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JP2007322944A - 表示制御装置、表示装置及び表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、表示装置及び表示制御方法 Download PDF

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JP2007322944A JP2006155494A JP2006155494A JP2007322944A JP 2007322944 A JP2007322944 A JP 2007322944A JP 2006155494 A JP2006155494 A JP 2006155494A JP 2006155494 A JP2006155494 A JP 2006155494A JP 2007322944 A JP2007322944 A JP 2007322944A
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Abstract

【課題】バックライトを用いた表示装置に表示される画質を向上させることができる表示制御装置、表示装置及び表示制御方法を提供すること。
【解決手段】液晶表示装置10の制御部20は、映像信号を検出する映像信号検出回路19と、バックライト42の点灯を制御するバックライト点灯制御回路15と、液晶表示デバイス11の液晶パネル13の駆動を制御する液晶パネル制御回路14とを備えている。バックライト点灯制御回路15は、入力される映像信号に応じて、液晶表示デバイス11の表示画面が複数に分割された領域に対応して複数配置された光源ブロック40ごとに、RGBの各LED素子31の輝度比を個別に制御する。RGB各LED素子31の輝度比は、FET等でなる電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)にPWM信号が加えられることで制御される。これにより、色純度を高めることができ、高画質化を図ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、バックライトの透過率を制御して映像を表示する表示装置、その表示装置を制御する表示制御装置及びその制御方法に関する。
光の透過率を制御して映像を表示する表示装置、例えば、液晶表示装置は、液晶パネルの画素が発光しないため、液晶パネルの背面側にバックライトを配置し、そのバックライトで液晶パネルの背面を照明して画像を表示させるようにしている。バックライトとしては、最近では、LED(Light Emitting Diode)が用いられることが多い。
また、バックライトを構成する各光源に対応させて表示画面を複数の領域に分割し、その分割領域ごとに必要とされる表示輝度に対応して、部分的に光源の発光輝度を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、消費電力が低減される。
なお、上記した「発光輝度」とは、光源から光が出射されるときの輝度を言い、上記した「表示輝度」とは、光源から出射された光が表示部(表示画面)を透過したときの輝度を言う(以下、同じ)。
特開2004−212503号公報(段落[0035])
ところで、上記のように部分的に発光輝度が変化することで消費電力が低減されるが、消費電力の低減だけでなく、画質そのものに対する要求が高まってきている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、バックライトを用いた表示装置に表示される画質を向上させることができる表示制御装置、表示装置及び表示制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る表示制御装置は、画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスの表示制御装置であって、前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトと、前記映像信号のうち色度信号を検出する色度信号検出手段と、前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御する輝度比制御手段とを具備することを特徴とする表示制御装置。
本発明では、映像信号の色度信号に応じて、光源ブロックごとに、つまり表示画面の領域ごとに3原色の輝度比が個別に制御されるので、色純度を高めることができ、高画質化を図ることができる。
「色度信号に応じて制御する」とは、具体的には、表示画面の各領域のうち、ある領域が第1の色度でなる場合、その領域に対応する光源ブロックがその第1の色度に極力近い光、あるいは第1の色度と同じ色度の光を発するように輝度比が制御される、という趣旨である。
表示デバイスの「画素」とは、3原色のうちの1つの原色に対応する画素である。
本発明において、表示制御装置は、前記輝度比制御手段による制御に応じて、前記画素ごとの前記透過率を制御する透過率制御手段をさらに具備する。本発明では、輝度比制御手段と透過率制御手段とが相補的に動作することで原映像の色度を再現する、という趣旨である。
本発明において、前記検出された色度信号が、前記各領域のうち第1の領域内で第1の色度及び前記第1の色度とは異なる第2の色度を含み、かつ、前記第1の領域に隣接する第2の領域内で、前記第1の領域内の前記第2の色度でなる第1の色領域と連続して表示される第2の色領域が前記第2の色度でなる信号である場合、前記第1の色領域で表示される第1の色純度と前記第2の色領域で表示される第2の色純度とが同じになるように、前記輝度比制御手段は、前記第1及び第2の領域内におけるそれぞれの前記輝度比を制御し、前記透過率制御手段は、前記第1及び第2の領域の前記画素の透過率を制御する。
本発明では、第1の色領域で表示される第1の色純度と第2の色領域で表示される第2の色純度とが実質的に同じになるように、第1及び第2の領域に対応するそれぞれの光源ブロックの輝度比が制御され、また、透過率制御手段により第1及び第2の透過率が制御される。したがって、1つの表示画面において、単位面積あたりの、ある単色の発光素子の個数が低くても、表示される映像に色ムラが発生することを抑制することができる。
本発明において、表示制御装置は、前記各光源ブロックが発光するときの、前記表示画面の前記各領域に対する表示輝度の寄与率のデータを記憶する記憶手段と、前記映像信号のうち輝度信号を検出する輝度検出手段と、前記記憶された寄与率データを用いて、前記検出された表示輝度に応じた前記各光源ブロックの発光輝度分布を設定する輝度分布設定手段と、前記設定された輝度分布で前記バックライトを点灯させる点灯制御手段とをさらに具備する。
本発明では、表示画面の領域ごとに光源ブロックの発光輝度分布が設定されるので、コントラスト比の高い映像を表示することが可能となる。また、「前記各光源ブロックが発光するときの、前記表示画面の前記各領域に対する表示輝度の寄与率のデータ」とは、1つの光源ブロックが影響を及ぼすすべての領域に対する表示輝度の寄与率のデータである。すなわち、すなわち、複数の光源ブロックによる表示画面の各領域への影響が考慮されるので、原映像を忠実に再現することができる。
本発明において、前記点灯制御手段により前記バックライトが点灯される場合、前記輝度比制御手段は、前記表示画面の全領域における前記光源ブロックの前記輝度比が等しくなるように制御してもよい。これにより、制御が単純になる。
本発明に係る表示装置は、画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスと、前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトと、前記映像信号のうち色度信号を検出する色度信号検出手段と、前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御する輝度比制御手段とを具備する。
本発明に係る表示制御方法は、3原色を含む画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスと、前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトとを備える表示装置の表示制御方法であって、前記映像信号のうち色度信号を検出するステップと、前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御するステップとを具備する。
以上のように、本発明によれば、色の再現性を高めることができ、画質を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置を示す模式図である。表示装置10は、例えば画素ごとに光透過率を変化させるデバイスとして液晶を搭載した液晶表示装置である。
液晶表示装置10は、映像を表示する上記液晶表示デバイス11、該液晶表示デバイス11の背面側に配置されたバックライト42、該バックライト42及び液晶表示デバイス11に対して各種の制御を行う制御部20、及び該制御部20がアクセス可能なメモリ16を備えている。制御部20は、映像信号を検出する映像信号検出回路19と、バックライト42の点灯を制御するバックライト点灯制御回路15と、液晶表示デバイス11の液晶パネル13の駆動を制御する液晶パネル制御回路14とを備えている。
液晶表示デバイス11は、該液晶パネル13に対して駆動信号を送出するためのソースドライバ17及びゲートドライバ18を有している。また、液晶パネル13には、図示しない赤、緑及び青の3原色(RGB)のカラーフィルタが搭載されており、1つの画素が3つのRGBに対応したサブ画素で構成されている。液晶パネル13の構成は、公知の構成でよい。当該カラーフィルタの構成として、RGB以外の色、例えばエメラルド、またはシアン等の色も含む4原色以上の構成であってもよい。以下、特に明示がない限り、サブ画素を「画素」として説明する。
図2は、バックライト42を構成するRGBの各LED素子が配列される単体セルの一例を示す図である。単体セル30は、図1に示すように、赤(R)のLED素子31(R)と、緑(G)のLED素子31(G)と、青(B)のLED素子31(B)がそれぞれ2個づつ極性を一方向に揃えて直列に接続され、合計6個のLED素子で構成されている。
なお、単体セル30の構成は、この例では6個とするが、使用するLED素子の定格や発光効率等により、混合色をバランスの良い白色光とするために、光出力バランスを整える必要があるので、各色の個数配分は本実施の形態以外の構成例もあり得る。
単体セル30は、複数接続されてバックライト42を構成するが、単体セル30同士の接合部は、各色のLED素子の極性が一方向に揃うように、図2に示すように、中央部の両端矢印により接続される。また、図3は、図2の等価図を示している。
バックライト42は、図2に示した単体セル30が複数配置されて構成される。この図1に示す例では、「6G6R6B」と表されるブロックが複数縦横に配置されている。以下、この1つのブロックを「光源ブロック」という。バックライト42は、光源ブロック40が5×4=20個配列されて構成されている。「6G6R6B」とは、単体セル30が3つ縦列接続されることにより、RGBの各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がそれぞれ6つずつ備えられていることを意味する。すなわち、1つの光源ブロック40は、単体セル30を3個、合計18個のLED素子を含み、バックライト42は360個のLED素子で構成される。
なお、1つの光源ブロックに含まれる単体セル30の個数は3つではなく、1つでもよいし、4つ以上であってもよい。
図4は、液晶パネル13及びバックライト42の配置を示す模式図である。光源ブロック40は、液晶パネル13の背面側にマトリクス状に配置されている。具体的には、液晶パネル13の表示画面が4×5=20の領域A、B、C、・・・、Tに分割され、分割された各領域に対応するように、光源ブロック40が配置されている。理想的には、各光源ブロック40は、液晶パネル13の1つの画素に対応してLED素子31(R)、LED素子31(G)及びLED素子31(B)が配置されることが望ましいが、発熱やコスト等の問題により図4のような構成としている。各光源ブロック40から出射された光は、図示しない散乱板や散乱シートによって拡散されて液晶パネル13の背面に照射される。
バックライト42に含まれる光源ブロック40の数は適宜変更可能である。後述するように、バックライト42の全体で均一な輝度を保つように制御される場合、単純には光源ブロック40は1つでもよい。また、バックライト42は、XY方向(縦横方向)にマトリクス状に配置される構成としたが、X方向及びY方向のうちいずれか一方の方向にのみ配置される構成とすることもできる。この場合、1つの光源ブロック40は、図示するより縦長または横長に構成される。
図5は、液晶表示装置10のうち、特に制御部20及びバックライト点灯制御回路15の具体的な構成を示すブロック図である。バックライト点灯制御回路15は、演算部45、電源供給部43、電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)、PWM信号発生部56を有する。
電源供給部43は、図示しない一次電源から供給される電源電圧を所定の定電圧にして、光源ブロック40ごとに個別に電源を供給する電源供給部43を有する。電源供給部43は、例えばスイッチングレギュレータにより構成される。
電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)は、光源ブロック40ごとに設けられ、光源ブロック40の各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)に加えられる電流量をそれぞれ制御する素子である。電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)は、例えばFET(Field Effect Transistor)で構成される。
PWM信号発生部56は、電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)ごとにそれぞれPWM信号を出力する。電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)がFETの場合、PWM信号は、ゲート信号として機能する。このPWM信号発生部56により、各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がそれぞれPWM駆動され、光源ブロック40ごとにRGBの発光輝度が制御される。これにより、各光源ブロック40の色度が個別に制御される。また、PWM信号発生部56は、各光源ブロック40の輝度を表示画面全体で一様になるように制御する。
演算部45は、映像信号に応じて光源ブロック40ごとに色度を設定したり、バックライト42全体の輝度を設定したりする。演算部45は、バックライト42の輝度を設定すると、その輝度になるように、光源ブロック40ごとに各電流量制御素子44(R)、44(G)及び44(B)に駆動信号を送出し、上記のように表示画面全体で一様になるように制御する。
なお、演算部45は、各光源ブロック40に加えられる電流量を監視し、各光源ブロック40に常に安定した電流が供給されるよう電源供給部43に制御信号をフィードバックすることが好ましい。
映像信号検出回路19は、映像信号のうち輝度信号を検出する輝度信号検出回路25と、色信号を検出する色信号検出回路26とを有する。
液晶パネル制御回路14は、映像信号検出回路19に映像信号が入力されると、入力された映像信号に基づいて液晶パネル13における表示駆動を行うための表示駆動信号を生成する。生成された表示駆動信号は、液晶パネル13のソースドライバ17及びゲートドライバ18に送出され、該ソースドライバ17及びゲートドライバ18を介して液晶パネル13の各画素に入力される。表示駆動信号の入力は、入力される映像信号のフィールド周期またはフレーム周期に同期して1フィールド周期または1フレーム周期で行われる。なお、インターレース方式の場合、1フィールドは2つのフレームからなり、プログレッシブ方式の場合1フィールドは1つのフレームからなる。「1フィールドまたは1フレーム」を、これ以降、単に「1フィールド」という。
メモリ16は、主に、制御部20の一時的なバッファとして機能することが多い。メモリ16は、半導体メモリや誘電体メモリが用いられることが好ましいが、これに限られず、他の磁気や光を利用したメモリでもよい。
以上のように構成された液晶表示装置10の動作を説明する。図6は、その動作を示すフローチャートである。この図6に示す一連の動作は、1フィールド分の映像信号が入力されるごとに行われる。
例えば制御部20に、ある1フィールド分の映像信号が入力される(ステップ601)。図7(A)にその映像の一例を示す。この映像では、例えば下の方に山があり、山の上に空と太陽がある。映像信号が入力されると、映像信号検出回路19により、輝度信号及び色度信号が検出される(ステップ602)。
演算部45は、輝度信号に応じて、1フィールド内での輝度のピーク値を求め、すべての光源ブロック40の輝度をそのピーク値に合わせて、バックライト42全体の輝度を設定する(ステップ603)。なお、輝度は、ピーク値に合わせる形態でなく、1フィールドでの平均値、あるいは中央値、あるいは最小値に合わせる形態でもかまわない。図7(A)に示した映像例において、太陽がある位置である領域D及びHの表示輝度が最も高いとすると、バックライト42全体の輝度をピーク値に合わせる場合、図7(B)に示すように、すべての光源ブロック40が例えば領域D及びHに対応する光源ブロック40の発光輝度となるように設定される。
また、演算部45は、色度信号に応じて、光源ブロック40ごとに各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比を算出する(ステップ604)。これにより、表示画面の各領域A〜Tに対応する光源ブロック40ごとの発光による色度が個別に設定される。
例えば図7(B)を参照して、領域D及びHでは太陽が表示されるので、領域D及びHに対応する光源ブロック40の発光色が例えば白色あるいは薄い黄色となるように、それぞれの光源ブロック40の各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比が設定される。また、例えば映像例の中で、山の色は緑であって領域Q、R、S、T等の表示色度(映像信号の色度信号に対応する色度であって、液晶パネル13の表示画面に表示される色度)が最も深い緑色の場合、演算部45は、領域Q、R、S、T等にそれぞれ対応する光源ブロック40の発光色度を、深い緑色に設定する。この場合、演算部45は、例えば、領域Q、R、S、Tに対応する光源ブロックの赤色のLED素子31(R)及び/または青色のLED素子31(B)の輝度を小さくするか、またはゼロとし、緑色の輝度をLED素子31(R)等に比べ高く設定する。さらに、領域A及びEが空で、表示色度が青色の場合、演算部45は、例えば領域A及びE等に対応する光源ブロック40の青色のLED素子31(B)の輝度を比較的高くする。
このように、輝度比は光源ブロック40ごとに異なるが、ステップ603で説明したように表示画面全体の輝度は一定となるように制御されている。
なお、ステップ604の色度設定の場合、実際には、各領域A〜Tで、1つの領域内でも多数の表示色度が存在することが多い。この場合、演算部45は、1つの光源ブロック40の発光色度を、その光源ブロック40に対応する領域内で最も多い表示色度に合わせるように設定することができる。あるいは、演算部45は、その1つの領域内に含まれる複数の色度の色度図上の中心位置(重心位置)を算出し、当該領域に対応する光源ブロック40の発光色度を、その算出された中心位置の色度に合わせるように設定することも可能である。
一方、液晶パネル制御回路14は、輝度信号及び色度信号に応じて、液晶パネル13の表示駆動信号を生成する(ステップ605)。この表示駆動信号は、一般的な液晶パネル13の駆動信号でよい。
次に、ステップ603で設定されたバックライト42の輝度、ステップ604で設定された光源ブロックごとの色度、及び、ステップ605で生成された液晶パネル13の表示駆動信号により、バックライト点灯制御回路15及び液晶パネル制御回路14は、バックライト42及び液晶パネル13をそれぞれ駆動する(ステップ606)。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10では、光源ブロック40ごとに、つまり表示画面の領域A〜TごとにRGBの輝度比が個別に制御されるので、色純度を高めることができ、高画質化を図ることができる。例えば、図7(B)に示す映像例では、領域Q、R、S、T等における深い緑色の色純度が向上する。
図8(A)は、各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がそれぞれ単色発光し、かつ、液晶パネル13の駆動によって例えば最高輝度階調(透過率がほぼ100%)で表示したときの、表示画面に表示される原色色度点(R、G、B)を示す図である。図8(B)は、そのときの表示画面に表示されるRGBのスペクトルを示すグラフである。図9(A)は、各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がすべて同じ輝度(例えば最高輝度)で発光し、かつ、液晶パネル13の駆動によってそのうちの単色を透過率がほぼ100%で表示したときの表示画面に表示される原色色度点(R’、G’、B’)を示す図である。図9(B)は、そのときの表示画面に表示されるRGBのスペクトルを示すグラフである。
図8(A)及び(B)で示すように、各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がそれぞれ単色発光する場合の方が、図9(A)及び(B)の場合に比べ、色純度が高いことが分かる。
以上説明した実施の形態において、液晶パネル制御回路14は、ステップ605で輝度信号及び色度信号に応じて、一般的な方法で液晶パネル13の表示駆動信号を生成した形態を示した。しかし、液晶パネル制御回路14は、バックライト点灯制御回路15の制御と相補的に液晶表示デバイス11の表示制御を行うこともできる。例えば、液晶パネル制御回路14は、輝度信号及び色度信号に応じて、一般的な方法で液晶パネル13の駆動信号を生成した後、上記バックライト点灯制御回路15の光源ブロック40ごとの発光色度制御に合わせるように、生成した駆動信号を補正してもよい。図7(B)の映像例で説明すると、領域Q、R、S、Tにおける光源ブロック40が緑色の単色発光である場合、緑色をより鮮やかに表示するため、液晶パネル制御回路14は、例えば当該領域Q、R、S、Tにおけるすべての画素の透過率をほぼ100%に設定することもできる。
また、ステップ603では、バックライト点灯制御回路15は、1フィールドごとに表示画面全体の輝度が異なるように設定した形態を示した。1フィールドごとに輝度が制御されることにより、常に輝度の高い白色で発光する従来のバックライト駆動に比べ、消費電力を低減することができる。しかし、必ずしも映像信号に応じた1フィールドごとの輝度制御をしなくてもよい。例えば従来の一般的なバックライトのように、映像信号とは関係なく、表示画面全体の輝度が常に一定になるように制御されてもよい。この場合、例えばユーザによる任意の輝度の設定信号、または、図示しないセンサによる検出信号等に応じて、演算部45が表示画面の輝度を設定することができる。センサとは、例えばこの液晶表示装置10が置かれる周囲の明るさを検出する照度センサ等であり、例えばその周囲の明るさに応じて演算部45が予め定められた輝度を設定する。
次に、液晶表示装置10の他の実施の形態に係る動作を説明する。この動作では、図10に示すような映像例を表示する場合について説明する。
図10(A)に示す映像は、1フィールド分の映像であり、例えば背景が原色の赤色の中に、白色の領域28があるとする。この映像例において、図10(B)に示すように、バックライト点灯制御回路15は、表示画面の領域Fに対応する光源ブロック40の発光色を白色に設定し、かつ、領域29に連続する赤色である領域A〜E、G〜Tの発光色を、単色の赤色に設定してバックライト42を点灯する。また、このとき、液晶パネル制御回路14は、映像信号に基づき一般的な駆動信号により液晶パネル13を駆動するか、または、領域A〜E、G〜Tに対応するRGBすべての画素の透過率をほぼ100%するように駆動する。このとき、次のような問題が生じる。
領域A〜E、G〜Tは色純度の高い、深い赤色で表示可能である。しかし、領域Fに対応する光源ブロック40は、白色で発光し、液晶パネル13の駆動により白色の領域28の周囲の領域29が赤色で表示されるので、周囲の領域29の赤色は、一般的な液晶表示デバイスによる赤色となる。したがって、周囲の領域29では、領域A〜E、G〜Tの色純度の高い、深い赤色に比べ淡い赤色となる。その結果、表示画面全体では、赤色に色ムラが生じることになる。これは、当該白色領域28の周囲の液晶を通した表示色は、液晶の画素の緑及び青を閉じていても、緑及び青色の光が、赤色の画素から多少漏れるからである。
ここで、1つの表示画面において、ある単色のLED素子の単位面積あたりの個数(以下、単に密度という。)が高く、かつ、バックライト点灯制御回路15による単色LED素子の制御単位数が多いほど、ある程度は問題ない。しかしながら、その密度が低いと、白色領域28の白色を表示するために、白色領域28の周囲の領域29のLED素子を白色で発光させる必要がある。一方、あまり密度を高くしすぎると、発熱やコストの問題が生じる。このような問題を解決するために、液晶表示装置10は以下のように動作する。
図11は、その動作を示すフローチャートである。図11の動作において、ステップ1101〜1103は、図6に示したステップ601〜603と同じであるので説明を省略する。バックライト点灯制御回路15は、例えば図10(A)に示したような映像を表示する場合、領域A〜E、G〜Tの赤色の表示色度を、領域Fにおける周囲領域29の淡い赤色の表示色度に合わせるように(一致させるように)、各領域A〜Tの各光源ブロック40の各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比を設定する(ステップ1104)。また、液晶パネル制御回路14も、領域A〜E、G〜Tの赤色の表示色度を、領域Fにおける周囲領域29の淡い赤色の表示色度に合わせるように、各画素の透過率が設定される(ステップ1105)。すなわち、バックライト点灯制御回路15と液晶パネル制御回路14とにより、領域A〜E、G〜Tの赤色の表示色度と、領域Fにおける周囲領域29の淡い赤色の表示色度とが同じになるように、相補的に輝度比及び透過率が設定される。
具体的には、演算部45は、例えば領域Fに対応する各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比が1:1:1で、すべて最大輝度で発光させた場合、領域A〜E、G〜Tに対応する各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比を、例えば1:0.1:0.1等に設定する。
また、液晶パネル制御回路14は、例えば、領域Fにおける白色領域28のRGBの画素の透過率をすべて100%にし、周囲領域29のRGBの画素の透過率比を1:0:0に設定する。1:0:0の場合、Rが100%、G及びBがそれぞれ0%とする。また、液晶パネル制御回路14は、例えば、領域A〜E、G〜Tに対応するRGBのすべての透過率を100%に設定する。このように、液晶パネル制御回路14は、ON/OFFの2値で透過率を設定する。
そして、このように設定された輝度比及び透過率により、バックライト点灯制御回路15及び液晶パネル制御回路14は、バックライト42及び液晶パネル13をそれぞれ駆動する(ステップ1106)。
図12は、このときの液晶パネル13とバックライト42のLED素子をそれぞれ模式的に示す図である。図12(A)は、領域Fにおける白色領域28に対応し、図12(B)は、領域Fにおける周囲領域29に対応する。また、図12(C)は、領域A〜E、G〜Tに対応する。図12において、符号36はRGBのカラーフィルタで、符号38は液晶である。
なお、図12では、理解を簡単にするため、各RGBの画素ごとに各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)が対応するように描かれている。しかし、実際には、各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)がそれぞれ1つの画素には対応せず、1つのLED素子が所定の複数の画素に対応する。
このように、領域A〜E、G〜Tの赤色の表示色度を、領域Fにおける周囲領域29の淡い赤色の表示色度に合わせるように、各領域A〜Tの各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比が設定され、かつ、各領域A〜Tの液晶の透過率が設定されることにより、上記の色ムラの発生を抑えることができる。
なお、上記ステップ1105では、液晶パネル制御回路14がON/OFFの1ビットで透過率を設定する形態を示したが、2ビット以上の階調設定でもよい。その場合、当該透過率は、バックライト点灯制御回路15による各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度と相補的に設定される。例えば、図10(A)の映像が表示される場合、図12(C)に示すRGB各LED素子の輝度比が1:0.2:0.2の場合、液晶38のRGBの画素の透過率は、Rが100%、Gが50%、Bが50%に設定されてもよい。以上説明した輝度比、透過率あるいは透過率比は、説明を分かりやすくるための単純な一例に過ぎず、様々な輝度比、透過率あるいは透過率比の設定が考えられる。
次に、バックライト42の各光源ブロックの輝度が個別に制御されることで、液晶表示デバイス11に表示される表示画面のうち部分的に輝度が変化する形態について説明する。
図13に、バックライトの他の実施の形態を示す。このバックライト12を搭載する液晶表示装置において、バックライト12以外の構成は、図1に示した構成と同様である。これ以降の説明では、図1等に示した実施の形態に係る液晶表示装置10の部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。
このバックライト12は、上記した光源ブロック、例えば、9個の光源ブロック1、2、・・・、9によって構成されている。該光源ブロック1、2、・・・、9がそれぞれ、液晶パネル13の表示画面の9個の領域A1〜A9の真後ろに配置されている。
ここでは、説明を簡単にするために、バックライト12の例として、光源ブロック1〜9が垂直方向にのみ分割されて配置されたものを示した。現実的には、図1に示すように、光源ブロックは、垂直方向と水平方向の両方向に分割されて配置されたものが用いられることが好ましい。あるいは、光源ブロックは、光源が水平方向にのみ分割されて配置されたものであってもよい。図13では、表示画面の領域が9つに分割される例を示したが、9個より少なくてもよいし多くてもよいが、できるだけ多い方が好ましい。
また、表示画面の各領域A1〜A9は、真後ろに位置する光源ブロック1〜9のみから出射された光が到達する領域として設定されたものではない。したがって、各光源ブロック1〜9から出射された光は、後述するように、散乱板等によって直前に位置する領域以外の領域にもそれぞれ到達する。
図14は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図であり、特に上記制御部20及びメモリ16(図1参照)の構成を示す。この液晶表示装置100の制御部20は、映像信号検出回路19、発光輝度分布設定部21、液晶パネル制御回路14、バックライト点灯制御回路115を備えている。メモリ16は、発光輝度分布データ記憶部35、表示輝度寄与率データ記憶部37を備えている。
発光輝度分布設定部21は、輝度信号検出回路25で検出された輝度信号に応じた、各光源ブロック1〜9の発光輝度分布を設定する。発光輝度分布データ記憶部35は、設定された光源ブロック1〜9の発光輝度分布を記憶する。発光輝度分布データ記憶部35は、主に一時的なバッファとして機能することが多い。
表示輝度寄与率データ記憶部37は、各光源ブロック1〜9が各領域A1〜A9に影響を及ぼす表示輝度の寄与率のデータを記憶する。
バックライト点灯制御回路115は、発光輝度分布設定部21で設定された発光輝度分布に応じて各光源ブロック1〜9の駆動を個別に制御する。具体的には、バックライト点灯制御回路115は、各光源ブロック1〜9の輝度がそれぞれ所定の輝度になるように、PWM信号発生部56に所定の制御信号を出力する。
図15は、各光源ブロック1〜9の発光輝度の例を示した図である。図15中、横軸は表示画面の垂直方向における位置、縦軸は発光輝度を示し、各光源ブロック1〜9をほぼ最大の均一な輝度で発光させた場合の例であり、相対的な発光輝度を示している。具体的には、縦軸の値は、各光源ブロック1〜9がすべてほぼ最大輝度で発光した場合の、各領域A1〜A9全体のトータルの発光輝度を1に規格化した場合の値である。図15に示す例の場合、各光源ブロック1〜9のうち1つの光源ブロックによる発光輝度の最大値は0.44〜0.45程度であるが、この値に限られないことは言うまでもない。
液晶表示装置100にあっては、各光源ブロック1〜9から出射された光が、これら各光源ブロック1〜9の直前にそれぞれ位置する領域以外の領域に到達しないようにするための仕切り等は設けていない。したがって、各光源ブロック1〜9から出射された光は、直前に位置する領域以外の他の領域にも到達し、当該他の領域における表示輝度にも寄与する。
図16は、図15に示した発光輝度を有する各光源ブロック用いた場合に、出射された光が液晶パネル13に入射されるときの表示画面の各位置に対する各光源ブロックの輝度寄与率を示したものである。横軸は表示画面の垂直方向における位置、縦軸は各光源ブロック1〜9から出射された光の表示輝度に対する輝度寄与率を示している。
図16に示すように、各光源ブロック1〜9から出射された光の輝度寄与率は、それぞれ光源ブロック1〜9の対応する領域A1〜A9において最も高く、領域A1〜A9から離れるにしたがって徐々に低下する。すなわち、領域A1だけを例に挙げると、光源ブロック1による輝度寄与率は、それに対応する領域A1が最も高くなっている。また、領域A2だけを例に挙げると、光源ブロック2による輝度寄与率は、それに対応する領域A2が高くなっている。また、領域A1とA2の境界付近では、光源ブロック1及び2の輝度寄与率が交わり、その合成の輝度寄与率が高くなって表れている。垂直方向における両端部に配置された光源ブロック1、9については、それぞれに対応する領域A1、A9における輝度寄与率が40%程度とされ、中間の位置に配置された光源ブロック2〜8ついては、それぞれに対応する領域A2〜A8における輝度寄与率が20〜30%程度とされている。領域A1、A9における輝度寄与率が高いのは、反射板や散乱板等の関係により、液晶パネル13の構造による。
このように、液晶表示装置100にあっては、各光源ブロック1〜9から出射された光がそれらの光源ブロック1〜9に対応する領域以外の領域にも到達する。つまり、各光源ブロック1〜9から出射されたそれぞれの光が、対応する領域A1〜A9のみに各別に照射されることはなく、他の領域にも照射される。
液晶表示装置100にあっては、各光源ブロック1〜9の発光輝度が領域A1〜A9の表示輝度に対してどの程度寄与しているのかが予め測定され、この測定値が後述する連立方程式で演算する際のデータとして、表示輝度寄与率データ記憶部37に記憶されている。この表示輝度の寄与率のデータは、表示輝度寄与率データ記憶部37に必ずしも予めデータとして記憶されている必要はなく、何らかの関数形等で演算により導出することができる。したがって、表示輝度寄与率データ記憶部37はなくてもよいし、あるいは、表示輝度寄与率データ記憶部37は、一時的なバッファとして機能させてもよい。
次に、図17のフローチャートを参照して、画面表示に関する制御の処理例について説明する。この制御は、制御部20の液晶パネル制御回路14及びバックライト点灯制御回路115によって実行され、液晶パネル制御回路14に1フィールドの映像信号が入力されるごとに行われる。
液晶パネル制御回路14に1フィールドの映像信号が入力されると(ステップ1701)、入力された映像信号によって生成される1映像(原映像)の表示輝度の分布が、輝度信号検出回路25によって検出される(ステップ1702)。したがって、各領域A1〜A9の表示輝度、例えば、領域A1〜A9ごとの各部の表示輝度を平均した平均表示輝度が検出される。
発光輝度分布設定部21は、検出された表示輝度の分布に基づいて、バックライト12を構成する各光源ブロック1〜9の発光輝度分布を設定する(ステップ1703)。この発光輝度分布の設定時には、領域A1〜A9の各表示輝度に対する各光源ブロック1〜9の発光輝度の輝度寄与率が考慮される。具体的には、メモリ16の表示輝度寄与率データ記憶部37に予め記憶されている上記表示輝度寄与率のデータ(図16参照)を用いた連立方程式(2)〜(10)により、各光源ブロック1〜9の発光輝度が設定される。
ステップ1704は、図6に示したステップ604と同様な処理である。すなわち、演算部45は、色度信号に応じて、光源ブロック1〜9ごとに各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)の輝度比を算出する(ステップ1704)。これにより、表示画面の各領域A〜Tに対応する光源ブロック1〜9ごとの発光による色度が個別に設定される。
一方、液晶パネル制御回路14は、液晶パネル13の表示画面の各領域A1〜A9に対応する画素の表示輝度が最適化されるように液晶パネル13の駆動信号を生成する(ステップ1705)。すなわち、上記ステップ1703で設定された発光輝度分布に応じて液晶パネル13の駆動信号が生成される。より具体的には、設定した各光源ブロック1〜9の発光輝度と表示画面の各部における表示輝度の最適値とのずれ量に基づいて駆動信号が生成される。最適値とは、入力された映像信号に基づいて原映像が表示されるときに表示画面の各部において必要とされる表示輝度である。したがって、当該ずれ量を補正するためのずれ量補正値は、各光源ブロック1〜9から、上記のように設定された発光輝度で光が出射されたときに、表示画面の各部において必要とされる表示輝度を得るために各画素において必要とされる液晶の透過率を算出するための値である。単純に言うと、例えば各領域A1〜A9のうちある一部の領域の発光輝度が、従来のような一定値の輝度の1/2とされた場合、その領域に対応する液晶の画素の光透過率を2倍とするような補正が行われる。
次に、ステップ1703で設定されたバックライト42の発光輝度分布、ステップ1704で設定された光源ブロックごとの色度、及び、ステップ1705で生成された液晶パネル13の表示駆動信号により、バックライト点灯制御回路115及び液晶パネル制御回路14は、バックライト42及び液晶パネル13をそれぞれ駆動する(ステップ1706)。
以下に、上記したステップ1701〜1703及びステップ1705において行われる制御の具体的な方法について説明する。
バックライト12の光源ブロック数をN(Nは2以上の整数)とすると、本例においてはN=9である。
液晶表示装置100にあっては、上記したように、光源ブロックの分割数N(=9)に対応した数で、図13に示すように、表示画面が領域A1〜A9の9つの領域に分割されている。
領域A1〜A9のそれぞれについて、入力される映像信号によって定まる最大表示輝度Ln_max(n=1〜9)を求める。最大表示輝度Ln_maxとは、領域A1〜A9のそれぞれの各部の中での最大の表示輝度となる値を言う。なお、この最大表示輝度は、1フィールドごとの映像信号に応じた値であり、1フィールドごとに異なるものである。
ここで全白の表示輝度(液晶パネル13、バックライト12共に白ピーク設定(通常、液晶パネル13の透過率100%、バックライト12の出力100%)の場合)をL_peakとし、表示画面の各領域A1〜A9について全白の表示輝度L_peakに対する最大表示輝度Ln_maxの比率αn(n=1〜6)を求める。ここで、Ln_max≦L_peakとなる。
αn=(Ln_max/L_peak)・・・(1)
比率αnは、領域A1〜A9に対応する光源ブロック1〜9の発光輝度を何割抑制することができるかを示すリカバリー限界である。すなわち、液晶パネル13の表示輝度は、おおよそ「液晶パネル(偏光板を含む)の透過率×バックライトの発光輝度」で定まるが、リカバリー限界とは、それ以上バックライト12の発光輝度を下げると液晶パネルの透過率を100%に設定しても最大表示輝度Ln_maxが得られなくなる値である。このリカバリー限界αnは、映像信号の輝度信号に対応しており、上記ステップ1702では、このリカバリー限界αnが求められることになる。
なお、上記には、各領域A1〜A9の最大表示輝度Ln_maxに基づいてリカバリー限界αnの値を求めるようにしたが、映像内容によっては各領域A1〜A9の平均表示輝度Ln_aveに基づきαn′=(Ln_ave/L_peak)によりリカバリー限界αn′の値を求めて輝度制御を行うことも可能である。リカバリー限界αn′の値を求めて制御を行う場合には、完全な原映像を再現することは困難であるが、見た目に影響の少ない範囲で原映像を再現することが可能である。
各領域A1〜A9の表示輝度には、上記したように、それぞれ領域A1〜A9に対応する光源ブロック1〜9の発光輝度以外に、他の光源ブロック1〜9の発光輝度も寄与する。したがって、各領域A1〜A9に対応する光源ブロック1〜9の発光輝度を領域A1〜A9のリカバリー限界αnに応じて各別に制御するだけでは、領域A1〜A9に対応しない光源ブロック1〜9の発光輝度を考慮した制御を行うことができない。
そこで、領域A1〜A9に対応しない光源ブロック1〜9の発光輝度をも考慮して光源ブロック1〜9ごとの発光率βn(n=1〜9)を求める。発光率βnとは、各光源ブロック1〜9の最大発光輝度(白ピーク設定時)に対する実際の各光源ブロック1〜9の発光輝度の割合を示す値であり、0≦βn≦1の範囲で求められる。
発光率βnの算出は、各領域A1〜A9に対する各光源ブロック1〜9の輝度寄与率KX,Y(図16参照)を用いて行う。図16に示した光源ブロック1〜9の輝度寄与率のデータは、上記したように、予め表示輝度寄与率データ記憶部37に記憶されており、発光率βnの算出時に当該記憶された光源ブロック1〜9の輝度寄与率のデータが読み出される。
輝度寄与率Kx,yにおいて、Xは領域A1〜A9を示し、Yは光源ブロック1〜9を示す。例えば、K1,1は領域A1に対する1番上に位置する光源ブロック1の輝度寄与率を示し、例えば、K2,3は領域A2に対する上から3番目に位置する光源ブロック3の輝度寄与率を示す。図16に示すように、輝度寄与率は光源ブロック1〜9ごとに各領域内において一定とされていないが、表示輝度寄与率データ記憶部37には、輝度寄与率Kx,yとしては、例えば、領域A1〜A9のそれぞれ中央におけるデータが記憶されている。
発光率βnは、図18に示す多元連立方程式(不等式)(2)〜(10)を解くことによって求められる。
上記ステップ1703では、多元連立方程式を用いて発光率βn(0≦βn≦1)が算出され、この発光率βnを満たすように各光源ブロック1〜9の発光輝度が設定されることにより、発光輝度分布が設定される。
なお、上記した多元連立方程式は、バックライトの分割数に応じてnの数が変化するだけであるため、バックライトの構成に関わらず使用することができる。
また、上記には、光源ブロック1〜9ごとにβnを求める例を示したが、例えば、赤、緑、青の原色ごと又はバックライト12の発光色ごとに、各別にβnを算出して輝度制御を行うことも可能である。
図19は、ある1フィールド分の映像信号が入力されたときに、上記の方法を用いて発光率βnを算出し、バックライト12の各光源ブロック1〜9の発光輝度を制御した状態を示す一例である。
図19中、横軸は表示画面の垂直方向における位置を示す。図19中、破線で繋いだ各点のデータが各領域A1〜A9におけるリカバリー限界αnを示し、実線で繋いだ各点のデータが各領域A1〜A9における光源ブロック1〜9の発光率βnの合計値を示す。すなわち、この図19のグラフは、上記連立方程式を表したグラフである。このように、発光率βnはリカバリー限界αnに近い値で設定されており、光源ブロック1〜9の発光輝度が効率的に制御されている。この例では、領域A5の表示輝度が最も低く、領域A5から離れるにしたがって表示輝度が高くなり、領域A1で表示輝度が最も高くなっている。
このようにリカバリー限界αn及び輝度寄与率Kx,yを用い、多元連立方程式を解くことによって光源ブロック1〜9の発光率βnを求めて各光源ブロック1〜9の発光輝度を制御することにより、映像の表示状態に応じて各光源ブロック1〜9の発光輝度を抑制することが可能となる。これにより、バックライト12の消費電力の低減を図ることができる。また、例えば映像中の黒い部分についてはその領域に対応する光源ブロックを消したり、映像中の明るい部分については、その領域に対応する光源ブロックを点灯したりすることで、高コントラストな映像を表示するこが可能となる。
また、本実施の形態では、1つの光源ブロックの輝度が表示画面全体にどのような影響を及ぼすのかの表示輝度寄与率データが記憶されているので、原映像を忠実に再現することができ、高精細な画質を得ることができる。
また、上記でも説明したが、図13の液晶表示デバイス11の表示画面については、あくまでも説明をわかりやすくするために、領域A1〜A9の垂直方向で分割される例を示した。しかし、図1に示すように、光源ブロック40が表示画面でマトリクス状に配置されて光源ブロック40ごとに輝度設定が行われた上で、光源ブロック40ごとに個別に発光色度が設定されて駆動されてもよい。
以上のようにして、発光率βnが設定されて各光源ブロック1〜9による発光輝度分布が設定された後、以下に示すように、液晶パネル13の表示画面の各部の表示輝度を映像表示の際の最適値にするための各画素に対するずれ量補正値を算出する。これは、上記したステップ1705の処理である。このステップ1705は上記ステップ1704の前に行われてもよい。
ずれ量補正値は、図20に示す液晶パネル13の表示輝度特性についてのデータに基づいて算出する。図20中、横軸はバックライト12の出力を100%としたとき(全点灯時)の液晶パネル13の設定階調(電圧)S_dataを示し、縦軸は設定階調S_dataに対する液晶パネル13の表示輝度L_dataを示す。図20に示す表示輝度特性fのデータは予め求められており、例えばメモリ16に記憶されている。
各画素について、全白の表示輝度L_peakと設定表示輝度L_setの比をγとする。設定表示輝度L_setとは、発光率βnに基づいて発光輝度が設定された光源ブロック1〜9から光が出射された場合に画素が透過率100%とされたときの表示輝度を言う。
γ = L_peak/L_set ・・・(11)
映像信号が入力されたときに表示される映像(原映像)の設定階調S_dataは、上記したように、図20に示すデータにより表示輝度L_dataに基づいて定められる。
L_data =f(S_data) ・・・(12)
また、設定表示輝度L_setに対する補正設定階調S_data′は、全白の表示輝度L_peakと設定表示輝度L_setの比γ及び設定階調S_dataに基づいて以下の式によって算出される。補正設定階調S_data′が、各画素において必要とされる透過率を算出するためのずれ量補正値となる。
S_data′=f(γ×L_data)−1 ・・・(13)
補正設定階調S_data′となるように各画素の透過率が設定されることにより、原映像が最適な表示輝度で再現される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置100によれば、各光源ブロック1〜9のそれぞれの輝度及び色度が個別に制御されることで、高コントラスト及び高色純度で、現映像を忠実に再現することができる。また、バックライト12の消費電力を低減することができる。
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
図17に示した形態において、バックライト点灯制御回路115は、ステップ1704で光源ブロック1〜9ごとに個別に発光色度を設定した。しかし、図17に示した形態では、バックライト点灯制御回路115は、例えば1フィールドごとに表示画面全体の色度が一様になるように駆動してもよい。すなわち、この場合、バックライト12を構成するRGBの各LED素子31(R)、31(G)及び31(B)が、光源ブロック1〜9ですべて同じ輝度比に設定されて駆動されてもよい。これは、表示画面全体がほぼ一様な表示色度である場合に、光源ブロック1〜9ごとに個別に制御される場合に比べ、制御が単純になる。
本発明の一実施の形態に係る表示装置を示す模式図である。 バックライトを構成するRGBの各LED素子が配列される単体セルの一例を示す図である。 図2の等価回路を示す図である。 液晶パネル及びバックライトの配置を示す模式図である。 図1に示す液晶表示装置のうち、特に制御部及びバックライト点灯制御回路の具体的な構成を示すブロック図である。 液晶表示装置の動作を示すフローチャートである。 1フィールド分の映像の一例を示す図である。 (A)は、RGBの各LED素子がそれぞれ単色発光し、かつ、液晶パネルの駆動によって最高輝度階調で表示したときの、表示画面に表示される原色色度点を示す図である。(B)は、そのときの表示画面に表示されるRGBのスペクトルを示すグラフである。 (A)は、RGBの各LED素子がすべて同じ輝度(例えば最高輝度)で発光し、かつ、液晶パネルの駆動によってそのうちの単色を透過率が最高輝度階調で表示したときの表示画面に表示される原色色度点を示す図である。図9(B)は、そのときの表示画面に表示されるRGBのスペクトルを示すグラフである。 1フィールド分の映像の他の例を示す図である。 図10に示す映像を表示するときの動作を示すフローチャートである。 図12は、このときの液晶パネル13とバックライト42のLED素子をそれぞれ模式的に示す図である。 他の実施の形態に係るバックライトの構成を示す図である。 制御部及びメモリの構成を示すブロック図である。 各光源ブロックの発光輝度分布の例を示した図である。 図15に示した発光輝度を有する各光源ブロック用いた場合に、出射された光が液晶パネルに入射されるときの表示画面の各位置に対する各光源ブロックの輝度寄与率を示したものである。 図13に示したバックライトを搭載する液晶表示装置の動作を示すフローチャートである。 発光輝度分布を設定するための多元連立方程式の例を示す。 ある1フィールド分の映像信号が入力されたときに、上記の方法を用いて発光率βnを算出し、バックライトの各光源ブロックの発光輝度を制御した状態を示す一例である。 液晶パネルの設定階調に対する表示輝度特性を示すグラフである。
符号の説明
A〜T、A1〜A9…表示画面の領域
1〜9、40…光源ブロック
10…液晶表示装置
12、42…バックライト
12…以上バックライト
13…液晶パネル
14…液晶パネル制御回路
15、115…バックライト点灯制御回路
16…メモリ
19…映像信号検出回路
20…制御部
21…発光輝度分布設定部
25…輝度信号検出回路
26…色信号検出回路
28…白色領域
29…白色領域の周囲領域
31(R)、31(G)、31(B)…LED素子
35…発光輝度分布データ記憶部
37…表示輝度寄与率データ記憶部
38…液晶

Claims (7)

  1. 画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスの表示制御装置であって、
    前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトと、
    前記映像信号のうち色度信号を検出する色度信号検出手段と、
    前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御する輝度比制御手段と
    を具備することを特徴とする表示制御装置。
  2. 請求項1に記載の表示制御装置であって、
    前記輝度比制御手段による制御に応じて、前記画素ごとの前記透過率を制御する透過率制御手段をさらに具備することを特徴とする表示制御装置。
  3. 請求項2に記載の表示制御装置であって、
    前記検出された色度信号が、前記各領域のうち第1の領域内で第1の色度及び前記第1の色度とは異なる第2の色度を含み、かつ、前記第1の領域に隣接する第2の領域内で、前記第1の領域内の前記第2の色度でなる第1の色領域と連続して表示される第2の色領域が前記第2の色度でなる信号である場合、
    前記第1の色領域で表示される第1の色純度と前記第2の色領域で表示される第2の色純度とが同じになるように、前記輝度比制御手段は、前記第1及び第2の領域内におけるそれぞれの前記輝度比を制御し、前記透過率制御手段は、前記第1及び第2の領域の前記画素の透過率を制御することを特徴とする表示制御装置。
  4. 請求項1に記載の表示制御装置であって、
    前記各光源ブロックが発光するときの、前記表示画面の前記各領域に対する表示輝度の寄与率のデータを記憶する記憶手段と、
    前記映像信号のうち輝度信号を検出する輝度検出手段と、
    前記記憶された寄与率データを用いて、前記検出された表示輝度に応じた前記各光源ブロックの発光輝度分布を設定する輝度分布設定手段と、
    前記設定された輝度分布で前記バックライトを点灯させる点灯制御手段と
    をさらに具備することを特徴とする表示制御装置。
  5. 請求項4に記載の表示制御装置であって、
    前記点灯制御手段により前記バックライトが点灯される場合、前記輝度比制御手段は、前記表示画面の全領域における前記光源ブロックの前記輝度比が等しくなるように制御することを特徴とする表示制御装置。
  6. 画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスと、
    前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトと、
    前記映像信号のうち色度信号を検出する色度信号検出手段と、
    前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御する輝度比制御手段と
    を具備することを特徴とする表示装置。
  7. 画素ごとに光の透過率を変化させることで、入力された映像信号に応じた映像を表示画面に表示する表示デバイスと、前記3原色の前記光を発する光源ブロックを有し、前記表示画面が分割された複数の領域に対応して前記光源ブロックが複数配置されて構成されたバックライトとを備える表示装置の表示制御方法であって、
    前記映像信号のうち色度信号を検出するステップと、
    前記検出された色度信号に応じて、前記光源ブロックごとに前記3原色の光の輝度比を個別に制御するステップと
    を具備することを特徴とする表示制御方法。
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