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JP2007505548A - 輝度を調節するための輝度調節方法および輝度調節装置ならびにコンピュータシステムおよびコンピューティングシステム - Google Patents

輝度を調節するための輝度調節方法および輝度調節装置ならびにコンピュータシステムおよびコンピューティングシステム Download PDF

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JP2007505548A
JP2007505548A JP2006525950A JP2006525950A JP2007505548A JP 2007505548 A JP2007505548 A JP 2007505548A JP 2006525950 A JP2006525950 A JP 2006525950A JP 2006525950 A JP2006525950 A JP 2006525950A JP 2007505548 A JP2007505548 A JP 2007505548A
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luminance
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JP2006525950A
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アー エム ヤスペルス,コルネリス
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コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ.
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Abstract

現行のテレビにおいては、ユーザーによる彩度調節はカメラに内在的なガンマ変換に起因する非線形な信号領域において実行される。その結果、彩度調節を上げると誇張された色が表示されることになる。本発明は、輝度成分(Y′)と色成分(R′−Y′,B′−Y′)とを有するオリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を第一の処理フローおよび第二の処理フローに提供し、ここで前記第一の処理フローが:オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を生じ、そのさらなる処理によって第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))を予測するステップを有しており、前記第二の処理フローが:オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))の処理によって第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))を予測するステップを有しており、前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の輝度(Ys″)を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の輝度(Y1″)と比較することによって補正因子(Y1″/Ys″)を与え、前記補正因子(Y1″/Ys″)を適用して前記第一の処理フローの画像信号の一つを補正して表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、ステップを有することを特徴とする輝度調節方法を提供する。それにより、本発明は彩度調節に対して輝度出力を一定に維持する。すなわち、ディスプレイの輝度が、彩度が修正された場合について予測される。この予測された輝度は彩度を上げるか下げるかによってより高いかより低いかするが、これが彩度が修正されていない場合の予測される輝度と比較される。この比が、画像信号がディスプレイに加えられる前に、彩度を修正した画像信号に適用される。結果として、彩度調節を上げたときに、従来の彩度調節方法では誇張されて不自然な色再現が生じるところ、非常に自然な色の変化が起こる。

Description

本発明は、ディスプレイまたは撮像システムにおいて輝度を調節するための輝度調節方法および輝度調節装置に関する。さらに、本発明はコンピュータシステムおよびコンピューティングシステムに関する。
テレビまたはデジタルスチールカメラおよびデジタルビデオカメラまたは多くのコンピュータアプリケーションにおけるユーザー彩度調節は、ビデオまたはスチール画像を取り込むカメラに内在するガンマ変換のため、非線形な信号領域において実行される。彩度調節を上げると特に青、赤およびマゼンタの色が誇張された色表示になるのはこの非線形カメラ信号のためである。たとえば、RGB色の振幅増大は黄色に比べて9倍もの割合で誇張されうる。
具体的には、そのような不都合は、前述した種類の撮像システムにおいてディスプレイとして液晶ディスプレイを使用するときに生じる。液晶ディスプレイにおいては、ディスプレイに使われる液晶の技術的限界のため、ある最大光量しか利用できない。従来の方法による彩度調節、特に彩度の上昇は、いずれの場合にせよ誇張されて不自然な色再現を引き起こす。
EP1237379A2において開示されているようなシステムは、CMYまたはRGBシステムと国際照明委員会(CIE)-LABシステムとの間のようにある種の色系の間の色範囲の再マッピングのためのアルゴリズムを提供する。同様のアプリケーションがJP2000-050299から知られている。US5,867,169では、コンピュータグラフィックシステムにおいて色の値を扱う方法が記載されている。
既知の種類の方法はすべて、色再現について経験的な値に基づく特定のモデル想定をしている。それは自然色を表示するには一般的にしか適切であるようには思われない。こうした想定は、彩度に関して特定の要求に画像を適応させるための特別な方策が施されない場合にはうまくいくかもしれない。しかし、そのような種類の一般的な想定は、冒頭で概観したようないくつかの著しい欠点をも有している。特に、以下に述べる従来技術の概念は彩度調節が適用されたときの輝度の変化に対応するものではない。
たとえばEP0533100A2ではRGB入力信号を処理するための階調補正装置が:ガンマ変換前のオリジナル輝度信号を入力信号から得るための輝度信号変換デバイス、輝度ガンマ変換デバイス、補正係数計算手段、第一のRGB処理手段、色差信号処理手段、第二のRGB処理手段およびRGB決定手段を含んでいる。そのような装置は、テレビのダイナミックレンジをプリンタの特定で限られたダイナミックレンジに適応させることに向けられている。したがって、明るさすなわち輝度の代わりに、色範囲の色相および彩度を一定に保てるようガンマ変換が適応される。しかし、EP0533100A2の思想は結果的にある想定をしている。たとえばソース信号が線形であると想定されている。したがって、EP0533100A2の思想は多様な状況に適応できるような柔軟な助けを与えるものではない。EP0533100A2の階調補正装置の一般的想定のため、前記装置は、適用される彩度調節の個別で多様なそれぞれの場合について、彩度調節に対して輝度を一定に維持することはできないのである。
US5,786,871は、ビデオカメラまたはその他の種類のピックアップデバイスが色信号を与えるときに生じる問題に取り組んでいる。そのような色信号は通例マトリクスによって、一つの輝度成分(Y)と2つの色差成分とを有する3つの新しい成分信号(Y′,R−Y′,B−Y′)に変換される。前記マトリクスの係数は特定のテレビ規格に依存する。前記成分信号は次いで、たとえば人間の目の動的な応答はほぼ対数的であるとするよく知られたウェーバー・フェヒナー(Weber-Fechner)関係に従ってガンマ補正されうる。ガンマ補正された輝度(Y′)および色差信号(R−Y′,B−Y′)は次いで送信のために、NTSCまたはPAL信号といった複合ビデオ信号にエンコードされうる。受信側では、デコーダが複合ビデオ信号をガンマ補正された成分信号に変換し、これが内部的に逆ガンマ回路によって成分信号に変換される。成分信号は次いで逆マトリクスに入力され、表示のためのオリジナルRGB信号が生成される。そのような理想的なシステムは輝度チャネルによって処理される明るさ情報のすべてを有しており、普通、「定輝度(constant luminance)」システムと呼ばれる。
陰極線管(CRT)方式のカラーテレビは本来的に、ガンマ種変換を示す非線形な伝送特性を有しているので、ガンマ補正はRGB信号のダイナミックレンジを圧縮して、高輝度要素についての信号対雑音比が低下する犠牲を払うことで低輝度要素についての主観的なシステム信号対雑音比を改善する。US5,786,871の思想はクロミナンスチャネルにおいて失われる真の明るさ情報を予想して送信前に適切な補正を輝度信号に適用するエンコーダを提供するのを助ける。したがって、クロミナンスチャネルから失われる明るさ情報を抽出し、エンコードに先立ってそれを輝度チャネルに加え戻すための定輝度補正器が定義される。ガンマ補正された成分信号は輝度予測器回路に入力される。これらの信号から、輝度予測器回路は、クロミナンスチャネルから失われる明るさ情報に対応する輝度補正信号を生成する。しかし、そのような輝度予測器回路は単に、エンコーダおよびデコーダの限られた帯域幅によって実施される定輝度方式に関して理想的な輝度を予測するのみである。また、ここでは、個別で多様なそれぞれの場合について適用される彩度調節に応じて輝度を適応させるのに適切であるような方策は全く与えられない。むしろ、上記の思想もまた、適用において柔軟性のない一般的な想定に頼っているのである。
そのようなシステムはどれも、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)またはプラズマディスプレイパネル(PDP)のいずれであれディスプレイの輝度出力を彩度調節に対して維持することはできない。その結果、従来の彩度調節の諸方法は誇張されて不自然な色再現を引き起こす。しかし、彩度調節が修正されても非常に自然な色の変化が起こるような結果が望ましい。
ここで本発明の出番となる。本発明の目的は、彩度調節を修正しても彩度調節に対して輝度が維持されるよう輝度を調節するための輝度調節方法および装置を記述することである。
方法に関しては、前記目的は:
・輝度成分(Y′)と色成分(R′−Y′,B′−Y′)とを有するオリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を第一の処理フローおよび第二の処理フローに提供し、
ここで
前記第一の処理フローが:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))に彩度調節を適用して彩度調節された(saturation controlled)画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を生じ、
そのさらなる処理によって第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))を予測するステップを有しており、
前記第二の処理フローが:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))の処理によって第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))を予測するステップを有しており、
・前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の輝度(Ys″)を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の輝度(Y1″)と比較することによって補正因子(Y1″/Ys″)を与え、
・前記補正因子(Y1″/Ys″)を適用して前記第一の処理フローの画像信号の一つを補正して表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、
ステップを有することを特徴とする輝度調節方法によって達成される。
本発明の主要な発想は、第一の処理フローによって彩度が修正された場合について表示輝度を予測し、他方では第二の処理フローによって彩度が未修正のままの場合について表示輝度を予測することである。彩度を上げる場合、前記の予測される輝度は、彩度上昇のため、彩度上昇なしで予測した輝度に比べて高くなる。その比較によって与えられる補正因子を第一の処理フローの画像信号の一つを補正すべく適用すれば、表示信号が得られるのである。
そのような概念には大きな利点がある。たとえば、本発明は線形領域でも機能する。たとえばPDPディスプレイまたは彩度も組み込んだ線形化ディスプレイマトリクスのような場合である。その場合でも、個々の色が上がりすぎることは制限する。結果として、高い彩度レベルでも低い彩度レベルでも画質が改善される。たとえば彩度調節を上げる際に誇張され、不自然に見える色が防止される。LCD変換曲線に起因する不自然な圧縮による画像細部の損失を引き起こすような液晶の光出力レンジの許容できないクロスなしに、液晶に彩度調節上昇を適用することが可能となった。彩度調節を下げ、白黒画像にする場合であっても、色依存の光損失が達成される。彩度調節に対して表示の輝度出力を維持するという発想は、彩度調節された画像信号の個別で多様なそれぞれの場合について自然に見える画像を与えるという利点がある。
本発明の発展構成が従属の方法請求項においてさらに述べられる。よって、提案される概念の前述した利点はさらに改善される。
ある特定の好ましい構成では、前記第一の処理フローは:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))の色成分(R′−Y′,B′−Y′)に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号(Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′))を生じ、
第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の予測を:
・前記彩度調節された画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を、彩度調節された赤(Rs′)、緑(Gs′)、青(Bs′)の色成分をもつ第一の彩度調節されたRGB画像信号((Rs′,Gs′,Bs′))に変換し、
・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号((Rs′,Gs′,Bs′))を第二の彩度調節されたRGB画像信号((Rs″,Gs″,Bs″))にガンマ変換し、
・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号((Rs″,Gs″,Bs″))を前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))に変換する、
ことによって行うステップを有している。
さらなる好ましい構成として、前記第二の処理フローは:
第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の予測を:
・オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を、赤(R′)、緑(G′)、青(B′)の色成分をもつ第一のRGB画像信号((R′,G′,B′))に変換し、
・前記第一のRGB画像信号((R′,G′,B′))を第二のRGB画像信号((R″,G″,B″))にガンマ変換し、
・前記第二のRGB画像信号((R″,G″,B″))を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))に変換する、
ことによって行うステップを有している。
上述した発展構成は特に、ガンマ変換の形の非線形変換と、輝度信号(Y)および色差信号(R−Y,B−Y)を変換するRGB信号からRGB信号への色空間変換器と、彩度調節とを提供し、最も好ましくは黒レベル調節をも含意する。黒レベルと彩度調節の両調整とも、カメラまたはディスプレイのガンマのため、非線形色空間において適用される。黒レベル調節は輝度信号Yに加えられるDCオフセットであり、彩度調節は色差信号(R−Y,B−Y)の利得調節である。
これらの構成の詳細な記述は、詳細な説明の節1、節2において与えられる。
本発明を説明する目的のために構成要素や方法論の考えられるあらゆる構成を述べることはむろん不可能であるが、通常の当業者は本発明の数多くのさらなる組み合わせおよび並べ替えが可能であることを認識するであろう。したがって、本発明は、付属の請求項の精神および範囲にはいるそのようなすべての変更、修正および変形をも包含することが意図されている。
具体的な好ましい構成が詳細な説明の節3で図14との関連で詳細に説明される。この構成は補正因子の適用を:
・第二の彩度調節されたRGB画像信号((Rs″,Gs″,Bs″))に補正因子(Y1″/Ys″)を乗じ、
・前記の乗算された第二の彩度調節されたRGB画像信号((Ro″,Go″,Bo″))を逆ガンマ変換して表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、
ことによって行うことを可能にする。
さらなる好ましい構成が詳細な説明の節3で図29との関連で説明される。該構成では、前記補正因子の適用は:
・補正因子(Y1″/Ys″)を逆ガンマ変換し、
・第一の彩度調節されたRGB画像信号((Rs′,Gs′,Bs′))に前記逆ガンマ変換された補正因子(Y1″/Ys″)を乗じて表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、
ことによって行われる。
今ひとつのさらなる好ましい構成が詳細な説明の節3で図30との関連で説明される。該構成では、前記補正因子の適用は(図30):
・補正因子(Y1″/Ys″)を逆ガンマ変換し、
・彩度調節された画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))に前記逆ガンマ変換された補正因子(Y1″/Ys″)を乗じて表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、
ことによって行われる。
装置に関しては、前記目的は:
・輝度成分(Y′)と色成分(R′−Y′,B′−Y′)とを有するオリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を第一の処理フロー(図14Aの14)および第二の処理フロー(16)に提供する入力手段(12)であって、
前記第一の処理フロー(14)が:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))に彩度調節を適用して彩度調節された(saturation controlled)画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を生じる調節手段(14a)、および、
そのさらなる処理によって第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))を予測する第一の予測手段(14b)を有しており、
前記第二の処理フロー(16)が:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))の処理によって第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))を予測する第二の予測手段(16a)を有しているような入力手段と、
・前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の輝度(Ys″)を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の輝度(Y1″)と比較することによって補正因子(Y1″/Ys″)を与える比較手段(18)と、
・前記補正因子(Y1″/Ys″)を適用して前記第一の処理フロー(14)の画像信号の一つを補正して表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える作用手段(19)、
とを有することを特徴とする、輝度を調節するための輝度調節装置(11)によって達成される。
そのような装置は特に、上に概説した方法を実行し、その利点を達成するのに適合する。
ある特定の好ましい構成では、前記輝度調節装置(11)は前記第一の処理フロー(14)において:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号(Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′))を生じる調節手段(14a)と、
第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の予測を(図14B):
・前記彩度調節された画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を、彩度調節された赤(Rs′)、緑(Gs′)、青(Bs′)の色成分をもつ第一の彩度調節されたRGB画像信号((Rs′,Gs′,Bs′))に変換(20)し、
・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号((Rs′,Gs′,Bs′))を第二の彩度調節されたRGB画像信号((Rs″,Gs″,Bs″))にガンマ変換(22)し、
・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号((Rs″,Gs″,Bs″))を前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))に変換(24)する、
ことによって行う第一の予測手段(14b)、
とを有している。
さらなる好ましい構成では、前記のような輝度調節装置(11)は前記第二の処理フローにおいて:
第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の予測を(図14C):
・オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を、赤(R′)、緑(G′)、青(B′)の色成分をもつ第一のRGB画像信号((R′,G′,B′))に変換(26)し、
・前記第一のRGB画像信号((R′,G′,B′))を第二のRGB画像信号((R″,G″,B″))にガンマ変換(28)し、
・前記第二のRGB画像信号((R″,G″,B″))を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))に変換(30)する、
ことによって行う第二の予測手段(16a)を有している。
ある具体的な好ましい実施形態では、当該装置は、ある特定の種類またはその他の種類の、上に概説した方法を実行するよう適応されている好ましい回路類の相互接続された回路を有するデバイスとして形成されている。
そのようなデバイスは、前記オリジナル信号を受信し、当該画像を表示信号によって表示するための手段に組み込まれうる。たとえば、そのようなデバイスはテレビシステム中に、または直接にCRT、LCDもしくはPDPディスプレイ中に組み込まれうる。
結果として、そのような装置はまた、撮像システムによっても形成されるものと理解されなければならない。そのような撮像システム(1)のある有利な実施形態は、詳細な説明における図1との関連で詳細に説明される。特に、撮像システム(1)は:
カメラまたはその他の種類の画像をスキャンするためのピックアップデバイスのような、画像(3)を取り込み、オリジナル画像信号(4)を提供するための取り込み手段(2)と、
NTSCまたはPAL送信のように、前記オリジナル画像信号(4)を符号化し(6)、転送し(7)、復号する(8)転送手段(5)と、
オリジナル画像信号(4)を受信して表示信号(10)によって前記画像(3)を表示するための、CRT、LCDまたはPDPディスプレイのような表示手段(9)、
とを有しうる。
別の構成では、前記輝度調節装置は、オリジナル画像信号の形で画像を受信し、表示信号によって画像を表示する手段を有する。具体的な有利な応用では、前記調節装置はLCDディスプレイとして、特にコンピュータLCDディスプレイとして形成される。あるさらなる具体的な有利な応用では、前記調節装置はプリンタとして、特にコンピュータのためのプリンタとして形成される。
本発明はまた、コンピューティングシステム、撮像システムおよび/またはプリンタシステム上で実行されたときに、前記コンピューティングシステム、撮像システムおよび/またはプリンタシステムをして上に概説したような方法を実行するよう誘導するソフトウェア・コード・セクションを有する、コンピューティングシステム、撮像システムおよび/またはプリンタシステムによって可読な媒体上に保存可能なコンピュータプログラムプロダクトにつながる。
さらに、本発明は、前記コンピュータプログラムプロダクトを実行するためのコンピューティングシステム、撮像システムおよび/またはプリンタシステムにつながる。前記コンピュータプログラムプロダクトを実行または保存するための半導体デバイスおよび前記コンピュータプログラムプロダクトを保存するための記憶媒体もまた本発明の一部である。
本発明はディスプレイについて格別な有用性を有し、テレビシステムとの関連で説明されるものの、本発明およびその動作方法はまた他の形態の映像システムとの関連でも動作可能であることを理解しておくものとする。たとえば、本発明の概念は、カメラシステム、コンピュータシステム、任意の種類のディスプレイ特に液晶ディスプレイおよびカラープリンタにも適用可能である。
本発明のより完全な理解のため、本発明についてこれから付属の図面を参照しつつ詳細に記述する。詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態と考えられるものを例示し、説明する。むろん、本発明の精神から外れることなく形態や詳細においてさまざまな修正および変更をなすことができることは理解されるであろう。したがって、本発明はここに示され、記述される厳密な形態および詳細に限定されるものではなく、ここに開示され、特許請求の範囲において請求される発明の全体以外の何物によっても規定されないことが意図されている。さらに、本発明を開示する説明、図面および請求項において記述されている諸特徴は、単独で、あるいは組み合わせて考えて、さらなる発展構成のために本質的となりうるものである。
詳細な説明
1.テレビシステム
図1は3つの主要部分からなるテレビシステムとして形成される映像システム1の基本図である。上段にはカメラ2が示されている。これが、画像3を取り込み、オリジナル画像信号4を提供する取り込み手段の好ましい実施形態である。中段には、オリジナル画像3を符号化し、転送し、復号するための転送手段5が示されている。該転送手段5は、オリジナル画像信号4を符号化するための符号化デバイス6と、オリジナル画像信号4を転送するための転送媒体7と、オリジナル画像信号4を復号するための復号デバイス8とを与える。下段には、従来式のCRTをもつテレビディスプレイが、オリジナル画像4を受信して表示信号10によって画像3を表示画像3′の形で表示するための表示手段9の好ましい実施形態として示されている。カメラ2およびテレビ9ならびにすべての色彩側面が図1に示されている。

1.1カメラ
図1の左上では、カメラ2によって、レンズ2aおよびRGB(Red-Green-Blue[赤‐緑‐青])カラーアレイをもつ単一の感光領域イメージセンサー2bを通じて、画像3の形である場面が取り込まれる。単一のイメージセンサーを使うカメラのためには多くのカラーアレイが存在する。最も一般的なのは、三原色のRG/GB構造をもつベイヤーアレイおよびYeCy/GMg(Yellow-Cyan,Green-Magenta[イエロー‐シアン/緑‐マゼンタ])構造でGMgからMgGへの行交替をもつ補色のモザイクアレイである。この色略記は図面全体を通じても使われる。イメージセンサー2bからの多重化されたRGB信号2cを3つの並列な連続RGB信号に変換するためには、RGB再構築フィルタ2dが必要とされる。光学的なRGBカラースプリッターによって3つのイメージセンサーが適用される場合にはもちろんRGB再構築は必要ない。次に、RGB信号は、カメラの色範囲をEBU規格(European Broadcasting Union[欧州放送連合])またはHDTV規格(High Definition Television[高精細度テレビ])のような所望のテレビ規格に合わせるために3×3のカメラマトリクス2eに提供される。
マトリクスのあと、カメラガンマ2fが適用される。これは図1の表示部の最後にあるCRTの非線形変換を補償するものである。
最後に、カメラにおいて、R′G′B′信号がルーマ(輝度)信号Y′および色差信号R′−Y′、B′−Y′に変換される(2g)。
変換2gのあと、黒レベル調節2hが適用される。ここでは黒レベルはルーマ信号Y′にDCレベルを加えることによって調節できる。彩度はそれに付随する色差信号に乗算をすることによって調整できる。

1.2 転送媒体
図1で、転送手段5を使う際、転送媒体7の前で符号化器6が、後ろで復号器7が適用される。重要なのは、転送媒体7が何であろうと、その機能はカメラ2のルーマ信号Y′および色差信号R′−Y′、B′−Y′が表示部9の入力においてできうる限り完全に再現されることである。色彩的な見地からは、符号化方法が色差信号R′−Y′、B′−Y′の適用される換算因子を決定する。

1.3 ディスプレイ
カメラ部2は黒レベル調節2hで終わっていたが、表示手段9も黒レベル調節9aで始まる。表示手段9の9aの黒レベル調節はルーマ信号にはたらき、9aの彩度調節は色差信号にはたらく。次に、ルーマ信号および色差信号は変換されて(9b)再びR′G′B′に戻る。
ディスプレイの色範囲がカメラの色範囲(すなわちEBUまたはHDTV)と対応しない場合、3×3のディスプレイマトリクス9cを適用して色再現誤差を最小限にすることができる。
最後に、CRT9dがある。ここでカメラ2によってそのガンマ変換特性を通じて画像3の形で取り込まれた場面が表示画像3′の形で表示される。現行のCRTのガンマがいくつであるかの厳密な定義についてはいまだに議論がある。ガンマの適切な選択は特定の用途に任されるものであることは理解されるであろう。ここでは2.3のCRTガンマを使う。CRTのほかにLCDやPDP(プラズマディスプレイパネル)のような他のディスプレイもある。
図1に関し、色彩的な観点からは次のものがあることが見て取れる。
・2つの非線形変換:カメラ2のガンマ2fおよびディスプレイ9のCRT9dのガンマ
・2つの空間コンバータ2gおよび9b:R′G′B′信号に始まってR′G′B′信号に終わり、間に転送手段5がある。送信される信号はルーマ信号Y′および色差信号R′−Y′、B′−Y′である。
・2つの黒レベルおよび彩度調節2hおよび9a:原理的にはこれらは、転送手段5を無視すればそれぞれ単に一つの調節と見ることができる。調節2hおよび9aの黒レベルと彩度両方の調整は、カメラ2のガンマ2fのため、非線形色空間で適用される。黒レベル調節はルーマ信号Y′に加えられるDCオフセットであり、彩度調節は色差信号R′−Y′、B′−Y′の利得調節である。

2.彩度調節の3D解析
彩度調節の三次元(3D)解析はディスプレイ9の特性が込み入ったものになることを明らかにするであろう。ディスプレイの変換、そのドライバの最大レンジおよびディスプレイの色範囲があるからである。また、電子回路の最大電圧レンジも彩度を調整する際に役割を演ずることになる。説明上、カメラガンマ2fはCRTガンマの逆数の指数、すなわち1/2.3であるとする。

2.1 カメラガンマおよび1.2の彩度調節後の相対CRT光出力
相対RGBmax″光出力(RGBmax″とはすなわちR″G″B″CRT出力の最大の光出力)は、1ボルトの線形RGB入力信号について個々の輝度重みを無視したときに1ニト(cd/m2)となるよう規格化して示される。今の場合の線形入力と非線形ディスプレイへのカメラ出力とから、参照色が2D面およびRGBmax″を垂直次元とした3D空間においてどうなるかの画像を得ることができる。ディスプレイは負の原色重みの結果を表示することができないので、負のRGB信号は0に制限される。その結果、図2に図示するように、境界における過飽和色は色範囲の境界に制限される。下に示した一様色度スケール(Uniform Chromaticity-Scale)面(UCS)1976の平面に比べ、上に示したクロミナンス″平面の3D円錐構造は六角形の外側に向かう、誤解を招く彩度上昇を引き起こす。カメラとディスプレイとの全体としての変換は1であるので、線形入力参照点もまた彩度調節1.0についての線形表示出力と見なすことができる。図の3D版が、RGBmax″を垂直方向にとって図3に示されている。相対RGBmax″光出力は大幅に上昇している。特に青、赤およびマゼンタの色についてそうである。図3では、色再現は垂直方向の4つのレベル1、2、3、4について示されている。
B=1でR=G=0とした線形青入力について、RGBmax′出力、すなわちカメラガンマ後のB′信号は:sat×(B′−Y′)+Y′=1.2×(1−0.114)=1.1772ボルトである。CRT後の相対RGBmax″光出力は:1.17722.3=1.4553倍大きくなる。図4における横投影はR″G″B″CRT光出力の最大のこの増加がよりわかりやすく示されている。
相対RGBmax″値とは、RGBmax″に対応する色の絶対光出力をcd/m2で表したものの変化の尺度である。前述した青色についてRGBmax″が1.4553倍に増加するということは、青の原色の光出力がそれだけ上昇するということをも意味している。
図3および図4は、境界入力色では、振幅上昇は青色が最大で、それに赤およびマゼンタの色がそれぞれ続くことを明確に示している。振幅上昇が最小なのは黄色で、それにシアンおよび緑の色がそれぞれ続いている。これは彩度上昇の結果が黄色、シアン、緑の色に与える影響が青、赤、マゼンタの色に比べてずっと小さいことを意味している。次の節では、RGBmax″に対応した原色の絶対光出力の上昇がRGBmax″の上昇に比例することが明らかになる。

2.2 ルーマを垂直軸としての3Dクロマ空間における彩度分析
以下では色空間を輝度″信号を垂直軸にとって示す。カメラのルーマ信号(Y′)をディスプレイの指数乗したものは輝度″信号(Y″)を与える。それは2度冪乗された信号と見なすことができる:最初にカメラのガンマによって、最後にディスプレイのガンマによって。
説明上、ここではEBUではなく連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)の輝度重みを適用してきた。FCC輝度重みについては次の関係式が成り立つ。
YR:YG:YB=0.299:0.587:0.114
輝度″出力は、絶対CRT光出力、すなわちディスプレイの原色輝度重みをcd/m2(ニト)で表したものである。
まず、輝度信号を縦軸にとり、彩度調節を1.2とした場合の線形3D色空間再現を説明する。図5はレベル4の参照点しか示していないにもかかわらず、これらの参照点がどうなったのかがあまりよくわからない。これは、図面で縦軸にRGBmax″信号を選んだことがなぜ好ましかったかを完全によく示している。輝度″信号Y″を垂直軸にとっての3D色空間への理解を与えるため、この節では、ずっと興味深い横投影のみを示す。
図6の著しい特徴は、参照点についての1.2の彩度調節を表すすべての矢印が水平ということである。これは、これらの線形3D空間における任意の色の輝度出力が彩度に依存しないということを意味している。彩度を上げた(または下げた)のちも輝度信号Yが一定に維持されることは容易に証明できる。輝度信号については次の関係式が成り立つ。
Y=YR×R+YG×G+YB×B
彩度パラメータを含めた色差信号は次のようになる。
R−Y=sat×(R−Y)
G−Y=sat×(G−Y)
B−Y=sat×(B−Y)
これは次のRGB信号を与える。
R=sat×R−sat×Y+Y
G=sat×G−sat×Y+Y
B=sat×B−sat×Y+Y
これらのRGB信号を先の輝度信号を与える式に代入すると次のようになる。
Y=YR×sat×R−YR×sat×Y+YR×Y+
YG×sat×G−YG×sat×Y+YG×Y+
YB×sat×B−YB×sat×Y+YB×Y
=sat×(YR×R+YG×R+YB×R)−sat×Y(YR+YG+YB)+Y×(YR+YG+YB)
YR×R+YG×R+YB×R=YおよびYR+YG+YB=1であるから、Y=sat×Y−sat×Y+Y=Y、すなわちYは彩度パラメータに依存しないのである。
図7は、3D UCS1976空間およびクロマ空間において垂直方向に輝度信号Y′をとって、カメラガンマ1/2.3後の1.2の彩度調節の横投影を示している。ルーマ信号Y′について、次の関係式が成り立つ。
Y′=0.114×R′+0.587×G′+0.114×B′
カメラガンマ前の線形のものではなく、カメラガンマ後の点を入力参照点としてとっている。ここでもやはり矢印は水平になっており、ルーマ信号Y′が彩度には依存しないことを示している。
R、G、BおよびY信号をそれぞれR′、G′、B′およびY′信号で置き換えれば、先ほどと同様な方法で、ルーマ信号Y′が彩度に対して一定に維持されることが証明される。一つの結論は、線形3D色空間ではカメラガンマ後と同様、RGBmax(′)の上昇によって引き起こされるY(′)の上昇は、主に他の二つの原色のY(′)の減少によって完全に打ち消されるというものである。もちろん、彩度が下がる場合も全く同じことがいえる。
これはまた、RGBmax(′)を縦次元とした線形3D色空間ではカメラガンマ後と同様、RGBmax(′)の上昇は単にRGBmax(′)色信号の上昇を表すのみであり、Y(′)信号は維持されるということをも意味している。ここでもやはり、彩度が下がる場合も全く同じことがいえる。しかし、彩度を修正した後での輝度出力の維持は、CRT後、すなわちCRTガンマ変換後には成立しない。CRTのガンマの前には次の関係式が成り立つ。
R′=sat×R′−sat×Y′+Y′
G′=sat×G′−sat×Y′+Y′
B′=sat×B′−sat×Y′+Y′
計算を続けられるよう、CRTガンマが2に等しいとすると、
R″=(sat×R′+(1−sat)×Y′)2
=(sat×R′)2+2×sat×R′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2
G″=(sat×G′+(1−sat)×Y′)2
=(sat×G′)2+2×sat×G′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2
B″=(sat×B′+(1−sat)×Y′)2
=(sat×B′)2+2×sat×B′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2
Y″については関係
Y″=YR×R″+YG×G″+YB×B″
が成り立つので、このY″におけるR″、G″、B″に代入すると、次のようになる。
Y″=YR×((sat×R′)2+2×sat×R′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2)
+YG×((sat×G′)2+2×sat×G′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2)
+YB×((sat×B′)2+2×sat×B′×(1−sat)×Y′+((1−sat)×Y′)2)
この結果はさらに単純化することができるが、それは彩度パラメータsatと独立にはできない。
図8では彩度を上げたあとのY″CRT出力上昇が示されている。たとえばB=1およびR=G=0の青色についてカメラガンマ後には関係式B′=sat×(B′−Y′)+Y′が成り立つ。CRT後にはこれはB″=YB×(sat×(B″−Y″)+Y″)2.3 cd/m2となる。
パラメータYBはcd/m2で表した青の蛍光体の相対輝度出力で、現在のディスプレイについての相対EBU輝度重みである。たいていの現在のディスプレイは緑および青の蛍光体はEBU色度座標の非常に近くにあるが、赤の蛍光体は緑の色度座標のほうにシフトしており、好まれるEBUの場合からは比較的大きく離れている。1.2の彩度調節が与えられたとすると、これはB″=YB×1.4553であることを意味する。青についてのこの比較的大きな輝度上昇は先の節2.1ですでに予測されていた。さらに、これはRGBmax″の上昇に一致している。線形入力信号が参照点として使われていることを注意しておく。
この節の結論は、CRT後にはY″輝度出力は彩度の関数として変化するということである。これは、彩度調整がCRT後には2つのベクトルからなる色を生じるということを意味している。垂直方向のY″輝度ベクトルと、水平面内のいわば真の彩度ベクトルとである。
図2の2D平面は、Y″を垂直次元とした3D色空間のほか、相対RGBmax″出力を垂直次元とした図3における3D空間の上面投影をも表していることを注意しておく。
現在のディスプレイはEBUに従った輝度重みであるはずなので、図9に示したような横投影がより現実的なものである。ここでEBU座標は一度示すだけとする。この節における線形からカメラガンマ後、そして最後にはCRT出力へのさまざまなステップの比較が制限されるからである。左側と中央には、3D UCS1976空間およびクロミナンス″空間がその上面投影とともに示されている。右側にはクロミナンス″の横投影が示されている。線形のRGB入力信号の輝度重みは矢印の始点によって表されており、EBUの輝度重みに一致している。EBUの輝度重みとはすなわち:YR:YG:YB=0.222:0.707:0.071である。
このEBU横投影の結果は、先の図8におけるFCC(連邦通信委員会)に従った場合と比較することができる。ここでもまたレベル4の参照点のみが示されていることを注意しておく。

2.3 彩度調節の関数としてのLCDの3D色再現
先の節は任意の種類のディスプレイに与えられる信号を彩度上昇の関数として扱ってきた。CRTディスプレイの場合、唯一の要求はCRTドライバのレンジが、テレビメーカーによる彩度ユーザー調節の最大選択値に応じて上昇したRGBmax′信号振幅を扱うのに十分な大きさであるということである。彩度調節が1.5に調整されたとすると、RGBmax′および相対RGBmax″の値が、B=1およびR=G=0の青色についてそれぞれ1.443および2.324と大きくなることは想像できる。2.324の値はまた、青の光出力が2.324倍に上昇することをも意味している。
線形な変換をもつPDPについては、カラー信号をPDPドライバに与える前に探索表(LUT: Look-UP Table)によってCRT変換が模倣される。ここでの要求は、探索表(LUT)のレンジとPDPドライバとが最大ユーザー彩度調節に応じた最大RGBmax′信号に対応しているということである。CRTおよびPDPの電子回路およびドライバがこの要求を満たしていれば、節2.1および節2.2の(RGBmax″に関する)結果は有効である。
しかし、LCDの場合、変換特性は限られたレンジをもつ。図10では次の式に従ったLCD変換特性の例が示されている。

if RGBin<=1.0 then
RGBout=1.0×RGBinγd
else if RGBin<=LCDmax then
RGBout=LCDmax−(LCDmax−1.0)×((LCDmax−RGBin)/(LCDmax−1.0))γd
else
RGBout=LCDmax (1)

RGBin≦1.0ボルトの場合、LCD変換特性はCRTのものと同一である。相対RGB光出力(RGBout)はRGBin=1.0ボルトについて1ニトとなるように規格化されている。LCDmaxパラメータはRGB三原色の相対最大光出力であり、ここでは1.16としている。式(1)における指数dはCRTのガンマの値、すなわち2.3に等しい。
LCDは2.3よりずっと大きなガンマに関しては各原色について異なる変換特性をもつが、ここでは3つのRGB探索表によってそれらの特性は図10に従ったガンマ2.3に一致させられているとする。LCD変換の上の部分が指数2.3の指数冪関数となっていることも注意しておく。
図11では、2D UCS1976平面およびクロミナンス″平面においてCRT出力とLCD出力と間の差が示されている。左側にCRT出力が示されており、右側にLCD出力が示されており、彩度調節は1.2としている。中央では両者が一つの図にまとめて示されている。目につくのは、UCS1976色範囲およびクロミナンス″六角形の内部においては色再現の差が小さい、すなわちシアン、青、マゼンタおよび赤の領域の境界付近では色相誤差が小さいということである。しかし、境界では、特にシアン、青、マゼンタおよび赤の境界色の間では、小さいものだけでなく大きな色相誤差も生じている。図11におけるLCD境界色ベクトルの大きさの減少は前記LCD変換曲線の上部によって引き起こされており、図12を用いてさらに説明する。
図12では、LCDの、1.2の彩度調節後の相対RGBmax″出力の横投影が示されている。この図を図4における同等のCRT出力と比較すると、レベル4″で初めて矢印が大幅に短くなることが見て取れる。それらは圧縮されており、多くの細部を失っている。レベル3″の青の側でさえ、RGBmax″振幅が減少した色がある。レベル1″、2″、3″上の他のすべての矢印は図4のものと全く同一である。図12では、線形入力信号が参照入力点として使われていることを注意しておく。結論は、彩度調節を上げたときに、RGBmax″の値が3D色空間のレベル4より上になるすべてのLCD色は、そのレベルより下の他のすべての色と比例した上昇にはならないということである。この細部の喪失が知覚の点から許容できるか否かは別の問題であり、ここでは議論しない。
図13の横投影では、1.2の彩度調節後の、左側のCRTと右側のLCDとのY″出力の間の差が見て取れる。図13ではレベル4″の参照点のみを示していることを注意しておく。表1に、彩度調節が1.2、1.4、2.0のときの原色および補色についてのCRTディスプレイの前および後での輝度″の上昇を示す。任意の彩度調節についての計算は、ディスプレイ前ではsat×(B′−Y′)+Y′に従ってできる。ここで、必要に応じてB′はR′やG′で置き換えることができる。その結果の指数2.3での累乗を取ると、CRTディスプレイの輝度″出力が得られる。すなわち:
(sat×(B′−Y′)+Y′)2.3

表1:CRTディスプレイについての、彩度調節の関数としてのCRTディスプレイ前の相対振幅および相対輝度″出力。連邦通信委員会(FCC)輝度重みを使用。
Figure 2007505548
3.彩度調節に対するディスプレイの輝度出力の維持
節2.2で提起されているように、真の彩度パラメータはディスプレイの輝度出力を維持するべきである。このことは図14にブロック図として示されている輝度調節装置を用いて実現される。
非線形カメラ信号のルーマY′および色差信号(R′−Y′)、(B′−Y′)が彩度調節に与えられ、それぞれY′およびsat×(R′−Y′)、sat×(B′−Y′)となる。ルーマおよび色差信号は、彩度調節の変更がある場合とない場合について、三原色信号に変換される。すなわちカメラのR′G′B′信号および彩度調節がある場合のRs′Gs′Bs′信号である。Rs′Gs′Bs′信号のsの記号が彩度調節(saturation control)の変更を示す。
R′=(R′−Y′)+Y′
G′=(G′−Y′)+Y′ (2)
B′=(B′−Y′)+Y′
ここで、(G′−Y′)=−(YR/YG)×(G′−Y′)−(YB/YG)×(G′−Y′)である。
(G′−Y′)信号を得るためのYR、YG、YBの輝度重みは、ルーマ信号Y′および色差信号(R′−Y′)、(B′−Y′)の送信に使われるFCC規格に従うので、次の関係が成り立つ。
YR:YG:YB=0.299:0.587:0.114
Rs′Gs′Bs′信号については次の関係が成り立つ。
Rs′=sat×(R′−Y′)+Y′
Gs′=sat×(G′−Y′)+Y′ (3)
Bs′=sat×(B′−Y′)+Y′
ここで、(G′−Y′)信号は先に得られたG′信号を使うことができる。R′G′B′とRs′Gs′Bs′の両信号ストリームはCRT変換関数を含む2つの探索表に与えられる。これは結果として、彩度調節の変更のないCRT出力を表すR″G″B″信号および彩度調節の変更を含むRs″Gs″Bs″を与える。
R″=R′γ G″=G′γ B″=B′γ (4)
Rs″=Rs′γ Gs″=Gs′γ Bs″=Bs′γ
標準的なCRTのγd=2.3以外の変換特性をもつ種類のディスプレイ、たとえばLCDやPDPが使われた場合であっても、どんな種類のディスプレイもCRT変換特性と整合性がなければならないのでCRT変換曲線を適用することが必要であるはずである。節2ではRGBmax′およびRGBmax″の振幅がテレビメーカーによって定義された最大量彩度上昇に応じて著しく増大しうることを説明した。RGBmax′およびRGBmax″上昇のこのレンジは前記2つのCRT探索表において考慮に入れられるべきである。少なくとも、彩度調節の変更があるほうを処理する探索表では考慮に入れられるべきである。
R″G″B″信号およびRs″Gs″Bs″信号のそれぞれY1″およびYs″輝度信号への変換のため、当該ディスプレイの輝度重みを適用することが必要である。そうしないとここで記載しているディスプレイの輝度出力を一定に維持することは失敗する。Y1″信号は彩度調節が1.0の場合の当該ディスプレイのオリジナルの輝度出力を表し、Ys″信号は彩度調節が上げるなり下げるなり変更された場合の当該ディスプレイの輝度出力に関わる。すなわち、輝度信号Y1″およびYs″への変換については次の関係式が成り立つ。
Y1″=YRdisplay×R″+YGdisplay×G″+YBdisplay×B″ (5)
Ys″=YRdisplay×Rs″+YGdisplay×Gs″+YBdisplay×Bs″
ここで、YRdisplay、YGdisplay、YBdisplayは当該ディスプレイ、すなわちCRT、LCDまたはPDPディスプレイの輝度重みを表す。オリジナル入力信号の予測された表示出力の記号がY1であるが、「1」を選んだのは彩度調節が1であることを示すためである。
ディスプレイの最終的な輝度出力Rs″Gs″Bs″を維持するためには、信号にY1″信号とYs″信号との商を乗じる必要がある。よって、
Ro″=Rs″×Y1″/Ys″
Go″=Gs″×Y1″/Ys″ (6)
Bo″=Bs″×Y1″/Ys″
このRo″Go″Bo″信号に対して先のCRTガンマを打ち消すことによって、当該ディスプレイの入力信号として使うことのできるRo′Go′Bo′信号が実現できる。
Ro′=Ro″1/γ Go′=Go″1/γ Bo′=Bo″1/γ (7)
ディスプレイ後では、ディスプレイがCRT、LCD、PDPまたはCRTの変換特性を標準とするその他いかなる種類であっても、その出力は(Ro″1/γ)γ=Ro″に、また同じようにしてGo″およびBo″に一致する。ディスプレイの入出力間の定数を1として無視すれば、このことはcd/m2で表したディスプレイの輝度出力が次のようになることを意味している。
Y″=YRdisplay×Ro″+YGdisplay×Go″+YBdisplay×Bo″
=YRdisplay×Rs″×Y1″/Ys″+YGdisplay×Gs″×Y1″/Ys″+YBdisplay×Bs″×Y1″/Ys″
=Y1″×(YRdisplay×Rs″+YGdisplay×Gs″+YBdisplay×Bs″)/Ys″
=Y1″
ここで、(YRdisplay×Rs″+YGdisplay×Gs″+YBdisplay×Bs″)=Ys″であることを使っている。
結果として、彩度調節の変更後の表示出力は、彩度調節が1.0の場合と全く同一なのである。
当該装置に関し、具体的な好ましい実施形態がある特定の種類またはその他の種類の、上に概説した方法を実行するよう適応されている好ましい回路類の相互接続された回路を有するデバイスとして形成される。そのようなデバイスは、前記オリジナル信号を受信し、当該画像を表示信号によって表示するための手段に組み込まれうる。たとえば、そのようなデバイスはテレビシステム中に、または直接にCRT、LCDまたはPDPディスプレイ中に組み込まれうる。結果として、そのような装置は、図1との関連で詳細に説明した撮像システム1によって形成されるものと理解されなければならない。
もちろん、前記デバイスは図1の撮像システム1を通じていかなる好適な仕方で配置してもよい。特に、上述したデバイスあるいはある特定の種類またはその他の種類の好ましい回路類の相互接続された回路は、カメラまたはその他の種類の画像をスキャンするためのピックアップデバイスのような取り込み手段2の中に組み込まれうる。また、そのようなデバイスは、NTSCまたはPAL送信のように転送手段5(図1)の中に組み込まれうる。最も好ましくは、上述したデバイスはいかなる所望の種類でもよいCRT、LCDもしくはPDPディスプレイまたはプリンタのような表示手段9(図1)の中に組み込まれうる。
図14Aは輝度を調節するための輝度調節装置の好ましい実施形態としてのデバイス11の主な部分を原理的に示したものである。そのようなデバイスは上で概説した方法を実行し、その利点を達成するよう特に適応される。
前記デバイス11は:
・輝度成分Y′と色成分R′−Y′、B′−Y′とを有するオリジナル画像信号(Y′,R′−Y′,B′−Y′)を第一の処理フロー14および第二の処理フロー16に提供する入力手段12を有している。
前記第一の処理フロー14は:
オリジナル画像信号(Y′,R′−Y′,B′−Y′)に彩度調節を適用して彩度調節された(saturation controlled)画像信号(Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′))を生じる調節手段14a、および、
そのさらなる処理によって第一の予測画像信号(Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″)を予測する第一の予測手段14bを有している。
前記第二の処理フロー16は:
オリジナル画像信号(Y′,R′−Y′,B′−Y′)の処理によって第二の予測画像信号(Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″)を予測する第二の予測手段16aを有している。
さらに、前記デバイス11は、前記第一の予測画像信号(Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″)の輝度Ys″を前記第二の予測画像信号(Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″)の輝度Y1″と比較することによって補正因子Y1″/Ys″を与える比較手段18を有している。
前記デバイス11はまた、前記補正因子Y1″/Ys″を適用して前記第一の処理フロー14の画像信号17の一つを補正して表示信号(Ro′,Go′,Bo′)を与える作用手段19を有している。前述した作用手段19はいくつかの方法で実現でき、さまざまな処理を組み込んでいることができる。たとえば、前記第一の処理フロー14のさまざまな種類の画像信号17が使われうる。また、ガンマ変換や逆ガンマ変換を適用するためにもさまざまな可能性が存在する。これらの諸方法のいくつかは、図29および図30との関連でのちに当該方法の変形に関連して示され、詳細に説明される。
ある具体的な好ましい構成では、前記デバイス11は前記第一の処理フロー14において:
・オリジナル画像信号(Y′,R′−Y′,B′−Y′)に彩度調節を適用して彩度調節された(saturation controlled)画像信号(Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′))を生じる調節手段14a、および、第一の予測画像信号(Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″)を予測する第一の予測手段14bを有している。
前記第一の予測手段14bは図14Bに詳細に示されている。前記予測手段14bは図14Bに示されているように:
・前記彩度調節された画像信号(Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′))を、彩度調節された赤Rs′、緑Gs′、青Bs′の色成分をもつ第一の彩度調節されたRGB画像信号(Rs′,Gs′,Bs′)に変換20し、
・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号(Rs′,Gs′,Bs′)を第二の彩度調節されたRGB画像信号(Rs″,Gs″,Bs″)にガンマ変換22し、
・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号(Rs″,Gs″,Bs″)を前記第一の予測画像信号(Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″)に変換24する、
ための好適な構成要素を有する。
ある具体的な好ましい構成では、前記デバイス11は前記第二の処理フロー16において:
第二の予測画像信号(Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″)の予測をするための第二の予測手段16aを有している。
前記第二の予測手段16aは図14Cに詳細に示されている。前記予測手段16aは図1Cに示されているように:
・オリジナル画像信号(Y′,R′−Y′,B′−Y′)を、赤R′、緑G′、青B′の色成分をもつ第一のRGB画像信号(R′,G′,B′)に変換26し、
・前記第一のRGB画像信号(R′,G′,B′)を第二のRGB画像信号(R″,G″,B″)にガンマ変換28し、
・前記第二のRGB画像信号(R″,G″,B″)を前記第二の予測画像信号(Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″)に変換30する、
ための好適な構成要素を有する。
図14A、図14B、図14Cにおいて記載されているデバイスは、当該方法のさらなる修正に関連して適応されてもよい。該さらなる修正およびその利点はのちに図31、図33、図35、図37を参照しつつ詳細に説明する。

3.1 彩度調節を上げるときの輝度出力の維持
図15では、彩度調節が1.2の場合について、CRT輝度出力維持の結果が3D UCS1976およびクロミナンス″空間において垂直次元としてRGBmax″をとって示されている。図15を図3と比較できるように、ここではFCCのカメラおよびCRTディスプレイシステムを示している。この図の処理フローではf(sat)に対する「一定のY″」という言い方をしているが、「定輝度」の表記は文字通りにとるものではないとする。彩度調節の関数としての輝度はこの提案されている概念においては一定ではなく、測色の定輝度の側面とは比較できないからである。
どのレベルでも、原色および補色のRGBmax″出力が彩度調節が1.0のときのレベルに維持されていることが見て取れる。他のすべての参照点はRGBmax″CRT出力が上がっているが、もちろん輝度Y″出力は維持されている。
図16では、図15の横投影が示されている。これは彩度調節が1.2の場合についてディスプレイの輝度出力を維持しつつRGBmax″出力が上がることをよりよく印象づける。
図15および図16のRGBmax″出力の増加は、対応するディスプレイの原色の輝度出力も同じように増加するということを意味している。ディスプレイの全輝度出力は一定に維持されるので、他の2つの原色は輝度重みが減るべきである。その減少はRGBmax″と一致するディスプレイ原色の輝度の上昇と等しくなければならない。
この通りになっていることはもちろん計算で示せるが、よりよい証明として、彩度を20%上げたあとでレベル4″における67個の参照点についてディスプレイの輝度出力の横投影を示した図を与える。水平の矢印によって、ディスプレイの輝度出力が維持されたことがくっきりと見て取れる。図17の上部には、2D色再現、すなわち上面投影が示されている。これらの結果を図2と比較すると、それらの2D結果はUCS1976色範囲またはクロミナンス″六角形の内部にある色についてはほとんど同じ彩度上昇を示している。図15のディスプレイの輝度出力の維持は、境界付近での彩度のわずかな減少を示している。六角形内部の境界色については劇的に減少したことが成り立っている。RGBmax″の増加がずっと少ないため、3D円錐の効果はずっと小さく、さらにそれらの色相もほとんど維持される。
図18では、当該ディスプレイの輝度出力の2D色再現が、維持なしの場合(六角形の外周の線)と維持ありの場合(六角形の内部の線)の両方について示されているので、それらの差は非常にはっきり見て取れる。

3.2 彩度調節を下げるときの輝度出力の維持
色改善アルゴリズムの開発のためには、高い彩度調節値と同じように低い(局所的)彩度調節値も重要となりうる。「局所的」彩度調節とは、彩度を非常に特定的な色についてのみ修正することを意味する。よって、彩度調節の再現の解析について全面的に説明する。次の6つの図、19から24では、図19、21、23は従来式の彩度調節低下を用いた場合の色再現を示しており、図20、22、24は同じ彩度調節低下で当該ディスプレイの輝度″出力の維持を用いた場合の結果を示している。
この節の図をこれまでの節の図と比較できるよう、ディスプレイの出力にはEBU輝度重みではなくFCC輝度重みを使用する。図19では、UCS1976およびクロミナンス″空間における横投影および上面投影が、従来方式で彩度調節を0.6まで下げるとき場合について輝度″(横)および色再現の両方を示している。彩度調節を1.2に上げる場合について図8で示したように、ここでも当該ディスプレイの輝度″出力の変化は比較的大きい。R=G=B=1.0ボルトについての参照として1cd/m2が与えられているとすると、B=1、R=G=0の青色について、表示出力は0.114から0.043 cd/m2に低下する。
図20では、ディスプレイの輝度″出力の維持を用い、彩度調節を0.6にした場合の色再現が示されている。図19および図20のUCS1976上面投影を比較する限りは何の差もない。図の最終的なu′v′座標は同じである。しかし、クロミナンス″上面投影(ここでY″を垂直次元としている)は、クロミナンス″空間の輝度″出力および3D円錐形における相違のために差が出ている。RGBmax″を垂直次元としたクロミナンス″上面投影は、図19および20のみならず、図21および22においても、また図23および24においても、Y″を垂直次元として示したものと全く同一になることを注意しておく。そうした2D平面では、実際の3D円錐形を、クロミナンス″上面投影における相違の原因の一つと述べてもよかっただろう。
図21では、彩度調節が0.3の場合について表示出力の横投影および上面投影が示されている。B=1、R=G=0の青色について、表示出力は今度は0.114から0.016 cd/m2に低下する。赤、マゼンタ、青の色についてのディスプレイの「輝度」出力が相対的に非常に大きく減少していることが見て取れるであろう。
図22で示したように表示出力の輝度″出力を維持するための回路を用いることで、輝度″は彩度調節が0.3まで下がっても不変のままである。またここで、図21および図22のUCS1976空間の上面投影は全く同一であるのに対し、「クロミナンス」上面投影は上で述べたのと同じ理由により異なっている。
彩度調節を0.0にすると、オリジナルのカラー画像は「白黒」画像となる。図23では、67個の参照点のすべてが色空間の中心の灰色の線にシフトしている。B=1、R=G=0の青色について、表示出力は今度は0.114から0.007 cd/m2に低下する。光出力のほとんど17倍もの減少であり、前記計算によってすでに示したとおりである。
図24に示すように表示出力の輝度″出力を維持するときは、すべての色の輝度″は彩度調節が0.0になっても不変のままである。またここで、図23および図24のUCS1976空間の上面投影は全く同一である。彩度調節が0.0のこの特定の場合では、図23および図24のクロミナンス″上面投影も同一になる。このことが起こるもう一つの特定の場合は、彩度調節が1.0の場合である。B=1、R=G=0の青色で、彩度調節を0.0とすると、表示出力は0.114 cd/m2で同じである。B=1、R=G=0の青い入力光について、彩度調節が0.0の場合、輝度″の維持がない場合とある場合の光出力の計算。光出力が輝度″維持に使われる、彩度調節が1.0の場合については、B′=1、R′=G′=0が成り立つ。彩度調節が0に設定された場合、Rs′=Gs′=Bs′=Y′が成り立つ。従来式の、すなわち輝度″維持のない彩度調節である。
図14で説明したように、R′G′B′信号およびRs′Gs′Bs′信号は、CRT探索表に与えられる。よって、B″=1、R″=G″=0(sat=1.0の場合)で、FCC原色を用いたディスプレイの場合(図24)、光出力Y1″=YBdisplay×B″=YBdisplayすなわち0.114 cd/m2という結果を与える。EBUディスプレイの場合、これは0.07 cd/m2である。sat=0.0の信号ストリームについては、Rs″=Gs″=Bs″=Y″が成り立つ。
光出力Ys″はYs″=YRdisplay×Y″+YGdisplay×Y″+YBdisplay×Y″=Y″となる。ここで、YRdisplay+YGdisplay+YBdisplay=1であることを使っている。
光出力Ys″について、Ys″=Y″=(YBdisplay)γと書くことができ、これはFCCディスプレイの場合(図23)(0.114)2.3=0.007 cd/m2、EBUディスプレイの場合(0.07)2.3=0.002 cd/m2となる。ディスプレイの最終的な輝度出力を維持する場合は、Rs″Gs″Bs″信号にY1″とYs″の商信号を乗じる必要がある(図14)。すなわち:
Ro″=Y″×YBdisplay/Y″=YBdisplay
Go″=Y″×YBdisplay/Y″=YBdisplay
Bo″=Y″×YBdisplay/Y″=YBdisplay
Ro″Go″Bo″信号に対してCRTガンマを打ち消し(図14)、ディスプレイによって再び行うと、結果として光出力Ro=Go=Bo=YBdisplayが、そして結果としてRGBmax″=YBdisplayが得られる。
よって、彩度調節が1.0での相対RGBmax″出力は、図26の下部で示されているように彩度調節が0.0でのYBdisplayの値にまで低下させられている。以前に示されたのと同じ3つの条件について、すなわち彩度調節が0.6、0.3、0.0の場合について、ディスプレイの輝度″出力の維持の分析がUCS1976色空間およびクロミナンス″色空間においてRGBmax″を垂直次元として示されている。
図25では彩度調節が0.6についての結果が示されている。輝度″出力が維持されるときに彩度調節を下げるとRGBmax″値が下がるというのはまごつくかもしれない。しかし、RGBmax″の低下は三原色の一つに関わるものであり、一方輝度″出力は三原色合わせた輝度の寄与に関わるものであることを認識する必要がある。ある原色のRGBmax″の低下は、その原色の光出力も比例して減少するということを意味している。彩度を下げて輝度出力を維持するとき、これは他の二つの原色の輝度寄与が上昇しなければならないことを意味する。彩度調節が0.3および0.0の場合、図26に示されるように、RGBmax″色は比較的大きく減少するようになる。計算のためには十分なビット数を適用することが重要である。8ビット処理の場合、量子化誤差が発生する。8ビットで始めて実数型で計算すれば目に見える量子化誤差は生じない。彩度調節が0.1〜0.4で目に見える量子化を避けるためには少なくとも12ビット以上が必要とされる。

3.3 彩度調節を上げるときのLCDの輝度出力維持
図27には、彩度調節が1.2で輝度″出力の維持がある場合について、式(1)に従うLCDの色分析の横投影が示されている。比較すると、これと図16とは、輝度″維持のない図12(LCD)および図4(CRT)のような場合よりも圧縮量がずっと少なくなっている。任意の画像に対してLCDおよびCRTの結果を模倣するときには、たとえば彩度調節がより大きな1.4であったとしても差はほとんど、あるいは全く気づかないほどである。
図28には、CRT(上)およびLCD(下)について彩度調節が1.4の場合の輝度″維持の結果が示されている。差は大きくなったものの、実際上非常に許容可能であると思われる。

3.4 信号経路における処理が少ないf(sat)に対する輝度出力維持
用途によっては、信号経路または信号の流れにおける処理ステップを最小化することが特に有益でありうる。図29および30では、図14の二つの変形が示されている。ここでは信号の流れにおける処理ステップが減っているが、それにもかかわらず結果は同じになる。
図14において、輝度″維持のための処理経路は彩度調節、Rs′Gs′Bs′信号への変換、CRT探索表、乗算器および逆CRT探索表からなる。図14の回路図のちょっとした再編成によって、二つの探索表は図29に示すようにYs″の計算経路に移すことができる。これはまた逆CRT探索表をY1″/Ys″除算器の結果に作用させることも要求する。図29のRo′Go′Bo′信号は図14と全く同一である。逆CRT探索表後、式(6)(7)のステップは次のように書ける。
(Ro″)1/γ=(Rs″×Y1″/Ys″)1/γ
(Go″)1/γ=(Gs″×Y1″/Ys″)1/γ
(Bo″)1/γ=(Bs″×Y1″/Ys″)1/γ
(Ro″)1/γ=Ro′であるから、次のようになる。
Ro′=Rs′×(Y1″/Ys″)1/γ
Go′=Gs′×(Y1″/Ys″)1/γ (8)
Bo′=Bs′×(Y1″/Ys″)1/γ
式(8)はまさに図29において実行されていることである。
図30は、信号経路ではルーマおよび色差信号をそのまま使うことも可能であることを示している。Yo′、(R′−Y′)o、(B′−Y′)o信号をRGB信号に変換すると、図14および図29のRo′Go′Bo′信号が得られる。
Yo′=Y′×(Y1″/Ys″)1/γ
(R′−Y′)o=sat×(R′−Y′)×(Y1″/Ys″)1/γ (9)
(B′−Y′)o=sat×(B′−Y′)×(Y1″/Ys″)1/γ
Y′、sat×(R′−Y′)、sat×(B′−Y′)信号を変換すると、Rs′Gs′Bs′信号が生じる。これらの信号に式(8)に従って(Y1″/Ys″)1/γをかけることで、彩度調節に対する輝度″維持を図30に示すようにY′、sat×(R′−Y′)、sat×(B′−Y′)を用いて処理することもできるのである。

3.5 PDPの輝度出力の維持
本発明の概念には大きな利点がある。たとえば、本発明は線形領域でも機能する。たとえばPDPディスプレイまたは彩度も組み込んだ線形化ディスプレイマトリクスのような場合である。線形領域では輝度は彩度に対して一定に留まる。しかし、PDPまたは線形化ディスプレイマトリクスと組み合わせた彩度調節においては、そのようなディスプレイは負の信号重みを扱うことができないので問題が生じるのが通例である。
先述した施策はPDPにも適用可能である。CRTまたはLCDの場合と同じ電子回路を適用できる。それにより利点があるかどうかは別の問題であるが、PDPの線形変換のため、彩度調節はCRTガンマの模倣後に置くことが可能である。カメラガンマおよび模倣されたCRTガンマに依存して、全体としての変換はより線形性がよくなり、その結果、CRT前に置かれた場合よりも彩度を上げたのちの振幅増がずっと小さくなる。図31では、PDPについての処理図が示されている。送信されるルーマおよび色差信号は原色信号、すなわちカメラのR′G′B′信号に変換される。節3の式(2)で述べたのとちょうど同じである。
R′=(R′−Y′)+Y′
G′=(G′−Y′)+Y′
B′=(B′−Y′)+Y′
ここで、(G′−Y′)=−(YR/YG)×(G′−Y′)−(YB/YG)×(G′−Y′)である。
YR、YG、YBの輝度重みはFCC送信規格に従う。CRTガンマの模倣後、出力された信号R″、G″、B″は輝度信号Y″および色差信号R″−Y″、B″−Y″に変換で戻され、これで彩度調節ができる。PDPを駆動するためのRs″、Gs″、Bs″信号への変換後、次の関係が成り立つ。
Ro″=Rs″=sat×(R″−Y″)+Y″
Go″=Gs″=sat×(G″−Y″)+Y″ (10)
Bo″=Bs″=sat×(B″−Y″)+Y″
R″G″B″信号がY″、R″−Y″、B″−Y″に変換されるときに(G″−Y″)も利用できることは当然としている。カメラのガンマがCRTのガンマの逆数だとすると、彩度調節を20%上げたのちには付録の図38から図40および節2.2の図5および図6で示されているのと同じ色再現が得られる。負の原色重みを生成することはできないので、PDPの最終的な光出力は付録の図42および図43のようになる。しかし、輝度出力は次の図32のようになる。上にはレベル4″のみの結果が、下にはレベル1″から4″の結果が示されている。左側に示されているのがUCS1976色空間で、右側はクロミナンス″空間である。どのレベルでも、境界では輝度誤差が生じていることが見て取れる。このことは、色空間内部であっても彩度調節を上げる値を大きくしたときに外側境界をまたぐ色すべてについてあてはまる。
輝度出力のこの上昇を防ぐ方法は、PDPの輝度出力維持を、図33に示すように彩度調節の結果に応じて適用することである。点線の部分が図31に比べて追加で必要となる回路を示す。
彩度調節およびRs″、Gs″、Bs″信号への変換後、負の原色重みはブロック「負の色重みを防止」で次に従って0に設定される。
if Rs″<0 then Rs″=0
if Gs″<0 then Gs″=0
if Bs″<0 then Bs″=0
次に,輝度信号Ys″がこれらの信号を用いて計算されるが、その結果は0以上となる。
Ys″=YRdisplay×Rs″+YGdisplay×Gs″+YBdisplay×Bs″
適正な輝度″維持のためには、PDPの輝度重みを使うことが必要である。これはまた、CRT変換の模倣後、R″G″B″からY″、R″−Y″、B″−Y″への変換において、そしてまたRs″Gs″Bs″信号への変換においてもPDP輝度重みを使うべきだということをも意味している。Y″については次式が成り立つ。
Y″=YRdisplay×R″+YGdisplay×G″+YBdisplay×B″
PDP輝度重みを使うとFCC原色の場合とはいくぶん異なる彩度調節を生じる。しかし、差はどちらかというと小さく、Y″維持によってそれはさらに最小化される。この機能については、次が成り立つ。
Ro″=Rs″×Y″/Ys″
Go″=Gs″×Y″/Ys″
Bo″=Bs″×Y″/Ys″
これがPDPに送られる信号である。このPDP輝度″出力維持の結果が図34に示されている。

3.6 f(sat)に対してY″を維持するときの輝度″出力の追加増幅
CRTディスプレイとPDPディスプレイはそれぞれLCDディスプレイよりも大きな輝度″出力を許容する。彩度調節を上げるときに、ディスプレイの種類に依存して、該ディスプレイの輝度出力を維持するための補正因子(Y1″/Ys″)に(小さな)利得因子を乗じることができる。図14の式(6)については、これは補正因子(Y1″/Ys″)に「ExtraYMaintenance」と呼ばれる因子を乗じることを意味する。この結果、式(6)は次のように修正される。
Ro″=Rs″×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)
Go″=Gs″×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″) (11)
Bo″=Bs″×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)
パラメータExtraYMaintenanceについては、1よりやや大きいよう調整できる「YmaintGain」と呼ばれる第一の変数と、ピクセルの彩度の真の量の尺度である第二のパラメータRGBsat″との積である。ディスプレイの追加輝度出力は彩度調節が1より大きいときに有効となる。すなわち:
if sat>1.0 then
ExtraYMaintenance=1+(YmaintGain−1)×RGBsat″ (12)
else
ExtraYMaintenance=1.0
RGBsat″は次式で与えられる:
RGBsat″=(RGBmax″−RGBmin″)/RGBmax″ (13)
ここで、RGBmax″は3つのR″G″B″信号の最大値を、RGBmin″はそれらの最小値を表している。
図14にExtraYMaintenanceを追加したものが図35である。点線が主要な信号経路を示している。
図36に、sat=1.4でYmaintGain=1.10についてのExtraYMaintenanceを使った例が、UCS1976およびクロミナンス″空間についてY″を縦方向にとって、斜めの矢印として示している。比較基準としてExtraYMaintenanceなし(YmaintGain=1.0)の場合の結果が水平な矢印で示されている。
式(12)でRGBsat″パラメータを入れた理由は、RGBsat″がカラーピクセルの彩度の関数として線形に増加することである。これによりY″軸上にある灰色についての望ましくない追加的な利得が防止され、カメラガンマとCRTガンマが相補的になっている場合にはExtraYMaintenanceが境界に向かって比例的に増加するようになる。YmaintGain=1.10の場合、境界で10%の最大輝度″増が生じる。これは境界におけるRGBmax″出力についても成り立つ。
カメラガンマとCRTガンマが相補的になっている場合、図35におけるR″G″B″信号は線形になる。結果として、RGBsat″パラメータは境界に向かって線形に増加する。しかし、RGBsat″信号の代わりに、CRTガンマの模倣の前にR′G′B′信号を使ってRGBsat′信号を適用することも可能である。RGBsat″信号との唯一の違いは、ExtraYMaintenanceの増加は今の場合には境界に向かって非線形になるということである。図29および図30で示した信号経路での処理を少なくする二つの輝度″維持の図については、ExtraYMaintenanceを可能にするためには式(8)および(9)を修正する必要がある。
式(8)は次のようになる:
Ro′=Rs′×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ
Go′=Gs′×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ (14)
Bo′=Bs′×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ
式(9)については次が成り立つ:
Yo′=Y′×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ
(R′−Y′)o=sat×(R′−Y′)×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ (15)
(B′−Y′)o=sat×(B′−Y′)×(ExtraYMaintenance×Y1″/Ys″)1/γ
式(12)に対応して次が成り立つ:
if sat>1.0 then
ExtraYMaintenance=1+(YmaintGain−1)×RGBsat′ (16)
else
ExtraYMaintenance=1.0
式(16)では式(12)におけるRGBsat″の代わりにRGBsat′が適用されていることがわかるであろう。
図29と図30は似ているので、図30についてのみExtraYMaintenance乗算を用いたブロック図を示す。図37から、ExtraYMaintenance乗算が、RGBsat′信号を得るために非線形なR′G′B′信号を使って、カメラガンマとCRTガンマとの間の非線形空間において行われていることが明らかになる。CRT後は、輝度″出力は境界に向かってRGBsat′の関数として比例的に増加する。主要な信号経路は点線で示されている。


付録 線形色空間における彩度調節
図38は2D線形クロミナンスおよびUCS1976平面における67の参照点について彩度調節1.2の効果を示している。見て取れるように、参照点は境界に向かって、白色点と参照点とを通る線に沿って外側に移動している。参照点の白色点からの距離が大きいほど、彩度上昇も大きくなる。未換算色差信号を用いたクロミナンス平面についてのみ、彩度上昇が、境界色への比例した距離をもつさまざまな色について等しくなる。図38の彩度上昇は未換算色差信号を用いたものとはわずかに異なっている。ここでは円2近似が適用されているからである。
図39は、線形の3D RGBmax色空間において彩度調節の20%の上昇を示している。3D彩度上昇は2つのベクトルの合成として見ることができる。一方のベクトルは水平面内で一種の彩度成分を表しており(このRGBmax 3D色空間では「一種の彩度成分」という言い方をする。彩度の定義は使用する色空間に依存するからである。節3.2で明らかになるように、輝度信号を垂直次元に取った3D色空間内の彩度成分はRGBmaxを垂直次元に取ったものとは異なる)、もう一方のベクトルは垂直方向であり、RGBmax振幅増加である。後者が3つのRGB色のうち一つの信号上昇を表すのみであるということを強調しておく。これは3つの信号のうちの2つの最大値が等しいYe-Cy-Ma補色の場合を除いていえることである。色再現誤差を防止するため、ディスプレイおよびそのドライバのほか電子回路もこのRGBmax信号を扱うことができるべきである。UCS1976空間の4つのレベルの上面投影は全く同一である。それらはみな、図38のUCS1976平面に等しい。クロミナンス空間の上面投影に関しては、レベル4のみが図38と一致する。
図40は図39の横投影を示している。これは彩度調節の20%増に起因するRGBmax振幅の印象を与えている。一番上のレベル4では、最大振幅は青色に対するB信号、すなわちB=1、R=G=0のものであり、B=sat×(B−Y)+Y=1.2×(1.0−0.114)+0.114=1.1772、すなわち0.1772のRGBmax増である。レベル4の境界で完全に飽和した線形入力色に関しては、イエローの色が最小のRGBmax値をもつ。任意の色のRGBmax信号の上昇は一番上(レベル4)のRGBmax増に線形RGBmax入力信号とレンジとの比を乗じたものに比例する。例:レベル3ではB=0.75、R=G=0の青色のRGBmaxの上昇は、0.1772×0.75/レンジ である。今の場合、レンジは1ボルトである。
図39でUCS1976空間の外に出る彩度矢印をもつすべての色は負の原色重みをもつ。図41では、負のRGB重みが生じる場所を示している。信号処理回路が負の色信号を処理できる範囲を超えた効果は、その色再現を分析するときに見ることができる。信号処理の間の実験室画像の色分析の場合、負の色重みは、もとのカメラの色範囲がEBUやHDTVのものより大きかったという誤った結論に導きうる。負の色を0に制限することによってこれは防ぐことができる。
再び図1を参照し、負のRGB信号を0に制限するのをディスプレイマトリクスより前に行わないことを触れておくべきだろう。そうした場合、修復不能な色再現誤差を引き起こし、色誤差を最小限にするというディスプレイマトリクスの目標にもとることになってしまう。
最後に、信号処理の間の実験室画像の色分析に関しては上述したように負の色重みがもとのカメラの色範囲が今のEBUやHDTVのものより大きかったという誤った結論に導きうるが、負の色信号が0に制限されたらどうなるかについて図42および図43を援用して説明する。
図42は彩度調節1.2に起因する負の色が0に制限されたときの色再現を示している。これを図38と比較すると、境界における過飽和色がUCS1976色範囲内に留まっているがRGB原色のほうにずれていることが明らかとなる。クロミナンス平面での結果は、いまだに彩度が上昇しているように見えるので誤解を招きやすい。この「上昇」は3Dクロミナンス空間の円錐形によって引き起こされている。
負の色を制限しても、図43の右側では色ベクトルの振幅成分が外に向かうクロミナンス円錐空間に沿うことが見て取れる。これは改めてクロミナンスまたはクロマ平面における2D分析がきわめて誤解を招きやすいものであって、2D UCS1976平面も示すことが有用であることを明らかにする。図43を図39と比較すると、負の色重みの制限は色の垂直なRGBmax成分には影響しないことが見て取れる。
UCS1976空間の4つのレベルの上面投影は全く同一である。それらはみな、図42のUCS1976平面に等しい。クロミナンス空間の上面投影に関しては、レベル4のみが図42と一致する。
まとめると、現行のテレビにおいては、ユーザーによる彩度調節はカメラに内在的なガンマ変換に起因する非線形な信号領域において実行される。その結果、彩度調節を上げると誇張された色が表示されることになる。本発明は、
・輝度成分(Y′)と色成分(R′−Y′,B′−Y′)とを有するオリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))を第一の処理フローおよび第二の処理フローに提供し、
ここで
前記第一の処理フローが:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号((Y′,sat×(R′−Y′),sat×(B′−Y′)))を生じ、
そのさらなる処理によって第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))を予測するステップを有しており、
前記第二の処理フローが:
オリジナル画像信号((Y′,R′−Y′,B′−Y′))の処理によって第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))を予測するステップを有しており、
・前記第一の予測画像信号((Ys″,Rs″−Ys″,Bs″−Ys″))の輝度(Ys″)を前記第二の予測画像信号((Y1″,R1″−Y1″,B1″−Y1″))の輝度(Y1″)と比較することによって補正因子(Y1″/Ys″)を与え、
・前記補正因子(Y1″/Ys″)を適用して前記第一の処理フローの画像信号の一つを補正して表示信号((Ro′,Go′,Bo′))を与える、
ステップを有することを特徴とする輝度調節方法を提供する。
それにより、本発明は彩度調節に対して輝度出力を一定に維持する。すなわち、ディスプレイの輝度が、彩度が修正された場合について予測される。この予測された輝度は彩度を上げるか下げるかによってより高いかより低いかするが、これが彩度が修正されていない場合の予測される輝度と比較される。この比が、画像信号がディスプレイに加えられる前に、彩度を修正した画像信号に適用される。結果として、彩度調節を上げたときに、従来の彩度調節方法では誇張されて不自然な色再現が生じるところ、非常に自然な色の変化が起こる。
本発明の主立った実施形態は図14、図29、図30との関連で概説されている。
テレビシステムの色彩機能の基本図である。 1.2の彩度調節後の、2D一様色度スケール(Uniform Chromaticity-Scale)面(UCS)1976の色平面(下)およびクロミナンス″色平面(上)におけるCRT出力を示す図である。 1.2の彩度調節後の、3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(右)における相対RGBmax″光出力を示す図である。 CRTディスプレイについての、1.2の彩度調節後の、3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(右)における相対RGBmax″の横投影を示す図である。 1.2の彩度調節を、線形UCS1976色空間(左)およびクロミナンス3D色空間(右)において、垂直軸上に輝度信号をとって示す図である。 1.2の彩度調節を、線形3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス色空間(右)において、垂直方向に輝度信号Yをとって横投影で示す図である。 3D UCS1976色空間(左)およびクロマ色空間(右)において垂直方向に輝度信号Y′をとった、カメラガンマ1/2.3後の1.2の彩度調節の横投影を示す図である。 3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(右)において垂直方向にY″出力をとった、カメラガンマ1/2.3およびCRTガンマ2.3後の1.2の彩度調節の横投影を示す図である。 3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(中)をY″出力を欧州放送連合(EBU: European Broadcasting Union)輝度重みで表して示し、右側にはクロミナンス″の横投影を示した図である。 規格化されたLCD変換曲線を示す図である。 2D UCS1976平面(下)およびクロミナンス″平面(上)において、1.2の彩度調節後のCRT出力(左)およびLCD出力(右)の差を示す図である。 LCDディスプレイについて、1.2の彩度調節後の、3D UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(右)における相対RGBmax″の横投影を、参照入力点として線形入力信号を使って示す図である。 UCS1976およびクロミナンス″空間の横投影において、1.2の彩度調節後のCRT出力(左)およびLCD出力(右)の差を示す図である。 本発明に基づく輝度調節装置のブロック図である。 本発明に基づく輝度調節装置の好ましい実施形態の主要な部分を示す図である。 本発明に基づく輝度調節装置の好ましい実施形態の第一の予測手段を示す図である。 本発明に基づく輝度調節装置の好ましい実施形態の第二の予測手段を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にRGBmax″をとった1.2の彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にRGBmax″をとった1.2の彩度調節後の表示のY″の維持の横投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった1.2の彩度調節後の表示出力の輝度″維持の横投影を示す図である。 1.2の彩度調節後の輝度″出力Y″の維持がない場合とある場合の2D色再現の差を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.6の彩度調節後の表示出力の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.6の彩度調節後の表示出力の輝度″維持の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.3の彩度調節後の表示出力の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.3の彩度調節後の表示出力の輝度″維持の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.0の彩度調節後の表示出力の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった0.0の彩度調節後の表示出力の輝度″維持の横投影および上面投影を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にRGBmax″をとった0.6の彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にRGBmax″をとった0.3(上)および0.0(下)の彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持を示す図である。 LCDディスプレイについて、UCS1976色空間(左)およびクロミナンス″色空間(右)において、彩度調節1.2に対するLCD出力のY″維持の横投影を示した図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にRGBmax″をとった1.2の彩度調節後のCRT(上)およびLCD(下)の出力のY″維持の横投影を示す図である。 図14に示した彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持の第一の変形を示す図である。 図14に示した彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持の第二の変形を示す図である。 PDPディスプレイについての彩度調節を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとった、負の原色重みのないPDP輝度″出力を示す図である。 PDPについて彩度調節後の輝度″出力Y″の維持を示す図である。 UCS1976空間(左)およびクロミナンス″空間(右)において垂直軸上にY″をとったY″維持のあるPDP輝度″出力を示す図である。 彩度調節およびExtraYMaintenanceパラメータを用いた追加輝度″のオプション後の表示の輝度″出力Y″の維持を示す図である。 sat=1.4の場合の輝度″出力Y″維持を、水平線によってYmaintGain=1.0の場合、斜めの線によってYmaintGain=1.1の場合について示す図である。 図14で示した彩度調節後の表示の輝度″出力Y″の維持の第二の変形を示す図である。 線形UCS1976およびクロミナンス色平面における彩度調節の20%の増加を示す図である。 線形UCS1976空間(左)および三次元(3D)色空間(右)において垂直軸上にRGBmaxをとった1.2の彩度調節を示す図である。 線形UCS1976空間(左)およびクロミナンス色空間(右)の横投影を、RGBmax振幅増を1.2の彩度調節で示す図である。 信号処理の間の負の原色重みの位置を示す図である。 線形クロミナンス平面(上)およびUCS1976平面(下)における負の色の重みを防止するための概念を示す図である。 線形3D UCS1976空間(左)およびクロミナンス色空間(右)における負の色の重みを防止するための概念を示す図である。
符号の説明
2 カメラ
2a レンズ
2b センサー
2d RGB再構築
2e 3×3カメラマトリクス
2f ガンマ
2g R′G′B′を変換
2h 彩度調節/黒レベル調節
6 符号化
7 転送媒体
8 復号
9 ディスプレイ
9a 彩度調節/黒レベル調節
9b R′G′B′に変換
9c 3×3ディスプレイマトリクス
9d CRT

Claims (15)

  1. ・輝度成分と色成分とを有するオリジナル画像信号を第一の処理フローおよび第二の処理フローに提供し、
    ここで
    前記第一の処理フローが:
    オリジナル画像信号に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号を生じ、
    そのさらなる処理によって第一の予測画像信号を予測するステップを有しており、
    前記第二の処理フローが:
    オリジナル画像信号の処理によって第二の予測画像信号を予測するステップを有しており、
    ・前記第一の予測画像信号の輝度を前記第二の予測画像信号の輝度と比較することによって補正因子を与え、
    ・前記補正因子を適用して前記第一の処理フローの画像信号の一つを補正して表示信号を与える、
    ステップを有することを特徴とする輝度調節方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記第一の処理フローが:
    オリジナル画像信号の色成分に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号を生じ、
    前記第一の予測画像信号の予測を:
    ・前記彩度調節された画像信号を、彩度調節された赤、緑、青の色成分をもつ第一の彩度調節されたRGB画像信号に変換し、
    ・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号を第二の彩度調節されたRGB画像信号にガンマ変換し、
    ・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号を前記第一の予測画像信号に変換する、
    ことによって行うステップを有していることを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、
    前記第二の処理フローが:
    前記第二の予測画像信号の予測を:
    ・オリジナル画像信号を、赤、緑、青の色成分をもつ第一のRGB画像信号に変換し、
    ・前記第一のRGB画像信号を第二のRGB画像信号にガンマ変換し、
    ・前記第二のRGB画像信号を前記第二の予測画像信号に変換する、
    ことによって行うステップを有していることを特徴とする方法。
  4. 請求項2記載の方法であって、前記補正因子の適用が:
    ・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号に前記補正因子を乗じ、
    ・前記の乗算された第二の彩度調節されたRGB画像信号を逆ガンマ変換して表示信号を与える、
    ことによって行われることを特徴とする方法。
  5. 請求項2記載の方法であって、前記補正因子の適用が:
    ・前記補正因子を逆ガンマ変換し、
    ・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号に前記逆ガンマ変換された補正因子を乗じて表示信号を与える、
    ことによって行われることを特徴とする方法。
  6. 請求項2記載の方法であって、前記補正因子の適用が:
    ・前記補正因子を逆ガンマ変換し、
    ・前記彩度調節された画像信号に前記逆ガンマ変換された補正因子を乗じて表示信号を与える、
    ことによって行われることを特徴とする方法。
  7. 輝度を調節するための輝度調節装置であって、
    ・輝度成分と色成分とを有するオリジナル画像信号を第一の処理フローおよび第二の処理フローに提供する入力手段であって、
    前記第一の処理フローが:
    オリジナル画像信号に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号を生じる調節手段、および、
    そのさらなる処理によって第一の予測画像信号を予測する第一の予測手段を有しており、
    前記第二の処理フローが:
    オリジナル画像信号の処理によって第二の予測画像信号を予測する第二の予測手段を有しているような入力手段と、
    ・前記第一の予測画像信号の輝度を前記第二の予測画像信号の輝度と比較することによって補正因子を与える比較手段と、
    ・前記補正因子を適用して前記第一の処理フローの画像信号の一つを補正して表示信号を与える作用手段、
    とを有することを特徴とする装置。
  8. 請求項7記載の輝度調節装置であって、前記第一の処理フローが:
    オリジナル画像信号に彩度調節を適用して彩度調節された画像信号を生じる調節手段と、
    第一の予測画像信号の予測を:
    ・前記彩度調節された画像信号を、彩度調節された赤、緑、青の色成分をもつ第一の彩度調節されたRGB画像信号に変換し、
    ・前記第一の彩度調節されたRGB画像信号を第二の彩度調節されたRGB画像信号にガンマ変換し、
    ・前記第二の彩度調節されたRGB画像信号を前記第一の予測画像信号に変換する、
    ことによって行う第一の予測手段、
    とを有していることを特徴とする装置。
  9. 請求項7記載の輝度調節装置であって、
    前記第二の処理フローが:
    第二の予測画像信号の予測を:
    ・オリジナル画像信号を、赤、緑、青の色成分をもつ第一のRGB画像信号に変換し、
    ・前記第一のRGB画像信号を第二のRGB画像信号にガンマ変換し、
    ・前記第二のRGB画像信号を前記第二の予測画像信号に変換する、
    ことによって行う第二の予測手段を有していることを特徴とする装置。
  10. 前記補正因子を適用するための前記作用手段が請求項4ないし6のうちいずれか一項記載の方法ステップを実行するよう適応されていることを特徴とする、請求項7記載の輝度調節装置。
  11. 画像を取り込み、オリジナル画像信号を提供するための取り込み手段と、
    前記オリジナル画像信号を符号化し、転送し、復号する転送手段と、
    前記オリジナル画像信号を受信して表示信号によって前記画像を表示するための表示手段、
    とを有することを特徴とする映像システムによって形成される、請求項7記載の輝度調節装置。
  12. オリジナル画像信号の形で画像を受信し、表示信号によって前記画像を表示する表示手段によって形成されることを特徴とする請求項7記載の輝度調節装置であって、
    具体例として当該輝度調節装置がLCDとして、特にコンピュータLCDディスプレイとして形成される装置。
  13. オリジナル画像信号の形で画像を受信し、表示信号によって前記画像を表示する表示手段によって形成されることを特徴とする請求項7記載の輝度調節装置であって、
    具体例として当該調節装置がプリンタとして、特にコンピュータコンピュータのためのプリンタとして形成される装置。
  14. コンピューティングシステム、映像システムおよび/またはプリンタシステム上で実行されたときに、前記コンピューティングシステム、映像システムおよび/またはプリンタシステムをして請求項1ないし6のうちいずれか一項記載の方法を実行するよう誘導するソフトウェア・コード・セクションを有する、コンピューティングシステム、映像システムおよび/またはプリンタシステムによって可読な媒体上に保存可能なコンピュータプログラム。
  15. 請求項14記載のコンピュータプログラムを実行および/または保存するためのコンピューティングシステム、映像システムおよび/またはプリンタシステムならびに/または半導体デバイスならびに/または記憶媒体。
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