の塩も企図する。
塩基性の化合物の酸付加塩は、従来の方式で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて塩を生成して調製する。遊離塩基形態は、従来の方式で、塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することで再生できる。遊離塩基形態は、極性溶媒への溶解性などのある種の物理的性質がそのそれぞれの塩形態と多少異なるが、他の点では、塩は、本発明の目的に関してそのそれぞれの遊離塩基と同等である。
薬学的に許容できる塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物や、有機アミンなどの、金属またはアミンを相手に生成される。カチオンとして使用される金属の例は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどである。適切なアミンの例には、アルギニン、コリン、クロロプロカイン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジオールアミン、エチレンジアミン(エタン−1,2−ジアミン)、グリシン、リシン、メグルミン、N−メチルグルカミン、オールアミン、プロカイン(ベンザチン)、およびトロメタミンが含まれる。
酸性化合物の塩基付加塩は、従来の方式で遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させて塩を生成して調製する。遊離酸形態は、従来の方式で、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することで再生できる。遊離酸形態は、極性溶媒への溶解性などのある種の物理的性質がそのそれぞれの塩形態と多少異なるが、他の点では、塩は、本発明の目的に関してそのそれぞれの遊離酸と同等である。
VI.医薬組成物および投与方法
本発明は、治療有効量の式I〜Vの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できるそのための担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物も提供する。語句「医薬組成物」とは、医学的または獣医学的用途での投与に適する組成物を指す。語句「治療有効量」とは、特定の対象または対象集団において、単独で投与し、または別の医薬品もしくは治療と併せて投与したとき、治療中の障害または状態を抑制し、休止させ、または改善させるのに十分な、化合物または薬学的に許容できるその塩の量を意味する。たとえば、ヒトまたは他の哺乳動物では、治療有効量は、検査室または臨床的な状況で経験的に決定することができ、あるいは治療がなされる特定の疾患および対象向けに米国食品医薬局または外国の同等機関のガイドラインによって義務付けられる量でよい。
適正な剤形、投与量、および投与経路の決定については、以下で記載するが、製薬業界および医療業界の標準の範囲内であることを理解されたい。
本発明の化合物は、シロップ、エリキシル、懸濁液、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、トローチ剤、水溶液、クリーム、軟膏、ローション、ゲル、乳濁液などの形の医薬組成物として製剤することができる。本発明の化合物は、PI3Kが仲介する障害に随伴する症状または疾患徴候を、量的または質的に測定したとき、軽減させることが好ましい。
本発明の化合物から医薬組成物を調製するための薬学的に許容できる担体は、固体または液体のどちらでもよい。固体形態の製剤には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、着香剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても働き得る1種または複数の物質でよい。
粉末では、担体は、固体を砕いたものであり、これを砕いた活性成分との混合物にする。錠剤では、活性成分を、必要な結合特性を有する担体と適切な割合で混合し、所望の形状および大きさに圧縮する。
粉末および錠剤は、活性化合物を1%〜95%(w/w)含有する。ある実施形態では、活性化合物は、5%〜70%(w/w)の範囲である。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ脂などである。用語「製剤」は、活性成分が担体によって他の担体と一緒にまたは他の担体なしで包囲され、したがって担体と共同関係にあるカプセルをもたらす担体としてのカプセル化材料が加えられた活性化合物配合物を含むものとする。同様に、カシェ剤およびロゼンジも含まれる。錠剤、粉末、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジは、経口投与に適する固体剤形として使用することができる。
坐剤を調製するには、まず脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物などの低融点ろうを融解させ、その中に、活性成分を攪拌しながら均質に分散させる。次いで、融解した均質混合物を好都合な大きさの型に注ぎ、冷まし、それによって凝固させる。
液状の製剤には、溶液、懸濁液、および乳濁液、たとえば、水や水/プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口注射用の液体製剤は、ポリエチレングリコール水溶液の溶液に製剤することができる。
経口での使用に適する水溶液は、活性成分を水に溶解させ、所望に応じて適切な着色剤、フレーバー、安定剤、および増粘剤を加えて調製することができる。経口での使用に適する水性懸濁液は、砕いた活性成分を、天然または合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、他のよく知られている懸濁化剤などの粘性の材料と共に水中に分散させて製することができる。
使用直前に経口投与用の液状製剤に変換されることになる固体状製剤も含まれる。そのような液体形態には、溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。これらの製剤は、活性成分に加えて、着色剤、フレーバー、安定剤、緩衝剤、合成および天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、溶解補助剤などを含有していて差し支えない。
医薬製剤は、単位投与形態にすることが好ましい。そのような形態では、製剤が、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分されている。単位投与形態は、錠剤、カプセル剤、および粉末をバイアルまたはアンプルに詰めたものなどの、分量別の製剤を含む包装製品にすることができる。単位投与形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジそれ自体でもよいし、あるいは包装形態にしたもののいずれかを適切な個数としてもよい。
単位用量製剤中の活性成分の分量は、特定の適用例および活性成分の効力に応じて、0.1mg〜1000mg、好ましくは1.0mg〜100mg、または単位用量の1%〜95%(w/w)と変動させ、またはこの範囲に調整することができる。組成物は、所望であれば、他の適合する治療薬を含んでいてもよい。
薬学的に許容できる担体は、一部には、投与する特定の組成物のみならず、組成物の投与に使用される特定の方法によって決められる。したがって、本発明の医薬組成物の適切な配合法はバラエティーに富む(たとえば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」第20版、Gennaroら編、Lippincott Williams and Wilkins、2000年を参照のこと)。
本発明の化合物は、単独または他の適切な成分との合剤としてエアロゾル製剤にする(すなわち、化合物を「噴霧する」ことができる)と、吸入によって投与することができる。エアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン窒素などの許容できる加圧噴射剤中に入れることができる。
たとえば、静脈内、筋肉内、皮内、および皮下の経路によるものなどの、非経口投与に適する製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を目的のレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有してよい水性および非水性の等張性無菌注射溶液、ならびに懸濁化剤、溶解補助剤、増粘剤、安定剤、および保存剤を含んでよい水性および非水性の無菌懸濁液が挙げられる。本発明の実施では、組成物の投与は、たとえば、静脈内注入による投与、経口、局所、腹腔内、膀胱内、またはクモ膜下の各投与にすることができる。化合物製剤は、アンプルやバイアルなどの単位用量または多用量用の密閉容器に入れて提供することができる。注射溶液および注射懸濁液は、前に述べた種類の無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。
対象に投与する用量は、本発明では、対象において徐々に有益な治療応答をもたらすのに十分にすべきである。用語「対象」とは、哺乳類綱のメンバーを指す。哺乳動物の例には、それらに限定されるものではないが、ヒト、霊長類、チンパンジー、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、家畜、イヌ、ネコ、ヒツジ、およびウシが含まれる。
用量の決定は、使用する特定の化合物の有効性および対象の状態、ならびに治療を受ける対象の体重または体表面積によってなされる。用量の大きさの決定はまた、特定の対象における特定の化合物の投与に付随する有害な副作用の存在、性質、および程度によってなされる。治療しようとする障害の治療または予防において投与される化合物の有効量を決定する際、医師は、化合物の循環血漿レベル、化合物の毒性、および/または疾患の進行などの要素を評価することができる。一般に、化合物の用量当量は、典型的な対象で約1μg/kg〜100mg/kgである。異なる多くの投与法が当業者に知られている。
投与については、本発明の化合物は、集団に適用したときの化合物のLD50、化合物の薬物動態プロフィール、禁忌薬物、および化合物の様々な濃度での副作用、ならびに対象の全般的な健康を含めることができるが、それらに限定されるものではない諸要素によって決定された速度で投与することができる。投与は、1回で、または数回に分けて行うことができる。
典型的な錠剤、非経口製剤、およびパッチ製剤の例に含まれるものは以下のとおりである。
Figure 2007509924
本発明の化合物(たとえば、式I〜Vの化合物または薬学的に許容できるその塩)は、ラクトースおよびコーンスターチ(ミックス用)と混合し、均質にブレンドして、一粉末にする。コーンスターチ(ペースト用)を6mLの水に懸濁させ、攪拌しながら加熱してペーストにする。このペーストを混合粉末に加え、混合物を顆粒化する。湿った顆粒を8番の硬質のふるいに通し、50℃で乾燥させる。混合物を1%のステアリン酸マグネシウムで滑らかにし、圧縮して錠剤にする。PI3Kが仲介する障害または状態の治療のために、錠剤は1日に1〜4個の速度で患者に投与する。
非経口溶液製剤実施例1
700mLのプロピレングリコールと200mLの水からなる注射用の溶液には、本発明の化合物20.0gを加えることができる。混合物を攪拌し、塩酸を用いてpHを5.5に調整する。注射用の水で体積を1000mLに調整する。溶液を滅菌し、5.0mL容アンプルに、それぞれが2.0mLを(40mgの発明化合物)含有するように充填し、窒素中で密閉する。溶液は、PI3Kが仲介する障害または状態に罹患し、治療の必要がある対象に注射によって投与する。
パッチ製剤実施例1
本発明の化合物10mgは、プロピレングリコール1mLおよび樹脂架橋剤を含有するアクリルポリマー接着剤2mgと混合することができる。混合物を不浸透性の支持体(30cm)に塗布し、患者の上背にあてがって、PI3Kが仲介する障害または状態の徐放治療を行う。
VII.PI3Kが仲介する障害および状態の治療法
本発明の化合物および本発明の化合物を含む医薬組成物は、PI3Kが仲介する障害または状態に罹患している対象に投与することができる。PI3Kが仲介する障害および状態は、障害または状態の種類に応じて、本発明の化合物を使用しながら予防的、短期的、および長期的な治療を行うことができる。他の哺乳動物も本発明の化合物の投与の恩恵を受けることができるが、通常、これらの各方法の宿主または対象はヒトである。
治療のための適用例では、本発明の化合物は、広範な種類の経口剤形および非経口剤形に調製し、そうした形態で投与することができる。用語「投与する」とは、化合物と対象とを接触させる方法を指す。たとえば、本発明の化合物は、注射によって、すなわち静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、非経口、または腹腔内に投与することができる。本明細書に記載の化合物はまた、吸入によって、たとえば鼻腔内に投与することもできる。さらに、本発明の化合物は、経皮投与、局所投与、および植込みによる投与を行うことができる。ある実施形態では、本発明の化合物は、経口的に送達される。化合物を、直腸、頬側、膣内、眼内、アンディアリー(andially)に、または通気法によって送達することもできる。
本発明の薬学的方法で利用する化合物は、1日約0.001mg/kg〜約100mg/kgの初期量で投与することができる。ある実施形態では、1日の用量範囲は、約0.1mg/kg〜約10mg/kgの範囲である。しかし、投与量は、対象の必要量、治療する状態の重症度、および使用する化合物に応じて様々となり得る。特定の状況のための適正な投与量の決定は、従事者の技量の範囲内である。一般に、治療は、化合物の適量を下回る少なめの投与量で開始する。その後は、その状況で最適な効果に到達するまで投与量を少しずつ増やす。便宜上、所望ならば合計1日投与量を分割し、1日の間に少量ずつ投与してもよい。用語「治療」は、治療する障害に随伴し、またはそれによって引き起こされる少なくとも1種の症状または特性の、短期的、長期的、または予防的な軽減または緩和を含む。たとえば、治療には、障害のいくつかの症状の軽減、障害の病態の進行阻止、または障害の完全な根絶を含めることができる。本発明の化合物は、患者に同時投与することができる。用語「同時投与」とは、同じ医薬組成物または別々の医薬組成物の形で組み合わせて対象に投与される、2種以上の異なる医薬または治療(たとえば、放射線治療)を与えることを意味する。すなわち、同時投与は、2種以上の医薬品を含む単一の医薬組成物の同時の投与、または2種以上の異なる組成物の同じ対象への同じもしくは異なる時期での投与を含む。たとえば、本発明の化合物を含む最初の投与量が午前8時に与えられ、次いで1〜12時間後、たとえば同じ日の午後6時にCELEBREX(登録商標)が与えられる対象は、本発明の化合物とCELEBREX(登録商標)の同時投与を受けている。あるいは、たとえば、本発明の化合物とCELEBREX(登録商標)を含む単一剤形が午前8時に投与されることがあっても、対象は、本発明の化合物とCELEBREX(登録商標)の同時投与を受けている。
たとえば、本発明の化合物は、癌の治療に有用な化合物(たとえば、TAXOL(登録商標)、タキソテール、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、アドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン、エトポシド、ビンカアルカロイド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、メトトレキサート、またはアドリアマイシンなどの細胞毒、ビンクリスチンなどのアルカロイド、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、エンドスタチンおよびアンギオスタチン、VEGF阻害剤、ならびにメトトレキサートなどの代謝拮抗薬)と同時投与することもできる。本発明の化合物は、タキサン誘導体、白金配位錯体、ヌクレオシド類似体、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害剤、またはアロマターゼ阻害剤と併せて使用してもよい。癌治療のために、放射線治療と本発明の化合物の同時投与を行うこともできる。
本発明の化合物は、血栓性疾患、心疾患、卒中などの治療に有用な化合物(たとえば、アスピリン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ、抗凝固薬、抗血小板薬(たとえば、PLAVIX(登録商標)、重硫酸クロピドグレル)、スタチン(たとえば、LIPITOR(登録商標)(アトロバスタチンカルシウム)、ZOCOR(登録商標)(シンバスタチン)、CRESTOR(登録商標)(ロスバスタチン)など)、β遮断薬(たとえば、アテノロール)、NORVASC(登録商標)(ベシル酸アムロジピン)、およびACE阻害剤(たとえば、Accupril(登録商標)(塩酸キナプリル)、リシノプリルなど)と同時投与することもできる。
本発明の化合物は、高血圧の治療に向けて、ACE阻害剤、スタチン、すなわちLIPITOR(登録商標)(アトロバスタチンカルシウム)などの脂質低下剤、NORVASC(登録商標)(ベシル酸アミロジピン)などのカルシウムチャネル遮断薬といった化合物と同時投与することもできる。本発明の化合物は、フィブラート、β遮断薬、NEPI阻害剤、アンギオテンシン2受容体拮抗薬、および血小板凝固阻害剤と併せて使用してもよい。
関節リウマチを含む炎症性疾患の治療では、本発明の化合物を、抗TNFαモノクローナル抗体(REMICADE(登録商標)、CDR−870、およびHUMIRA(商標)(アダリムマブ)など)やTNF受容体−免疫グロブリン融合分子(ENBREL(登録商標)など)などのTNF−α阻害剤、IL−1阻害剤、受容体拮抗薬、もしくは可溶性IL−1Rα(たとえば、KINERET(商標)またはICE阻害剤)、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、すなわち、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、フェナム酸系、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン(apazone)、ピラゾロン、フェニルブタゾン、アスピリン、COX−2阻害剤(CELEBREX(登録商標)(セレコキシブ)、VIOXX(登録商標)(ロフェコキシブ)、BEXTRA(登録商標)(バルデコキシブ)、およびエトリコキシブなど)、メタロプロテイナーゼ阻害剤(好ましくは、MMP−13選択的阻害剤)、NEUROTIN(登録商標)、プレガバリン、スルファサラジン、低用量メトトレキサート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシルアミン、オーラノフィン、または非経口もしくは経口用の金などの薬剤と同時投与することができる。
本発明の化合物は、骨関節炎治療用の既存の治療薬と同時投与してもよい。併せて使用するのに適する薬剤には、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェンなどのプロピオン酸、メフェナム酸などのフェナム酸系、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、フェニルブタゾンなどのピラゾロン、アスピリンなどのサリチル酸系、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、およびエトリコキシブなどのCOX−2阻害剤といった標準の非ステロイド系抗炎症薬(以下ではNSAID)、ならびにコルチコステロイド、およびヒアルガン(hyalgan)やシンビスク(synvisc)などのヒアルロン酸といった鎮痛薬および関節内治療薬が含まれる。
本発明の化合物は、ビラセプト、AZT、アシクロビル、およびファムシクロビルなどの抗ウイルス薬、ならびにバラント(Valant)などの消毒薬化合物と同時投与してもよい。
本発明の化合物はさらに、抗うつ薬(セルトラリンなど)、抗パーキンソン病薬(デプレニル、L−ドーパ、レキップ、ミラペックス、セレギンやラサギリンなどのMAOB阻害剤、タスマーなどのcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドーパミン再取込み阻害剤、NMDA拮抗薬、ニコチン作動薬、ドーパミン拮抗薬、神経性一酸化窒素シンターゼ阻害剤など)、NEURONTIN(登録商標)、プレガバリン、およびARICEPT(登録商標)、タクリン、プロペントフィリン、またはメトリホナートなどの抗アルツハイマー病薬といったCNS薬剤と同時投与してもよい。
本発明の化合物はまた、EVISTA(登録商標)(塩酸ラロキシフェン)、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン、またはFOSAMAX(登録商標)などの骨粗鬆症薬剤、およびFK−506やラパマイシンなどの免疫抑制剤と同時投与してもよい。
Figure 2007509924
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中間体1.2−メチルスルファニル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。4−ニトロベンジルアルコール(16.7g、109ミリモル)を無水THF(120mL)に溶かした−78℃の攪拌溶液に、nBuLi(ヘキサン中1.6M、75mL、120ミリモル)をシリンジで加えた。反応液を−78℃で10分間攪拌し、次いで冷浴を取り外し、混合物が室温に温まるようにした。このニトロベンジルアルコキシド溶液を、4−クロロ−2−メチルチオ−5−ピリミジンカルボン酸エチル(25.0g、107.3ミリモル)を無水THF(120mL)に溶かした攪拌溶液中に注いだ。反応液を室温で15分間攪拌した。混合物をHOで希釈し、EtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、デカントし、濃縮して固体を得た。最少量のジクロロメタンを用いて固体をスラリーにし、濾過した。固体を収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(19.4g、収率51.8%)を固体として得た。MS:M+1=350.1。
中間体2.2−メタンスルフィニル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体1(19.4g、55.6ミリモル)をクロロホルム(185mL)に溶かした攪拌溶液に、mCPBA(13.8g、61.2ミリモル)を少量ずつ加えた。発熱反応を氷水浴で和らげて、反応温度を室温付近に保った。次いで、反応液を室温で25分間攪拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液で失活させ、水で希釈した。希釈物をEtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物(18.84g、収率92.8%)を橙色の固体として得た。この生成物をさらに精製せずそのまま使用した。MS:M+1=366.1(APCI)。
中間体3.2−モルホリン−4−イル−4−(4−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体2(35.4g、97.0ミリモル)を100℃のモルホリン(16.9mL)中で15分間攪拌した。反応液を室温に冷まし、次いでトルエン(約100mL)で希釈した。希釈混合物を真空中で濃縮した。残った残渣をEtOAc(約300mL)中で煮沸し、次いで濾過した。液を真空中で濃縮した。残った固体を最少量のジクロロメタン中でスラリーにし、濾過した。固体を収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(12.8g、収率34.0%)を白色の固体として得た。MS:M+1=389.1(APCI)。H−NMR(400MHz,CDCl)8.79(s,1H)、8.24(m,2H)、7.68(m,2H)、5.54(s,2H)、4.33(q,J=7.2Hz,2H)、3.99(m,2H)、3.85(m,2H)、3.74(m,2H)、3.23(m,2H)、1.36(t,J=7.2Hz,3H)。
中間体4.4−ヒドロキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。水素バルーン中で、中間体3(4.00g、10.3ミリモル)を20%Pd/C(0.400g)と共に室温のエタノール(52mL)中で16時間攪拌した。追加分の20%Pd/C(0.400g)を加え、反応混合物中に水素を10分間バブルした。室温の水素バルーン中で反応液を4時間攪拌した。混合物をセライトで濾過した。濾過ケーキをEtOAcおよびジクロロメタンですすいだ。液を濃縮して固体を得た。この固体を室温の最少量のジエチルエーテルで2時間かけてスラリーにし、次いで濾過した。固体を収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(2.49g、収率95.6%)をオフホワイトの固体として得た。MS:M+1=254.1(APCI)。H−NMR(400MHz,CDCl)8.67(s,1H)、4.38(q,J=7.1Hz,2H)、3.93(m,4H)、3.74(m,4H)、1.39(t,J=7.1Hz,3H)。
中間体5.4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体4(10.00g、39.49ミリモル)を、THF(150ml)中でシクロヘプタノール(7.134mL、59.23ミリモル)、DEAD(8.25g、47.4ミリモル)、およびトリフェニルホスフィン(12.4g、47.4ミリモル)と合わせた。反応液を室温で18時間攪拌した。HPLC分析にかけると、過剰のトリフェニルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンオキシドと一緒に新しい生成物が示された。反応混合物を真空中で濃縮した。濃縮物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、20%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(10.84g、収率78.57%)を淡桃色の油として得た。MS:M+1=350.3(APCI)。H−NMR(400MHz,CDCl3)ppm 1.33(t,J=7.20Hz,3H)、1.54(m,5H)、1.75(m,2H)、1.94(m,5H)、3.74(m,1H)、3.92(m,4H)、4.28(q,J=7.08Hz,2H)、5.35(m,1H)、8.70(m,1H)。
中間体6.4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。丸底フラスコ中で、中間体5(10.84g、31.02ミリモル)をジオキサン(60mL)および1N LiOH(40mL)と共に80℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷まし、次いで1N HClでゆっくりかつ慎重にpH約1に酸性化した。白色の固体が沈殿した。混合物を過剰のHOで希釈し、次いで濾過した。濾過ケーキをHOですすぎ、収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(5.70g、収率57.2%)を淡黄色の固体として得た。MS:M+1=322.2(APCI)。H−NMR(400MHz,CDCl3)ppm 1.4〜1.7(m,8H)、1.89(s,2H)、2.09(m,2H)、3.76(m,4H)、3.89(m,4H)、5.45(m,1H)、8.86(s,1H)。
(実施例1)
4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。中間体6(5.70g、17.7ミリモル)を無水ジクロロメタン(50mL)と溶解はさせないが混合した。約5滴のDMFを加えた。塩化オキサリル(1.70mL、19.5ミリモル)をシリンジで加えた。混合物が泡立ち、ゆっくりと均質になった。反応液を室温で10分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料の酸が完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。5−アミノテトラゾール(3.17g、37.2ミリモル)、トリエチルアミン(5.19mL、37.3ミリモル)、そして最後にアセトニトリル(50mL)を加えた。反応液を80℃で60分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、新しい生成物が示された。反応容器を開き、煮沸してほぼ乾燥するようにした。油浴を取り外し、混合物を室温に冷ました。残ったタールを最少量のアセトニトリル(約15mL)に溶かした。混合物をHO(約100mL)で希釈し、綿毛状の白色固体が沈殿するまで1N HClで酸性化した。固体を濾別し、HOですすいだ。ケーキを収集し、最少量のMeOHで30分間かけてスラリーにした。スラリーを濾過し、ケーキを最少量のMeOHですすいだ。固体を真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(4.832g、収率70.14%)を細い淡黄色の針結晶として得た。融点:287.1〜287.4℃(Buchi Melting Point B−545装置で測定)。
実施例2〜15の表題化合物は、シクロヘプタノールの代わりに相応しいアルコール(たとえば、シクロペンタノール)を用い、実施例1と同様にして合成した。
(実施例2)
4−シクロペンチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例3)
4−イソプロポキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例4)
4−シクロヘキシルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例5)
4−シクロオクチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例6)
4−(2−シクロヘキシル−エトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例7)
4−シクロヘキシルメトキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例8)
4−(2−メトキシ−エトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例9)
4−(3,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例10)
2−モルホリン−4−イル−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例11)
4−(アダマンタン−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例12)
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例13)
4−(2,2ジメチル−プロポキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例14)
4−(1,2−ジメチル−プロポキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例15)
4−(1−メチル−シクロプロピルメトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
中間体7.4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。3,5−ジメチルシクロヘキサノール(6.18mL、43.1ミリモル)の−78℃の無水THF(100mL)溶液に、nBuLi(ヘキサン中1.6M、26.9mL、43.1ミリモル)をシリンジで加えた。冷浴を取り外し、反応液が室温に温まるようにした。次いで、反応混合物を、4−クロロ−2−メチルチオ−5−ピリミジンカルボン酸エチル(10.0g、43.1ミリモル)を無水THF(100mL)に溶かした攪拌溶液中に注いだ。混合物を室温で2時間攪拌した。この混合物をHOで希釈し、EtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、デカントし、濃縮した。濃縮物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜12%のEtOAc−ヘキサンの勾配溶離、10%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(5.95g、収率42.6%)を無色の油として得た。MS:M+1=325.3(APCI)。
中間体8.4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−メタンスルフィニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体8(5.89g、18.2ミリモル)をクロロホルム(60mL)に溶かした攪拌溶液に、mCPBA(4.90g、21.8ミリモル)を少量ずつ加えた。発熱反応を氷水浴で和らげて、反応温度を室温付近に保った。次いで、反応液を室温で25分間攪拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液で失活させ、水で希釈した。希釈物をEtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物を定量的な収率で得た。この生成物をさらに精製せずそのまま使用した。MS:M+1=341.1(APCI)。
中間体9.4(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体8(7.13g、21.0ミリモル)を100℃のモルホリン(9.14mL)中で1時間攪拌した。反応液を室温に冷ました。反応混合物全部をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜16%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、20%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(2.68g、収率35.2%)を無色の油として得た。MS:M+1=364.7(APCI)。
中間体10.4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。丸底フラスコ中で、中間体9(2.48g、6.83ミリモル)をジオキサン(19.2mL)および1N LiOH(12.8mL)と共に80℃で90分間攪拌した。混合物を室温に冷まし、次いで1N HClでゆっくりかつ慎重にpH約1に酸性化した。白色の固体が沈殿した。混合物を過剰のHOで希釈し、次いで濾過した。濾過ケーキをHOですすぎ、収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(1.43g、収率62.2%)を白色の固体として得た。MS:M+1=336.2(APCI)。微量分析:計算値C−60.88%、H−7.51%、N−12.53%、実測値C−60.87%、H−7.67%、N−12.24%。
(実施例16)
4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。中間体10(0.750g、2.24ミリモル)を無水ジクロロメタン(11mL)と溶解はさせないが混合した。約3滴のDMFを加えた。塩化オキサリル(0.213mL、2.46ミリモル)をシリンジで加えた。混合物があわ立ち、ゆっくりと均質になった。反応液を室温で10分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料の酸が完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。5−アミノテトラゾール(0.400g、4.70ミリモル)、トリエチルアミン(0.654mL、4.70ミリモル)、そして最後にアセトニトリル(11mL)を加えた。反応液を80℃で60分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、新しい生成物が示された。反応容器を開き、煮沸してほぼ乾燥するようにした。油浴を取り外し、混合物を室温に冷ました。残ったタールを最少量のアセトニトリル(約15mL)に溶かした。混合物をHO(約100mL)で希釈し、綿毛状の白色固体が沈殿するまで1N HClで酸性化した。固体を濾別し、HOですすいだ。ケーキを収集し、最少量のMeOHで30分間かけてスラリーにした。スラリーを濾過し、ケーキを最少量のMeOHですすいだ。固体を真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(0.699g、収率77.6%)を白色の固体として得た。
Figure 2007509924
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中間体11.4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。4−イソプロピルフェノール(5.86g、43.1ミリモル)を無水THF(100mL)に溶かした攪拌溶液に、水素化ナトリウム(1.03g、43.1ミリモル)をゆっくりかつ慎重に加えた。反応液を室温で20分間攪拌した。次いで、このフェノキシド溶液を、4−クロロ−2−チオメチル−5−ピリミジンカルボン酸エチル(10.0g、43.1ミリモル)を無水THF(100mL)に溶かした攪拌溶液中に注いだ。反応液を室温で15分間攪拌した。この反応液をHOで希釈し、EtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、デカントし、濃縮した。濃縮物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜20%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、10%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(9.88g、収率69.0%)を淡黄色の油として得た。MS:M+1=333.5(APCI)。
中間体12.4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−メタンシルフィニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体11(9.03g、27.2ミリモル)をクロロホルム(91mL)に溶かした攪拌溶液に、mCPBA(7.32g、32.6ミリモル)を少量ずつ加えた。発熱反応を氷水浴で和らげて、反応温度を室温付近に保った。次いで、反応液を室温で25分間攪拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液で失活させ、水で希釈した。希釈物をEtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物を無色の油として定量的な収率で得た。MS:M+1=349.1(APCI)。
中間体13.4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体12(9.82g、28.2ミリモル)を100℃のモルホリン(12.3mL)中で1時間攪拌した。反応液を室温に冷ました。反応混合物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、20%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(2.56g、収率24.4%)を淡黄色の油として得た。MS:M+1=372.5(APCI)。
中間体14.4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。丸底フラスコ中で、中間体13(2.36g、6.36ミリモル)をジオキサン(19.2mL)および1N LiOH(12.8mL)と共に80℃で90分間攪拌した。混合物を室温に冷まし、次いで1N HClでゆっくりかつ慎重にpH約2〜3に酸性化した。白色の固体が沈殿した。混合物を過剰のHOで希釈し、次いで濾過した。濾過ケーキをHOですすぎ、収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(1.81g、収率82.9%)を白色の固体として得た。MS:M+1=344.2(APCI)。微量分析:計算値C−62.96%、H−6.16%、N−12.24%、実測値C−62.95%、H−6.20%、N−12.18%。
(実施例17)
4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。中間体14(0.800g、2.33ミリモル)を無水ジクロロメタン(11mL)と溶解はさせないが混合した。約5滴のDMFを加えた。塩化オキサリル(0.222mL、2.56ミリモル)をシリンジで加えた。混合物があわ立ち、ゆっくりと均質になった。反応液を室温で10分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料の酸が完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。5−アミノテトラゾール(0.416g、4.89ミリモル)、トリエチルアミン(0.680mL、4.89ミリモル)、そして最後にアセトニトリル(11mL)を加えた。反応液を80℃で60分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、新しい生成物が示された。反応容器を開き、煮沸してほぼ乾燥するようにした。油浴を取り外し、混合物を室温に冷ました。残ったタールを最少量のアセトニトリル(約1mL)に溶かした。混合物をHO(約15mL)で希釈し、綿毛状の白色固体が沈殿するまで1N HClで酸性化した。固体を濾別し、HOですすいだ。ケーキを収集し、最少量のMeOHで30分間かけてスラリーにした。スラリーを濾過し、ケーキを最少量のMeOHですすいだ。固体を真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(0.739g、収率77.4%)を白色の固体として得た。
中間体15.4−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体4(3.46g、13.7ミリモル)およびDMF(約5滴)の室温の無水ジクロロメタン(70mL)溶液に、塩化オキサリル(1.31mL、15.0ミリモル)をシリンジで滴下した。反応液が発泡した。反応液を室温で20分間攪拌した。一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料のピリミジンが完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。反応液をNaHCO飽和水溶液で希釈した。希釈物をジクロロメタンでの抽出に3回かけた。抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物(1.056g、収率96.5%)を淡黄色の固体として得た。MS:M+1=272.1(APCI)。H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm 1.37(t,J=7.08Hz,3H)、3.75(m,4H)、3.90(m,4H)、4.34(q,J=7.08Hz,2H)、8.81(s,1H)。
中間体16.4−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。4−シクロヘキシルフェノール(0.290g、1.62ミリモル)を無水THF(5mL)に溶かした攪拌溶液に、水素化ナトリウム(0.040g、1.62ミリモル)をゆっくりかつ慎重に加えた。反応液を室温で20分間攪拌した。次いで、このフェノキシド溶液を、中間体15(0.440g、1.62ミリモル)を無水THF(5mL)に溶かした攪拌溶液中に注いだ。反応液を室温で15分間攪拌した。この反応液をHOで希釈し、EtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離)によって精製して、所望の表題生成物(0.445g、収率66.9%)を淡黄色の油として得た。MS:M+1=412.3(APCI)。
中間体17.4−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。丸底フラスコ中で、中間体16(0.445g、1.08ミリモル)をジオキサン(3.0mL)および1N LiOH(2.25mL)と共に80℃で15分間攪拌した。混合物を室温に冷まし、次いで1N HClでゆっくりかつ慎重にpH約2〜3に酸性化した。白色の固体が沈殿した。混合物を過剰のHOで希釈し、次いで濾過した。濾過ケーキをHOですすぎ、収集し、真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(0.369g、収率88.9%)を白色の固体として得た。MS:M+1=384.2(APCI)。
(実施例18)
4−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。中間体17(0.369g、0.960ミリモル)を無水ジクロロメタン(5mL)と溶解はさせないが混合した。約3滴のDMFを加えた。塩化オキサリル(0.093mL、1.06ミリモル)をシリンジで加えた。混合物が泡立ち、ゆっくりと均質になった。反応液を室温で10分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料の酸が完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。5−アミノテトラゾール(0.204g、2.40ミリモル)、トリエチルアミン(0.330mL、2.40ミリモル)、そして最後にアセトニトリル(5mL)を加えた。反応液を80℃で60分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、新しい生成物が示された。反応容器を開き、煮沸してほぼ乾燥するようにした。油浴を取り外し、混合物を室温に冷ました。残ったタールを最少量のアセトニトリル(約1mL)に溶かした。混合物をHO(約15mL)で希釈し、綿毛状の白色固体が沈殿するまで1N HClで酸性化した。固体を濾別し、HOですすいだ。ケーキを収集し、最少量のMeOHで30分間かけてスラリーにした。スラリーを濾過し、ケーキを最少量のMeOHですすいだ。固体を真空オーブン中で終夜乾燥させて、所望の表題生成物(0.246g、収率56.9%)を白色の固体として得た。
Figure 2007509924
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中間体18:4−シクロペンチルアミノ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。4−クロロ−2−メチルチオ−5−ピリミジンカルボン酸エチル(2.00g、8.59ミリモル)の塩化メチレン溶液を攪拌したものに、トリエチルアミン(3.60mL、25.8ミリモル)を加えた後、シクロペンチルアミン(1.0mL、10.12ミリモル)を加えた。反応溶液を45分間加熱還流した。一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料のピリミジンが完全に消費され、新しい生成物が生成していることが示された。反応液を1M HCl中に注ぎ、塩化メチレンで希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮してベージュ色の固体(2.3614g、97%)を得た。
中間体19:4−シクロペンチルアミノ−2−メタンスルフィニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体19は、中間体18(2.36g、8.39ミリモル)およびmCPBA(2.14g、1.14ミリモル)を使用しながら、中間体8と同様にして調製し、淡黄色の油(2.456g、98%)を得た。
中間体20:4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体20は、中間体19(2.45g、8.24ミリモル)およびモルホリン(20mL、229.3ミリモル)を使用しながら、中間体9と同様にして調製し、オフホワイトの粗製固体を得た。これをシリカゲルのクロマトグラフィー(25%のエーテル/ヘキサン)によって精製して、綿毛状の白色固体(2.52g、95%)を得た。
中間体21:4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。中間体21は、中間体20(0.971g、3.03ミリモル)および6.2mLの1M LiOHを使用しながら、中間体10と同様にして調製し、白色の固体(0.700g、79%)を得た。
(実施例19)
4−シクロペンチルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド。実施例19は、中間体21(0.129g、0.441ミリモル)を使用しながら実施例15と同様にして調製し、表題生成物を白色の固体(0.125g、79%)として得た。MS:M+1=360.3(APCI)。H−NMR(400MHz,d6−DMSO)δ1.37〜1.45(m,2H)、1.53〜1.70(m,4H)、1.96〜2.04(m,2H)、3.61〜3.63(m,4H)、3.75〜3.78(m,4H)、7.28〜4.34(m,1H)、8.55(d,J=6.83Hz)、8.76(s,1H)。
実施例20および21の表題化合物は、シクロペンチルアミンの代わりにそれぞれベンジルアミンまたはシクロヘキシルアミンを用いて、実施例19と同様にして合成した。
(実施例20)
4−ベンジルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
(実施例21)
4−シクロヘキシルアミノ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
Figure 2007509924
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中間体 22.1−[1−(ジメチルアミノ)エチリデン]−2−メチルイソチオ尿素ヨウ化水素酸塩。オーバーヘッドスターラー、還流冷却器、窒素取入口、および加熱マントルを据え付けた5L容三つ口丸底フラスコに、チオ尿素(162.8g、2.14モル)および無水ジクロロメタン(2.4L)を装入した。N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(399.9g、3モル、1.4当量)をフラスコに加えた。反応混合物を窒素中で2時間加熱還流し、次いで熱から離し、濃縮乾燥して、橙色の固体を得た。この橙色の固体を無水THF(1.5L)に懸濁させ、オーバーヘッドスターラー、温度プローブ、およびN取入口付き滴下漏斗を据え付けた5L容三つ口丸底フラスコに移した。この懸濁液を攪拌したものに、MeI(1668mL)を少量ずつゆっくりと加えた。最初の分(80mL)によって発熱が生じ、溶液の温度が23℃から26℃に上昇した。反応混合物を外から氷水で冷却し、次の分MeI(20mL)を加えた。MeIを加え続けるにつれて温度が下降し、発熱が認められない状態で次の分のMeI(780mL)を加えた。氷浴を取り外し、発熱が認められない状態で最後の分のMeI(788mL)を加えた。加え終えた後、反応混合物をN中で終夜攪拌し、次いで冷凍庫(−20℃)に72時間移しておいた。反応混合物を室温に温め、濾過し、固体をEtO(2×500mL)で洗浄すると、生成物が黄褐色の固体として得られた。この固体を室温の真空中で終夜乾燥させて、所望の生成物(556.6g、91.0%)を黄褐色の固体として得た。
中間体23.エチル−4−ヒドロキシ−6−メチル−2−(メチルチオ)−5−ピリミジンカルボキシラート。オーバーヘッドスターラー、N取入口付き滴下漏斗、および温度計を据え付けた12L容三つ口丸底フラスコに、中間体22(556.6g、1.94ミリモル)および無水ジクロロメタン(5L)を装入した。反応混合物を、N中で攪拌しながら−2℃(氷浴)に冷却し、塩化エチルマロニル(ethyl malonyl chloride)(350g、2.33モル)を加えた。加えた後、反応液を−2℃でさらに1.5時間攪拌した。加える間(2.5時間)は反応液を5℃未満に保ちながら、この懸濁液にトリエチルアミン(648mL、4.66モル)を滴下した。加え終えたら、反応液をN中で終夜攪拌しながら室温に温めた。525mLの10%HCl水溶液を加えて反応混合物をpH約4に酸性化した。有機層を分離し、ブライン(1×1050mL)で洗浄した。有機層に別の750mLのブラインを加え、NaHCO飽和水溶液(約225mL)を少量ずつ加えて、ブライン層のpHを約5から約7に調整した。有機層を分離し、MgSOで1.5時間かけて乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、橙色のゴム性固体を得、これを室温の高真空中で終夜乾燥させた。湿ったゴム性残渣(約579.5g)を1.2Lのヘキサン:EtOAc(1:1)で3時間かけて摩砕した。混合物を濾過してゴム性の黄色固体を得、これを高真空中で終夜乾燥させた。黄色の固体(約400g)を2.8Lのジクロロメタンに溶かし、得られる不均質な懸濁液を濾過した。透明なジクロロメタン溶液を、0〜10%のEtOAc−ジクロロメタンを用いるSiOのクロマトグラフィーにかけた。生成物を豊富に含む画分を収集し、濃縮し、0〜10%のEtOAc−ジクロロメタンを用いるクロマトグラフィーにかけ直した。生成物を豊富に含む画分を濃縮し、800mLのヘキサン:EtOAc(1:1)で一晩かけて摩砕し、濾過した。黄色の固体を高真空中で終夜乾燥させて、所望の生成物(113.6g、26%)を淡黄色の固体として得た。
中間体24.4−シクロヘプチルオキシ−6−メチル−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体23(3.00g、13.2ミリモル)を、THF(60mL)中でシクロヘプタノール(1.75mL、14.5ミリモル)、DEAD(3.12mL、19.8ミリモル)、およびトリフェニルホスフィン(5.19g、19.8ミリモル)と合わせた。反応液を室温で18時間攪拌した。HPLC分析にかけると、過剰のトリフェニルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンオキシドと一緒に新しい生成物が示された。反応混合物を真空中で濃縮した。濃縮物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜17%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、10%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(3.64g、収率85%)を淡桃色の油として得た。MS:M+1=325.1(APCI)。
中間体25.4−シクロヘプチルオキシ−2−メタンスルフィニル−6−メチル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体24(3.252g、10.04ミリモル)をクロロホルム(50mL)に溶かした攪拌溶液に、mCPBA(2.71g、12.1ミリモル)を少量ずつ加えた。次いで、反応液を室温で40分間攪拌した。別の分のmCPBA(350mg)を加え、反応液を室温で15分間攪拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液で失活させ、水で希釈した。希釈物をジクロロメタンでの抽出に数回かけた。有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物(3.57g)を無色の油として得た。この生成物をさらに精製せずそのまま使用した。MS:M+1=341.1(APC1)。
中間体26.4−シクロヘプチルオキシ−6−メチル−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル。中間体25(0.298g、0.876ミリモル)を100℃のモルホリン(0.381mL)中で1時間攪拌した。反応液を室温に冷ました。反応混合物をシリカゲルのクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc−ヘキサンによる勾配溶離、20%のEtOAc−ヘキサンでのTLC)によって精製して、所望の表題生成物(0.274g、収率86.2%)を無色の油として得た。MS:M+1=364.1(APCI)。微量分析:計算値C−62.79%、H−8.04%、N−11.56%、実測値C−62.42%、H−8.13%、N−11.59%。
中間体27.4−シクロヘプチルオキシ−6−メチル−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸。丸底フラスコ中で、中間体6(0.237g、0.653ミリモル)をジオキサン(3mL)および1N LiOH(2mL)と共に80℃で6時間攪拌した。混合物を室温に冷まし、次いで1N HClでゆっくりかつ慎重にpH約1に酸性化した。酸性混合物をEtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮して、所望の表題生成物(0.218g、収率100%)を油として得、これは放置すると凝固した。MS:M+1=336.1(APCI)。
(実施例22)
4−シクロヘプチルオキシ−6−メチル−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。中間体27(0.131g、0.391ミリモル)を無水ジクロロメタン(2.5mL)と溶解はさせないが混合した。1滴のDMFを加えた。塩化オキサリル(0.0406mL、0.469ミリモル)をシリンジで加えた。混合物が泡立ち、ゆっくりと均質になった。反応液を室温で10分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、出発材料の酸が完全に消費され、新しい極性のより弱い生成物が生成していることが示された。5−アミノテトラゾール(0.0565g、0.665ミリモル)、トリエチルアミン(0.114mL、0.821ミリモル)、そして最後にアセトニトリル(2.5mL)を加えた。反応液を80℃で30分間攪拌した。MeOH/KCO中に入れて失活させた一定分量をHPLC分析にかけると、新しい生成物が示された。油浴を取り外し、混合物を室温に冷ました。混合物を1N HClで酸性化し、HOで希釈し、EtOAcでの抽出に数回かけた。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLCによって精製して、所望の表題生成物(0.040g、24.4%)を白色の固体として得た。
中間体4はまた、以下の手順に従って調製した。臭化水素酸モルホリノホルムアミジン(10.00g、77.42ミリモル)を、110℃のDMF(240mL)中でエトキシメチレンマロン酸ジエチル(23.5mL、116ミリモル)および酢酸ナトリウム(14.0g、2.20ミリモル)と共に18時間攪拌した。反応液が最初の数時間にかけて淡黄色から赤色に変わった。HPLC分析にかけると、所望の生成物が生成していることが示された。反応混合物を真空中で濃縮した。残った残渣を室温のHO(約150mL)で1時間かけてスラリーにして、ベージュ色の固体沈殿を得た。固体を濾過し、HOですすぎ、真空オーブンで乾燥させた。次いで乾燥したケーキを室温のEtO(約70mL)で20分間かけてスラリーにした。混合物を濾過し、ケーキを最少量のEtOですすいだ。固体を収集し、真空中で終夜乾燥させて、所望の生成物、すなわち、ヒドロキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル(中間体4、7.251g、収率59.9%)をベージュ色の綿毛状固体として得た。
生物学実施例1
PI3Kγタンパク質の発現および精製プロトコル
ESF921培地で増殖させたSpodtera frugiperda細胞を、gluタグ付きp101を発現させるバキュロウイルスとHAタグ付きp110γを発現させるバキュロウイルスで、p101バキュロウイルス対p110γバキュロウイルス比で3:1として同時感染させた。Sf9細胞を、10L容バイオリアクター中で合計細胞1×10個/mLに増殖させ、感染させてから48〜72時間後に収集した。次いで、感染させた細胞のサンプルを、p101/p110γPI3キナーゼの発現があるかどうか免疫沈降法およびウェスタンブロット分析法によって試験した(以下参照のこと)。
PI3Kγを精製するために、細胞ペースト1gあたり4体積の室温の低浸透圧性溶解緩衝液(1mMのMgCl、1mMのDTT、5mMのEGTA、1mMのPefabloc、0.5μMのアプロチニン、5μMのロイペプチン、2μMのペプスタチン、5μMのE64、pH8)を、攪拌しながら凍結細胞ペレット上に注ぎ、次いで400psiの窒素「ボンベ」(599HC T316、Parr Instrument Co.、イリノイ州モリーン)中で溶解させた。NaClを150mMまで加え、コール酸ナトリウムを1%まで加え、さらに45分間混合した。可溶化液を14,000rpmで25分間の遠心分離にかけて清澄化した。次いで、20mLの樹脂/50gの細胞ペーストを使用して、この可溶化液を、抗glu結合型Gタンパク質セファロースビーズ(Covance Research Products、米国カリフォルニア州リッチモンド)上に載せた。カラムを15体積の洗浄緩衝液(1mMのDTT、0.2mMのEGTA、1mMのPefabloc、0.5μMのアプロチニン、5μMのロイペプチン、2μMのペプスタチン、5μMのE64、150mMのNaCl、1%のコール酸ナトリウム、pH8)で洗浄した。PI3Kγを、gluタグを結合しようと競合する100μg/mLのペプチドを含有する6カラム体積の洗浄緩衝液で溶出した。溶出されたタンパク質を含むカラム画分(OD280の読みを計って画定した)を収集し、0.2mMのEGTA、1mMのDTT、1mMのPefabloc、5μMのロイペプチン、0.5%のコール酸ナトリウム、150mMのNaCl、および50%のグリセロール、pH8中で透析した。この画分を、次に使用するまで−80℃で貯蔵した。
生物学実施例2
Gタンパク質サブユニットの発現
Spodtera frugiperda細胞を、gluタグ付きGタンパク質βを発現させるバキュロウイルスおよびGタンパク質βを発現させるバキュロウイルスで、gluタグ付きGタンパク質βバキュロウイルス対Gタンパク質βバキュロウイルス比を1:1として同時感染させた。Sf9細胞を10L容バイオリアクター中で増殖させ、感染させてから48〜72時間後に収集した。感染させた細胞のサンプルを、Gタンパク質β/βの発現があるかどうかウェスタンブロット分析によって以下で述べるとおりに試験した。細胞可溶化液をホモジナイズし、生物学実施例1のようにgluタグ付きビーズカラムに載せ、gluペプチドによってカラムから追い出し、生物学実施例1に記載したように処理した。
生物学実施例3
ウェスタンブロット分析
タンパク質サンプルを8%のトリス−グリシンゲル上に流し、45μMニトロセルロース膜に移した。次いで、5%のウシ血清アルブミン(BSA)および5%のオボアルブミンの入ったTBST(50mMのトリス、200mMのNaCl、0.1%のTween20、pH7.4)によって、室温で1時間かけてブロットをブロックし、0.5%のBSAを加えたTBSTで1000倍に希釈した一次抗体と共に4℃で終夜インキュベートした。p110γ、p110α、p110β、p85α、Gタンパク質β1、およびGタンパク質γ2の各サブユニットに対する一次抗体は、Santa Cruz Biotechnology,Inc.、米国カリフォルニア州サンタクルーズから購入した。p101サブユニット抗体は、p101ペプチド抗原をもとにして、Research Genetics,Inc.、米国アラバマ州ハンツヴィルに開発してもらった。
一次抗体と共にインキュベートした後、ブロットをTBSTで洗浄し、ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート(Bio−Rad Laboratories、Inc.、米国カリフォルニア州Hercules、製品番号170−6515)と共に室温で2時間インキュベートし、0.5%のBSAを加えたTBSTで10,000倍に希釈した。抗体をECL(商標)検出試薬(Amersham Biosciences Corp.、米国ニュージャージー州Piscataway)で検出し、Kodak ISO400F走査装置で定量化した。
生物学実施例4
免疫沈降
生物学実施例1または2の細胞ペースト100μLを解凍し、氷上で400μLの低浸透圧性溶解緩衝液(25mMのトリス、1mMのDTT、1mMのEDTA、1mMのPefabloc、5μMのロイペプチン、5μMのE−64(Roche)、1%のNonidet P40、pH7.5〜8)に溶解させた。可溶化液を、gluタグ付きビーズ(Covance Research Products、英国ケンブリッジ、製品番号AFC−115P)と共に室温で2時間インキュベートした。ビーズを洗浄緩衝液(20mMのトリス、pH7.8〜8、150mMのNaCl、0.5%のNP40)で3回洗浄し、2倍に希釈したサンプル緩衝液(Invitrogen Corporation、米国カリフォルニア州カールズバッド、製品番号LC1676)中で加熱して、ビーズからタンパク質を溶離した。
生物学実施例5
PI3Kγのin vitroキナーゼアッセイ
表1の化合物の阻害特性をin vitro PI3Kアッセイで検定した。96ウェルポリプロピレンプレートにおいて、各ウェルに、所望される最終濃度の50倍のDMSO中化合物2μLをスポットした。各反応用の精製組換えp101/p110γタンパク質(0.03μg、約2.7nM)とGタンパク質β1/γ2サブユニット(0.09μg、約57.7nM)とをアッセイ緩衝液(30mMのHEPES、100mMのNaCl、1mMのEGTA、および1mMのDTT)中で合わせた。反応液中の最終ATP濃度が20μMになるよう、この混合物にATPおよび[γ−32P−ATP](0.09μCi)を加えた。ホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸(PIP)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、およびコール酸Naをアッセイ緩衝液中で10分間超音波処理し、MgClを加え、20分間氷上でインキュベートし、反応液中の最終濃度を25μMのPIP、300μMのPE、0.02%のコール酸Na、および10mMのMgClにすることによって、脂質ミセルを形成した。合計体積50μLの等体積の脂質と酵素の混合物を加えて反応を開始し、室温で20分間進行させ、75mMのHPO 100μLによって停止した。脂質生成物をガラスファイバー製フィルタープレートに移し、75mMのHPOで数回洗浄した。各ウェルにWallac Optiphaseミックスを加え、Wallac 1450 Tri1uxプレートリーダー(PerkinElmer Life Sciences Inc.、米国マサチューセッツ州ボストン02118)で計数することで、放射性脂質生成物(PIP)の存在を測定した。試験した各化合物のIC50は、上記の表においてμMで報告している。
生物学実施例6
ネズミのコラーゲン関節炎
ウシII型コラーゲン(ユタ大学)を0.01Nの酢酸で2mg/mLの濃度に希釈し、1mg/mLの結核菌Hra37を補充した等体積のフロイント完全アジュバント(Difco、ミシガン州デトロイト)によって乳化した。齢の一致する(8〜12週齢)雌性DBA/1 LacJマウス(Jackson Laboratories、米国メイン州バーハーバー)を、100μLの乳濁液(コラーゲン100μg)によって、尾の付け根の皮内から免疫感作した。免疫感作後28日目に、マウスに、50μgのLipopolysaccharide(Sigma Aldrich、ミズーリ州セントルイス)の入った100μLの生理食塩水を腹腔内(IP)投与した。実施例1の化合物(4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)は、27日目から初めて2週間、経口強制栄養によって、30mg/kgを1日4回投与した。27日目、31日目、34日目、37日目、および41日目に関節炎の発症を評価した。次の尺度、すなわち(0)正常、(1)紅斑および浮腫、(2)関節のゆがみ、(3)関節強直を使用して、各肢に臨床スコアを付けた。前足、後足、および足首の浮腫の測定は、定張力カリパス(Dyer、米国ペンシルヴェニア州Lancaster)を使用して行った。実施例1の化合物は、30mg/kgを1日4回では、このモデルの足の浮腫を52%に抑制し、臨床スコアを35%に抑制した。
生物学実施例7
SCW−連鎖球菌細胞壁−によって誘発される足の浮腫
0日目に右脛距関節への関節内注射を行って、雌性Lewisラット(約150g)に、6μのSCWの入った10μlのダルベッコPBSを与えた。21日目に、100μgのSCW(250μl、静脈内)によって再発応答を起こした。賦形剤(0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース/0.2%のTween80)または実施例1の化合物(4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)は、SCW静脈内投与の1時間前、およびその後の日々に、1日4回(10ml/kgの体積)を経口的に与えた。21日目の疾患発症前に、感作された後足のベースライン体積を水銀式体積変動記録法によって測定し、(各投与から24時間後に行った)その後の評価から差し引いて、Δ値(21日目の疾患を起こす前と各投与から24時間後の足体積の差)を求めた。実施例1の化合物は、21日目から始めて4日間、経口強制栄養によって、10、30、および100mg/kgを1日4回投与した。実施例1の化合物は、このモデルの足の浮腫を抑制し、ID50は16.3mg/kgであった。
本明細書に記載の実施例および実施形態は、例示を目的としたものにすぎず、それを考えて、当業者には様々な修正および変更が発想され、それらを本出願の精神および視野の範囲、ならびに添付の特許請求の範囲に含めるものとすることを理解されたい。本明細書で引用したすべての刊行物、特許、および特許出願は、いかようにもその全体が参照とし本明細書に援用される。

Claims (15)

  1. 次式Iの化合物
    Figure 2007509924
    [式中、
    は、水素またはメチルであり、
    Yは、O、NH、またはSであり、
    は、C〜Cアルキル、−L−C〜Cシクロアルキル、アダマンチル、5員または6員ヘテロシクロアルキル、および−J−Rからなる群から選択され、
    は、フェニル基またはナフチル基であり、
    Lは、不在であり、またはC〜Cアルキレンであり、
    Jは、不在であり、またはC〜C−アルキレンである]または薬学的に許容できるその塩。
  2. YがOであり、Rが水素であり、Rが−L−C〜Cシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロペンチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロヘキシルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロオクチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(2−シクロヘキシル−エトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロヘキシルメトキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(3,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
    4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
    である、請求項2に記載の化合物。
  4. 4−(アダマンタン−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド、および
    4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  5. YがOであり、Rが水素であり、RがC〜CシクロアルキルまたはC〜Cアルキレン−C〜Cシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  6. YがOであり、Rが水素であり、Rが5員または6員ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  7. がテトラヒドロピラニルである、請求項1に記載の化合物。
  8. YがOであり、Rが水素であり、Rがフェニル基である、請求項1に記載の化合物。
  9. 4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド、および
    4−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
    からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. YがNHであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
  11. 関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択される疾患に罹患している対象を治療する方法であって、
    関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群から選択される疾患に罹患している対象に、治療有効量の請求項1に記載の化合物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む方法。
  12. 前記化合物が請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物である、請求項11に記載の方法。
  13. 治療有効量の請求項1に記載の化合物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
  14. 治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
  15. 治療有効量の、
    4−シクロヘプチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロペンチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロヘキシルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5 −イル)−アミド;
    4−シクロオクチルオキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(2−シクロヘキシル−エトキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−シクロヘキシルメトキシ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(3,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(アダマンタン−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(ビシクロ[2.2.l]ヘプト−2−イルオキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
    4−(4−イソプロピル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
    4−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
    からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物。
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