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JP2007324186A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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JP2007324186A JP2006149761A JP2006149761A JP2007324186A JP 2007324186 A JP2007324186 A JP 2007324186A JP 2006149761 A JP2006149761 A JP 2006149761A JP 2006149761 A JP2006149761 A JP 2006149761A JP 2007324186 A JP2007324186 A JP 2007324186A
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Tadayoshi Kawaguchi
忠義 川口
Muneo Furuse
宗雄 古瀬
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Hitachi High Technologies Corp
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Abstract

【課題】長期間安定して被処理対象の試料を微細加工処理でき、かつエッチングレートの均一性にも考慮したプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】処理室200内に配置された保持ステージ209を保護するサセプタ236を具備し、プラズマを発生して保持ステージに載置されたウエハをプラズマ処理するプラズマ処理装置において、サセプタは少なくともウエハ端部の直下に位置する表面、又はプラズマと接する表面を酸素を含まない成分とした耐プラズマ性材料、例えばYF3等の希土類元素のフッ化物、又はこれらの混合材で被覆する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体製造プロセス等の微細加工に適用されるプラズマ処理装置に係り、特に保持ステージの損傷が少なく、長期にわたり安定した微細加工が可能なプラズマ処理装置に関する。
シリコンウエハなどの被加工材(試料)を加工して半導体デバイスを製作する半導体製造装置として、プラズマCVDやプラズマエッチング装置などのプラズマ処理装置が広く使用されている。近年、デバイスの高集積化に伴い回路パターンは微細化の一途をたどっており、これらのプラズマ処理装置に要求される加工寸法の精度は、ますます厳しくなっている。更に、デバイスの構成材料の多様化に伴って、エッチングレシピも複雑となり長期量産安定化も重要な課題となっている。
例えば、処理ガスとしてフッ素系ガス(CwHxFyとSFzの混合ガス、但し、w,x,y,zは任意の整数))を使用したPoly−Siのエッチングレートは、外周高の不均一な分布になり易い。コイル電流等のパラメータで均一性をより改善することは可能であるが、逆に放電不安定などの問題が起こるために、エッチングレートの均一性と放電安定性を両立させることは難しい。エッチングレートの制御性はCDの制御性にも影響するため今後更なる微細化が進むに連れて微細加工が難しくなる場合がある。
また、プラズマ処理装置ではフッ化物や塩化物、更には臭化物などの反応性ガスのプラズマを用いるために、処理室壁面や保持ステージが化学的及び物理的に侵食される。そのため、ウエハ処理枚数の増加に伴って、反応生成物が処理室内壁に付着することにより、長期的に安定した処理が不可能となる場合がある。
また、侵食された処理室の壁面部材とプラズマ中の活性なラジカルとが化学反応を起こし、処理室内壁に異物として再付着する場合もある。内壁に再付着した異物は、エッチングを繰り返すことで次第に厚さが増し、最悪の場合は異物がウエハ上に剥がれ落ちて製品不良を引き起こすことがある。
特に、保持ステージは高周波が印加されるので顕著に侵食されてしまう。侵食された部材がプラズマ中に放出すると、ウエハ処理枚数の増加に伴って、処理室内の化学組成や高周波伝播が徐々に変化して、長期的に安定した処理が不可能となる場合がある。
このような問題を対処するために、エッチングレートの均一性の改善に関してはウエハ外周部にSi製のフォーカスリング等が用いられている。また、耐プラズマ性に関しては保持ステージに高純度の焼結アルミナや石英が用いられることが多い。
しかしながら、Si製のフォーカスリングでは反応性ガスにより削られ易いため長期量産安定化には対応できない。また、近年ではアルミニウムの汚染低減も重要な課題となってきており、更に長期間に渡り安定して処理を続ける上で、アルミナ、石英以外の耐プラズマ性材料が考えられている。
このような従来技術として、例えば、特許文献1や特許文献2に開示された例を挙げることができる。この従来技術では、処理室内に配設されている部材の表面にフッ化イットリウム(YF)を形成、又は焼結したフッ化イットリウムを用いる方法が開示されている。
さらに、特許文献3に開示された従来技術では、フォーカスリングや絶縁リングにバリア機能を持たせるために、周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス材料で被覆した構造が開示されている。
特開2002−252209号公報 特開2005−243988号公報 特開2004−260159号公報
上記従来技術において、従来から用いられてきたアルミナ・石英では、長期にわたり安定した処理を保証する目的からは耐プラズマ性が不十分であった。更に、アルミナが削れて生じたアルミニウムによって被処理対象である半導体ウエハの表面に汚染が生じてしまうことが指摘されていた。
また、従来の技術は、耐プラズマ性の観点からは有効ではあるが、部材の耐熱、耐久性や、高寿命の配慮がなされておらず、耐プラズマ性材料の効果を充分に引き出しているとは言いがたい。また、エッチングレートの均一性に関しては全く考慮されていなかった。
すなわち、従来のプラズマ処理装置でCwHxFyとSFzの混合ガスを用いたエッチング処理を行なうと、ウエハ処理枚数の増加に伴ってウエハ端部直下のサセプタ内側の段差で削れが進行する。その削れの状況について、詳細に説明する。
図12に、従来例におけるサセプタの拡大図を示す。234は静電吸着電極、235は誘電体膜、236はサセプタであり、Wはウエハを示している。
また、図13に、従来例に基づくサセプタ236表面の削れの状況を示す。同図に示すように、アルミナ(Al)の焼結体であるサセプタ236では、ウエハWの処理枚数の増加に伴って、図12中の矢印で示す範囲(ウエハW端部の直下)が著しく削られてしまう。すなわち、ウエハWの端部直下が著しく削れ、その値は表面の他の部分の数倍に達する。削られた表面を詳細に観察すると、反応生成物などは観られず平滑な様相を示す。すなわち、静電吸着電極234では高周波が印加されるので、印加した高周波による物理的なスパッタリングや、ハロゲンガスによる化学的なエッチングによってウエハW端部直下で削れが生じる。
また、ウエハW端部直下の領域で著しい侵食を受ける原因は、次のような3点の複合によるものと考えている。第1の要因は高周波の印加時に生じるウエハ端部での電界集中、第2に第1の要因と関係するが、電極カバー表面に形成されるイオンシース部の湾曲によるレンズ効果、第3に電極カバー3部のテーパ部に突入したイオンの跳ね返りによるためのイオン集中と考えている。なお、イオンシースは、プラズマ中の電子が高速で移動するので、取り残されたイオンにより生じる電場である。
従来例の構成に基づくプラズマ処理装置において、放電室(処理室)内におけるCHxFy、SFzの混合ガスによるPoly−Siのエッチングレートの分布を図14に示す。同図に示すように、放電室内のウエハW表面の処理速度(エッチングレート)は、ウエハWの半径方向外周側の方が中央側よりも高い分布となりやすい。このような分布をコイル電流等を調節して改善することは可能ではあるが、逆に放電不安定などの問題が起こるために、均一性と放電安定性を両立させることは難しいものとなっていた。
このように、従来技術では、試料台内に配置された電極により静電吸着された半導体ウエハ等の試料に対して生じたプラズマの電位の不均一や偏りによって、特定の部分が他の部分よりも多くプラズマの入射を受けて削れてしまう。つまり、プラズマの入射が集中する部位が、部材の交換時期、ひいては装置の稼働率や効率に大きく影響を与え、他の部分では交換時期に達していなくとも交換を行わなければならず、部材の交換時期が来てしまうという問題点については考慮されていなかった。
また、エッチング面においては、エッチングレートの均一性が不均一であるためにCDの制御性が難しく、更なる微細加工が困難であった。
本発明の目的は、CwHxFy、SFzの混合ガスを用いたエッチング装置において、長期間安定して被処理対象の試料を微細加工処理でき、かつエッチングレートの均一性にも考慮したプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために次のような手段を採用した。
本発明は、真空容器の内側に配置された処理室と、該処理室内に配置された試料台を備え、該処理室内にフッ素及び炭素を含む処理用ガスを供給してプラズマを形成し該プラズマを用いて前記試料台の試料載置面上に載置された試料を処理するプラズマ処理装置であって、前記試料台は、前記試料載置面の下方に設けられ高周波電力が印加される電極と、前記試料台の上部であって前記試料載置面の外周側に配置され前記プラズマに面するリング状部材とを備え、前記リング状部材は、前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する内周端部を有し、該内周端部の上面が酸素を含まない耐プラズマ性材料で被膜されている、ことを特徴とするプラズマ処理装置である。
また、本発明は、真空容器の内側に配置された処理室と、該処理室内に配置された試料台を備え、該処理室内にフッ素及び炭素を含む処理用ガスを供給してプラズマを形成し該プラズマを用いて前記試料台上の試料を処理するプラズマ処理装置であって、前記試料台上面に配置され前記試料が載置される試料載置面と、該試料載置面の外周側に配置され前記試料台上に載せられたリング状部材と、前記試料載置面及び前記リング状部材の下方の前記試料台内部に配置され高周波が印加される電極と、前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する前記リング状部材の内周端部分の表面に形成され、酸素を含まない耐プラズマ性材料からなる被膜、とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置である。
また、前記被膜の材料は、YF等の希土類元素のフッ化物及び炭素を含む材料である。
本発明によれば、長期間安定して被処理対象の試料を微細加工処理でき、かつエッチングレートの均一性にも考慮したプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明の実施例について、以下、図面を用いて詳細に説明する。
図1ないし図5により、本発明の一実施例に係るプラズマ処理装置の構成を説明する。図1は、本実施例に係るプラズマ処理装置用の試料台の一部断面を示す斜視図である。図2に、図1におけるサセプタの斜視図を示す。図3に、サセプタの溶射位置を示す。図4に本発明の一実施例に係る試料台を採用した処理チャンバ部の構成の概略を示し、図5に、この処理チャンバ部が組み込まれるプラズマ処理(真空処理)装置の全体構成の例を示す。
まず、図1を用いて、試料台の構造について詳細に説明する。図1は、プラズマ処理装置において半導体ウエハWの保持ステージとして使用される、試料台209の一部を断面した斜視図である。
試料台209は、アルミニウム製の静電吸着電極234、誘電体膜235、及びサセプタ(フォーカスリング)236を備えている。静電吸着電極234内には、温調ユニット301において所定の温度に調節されて供給されており、冷媒が循環する流路が形成されている。サセプタ236は、誘電体膜235を保護するためのカバーである。また、試料台209の大きさは、12インチ(直径300mm)の半導体ウエハを対象とした場合には、直径が340mmで、全体の厚さが40mmである。静電吸着電極234には、静電吸着用の高電圧電源237と、たとえば200kHzから13.56MHzの範囲のバイアス電力を供給するバイアス電源238がマッチング回路239を介してそれぞれ接続される。なお、本実施例では、バイアス電源238の周波数を2MHzとしている。
ウエハの載置面を構成する誘電体膜235には、放射状に伸びる直線状のスリット302と、これに連通した複数条の同心円状のスリット303とが設けてあり、これらに連通して開口されたガス導入孔304からは伝熱用のHeガスが導入され、スリットによりウエハの裏面に均一な圧力のHeガス(通常1000Pa程度)が充填される。
本実施例に示す誘電体膜235は、厚さは0.1mmの溶射法で形成したアルミナセラミックスからなる。この誘電体膜235の材質や厚さは、この例に限られたものではなく、例えば合成樹脂の場合は、それに応じて0.1mmから数mmの厚さが選択できる。また、この誘電体膜235内部には、前記した被処理対象である半導体ウエハを誘電体膜235(試料台209)上のウエハの載置面に吸着して保持するための電圧が印加される薄膜状の電極が設けられている。
次に、図2に、本実施例に示すサセプタ236の斜視図を示す。サセプタ236は、試料台209に半導体ウエハが載置された状態でこの半導体ウエハの外周端の直下方に位置する内周端部(段差部)401を有し、さらに、内周端部401の平面部分と連続して外周側に位置してウエハの上方側に向かって延在する傾斜部402と、平坦な上面部403を有している。サセプタ236は、後で詳細に述べるように、この内周端部や傾斜部及び上面部の上表面が、酸素を含まない耐プラズマ性材料からなる被膜で被覆されている。このサセプタ236の上表面の被覆は、炭素も含む材料であることが望ましい。
図3の(a)、(b)に、本実施例に係わるサセプタの、2つの構成例の断面を示す。いずれの場合でも、サセプタは、図2に示すようなリング状の構造体であり、図3(a)は、サセプタ236の内周側端部の構成を拡大して示す縦断面図である。
図3(a)のサセプタ236は、静電吸着電極234上部の誘電体膜235の外周側でこれを覆って配置されている。さらに、サセプタ236は、そのリング状部分の内周側端に設けられた段差部401と、この段差部401の前記平面部分と連続して外周側に位置してウエハWの上方側に向かって延在する傾斜部402とを備えている。この段差部401は、サセプタ236が静電吸着電極234の上に載せられた状態で、ウエハWが載せられる載置面の外周側でウエハWの外周端の下方でこれに覆われる略平面部分である。さらに、この傾斜部402の外周側部403は、放電室(図4の210)内の空間に形成されるプラズマとサセプタ236が面する略平面のリング状のサセプタ表面となっている。サセプタ236の段差部401及び傾斜部402の表面には、耐プラズマ性の材料、例えば周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス材料からなる被膜602が形成されている。
図3(b)のサセプタ236は、サセプタ236の内部でこれと静電吸着電極234との間で誘電体膜235上に載せられたリング状の導体部材904を配置した場合における、サセプタ236の内周側端部の構成の概略を拡大して示す縦断面図である。サセプタ236の段差部401及び傾斜部402の表面には、耐プラズマ性の材料からなる被膜602が形成されており、さらに、外周側部403の表面にも、同じ材料からなる被膜603が形成されている。
サセプタ236は、例えば厚さ6mmの焼結体アルミナセラミックスからなる。このサセプタ236の材質や厚さは、この例に限られたものではなく、例えば石英(SiO)、シリコン(Si)、シリコンカーバイト(SiC)なども使用される。
また、これらの材料でできたサセプタ表面には、耐プラズマ性の材料からなる皮膜602、603、例えば溶射膜が形成される。この耐プラズマ性の被膜の材料には、耐プラズマ性の高い希土類元素と共に、炭素を含むことが望ましい。例えば、炭素を含むYFの溶射膜を形成する場合は、Y、F、Cの各単体材料が所定の成分比率となるように予め混合したものを使用して、サセプタ236の基板面上に、溶射を行なう。
なお、サセプタの厚さを厚くすることは可能であるが、搬送ユニット105によってウエハを搬送するために、搬送ユニット105のハンドが接触しない高さにする必要がある。このサセプタ236は誘電体膜235を保護するためのカバーであり、同時に静電吸着電極234も覆っているが、分割することも可能である。また、ウエハが載置される時に、電極上でずれないためにもサセプタ236の内側には段差401があり、その段差の側面は若干のずれを補正できるように傾斜402が施されている。更に、電極にウエハが載置されるようにサセプタ236内側の段差401は誘電体膜235よりも若干低い構造である。
次に、本実施例の処理ユニットの構成について図4、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施例に係る真空処理装置の全体構成を示す概略の平面図である。図4は、図5に示す処理ユニットのチャンバ部の構成を示す縦断面図であり、特に、エッチング処理ユニット103の処理室部の構成を示している。
図4に示すように、処理チャンバ200は、真空容器を構成する内側チャンバ219及び外側チャンバ220と、これらの真空容器の内側に配置された処理室(プラズマ処理室または放電室)210を備えている。処理チャンバ200の上部は放電室部が配置されており、この放電室部は、真空容器の蓋を構成する蓋部材201と、この蓋部材201の内側に配置されたアンテナ202と、このアンテナ202の側方と上方とに配置され放電室部を囲んで配置された磁場発生部203と、このアンテナ202の下方に配置された天井部材とを含んで構成されている。また、磁場発生部203上方にはアンテナ202が放出する300MHzから1GHzのUHF帯周波数の電力を供給する電波源部205が配置されており、本実施例では電波源部205の周波数を450MHzとしている。供給するアンテナ202はSUS等の導電性部材で構成された蓋部材201の内側に配置されており、このアンテナ202と蓋部材201との間には、これらの間を絶縁するとともにアンテナ202から放出される電波を下方の天井部材側に伝導するために配置された誘電体206を有している。
更に、天井部材は、伝達されてきた電波を下方の放電室(プラズマ処理室)210の内側に伝導するため石英等の誘電体で構成された石英プレート207と、この石英プレート207の下方に配置されて供給された処理用のプロセスガスを処理室の内側に分散して導入するための複数の孔が形成されたシャワープレート208を有している。
シャワープレート208の下方であって試料台209の上方に形成された空間は、供給されたプロセスガスに石英プレート208を通って導入されたアンテナ202からの電波と磁場発生部203から供給された磁場との相互作用によりプラズマが形成される放電室(プラズマ処理室)210となっている。更に、石英プレート207とシャワープレート208との間は微小な空間が形成されており、この空間にプロセスガスが先ず供給され、シャワープレートの孔を通って放電室210に流入する。上記空間はプロセスガスが複数の孔から分散して放電室210に流入するよう設けられたバッファ室211となっている。このプロセスガスは、流量を調節する制御器214から供給されプロセスガスライン212及びプロセスガス遮断バルブ213を経て処理ユニット103へ供給される。
このようにして、複数の孔からプロセスガスを分散して放電室210に導入するとともに、これらの孔は試料台209上に試料が載置される位置に対向した位置を主にして配置されており、ガスをより均一となるように分散できるバッファ室211の働きとともに、プラズマの密度を均一にすることを図っている。また、蓋部材201の下方で石英プレート207及びシャワープレート208の外周側には下部リング215が配置されており、この下部リング215の内部にはバッファ室211にプロセスガスが通流するガスライン212と連通したガス通路が設けられている。
更に、シャワープレート208の下方には、真空容器の内側でプラズマに面して放電室210の空間を区画する放電室内側壁部材216が備えられている。この内側壁部材216の外周側にはこれを取り囲んで配置された放電室外側壁部材217が備えられており、この放電室の内側壁部材216の外側の壁面と外側壁部材217の内側の壁面とが対向して接触している。なお、本実施例では、内側壁部材216、外側壁部材217は各々略円筒形状を有しほぼ同心となるように構成されている。外側壁部材217の外周面には、ヒータが巻き付けられて配置され、外側壁部材217の温度を調節することでこれに接触した内側壁部材216の表面の温度を調節している。
この外側壁部材217の外周側には、その下面に接触する放電室ベースプレート218が配置されている。この放電室ベースプレート218の下面でその下方に配置される真空室部と接続する。なお、内側壁部材216は放電室210内部のプラズマ、電極の役目を果たす試料台209に対する接地電極の作用をする部材でもあり、プラズマの電位を安定させるために必要な面積を有している。この接地電極としての作用のために、接触されて接続される外側壁部材217或いは蓋部材201との間での熱伝導とともに導電性を十分確保する必要が有る。
内側壁部材216と外側壁部材217及び蓋部材201とはともに、導電性を有する部材で構成され、処理チャンバ200外側の大気側へ露出されており、接地のための配線の接続が容易となるように構成されている。
本実施例では、真空室を構成する壁の表面の温度を調節して、その表面とプラズマやこれに含まれる粒子、ガス、反応生成物との相互作用を調節している。このようにプラズマとこれに面する真空室の壁面との相互作用を適切に調節することで、プラズマの密度や組成等プラズマの特性を所望の状態にすることができる。一方、本実施例の構成では真空室部を構成する内側チャンバ219、外側チャンバ220の間には排気手段により減圧されて高い真空度に維持される空間が有り、このため真空室223を構成する内側チャンバ219の温度を調節するには工夫が必要となる。
また、内側チャンバは上下2つ備えられており、試料台209のブロックの上下に221,222に分けられる。つまり、内側チャンバ221の下方に試料台209ブロックが配置されている。試料台209のブロックは、試料台本体209とこれを支持し試料台209を中心の軸にして軸周りに支持梁228を配置している。本実施例では、内側チャンバ221及び外側チャンバ219と試料台本体209とは略円筒形をしており、内側チャンバ221内の試料台209上の空間のガスが、この支持梁同士の間の空間であって内側チャンバ221の間の空間を通路として下方へ流れる。
試料台209のブロックの下方に下側の内側チャンバ222が配置されており、この内側チャンバ222の中央側部分には開口が配置されている。この開口部は内側チャンバ222の下方であって試料台209の下方に配置された排気バルブ231や排気ポンプ232を備えた排気手段と連通しており、試料台209の周囲を流れる内側チャンバ221内のガスが通流する部分である。つまり、試料台209周囲の支持梁228同士の間の空間と試料台209下方の内側チャンバ222内の空間が処理チャンバ200内の処理ガス、プラズマ中の粒子や反応生成物の粒子が流れて排気される排気経路となっている。
処理チャンバ200の排気手段である排気バルブ231は、その下方に配置された排気ポンプ232と内側チャンバ222の内側の空間との間を連通あるいは遮断することのできる板状のシャッターを複数備え、このシャッターを回転させて開口している排気通路面積を可変に調節して排気流量や速度を調節するシャッター式排気バルブである。このように、本実施例では、排気手段が試料台209の下方、特に直下方に配置されている。そして、内側チャンバ221内の試料台209の上方の空間内のプラズマや処理ガス、反応生成物は試料台209の周囲とその下方の内側チャンバ222内の空間を介して排気バルブ231までの排気経路を流れる。これにより、処理チャンバ200は排気ポンプ232により、10000分の1Paの圧力の真空を達成できる。
図5で、本発明の実施例に係る真空処理装置の全体構成を説明する。図5において、本実施例の真空処理装置100は大きく前後2つのブロックに分けられる。装置本体100の前方側は装置に供給されたウエハが大気圧下で減圧されるチャンバへ搬送されて処理室へ供給される大気側ブロック101である。装置本体100の後方側は、処理ブロック102である。この処理ブロック102には、減圧してウエハを処理する処理室を有する処理ユニット103,103’及び104,104’とこれらの処理室にウエハを減圧下で搬送する搬送ユニット105及びこの搬送ユニット105と大気側ブロック101とを接続する複数のロック室113、113’とを備えており、これらは減圧されて高い真空度の圧力に維持可能なユニットであり、処理ブロックは真空ブロックである。
また、本実施例における処理ブロック102の処理ユニット103,103’,104,104’は、処理ユニット103,103’がエッチング処理ユニットであり、処理ユニット104,104’がアッシング処理ユニットである。
更に、この処理ブロック102には、これらのユニットあるいは処理室に必要なガスや液体等の流体の供給を調節する流量調節装置(Mass Flow Controller)を含む制御ユニット107,107‘が処理ユニット103,103’の下部に配置されている。
本実施例によるプラズマ処理装置は以上のように構成されており、このプラズマエッチング装置を用いて、たとえばPoly−Siのエッチングを行う場合の具体的なプロセスを説明する。
図6において、まず処理の対象物である半導体ウエハWは、搬送ユニット105から処理チャンバ200に搬入された後、試料台209の静電吸着電極234の上に載置・吸着される。ついで、半導体ウエハWのエッチング処理に必要なガス、たとえばハロゲン系を含んだガスがプロセスガスライン212から供給され、所定の流量の混合比をもって処理チャンバ200内に供給される。同時に、処理チャンバ200は、排気ポンプ232および排気バルブ231により、所定の処理圧力に調整される。次に、電波源部205からの450MHzの電力供給により、アンテナ202から電磁波が放射される。そして、磁場発生部203により処理チャンバ200の内部に形成される160ガウス(450MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度)の概略水平な磁場との相互作用により、処理チャンバ200内に効率良くプラズマPが生成される。
特に、本実施例に示したプラズマ処理装置では、磁場発生部203により、図6中に示すような磁力線501が形成される。そのため、アンテナ202より印加された高周波と磁力線501により、シャワープレート208の直下で磁力線501の延長上にある内側壁部材216表面には密度の高いプラズマが生成される。
これにより発生したプラズマPにより、プロセスガスが解離されてイオンやラジカルが発生する。更に静電吸着電極234のバイアス電源238からのバイアス電力により、プラズマ中のイオンやラジカルの組成比やエネルギーを制御して、半導体ウエハWの温度を制御しながらエッチングを行う。
先に述べたように、従来のプラズマ処理装置では、ウエハ処理枚数の増加に伴ってウエハ端部直下のサセプタ236内側の段差401で削れが進行する。その結果、図14に示したように、放電室210内のウエハW表面の処理速度(エッチングレート)として、ウエハWの半径方向外周側の方が中央側よりも高い分布となりやすい。このような分布をコイル電流等を調節して改善することは可能ではあるが、逆に放電不安定などの問題が起こるために、均一性と放電安定性を両立させることは難しかった。
発明者らは、上記課題は、放電室210内のウエハW外周部側の上方の空間と中央部側の上方の空間とで、プラズマ中のエッチング性のガスあるいはラジカル等の粒子(反応性ガスまたは粒子)および有機材等の接着性のガス(デポ性ガス)または粒子との分布が不均一であるためであるという知見を得た。特に、中央側部に比べて外周側部でエッチング性のガスまたは粒子が多いか、デポ性ガスまたは粒子が少ないという知見を得た。さらに、このような課題を解決するため、ウエハWの外周部において炭素を供給するか、酸素を発生させないか、またはFラジカルを消費させる手段を備えることでエッチングレートの不均一さを改善することができるという知見を得た。
すなわち、このような課題に対する解決手段として、CwHxFyとSFzの混合ガスを用いたエッチング処理時に炭素を供給すると、炭素のラジカルがFラジカルと反応することによりCmFn(但しm,nは任意の整数)となることで、Fラジカルを消費し、デポ性の物質に変わるため2重の効果となる。このような特徴のある材料としてはSiCが挙げられるが、プラズマとの反応が早く進行するため、要求されるプラズマ処理によっては耐プラズマ性に乏しい場合があることが予想される。そこで、本実施例に示すサセプタでは、物理的なスパッタリング反応や化学的なエッチング反応によって削れが少なく、かつPoly−Siのエッチングレートの均一性を改善可能な構造を考案した。
すなわち、本実施例では、図3の(a)、(b)に示したように、サセプタ236の段差部401及びこの外周側に配置される傾斜部402の連続する表面上に、耐プラズマ性を有する所定の皮膜(例えばYFの溶射膜)602、603が形成されている。特に、段差部401はウエハWの外周端の直下方であってウエハWによってその上方が覆われる部分であるので、このウエハWにより覆われる平面部分の溶射膜602の厚さT1は他の傾斜部402表面あるいはその外周側のリング状のサセプタ236表面における溶射膜603の厚さT2よりも厚くされている。さらに、傾斜部402の皮膜の厚さは、傾斜部402の下端からサセプタ236の外周側に位置する上端側に向かって厚さが小さくなるように配置されている。
より具体的な例を示せば、サセプタ236の段差部401及び傾斜部402を含む内周側端部の表面には、皮膜する材質として、酸素を含まない材質である厚さT1=200μmのYFあるいはこれに炭素を含む耐プラズマ性材料が被覆されている。
サセプタ236は、静電吸着電極234内部のバイアス電極に印加される電力によってプラズマ中から引き込まれるイオンにより、ウエハW外周端部の直下が著しく反応して消費される。したがって、この著しく削れる部分の皮膜の厚さを他の部分の厚さより大きくすることでサセプタ236の寿命を向上できる。
図7は、本発明の一実施例におけるサセプタの削れ量を示すグラフである。実線で示したものが本実施例による削れ量であり、破線で示した従来例のセプタの削れ量に比べて、削れ量が約1/5に低減している。
また、本実施例に示すサセプタでは、物理的なスパッタリング反応や化学的なエッチング反応によって削れ量が少なくなるので、図8に実線のグラフで示したように、破線で示した従来例のサセプタを使用した場合に比べて、Poly−Siのエッチングレートの均一性も大幅に改善された。
なお、図3の(b)に示したように、サセプタ下部にイオンを引き込むための導体904等がある場合は、サセプタ上面403にもイオンが引き込まれるため上面403にもYFを被覆する必要がある。段差部401の厚さT1=200μmに対し、上面403の厚さT2は50μm〜100μm程度とするのが良い。
図3の(a)、(b)いずれの場合でも、被膜する材料として、YFに限らず、耐プラズマ性材料であって酸素を含まない材料を用いる必要がある。特に、希土類元素あるいは周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス材料であれば耐プラズマ性があり、フッ化物として存在できるため好ましい。また、この耐プラズマ性の被覆材料には、炭素を含むことが望ましい。炭素を含むYF溶射膜を形成する場合、炭素の量は少な過ぎても効果が無い。逆に、炭素の量が多過ぎると、被覆が脆くなり耐プラズマ性が低下すると共に、異物としてウエハ処理に悪影響を及ぼす可能性が増す。そのため、耐プラズマ性の被覆材料には、重量比で5〜10%の炭素を含むことが望ましい。
次に、図9に、図3に示した本実施例の変形例に係るサセプタの縦断面を示す。本例において、サセプタ236は、段差部401、傾斜部402及びリング状の表面、略円筒形状の外周側面を含むプラズマに面する表面に厚さT3(例えば200μm)の所定の材料による被膜1001が配置され被覆されている。本例の皮膜1001は、炭素を含んだ耐プラズマ性材料であって、さらに酸素を含有しない材料、例えばYFの溶射膜が用いられ、上記段差部401、傾斜部402乃至サセプタ236の外周側面1001まで連続して略均一な厚さT3で被覆されている。炭素が含有される皮膜がプラズマとの相互作用を受けることで、ウエハWの外周側部分あるいは外周のサセプタ236の上方に炭素またはこれを含む粒子が供給され、このような粒子の存在により、ウエハW外周側部分の上方のウエハWとの反応性を有する粒子のウエハW表面との反応が抑制され、ウエハWの半径方向について処理の均一性が向上される。
本例では、サセプタ236の内部でこれと静電吸着電極234との間で誘電体膜235上に載せられたリング状の導体部材904を配置してウエハWの外周側部及び外周側上方での電界の分布の偏りを抑制して、ウエハW外周端下方の段差401または傾斜部402へのプラズマからの相互作用の集中を低減している。このため、サセプタ236の傾斜部402外周側の上面からも炭素を供給できるように、ウエハW外周部及び外周側上方の放電室210内の空間に炭素が供給されるように、上記皮膜1001によりサセプタ236のプラズマに面する表面全体を被覆している。この例では、YFに限らずY等の耐プラズマ性材料であって炭素を含む材料とすることもできる。
更に、図10に、本発明の別の実施例に係る放電室の構成の概略を示す断面図を示す。この図は、本実施例の放電室210を含む処理チャンバ上部の構成の概略を示している。図4に示した実施例との相違は、放電室210において内側側壁を構成してプラズマに面する内側壁部材216が外側チャンバ220(図4参照)を介して設置されて電位が固定されたアース部材を兼ねている点である。さらに、内側壁部材216のプラズマに面する内側壁面は、上部には酸素を含有しない材料で構成された耐プラズマ性材料(YF)が被覆されたアース上部部分1101及びその下方に配置され炭素を含んだ耐プラズマ性材料(YF)が被覆されたアース下部1102を備えている。本実施例のアース下部1102は、その被覆された皮膜が内側壁部材216の下端から上方まで延在して略円筒形状の領域となるように配置され、ウエハWの外周側部分またはサセプタ236について近接している。
図11は、図10の実施例に係わる放電室210内の作用、効果を説明する図である。
ウエハW外周側部分上方またはサセプタ236上方でこれらに近接して放電室210の内側壁を構成して接地される等所定の電位にされる部材の表面に炭素を含んだ耐プラズマ性材料を被覆することで、この表面でのプラズマとの相互作用によって生じた炭素ラジカルまたはこれを含む粒子が、ウエハ外周側部上方に多く供給されて、この領域でのウエハWと放電室内の反応性を有した粒子との相互作用が抑制される。すなわち、CwHxFy、SFzの混合ガスを用いたエッチング処理時に炭素を供給すると、炭素のラジカルがFラジカルと反応することによりCmFn(但しm,nは任意の整数)となることで、Fラジカルを消費し、デポ性の物質に変わる。これにより、ウエハW上面の外周側部分と中央側部分との処理速度等処理の特性の不均一さが抑制される。
発明者らは、アルマイト処理のアースにおいて、アース上部20mmにポリイミドテープを貼った場合と貼らなかった場合で、アルミの汚染量が3桁程度も異なり、プラズマが上方で生成され易いためにこのような現象が生じているという知見を得ており、このことから、アース下部1102に係る皮膜を配置する範囲は、アース上部の20mmよりも下側に炭素を含んだ耐プラズマ性材料を被覆することが望ましいという知見を得た。この構成により、アースの寿命を長くすることができる。本実施例においても、アース下部1102において皮膜を構成する材料はYFに限らずY2O3等の希土類元素を含む耐プラズマ性材料であって、かつ炭素を含む材料であれば良い。
本発明の一実施例に係る試料台の一部を断面した斜視図である。 図1に示すサセプタの斜視図である。 図1に示すサセプタの溶射位置を示す図である。 本発明の実施例に係わる処理チャンバ部の構成の概略図を示す縦断面図である。 本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の全体構成を示す上面図である。 本発明の実施例に係わるプラズマ処理室内の処理チャンバの断面図である。 本発明の一実施例におけるサセプタの削れ量を示すグラフである。 本発明の一実施例におけるPoly−Siのエッチングレートを示すグラフである。 本発明の他の実施例に係わるサセプタの溶射位置を示す図である。 本発明の他の実施例に係わるプラズマ処理室内の処理チャンバの断面図である。 図10の実施例に係わるプラズマ処理室内の作用、効果を説明する図である。 従来例におけるサセプタの拡大図である。 従来例におけるサセプタの削れ量を示すグラフである。 従来例におけるPoly−Siのエッチングレートを示すグラフである。
符号の説明
100…装置本体、101…大気側ブロック、102…処理ブロック、103、104…処理ユニット、105…搬送ユニット、107…MFC、113…ロック室、
200…処理チャンバ、201…蓋部材、202…アンテナ、203…磁場発生部、205…電波源部、206…誘電体、207…石英プレート、208…シャワープレート、209…試料台、210…放電室、211…バッファ室、212…プロセスガスライン、213…プロセスガス遮断バルブ、214…制御器、215…下部リング、216…内側壁部材、217…外側壁部材、218…ベースプレート、219、220…外側チャンバ、221、222…内側チャンバ、223…真空室、228…支持梁、231…排気バルブ、232…排気ポンプ、234…静電吸着電極、235…誘電体膜、236…電極カバー、237…高電圧電源、238…バイアス電源、239…マッチング回路、301…温調ユニット、302…直線状のスリット、303…同心円状のスリット、304…ガス導入孔、401…段差、402…傾斜、403…上面、501…磁力線、602…炭素を含むYF溶射膜、603…炭素を含むYF溶射膜、904…導体、1001…炭素を含むYF溶射膜、1101…アース上部部分、1102…アース下部部分1102、P…プラズマ、W…半導体ウエハ。

Claims (10)

  1. 真空容器の内側に配置された処理室と、該処理室内に配置された試料台を備え、該処理室内にフッ素及び炭素を含む処理用ガスを供給してプラズマを形成し該プラズマを用いて前記試料台の試料載置面上に載置された試料を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記試料台は、前記試料載置面の下方に設けられ高周波電力が印加される電極と、前記試料台の上部であって前記試料載置面の外周側に配置され前記プラズマに面するリング状部材とを備え、
    前記リング状部材は、前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する内周端部を有し、該内周端部の上面が酸素を含まない耐プラズマ性材料で被膜されている、ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 真空容器の内側に配置された処理室と、該処理室内に配置された試料台を備え、該処理室内にフッ素及び炭素を含む処理用ガスを供給してプラズマを形成し該プラズマを用いて前記試料台上の試料を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記試料台上面に配置され前記試料が載置される試料載置面と、
    該試料載置面の外周側に配置され前記試料台上に載せられたリング状部材と、
    前記試料載置面及び前記リング状部材の下方の前記試料台内部に配置され高周波が印加される電極と、
    前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する前記リング状部材の内周端部分の表面に形成され、酸素を含まない耐プラズマ性材料からなる被膜、とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2において、前記被膜の材料は、希土類元素のフッ化物及び炭素を含む材料であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 真空容器の内側に配置された処理室と、該処理室内に配置された試料台を備え、該処理室内にフッ素及び炭素を含む処理用ガスを供給してプラズマを形成し該プラズマを用いて前記試料台の試料載置面上に載置された試料を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記試料台は、前記試料載置面の下方に設けられ高周波電力が印加される電極と、前記試料台の上部であって前記試料載置面の外周側に配置され前記プラズマに面するリング状部材とを備え、
    前記リング状部材は、前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する内周端部を有し、該内周端部の上面が周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス及び炭素を含む材料で被膜されている、ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項3または4において、前記被膜の材料は、重量比で5〜10%の炭素を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記リング状部材は、前記内周端部から外周に向かって高さが高くなる傾斜部を有し、該傾斜部は、前記内周端部から外周に向かって前記被膜の肉厚が順次薄くなるように形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記電極は前記試料載置面に対応して配置された誘電体膜を有する静電吸着電極であり、前記リング状部材の内部でかつ前記静電吸着電極との間で前記誘電体膜上に載せられたリング状の導体部材を具備しており、
    前記リング状部材は、前記内周端部から外周に向かって高くなる傾斜した傾斜部と、該傾斜部の外側で前記リング状の導体部材の上側に位置する外周側部とを有し、該傾斜部に前記内周端部から外周に向かって肉厚が順次薄くなるように前記被膜が形成され、かつ、所定の肉厚の前記被膜が該傾斜部の外周から前記外周側部にわたって連続して形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記処理室の内側側壁を構成してプラズマに面する内側壁部材が外側チャンバを介して設置されて電位が固定されたアース部材を兼ねており、
    前記内側壁部材の内側壁面は、酸素を含有しない材料で構成された耐プラズマ性材料が被覆されたアース上部部分と、該アース上部部分の下方に配置され炭素を含んだ耐プラズマ性材料が被覆されたアース下部部分とを備えていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 処理室内に配置される試料台の試料載置面の外周側に配置され、試料の処理時にプラズマに面するプラズマ処理装置用のリング状部材であって、
    前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する内周端部を有し、
    該内周端部から外周に向かって高くなる傾斜した傾斜部が設けられ、該傾斜部に前記内周端部から外周に向かって肉厚が順次薄くなるようにして被膜が形成されており、
    前記被膜が周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス及び炭素を含む材料からなることを特徴とするプラズマ処理装置用のリング状部材。
  10. 誘電体膜を有する静電吸着電極を備え試料台の試料載置面の外周側に配置され、試料の処理時にプラズマに面するプラズマ処理装置用のリング状部材であって、
    前記試料載置面に前記試料が載置された状態において該試料の外周端の直下方に位置する内周端部と、該リング状部材の内部でかつ前記静電吸着電極との間で前記誘電体膜上に載せられるリング状の導体部材を具備しており、
    前記内周端部から外周に向かって高さが高くなる傾斜した傾斜部と、該傾斜部の外側で前記リング状の導体部材の上側に位置する外周側部とが設けられ、該傾斜部に前記内周端部から外周に向かって肉厚が順次薄くなるように被膜が形成され、かつ、所定の肉厚の前記被膜が該傾斜部の外周から前記外周側部にわたって連続して形成されており、
    前記被膜が周期律表第3a族に属する元素を含むセラミックス及び炭素を含む材料からなることを特徴とするプラズマ処理装置用のリング状部材。
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