(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部(図1の第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9)を備え、当該複数の変動表示部のうちいずれかの変動表示部で前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって通常状態よりも有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記複数の変動表示部のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記変動表示部での変動表示に応じた演出を表示により行なう複数の演出表示部(図1の第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k)と、
前記複数の変動表示部のそれぞれについて、前記変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを、当該表示結果が導出表示される前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、第1特別図柄プロセス処理における図19の第1特別図柄通常処理でのS31、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記複数の演出表示部のそれぞれにおいて対応する前記変動表示部の変動表示結果に応じて実行する演出を、予め定められた複数種類の演出のうちから選択する演出選択手段(演出制御用マイクロコンピュータ800、第1演出制御プロセス処理における図36の第1図柄変動開始処理でのS267,S274〜S276,S279,S2661,S2721、さらに、第2演出制御プロセス処理における図37の第2図柄変動開始処理でのS267a,S274a〜S276a,S279a,S2661a,S2721a)と、
予め遊技者に有効期間(ミッション期間、たとえば、図12の変動表示30回転)と前記複数種類の演出のうちから選択した所定の演出(たとえば、図15の(d1),(d2)のような3のリーチを出すミッション達成演出)とを報知し(図12の(a4))、該報知した有効期間内において前記演出表示部に前記所定の演出が実行されると前記特定遊技状態に制御される特殊演出(ミッション演出)を実行する特殊演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ800、第1図柄変動開始処理および第2図柄変動開始処理における図39の遊技状態管理処理でのS335〜S346、図34の第1演出制御プロセス処理でのS401〜S403、図36のS274,S279,S284、図35の第2演出制御プロセス処理でのS401a〜S403a、図37のS274a,S279a,S284a)と、
該特殊演出実行手段により前記特殊演出を実行するか否かを判定する特殊演出実行判定手段(図39のS335〜S343)とを含み、
前記演出選択手段は、
前記特殊演出実行手段により前記特殊演出が実行されている前記有効期間中において、前記複数の変動表示部のうち前記変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすることが前記事前決定手段により決定された変動表示部に対応する前記演出表示部で実行する演出としては前記所定の演出を選択する第1選択手段と(図36のS274および図37のS274a)、
前記複数の変動表示部のうち前記変動表示の表示結果を前記特定表示結果としないことが前記事前決定手段により決定された変動表示部に対応する前記演出表示部で実行する演出としては前記所定の演出以外の演出(たとえば、図13の(b1)〜(b4)のような3のリーチを出さない演出)を選択し(図36のS275,S279,S2661,S2721および図37のS275a,S279a,S2661a,S2721a)、かつ、当該変動表示部以外の演出表示部で実行する演出としても前記所定の演出以外の演出を選択する第2選択手段(図36のS275,S279,S2661,S2721および図37のS275a,S279a,S2661a,S2721a)とを含む。
このような構成によれば、特定遊技状態の終了後において、予め遊技者に報知された有効期間内において、予め遊技者に報知された所定の演出が演出表示部で実行されると、特定遊技状態に制御される特殊演出が実行されるので、複数の演出表示部について、特定遊技状態の終了後における演出状態を共通化することができる。さらに、前記特殊演出が実行されている有効期間中において、複数の変動表示部のうち、変動表示の表示結果を特定表示結果とすることが決定された変動表示部に対応する演出表示部で実行する演出として所定の演出が選択され、変動表示の表示結果を特定表示結果としないことが決定された変動表示部に対応する演出表示部で実行する演出として所定の演出以外の演出が選択され、かつ、当該変動表示部以外の演出表示部で実行する演出としても所定の演出以外の演出が選択される。これにより、変動表示の表示結果が特定表示結果とならない変動表示部に対応する演出表示部で、特殊演出状態において変動表示の表示結果が特定表示結果となるときに行なわれる所定の演出が偶然的に行なわれてしまうことが回避されるので、不適切な演出により遊技者が変動表示の表示結果が特定表示結果となると誤解することを回避することができる。
(2) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球)が進入したときに前記複数の変動表示部のうち少なくとも1つの変動表示部における変動表示の始動条件が成立する始動領域(第1可変入賞球装置15、第2可変入賞球装置17)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な第1状態(開状態)と該第1状態よりも不利な第2状態(閉状態)とのいずれかの状態に変化可能であり、前記特定遊技状態において前記第1状態に変化させられる可変入賞手段(第1特別可変入賞球装置20、第2特別可変入賞球装置22)とをさらに備え、
前記事前決定手段は、
前記特定遊技状態終了後に前記通常状態(低確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上しかつ前記始動領域への遊技媒体の進入しやすさが前記通常状態と同一である第1高確率状態(高確低べース状態)に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上しかつ前記通常状態よりも前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすく設定された第2高確率状態(高確高べース状態)に制御するかを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定し(第1特別図柄プロセス処理における図19の第1特別図柄通常処理でのS31および図20の第1特別図柄停止図柄設定処理でのS42、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)、
さらに、前記通常状態に制御されているときと前記第1高確率状態に制御されているときとで、前記特定遊技状態終了後に前記第1高確率状態に制御すると決定する割合と、前記特定遊技状態終了後に前記第2高確率状態に制御すると決定する割合とが異なるように設定された(数値例として、図6では低確低ベース状態で大当りが発生したときは高確低ベース状態となる確率が30%であり、高確高ベース状態となる確率が10%である。一方、高確低ベース状態で大当りが発生したときは高確低ベース状態となる確率が10%であり、高確高ベース状態となる確率が30%である)データ(ROM54に記憶されたR2の値と大当り遊技状態の種類および大当り図柄の種類との関係を示すデータ)を用いて決定を行ない(図20のS42)、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞手段を所定期間(30秒間)第1状態に変化させることを所定回数(15回)行なう第1遊技状態(15R通常大当り、15R確変大当りA、15R確変大当りB)に制御する第1遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17の第1特別プロセス処理における図20のS42,S44、S45、図24のS122,S123,S126、図17のS146、図26のS193、さらに、図18の第2特別プロセス処理における同様のステップ)と、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間(1秒間)および前記所定回数よりも少ない回数(2回)の少なくともいずれかで第1状態に変化させ、前記特定遊技状態終了後に、前記第1高確率状態または前記第2高確率状態に制御される第2遊技状態(2R確変大当りA、2R確変大当りB)に制御する第2遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17の第1特別プロセス処理における図20のS42、S44、図24のS124,S125,S126、図17のS146、図26のS193、さらに、図18の第2特別プロセス処理における同様のステップ)と、
所定条件が成立したときに、前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同等の期間(1秒間)かつ前記第2遊技状態と同等の回数(2回)で第1状態に変化させる第3遊技状態(小当り)に制御する第3遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17の第1特別プロセス処理における図19のS35,S37、図24のS124,S125,S126、図17のS146、図26のS193、さらに、図18の第2特別プロセス処理における同様のステップ)とをさらに含み、
前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定し(図17の第1特別プロセス処理における図19のS31,S34、図20のS42、さらに、図18の第2特別プロセス処理における同様のステップ)、
前記特殊演出実行手段は、前記通常状態に対応して行なう演出状態として予め定められた通常演出状態において前記特定遊技状態の終了後に前記第1高確率状態とする前記第2遊技状態に制御された後と、前記通常演出状態において前記第3遊技状態に制御された後で、前記通常演出状態とは異なる演出態様となる前記特殊演出を実行する特殊演出状態(ミッション演出状態)に切替える制御を行なう(図17の第1特別プロセス処理における図36のS277、図39のS340,S343,S344〜S346、さらに、図18の第2特別プロセス処理における図37のS277、図39のS340,S343,S344〜S346)。
このような構成によれば、特定遊技状態に制御されたときに移行する遊技状態として、通常状態、第1高確率状態、および、第2高確率状態が設けられているので、始動領域への進入しやすさの設定が異なる複数の遊技状態がある。始動領域への進入しやすさの設定が異なる複数の遊技状態があることにより、特定遊技状態が発生するまでの遊技において、遊技状態が有利であるのか不利であるのかについて、遊技者が実感することができるようになる。また、通常状態に制御されているときと第1高確率状態に制御されているときとで、特定遊技状態終了後に第1高確率状態に制御すると決定する割合と、特定遊技状態終了後に第2高確率状態に制御すると決定する割合とが異ならされるので、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、特定遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
さらに、可変入賞手段を所定期間よりも短い期間および所定回数よりも少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる遊技状態であって、特定遊技状態終了後に高確率状態とされる第2遊技状態に制御された後と、可変入賞手段を第2遊技状態と同等の期間かつ第2遊技状態と同等の回数で第1状態に変化させる遊技状態である第3遊技状態に制御された後とで、特殊演出を実行する特殊演出状態に制御される。これにより、特殊演出状態に制御されているときに、高確率状態となっているか否かを遊技者が区別しにくくなる。そして、高確率状態となっていないときであっても特殊演出状態に制御されることにより、遊技者の期待感を高めることができるとともに、特定遊技状態に対する期待度が高い特殊演出が行なわれる頻度を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。また、第3遊技状態に制御されたときは、可変入賞手段が第2遊技状態と同等の期間かつ第2遊技状態と同等の回数で第1状態に変化させられるが、遊技状態は変化しないので、たとえば、第2高確率状態において第3遊技状態に制御された後でも第2高確率状態が継続されるというように、特殊演出状態が行なわれる頻度を高めることによって遊技者が不利益を受けないようにすることができる。
(3) 前記事前決定手段は、前記第2高確率状態に制御されているときにおいて、前記第2遊技状態に制御するときには、前記特定遊技状態の終了後に前記第2高確率状態に制御すると決定する(図6において、高確高ベース状態で2R確変大当りAまたは2R確変大当りBに決定したときには、大当り遊技状態終了後高確高ベース状態とすることが決定される)。
このような構成によれば、第2高確率状態に制御されているときにおいて第2遊技状態に制御するときには、特定遊技状態の終了後に第2高確率状態に制御すると決定されるので、第2遊技状態に制御されたときに、第2遊技状態に関して遊技者にとって不利益が生じないようにすることができる。
(4) 前記特殊演出実行手段は、前記第2遊技状態または前記第3遊技状態に制御された後に前記有効期間(ミッション期間)が経過したとき、前記特殊演出状態から前記通常演出状態に切替える制御を行なう(図36および図37のS282)。
このような構成によれば、第2遊技状態または第3遊技状態に制御された後に有効期間が経過したときに、特殊演出状態から通常演出状態に切替える制御が行なわれる。これにより、高確率状態となっているときであっても通常演出状態となるときがある。このため、通常演出状態となったときであっても遊技者が高確率状態に対する期待感をなくさないようにすることができる。
このような構成によれば、第2遊技状態に制御された後における特殊演出状態について、第3遊技状態に制御された後における特殊演出状態と比べて、長期間の有効期間を選択されやすくするので、特殊演出状態において特定遊技状態が生じやすくなり、特殊演出状態に対する遊技者の期待度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機等であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部を備え、当該複数の変動表示部のうちいずれかの変動表示部で前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって通常状態よりも有利な特定遊技状態に制御される遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射するために操作する打球操作ハンドル5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット50が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット50に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、上皿としての打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を、打球操作ハンドル5を操作することに応じて弾発発射して、遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて、景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
遊技領域7中には、変動表示部としての第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とが所定間隔を隔てて配置されている。第1特別図柄表示器8は、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞する始動入賞の発生)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての特別図柄(以下、第1特別図柄と呼ぶ場合もある)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する表示部である。第1特別図柄表示器8での変動表示の表示結果(以下、変動表示結果と呼ぶ場合もある)が予め定められた大当り表示結果としての大当り図柄でとなったときには、第1大当りが発生し、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)としての第1大当り遊技状態に制御される。
第2特別図柄表示器9は、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞する始動入賞の発生)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての特別図柄(以下、第1特別図柄と呼ぶ場合もある)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する表示部である。第2特別図柄表示器9での変動表示の表示結果が大当り表示結果としての大当り図柄となったときには、第2大当りが発生し、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)としての第2大当り遊技状態に制御される。
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれは、7セグメント表示器により構成されている。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおける変動表示は、図柄を点滅させながら所定の更新順序で更新表示する態様で行なわれる。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、そのような数字図柄以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、特別図柄の変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより所定の順序で更新表示するものでもよく、図柄を所定の順序で切替えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら所定順序で更新表示するものでもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、7セグメント表示器に限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示、エレクトロルミネセンス、または、ドットマトリックス表示を利用したもの等、画像を表示する画像表示式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、表示結果を導出表示することは、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることができる態様であればよい。
第1特別図柄表示器8の下には、第1特別図柄表示器8に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての飾り図柄(以下、第1飾り図柄と呼ぶ場合もある)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられている。
第2特別図柄表示器9の下には、第2特別図柄表示器9に対応して、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての飾り図柄(以下、第2飾り図柄と呼ぶ場合もある)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。
ここで第1飾り図柄は、第1特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第1特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある演出用の図柄をいう。また、第2飾り図柄は、第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第2特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある演出用の図柄をいう。第1特別図柄の変動表示、すなわち、第1特別変動表示と所定の関係を有して行なわれる第1飾り図柄の変動表示は、第1飾り変動表示と呼ばれる。また、第2特別図柄の変動表示、すなわち、第2特別変動表示と所定の関係を有して行なわれる第2飾り図柄の変動表示は、第2飾り変動表示と呼ばれる。
このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。第1特別図柄表示器8により大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに左,中,右図柄がゾロ目、または、チャンス目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。同様に、第2特別図柄表示器9により大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに左,中,右図柄がゾロ目、または、チャンス目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような大当り図柄、および、大当り図柄の組合せとなる表示結果は、大当り表示結果という。
第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第1表示部と呼ぶ場合がある。また、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第2表示部と呼ぶ場合がある。第1表示部側での変動表示(第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示)は、総称して第1変動表示と呼ばれる場合があり、第2表示部側での変動表示(第2特別図柄および第2飾り図柄の変動表示)は、総称して第2変動表示と呼ばれる場合がある。
第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいては、前述した飾り図柄の他にも、飾り図柄の背景を示す背景画像、および、キャラクタ画像等の各種画像が表示される。ここで、キャラクタとは、変動表示部に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす画像をいう。
第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、液晶表示装置(LCD)により構成され、所定方向に図柄をスクロールさせることにより所定の順序で図柄を更新表示するスクロール表示等の所定の変動表示態様で飾り図柄を変動表示することが可能である。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、左・中・右の3つの表示領域で飾り図柄が変動表示される。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
また、第1特別図柄表示器8を左右から挟むように、第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1始動入賞口14に入った有効入賞球数(第1の保留記憶数、第1の始動記憶数または第1の始動入賞記憶数ともいう)を表示する4つのLEDにより構成される。第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1の保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1始動入賞口14に始動入賞があるごとに、第1の保留記憶数の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄保留記憶表示器10は、第1特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、第1の保留記憶数の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。
同様に、第2特別図柄表示器9を左右から挟むように、第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器11は、第2始動入賞口16に入った有効入賞球数(第2の保留記憶数、第2の始動記憶数または第2の始動入賞記憶数ともいう)を表示する4つのLEDにより構成される。第2特別図柄保留記憶表示器11は、第2の保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。第2特別図柄保留記憶表示器11は、第2始動入賞口16に始動入賞があるごとに、第2の保留記憶数の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄保留記憶表示器11は、第2特別図柄表示器9で変動表示が開始されるごとに、第2の保留記憶数の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の一例として、数字が示された図柄を示したが、これに限らず、飾り図柄は、そのような図柄以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、飾り図柄の変動表示態様には、所定方向に図柄をスクロールさせることにより所定の順序で更新表示するもの、図柄を所定の順序で切替えることにより更新表示するもの、仮想軸を中心に図柄を回転させながら所定順序で更新表示する等各種の変動表示態様が含まれる。また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれは、液晶表示装置に限らず、CRT、プラズマ表示を利用したもの等のように、その他の表示方式で変動表示をするものであってもよい。また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、個別の表示装置(別体で構成された表示装置)により構成される例を示した。しかし、これに限らず、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、一体化された1つの表示装置における表示領域を画面上で分割して2つの表示領域に分けて使用するときのそれぞれの分割された2つの表示領域により構成されてよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に大当り表示結果が導出表示されるとともに、第1飾り変動表示部8kに大当り表示結果が導出表示されたことにより発生する第1大当り遊技状態と、第2特別図柄表示器9に大当り表示結果が導出表示されるとともに、第2飾り変動表示部9kに大当り表示結果が導出表示されたことにより発生する第2大当り遊技状態とを同一の価値(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等が同一)が付与される大当り遊技状態としている。しかし、これに限らず、一方の大当り遊技状態を他方の大当り遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっている。しかし、これに限らず、3以上の複数系統の表示部を備え、3以上の複数(任意の自然数)の表示部で識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる第1特別図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、0〜9の10種類の数字からなる第1飾り図柄を3つの表示領域のそれぞれにおいて表示する。第1特別図柄表示器8により、大当り図柄が表示結果として導出表示されたときには、第1大当り遊技状態が発生する。第1特別図柄表示器8により大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにゾロ目となる飾り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。
また、第1特別図柄表示器8で、はずれ図柄が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにおいて、はずれ図柄の組合せが表示結果として導出表示される。第2特別図柄表示器9で、はずれ図柄が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにおいて、はずれ図柄の組合せが表示結果として導出表示される。特別図柄によるはずれ図柄の表示結果および飾り図柄によるはずれ図柄の組合せの表示結果は、まとめて、はずれ表示結果と呼ぶ場合がある。
また、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が同一であり、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとのそれぞれで使用する図柄の種類が同一である例について説明する。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が異なり、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとのそれぞれで使用する図柄の種類が異なるようにしてもよい。
打球が第1始動入賞口14へ入賞したときに、後述する第1特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)が抽出される。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照))に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第1保留記憶データとも呼ばれる。この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。
打球が第2始動入賞口16へ入賞したときに、後述する第2特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)が抽出される。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照)に設けられる記憶領域)に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、この第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第2保留記憶データとも呼ばれる。この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される第1保留記憶データは、第1表示部の変動表示の開始条件が成立したときに第1表示部の変動表示の実行を開始するための始動条件(実行条件)が成立したことを示すデータである。第2保留記憶バッファに記憶される第2保留記憶データは、第2表示部の変動表示の開始条件が成立したときに第2表示部の変動表示の実行を開始するための始動条件(実行条件)が成立したことを示すデータである。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれには、抽出された数値データのうち未だ開始条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが、予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
また、第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14を有する第1可変入賞球装置15が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。また、第1可変入賞球装置15には、開閉動作を行なう左右一対の可動片が設けられている。第1可変入賞球装置15の可動片は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により第1可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する第2可変入賞球装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2可変入賞球装置17には、開閉動作を行なう左右一対の可動片が設けられている。第2可変入賞球装置17の可動片は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により第2可変入賞球装置17の可動片が開状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口16に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
第1始動入賞口14の下方には、第1表示部において大当り表示結果が導出表示されたことに基づく第1大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞球装置20が設けられている。第1特別可変入賞球装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞球装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第1特別可変入賞球装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第1大入賞口21から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図2にソレノイド73として示す)も設けられている。
可変入賞球装置17の下方には、第1表示部において大当り表示結果が導出表示されたことに基づく第2大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞球装置22が設けられている。第2特別可変入賞球装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞球装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第2特別可変入賞球装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域と、V入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切替えるための経路切替え部材(シーソー)を駆動するソレノイド(ここでは図示を省略し、図2にソレノイド76として示す)も設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて、図柄が停止することで当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、第1の表示部と第2の表示部とのそれぞれについては、大当りとなることが決定されたときに、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
第1飾り変動表示部8kの左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる第1普通図柄表示器12が設けられている。この第1普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第1普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第1普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、第1普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。第1普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を第1普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第1普通図柄表示器12のさらに下方には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第1普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この第1普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、第1普通図柄表示器12において、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は後述する非時短状態では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第1普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、第1可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、第1可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
以上、第1普通図柄表示器12および第1普通図柄保留記憶表示器18について説明したが、第2飾り変動表示部9kの右下方に第2普通図柄表示器13および第2普通図柄保留記憶表示器19が設けられている。この第2普通図柄表示器13も、第1普通図柄表示器12と同様に、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。第2ゲート29を遊技球が通過して第2ゲートスイッチ66で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である第2普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第2普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。この記憶数に基づき、第2普通図柄表示器13において変動表示が行なわれる。また、この記憶数に基づき、第2普通図柄保留記憶表示器19において、LEDが点灯される。第2普通図柄表示器13における変動表示の表示結果が当りである場合には、第2可変入賞球装置17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置17の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
また、パチンコ遊技機1においては、予め定められた条件が成立したときに、変動時間短縮状態である時短状態に制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、第1普通図柄表示器12、および、第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、第1普通図柄表示器12、および、後述する第2普通図柄表示器13における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、第1可変入賞球装置15および第2可変入賞球装置17の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、時短状態では、第1可変入賞球装置15の開放時間を非時短状態よりも長くする制御と、その開放回数を非時短状態よりも増やす制御とのうち、いずれか一方の制御を行なうようにしてもよい。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における第1可変入賞球装置15および第2可変入賞球装置17のそれぞれの開放時間が長くされ、当り時における第1可変入賞球装置15および第2可変入賞球装置17のそれぞれの開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて第1可変入賞球装置15および第2可変入賞球装置17が開放状態となりやすいので、第1始動入賞口14および第2始動入賞口16への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
また、遊技領域7においては、前述した入賞口の他に、通常入賞口と呼ばれる入賞領域が複数設けられている(図示省略)。通常入賞口のそれぞれには、入賞した遊技球を検出する通常入賞スイッチが内蔵されている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。前面枠における遊技領域7の外周左部および外周右部には、遊技効果ランプ40が複数設けられている。また、左右の遊技効果ランプ40の近傍には、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ(図1では省略し、図2等に示す)と、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ(図1では省略し、図2等に示す)とが、設けられている。
なお、この実施の形態では、第1表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞球装置20と、第2表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞球装置22とを備えている例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置としては、1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞球装置と、第2表示部に大当り表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞球装置とを同一(共通)の特別可変入賞球装置を用いて構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる第1可変入賞球装置15と、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる第2可変入賞球装置17とをそれぞれ備えている例について説明したが、これに限らず、始動条件成立に関わる可変入賞球装置を1つとし、この可変入賞球装置が第1表示部および第2表示部という2つの表示部の始動条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、可変入賞球装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの表示部(第1表示部と第2表示部とのいずれか)において変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの表示部について予め定められた所定の順序(たとえば、第1表示部と第2表示部とを交互に変動表示対象とする)で変動表示を実行するように構成してもよい。
次に、図1を参照して、パチンコ遊技機1における具体的な遊技について説明する。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示省略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1表示部の変動表示を開始する。第1表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数を増加させる。
また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2表示部9の変動表示を開始する。第2表示部の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を増加させる。
第1表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに選択される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第1表示部で導出表示された表示結果が大当り表示結果となると、第1の特定遊技状態としての第1大当り遊技状態に移行する。第1大当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置20によって、第1大入賞口21が開放された後、所定の閉条件が成立したときに第1大入賞口21が閉塞される。第1特別可変入賞球装置20によって第1大入賞口21が開放されてから閉塞されるまでが第1大当り遊技状態における1ラウンドである。
そして、予め定められた継続権が発生すると、第1特別可変入賞球装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、後述するように大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、第1大当りの繰返し継続制御と呼ばれる。
第2表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに選択される変動表示時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第2表示部で導出表示された表示結果が大当り表示結果となると、第2の特定遊技状態としての第2大当り遊技状態に移行する。第2大当り遊技状態では、第2特別可変入賞球装置22によって、第2大入賞口23が開放された後、所定の閉条件が成立したときに第2大入賞口23が閉塞される。第2特別可変入賞球装置22によって第2大入賞口23が開放されてから閉塞されるまでが第2大当り遊技状態における1ラウンドである。
そして、予め定められた継続権が発生すると、第2特別可変入賞球装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、後述するように大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、第2大当りの繰返し継続制御と呼ばれる。
この実施の形態の場合は、第1大当りおよび第2大当りのそれぞれについての大当りの種類として、継続権が最大15ラウンド継続する15ラウンド大当り(以下、15R大当りという)と、継続権が2ラウンド継続する2ラウンド大当り(以下、2R大当りという)とが設けられている。
第1大当りのうち、15R大当りでは、第1大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置20により第1大入賞口21が開放されたときに、一定時間(たとえば、30秒間)が経過したか、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞したかのいずれかの状態となったときに、前述の閉条件が成立し、第1大入賞口21が閉塞される。また、2R大当りでは、第1大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置20により第1大入賞口21が開放されたときに、一定時間(たとえば、1秒間)が経過したときに、前述の閉条件が成立し、第1大入賞口21が閉塞される。
また、第2大当りのうち、15R大当りでは、第2大当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置22により第2大入賞口23が開放されたときに、一定時間(たとえば、30秒間)が経過したか、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞したかのいずれかの状態となったときに、前述の閉条件が成立し、第2大入賞口23が閉塞される。また、2R大当りでは、第1大当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置22により第2大入賞口23が開放されたときに、一定時間(たとえば、1秒間)が経過したときに、前述の閉条件が成立し、第2大入賞口23が閉塞される。
15R大当りの場合は、前述したように各ラウンドにおいて遊技球がV入賞領域に入賞したか否かに基づいて継続権の発生をチェックするが、2R大当りの場合は、第1ラウンドにおいて遊技球がV入賞領域に入賞したか否かに基づいて継続権の発生をチェックすることなく、無条件で継続権が発生するように制御される。これにより、2R大当りの場合は、遊技球がV入賞領域に入賞するか否かに関わらず、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22が必ず2回開閉される制御が行なわれることとなる。なお、2R大当りについては、第1ラウンドにおいて遊技球がV入賞領域に入賞したか否かに基づいて継続権の発生をチェックするようにしてもよい(ただし、大入賞口の開放時間を、15R大当りと同様の時間に設定する)。また、15R大当りの場合についても、最終ラウンドまで無条件で継続権が発生するように制御してもよく、そのようにすれば、15R大当りと2R大当りとで制御内容が共通化されるので、制御の複雑化を抑制することができる。また、V入賞領域を設けずに、15R大当りおよび2R大当りについては、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22の開放を常に最終ラウンドまで許容するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のうちいずれかにおける特別図柄の変動表示結果が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。確変状態は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の両方の変動表示を対象として、大当りになる確率が向上した状態である。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。この実施の形態においては、前述した15R大当りとして、大当り遊技状態後に確変状態となる15R確変大当りと、大当り遊技状態後に確変状態とならない15R通常大当りとが設けられている。また、前述した2R大当りとしては、大当り遊技状態後確変状態となる2R確変大当りが設けられている。
15R通常大当りによる大当り遊技状態は、15R通常大当り遊技状態という。また、15R確変大当りによる大当り遊技状態は、15R確変大当り遊技状態という。また、2R確変大当りによる大当り遊技状態は、2R確変大当り遊技状態という。さらに、15R通常大当り遊技状態と15R確変大当り遊技状態とは、まとめて15R大当り遊技状態と呼ぶ場合がある。また、2R確変大当り遊技状態は、2R大当り遊技状態と呼ぶ場合がある。
また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示結果が予め定められた小当り図柄である場合には、2R確変大当りの大当り遊技状態の場合と同様の態様で第1特別可変入賞球装置20および第2特別可変入賞球装置22のうち対応する特別可変入賞球装置が2回開閉される当り遊技状態(以下、小当り遊技状態という)となる小当りとなる。第1特別図柄表示器8の表示結果に基づく小当りが第1小当りと呼ばれ、第2特別図柄表示器9の表示結果に基づく小当りが第2小当りと呼ばれる。第1小当りによる当り遊技状態が第1小当り遊技状態と呼ばれ、第2小当りによる当り遊技状態が第2小当り遊技状態と呼ばれる。
具体的に、第1小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置20が2回開閉されることが予め定められた一連の動作として設定されており、このような一連の動作が1回だけ行なわれることにより、第1特別可変入賞球装置20が2回開閉される。より具体的に説明すると、第1小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置20が、2R確変大当りの第1ラウンドと同一時間開状態とされた後、2R確変大当りの第1,2ラウンド間のインターバル時間と同一時間閉状態とされ、さらに、2R確変大当りの第2ラウンドと同一時間開状態とされた後、閉状態とされる。
また、第2小当り遊技状態では、第2特別可変入賞球装置22が2回開閉されることが予め定められた一連の動作として設定されており、このような一連の動作が1回だけ行なわれることにより、第2特別可変入賞球装置22が2回開閉される。より具体的に説明すると、第2小当り遊技状態では、第2特別可変入賞球装置22が、2R確変大当りの第1ラウンドと同一時間開状態とされた後、2R確変大当りの第1,2ラウンド間のインターバル時間と同一時間閉状態とされ、さらに、2R確変大当りの第2ラウンドと同一時間開状態とされた後、閉状態とされる。なお、小当りと2R確変大当りとの開閉時間は、ほぼ同等であればよい。
このような小当りの場合は、小当り遊技状態の開始直前の遊技状態が継続されることにより、遊技状態が変化しない。
以上に示した各種大当りと小当りとは、まとめて当りと呼ぶ場合がある。また、以上に示した各種大当りの大当り遊技状態と、小当り遊技状態とは、まとめて当り遊技状態と呼ぶ場合がある。
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって遊技の信号を制御するCPU56、および演出制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータまたはCPUについても同様である。
また、主基板31には、スイッチ回路32、ソレノイド回路33、LED駆動回路77、および、情報出力回路34が搭載されている。スイッチ回路32は、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、および、通常入賞スイッチ(図示省略)等の各種検出手段からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。
ソレノイド回路33は、第1可変入賞球装置15を開閉するソレノイド71、第1特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内の経路切替え部材を駆動するソレノイド73、第2可変入賞球装置16を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞球装置22を開閉するソレノイド75、および、第2大入賞口23内の経路切替え部材を駆動するソレノイド76等を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令にしたがって駆動する。LED駆動回路77は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの制御信号に応じて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、第1普通図柄表示器12、第2普通図柄表示器13、第1普通図柄保留記憶表示器18、および、第2普通図柄保留記憶表示器19のようなLEDよりなる表示器のそれぞれに駆動信号を出力する。情報出力回路34は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータにしたがって、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する。
主基板31には、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれに出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、主基板31は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれに出力し表示制御を行なう。
また、主基板31には、第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19のそれぞれに出力し制御を行なう。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50からの球貸要求信号に応じて貸球の払出しを行なうとともに、遊技盤6に設けられた各入賞口において遊技球の入賞を検出したことにより賞球払出しを行なう装置である球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、演出制御基板80に表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドとしての機能を含む演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、各種の演出制御を行なう演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御等の演出制御を行なうためのCPU、RAM、ROM、I/Oポート部(図示省略)を含む。この演出制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに応じて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kの表示制御、各種発光手段の制御、および、スピーカ27を用いた遊技音発生制御等の各種演出の制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800が制御する発光手段には、装飾ランプ25、遊技効果ランプ40、賞球ランプ51、および、球切れランプ52が含まれる。
演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1演出制御コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2演出制御コマンドとが含まれ、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信したコマンドに応じた表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
演出制御用のCPUは、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドにしたがって、受信したコマンドに応じた表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には次のような制御を行なう。演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)、映像ROM、および、VRAM(Video Ram)が搭載されている(図示省略)。
VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、画像データを生成し、表示部の表示制御を行なう。映像ROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像データを予め格納しておくためのものである。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。演出制御用のCPUは、受信した演出制御コマンドにしたがって、映像ROMから必要なデータを読出し、そのデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用のCPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。VDPは、演出制御用のCPUから入力されたデータにしたがって、受信した演出制御コマンドに応じた表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成してVRAMに画像データを展開し、演出制御コマンドに応じた表示部に画像を表示するための処理を行なう。
また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35に前述した各種発光手段の駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。演出制御基板80に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づいて、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kでの演出表示に対応して、音の出力および発光を、スピーカ27および前述の発光手段により行なうための制御も行なう。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R7が示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれの変動表示について大当り遊技状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「400」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1が抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55(第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示結果を大当り表示結果として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示結果をはずれとすることが決定され、大当り遊技状態の制御が行なわれない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、15R通常大当り、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りA、および、2R確変大当りBのうちのどの種類の大当り遊技状態にするかという大当り種類の決定と、大当り図柄の決定とを行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R2は、「0」からその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
パチンコ遊技機1においては、大当り遊技状態となるときに、後に確変状態に制御される確変大当りと、後に確変状態に制御されない通常大当り(非確変大当りともいう)とのいずれかに制御される。以下の説明において、単に「大当り」と示すときは、通常大当りと確変大当りとの両方を代表して示す場合である。また、確変状態に制御される大当りとしては、前述したように、大当り遊技状態のラウンド数の上限値を通常の15ラウンドとした大当り遊技状態を経て確変状態に制御される15R確変大当りと、大当り遊技状態のラウンド数の上限値を通常よりも少ないラウンド数(たとえば、2ラウンド)とするとともに1回のラウンドにおける第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22の開放時間を通常よりも短い時間(1秒間)とした大当り遊技状態を経て確変状態に制御される2R確変大当りとを含む。
15R確変大当りとしては、15R確変大当りAと15R確変大当りBとの複数の15R確変大当りが設けられている。15R確変大当りAと15R確変大当りBとでは、大当り遊技状態の終了後に遊技制御の状態および演出制御の制御モードが移行するときの移行先が一部異なる。以下の説明において、単に「15R確変大当り」と示すときは、15R確変大当りAと15R確変大当りBとの両方を代表して示す場合である。また、2R確変大当りとしては、2R確変大当りAと2R確変大当りBとの複数の2R確変大当りが設けられている。2R確変大当りAと2R確変大当りBとでは、大当り遊技状態の終了後に遊技制御の状態および演出制御の制御モードが移行するときの移行先が一部異なる。以下の説明において、単に「2R確変大当り」と示すときは、2R確変大当りAと2R確変大当りBとの両方を代表して示す場合である。また、単に「確変大当り」と示すときは、15R確変大当りと2R確変大当りとの両方を代表して示す場合である。また、単に「当り」と示すときには、大当りと小当りとの両方を代表して示す場合である。
次に、大当り確率およびベースにより特定される遊技制御の状態と、演出制御の制御モード(以下、演出制御モードともいう)とについて説明する。遊技制御の状態は、大当り確率およびベースの高低(このような大当り確率およびベースの状態を確率・ベース状態という)に基づいて、低確低ベース、高確低ベース、高確高ベース、および、低確高ベースの複数の遊技制御状態に分類される。また、演出制御の制御モードは、通常モード、確変モード、時短モード、ミッションAモード、および、ミッションBモード等の複数の制御モードを含む。
低確低ベースは、非確変状態(低確率状態)、かつ、非時短状態(低ベース状態)のときの遊技制御の状態である。高確低ベースは、確変状態(高確率状態)、かつ、非時短状態(低ベース状態)のときの遊技制御の状態である。高確高ベースは、確変状態(高確率状態)、かつ、時短状態(高ベース状態)のときの遊技制御の状態である。低確高ベースは、非確変状態(低確率状態)、かつ、時短状態(高ベース状態)のときの遊技制御の状態である。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
低確低ベース、高確低ベース、高確高ベース、および、低確高ベースのそれぞれの状態においては、以下のように対応する演出制御モードで演出制御が行なわれる。
通常モードは、低確低ベースのときの演出制御モードである。通常モードでは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいて、非時短用の変動パターンで変動表示が行なわれる。確変モードは、高確高ベースのときの演出制御モードである。確変モードでは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいて、確変状態であることが示されるとともに、時短用の変動パターンで変動表示が行なわれる。時短モードは、低確高ベースのときの演出制御モードである。時短モードでは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいて、時短状態であることが示されるとともに、時短用の変動パターンで変動表示が行なわれる。
ミッションAモードは、高確低ベースのときの演出制御モードであり、後述するような所定の真のミッション演出を行なうモードである。ミッションBモードは、低確低ベース状態のときの演出制御モードであり、後述するような所定の偽(通称ガセ)のミッション演出を行なうモードである。ミッションAモードとミッションBモードとは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで表示される演出が互いに同様であり、かつ、どちらのモードにおいても、非時短時用の変動パターンが用いられる。このため、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで表示されるミッション演出は、ミッションAモードとミッションBモードとのどちらのモードに制御されているかを遊技者が容易に判別できないようにされている。
ここで、ミッション演出について説明する。ミッション演出は、予め遊技者に有効期間としてのミッション期間と、複数種類の演出のうちから選択した所定の演出(たとえば所定のキャラクタを出現させる演出等)とをミッションとして報知し、報知したミッション期間内において所定の演出が実行されると特定遊技状態に制御される特殊演出である。具体的に、ミッションモードにおいては、遊技者が達成可能な課題として示される条件(達成条件)を、複数種類の達成条件のうちから選択して遊技者に報知することにより提示するとともに、変動表示時において、そのミッションが達成(成功)できるかどうかが示される。達成条件が成立してミッションが達成されたときには、ミッションが達成されたことを示す演出が行なわれ、たとえば15R大当りとなる等の遊技者にとって有利な状態に制御される。
この実施の形態の場合は、第1飾り変動表示部8kの側と、第2飾り変動表示部9kの側とでミッション演出が個別に行なわれる。第1飾り変動表示部8kの側で行なわれるミッション演出は、第1ミッション演出(第1ミッションモード)と呼ばれ、ミッションAモードである第1ミッションAモードと、ミッションBモードである第1ミッションBモードとを含む。また、第2飾り変動表示部9kの側で行なわれるミッション演出は、第2ミッション演出(第2ミッションモード)と呼ばれ、ミッションAモードである第2ミッションAモードと、ミッションBモードである第2ミッションBモードとを含む。第1飾り変動表示部8kの側で行なわれる第1ミッション演出と、第2飾り変動表示部9kの側で行なわれる第2ミッション演出とは、同じ複数種類のミッション演出の中から選択された演出が行なわれるので、同じ種類のミッション演出が第1ミッション演出と第2ミッション演出とのどちらでも行なわれる。なお、第1ミッション演出と第2ミッション演出とでミッション演出の内容を異ならせてもよい。また、この実施の形態の場合、第1ミッション演出と第2ミッション演出とが、並列的には行なわれないように制御される。なお、第1ミッション演出と第2ミッション演出とは、並列的に行なわれるように制御してもよい。
ミッションAモードでのミッション演出において達成条件が成立せずにミッションが達成されなかったとき、および、ミッションBモードでのミッション演出において達成条件が成立せずにミッションが達成されなかったときには、演出制御モードが通常モードに戻る。通常モードは、前述のように基本的に低確低ベースでの演出制御モードであるが、高確低ベースで行なわれるミッションAモードでのミッション演出で達成条件が成立せずにミッションが達成されなかったときにもミッションモードから移行する演出制御モードでもある。ミッションモードが第1飾り変動表示部8kの側での第1ミッションモードと、第2飾り変動表示部9kの側での第2ミッションモードとに分けられているので、通常モードも、第1飾り変動表示部8kの側での通常モードを示す第1通常モードと、第2飾り変動表示部9kの側での通常モードを示す第2通常モードとに分けられて管理される。
このようなミッション演出において報知されることにより提示されるミッションは、たとえば、30回の特別図柄および飾り図柄の変動表示が行なわれるうちに所定の図柄でのリーチを出すというような、所定期間内(30回の変動表示が行なわれる期間内)において実行可能な演出の種類(所定の図柄でのリーチを出すという演出の種類)を示す演出パターンである。ミッション期間内の変動表示において15R大当りの大当り表示結果が導出表示されるときには、ミッションが成功する演出(たとえば、所定の図柄でのリーチを出現させる演出パターンでの変動表示)が行なわれる。なお、ミッション演出のミッションにおいて提示されるミッション期間として指定される所定期間は、たとえば、30回の変動表示が行なわれる期間というような変動表示回数を指定する期間であってもよく、5分以内の期間というような経過時間を指定する期間であってもよい。
また、ミッション期間内の変動表示において15R大当りの大当り表示結果が導出表示されないときには、ミッション期間内の最後の変動表示においてミッションが達成されずに失敗する演出が行なわれる。なお、ミッション期間内には、ミッションが成功するまでの間の変動表示において、たとえば、所定の図柄でのリーチが出現せずにはずれ表示結果が表示結果として導出表示される。そして、このようなミッション演出が行なわれる期間は、最大限前述の所定期間が終了するまで継続し、前述の所定期間が終了する前であっても、ミッションが成功した時点で終了する。このようなミッション演出は、複数種類設けられており、選択的に実行される。
真のミッション演出であるミッションA演出は、遊技者にとって有利な状態の1つである高確低ベース状態への移行を契機にして行なわれるため、遊技者の大当り(15R大当り)に対する期待感を高めるものとなる。これに対し、偽のミッション演出であるミッションB演出は、実際の遊技制御状態は低確低ベースであるにもかかわらす、真のミッション演出と同様の演出をすることにより、あたかも、遊技制御状態が高確低ベースの状態にあるように遊技者に感じさせるものである。このような偽のミッション演出を行なえば、遊技者の期待感を高める頻度を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいては、演出制御の制御モードが、通常モード、確変モード、時短モード、ミッションモード等のいずれのモードの状態に制御されているのかを示すために、これらのモードに対応して、モード毎に異なる背景画像が表示される。ここで、背景画像とは、飾り図柄の背景となる画像をいう。
第1始動口スイッチ62および第2始動口スイッチ67のそれぞれにより有効な始動入賞が検出されると、それに応じて、前述のR1、R2、および、後述する小当り判定用のR7のそれぞれが抽出されて第1保留記憶データおよび第2保留記憶データのそれぞれとしてRAM55に記憶される。そして、R1については、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かがそれぞれ判断される。この判断において、一致した場合には、そのように一致した変動表示結果を大当り表示結果として大当りを発生させることが決定され、大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、そのように一致しない変動表示結果を大当り表示結果としない(小当り表示結果、または、はずれ表示結果となる)ことが決定され、遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
R2の値は、たとえば図5に示すように大当り遊技状態の種類および特別図柄の大当り図柄の種類に割振られて対応付けられている。R2の抽出値は、特別図柄および飾り図柄の変動表示を開始する前の所定のタイミングで読出され、予め定められた複数の大当り種類・図柄判定値のいずれと一致するか判断される。そして、R2の抽出値に対応する大当り種類が変動表示の結果として生じる大当りとして選択決定され、R2の抽出値に対応する大当り図柄が特別図柄の変動表示において表示結果として導出表示する大当り表示結果として選択決定される。
R3は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされ、かつ、後述するR7を用いた小当り判定により小当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとすることが事前決定されているときに、どの種類のはずれ図柄を特別図柄表示器8に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「3」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。R3の値は、特別図柄のはずれ図柄のそれぞれに割振られて対応付けられている。R3は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR3の値に対応する特別図柄がはずれ図柄として決定される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとのそれぞれにおける変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウント値と変動パターンとの関係に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。変動パターンについては、第1表示部側での変動表示の変動パターンを第1変動パターンと呼び、第2表示部側での変動表示の変動パターンを第2変動パターンと呼ぶことにより、どちらの表示部での変動パターンであるかを区別して示す場合がある。
R5は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされ、かつ、後述するR7を用いた小当り判定により小当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R5は、「0」からカウントアップしてその上限である「39」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。変動パターンを決定する前の段階で、R5の値が抽出され、抽出されたR5の値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しない場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R6は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。ゲートスイッチ32aにより有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
R7は、前述の大当り判定において大当りとしない判定がされたときに、小当りとするか否かをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための小当り判定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。ここで、小当りについて説明する。パチンコ遊技機1においては、大当り遊技状態とならないときに、小当りに制御される場合がある。小当りは、前述したように、大当りとは異なる当りであって、変動表示結果において予め定められた小当り表示結果が導出表示され、第1特別可変入賞球装置20と第2特別可変入賞球装置22とのうち、小当り表示結果が導出表示された方の特別図柄表示器に対応する特別可変入賞球装置が、2R確変大当りと同様の態様で2回開閉される当りである。小当りは、大当りと異なる当りであるため、遊技制御の確率・ベース状態の変化には関わらない。
R7は、「0」からカウントアップしてその上限である「19」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎に1ずつ加算更新される。前述したように始動入賞時に抽出されたR7の値が、変動表示開始前の所定のタイミングで読出され、抽出されたR7の値が予め定められた小当り判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、第1小当り遊技状態または第2小当り遊技状態を発生させる制御が行なわれる。
なお、前述したランダムカウンタの他に、初期値決定用のランダムカウンタを設け、そのランダムカウンタから所定のタイミングで数値データを抽出し、その抽出値に基づいて、R1〜R7のそれぞれの初期値をランダムに決定するようにしてもよい。また、前述したR1の抽出値に基づいて、大当り判定を行なうことに加えて、小当り判定を行なうようにしてもよい。その場合には、R1の数値データの範囲内に、大当り判定値と小当り判定値とを別個に設けておき、R1の抽出値が大当り判定値と一致したときに大当りとすることを決定し、R1の抽出値が小当り判定値と一致したときに小当りとすることを決定するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定と小当り決定とが重複しないようにすることができる。
図4は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図4には、ランダムカウンタの一例として、演出内容決定用のランダムカウンタRT、および、飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3が示されている。
RTは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで行なわれるミッション演出等の各種演出の内容をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させる演出内容決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RTは、「0」からカウントアップしてその上限である「232」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、33msecごとに1ずつ加算更新される。所定タイミングでRTから抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウンタの値と演出内容との関係に基づいて、予め定められた演出内容の中から、演出内容が選択決定される。たとえば、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれで行なわれるミッション演出については、複数種類のミッション演出が設けられており、それぞれのミッション演出について、対応するRTの値が割振られている。そして、ミッション演出を開始するときには、所定タイミングでRTから抽出されたカウンタの値に対応するミッション演出が選択決定されて実行される。
RU−1〜RU−3は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごと、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれは、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ53により、大当り判定(R1による判定)で大当りとしないとする判定がされ、かつ、小当り判定(R7による判定)で小当りとしないとする判定がされたことによりはずれとすることが決定された場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。なお、はずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄または小当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、はずれとする場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、大当り種類・図柄決定(R2による決定)で15R通常大当りとすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−3から抽出された乱数に対応する大当り図柄(確変大当りの図柄として用いられる「7」を除く)が左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。これにより、飾り図柄による15R通常大当り表示結果は、「7」以外のゾロ目となる。
また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、大当り種類・図柄決定で2R確変大当りとすることが決定された場合には、チャンス目と呼ばれる予め定められた飾り図柄の組合せが左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。また、小当り判定で小当りとする判定がされた場合には、2R確変大当りの場合と同じチャンス目が左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。
次に、前述した各種の大当りおよび小当りを含む当りのそれぞれについて、特徴を説明する。図5は、各種の大当りおよび小当りを含む当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
R2の抽出値が「0」〜「59」のいずれかのときには、15R通常大当りとすること、および、特別図柄の大当り図柄を15R通常大当り表示結果としての「1」とすることが決定される。15R通常大当りとなるときには、飾り図柄の表示結果は、15R通常大当り表示結果としての「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「8」、「9」のうちのいずれかのゾロ目となる。また、15R通常大当りは、最大ラウンド回数が15ラウンドであり、後に大当り発生確率が低確率となる。
R2の抽出値が「60」〜「69」のいずれかのときには、15R確変大当りAとすること、および、特別図柄の大当り図柄を15R確変大当りA表示結果としての「3」とすることが決定される。15R確変大当りAとなるときには、対応する飾り図柄の表示結果が、15R確変大当り表示結果としての「7」のゾロ目となる。また、15R確変大当りAは、最大ラウンド回数が15ラウンドであり、後に大当り発生確率が高確率となる。
R2の抽出値が「70」〜「79」のいずれかのときには、15R確変大当りBとすること、および、特別図柄の大当り図柄を15R確変大当りB表示結果としての「5」とすることが決定される。15R確変大当りBとなるときには、対応する飾り図柄の表示結果が、15R確変大当りAとなるときと同様に15R確変大当り表示結果としての「7」のゾロ目となる。また、15R確変大当りBは、最大ラウンド回数が15ラウンドであり、後に大当り発生確率が高確率となる。
R2の抽出値が「80」〜「89」のいずれかのときには、2R確変大当りAとすること、および、特別図柄の大当り図柄を2R確変大当りA表示結果としての「7」とすることが決定される。2R確変大当りAとなるときには、対応する飾り図柄の表示結果が、2R確変大当り表示結果としての「135」のチャンス目となる。ここで、チャンス目は、前述した15R確変大当り表示結果のようなゾロ目以外の図柄の組合せにより構成される図柄の組合せであり、遊技者にチャンスをもたらす表示結果として予め定められている。また、2R確変大当りAは、最大ラウンド回数が2ラウンドであり、後に大当り発生確率が高確率となる。
R2の抽出値が「90」〜「99」のいずれかのときには、2R確変大当りBとすること、および、特別図柄の大当り図柄を2R確変大当りB表示結果としての「9」とすることが決定される。2R確変大当りBとなるときには、対応する飾り図柄の表示結果が、2R確変大当りAの場合と同様に2R確変大当り表示結果としての「135」のチャンス目となる。2R確変大当りBは、最大ラウンド回数が2ラウンドであり、大当り発生確率が高確率となる。このようなR2の値と決定される大当り遊技状態の種類および大当り図柄の種類との関係を示すデータは、ROM54に記憶されている。
R7の抽出値が「5」のときには、小当り判定値と一致することにより、小当りとすること、および、特別図柄を小当り表示結果としての「0」とすることが決定される。小当りとなるときには、対応する飾り図柄の表示結果(小当り表示結果)は、2R確変大当りの場合と同様に「135」のチャンス目となる。小当りは、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22が2回開くが、大当り発生確率が変化しない。このようなR7の値と小当り判定値との関係を示すデータは、ROM54に記憶されている。
次に、遊技制御状態(確率・ベース状態)と演出制御モードとがどのように移行するかについて説明する。遊技制御状態(確率・ベース状態)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53によって管理され、図6および図7に示すような条件に基づいて移行または維持される。また、演出制御モードは、演出制御用マイクロコンピュータ800によって管理され、図6および図7に示すような条件に基づいて移行または維持される。
図6は、当り発生時の遊技制御状態(確率・ベース状態)と、当りの種類と、当りとなった後の遊技制御状態との関係を表形式で示す図である。図7は、遊技制御状態(確率・ベース状態)についての当りの種類と状態変化との関係、および、演出制御モードについての当りと状態変化との関係を示すブロック図である。
図6および図7を参照して、表中の(1)は低確低ベース、(2)は高確低ベース、(3)は高確高ベース、(4)は低確高ベースを示す番号である。また、図6および図7のそれぞれにおいて、aは大当りとする判定がされたときに選択される確率が60%の15R通常大当り、bは大当りとする判定がされたときに選択される確率が10%の15R確変大当りA、cは大当りとする判定がされたときに選択される確率が10%の15R確変大当りB、dは大当りとする判定がされたときに選択される確率が10%の2R確変大当りA、eは大当りとする判定がされたときに選択される確率が10%の2R確変大当りB、fは小当りを示す記号である。また、図7において、矢印は遊技制御状態および演出制御モードの移行または維持の流れを示し、矢印に隣接して示されたa〜fの記号は、前述した大当りの種類を示す記号に対応している。
以下、図6および図7を参照して説明を行なう。まず、低確低ベースの状態を説明する。低確低ベース状態において、演出制御モードは、通常モードとミッションBモードとのうちいずれかのモードとなる。低確低ベース状態において、15R通常大当りと小当りとのうちいずれかが発生したときには、低確低ベース状態が維持される。低確低ベース状態において15R通常大当りが発生したときには、演出制御モードが通常モードとなる。通常モードであるときに小当りが発生すると、小当りが発生した方の飾り変動表示部の側がミッションBモードに移行し、ミッションBモードであるときにミッションが達成できずにミッション期間が終了するとその飾り変動表示部の側がミッションBモードから通常モードに移行する。また、低確低ベース状態において、15R確変大当りAと15R確変大当りBと2R確変大当りBとのうちいずれかが発生したときには、遊技制御状態が高確低ベース状態に移行する。
また、低確低ベース状態において、2R確変大当りAが発生したときには、遊技制御状態が高確高ベース状態に移行する。このように低確低ベース状態においては、2R確変大当りAと2R確変大当りBとで、高確率状態となることが共通するが、確率・ベース状態の移行先が異なる。
次に、高確低ベースの状態を説明する。高確低ベース状態において、演出制御モードは、ミッションAモードと通常モードとのうちいずれかのモードとなる。低確低ベース状態から高確低ベース状態に移行したとき、および、15R確変大当りBまたは小当りの発生により高確低ベース状態が維持されるときには、そのような当りが発生した方の飾り変動表示部の側がミッションAモードとなる。低確低ベース状態から高確低ベース状態に移行するときの演出制御モードは、通常モードからミッションAモードに移行する場合と、ミッションBモードからミッションAモードに移行する場合とがある。ミッションBモードからミッションAモードに移行する場合には、確率・ベース状態は変化するが、同様のミッション演出が行なわれるため、ミッション演出が行なわれている方の第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kにおける表示の演出は、変化しない。そして、ミッションAモードであるときにミッションが達成できずにミッション期間が終了すると、ミッション演出が行なわれている方の飾り変動表示部の側が通常モードに移行する。一方、また、高確低ベース状態において、15R確変大当りA、2R確変大当りA、および、2R確変大当りBのうちいずれかが発生したときには、遊技制御状態が高確高ベース状態に移行する。また、高確低ベース状態において、15R通常大当りが発生したときには、低確高ベース状態に移行する。
次に、高確高ベースの状態を説明する。高確高ベース状態において、演出制御モードは、確変モードとなる。高確高ベース状態において、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りA、2R確変大当りB、および、小当りのうちいずれかが発生したときには、遊技制御状態が高確高ベース状態を維持する。また、高確高ベース状態において、15R通常大当りが発生したときには、低確高ベース状態に移行する。
次に、低確高ベースの状態を説明する。低確高ベース状態において、演出制御モードは、時短モードとなる。低確高ベース状態において、15R通常大当りが発生したときには、低確低ベース状態に移行する。その場合は、演出制御モードが通常モードとなる。低確高ベース状態において、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りA、および、2R確変大当りBのうちいずれかが発生したときには、遊技制御状態が低確高ベース状態を維持する。また、低確高ベース状態において、小当りが発生したときには、低確高ベース状態を維持する。
以上に説明したように、遊技制御状態および演出制御モードは、図6に示す当りの発生等の所定条件の成立に基づいて、移行または維持される。このように、確率・ベース状態は、同じ種類の大当りが発生したときであっても、その発生時における確率・ベース状態により、大当り遊技状態後の確率・ベース状態が異なるようになる場合があるので、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができるようになる。
また、2R確変大当りについては、2R確変大当りAと2R確変大当りBとの複数種類の確変大当りが設けられているが、どちらの2R確変大当りが発生したときであっても、現状の確率・ベース状態よりも遊技者にとって不利な状態とならないように制御される。これにより、2R確変大当りが発生したことによって遊技者の期待感が低下することがない。
また、確率・ベース状態として、第1始動入賞口14および第2始動入賞口16への進入しやすさが異なる低べース状態(低確低ベース、高確低ベース)と高ベース状態(低確高ベース、高確低ベース)との複数の遊技状態が設けられているので、大当り状態が発生するまでの遊技において、遊技状態が有利であるのか不利であるのかについて、遊技者が実感することができるようになる。
第1表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)における変動パターンの選択決定は、変動パターン選択用のデータテーブルと、変動パターン決定用のR4の抽出値とを用いて行なわれる。変動パターン選択用のデータテーブルは、高確高ベース状態および低確高ベース状態において用いられる短縮変動パターンを選択決定するために用いられる短縮変動パターンデータテーブルと、低確低ベース状態、および、高確低ベース状態において用いられる非短縮変動パターンを選択決定するために用いられる非短縮変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
非短縮変動パターンデータテーブルは、低確低ベース時に用いる低確低ベース時データテーブル、および、高確低ベース時に用いる高確低ベース時データテーブルを含む。短縮変動パターンデータテーブルは、低確高ベース時に用いる低確高ベース時データテーブル、および、高確高ベース時に用いる高確高ベース時データテーブルを含む。このようなデータテーブルは、変動パターンを決定するときにおける大当り確率およびベースの状態に対応するものが選択されて用いられる。
図8および図9は、非短縮変動パターンテーブルを表形式で説明するための図である。図8は、低確低ベース時データテーブルを表形式で示す図である。非短縮変動パターンテーブルのうちの低確低ベース時データテーブルでは、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定の結果、R5を用いたリーチ判定の結果、および、R7を用いた小当り判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、15R通常大当り決定時データテーブル、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブル、2R確変大当りA決定時データテーブル、2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルが使い分けられる。
低確低ベースの状態において、R1を用いた大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。変動パターンデータテーブルにおける変動パターンという情報には、当りはずれの種類を特定可能な情報(当りについては15R大当りとそれ以外の当りとの2種類を特定可能であり、はずれについては非リーチはずれとリーチはずれとチャンス目はずれとの3種類を特定可能)と、変動パターンの種類を特定可能な情報(変動表示時間を特定可能な情報でもある)と、変動表示後における演出制御モードを特定可能な情報(演出制御モードが移行する場合と、演出制御モードが移行せずに継続する場合とを含む)とが含まれている。
R4の抽出値が「0〜94」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「はずれA変動パターン・後通常モード」という変動パターンが選択決定される。ここで、「はずれ」とは、大当りおよび小当り以外のはずれであって、非リーチはずれであり、かつ、非チャンス目のはずれとなることを示す情報である。また、「A変動パターン」とは、変動表示における演出表示のパターンのうち「A」と呼ばれる演出表示パターンを示す情報である。また、「後通常モード」とは、変動表示後(大当りとなるときには大当り後)に通常モードとなることを示す情報である。このように、「はずれA変動パターン・後通常モード」の変動パターンは、変動表示結果がはずれであること、演出表示パターンがA変動パターンであること、および、変動表示後に通常モードとなることを示している。
また、R4の抽出値が「95〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目はずれC変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。「チャンス目はずれ」とは、大当りおよび小当り以外でチャンス目が変動表示結果として表示されてはずれとなることを示す情報である。「C変動パターン」とは、変動表示における演出表示のパターンのうち「C」と呼ばれる演出表示パターンを示す情報である。また、「後ミッションモード」とは、変動表示後(大当りとなるときには大当り後)に、その変動表示が行なわれた方の飾り変動表示部の側がミッションモード(この場合はミッションBモード)となることを示す情報である。チャンス目はずれC変動パターン・後ミッションモードが選択されたときには、第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kにおいて、前述の2R確変大当り表示結果および小当り表示結果として用いられるチャンス目(「135」)とは異なる予め定められたはずれ用のチャンス目(たとえば、「579」)が表示結果として導出表示された後ミッションモードに移行する。
また、低確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン・後通常モード」が選択決定される。ここで、「リーチ」とは、はずれリーチを示す情報である。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン・後通常モード」が選択決定される。ここで、「B変動パターン」とは、変動表示における演出表示のパターンのうち「B」と呼ばれる演出表示パターンを示す情報である。
また、低確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R通常大当りであるときには、15R通常大当り決定時データテーブルが用いられる。15R通常大当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りA変動パターン・後通常モード」が選択決定される。ここで、「15R大当り」とは、15R通常大当り、15R確変大当りA、および、15R確変大当りBを代表して示す情報である。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「15R大当りA変動パターン」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「15R大当りB変動パターン・後通常モード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りB変動パターン・後通常モード」が選択決定される。
また、低確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R確変大当りAまたは15R確変大当りBであるときには、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルが用いられる。15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りA変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルにおける「後ミッションモード」は、ミッションAモードを示す情報である。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りA変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「15R大当りB変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りB変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
また、低確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により2R確変大当りAであるときには、2R確変大当りA決定時データテーブルが用いられる。2R確変大当りA決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りC変動パターン・後確変モード」が選択決定される。ここで、「チャンス目当り」とは、変動表示結果がチャンス目のときに当りとなる2R確変大当りA、2R確変大当りB、および、小当りを代表して示す情報である。2R確変大当りA決定時データテーブルにおける「後確変モード」とは、変動表示後(大当りとなるときには大当り後)に確変モードとなることを示す情報である。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「チャンス目当りD変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
また、低確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により2R確変大当りBであるとき、または、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、かつ、R7を用いての小当り判定結果が小当りとなるときには、2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルが用いられる。2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りC変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。この場合の「後ミッションモード」は、変動表示後にミッションモードとなるミッションAモードおよびミッションBモードを代表して示す情報である。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「チャンス目当りD変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
図9は、高確低ベース時データテーブルを表形式で示す図である。非短縮変動パターンテーブルのうちの高確低ベース時データテーブルでは、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定の結果、R5を用いたリーチ判定の結果、および、R7を用いた小当り判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、15R通常大当り決定時データテーブル、15R確変大当りA決定時データテーブル、15R確変大当りB決定時データテーブル、2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブル、および、小当り決定時データテーブルが使い分けられる。
高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。
R4の抽出値が「0〜94」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「はずれA変動パターン・後ミッションモード」という変動パターンが選択決定される。また、R4の抽出値が「95〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目はずれC変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。この非リーチはずれ決定時データテーブルの場合の「後ミッションモード」はミッションAモードを示す情報である。
また、高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。このリーチはずれ決定時データテーブルの場合の「後ミッションモード」は、ミッションAモードを示す情報である。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R通常大当りであるときには、15R通常大当り決定時データテーブルが用いられる。15R通常大当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りA変動パターン・後時短モード」が選択決定される。ここで、「後時短モード」とは、変動表示後(大当りとなるときには大当り後)に時短モードとなることを示す情報である。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りA変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「15R大当りB変動パターン・後時短モード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りB変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
また、高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R確変大当りAであるときには、15R確変大当りA決定時データテーブルが用いられる。15R確変大当りA決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りA変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りA変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「15R大当りB変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りB変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
また、高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R確変大当りBであるときには、15R確変大当りB決定時データテーブルが用いられる。15R確変大当りB決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りA変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。この15R確変大当りB決定時データテーブルの場合の「後ミッションモード」は、ミッションAモードを示す情報である。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りA変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が25秒の「15R大当りB変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りB変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
また、高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により2R確変大当りAまたは2R確変大当りBであるときには、2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブルが用いられる。2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りC変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「チャンス目当りD変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
また、高確低ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、かつ、R7を用いての小当り判定結果が小当りであるときには、小当り決定時データテーブルが用いられる。小当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りC変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。この小当り決定時データテーブルの場合の「後ミッションモード」は、ミッションAモードを示す情報である。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「チャンス目当りD変動パターン・後ミッションモード」が選択決定される。
図10および図11は、短縮変動パターンテーブルを表形式で説明するための図である。図10は、高確高ベース時データテーブルを表形式で示す図である。短縮変動パターンテーブルのうちの高確高ベース時データテーブルでは、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定の結果、R5を用いたリーチ判定の結果、および、R7を用いた小当り判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、15R通常大当り決定時データテーブル、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブル、2R確変大当りA・2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルが使い分けられる。
高確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。
R4の抽出値が「0〜94」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「はずれE変動パターン・後確変モード」という変動パターンが選択決定される。また、R4の抽出値が「95〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「はずれG変動パターン・後確変モード」が選択決定される。このR4の抽出値が「95〜99」の範囲内の場合の「はずれ」は、前述の「チャンス目はずれ」とは異なり、非リーチはずれであり、かつ、非チャンス目のはずれの表示結果が導出表示されることを示す情報である。
また、高確高ベースの状態において、R1を用いた大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「リーチF変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
高確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R通常大当りであるときには、15R通常大当り決定時データテーブルが用いられる。15R通常大当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りE変動パターン・後時短モード」が選択決定される。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「15R大当りE変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りF変動パターン・後時短モード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りF変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
また、高確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により15R確変大当りAまたは15R確変大当りBであるときには、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルが用いられる。15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜14」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りE変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「15〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「15R大当りE変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
R4の抽出値が「30〜62」の範囲内の場合には、変動表示時間が20秒の「15R大当りF変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「63〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「15R大当りF変動パターン・後確変モード」が選択決定される。
また、高確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により2R確変大当りAまたは2R確変大当りBであるときと、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、かつ、R7を用いての小当り判定結果が小当りであるときとには、2R確変大当りA・2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルが用いられる。2R確変大当りA・2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「チャンス目当りG変動パターン・後確変モード」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りH変動パターン・確変モード」が選択決定される。
図11は、低確高ベース時データテーブルを表形式で示す図である。短縮変動パターンテーブルのうちの低確高ベース時データテーブルでは、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定の結果、R5を用いたリーチ判定の結果、および、R7を用いた小当り判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、15R通常大当り決定時データテーブル、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブル、2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブル、小当り決定時データテーブルが使い分けられる。
低確高ベースの状態において、R1を用いた大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。
R4の抽出値が「0〜94」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「はずれE変動パターン・後時短モード」という変動パターンが選択決定される。また、R4の抽出値が「95〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「はずれG変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
また、低確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、R7を用いての小当り判定結果が小当りとせず、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン・後時短モード」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「リーチF変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
15R通常大当り決定時データテーブル、および、15R確変大当りA・15R確変大当りB決定時データテーブルのそれぞれについては、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が、高確高ベース時データテーブルの場合と同様である。
また、低確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなり、かつ、その大当りが、R2を用いての大当り種類の決定結果により2R確変大当りA、または、2R確変大当りBであるときには、2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブルが用いられる。2R確変大当りA・2R確変大当りB決定時データテーブルにおけるR4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係は、前述した高確高ベース時データテーブルにおける2R確変大当りA・2R確変大当りB・小当り決定時データテーブルと同様に「チャンス目当り」と「後確変モード」との情報を含む変動パターンを選択するものである。
また、低確高ベースの状態において、R1を用いての大当り判定結果が大当りとせず、かつ、R7を用いての小当り判定結果が小当りであるときには、小当り決定時データテーブルが用いられる。小当り決定時データテーブルでは、R4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が、次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「チャンス目当りG変動パターン・後時短モード」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「チャンス目当りH変動パターン・後時短モード」が選択決定される。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように変動表示部において変動表示が開始されるときに、後述する第1特別図柄プロセス処理(図16)の第1変動パターン設定処理(図21)、および、後述する第2特別図柄プロセス処理(図17)の第2変動パターン設定処理のそれぞれにおいて、図8〜図11で説明したデータテーブルをルックアップして決定される。
次に、図12〜図15を用いて、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kで行なわれる画像表示の一例を説明する。図12は、演出制御モードが通常モードからミッションAモードまたはミッションBモードに移行するときの表示例を示す表示画面図である。また、図12においては、第1飾り変動表示部8kと第1特別図柄表示器8との間の表示の関係を説明するために、第1飾り変動表示部8kの右上の位置に第1特別図柄表示器8での第1特別図柄10aの表示状態を示す。さらに、図12においては、第2飾り変動表示部9kと第2特別図柄表示器9との間の表示の関係を説明するために、第2飾り変動表示部9kの右上の位置に第2特別図柄表示器9での第2特別図柄11aの表示状態を示す。このように第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示状態を示すことは、図12以外に、図13〜図15でも同様である。
図12では、(a1)〜(a5)にミッションAモードとミッションBモードとで共通の表示例が示される。変動表示が行なわれるときには、(a1)に示すように、第1表示部では、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄10aと、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の左図柄81,中図柄82,右図柄83(以下、第1飾り図柄81,82,83と総称で示す場合もある)とについて、同時に変動表示が開始される(図中下向きの矢印は、図柄が変動中であることを示している)。その後、第1飾り図柄81,82,83は、予め定められた順序(たとえば、左図柄81、右図柄83、中図柄82の順序)で停止表示されていき、(a2)に示すように、第1特別図柄表示器10における第1特別図柄と、第1飾り図柄の中図柄82とが同時に停止表示される態様で、第1表示部での表示結果が導出表示される。なお、第1飾り図柄81,82,83は、3図柄が同時に停止するときもある等、変動パターンにより各図柄の停止順序およびタイミングが異なる場合があるが、基本的に、第1特別図柄10aの表示結果と、第1飾り図柄81,82,83の表示結果とが同時に導出表示される。
また、(a1)に示すように、第2表示部では、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄11aと、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄の左図柄91,中図柄92,右図柄93(以下、第2飾り図柄91,92,93と総称で示す場合もある)とについて、同時に変動表示が開始される。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれにおいては、飾り図柄の他に、変動表示の演出に関わる所定のキャラクタ901が表示されている。通常モードにおいては、キャラクタ901が(a1)のような予め定められた態様で表示される。
その後、第2飾り図柄91,92,93は、予め定められた順序(たとえば、左図柄91、右図柄93、中図柄92の順序)で停止表示されていき、(a2)に示す第1表示部での停止態様と同様に、第2特別図柄11aと、第2飾り図柄の中図柄92とが同時に停止表示される態様で、第2表示部での表示結果が導出表示される。なお、第2飾り図柄91,92,93は、3図柄が同時に停止するときもある等、変動パターンにより各図柄の停止順序およびタイミングが異なる場合があるが、基本的に、第2特別図柄11aの表示結果と、第2飾り図柄91,92,93の表示結果とが同時に導出表示される。
第1表示部および第2表示部のうち、2R確変大当りまたは小当りとなる表示部については、たとえば(a2)の第1飾り変動表示部8kの左図柄81、右図柄83、中図柄82に示すように、対応する飾り図柄の停止表示結果が2R確変大当り表示結果としての「135」のチャンス目となる。そのとき、たとえば、2R確変大当りBとなる表示部については、たとえば(a2)の第1特別図柄10aに示すように、対応する特別図柄の停止表示結果が2R確変大当りB表示結果としての「9」となる。また、たとえば、小当り表示結果となる表示部については、図示を省略するが、対応する特別図柄の停止表示結果が小当り表示結果としての「0」となる。
たとえば、通常モードにおいて第1表示部または第2表示部で2R確変大当りBとなるときには、前述のように、大当り遊技状態の終了後に、そのような当りとなった方の表示部での演出制御モードがミッションAモードに移行する。また、通常モードにおいて第1表示部または第2表示部で小当りとなるときには、前述のように、小当り遊技状態の終了後に、そのような当りとなった方の表示部での演出制御モードがミッションBモードに移行する。ミッションAモードまたはミッションBモードに移行したときには、たとえば(a3)に示すように、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのうち、そのような当りとなった方の表示部(図12の場合は第1飾り変動表示部8k)において、ミッションモードに突入する旨を示すメッセージが表示されることにより、ミッションモードが開始されることが報知される。その報知は、ミッションAモードであるかミッションBモードであるかを特定しない態様で行なわれる。
その後、2R確変大当りまたは小当りとなったときには、そのような当りの表示結果が導出表示された表示部に対応する可変入賞球装置(図12の場合は第1特別可変入賞球装置20)で大入賞口が2回開放される当り遊技状態(2R確変大当り遊技状態または小当り遊技状態)の動作が行なわれる。一方、2R確変大当りまたは小当りの表示結果が導出表示されていない表示部については、対応する可変入賞球装置で当り遊技状態の動作が行なわれない。
2R確変大当り遊技状態中および小当り遊技状態中のそれぞれにおける演出表示の表示内容は、実行中のラウンド数の表示が行なわれず、ラウンド単位で区切られた表示内容ではなく、たとえば、キャラクタ等が第1および第2ラウンドの期間中に亘って連続して動作するような表示内容となる。このような演出により、2R確変大当り後に確変モードとなったときには、2R確変大当りが、大当り遊技状態を経ずに突然確変状態になったように遊技者に感じさせることができ、変化に富んだ遊技状態を遊技者に提供することができる。
2R確変大当り遊技状態の終了時および小当り遊技状態の終了時には、(a4)に示すように、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのうちミッションモードに移行する方の表示部において、たとえば、「30回転以内に3のリーチを出せ」というようなミッションの内容が報知される。ミッションの内容は、予め定められた複数種類のミッションのうちからランダムに選択される。そして、ミッションモードに移行するときの2R確変大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後には、(a5)に示すように、ミッションモードとなった方の飾り変動表示部において、ミッション内容を特定するメッセージ902と、ミッションにおける残りの変動表示回数903とが表示されるとともに、キャラクタ901の表示態様が、ミッションモード中であることを特定する表示態様(たとえば、「ミッションモード」というメッセージをキャラクタが示す表示態様)に変化させられる。そして、次の変動表示が開始できる状態(保留記憶データがあるとき)であれば、変動表示を開始する。(a5)に示すような状態は、ミッションモードが終了するまで継続され、そのような状態において、ミッションAモードまたはミッションBモードでの変動表示が行なわれていく。
この場合のミッションは、変動表示が30回行なわれるときまでに、「3」の図柄によるリーチ(以下、「3」のリーチという)が出現する表示がされれば、大当りが生じるという内容である。このミッションの場合、変動表示が30回行なわれるまでに15R大当りとなるときには、「3」のリーチを出現させる表示が行なわれ、ミッションが達成されたことを示す表示がミッション達成演出として行なわれてミッションモードが終了する。一方、変動表示が30回行なわれるまでに15R大当りとならないときには、「3」のリーチを出現させる表示が行なわれず、ミッションが達成されなかったことを示す表示がミッション不達成演出として行なわれてミッションモードが終了する。
このようなミッションモードにおける(a4)のようなミッション内容を特定するメッセージの表示は、次のようなタイミングで行なわれる。15R確変大当りの後にミッションモードとなる場合には、15R大当り遊技状態の終了時にメッセージの表示が行なわれる。2R確変大当りの後にミッションモードとなる場合には、2R大当り遊技状態の終了時にメッセージの表示が行なわれる。小当りの後にミッションモードとなる場合には、小当り遊技状態の終了時にメッセージの表示が行なわれる。はずれの後にミッションモードとなる場合には変動表示の終了時から次の変動表示の開始時までの間にメッセージの表示が行なわれる。また、ミッションモードにおけるミッション達成演出は、ミッションモード中において15R通常大当りおよび15R確変大当りとなる場合にのみ行なわれるものであって、後述する図15に示すように変動表示中に行なわれる。
このように、2R確変大当りとなるときと、小当りとなるときとでは、同一の表示結果であるチャンス目(「135」)が表示されるとともに、大入賞口が2回開放されるという同一の動作態様で、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22が動作させられた後、ミッションAモードとなるのかミッションBモードとなるのかを特定せずにミッションモードとなる旨の報知が行なわれる。これにより、遊技者にとっては、大当り遊技状態の終了後のミッションモードが、低確低ベース状態でのミッションモードなのか、高確低ベース状態でのミッションモードなのかを区別しにくくなる。
図13は、ミッションAモードおよびミッションBモードにおける表示例を示す表示画面図である。図13では、(b1)〜(b4)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。図13においては、第1ミッションモードにおいて第1表示部で変動表示が行なわれたときの状態が(b1),(b2)に示されており、第1ミッションモードにおいて第1表示部および第2表示部で変動表示が行なわれたときの状態が(b3),(b4)に示されている。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについては、ミッションモードとなっている方の表示部(図13の場合は第1表示部)で変動表示が行なわれたときにおいて、ミッション期間が減少更新される。それに応じて、(b1)〜(b4)に示すように、第1表示部で変動表示が行なわれたときに、ミッションにおける残りの変動表示回数903が減少更新される。
図14は、ミッションモードにおいてミッションが達成できずにミッション期間が終了するときのミッション不達成演出の表示例を示す表示画面図である。図14では、(c1)〜(c4)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについて、ミッションが達成できずにミッション期間が終了するときには、次のような表示が行なわれる。残りの変動表示回数903が「0」となった(c1)のようなミッションモードでの表示状態において、(c1)のように、ミッションモードとなっている方の表示部(図14の場合は第1表示部)で変動表示が開始された後、たとえば、(c2)で第1表示部において飾り図柄の左図柄81、中図柄82、および、右図柄83の停止表示結果がはずれ図柄の組合せとなり、第1特別図柄表示器10における第1特別図柄の停止表示結果が「2」等のはずれ図柄となったことを示すように、変動表示が行なわれている方の表示部において、はずれ表示結果が導出表示される。そして、(c3)に示すように、たとえば、「ミッション期間終了!達成ならず・・・」というようなメッセージが、ミッションモードとなっている方の表示部(図14の場合は第1表示部)においてそれぞれ表示されることにより、ミッション不達成演出として、ミッションが達成できずにミッション期間が終了する旨が報知される。そして、この場合は、ミッションモードとなっている方の表示部について、変動表示の終了後に通常モードに移行するので、(c4)に示すように、ミッションモードとなっていた方の表示部(図14の場合は第1表示部)において、前述の図12の(a1)と同様の通常モードでの表示が行なわれる。
図15は、ミッションモードにおいてミッションが達成されたときのミッション達成演出の表示例を示す表示画面図である。図15では、(d1)〜(d4)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについて、第1表示部および第2表示部のうちミッションモードとなっている方の表示部(図14の場合は第1表示部)において、たとえば15R通常大当りのような15R大当りとなるときには、(d2)に示すように、その大当りとなる方の表示部において、ミッション達成演出が行なわれる。ミッション達成演出としては、たとえば(a4)のような「3のリーチを出せ!」というようなミッション内容を特定するメッセージ902に対して、「3」のリーチを出現させる表示であり、大当りとなる表示部において、変動表示中に行なわれる。なお、「3」のリーチを出現させるというようなミッションを達成する表示は、変動表示中であれば、どのようなタイミングで行なわれてもよい。
そして、(d3)に示すように、大当りとなる方の表示部において、特別図柄および飾り図柄の変動表示が停止して大当り表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態が開始される。これにより、大当り遊技状態が開始されるときには、大当り表示結果が導出表示された方の表示部における飾り変動表示部(図15の場合は第1飾り変動表示部8k)において、(d3)に示すような大当り遊技状態(15R大当り)が開始される旨を示す大当り開始表示が行なわれる。そして、第1ラウンド〜第15ラウンドの最大15ラウンド継続する大当り遊技状態が行なわれる。
このような表示が行なわれるミッションモードにおいて、ミッションAモードは、高確低ベース状態のときのモードであるが、同じ高確率状態である高確高ベース状態のときの確変モードと異なり、高確率状態である旨を報知しない。これにより、高確率状態である旨が報知されないときであっても、高確率状態となっている場合があることを遊技者が認識するので、高確率状態である旨が報知されないときであっても、高確率状態となっている可能性があるという期待感を遊技者に持たせることができる。また、高確率状態である旨が報知されないときに、ミッション演出が行なわれると、高確率状態となっているという期待感を遊技者に持たせることができ、ミッション演出に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、低確低ベース状態と高確低ベース状態とでミッション演出が行なわれるので、低確低ベース状態の場合にのみミッション演出が行なわれる場合と比べて、ミッション演出が行なわれるとき全体の平均的な大当り発生確率が高くなる。
次に、パチンコ遊技機1における制御動作について説明する。図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図16においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)801において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S802においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S802における乱数更新処理では、前述のR3〜R5の値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後、次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S802の処理が繰返し行なわれることとなる。
(b)に示すタイマ割込処理においては、まず、電源基板から電源断信号が出力されているか否かを確認して必要に応じて所定のバックアップ動作を行なう電源断処理(S811)を実行した後、S812〜S825の割込処理である遊技制御処理を実行する。
遊技制御処理において、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を行なう(S812)。
そして、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S813)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞球装置20等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、S814において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S814の乱数更新処理では、前述のR1〜R7のそれぞれが更新される。
次いで、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S815)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞球装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、第1普通図柄プロセス処理を行なう(S816)。第1普通図柄プロセス処理では、第1普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、第2普通図柄プロセス処理を行なう(S817)。第2普通図柄プロセス処理では、第2普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。第1普通図柄プロセス処理を実行することにより第1普通図柄表示器12の表示制御および第1可変入賞球装置15の開閉制御が実行され、第2普通図柄プロセス処理を実行することにより第2普通図柄表示器13の表示制御が実行される。
次いで、第1飾り変動表示部8kにおいて変動表示される第1飾り図柄および第2飾り変動表示部9kにおいて変動表示される第2飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して、演出制御コマンドを送出する飾り図柄コマンド制御処理を行なう(S818)。さらに、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S819)。
そして、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等の賞球の払出しに関わる各種スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S820)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69等のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す賞球制御信号を出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号に応じて球払出装置44を駆動し、賞球を払出させる制御を行なう。
そして、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S821)。また、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S822)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S823)を実行する。第1可変入賞球装置15、第1特別可変入賞球装置20、第2特別可変入賞球装置22を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23内の遊技球通路を切替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73,75,76を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S824)。特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S825)。普通図柄表示制御処理では、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S826)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1表示部を構成する第1特別図柄表示器8と第2表示部を構成する第2特別図柄表示器9との2つの特別図柄表示器によって特別図柄の変動表示が実行され、第1表示部を構成する第1飾り変動表示部8kと第2表示部を構成する第2飾り変動表示部9kとの2つの飾り変動表示部によって第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示が実行される。そして、第1表示部と第2表示部とのうちいずれか一方の表示部で、変動表示結果として大当り表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このように、表示部を複数備えて、それぞれの表示部で図柄の変動表示を行なう遊技機では同時に大当り遊技状態が発生するおそれがある。このため、この実施の形態では、2つの変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生しないような制御が行なわれる。以下、これらの制御を含めて、第1表示部および第2表示部での表示制御を主に説明する。なお、以下の説明においては、主に第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kを制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kを制御する処理についても同様の制御が実行される。
次に、第1特別図柄プロセス処理(S813)および第2特別図柄プロセス処理(S815)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1表示部を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2表示部を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容については、第1特別図柄プロセス処理と異なる部分を主に説明する。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1表示部という処理対象を第2表示部という処理対象に置換え、かつ、第1特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図17は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第1特別図柄プロセス処理(S813)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1表示部および第1特別可変入賞球装置20等の第1表示部に関連した制御をする処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄プロセス処理において、以下のような処理を行なう。まず、第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、第1始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および確変判定用のランダムカウンタR2から数値データ(乱数)を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。
第1特別図柄通常処理(S140):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果を大当りとするか否か(第1大当りとするか否か)を決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S141):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値、および、はずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値を選択的に用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、導出表示する第1飾り図柄の情報を指定する第1図柄情報コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄情報コマンドは、図16のS818において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
図柄情報コマンドは、飾り図柄の変動表示結果を指示するために用いられるコマンドであって、大当り判定の判定結果および大当り種類の判定結果を示すコマンドでもある。図柄情報コマンドとしては、導出表示する第1飾り図柄の情報を指定する第1図柄情報コマンドと、導出表示する第2飾り図柄の情報を指定する第2図柄情報コマンドとが設けられている。より具体的に、第1図柄情報コマンドおよび第2図柄情報コマンドのそれぞれは、第1飾り図柄および第2飾り図柄のそれぞれについて、はずれ、小当り、15R通常大当り、15R確変大当り、2R確変大当りのうちいずれに制御するかを指定するコマンドである。はずれ指定のコマンドは、はずれとすることを指定する図柄情報コマンドである。また、小当り指定のコマンドは、小当りとすることを指定する図柄情報コマンドである。15R確変大当り指定のコマンドは、15R確変大当り(15R確変大当りA,Bの両方を含む)とすることを指定する図柄情報コマンドである。2R確変大当り指定のコマンドは、2R確変大当り(2R確変大当りA,Bの両方を含む)とすることを指定する図柄情報コマンドである。
第1変動パターン設定処理(S142):変動パターン決定用のランダムカウンタR6の値を抽出し、図8〜図11で説明したデータテーブルを用いて、R4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択決定することにより、第1特別図柄表示器8での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8での変動表示について、変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、第1特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図16のS824において出力される。また、第1飾り図柄の変動表示時間の情報を含む変動パターンを指令するコマンドである第1変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた第1変動パターンコマンドは、図16のS818において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S143):第1変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S142でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(S144):第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kのそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図16のS824において出力される。そして、第1飾り図柄を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図16のS818において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り遊技状態が開始されることを示す第1大当り開始コマンドがセットされる。また、第1小当りフラグがセットされている場合には、第1小当り遊技状態が開始されることを示す第1小当り開始コマンドがセットされる。このような第1大当り開始コマンドおよび第1小当り開始コマンドは、第1当り開始コマンドと呼ばれる。ここでセットされた第1当り開始コマンドは、図16のS818において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1大当り遊技状態または第2小当り遊技状態が開始されるときには、第1特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。そうでないときには、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(S145):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。第1大入賞口21は、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞球装置20を開状態とすることで開放する。また、第1特別図柄プロセスタイマに第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定する等、大当り遊技状態および小当り遊技状態の制御に関するデータを設定し、第1特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S146):第1大当り遊技状態中および第1小当り遊技状態中の各ラウンドの開始条件の成立を確認して第1大入賞口21を開放する各ラウンドの開始時処理を行なうとともに、ラウンド開始コマンド等の各ラウンドについての表示を行なうための第1演出制御コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、各ラウンド中は、第1大入賞口21への入賞個数の管理等のラウンド中処理を行なう。その後、第1大当り遊技状態中および第2小当り遊技状態中の各ラウンドの終了条件の成立を確認し、終了条件が成立したら、第1大当り遊技状態または第1小当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なうとともに、ラウンド終了コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。継続条件の成立を確認する場合、15R大当りについては、大入賞口内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、第1大当り遊技状態の継続条件が成立したか否かを確認するが、2R確変大当りおよび小当りの場合は、無条件で継続条件が成立したと判断する。そして、継続条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、次のラウンドに移行させる。また、15R大当りの大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、15R大当り、2R確変大当りおよび小当りのそれぞれについて全てのラウンドを終えた場合、すなわち、第1当り遊技状態が終了するときには、第1当り遊技状態の終了表示としてのエンディング表示を行なうための第1エンディング表示コマンドを送信するための処理を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
第1当り終了処理(S147):第1小当り遊技状態および第1大当り遊技状態が終了するときの表示制御として、前述のようなエンディング表示を演出制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第2特別図柄プロセス処理(S815)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では、第1表示部および第1特別可変入賞球装置20等の第1表示部に関連した制御をする処理が実行される。ここでは、第2特別図柄プロセス処理について、第1特別図柄プロセス処理と異なる保留記憶データの処理について主に説明する。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第2特別図柄プロセス処理において、以下のような処理を行なう。まず、第2始動口スイッチ67がオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口16に入賞する始動入賞が発生していたら(S531)、第2始動口スイッチ通過処理(S532)を行なった後に、内部状態に応じて、S540〜S547のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第2始動口スイッチ通過処理では、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および確変判定用のランダムカウンタR2から数値データ(乱数)を抽出し、それらを第2保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第2保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第2始動口スイッチがオンし、かつ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。
S540〜S547は、前述したS140〜S147の処理内容を第1表示部および第1特別可変入賞球装置20等の第1表示部に関連した制御をするために置換えたものであり、重複した説明は繰返さない。
第1特別図柄プロセス処理においてS131,S132が実行され、第2特別図柄プロセス処理においてS531,S532が実行されることにより、第1始動入賞口14への始動入賞に基づいて第1特別図柄表示器8の変動表示が実行され、第2始動入賞口16への始動入賞に基づいて第2特別図柄表示器9の変動表示が実行されることとなる。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。なお、第1特別図柄通常処理は、第1特別図柄表示器8において第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技中でもない場合に実行される。
まず、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S21)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S815)における第2特別図柄変動処理(図示しない)でセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2当り終了処理(S547)でリセットされる。第2大当り実行中フラグがセットされているときには、リターンする。
一方、第2大当り実行中フラグがセットされていないときには、第1保留記憶カウンタの値を確認し、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S22)。第1保留記憶数が0であれば、リターンする。一方、第1保留記憶数が0でなければ、第1保留記憶カウンタの値と第2保留記憶カウンタの値とを合計することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値(以下、合計保留記憶数という)を算出する演算を行なう(S23)。
次に、S23で算出された合計保留記憶数が、所定数(たとえば、「6」)よりも大きいか否かを判断する(S24)。合計保留記憶数が、所定数よりも大きくないと判断されたときは、後述するS27に進む。一方、合計保留記憶数が、所定数よりも大きいと判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S25)。時短フラグがセットされていないと判断したときは、合計保留記憶数が多くなったときに特別図柄の変動表示時間を短縮する制御として行なわれる記憶変動短縮制御を行なうために用いられるフラグである記憶変動短縮フラグをセットし、後述するS27に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断したときは、そのままS27に進む。このように記憶変動短縮フラグがセットされたときには、第1変動パターン設定処理(第2特別図柄通常処理の場合は第2変動パターン設定処理)において変動表示時間が短縮された変動パターンが選択される。これにより、時短状態ではない低確低ベース状態および高確低ベース状態のそれぞれにおいて、合計保留記憶数が所定数よりも多くなったときには、特別図柄の変動表示時間が短縮されることにより、保留記憶数が早期に消化できるようにすることができる。
S27では、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する第1保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S28)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
そして、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S29)。第2大当りフラグは、第2特別図柄通常処理(S540)での大当り判定により、第2大当りとすることが決定されたときにセットされ、大当り遊技状態が終了するときに第2当り終了処理(S547)でリセットされる。
第2大当りフラグがセットされていると判断されたときには、第1表示部での変動表示の結果を強制的にはずれにするために、大当り判定と小当り判定とを行なうS30〜S37の処理を行なわないようにしてS38に進む。これにより、第2大当りフラグがセットされているときには、大当り判定および小当り判定が行なわれなくなるので、後述する第1大当りフラグおよび第1小当りフラグがセットされないことにより、変動表示において常にはずれの表示結果が選択されることとなる。これにより、第2表示部において第2大当りとなることが決定されているときには、第1表示部において、強制的にはずれ図柄を変動表示結果として停止表示させることができる。
一方、第2大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S30)、大当り判定処理を実行する(S31)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているとき(確変状態となるときに、後述する図27の特別遊技処理においてセットされる)には、大当り判定に用いる大当り判定値に確変時大当り判定値として予め定められている複数の値を設定し、確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値に非確変時大当り判定値として予め定められている1つの値を設定する。そして、第1特別図柄通常処理のS34で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに第1大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに第1大当りとしない(はずれとする)決定を行なう。
大当り判定処理の結果、第1大当りとすることに決定した場合には(S32においてY)、第1大当りフラグをセットし(S37)、後述するS38に進む。一方、第1大当りとしないことに決定した場合には(S32においてN)、乱数バッファ領域から小当り判定用乱数(R7の抽出データ)を読出し(S34)、小当り判定処理を実行する(S35)。小当り判定処理においては、S34で読出した小当り判定用乱数と予め定められた小当り判定値とを比較し、小当り判定用乱数と小当り判定値とが一致するときに第1小当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに小当りとしない決定(はずれとする決定)を行なう。小当り判定処理の結果、小当りとすることに決定した場合には(S36においてY)、第1小当りフラグをセットし(S37)、後述するS38に進む。一方、小当り判定処理の結果、第1小当りとしないことに決定した場合には(S36においてN)、そのままS38に進む。
S38では、確変フラグの状態と、時短フラグの状態とに基づいて、低確低ベース、高確低ベース、高確高ベース、および、低確高ベースのうちのどの状態にあるかを判別し、判別した状態に応じた背景画像を選択する。そして、選択した背景画像を示す背景指定コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S39)。このように背景指定コマンドが設定されると、図16のS818において背景指定コマンドが出力される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S40)、リターンする。
以上の第1特別図柄通常処理においては、第2表示部に大当り表示結果が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、その大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S140)におけるS21でYが選択され、S21以降の処理が実行されない。このように、第2表示部に大当り図柄が導出表示されて第2大当り遊技状態が発生したときには第1表示部で変動表示を開始させない制御が行なわれる。また、第1特別図柄通常処理においては、第2表示部の変動表示の表示結果を大当り表示結果とすることが決定された時から第2大当り遊技状態に制御されるまでの間は、第2大当り実行中フラグがセットされていないが、第2大当りフラグがセットされているので、第1表示部での変動表示については、大当り判定および小当り判定が行なわれずに、強制的にはずれの表示結果とする制御が行なわれる。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S41)。第1大当りフラグがセットされていないときには、第1小当りフラグがセットされているか否かを判別する(S46)。第1小当りフラグがセットされているときには、第1特別図柄の停止図柄として予め定められた小当り図柄(「0」)を決定する(S47)。そして、後述するS49に進む。一方、第1小当りフラグがセットされていないときは、変動表示結果をはずれとするときであり、R3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて第1特別図柄のはずれ図柄を決定する(S47)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、複数のはずれ図柄のうちから表示結果として導出表示する第1特別図柄を決定する。そして、後述するS49に進む。
一方、S41により第1大当りフラグがセットされていると判断したときには、始動入賞時にR2から抽出し、S27により読出したR2の抽出値に基づいて、15R通常大当り、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りA、および、2R確変大当りBのうちのどの種類の第1大当り遊技状態にするかという大当り種類の決定と、決定した大当り種類と対応関係にある大当り図柄の決定とを行なう(S42)。
第1大当りのうち、15R通常大当りは15R第1通常大当りと呼ばれ、15R確変大当りAは15R第1確変大当りAと呼ばれ、15R確変大当りBは15R第1確変大当りBと呼ばれ、2R確変大当りAは2R第1確変大当りAと呼ばれ、2R確変大当りBは2R第1確変大当りBと呼ばれる。また、第2大当りのうち、15R通常大当りは15R第2通常大当りと呼ばれ、15R確変大当りAは15R第2確変大当りAと呼ばれ、15R確変大当りBは15R第2確変大当りBと呼ばれ、2R確変大当りAは2R第2確変大当りAと呼ばれ、2R確変大当りBは2R第2確変大当りBと呼ばれる。
そして、S42の判定において確変大当り(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りA、および、2R確変大当りBのうちいずれかの大当り)とする決定がされたか否かを判断する(S43)。確変大当りとする決定がされたときには、確変大当りの種類に対応する第1確変大当りフラグ(15R第1確変大当りAフラグ、15R第1確変大当りBフラグ、2R第1確変大当りAフラグ、および、2R第1確変大当りBフラグのうちいずれかのフラグ)をセットし(S44)、S49に進む。
ここで、第1確変大当りフラグとは、第1表示部で行なわれる変動表示について確変大当りとする決定がされた旨を示すフラグをいう。一方、確変大当りとしない決定がされたときには、通常大当りとする決定がされたときであるので、第1表示部で行なわれる変動表示について15R通常大当りとする決定がされた旨を示すフラグである第1通常大当りフラグ(15R第1通常大当りフラグ)をセットし(S45)、S49に進む。また、第2表示部で行なわれる変動表示について確変大当りとする決定がされたフラグは、第2確変大当りフラグであり、15R第2確変大当りAフラグ、15R第2確変大当りBフラグ、2R第2確変大当りAフラグ、および、2R第2確変大当りBフラグが設けられている。
S49では、送信する第1図柄情報コマンドを選択する処理が行なわれる。S49では、具体的に、次のように第1図柄情報コマンドを選択する。S48によりはずれ図柄が決定されたとき、すなわち、第1大当りフラグと第1小当りフラグとのどちらもセットされていないときには、第1図柄情報コマンドとして、前述のはずれ指定コマンドを選択する。また、第1小当りフラグがセットされているときには、第1図柄情報コマンドとして、前述の小当り指定コマンドを選択する。また、第1大当りフラグがセットされているときには、次のように第1図柄情報コマンドを選択する。
前述の確変第1大当りフラグのうちのいずれのフラグもセットされていないときには、15R通常大当り指定コマンドを選択する。また、15R第1確変大当りAフラグまたは15R第1確変大当りBフラグがセットされているときには、15R確変大当り指定コマンドを選択する。また、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第1確変大当りBフラグがセットされているときには、2R第1確変大当り指定コマンドを選択する。次に、S49により選択された第1図柄情報コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S50)。このように第1図柄情報コマンドが設定されると、図16のS818において第1図柄情報コマンドが出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S142)に対応した値に更新し(S49)、リターンする。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S142)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、確変フラグ、時短フラグ、および、記憶変動短縮フラグの状態に基づいて、確率・ベース状態に応じた変動パターンデータテーブルを選択する(S61)。つまり、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて、現在の状態が低確低ベース、高確低ベース、高確高ベース、および、低確高ベースのうちのどの確率・ベース状態であるかを判別する。そして、高確高ベース、および、低確高ベースのそれぞれについては、判別した確率・ベース状態に応じて変動パターンデータテーブルを選択する。また、高確低ベース、および、低確低ベースのそれぞれについては、判別した確率・ベース状態と、記憶変動短縮フラグの状態とに応じて変動パターンデータテーブルを選択する。
たとえば、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて低確低ベースであると判別したときにおいて、記憶変動短縮フラグがセットされていないときは、変動パターンデータテーブルとして、低確低ベース時データテーブルを選択する。一方、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて低確低ベースであると判別したときにおいて、記憶変動短縮フラグがセットされているときは、変動パターンデータテーブルとして、低確高ベース時データテーブルが選択される。これにより、低確低ベース状態において記憶変動短縮フラグがセットされているときは、時短状態と同じ変動パターンが選択されることになる。また、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて高確低ベースであると判別したときにおいて、記憶変動短縮フラグがセットされていないときは、変動パターンデータテーブルとして、高確低ベース時データテーブルを選択する。一方、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて低確低ベースであると判別したときにおいて、記憶変動短縮フラグがセットされているときは、変動パターンデータテーブルとして高確高ベース時データテーブルが選択される。これにより、高確低ベース状態において記憶変動短縮フラグがセットされているときは、時短状態と同じ変動パターンが選択されることになる。また、確変フラグおよび時短フラグの状態に基づいて高確高ベースであると判別したときにおいて、記憶変動短縮フラグがセットされていないときは、変動パターンデータテーブルとして、高確高ベース時データテーブルを選択する。
次に、記憶変動短縮フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。記憶変動短縮フラグがセットされていると判断されたときは、記憶変動短縮フラグをリセットし(S63)、S64に進む。一方、記憶変動短縮フラグがセットされていないと判断されたときは、そのままS64に進む。これにより、記憶変動短縮フラグがセットされていることに基づいて短縮変動パターンが選択されるごとに、記憶変動短縮フラグがリセットされることとなる。
S64では、第1大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1表示部での変動表示について第1大当りとする決定がされているか否かを判断する(S64)。第1大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS66に進む。一方、第1大当りとする決定がされていると判断されたときは、S61で選択した変動パターンデータテーブルのうちから、大当りの種類(大当りフラグと確変フラグとに基づいて種類を判別する)に応じた変動パターンデータテーブルを選択し(S65)、S70に進む。たとえば、15R第1通常大当りフラグがセットされているときは、通常大当りとするときであり、15R通常大当り決定時データテーブルが選択される。
また、S66に進んだときは、第1小当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1表示部での変動表示について第1小当りとする決定がされているか否かを判断する。第1小当りとする決定がされていると判断されたときは、S61で選択した変動パターンデータテーブルのうちから、小当り決定時に用いる変動パターンデータテーブルを選択し(S67)、S70に進む。
一方、S66で第1小当りとする決定がされていないと判断されたときは、はずれとするときであり、R5から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてリーチ判定をする(S68)。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、S68でのリーチ判定結果に基づいて、S61で選択した変動パターンデータテーブルのうちから、リーチの有無に応じて、はずれ決定時に用いる変動パターンデータテーブルを選択し(S69)、S70に進む。たとえば、リーチとすることが決定されているときには、リーチはずれ決定時データテーブルが選択され、リーチとしないことが決定されているときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが選択される。
S70では、R4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S65,S67,S69により選択された変動パターンデータテーブルを用いて第1表示部での変動表示における変動パターンである第1変動パターンを選択する。次に、S70により選択された第1変動パターンにより指定される演出制御モードを示す第1演出制御モード表示指定フラグをセットする(S71)。具体的に、S71では、「後通常モード」が指定されるときに通常モード表示指定フラグをセットし、「後時短モード」が指定されるときに時短モード表示指定フラグをセットし、「後確変モード」が指定されるときに確変モード表示指定フラグをセットし、「後ミッションモード」が指定されるときにミッションモード表示指定フラグをセットする。そして、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S72)。具体的には、第1特別図柄表示器8で特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図16のS824で出力される。そして、S70により選択された第1変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S73)。このように第1変動パターンコマンドが設定されると、図16のS818において第1変動パターンコマンドが出力される。そして、選択決定された第1変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8において変動表示時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S74)。第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄の変動表示時間を管理するために用いられるタイマである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理(S143)に対応した値に更新し(S75)、リターンする。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S143)を説明するためのフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄変動再開フラグがセットされているか否かを確認する(S81)。第1特別図柄変動再開フラグは、第2大当り遊技状態が実行されているときに中断された第1特別図柄の変動表示を、第2大当り遊技状態が終了したときに再開させるために第2特別図柄プロセス処理によりセットされるフラグであり、詳細については、図26を用いて後述する。第1特別図柄変動再開フラグがセットされているときには、後述するS82に進む。
一方、第1特別図柄変動再開フラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S84)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S85)、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S86)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S87)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S145)に対応した値に更新し(S88)、リターンする。一方、第1大当りフラグがセットされていなければ、そのままS88に進み、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S144)に対応した値に更新し(S88)、リターンする。
また、前記のS85で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、第1特別図柄プロセスフラグの値を更新せずにリターンする。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S87で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S815)で第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
一方、S80で第2大当りフラグがセットされていれば、第1中断フラグがセットされているか否か確認する(S89)。第1中断フラグがセットされていなければ、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S90)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、前述のS81に進む。一方、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第1中断フラグをセットする(S91)。そして、第1特別図柄の変動表示を中断するための設定をする処理を行なう(S92)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示が行なわれている第1特別図柄の変動表示を中断させてはずれ図柄を停止表示させるための駆動信号がセットされ、その駆動信号が図16のS824で出力される。これにより、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示が中断されてはずれ図柄が停止表示させられる。次に、第1中断コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をして(S93)、リターンする。第1中断コマンドは、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S93でセットされた第1中断コマンドは、図16のS818で演出制御基板80に送信される。すなわち、S80で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S84の処理を実行しないため、第1特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、第1中断フラグをセットし、第1中断コマンドを演出制御基板80に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8で第1特別変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、演出制御基板80に第1飾り変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2特別図柄表示器9に大当り表示結果が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が発生してから、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄表示器8における第1特別変動表示および第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り変動表示を中断させる処理を行なっている。
また、前述のS81により第1特別図柄変動再開フラグがセットされていると判断されたときは、中断されていた第1特別図柄の変動表示を再開するための設定をする処理を行なう(S82)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示が中断されている第1特別図柄の変動表示を再開させるための駆動信号がセットされ、その駆動信号が図16のS824で出力される。そして、第1特別図柄変動再開フラグをリセットし(S83)、S84に進む。これにより、中断されていた第1特別図柄プロセスタイマによる変動時間の計測が再開される。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S144)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S100)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図16のS824で出力される。これにより、第1特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、第1図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S101)。第1図柄停止コマンドは、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。S101でセットされた第1図柄停止コマンドは、図16のS818において演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1図柄図柄停止コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、時短状態となっている期間が制限される低確高ベースの状態であるか否かを判断するために、確変フラグがリセット状態で、かつ、時短フラグがセット状態であるか否かを判断する(S102)。確変フラグがリセットされ、かつ、時短フラグがセットされている状態ではないとき、すなわち、低確高ベース以外の状態であるときには、後述するS106に進む。一方、確変フラグがリセットされ、かつ、時短フラグがセットされている状態であるとき、すなわち、低確高ベースの状態であるときには、時短カウンタから「1」を減算する(S103)。ここで、時短カウンタとは、低確高ベースの状態における時短状態の継続期間を管理するために用いられる計数手段である。時短カウンタは、図31を用いて後述する低確高ベース処理において所定数(たとえば、100回)にセットされ、第1表示部および第2表示部での特別図柄および飾り図柄の変動表示が1回行なわれるごとにS103により1ずつ減算更新される。
次に、時短カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S104)。時短カウンタの値が「0」になっていないときには、後述するS106に進む。一方、時短カウンタの値が「0」になっているときには、時短状態の終了条件が成立したので、時短状態を終了させるために、時短フラグをリセットし(S105)、S106に進む。
S106では、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する。S106で第1大当りフラグがセットされているときには、すなわち、第1特別図柄通常処理(S140)におけるS31で大当りと判定されて第1大当りフラグがセットされたときには、第1特別図柄停止図柄設定処理のS42で決定された大当り種類の大当りが開始されることを示す第1大当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をし(S107)、後述するS110に進む。
S107では、具体的に、次のように第1大当り開始コマンドを選択する。いずれの確変大当りフラグもセットされていないときには、15R通常大当り開始指定コマンドを選択する。また、15R第1確変大当りAフラグまたは15R第1確変大当りBフラグがセットされているときには、15R確変大当り開始指定コマンドを選択する。また、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第1確変大当りBフラグがセットされているときには、2R確変大当り開始指定コマンドを選択する。
S107でセットされた第1大当り開始コマンドは、図16のS818により演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kで受信した第1大当り開始コマンドに応じた表示制御を行なう。
また、S106で第1大当りフラグがセットされていないときには、第1小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S108)。第1小当りフラグがセットされているときには、第1小当り遊技状態が開始されることを示す当り開始コマンドである第1小当り開始指定コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をし(S109)、S110に進む。一方、第1小当りフラグがセットされていないときには、変動表示結果がはずれとなるときであるので、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S111)、リターンする。また、S110では、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S145)に対応した値に更新し(S110)、リターンする。
図24は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(S145)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第1確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R第1確変大当りとする決定がされているか否かを判断する(S120)。2R第1確変大当りとする決定がされていると判断されたときは、後述するS124に進む。一方、2R第1確変大当りとしない決定がされていると判断されたとき(15R第1通常大当り、15R第1確変大当りA、15R第1確変大当りB、または、第1小当りとする決定がされているとき)は、第1小当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1小当りとする決定がされているか否かを判断する(S121)。
第1小当りとする決定がされていないとき、すなわち、15R第1通常大当り、15R第1確変大当りA、または15R第1確変大当りBとする決定がされているときには、最大限15ラウンドで繰返し継続制御が行なわれるときであるので、ラウンド回数の上限値データを15回に設定し(S122)、各ラウンドにおける第1大入賞口21の開放時間の上限値データを30秒に設定し(S123)、後述するS126に進む。これにより、第1大入賞口開放中処理において実行されるラウンドの上限回数が15となり、各ラウンドにおける開放時間の最大時間が30秒間となる。一方、第1小当りとする決定がされていると判断されたときは、S124に進む。
S124では、第1大入賞口21の開放回数に相当するラウンド回数の上限値データを2回に設定し、第1大入賞口21の各開放回における第1大入賞口21の開放時間の上限値データを1秒に設定し(S125)、S126に進む。これにより、2R第1確変大当りA、および、2R第1確変大当りBのそれぞれについては、第1大入賞口開放中処理において実行されるラウンドの上限回数、すなわち、第1大入賞口21の開放回数が2回となり、第1大入賞口21の各開放回における開放時間が1秒間となり、第1小当りについては、第1大入賞口開放中処理において実行されるラウンドの上限回数に相当する第1大入賞口21の開放回数が2回となり、第1大入賞口21の各開放回における開放時間が1秒間となる。
S126では、前述したラウンド回数の上限値および開放時間の上限値の他に、第1大当り遊技状態の制御に必要となるデータを設定する。一例として、第1大当り遊技状態における各ラウンド間のインターバル期間は、S126により設定される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(S146)に対応した値に更新し(S127)、リターンする。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放中処理(S146)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、第1小当り遊技状態で2R第1確変大当りの第2ラウンドに相当する2回目の第1特別可変入賞球装置20の開放動作が終了したか否かに基づいて、第1小当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(S160)。第1小当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、後述するS180に進む。
一方、第1小当り遊技状態の終了時ではないと判断されたときは、第1大入賞口開放前処理において設定された第1大当り遊技状態での最終ラウンド(上限回数のラウンドであって、15R通常大当りおよび15R第1確変大当りでは15回、2R第1確変大当りでは2回)に至るまでに第1大当り遊技状態が継続せずにラウンドが終了したこと、または、第1大入賞口開放前処理において設定された第1大当り遊技状態での最終ラウンドが終了したことに基づいて、第1大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(S161)。第1大当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、後述するS170に進む。一方、第1大当り遊技状態の終了時ではないと判断されたときは、各ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は各開放回に相当)の開始条件の成立時であるか否かを判断する(S162)。
S162では、たとえば、第1大当り遊技状態(または第1小当り遊技状態)の開始時からの時間が定められた第1ラウンドの開始タイミングとなったとき、または、ラウンドごとに時間が予め定められているラウンド間のインターバル期間が終了するタイミングとなったときのように、各ラウンドの予め定められた開始タイミングとなったときに、各ラウンドの開始条件が成立したと判断する。
各ラウンドの開始条件の成立時ではないと判断したときは、後述するS165に進む。一方、各ラウンドの開始条件の成立時であると判断したときは、第1大入賞口を開放する等の各ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は各開放回に相当)の開始時に行なう処理を実行する(S163)。そして、各ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は各開放回に相当)のラウンド開始コマンド(たとえば、第3ラウンドであれば、第3ラウンドのラウンド開始コマンド)を送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S164)。このようにラウンド開始コマンドが設定されると、図16のS818においてラウンド開始コマンドが出力される。S164の後、S165に進む。
S165では、各ラウンドにおけるラウンド開始時およびラウンド終了時以外の状態であるラウンド中(第1小当り遊技状態の場合は開放回中)の状態であるか否かを判断する。ラウンド中の状態であれば、たとえば、ラウンド中(第1小当り遊技状態の場合は開放回中)における第1大入賞口への入賞個数の計数等の各ラウンド中に行なう処理を実行し(S166)、S167に進む。一方、ラウンド中(第1小当り遊技状態の場合は開放回中)の状態でなければ、そのままS167に進む。
S167では、各ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は開放回に相当)の終了条件の成立時であるか否かを判断する。S167においては、たとえば、前述したようなラウンド中における第1大入賞口21への所定個数(10個)の入賞があったとき、または、前述した第1大入賞口開放前処理において設定した第1大入賞口開放時間の上限値が経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときのように、ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は開放回に相当)の予め定められた終了タイミングとなったときに、各ラウンド(第1小当り遊技状態の場合は開放回に相当)の終了条件が成立したと判断する。
S167では、各ラウンドの終了条件の成立時ではないと判断したときは、リターンする。一方、各ラウンドの終了条件の成立時であると判断したときは、第1大入賞口21を閉塞し、第1大当り遊技状態を次のラウンド(第1小当り遊技状態の場合は次の開放回に相当)に継続させるための条件が成立したか否かを確認する等の各ラウンドの終了時に行なう処理を実行する(S168)。継続条件の成立を確認する場合、15R第1大当りについては、第1大入賞口内に設けられたV入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、第1大当り遊技状態の継続条件が成立したか否かを確認するが、2R第1確変大当りおよび第1小当りの場合は、無条件で継続条件が成立したと判断する。そして、各ラウンドのラウンド終了コマンド(たとえば、第3ラウンドであれば、第3ラウンドのラウンド終了コマンド)を送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S169)。このようにラウンド終了コマンドが設定されると、図16のS818においてラウンド終了コマンドが出力される。S169の後、リターンする。
前述のようにS161で第1大当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、第1大当り遊技状態終了時に行なわれるエンディング表示の内容を指定するエンディング表示コマンドを選択する(S170)。
次に、S170でのコマンドの選択方法を説明する。まず、2R第1確変大当りAフラグ、2R第1確変大当りBフラグ、および、第1小当りフラグのうちのいずれもがセットされていないとき、すなわち、15R通常大当り、15R第1確変大当りA、および、15R第1確変大当りBのうちいずれかとなったときには、次のようにコマンドが選択される。通常モード表示指定フラグがセットされているときには、15R大当り遊技状態の終了時において後に通常モードとなる表示をすることを指定する15R大当り終了表示・通常モード表示指定コマンドを選択する。時短モード表示指定フラグがセットされているときには、15R大当り遊技状態の終了時において後に時短モードとなる表示をすることを指定する15R大当り終了表示・時短モード表示指定コマンドを選択する。前述した確変モード表示指定フラグがセットされているときには、15R大当り遊技状態の終了時において後に確変モードとなる表示をすることを指定する15R大当り終了表示・確変モード表示指定コマンドを選択する。前述したミッションモード表示指定フラグがセットされているときには、15R大当り遊技状態の終了時において後にミッションモードとなる表示をすることを指定する15R大当り終了表示・ミッションモード表示指定コマンドを選択する。
2R第1確変大当りとなったときには、次のようにコマンドが選択される。確変モード表示指定フラグがセットされているときには、2R確変大当り遊技状態の終了時において後に確変モードとなる表示をすることを指定する2R第1確変大当り終了表示・確変モード表示指定コマンドを選択する。ミッションモード表示指定フラグがセットされているときには、2R確変大当り遊技状態の終了時において後にミッションモードとなる表示をすることを指定する2R第1確変大当り終了表示・ミッションモード表示指定コマンドを選択する。
そして、S170により選択されたエンディング表示コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S171)。S171でセットされたエンディング表示コマンドは、図16のS818により演出制御基板80に送信される。
次に、2R第1確変大当りフラグがセットされているか否かを確認することに基づいて、2R第1確変大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(S175)。2R第1確変大当り遊技状態の終了時ではないと判断したときは、当り終了タイマに第1大当り終了表示が行なわれるときの予め定められた時間をセットすることにより当り終了タイマをスタートさせ(S176)、第1大当り終了表示を開始させる(S177)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を当り終了処理(S147)に対応した値に更新し(S184)、リターンする。
一方、S175により2R第1確変大当り遊技状態の終了時であると判断したときには、当り終了タイマに2R第1確変大当りの終了時に当り終了後の演出制御モードの表示等を行なうチャンス目当り終了時表示が行なわれるときの予め定められた時間をセットすることにより当り終了タイマをスタートさせ(S178)、チャンス目当り終了時表示を開始させる(S179)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を当り終了処理(S147)に対応した値に更新し(S184)、リターンする。
また、前述のS160により第1小当り遊技状態の終了時であると判断されたときに進むS180では、第1小当り遊技状態終了時に行なわれるエンディング表示の内容を指定するエンディング表示コマンドを選択する(S180)。
次に、S180でのコマンドの選択方法を説明する。時短モード表示指定フラグがセットされているときには、第1小当り遊技状態の終了時において後に時短モードとなる表示をすることを指定する第1小当り終了表示・時短モード表示指定コマンドを選択する。確変モード表示指定フラグがセットされているときには、第1小当り遊技状態の終了時において後に確変モードとなる表示をすることを指定する第1小当り終了表示・確変モード表示指定コマンドを選択する。ミッションモード表示指定フラグがセットされているときには、第1小当り遊技状態の終了時において後にミッションモードとなる表示をすることを指定する第1小当り終了表示・ミッションモード表示指定コマンドを選択する。
そして、S180により選択されたエンディング表示コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S181)。S181でセットされたエンディング表示コマンドは、図16のS18により演出制御基板80に送信される。そして、当り終了タイマに第1小当り終了時に当り終了後の演出制御モードの表示等を行なうチャンス目当り終了時表示が行なわれるときの予め定められた時間をセットすることにより当り終了タイマをスタートさせ(S182)、チャンス目当り終了時表示を開始させる(S183)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を当り終了処理(S147)に対応した値に更新し(S184)、リターンする。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1当り終了処理(S147)を示すフローチャートである。第1当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、前述のように時間がセットされた第1当り終了タイマを減算更新する(S191)。そして、第1当り終了タイマがタイムアウト(値が「0」となったこと)したか否かを判断する(S192)。第1当り終了タイマがタイムアウトしていないと判断されたときは、前述のようなエンディング表示を行なっている期間であり、リターンする。これにより、第1当り終了タイマは、第1当り終了処理が実行されるごとに減算更新されることにより第1当り終了表示の計時を行なう。一方、第1当り終了タイマがタイムアウトしたときには、特別遊技状態としての確変状態を含む確率・ベース状態を管理する処理である特別遊技処理を行なう(S193)。特別遊技処理の処理内容については、図27〜図31を用いて後述する。
そして、第1大当り実行中フラグがセットされているか否かを判断する(S194)。第1大当り実行中フラグがセットされていると判断されたときは、第1大当り実行中フラグをリセットし(S195)、S196に進む。これにより第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(S540)により第2特別図柄表示器9での特別図柄の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理(S543)により第2特別図柄の変動時間を計測する第2特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。一方、第1大当り実行中フラグがセットされていないと判断されたときは、そのままS196に進む。
S196では、第1大当りフラグ、15R第1確変大当りフラグ、2R第1確変大当りフラグ、および、第1小当りフラグ等の第1表示部での当りに関連するフラグ(第1当りフラグ)をリセットする(S196)。
そして、第2特別図柄プロセス処理(S815)における第2特別図柄変動処理(S543)でセットされ得る第2中断フラグがセットされているか否かを判断する(S197)。第2中断フラグがセットされていないときには、そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S201)、リターンする。
一方、第2中断フラグがセットされているときには、第2再開コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S198)。ここで、第2再開コマンドとは、第2飾り変動表示部9kで中断している第2飾り変動表示の再開を指示するコマンドである。第2再開コマンドを送信するのは、第1特別図柄表示器8側で発生した第1大当り遊技状態によって中断された第2飾り変動表示部9k側での変動表示を再開させるためである。S198でセットされた第2再開コマンドは、図16のS818により演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第2再開コマンドを受信すると、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り変動表示を再開する制御を行なう。
そして、第2中断フラグをリセットする(S199)。次に、図22の第1特別図柄変動処理と同様の処理を行なう第2特別図柄変動処理において、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示を再開するためのフラグとして、第2特別図柄変動再開フラグをセットする。(S200)、S201に進み、これにより、第2特別図柄変動処理において、S81〜S83に対応する処理が行なわれることにより、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示が再開される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S201)、リターンする。
図27は、第1当り終了処理および第2当り終了処理のそれぞれにより実行される特別遊技処理(S193)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別遊技処理において、以下のような処理を行なう。
まず、確変フラグがセットされているか否かを判断する(S501)。確変フラグがセットされていると判断したときは、後述するS505に進む。一方、確変フラグがセットされていないと判断したときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S502)。
時短フラグがセットされていないと判断したときは、確変フラグと時短フラグとがともにセットされていないので、低確低ベースの状態であると判断し、低確低ベース状態を管理するための低確低ベース処理を実行する(S503)。そして、リターンする。一方、時短フラグがセットされていると判断したときは、確変フラグがセットされておらず時短フラグがセットされているので、低確高ベースの状態であると判断し、低確高ベース状態を管理するための低確高ベース処理を実行する(S504)。そして、リターンする。
また、確変フラグがセットされていると判断されてS505に進んだときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する。時短フラグがセットされていると判断したときは、確変フラグと時短フラグとがともにセットされているので、高確高ベースの状態であると判断し、高確高ベース状態を管理するための高確高ベース処理を実行する(S506)。そして、リターンする。一方、時短フラグがセットされていないと判断したときは、確変フラグがセットされ時短フラグがセットされていないので、高確低ベースの状態であると判断し、高確低ベース状態を管理するための高確低ベース処理を実行する(S507)。そして、リターンする。
図28は、特別遊技処理における低確低ベース処理(S503)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、低確低ベース処理において、以下のような処理を行なう。
まず、15R第1通常大当りフラグまたは15R第2通常大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R通常大当りとする決定がされたか否かを判断する(S701)。具体的に、S701では、該当するフラグがセットされているとき、すなわち、前述のS42のような大当り種類を決定する処理において、判断対象の種類の大当りとする決定がされたときに、そのような種類の大当りとされたと判断する(以下に説明する特別遊技処理における各種大当り種類の判断についても同様)。15R通常大当りとする決定がされたと判断したときは、リターンする。これにより、低確低ベースの状態で15R第1通常大当りまたは15R第2通常大当りとなったときには、確率・ベース状態がそのままで低確低ベースの状態が継続される。一方、15R通常大当りとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りAフラグまたは15R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りAとする決定がされたか否かを判断する(S702)。
15R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りBフラグまたは15R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りBとする決定がされたか否かを判断する(S703)。15R確変大当りBとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りAとする決定がされたか否かを判断する(S704)。2R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りBフラグまたは2R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りBとする決定がされたか否かを判断する(S705)。
S702により15R確変大当りAとする決定がされたと判断したとき、S703により15R確変大当りBとする決定がされたと判断したとき、および、S705により2R確変大当りBとする決定がされたと判断したときのそれぞれにおいては、確変フラグをセットし(S706)、時短フラグのリセット状態を維持して(S707)リターンする。これにより、低確低ベースの状態において、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、15R第1確変大当りB、15R第2確変大当りB、2R第1確変大当りB、および、2R第2確変大当りBのいずれかとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確低ベースの状態に移行する。
また、S704により2R確変大当りAとする決定がされたと判断したときは、確変フラグをセットし(S708)、時短フラグをセットして(S709)リターンする。これにより、低確低ベースの状態において、2R第1確変大当りAまたは2R第2確変大当りAとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確高ベースの状態に移行する。また、S705により2R確変大当りBとする決定がされていないと判断したとき、すなわち、第1小当りまたは第2小当りとする決定がされたときには、リターンする。これにより、低確低ベースの状態において、第1小当りまたは第2小当りとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態がそのまま低確低ベースの状態で継続される。
図29は、特別遊技処理における高確低ベース処理(S507)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、高確低ベース処理において、以下のような処理を行なう。
まず、15R第1通常大当りフラグまたは15R第2通常大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R通常大当りとする決定がされているか否かを判断する(S711)。15R通常大当りとする決定がされていると判断したときは、確変フラグをリセットし(S716)、時短フラグをセットし(S717)、さらに、時短カウンタをセットして(S718)リターンする。これにより、高確低ベースの状態で15R第1通常大当りまたは15R第2通常大当りとなったときには、確率・ベース状態が低確高ベースの状態に移行し、時短カウンタによる変動表示の回数の計数が開始される。
一方、15R通常大当りとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りAフラグまたは15R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りAとする決定がされているか否かを判断する(S712)。15R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りBフラグまたは15R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りBとする決定がされているか否かを判断する(S713)。15R確変大当りBとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りAとする決定がされているか否かを判断する(S714)。2R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りBフラグまたは2R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りBとする決定がされているか否かを判断する(S715)。
S712により15R確変大当りAとする決定がされていると判断したとき、S714により2R確変大当りAとする決定がされていると判断したとき、および、S715により2R確変大当りBとする決定がされていると判断したときのそれぞれにおいては、確変フラグのセット状態を維持し(S719)、時短フラグをセットして(S720)リターンする。これにより、高確低ベースの状態において、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、2R第1確変大当りA、2R第2確変大当りA、2R第1確変大当りB、および、2R第2確変大当りBのいずれかとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確高ベースの状態に移行する。
また、S713により15R確変大当りBとする決定がされていると判断したときは、リターンする。これにより、高確低ベースの状態において、15R第1確変大当りBまたは15R第2確変大当りBとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確低ベースの状態で継続される。また、S715により2R確変大当りBとする決定がされていないと判断したとき、すなわち、第1小当りまたは第2小当り小当りとする決定がされているときには、リターンする。これにより、高確低ベースベースの状態において、第1小当りまたは第2小当りとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態がそのままで高確低ベースの状態が継続される。
図30は、特別遊技処理における高確高ベース処理(S506)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、高確高ベース処理において、以下のような処理を行なう。
まず、15R第1通常大当りフラグまたは15R第2通常大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R通常大当りとする決定がされているか否かを判断する(S721)。15R通常大当りとする決定がされていると判断したときは、確変フラグをリセットし(S722)、時短フラグのセット状態を維持し(S723)、さらに、時短カウンタをセットして(S724)リターンする。これにより、高確高ベースの状態で15R第1通常大当りまたは15R第2通常大当りとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が低確高ベースの状態に移行し、時短カウンタによる変動表示の回数の計数が開始される。
一方、15R通常大当りとする決定がされていないと判断したときは、リターンする。これにより、高確高ベースの状態において、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、15R第1確変大当りB、15R第2確変大当りB、2R第1確変大当りA、2R第2確変大当りA、2R第1確変大当りB、2R第2確変大当りB、および、小当りのいずれかとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確高ベースの状態で継続される。
図31は、特別遊技処理における低確高ベース処理(S504)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、低確高ベース処理において、以下のような処理を行なう。
まず、15R第1通常大当りフラグまたは15R第2通常大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R通常大当りとする決定がされているか否かを判断する(S731)。15R通常大当りとする決定がされていると判断したときは、確変フラグのリセット状態を維持し(S736)、時短フラグをリセットし(S737)、さらに、時短カウンタをリセットして(S738)リターンする。これにより、低確高ベースの状態において、15R第1通常大当りまたは15R第2通常大当りとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が低確低ベースの状態に移行する。
一方、15R通常大当りとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りAフラグまたは15R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りAとする決定がされているか否かを判断する(S732)。15R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、15R第1確変大当りBフラグまたは15R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、15R確変大当りBとする決定がされているか否かを判断する(S733)。15R確変大当りBとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りAフラグまたは2R第2確変大当りAフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りAとする決定がされているか否かを判断する(S734)。2R確変大当りAとする決定がされていないと判断したときは、2R第1確変大当りBフラグまたは2R第2確変大当りBフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りBとする決定がされているか否かを判断する(S735)。
S732により15R確変大当りAとする決定がされていると判断したとき、S733により15R確変大当りBとする決定がされていると判断したとき、S734により2R確変大当りAとする決定がされていると判断したとき、および、S735により2R確変大当りBとする決定がされていると判断したときのそれぞれにおいては、確変フラグをセットし(S739)、時短フラグのセット状態を維持して(S740)リターンする。これにより、低確高ベースの状態において、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、15R第1確変大当りB、15R第2確変大当りB、2R第1確変大当りA、2R第2確変大当りA、2R第1確変大当りB、および、2R第2確変大当りBのいずれかとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態が高確高ベースの状態に移行する。
また、S735により2R確変大当りBとする決定がされていないと判断したとき、すなわち、第1小当りまたは第2小当りとするとする決定がされているときには、リターンする。これにより、低確高ベースの状態において、第1小当りまたは第2小当りとなったときには、図7に示すように確率・ベース状態がそのままで低確高ベースの状態が継続される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図32は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。
初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。コマンド解析処理の内容については、図33を用いて後述する。次いで、第1演出制御プロセス処理を行なう(S206)。第1演出制御プロセス処理の内容については、図34を用いて後述する。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第1飾り変動表示部8kの表示制御を含む演出制御を実行する。次に、第2演出制御プロセス処理を行なう(S207)。第2演出制御プロセス処理の内容については、図35を用いて後述する。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第2飾り変動表示部9kの表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S208)。乱数更新処理においては、たとえば、前述のランダムカウンタRU−1〜RU−3およびRT等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAMに設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図32のS205によるコマンド解析処理を説明する。図33は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。
コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが前述の図柄情報コマンド(第1図柄情報コマンド、第2図柄情報コマンド)であるか否かを判断する(S213)。図柄情報コマンドであるときには、図柄情報コマンドが示す図柄情報のデータをRAM85に設けられた図柄情報格納エリアに格納する(S214)。次に、受信した図柄情報コマンドが大当りに関する情報または小当りに関する情報を示すときには、当り情報として、図柄情報コマンドが示す大当りについての情報(15R第1通常大当り、15R第2通常大当り、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、15R第1確変大当りB、15R第2確変大当りB、2R第1確変大当りA、2R第2確変大当りA、2R第1確変大当りB、2R第2確変大当りBの情報等)または小当り関する情報(第1小当り、第2小当り等)をRAM85に設けられた当り情報格納エリアに格納する(S215)。
そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである図柄情報受信フラグをセットする(S216)。そして、S211に戻る。
なお、S214において図柄情報コマンドが示す図柄情報のデータを格納するとともに、S216により受信したコマンドを特定可能な受信フラグである図柄情報受信フラグをセットする例を示した。しかし、これに限らず、図柄情報受信フラグが、受信した図柄情報コマンドを特定可能であるので、受信した図柄情報コマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定する場合には、前述のS214,S215を設けないようにしてもよい。逆に、S214により格納された情報に基づいて、受信した図柄情報コマンドの種類を特定可能とする場合には、S216は設けなくてもよい。
S213で図柄情報コマンドではないと判断したときは、読出した受信コマンドが変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)であるか否かを判断する(S217)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドが示す変動パターンを特定するデータを、RAM85に設けられた変動パターンデータ格納エリアに格納する(S218)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである変動パターン受信フラグをセットし(S219)、S211に戻る。なお、変動パターン受信フラグが、受信した変動パターンコマンドを特定可能であるので、受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定する場合には、前述のS218は設けなくてもよい。逆に、S218により格納された情報に基づいて、受信した変動パターンコマンドの種類を特定する場合には、S219は設けなくてもよい。
また、読出した受信コマンドが前述の当り開始コマンド(第1当り開始コマンド、第2当り開始コマンド)であるか否かを判断する(S220)。当り開始コマンドであるときには、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである当り開始コマンド受信フラグをセットする(S221)。そして、当り情報として、受信した当り開始コマンドが示す大当りについての情報(15R第1通常大当り、15R第2通常大当り、15R第1確変大当りA、15R第2確変大当りA、15R第1確変大当りB、15R第2確変大当りB、2R第1確変大当りA、2R第2確変大当りA、2R第1確変大当りB、2R第2確変大当りBの情報等)または小当り関する情報(第1小当り、第2小当り等)をRAM85に設けられた当り情報格納エリアに、前述のS214とは別に格納する(S222)。なお、当り開始コマンド受信フラグが、受信した当り開始コマンドを特定可能であるので、受信した当り開始コマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定する場合には、前述のS222は設けなくてもよい。逆に、S222により格納された情報に基づいて、受信した当り開始コマンドの種類を特定する場合には、S221は設けなくてもよい。
また、読出した受信コマンドが前述のエンディング表示コマンド(第1エンディング表示コマンド、第2エンディング表示コマンド)であるか否かを判断する(S223)。エンディング表示コマンドであるときには、エンディング情報として、エンディング表示コマンドが示すエンディング表示の種類を示すデータを、RAM85に設けられたエンディング表示データ格納エリアに格納する(S224)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグであるエンディング表示コマンド受信フラグをセットし(S225)、S211に戻る。なお、エンディング表示コマンド受信フラグが、受信したエンディング表示コマンドを特定可能であるので、受信したエンディング表示コマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定する場合には、前述のS224は設けなくてもよい。逆に、S224により格納された情報に基づいて、受信したエンディング表示コマンドの種類を特定する場合には、S225は設けなくてもよい。
また、前述のS223において受信コマンドがエンディング表示コマンドではないと判断されたときには、その他の受信コマンドが背景指定コマンド(第1背景指定コマンド、第2背景指定コマンド)であるか否かを判断する(S226)。背景指定コマンドであるときには、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである背景指定コマンド受信フラグをセットし(S227)、S211に戻る。
また、前述のS226において受信コマンドが背景指定コマンドではないと判断されたとき(前述した各種コマンド以外のその他のコマンドであるとき)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S228)、S211に戻る。すなわち、S228は、前述した図柄情報コマンド、変動パターンコマンド、当り開始コマンド、エンディング表示コマンド、および、背景指定コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて示したものである。
次に、図32のS206による第1演出制御プロセス処理および図32のS207による第2演出制御プロセス処理について説明する。第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2演出制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、以下に説明する第1演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置換え、かつ、第1演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2演出制御プロセス処理の処理内容となる。
図34は、図32のS206による第1演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS400〜S406のうちいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(S400):第1変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第1変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第1演出制御プロセスフラグの値をS401に応じた値に更新する。
第1図柄変動開始処理(S401):第1飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、大当り図柄の組合せ、および、チャンス目の表示結果等の変動表示の停止図柄を決定する。そして、第1変動パターンコマンドに応じて、図8〜図10に示すように複数予め定められている変動パターンから、実際に第1飾り変動表示部8kでの変動表示に使用する変動パターンを決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動時間を設定し、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄(左,右,中図柄)の変動を開始させる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS402に応じた値に更新する。第1図柄変動開始処理の内容については、図36を用いて後述する。
第1図柄変動中処理(S402):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、第1飾り図柄の左,右,中図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS403に応じた値に更新する。第1図柄変動中処理の内容については、図40を用いて後述する。
第1図柄停止待ち処理(S403):第1変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して第1飾り図柄の全図柄停止を指示するコマンド(第1図柄停止コマンド)を受信したら、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の変動を停止し、停止図柄を表示する制御を行なう。その後、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新し、第1飾り変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
第1当り表示処理(S404):第1飾り変動表示部8kでの飾り図柄の変動時間の終了後、第1大当り開始時および第1小当り開始時における表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。大当りとなった旨を報知する表示を行なう。
第1当り遊技中処理(S405):第1大当り遊技状態中における演出および第1小当り遊技状態中における演出を含む第1当り遊技状態中の演出を行なう表示である第1当り遊技中演出の表示をする制御を行なう。たとえば、第1大当り遊技状態および第1小当り遊技状態における各ラウンド中の各種演出、および、各ラウンド間のインターバル期間中の各種演出等の第1大当り遊技状態中および第1小当り遊技状態中における演出をするための表示が実行される。そして、第1当り遊技中処理が終了すると、第1演出制御プロセスフラグの値をS406に応じた値に更新する。
第1当り遊技終了処理(S406):受信した第1エンディング表示コマンドに応じて、第1大当り遊技状態および第1小当り遊技状態を含む第1当り遊技状態を終了させるときの演出としての第1エンディング表示を行なう。第1エンディング表示には、前述のように、15R第1大当り遊技状態を終了させる表示である第1大当り終了表示と、2R第1確変大当り遊技状態の終了時、および、第1小当り遊技状態の終了時のそれぞれにおいて行なわれる第1チャンス目当り終了時表示とが含まれる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
図35は、図32のS207による第2演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。第2演出制御プロセス処理では、第2演出制御プロセスフラグの値に応じてS400a〜S406aのうちいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
第2変動パターンコマンド受信待ち処理(S400a):第2変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第2変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第2演出制御プロセスフラグの値をS401aに応じた値に更新する。
第2図柄変動開始処理(S401a):第2飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、大当り図柄の組合せ、および、チャンス目の表示結果等の変動表示の停止図柄を決定する。そして、第2変動パターンコマンドに応じて、図8〜図10に示すように複数予め定められている変動パターンから、実際に第2飾り変動表示部9kでの変動表示に使用する変動パターンを決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動時間を設定し、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄(左,右,中図柄)の変動を開始させる。その後、第2演出制御プロセスフラグの値をS402aに応じた値に更新する。第2図柄変動開始処理の内容については、図37を用いて後述する。
第2図柄変動中処理(S402a):第2飾り変動表示部9kでの飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、第2飾り図柄の左,右,中図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、第2演出制御プロセスフラグの値をS403aに応じた値に更新する。
第2図柄停止待ち処理(S403a):第2変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して第2飾り図柄の全図柄停止を指示するコマンド(第2図柄停止コマンド)を受信したら、第2飾り変動表示部9kでの第2飾り図柄の変動を停止し、停止図柄を表示する制御を行なう。その後、第2飾り変動表示部9kでの第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第2演出制御プロセスフラグの値をS404aに応じた値に更新し、第2飾り変動表示部9kでの第2飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第2演出制御プロセスフラグの値をS400aに応じた値に更新する。
第2当り表示処理(S404a):第2飾り変動表示部9kでの飾り図柄の変動時間の終了後、第2大当り開始時および第2小当り開始時における表示を行なう。具体的に、前述の第2大当り開始コマンドを受信したことに応じて、大当りとなった旨を報知する表示が行なわれる。その後、第2演出制御プロセスフラグの値をS405aに応じた値に更新する。
第2当り遊技中処理(S405a):第2大当り遊技状態中における演出および第2小当り遊技状態中における演出を含む第2当り遊技状態中の演出を行なう表示である第2当り遊技中演出の表示をする制御を行なう。たとえば、第2大当り遊技状態および第2小当り遊技状態における各ラウンド中の各種演出、および、各ラウンド間のインターバル期間中の各種演出等の第2大当り遊技状態中および第2小当り遊技状態中における演出をするための表示が実行される。そして、第2当り遊技中処理が終了すると、第2演出制御プロセスフラグの値をS406aに応じた値に更新する。
第2当り遊技終了処理(S406a):受信した第2エンディング表示コマンドに応じて、第2大当り遊技状態および第2小当り遊技状態を含む第2当り遊技状態を終了させるときの演出としての第2エンディング表示を行なう。第2エンディング表示には、15R第2大当り遊技状態を終了させる表示である第2大当り終了表示と、2R第2確変大当り遊技状態の終了時、および、第2小当り遊技状態の終了時のそれぞれにおいて行なわれる第2チャンス目当り終了時表示とが含まれる。その後、第2演出制御プロセスフラグの値をS400aに応じた値に更新する。
次に、図34のS401による第1図柄変動開始処理について説明する。図36は、図34の第1図柄変動開始処理(S401)を示すフローチャートである。第1図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、第1飾り図柄の変動表示結果を決定するために表示結果決定処理を行なう(S261)。表示結果決定処理の処理内容については、図38を用いて後述する。そして、表示結果決定処理において決定した第1飾り図柄の表示結果のデータを、第1飾り図柄の変動表示である第1変動表示結果として、RAM85に設けられた第1表示結果データ格納エリアに格納する(S262)。
次に、時短モードであるか否かを判断する(S263)。時短モードであると判断したときは、短縮カウンタを「1」減算更新し(S264)、S265に進む。これにより、時短モードにおいては、短縮カウンタにより変動表示の実行回数が計数される。一方、時短モードでないと判断したときは、そのままS265に進む。S265では、受信したことに応じて今回の変動表示が開始されることとなった演出制御コマンドが、第1飾り図柄について、大当り、小当り、または、チャンス目はずれとなることを指定しているか否かを判断する(S265)。
S265で指定していると判断したときは、後述するS272に進む。一方、S265で指定していないと判断したときは、第1ミッションのミッションAモードとなるときにセットされる第1ミッションAモードフラグ、または、第1ミッションのミッションBモードとなるときにセットされる第1ミッションBモードフラグミッションがセットされているか否かを判断することに基づいて、第1ミッションモードであるか否かを判断する(S266)。第1ミッションモードであると判断したときは、後述するS278に進む。一方、第1ミッションモードではないと判断したときは、S2660に進む。S2660では、第2ミッションのミッションAモードとなるときにセットされる第2ミッションAモードフラグ、または、第2ミッションのミッションBモードとなるときにセットされる第2ミッションBモードフラグミッションがセットされているか否かを判断することに基づいて、第2ミッションモードであるか否かを判断する(S2660)。S2660により第2ミッションモードではないと判断したときは、受信した第1変動パターンコマンドに対応した第1変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定し(S267)、後述するS268に進む。具体的に、S267では、受信した第1変動パターンコマンドに対応する第1変動パターンでの変動表示に用いられるデータが選択されて設定されることにより、第1飾り図柄の変動表示の変動パターンが設定される。
一方、S2660により第2ミッションモードであると判断したときは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、実行中の第2ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し(S2661)、後述するS268に進む。S2661では、たとえば、受信した第1変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第2ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第1変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第2ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第2ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された図柄により「3」のリーチが表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を1図柄ずらして「4」にする補正)して現在の第2ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれないようにする。一方、表示結果決定処理により決定された図柄により「3」のリーチが表示されないのであれば、表示結果決定処理により決定された図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。
前述のS265で、演出制御コマンドが、第1飾り図柄について、大当り、小当り、または、チャンス目はずれとなることを指定していると判断したときは、前述のS266と同様に、第1ミッションモードであるか否かを判断する(S272)。第1ミッションモードではないと判断したときは、後述するS2720に進む。一方、第1ミッションモードであると判断したときは、受信した第1変動パターンコマンドが、いずれかの種類の15R大当り(15R第1大当り)となるときの変動パターンであるか否かに基づいて、15R第1大当りとなることが決定されているか否かを判断する(S273)。第1ミッションでのミッション期間中に第1飾り変動表示部8kにおいて、いずれかの種類の15R大当り(15R第1大当り)が発生するときには、第1飾り変動表示部8kにおいて、前述したようなミッション達成演出を行なう必要がある。
S273で15R第1大当りとなることが決定されていると判断されたときは、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、実行中の第1ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれるような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し(S274)、後述するS277に進む。S274では、たとえば、受信した第1変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第1ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出とならないときには、第1変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第1ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含む演出に変更するように、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第1ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチ以外の図柄が表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を「3」にする補正)して現在の第1ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれるようにする。より具体的には、ミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときにおいて、大当り図柄の組合せが「3」以外の15R通常大当り図柄の組合せとなるときには、大当り図柄の組合せを「3」による15R通常大当り図柄の組合せとする。また、ミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときにおいて、大当り図柄の組合せが「3」以外の15R確変大当り図柄の組合せとなるときには、大当り図柄の組合せを「3」に変更してしまうと、15R通常大当り図柄の組合せとなってしまうので、「3」の図柄でリーチとなった後に、第1飾り図柄が再変動をして最終的な表示結果として15R確変大当り図柄の組合せが導出表示されるような演出が行なわれるようにする。
一方、S273で15R第1大当りとなることが決定されていないと判断されたときは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、実行中の第1ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し(S275)、後述するS277に進む。S275では、たとえば、受信した第1変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第1ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第1変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第1ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第1ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチが表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を1図柄ずらして「4」にする補正)して現在の第1ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれないようにする。一方、表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチが表示されないのであれば、表示結果決定処理により決定された大当り図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。
前述のS272により第1ミッションモードではないと判断したときは、前述のS2660と同様に、第2ミッションモードであるか否かを判断する(S2720)。S2720により第2ミッションモードではないと判断したときは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンドに対応した第1変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定し(S276)、後述するS277に進む。具体的に、S276では、受信した第1変動パターンコマンドに対応する第1変動パターンでの変動表示に用いられるデータが選択されて設定されることにより、第1飾り図柄の変動表示の変動パターンが設定される。
一方、S2720により第2ミッションモードであると判断したときは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、実行中の第2ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し(S2721)、後述するS277に進む。S2721では、前述のS2661と同様の処理が行なわれることにより、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータが設定される。S277では、制御モードを管理する遊技状態管理処理を実行した後、後述するS283に進む。
また、前述のS267によりミッションモードではないと判断したときに進むS268では、受信した第1変動パターンコマンドに対応した第1変動パターンで第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。次に、時短モードとなるときにセットされる時短モードフラグがセットされているか否かを判断することにより、時短モードであるか否かを判断する(S268)。時短モードではないと判断したときは、後述するS283に進む。一方、時短モードであると判断したときは、短縮カウンタの値が「0」になったか否かを判断する(S269)。短縮カウンタの値が「0」になっていないと判断したときは、後述するS283に進む。一方、短縮カウンタの値が「0」になったと判断したときは、時短モードにおいて所定回数のはずれとなる変動表示が行なわれて時短モードの終了条件が成立したときであるので、時短モードフラグをリセットする(S270)。そして、時短モードの終了に応じて、通常モードとなるときにセットされる通常モードフラグ(第1通常モードフラグおよび第2通常モードフラグ)をセットし(S271)、後述するS283に進む。これにより、時短モードにおいて所定回数のはずれとなる変動表示が行なわれたときには制御モードが通常モード(第1通常モードおよび第2通常モード)に移行する。
また、前述のS266により第1ミッションモードであると判断されてS278に進んだときは、第1ミッションカウンタを「1」減算更新する。第1ミッションカウンタは、第1ミッションモードにおける第1ミッション演出の進行を管理するために用いられる計数手段であり、第1ミッションカウンタの値に応じて第1ミッション演出の進行度が把握される。S278により、表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動表示が行なわれるごとに、第1ミッションカウンタが減算更新されることなる。そして、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンド、および、第1ミッション演出の進行度に対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、実行中の第1ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し、第1ミッション演出を行なう第1変動パターンを設定する(S279)。具体的に、第1ミッション演出は、はずれとなる変動表示が実行されるごとに進行していくように設定されており、進行度に応じて、第1ミッション演出として表示する画像データが選択されて変動パターンとして設定される。
次に、第1ミッションカウンタの値が「0」になったか否かを判断する(S280)。第1ミッションカウンタの値が「0」になっていないと判断したときは、第1ミッション演出を継続させるので、後述するS283に進む。一方、第1ミッションカウンタの値が「0」になっていると判断したときは、第1ミッション演出についてセットされているミッションモードフラグをリセットし(S281)、第1通常モードフラグをセットして(S282)、後述するS283に進む。これにより、第1飾り変動表示部8k側では、第1ミッション演出のミッション期間が終了すると、第1通常モードに移行する。
S283では、S2661,S267,S274,S275,S276,S2721またはS279で設定された変動パターンに対応する変動表示時間が、第1飾り変動表示部8kでの変動表示時間を計時するための第1変動時間タイマにセットされ、第1変動時間タイマによる変動表示時間の計時がスタートさせられる。大当り、小当り、またはチャンス目はずれが発生する場合の変動表示が開始されるときについては、S277により演出制御モードが管理されるが、実際に演出制御モードが換わるのは、大当り、小当り、またはチャンス目はずれの状態が終了した後である。このため、変動表示が開始される時点では、それまでの演出制御モードと同じ演出制御モードであり、その演出制御モードで変動表示が行なわれる。たとえば、複数の演出制御モードのそれぞれに対応して、前述した背景画像の色と、前述のようなミッションモード中であることを示すキャラクタの表示態様の画像、および、確変モード中であることを示すキャラクタの表示態様の画像とを含む、演出制御モードに対応した各種の画像を表示する制御が演出制御プロセス処理により行なわれる。これにより、当り遊技状態の終了後には、確変モードであることの報知、ミッションモードであることの報知、時短モードであることの報知等の現在の演出制御モードを報知する演出制御が第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理において継続して行なわれることとなる(当り遊技状態の終了後、第1変動パターンコマンド待ち処理(S400)および第2変動パターンコマンド待ち処理(S400a)からそのような演出制御が開始されることとなる)。
次に、S2661,S267,S274,S275,S276,S2721またはS279で設定された変動パターンで、第1飾り変動表示部8kにおいて表示結果を導出表示するための第1飾り図柄の変動表示を開始する(S284)。そして第1演出制御プロセスフラグを第1図柄変動中処理(S402)に対応した値に更新し(S285)、リターンする。
次に、図35のS401aによる第2図柄変動開始処理について説明する。図37は、図35の第2図柄変動開始処理(S401a)を示すフローチャートである。第2図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
第2図柄変動開始処理は、第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容の相違点を前述したように、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で第1図柄変動開始処理と異なるが、その他の処理内容は、第1図柄変動開始処理と同様である。このため、以下に説明する第2図柄変動開始処理の処理内容は、第1図柄変動開始処理と異なる部分を主として説明する。
第2図柄変動開始処理においては、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なうので、S262の代わりにS262aが設けられ、S265の代わりにS265aが設けられ、S266の代わりにS266aが設けられ、S2660の代わりにS2660aが設けられ、S2661の代わりにS2661aが設けられ、S267の代わりにS267aが設けられ、S272〜S276の代わりにS272a〜S276aが設けられ、S2720,S2721の代わりにS2720a,S2721aが設けられ、S278〜S282の代わりにS278a〜S282aが設けられ、S283〜S285の代わりにS283a〜S285aが設けられている。
第2飾り図柄の変動表示結果を決定するために表示結果決定処理を行なう(S261)。そして、S262aでは、表示結果決定処理において決定した第2飾り図柄の表示結果のデータを、第2飾り図柄の変動表示である第2変動表示結果として、RAM85に設けられた第2表示結果データ格納エリアに格納する。S265aでは、受信したことに応じて今回の変動表示が開始されることとなった演出コマンドが、第2飾り図柄について、大当り、小当り、または、チャンス目はずれとなることを指定しているか否かを判断する。S266aでは、第2ミッションのミッションAモードとなるときにセットされる第2ミッションAモードフラグ、または、第2ミッションのミッションBモードとなるときにセットされる第2ミッションBモードフラグミッションがセットされているか否かを判断することに基づいて、第2ミッションモードであるか否かを判断する。S2660aでは、第1ミッションのミッションAモードとなるときにセットされる第1ミッションAモードフラグ、または、第1ミッションのミッションBモードとなるときにセットされる第1ミッションBモードフラグミッションがセットされているか否かを判断することに基づいて、第1ミッションモードであるか否かを判断する。S2661aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、第2飾り変動表示部9kにおいて、実行中の第1ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。具体的に、S2661aでは、たとえば、受信した第2変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第1ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第2変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第1ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第1ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された図柄により「3」のリーチが表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を1図柄ずらして「4」にする補正)して現在の第1ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれないようにする。一方、表示結果決定処理により決定された図柄により「3」のリーチが表示されないのであれば、表示結果決定処理により決定された図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。S267aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応した第2変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定する。
S272aでは、前述のS266aと同様に、第2ミッションモードであるか否かを判断する。S273aでは、受信した第2変動パターンコマンドが、いずれかの種類の15R大当り(15R第2大当り)となるときの変動パターンであるか否かに基づいて、15R第2大当りとなることが決定されているか否かを判断する(S273a)。第2ミッションでのミッション期間中に第2飾り変動表示部9kにおいて、いずれかの種類の15R大当り(15R第2大当り)が発生したときには、第2飾り変動表示部9kにおいて、前述したようなミッションが達成した演出を行なう必要がある。
S274aでは、第2飾り変動表示部9kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、実行中の第2ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれるような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S274aでは、たとえば、受信した第2変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第2ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出とならないときには、第2変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第2ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含む演出に変更するように、第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第2ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチ以外の図柄が表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を「3」にする補正)して現在の第2ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれるようにする。より具体的には、ミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときにおいて、大当り図柄の組合せが「3」以外の15R通常大当り図柄の組合せとなるときには、大当り図柄の組合せを「3」による15R通常大当り図柄の組合せとする。また、ミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときにおいて、大当り図柄の組合せが「3」以外の15R確変大当り図柄の組合せとなるときには、大当り図柄の組合せを「3」に変更してしまうと、15R通常大当り図柄の組合せとなってしまうので、「3」の図柄でリーチとなった後に、第2飾り図柄が再変動をして最終的な表示結果として15R確変大当り図柄の組合せが導出表示されるような演出が行なわれるようにする。
S275aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、実行中の第2ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。具体的に、275aでは、たとえば、受信した第2変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在の第2ミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第2変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在の第2ミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、第2ミッション演出におけるミッション達成演出が「3」のリーチを出せという演出であるときに、S261の表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチが表示されてしまうのであれば、リーチ図柄を他の図柄に補正(たとえば、リーチ図柄を1図柄ずらして「4」にする補正)して現在の第1ミッションでのミッション達成演出と同じ演出が行なわれないようにする。一方、表示結果決定処理により決定された大当り図柄により「3」のリーチが表示されないのであれば、表示結果決定処理により決定された大当り図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。
S2720aでは、S2660aと同様に、第2ミッションモードであるか否かを判断する。S276aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応した第2変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定する。S2721aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、第2飾り変動表示部9kにおいて、実行中の第1ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S2721aでは、前述のS2661aと同様の処理が行なわれることにより、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータが設定される。
S278aでは、第2ミッションカウンタを「1」減算更新する。第2ミッションカウンタは、第2ミッションモードにおける第2ミッション演出の進行を管理するために用いられる計数手段であり、第2ミッションカウンタの値に応じて第2ミッション演出の進行度が把握される。S278aにより、表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動表示が行なわれるごとに、第2ミッションカウンタが減算更新されることなる。S279aでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第2変動パターンコマンド、および、第2ミッション演出の進行度に対応して、第2飾り変動表示部9kにおいて、実行中の第2ミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し、第2ミッション演出を行なう第2変動パターンを設定する。具体的に、第2ミッション演出は、はずれとなる変動表示が実行されるごとに進行していくように設定されており、進行度に応じて、第2ミッション演出として表示する画像データが選択されて変動パターンとして設定される。S280aでは、第2ミッションカウンタの値が「0」になったか否かを判断する。第2ミッションカウンタの値が「0」になっていないと判断したときは、第2ミッション演出を継続させるので、後述するS283に進む。一方、S280aにより、第2ミッションカウンタの値が「0」になっていると判断したときは、S281aにより第2ミッション演出についてセットされているミッションモードフラグをリセットし、S282aにより第2通常モードフラグをセットしてS283に進む。これにより、第2飾り変動表示部9k側では、第2ミッション演出のミッション期間が終了すると、第2通常モードに移行する。
図38は、第1図柄変動開始処理および第2図柄変動開始処理における表示結果決定処理(S261)を示すフローチャートである。表示結果決定処理においては、まず、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かを判断する(S241)。具体的には、図柄情報コマンドとして、15R通常大当り、15R確変大当り、または、2R確変大当りを指定するコマンドを受信したときに、大当り表示結果とすると判断する。
大当り表示結果とすると判断したときは、後述するS251に進む。一方、大当り表示結果としないと判断したときは、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を小当り表示結果とするか否かを判断する(S242)。具体的には、第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンドとして、小当りを指定するコマンドを受信したときに、小当り表示結果とすると判断する。
小当り表示結果とすると判断したときは、変動表示結果として、前述のような予め定められた小当り図柄の組合せを決定し(S243)、リターンする。一方、小当り表示結果としないと判断したときは、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果をチャンス目はずれ表示結果とするか否かを判断する(S244)。具体的には、図柄情報コマンドとして、はずれ指定コマンドを受信し、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドとしてチャンス目はずれを指定するコマンドを受信したときに、チャンス目はずれ表示結果とすると判断する。
チャンス目はずれ表示結果とすると判断したときは、変動表示結果として、前述のようなチャンス目となる予め定められたはずれ図柄の組合せを決定し(S245)、リターンする。一方、チャンス目はずれ表示結果としないと判断したときは、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果をリーチはずれ表示結果とするか否かを判断する(S246)。具体的には、第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンドとしてはずれ指定コマンドを受信し、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドとしてリーチはずれを指定するコマンドを受信したときに、リーチはずれ表示結果とすると判断する。
リーチはずれ表示結果とすると判断したときは、変動表示結果として、リーチはずれ図柄の組合せをランダムに決定し(S247)、リターンする。具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜3の値を抽出する。そして、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、RU−2と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RU−2の抽出値から対応する中図柄を選択する。ただし、RU−2の抽出値に対応する中図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
一方、リーチはずれ表示結果としないと判断したときは、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果をチャンス目表示結果およびリーチはずれ表示結果以外のはずれ表示結果とする場合である。具体的に、この場合には、第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンドとして、はずれ指定コマンドを受信し、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドとして、リーチ変動パターンおよびチャンス目はずれ変動パターン以外のはずれ変動パターンを受信したときである。この場合には、変動表示結果として、チャンス目はずれ表示結果およびリーチはずれ表示結果以外のはずれ図柄の組合せをランダムに決定し(S248)、リターンする。より具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜3の値を抽出する。そして、RU−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の中図柄決定用データテーブル、および、RU−3の値と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ、チャンス目図柄の組合せ、および、リーチはずれ図柄の組合せと一致するときには、一致しないように、予め定められた位置の図柄(たとえば、中図柄または右図柄)を変更する補正を行なう。
また、前述のS241の判断により大当り図柄の組合せとすると判断してS251に進んだときには、確変大当りとするか否かを判断する(S251)。具体的に、S251では、たとえば、15R確変大当りを指定する第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンドを受信したとき、または、2R確変大当りを指定する第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンドを受信したときに、確変大当りとすると判断する。確変大当りとすると判断したときには、後述するS253に進む。一方、確変大当りとしないと判断したときには、S252に進み、変動表示結果として、確変大当り図柄以外の大当り図柄の組合せをランダムに決定する。S252では、次のように確変大当り図柄以外の大当り図柄の組合せを決定する。まず、RU−1の値を抽出する。そして、RU−1の値と確変大当り図柄(7の飾り図柄のゾロ目)以外の大当り図柄との関係が予め定められた第1非確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から、対応する大当り図柄を選択し、その大当り図柄によるゾロ目を、左,中,右の飾り図柄の組合せとして決定する。
また、前述のS251により確変大当りとすると判断してS253に進んだときには、2R確変大当りとするか否かを判断する。具体的に、S253では、2R確変大当りを指定する第1図柄情報コマンドまたは第1図柄情報コマンドを受信したときに、2R確変大当りとすると判断する。2R確変大当りとしないと判断したとき、すなわち、15R確変大当りとするときには、変動表示結果として、15R確変大当り表示結果としての15R確変大当り図柄の組合せ(「777」)を決定し(255)、リターンする。一方、2R確変大当りとすると判断したときには、変動表示結果として、前述のような2R確変大当り表示結果としての2R確変大当り図柄の組合せ(「135」のチャンス目)を決定し(S254)、リターンする。
このような表示結果決定処理において、S243,S245,S247,S248,S252,S254,S255により決定された飾り図柄の表示結果を示すデータは、RAM85に一時的に記憶される。そして、そのように記憶された飾り図柄の表示結果を示すデータは、前述した図36のS262が実行されたときには、第1変動表示の表示結果として第1表示結果データ格納エリアに格納され、前述した図37のS262aが実行されたときには、第2変動表示の表示結果として第2表示結果データ格納エリアに格納されることとなる。
図39は、第1図柄変動開始処理および第2図柄変動開始処理における遊技状態管理処理(S266)を示すフローチャートである。遊技状態管理処理においては、まず、受信した第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより変動表示後に通常モードとなることが指定されているか否かを判断する(S331)。具体的に、S331では、変動パターンコマンドにより「後通常モード」が指定されているときに、変動表示後に通常モードとなることが指定されていると判断する。
変動表示後に通常モードとなることが指定されていないと判断したときは、後述するS335に進む。一方、変動表示後に通常モードとなることが指定されていると判断したときは、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部について既に通常モードフラグがセットされているか否かを判断する(S332)。既に通常モードフラグがセットされていると判断したときは、モードフラグを変更せずにリターンする。これにより、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部については、演出制御モードが通常モードで継続する。一方、既に通常モードフラグがセットされていないと判断したときは、そのときにセットされている他のモードフラグをリセットし(S333)、通常モードフラグ(第1通常モードフラグおよび第2通常モードフラグ)をセットして(S334)、リターンする。これにより、制御モードが他のモードから通常モードに移行する。
前述のS331により変動表示後に通常モードとなることが指定されていないと判断されてS335に進んだときは、受信した第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより変動表示後にミッションモードとなることが指定されているか否かを判断する。具体的に、S335では、変動パターンコマンドにより「後ミッションモード」が指定されているときに、変動表示後にミッションモードとなることが指定されていると判断する。つまり、第1変動パターンコマンドにより「後ミッションモード」が指定されているときには、第1ミッションモードとなることが指定されていると判断し、第2変動パターンコマンドにより「後ミッションモード」が指定されているときには、第2ミッションモードとなることが指定されていると判断する。
変動表示後にミッションモードとなることが指定されていないと判断したときは、後述するS347に進む。一方、変動表示後にミッションモードとなることが指定されていると判断したときは、その変動パターンコマンドにより指定されている側のミッションモード(第1ミッションモードまたは第2ミッションモード)がミッションAモードとミッションBモードとのどちらであるかを区別するために、受信した図柄情報コマンド(第1図柄情報コマンドまたは第2図柄情報コマンド)または変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンド)により、小当りとなること、または、チャンス目はずれとなることが指定されているか否かを判断する(S336)。具体的に、図柄情報コマンドが小当り指定のコマンドであるときは、小当りとなることが指定されていると判断し、変動パターンコマンドにより「チャンス目はずれ」が指定されているときは、チャンス目はずれが指定されていると判断する。この実施の形態の場合、変動表示後にミッションAモードとなるのは、いずれかの飾り変動表示部で、通常モードまたはミッションBモードにおいて、15R確変大当りA、15R確変大当りB、または、2R確変大当りBとなったときと、ミッションAモードにおいて15R確変大当りB、小当り、または、チャンス目はずれとなったときとである。また、この実施の形態の場合、変動表示後にミッションBモードとなるのは、いずれかの飾り変動表示部で、通常モードにおいて小当り、または、チャンス目はずれとなったときと、いずれかの飾り変動表示部で、ミッションBモードにおいて小当り、または、チャンス目はずれとなったときとである。したがって、変動表示後にミッションAモードまたはミッションBモードとなるのは、ミッションAモード、通常モード、または、ミッションBモードの場合である。このため、まず、変動表示後にミッションモード(ミッションAモードおよびミッションBモード)となる変動表示のうち、大当りとなる変動表示を除く小当りまたはチャンス目はずれとなる変動表示から、ミッションAモードにおいて小当りまたはチャンス目はずれとなる変動表示を除けば、変動表示後にミッションBモードとなる変動表示が判別できる。そして、そのようなミッションBモードとなる変動表示の他は、ミッションAモードとなる変動表示であると判別することができる。したがって、変動表示後にミッションAモードとなる変動表示と、変動表示後にミッションBモードとなる変動表示とは、次のように区別する。
S336により、小当りとなること、または、チャンス目はずれとなることが指定されているときには、ミッションAモードにおいて小当りとなるときと、チャンス目はずれとなるときとを判別するために、変動パターンコマンドで指定されている側の飾り変動表示部のミッションモード(第1ミッションモードまたは第2ミッションモード)について、ミッションAモードフラグがセットされているか否かを判断する(S337)。ミッションAモードフラグがセットされているときは、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部で、変動表示後に小当り、または、チャンス目はずれとなった後ミッションAモードとなるときである。一方、ミッションAモードフラグがセットされていないとき、すなわち、通常モードフラグまたはミッションBモードフラグがセットされているときは、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部で、小当り、または、チャンス目はずれとなった後に、ミッションBモードとなるときである。したがって、S337でミッションAモードフラグがセットされていないと判断されたときは、ミッションBモードとなるときであるので、既に、変動パターンコマンドで指定されている側の飾り変動表示部のミッションモード(第1ミッションモードまたは第2ミッションモード)について、ミッションBモードフラグがセットされているか否かを判断する(S338)。ミッションBモードフラグがセットされていると判断したときは、モードフラグを変更せずにS344に進む。これにより、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部について、制御モードがミッションBモードで継続する。一方、ミッションBモードフラグがセットされていないと判断したときは、そのときに変動パターンコマンドで指定されている側の飾り変動表示部についてセットされている他のモードフラグ(通常モードフラグ)をリセットし(S339)、ミッションBモードフラグをセットして(S340)、S344に進む。S340により変動パターンコマンドにより指定された方の飾り変動表示部についてミッションBモードフラグがセットされる場合に、変動パターンコマンドにより指定されていない方の飾り変動表示部については、演出制御モードが通常モードとされる。これにより、変動パターンコマンドで指定されている側の飾り変動表示部について演出制御モードが他のモード(通常モード)からミッションBモードに移行する。
S336により小当りとなること、または、チャンス目はずれとなることが指定されていないと判断したときは、変動パターンコマンドで指定されている側の飾り変動表示部について、ミッションAモードフラグがセットされているか否かを判断する(S341)。ミッションAモードフラグがセットされていると判断したときは、モードフラグを変更せずにS344に進む。これにより、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部について、演出制御モードがミッションAモードで継続する。一方、ミッションAモードフラグがセットされていないと判断したときは、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部について、そのときにセットされている他のモードフラグをリセットし(S342)、ミッションAモードフラグをセットして(S343)、S344に進む。S343により変動パターンコマンドにより指定された方の飾り変動表示部についてミッションAモードフラグがセットされる場合に、変動パターンコマンドにより指定されていない方の飾り変動表示部については、演出制御モードが通常モードとされる。これにより、変動パターンコマンドにより指定された飾り変動表示部について、ミッションモードが指定されたときに、小当りとなること、または、チャンス目はずれとなることが指定されていないときには、制御モードが他のモードからミッションAモードに移行する。
S344では、ミッション演出として実行するミッションの種類をランダムに決定する。具体的に、S344では、演出内容決定用RTのランダムカウンタの数値データを抽出し、数値データと複数種類のミッションの種類との予め定められた関係に基づいて、その抽出値に対応する種類のミッションを実行するミッションとして決定する。
ミッション演出として実行するミッションとしては、ミッション期間の長さと(たとえば、変動表示が「10回転以内」、「20回転以内」、「30回転以内」、「40回転以内」等)、ミッションの演出の種類(たとえば、「3のリーチを出せ」、「1のリーチを出せ」等)との組合せ(たとえば、「10回転以内」に「3のリーチを出せ」というような組合せ)が予め定められており、ミッション期間の長さとミッションの演出の種類との組合せのうちの少なくとも一方(ミッション期間の長さとミッションの演出の種類とのうちの少なくとも一方)が異なる複数種類のミッションが選択可能に設けられている。これら複数種類のミッションは、ミッション期間の長さに基づいて分類すると、たとえば、10回転以内、20回転以内というような比較的短期間のミッション期間である短期ミッション期間のミッションと、30回転以内、40回転以内というような短期ミッション期間よりも長期間のミッション期間である長期ミッション期間のミッションとに分類される。
なお、ミッション演出の種類については、たとえば、「キャラクタXを出せ」、「キャラクタYを出せ」というような特定のキャラクタを出す演出のミッションを用いてもよい。また、ミッション期間の長さについては、「10分以内」、「15分以内」、「20分以内」というような時間を直接的に示す期間を用いてもよい。
S344においては、ミッションの種類が、複数種類のミッションのそれぞれに演出内容決定用RTのランダムカウンタの数値データが割振られ、演出内容決定用RTから抽出された数値データに対応するミッションの種類を選択するためのデータが設定されたデータテーブルであるミッション種類選択用データテーブルを用いて選択される。このようなミッション種類選択用データテーブルは、ROM84に記憶されており、適宜読出されて用いられる。ミッション種類選択用データテーブルは、ミッションの種類と数値データとの対応関係が異なるデータテーブルであるミッションA種類選択用データテーブルとミッションB種類選択用データテーブルとが含まれている。S344では、ミッションAモードフラグがセットされているときにはミッションを選択するためにミッションA種類選択用データテーブルが用いられ、ミッションBモードフラグがセットされているときにはミッションを選択するためにミッションB種類選択用データテーブルが用いられる。
ミッションA種類選択用データテーブルは、ミッションB種類選択用データテーブルと比べて、前述の長期ミッション期間が選択される割合が高くなるように、ミッションの種類に対して数値データが割振られている。これにより、真のミッション演出が行なわれるミッションAモードにおいては、偽のミッション演出が行なわれるミッションBモードと比べて、長期ミッション期間のミッションが選択されやすい。たとえば、低確低ベース状態で2R確変大当りBとなったときのミッションAモードにおいては、低確低ベース状態で小当りとなったときのミッションBモードと比べて、長期ミッション期間のミッションが選択されやすい。これにより、低確低ベース状態で2R確変大当りBとなったときのミッションAモードにおいては、低確低ベース状態で小当りとなったときのミッションBモードと比べて、長期ミッション期間のミッションが選択されやすいので、ミッション期間が比較的長いことに起因して、ミッション演出状態において大当り遊技状態が生じやすくなり、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を向上させることができる。また、長期ミッション期間のミッションが選択されたときには、短期ミッション期間のミッションが選択されたときと比べて高確率状態である割合が高いので、高確率状態に対する遊技者の期待度を向上させることもできる。
そして、ミッションの種類が決定されると、S344により決定したミッションの種類を特定するミッション種類フラグをセットする(S345)。そして、ミッション種類フラグにより特定されるミッションの種類に応じたミッションの継続回数をミッションカウンタに設定し(S346)、リターンする。
前述のS335により変動表示後にミッションモードとなることが指定されていないと判断してS347に進んだときは、受信した第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより変動表示後に確変モードとなることが指定されているか否かを判断する。具体的に、S347では、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより「後確変モード」が指定されているときに、変動表示後に確変モードとなることが指定されていると判断する。
変動表示後に確変モードとなることが指定されていないと判断したときは、後述するS351に進む。一方、変動表示後に確変モードとなることが指定されていると判断したときは、既に確変モードフラグがセットされているか否かを判断する(S348)。確変モードフラグがセットされていると判断したときは、モードフラグを変更せずにリターンする。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方について、演出制御モードが確変モードで継続する。一方、確変モードフラグがセットされていないと判断したときは、そのときにセットされている他のモードフラグをリセットし(S349)、確変モードフラグをセットして(S350)、リターンする。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方について、演出制御モードが他のモードから確変モードに移行する。
前述のS347により変動表示後に確変モードとなることが指定されていないと判断してS351に進んだときは、受信した第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより変動表示後に時短モードとなることが指定されているか否かを判断する。具体的に、S351では、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより「後時短モード」が指定されているときに、変動表示後に時短モードとなることが指定されていると判断する。
変動表示後に時短モードとなることが指定されていないと判断したときは、リターンする。一方、変動表示後に時短モードとなることが指定されていると判断したときは、既に時短モードフラグがセットされているか否かを判断する(S352)。時短モードフラグがセットされていると判断したときは、モードフラグを変更せずにリターンする。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方について、演出制御モードが時短モードで継続する。一方、時短モードフラグがセットされていないと判断したときは、そのときにセットされている他のモードフラグをリセットし(S353)、時短モードフラグをセットする(S354)。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方について、演出制御モードが他のモードから時短モードに移行する。そして、図柄情報定コマンドにより小当りとなることが指定されているか否かを判断する(S355)。小当りとなることが指定されていると判断したときはリターンし、小当りとなることが指定されていないと判断したときは短縮カウンタをセットして(S356)リターンする。これにより、ミッションAモードまたは確変モードでの15R通常大当りに基づいて時短モードとなるときには、S356により時短モードの継続期間を管理するために用いられる短縮カウンタがセットされて計数を新たに開始することとなる。一方、時短モードでの小当りに基づいて時短モードが継続するときには、S355からリターンするので、短縮カウンタの計数値は、その小当り発生前から継続されることとなる。
以上に説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技状態管理処理において、受信した演出制御コマンドに基づいて、制御モードを管理する。
図40は、図34の第1図柄変動中処理(S402)を示すフローチャートである。第1図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、第1変動中断フラグがセットされているか否かを確認し(S361)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断コマンドを受信したか否かを確認する(S365)。ここで、変動中断フラグとは、前述した特別図柄の変動表示の中断に合わせて飾り図柄の変動表示を中断する状態であることを示すフラグである。また、中断コマンドには、第1飾り変動表示部8kでの変動表示の中断を指示する第1中断コマンドと、第2飾り変動表示部9kでの変動表示の中断を指示する第2中断コマンドとがある。
そして、S365で第1中断コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(S366)、第1飾り変動表示部8kにおいて、第1飾り図柄の変動表示の進行を中断(停止)させた表示を行なうとともに、第1飾り図柄の変動時間の計測が中断(停止)して変動表示の進行が中断しているが変動表示中である旨を示す変動中メッセージを表示する変動中断表示を行ない(S367)、リターンする。この変動中断表示においては、第1飾り図柄がはずれ図柄の組合せで仮停止されることにより、第1飾り図柄の変動表示が中断する。このような変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測するタイマの更新が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、S361で第1変動中断フラグがセットされていれば、第1再開コマンドを受信したか否かを確認する(S362)。S362で第1再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(S363)、第1飾り変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行ない(S364)、S368に進む。S362で第1再開コマンドを受信していなければ、リターンする。また、前述のS365で第1中断コマンドを受信していないときは、S368に進む。
S368では、前述の第1変動時間タイマと、第1変動中処理における表示制御を管理するために用いられるプロセスタイマとを更新する。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S369)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行なう(S370)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S371)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば、監視タイマをスタートさせ(S372)、第1演出制御プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(S215)に対応した値に更新し(S373)、リターンする。
以上の処理によって、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄の組合せが導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断コマンドを受信したことに基づいて第1変動中断フラグをセットするとともに、第1飾り変動表示部8kにおいて、変動中断表示を行なう。そして、第1再開コマンドを受信するまでS368〜S373の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄81〜83の変動表示を中断する制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から中断コマンドが演出制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて他方の表示部での変動表示を中断させる制御が行なわれる。また、このような変動表示を中断させる制御が行なわれている状態で、前述した大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53から再開コマンドが演出制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ800により、中断されていた変動表示を再開させる制御が行なわれる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、前述の第1実施形態と異なる部分を主として説明する。前述の第1実施形態においては、ミッションモードが、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側とで個別に設定される例を示した。第2実施形態においては、ミッションモードが、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象として設定される例を説明する。
第2実施形態の場合は、ミッションモードが、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象として設定されるので、前述のような第1ミッションモードと第2ミッションモードとに分かれておらず、これら飾り変動表示部で1つの共通のミッションモードとなる。これにより、通常モードも、前述のような第1通常モードと第2通常モードとに分かれておらず、これら飾り変動表示部で1つの共通の通常モードとなる。
次に、図41〜図44を用いて、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kで行なわれる画像表示の一例を説明する。図41〜図44に関しては、図12〜図15と共通する部分について、同一の参照符号を付し、重複した説明を繰返さない。図41は、第2実施形態による演出制御モードが通常モードからミッションAモードまたはミッションBモードに移行するときの表示例を示す表示画面図である。
図41では、(a1)〜(a5)にミッションAモードとミッションBモードとで共通の表示例が示される。図41が図12と異なるのは、(a3)〜(a5)である。
通常モードにおいて第1表示部または第2表示部で2R確変大当りBとなるときには、大当り遊技状態の終了後に、両方の表示部での演出制御モードがミッションAモードに移行する。また、通常モードにおいて第1表示部または第2表示部で小当りとなるときには、小当り遊技状態の終了後に、両方の表示部での演出制御モードがミッションBモードに移行する。ミッションAモードまたはミッションBモードに移行したときには、たとえば(a3)に示すように、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方において、ミッションモードに突入する旨を示すメッセージが表示されることにより、ミッションモードが開始されることが報知される。その報知は、ミッションAモードであるかミッションBモードであるかを特定しない態様で行なわれる。
その後、2R確変大当りまたは小当りとなったときには、そのような当りの表示結果が導出表示された表示部に対応する可変入賞球装置で大入賞口が2回開放される当り遊技状態(2R確変大当り遊技状態または小当り遊技状態)の動作が行なわれる。一方、2R確変大当りまたは小当りの表示結果が導出表示されていない表示部については、対応する可変入賞球装置で当り遊技状態の動作が行なわれない。
2R確変大当り遊技状態の終了時および小当り遊技状態の終了時には、(a4)に示すように、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方において、たとえば、「30回転以内にキャラクタXを出せ」というような予め定められた複数種類のミッションのうちからランダムに選択されたミッションの内容が報知される。そして、ミッションモードに移行するときの2R確変大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後には、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方において、(a5)に示すように、ミッション内容を特定するメッセージ902と、ミッションにおける残りの変動表示回数903とが表示されるとともに、キャラクタ901の表示態様が、ミッションモード中であることを特定する表示態様(たとえば、「ミッションモード」というメッセージをキャラクタが示す表示態様)に変化させられる。(a5)に示すような状態は、ミッションモードが終了するまで継続され、そのような状態において、ミッションAモードまたはミッションBモードでの変動表示が行なわれていく。
この場合のミッションは、変動表示が30回行なわれるときまでに、予め定められたキャラクタX(たとえば、図15に示すキャラクタX)が出現する表示がされれば、大当りが生じるという内容である。このミッションの場合、変動表示が30回行なわれるまでに15R大当りとなるときには、キャラクタXを出現させる表示が行なわれ、ミッションが達成されたことを示す表示がミッション達成演出として行なわれてミッションモードが終了する。一方、変動表示が30回行なわれるまでに15R大当りとならないときには、キャラクタXを出現させる表示が行なわれず、ミッションが達成されなかったことを示す表示がミッション不達成演出として行なわれてミッションモードが終了する。
このようなミッションモードにおける(a4)のようなミッション内容を特定するメッセージの表示は、第1実施形態の場合と同様のタイミングで行なわれる。
このように、2R確変大当りとなるときと、小当りとなるときとでは、同一の表示結果であるチャンス目(「135」)が表示されるとともに、大入賞口が2回開放されるという同一の動作態様で、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22が動作させられた後、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方において、ミッションAモードとなるのかミッションBモードとなるのかを特定せずにミッションモードとなる旨の報知が行なわれる。
図42は、第2実施形態によるミッションAモードおよびミッションBモードにおける表示例を示す表示画面図である。図42では、(b1)〜(b4)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。図42においては、ミッションモードにおいて第1表示部で変動表示が行なわれたときの状態が(b1),(b2)に示されており、ミッションモードにおいて第2表示部で変動表示が行なわれたときの状態が(b3),(b4)に示されている。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについては、第1表示部で変動表示が行なわれたときと、第2表示部で変動表示が行なわれたときとの両方において、ミッション期間が減少更新される。それに応じて、(b1),(b2)に示すように、第1表示部で変動表示が行なわれたときに、ミッションにおける残りの変動表示回数903が減少更新されるとともに、(b3),(b4)に示すように、第2表示部で変動表示が行なわれたときに、ミッションにおける残りの変動表示回数903が減少更新される。
図43は、第2実施形態によるミッションモードにおいてミッションが達成できずにミッション期間が終了するときのミッション不達成演出の表示例を示す表示画面図である。図43では、(c1)〜(c4)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについて、ミッションが達成できずにミッション期間が終了するときには、次のような表示が行なわれる。残りの変動表示回数903が「0」となった(c1)のようなミッションモードでの表示状態において、(c1)のように変動表示が開始された後、たとえば、(c2)で第1表示部において飾り図柄の左図柄81、中図柄82、および、右図柄83の停止表示結果がはずれ図柄の組合せとなり、第1特別図柄表示器10における第1特別図柄の停止表示結果が「2」等のはずれ図柄となったことを示すように、変動表示が行なわれている方の表示部において、はずれ表示結果が導出表示される。そして、(c3)に示すように、たとえば、「ミッション期間終了!達成ならず・・・」というようなメッセージが、第1表示部および第2表示部の両方においてそれぞれ表示されることにより、ミッション不達成演出として、ミッションが達成できずにミッション期間が終了する旨が報知される。そして、この場合は、変動表示の終了後に通常モードに移行するので、(c4)に示すように、第1表示部および第2表示部の両方において、前述の図12の(a1)と同様の通常モードでの表示が行なわれる。
図44は、第2実施形態によるミッションモードにおいてミッションが達成されたときのミッション達成演出の表示例を示す表示画面図である。図44では、(d1)〜(d3)にミッションAモードおよびミッションBモードで共通の表示例が示される。
ミッションAモードおよびミッションBモードのそれぞれについて、第1表示部および第2表示部のうちいずれかにおいて、たとえば15R通常大当りのような15R大当りとなるときには、その大当りとなる方の表示部において、ミッション達成演出が行なわれる。ミッション達成演出としては、たとえば(d1)のような「キャラXを出せ!」というようなミッション内容を特定するメッセージ902に対して、キャラクタXを出現させる表示であり、大当りとなる方の表示部において、変動表示の開始時から変動表示を経て変動表示の終了時まで行なわれる。なお、キャラクタXを出現させるというようなミッションを達成する表示は、変動表示の開始時に限らず、変動表示中であれば、どのようなタイミングで行なわれてもよい。
そして、(d2)に示すように、大当りとなる方の表示部において、特別図柄および飾り図柄の変動表示が停止して大当り表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態が開始される。これにより、大当り遊技状態が開始されるときには、大当り表示結果が導出表示された方の表示部における飾り変動表示部(図44の場合は第1飾り変動表示部8k)において、(d3)に示すような大当り遊技状態(15R大当り)が開始される旨を示す大当り開始表示が行なわれる。そして、第1ラウンド〜第15ラウンドの最大15ラウンド継続する大当り遊技状態が行なわれる。
第2実施形態における演出制御は、ミッションモードが、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象として設定されることにより、前述した演出制御に関する処理のうち、主として、第1図柄変動開始処理、第2図柄変動開始処理、および、遊技状態管理処理が第1実施形態と異なる。
図45は、第2実施形態による第1図柄変動開始処理を示すフローチャートである。図45の第1図柄変動開始処理が図36の処理と異なるのは、S266の代わりにS266aが設けられ、S272の代わりにS272bが設けられ、S274〜S275の代わりにS274b〜S275bが設けられ、S278〜S282の代わりにS278b〜S282bが設けられ、S2660,S2661,S2720,S2721が設けられていないことである。
S272bでは、ミッションAモードフラグ、または、ミッションBモードフラグミッションがセットされているか否かを判断することに基づいて、いずれかのミッションモードであるか否かを判断する。S272bでミッションモードではないと判断されたときは、S276に進む。一方、S272bでミッションモードであると判断されたときは、S273に進む。
S274bでは、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれるような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S274bでは、たとえば、受信した第1変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在のミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出とならないときには、第1変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在のミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含む演出に変更するように、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、ミッション演出におけるミッション達成演出がキャラクタXを出せという演出であるときに、ミッション達成演出と同じ演出が行なわれるようにキャラクタXが表示される変動表示を行なうためのデータを設定する。
S275bでは、受信した第1変動パターンコマンドに対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S275bでは、たとえば、受信した第1変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在のミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第1変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在のミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、キャラクタX等のキャラクタは、たとえばリーチにおける演出等の各種演出を行なうために、リーチとなる変動パターン等のいくつかの変動パターンで表示されるように設定されている。このため、ミッション演出におけるミッション達成演出がキャラクタXを出せという演出であるときに、第1変動パターンコマンドにより指定された変動パターンにおいて、たとえばキャラクタXが表示される等、ミッション達成演出と同じ演出が行なわれるときには、同じ変動時間であり、かつ、キャラクタXが表示されないような変動表示となるように、変動表示を行なうためのデータを変更して設定する。
S266aでは、ミッションAモードフラグまたはミッションBモードフラグがセットされているか否かを判断することに基づいて、真のミッション演出を行なうミッションAモードまたは偽のミッション演出を行なうミッションBモードのいずれかのミッションモードであるか否かを判断する。ミッションモードではないと判断したときは、S267に進む。一方、ミッションモードであると判断したときは、S278bにより、第1飾り変動表示部8k側と第2飾り変動表示部9k側とで共通に使用されるミッションカウンタを「1」減算更新する。第2実施形態では、ミッションモードが第1ミッションモードと第2ミッションモードとに分けられておらず、共通のミッションモードが設定されるので、ミッションカウンタは、1つだけ設けられている。
S279bでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンド、および、ミッション演出の進行度に対応して、第1飾り変動表示部8kにおいて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第1変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し、ミッション演出を行なう第1変動パターンを設定する。具体的に、S279bにおいて、ミッション達成演出が行なわれないようにするための処理としては、前述したS275bで説明した処理と同様の処理が行なわれる。
S280bでは、ミッションカウンタの値が「0」になったか否かを判断する。ミッションカウンタの値が「0」になっていないと判断したときは、ミッション演出を継続させるので、S283に進む。一方、ミッションカウンタの値が「0」になっていると判断したときは、S281bにより、セットされているミッションモードフラグをリセットする。そして、S282bにより、通常モードフラグをセットして、S283に進む。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの両方においては、ミッション演出のミッション期間が終了すると、通常モードに移行する。
S283では、S267,S274b,S275b,S276またはS279bで設定された変動パターンに対応する変動表示時間が、第1飾り変動表示部8kでの変動表示時間を計時するための第1変動時間タイマにセットされ、第1変動時間タイマによる変動表示時間の計時がスタートさせられる。
このような第1図柄変動開始処理が実行されることにより、図41〜図44に示したような第1飾り変動表示部8kにおける変動表示が開始され、ミッション演出モードであるときには、前述したように第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象としてミッションモードが設定されることにより、これらの表示部の両方で共通のミッション演出が行なわれる。
図46は、第2実施形態による第2図柄変動開始処理を示すフローチャートである。第2図柄変動開始処理は、第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容の相違点を前述したように、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で第1図柄変動開始処理と異なるが、その他の処理内容は、第1図柄変動開始処理と同様である。このため、以下に説明する図46の第2図柄変動開始処理の処理内容は、図45の第1図柄変動開始処理と異なる部分を主として説明する。また、説明する図46の第2図柄変動開始処理のうち、図37の第2図柄変動開始処理と共通する部分については、重複した説明を繰返さない。
図46の第2図柄変動開始処理においては、第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なうので、S262の代わりにS262aが設けられ、S265の代わりにS265aが設けられ、S267の代わりにS267aが設けられ、S273,S274b,S275b,S276の代わりにS273a,S274c,S275c,S276aが設けられ、S279bの代わりにS279cが設けられ、S283〜S285の代わりにS283a〜S285aが設けられている。
S262a,S265a,S276a,S283a〜S285aのそれぞれについては、図37を用いて説明したので、ここでは説明を繰返し行なわない。
S279cでは、現在の演出制御モードに応じて、受信した第1変動パターンコマンド、および、ミッション演出の進行度に対応して、第2飾り変動表示部98kにおいて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定し、ミッション演出を行なう第2変動パターンを設定する。具体的に、S279cにおいて、ミッション達成演出が行なわれないようにするための処理としては、前述したS275bで説明した処理と同様の処理が行なわれる。
S274cでは、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、第2飾り変動表示部9kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれるような第2変動パターンおよび停止図柄で第1飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S274cでは、たとえば、受信した第2変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在のミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出とならないときには、第2変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在のミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含む演出に変更するように、第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的に、たとえば、ミッション演出におけるミッション達成演出がキャラクタXを出せという演出であるときに、ミッション達成演出と同じ演出が行なわれるように変動表示を行なうためのデータを設定する。
S275cでは、受信した第2変動パターンコマンドに対応して、第2飾り変動表示部9kにおいて、現在の演出制御モードに応じて、実行中のミッション演出において選択されたミッション達成演出が行なわれないような第2変動パターンおよび停止図柄で第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを設定する。S275cでは、たとえば、受信した第2変動パターンコマンドに対応して実行する演出が、現在のミッション演出におけるミッション達成演出と同様の演出を含んでいるときには、第2変動パターンコマンドにより指定された演出を、現在のミッションモードにおけるミッション達成演出と同様の演出を含まない演出に変更するように、第2飾り図柄の変動表示を行なうためのデータを選択して設定する。より具体的には、S275cにおいて、ミッション達成演出が行なわれないようにするための処理としては、前述したS275bで説明した処理と同様の処理が行なわれる。
S283aでは、S267a,S274c,S275c,S276aまたはS279cで設定された変動パターンに対応する変動表示時間が、第2飾り変動表示部9kでの変動表示時間を計時するための第2変動時間タイマにセットされ、第2変動時間タイマによる変動表示時間の計時がスタートさせられる。
このような第2図柄変動開始処理が実行されることにより、図41〜図44に示したような第2飾り変動表示部9kにおける変動表示が開始され、ミッション演出モードであるときには、前述したように第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象としてミッションモードが設定されることにより、これらの表示部の両方で共通のミッション演出が行なわれる。
また、第2実施形態の場合は、第1実施形態と異なり、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側との両方を対象として共通のミッションモードが設定されるので、前述した図39の遊技状態管理処理において、受信した第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドにより変動表示後にミッションモードとなることが指定されていると判断したときに、前述のS336〜S343のように、演出制御モードを、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側とで分けて管理しない。したがって、S336〜S343で取扱われるミッションAモードフラグ、ミッションBモードフラグ、および、通常モードフラグ等の各種演出制御モードを示すフラグは、第1飾り変動表示部8kの側と第2飾り変動表示部9kの側とで共通に用いられるフラグである。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図12〜図15に示すように、大当り遊技状態の終了後において、予め遊技者に報知されたミッション期間内において、予め遊技者に報知されたミッション達成演出が飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kで実行されると、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態に制御されるミッション演出が実行されるので、複数の飾り変動表示部について、大当り遊技状態の終了後における演出状態を共通化することができる。さらに、図36の275,S279,S2661,S2721および図37のS275a,S279a,S2661a,S2721aに示すように、ミッション演出が実行されているミッション期間中において、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのうち、変動表示結果を大当り表示結果とすることが決定された方に対応する飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kで実行する演出としてミッション達成演出が選択され、変動表示結果を大当り表示結果としないことが決定された方に対応する飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kで実行する演出としてはミッション達成演出以外の演出が選択され、かつ、それ以外の飾り変動表示部で実行する演出としてもミッション達成演出以外の演出が選択される。これにより、変動表示結果が大当り表示結果とならない特別図柄表示器に対応する飾り変動表示部で、ミッションモードにおいてミッション達成演出が偶然的に行なわれてしまうことが回避されるので、不適切な演出により遊技者が変動表示結果が大当り表示結果となると誤解することを回避することができる。
(2) 図6等に示すように、大当り遊技状態に制御されたときに移行する遊技状態として、低確低べース状態、高確低べース状態、および、高確高べース状態が設けられているので、始動入賞のしやすさの設定が異なることに基づいてベースが異なる複数の遊技状態がある。このように、ベースが異なる複数の遊技状態があることにより、大当り遊技状態が発生するまでの遊技において、遊技状態が有利であるのか不利であるのかについて、遊技者が実感することができるようになる。また、図7では高確低ベース状態で大当りが発生したときは高確低ベース状態となる確率が10%であり、高確高ベース状態となる確率が30%である。一方、高確高ベース状態で大当りが発生したときは高確低ベース状態となる確率が0%であり、高確高ベース状態となる確率が40%である。このように、高確低ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときとで、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に制御すると決定する割合と、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に制御すると決定する割合とが異ならされるので、どのように遊技状態が移行するかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。そして、このような効果が得られることにより、大当り遊技状態に起因した遊技状態の移行について遊技者の興趣を向上させることができる。
さらに、図19のS35,S37、図24のS124,S125,S126S、図17のS146、図26のS193、および、図18の第2特別プロセス処理における同様のステップに示すように、第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22を2回開放する制御が行なわれる2R確変大当りAおよび2R確変大当りBに制御する旨を決定したときと、同様に第1特別可変入賞球装置20または第2特別可変入賞球装置22を2回開放する制御が行なわれる小当りに制御する旨を決定したときとで、当り遊技状態終了後に、同じ(共通の)演出態様となるミッション演出状態に制御される。これにより、ミッションモードに制御されているときに、高確率状態となっているか否かを遊技者が区別しにくくなる。そして、高確率状態となっていないときであってもミッションモードに制御されることにより、遊技者の期待感を高めることができるとともに、大当り遊技状態に対する期待度が高いミッション演出が行なわれる頻度を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。また、小当り遊技状態に制御されたときは、遊技状態が変化されないので、たとえば、高確高ベース状態において小当り遊技状態に制御された後でも高確高ベース状態が継続されるというように、ミッション演出が行なわれる頻度を高めることによって遊技者が不利益を受けないようにすることができる。また、ミッション演出状態に制御されているときに、高確率状態となっているか否かを遊技者が区別しにくくなるので、ミッション演出状態に制御されているときが遊技の止め時であると遊技者が判断しにくくなるため、パチンコ遊技機1の稼働率を向上させることができる。
(3) 図6において、高確高ベース状態で2R確変大当りAまたは2R確変大当りBに決定したときには、大当り遊技状態終了後高確高ベース状態とすることが決定されることを示したように、高確高ベース状態に制御されているときにおいて2R確変大当りに制御するときには、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御すると決定されるので、高確高ベース状態に制御されたときに、2R確変大当りとなったことにより遊技者にとって不利益が生じないようにすることができる。
(4) 図36および図37のS282に示すように、2R確変大当りまたは小当りに制御された後にミッション期間が経過したときに、ミッションモードから通常モードに切替える制御が行なわれる。これにより、高確率状態となっているときであっても通常モードとなるときがある。このため、通常モードとなったときであっても遊技者が高確率状態に対する期待感をなくさないようにすることができる。
(5) 図39のS344においてミッション種類の選択方法を説明したように、2R確変大当り遊技状態の終了後におけるミッション演出について、小当り遊技状態の終了後におけるミッション演出と比べて、長期間のミッション期間が選択されやすいので、ミッション演出において大当り遊技状態が生じやすくなり、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、複数の表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとして、別個に構成された2つの表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kとしては、1つの表示装置の表示領域を画面上で複数(たとえば、2つ)の表示領域に分けて用い、演出制御用マイクロコンピュータ800が、そのように画面上で複数に分けられた表示領域を対象として、前述したような各種の表示制御を行なうようにしてもよい。
(2) 第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kを含む演出制御装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段としては、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御基板に設けられる)と、たとえば音制御およびランプ制御のような表示制御以外の演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御基板に設けられる)とを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、演出制御用マイクロコンピュータへ表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御用のコマンドを与え、その演出制御用のコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへ表示制御コマンドを与えるようにしてよい。演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへの表示制御コマンドの与え方としては、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドにより指示された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する(加工して出力する)ようにしてもよく、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドのうち、表示制御を対象とするコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータへ出力する(加工せずに出力する)ようにしてもよい。演出制御コマンドにより指示された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する構成を採用したときには、演出制御手段側で演出に関する制御内容を決定することができ、その決定にしたがった処理を、ランプ、音、および、表示で統一させることができる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ側から演出制御コマンドを受ける演出制御用マイクロコンピュータで演出制御手段側での演出に関する決定を行ない、さらに、その決定結果を、遊技制御用マイクロコンピュータ側で決定されて演出制御コマンドにより示された演出に関する制御内容の決定結果に合わせて、制御内容をまとめて示す表示制御用コマンドを表示制御用マイクロコンピュータへ出力することができるので、制御内容に関する各種決定事項を出力するための処理回数を増やさずに済むようになる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータを設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(5) また、前述した実施の形態に示す遊技機としては、遊技機において表示部を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(6) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7) 前述した実施の形態では、図24に示すように、高確高ベース状態においては、確変フラグをセットし、かつ、時短フラグをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示す例を説明した。しかし、これに限らず、高確高ベース状態においては、確変フラグのみをセットすることにより、確変状態と時短状態との両方の状態に制御されていることを示すようにしてもよい。
(8)なお、前述した実施の形態においては、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの大当り図柄について、確変大当り図柄と非確変大当り図柄とを区別して表示結果として用いる例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄の大当り図柄については、確変大当り図柄と非確変大当り図柄とを区別して用いないようにしてもよい。たとえば、特別図柄については、確変状態とすることが決定されているときと、確変状態としないことが決定されているときとで区別せずに、いずれかの大当り図柄を導出表示し、飾り図柄の表示結果が、確変大当り図柄の組合せと、非確変大当り図柄の組合せとのどちらになるかにより、確変状態とするか否かを示すようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、ミッション達成演出として、所定の飾り図柄でリーチを表示すること、および、飾り図柄以外の所定のキャラクタを表示する例を示した。しかし、これに限らず、ミッション達成演出としては、所定のアイテム画像を所定個数獲得する演出をする等、その他のミッション達成演出を用いてもよい。
(10) 前述した実施の形態は、次のように構成される発明も含んでいる。前記遊技機は、前記事前決定手段により前記変動表示の表示結果を前記特定表示結果とすると決定されてから、該決定に基づく前記特定遊技状態が終了するまでの特定期間(図19のS33により第1大当りフラグがセットされてから図26のS196により第1大当りフラグがリセットされるまでの特定期間、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図19のS33と同様のステップにより第2大当りフラグがセットされてから第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図26のS197と同様のステップにより第2大当りフラグがリセットされるまでの特定期間)であるか否かを判定する特定期間判定手段(図19のS29、第2特別図柄通常処理における図19のS29と同様のステップ)をさらに備え、
前記事前決定手段は、前記特定期間判定手段により前記特定期間であると判定されたときに、前記識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果にしないことに決定する強制非特定表示結果決定手段(図11のS29、第2特別図柄通常処理における図19のS29と同様のステップ、図19において第2大当りフラグがセットされていると判断された場合にS30〜S38の処理を行なわないようにS38に移行させる処理、第2特別図柄通常処理における同様の処理)を含む。
このような構成によれば、特定期間には他方の変動表示部において識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果にしないことにより、第1および第2の変動表示部において特定遊技状態が発生することを確実に防ぐことができる。また、一方の変動表示部に特定表示結果が導出表示されるまで他方の変動表示部で識別情報の変動表示が行なわれるため、一方の変動表示部に特定表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(11) 前述した実施の形態は、次のように構成される発明も含んでいる。
前記複数の変動表示部のそれぞれは、所定の始動条件が成立した後、予め定められた実行条件の成立に基づき各々が識別情報の変動表示を開始し、
前記遊技機は、
前記複数の変動表示部のそれぞれに対応して、前記始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していない未実行条件(保留記憶データ)を記憶する複数の未実行条件記憶手段(RAM55、第1保留記憶カウンタ、第2保留記憶カウンタ)と、
該複数の未実行条件記憶手段の未実行条件の記憶数の合計値が所定数以上となっているときに、前記複数の変動表示部のそれぞれにおける識別情報の変動表示時間を短縮する変動時間短縮手段(第1特別図柄通常処理における図19のS24〜S26、第2特別図柄通常処理における図19のと同様のステップ)とをさらに含む。
(12) 前述の第1実施形態および第2実施形態では、図36のS2721,S2661、図37のS2721a、図45のS2661a等に示すように、受信した演出制御コマンドに対応して、実行する演出を一旦先に決めておき、その後で、実行中のミッション演出のミッション達成演出に該当するか否かを判断し、ミッション達成演出をする必要がないときには、ミッション達成演出に該当しないように、実行する演出を変更する例を示した。しかし、これに限らず、受信した演出制御コマンドに対応して実行する演出を決定するときに、受信した演出制御コマンドに対応して実行する演出が、実行中のミッション演出のミッション達成演出に該当するか否かを判断し、そのときにおいて、ミッション達成演出をする必要がないときには、ミッション達成演出に該当しないように、実行する演出を選択するようにしてもよい。
(13) 前述の第1実施形態および第2実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ53の側において、ミッション演出を行なうか否かを決定する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53の側において、ミッション演出を行なうか否かを決定せず、演出制御用マイクロコンピュータ800のみで、ミッション演出を行なうか否かを決定する構成を採用してもよい。その構成においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、演出制御コマンドにより、当りの種類を示す情報を演出制御用マイクロコンピュータ800の側に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800では、そのような演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を把握し、ミッション演出を行なうか否かを決定する。
(14) 前述したようなミッション演出としては、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとで同時に、異なるミッション演出が実行されるようにしてもよい。その場合においても、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとのそれぞれにおいては、たとえば、図36のS2720および図36のS2720aのように、他の飾り変動表示部で実行中のミッション演出におけるミッション達成演出を実行しないように変動表示に用いるデータを設定する制御を行なえばよい。
(15) 第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとについては、それぞれが液晶表示装置等の画像を表示する表示装置である例を説明した。しかし、これに限らず、これらのうちの一方が、7セグメント表示器を用いて左,中,右の3つの飾り図柄を表示する表示装置であってもよい。その場合において、7セグメント表示器を用いて構成される方の飾り変動表示部については、前述した第1実施形態のように、他方の飾り変動表示部においてミッション演出が行なわれているときに、そのミッション演出におけるミッション達成演出を実行しないように変動表示に用いるデータ(特に導出表示する図柄)を設定する制御を行なえばよい。
(16) 前述した特殊演出実行手段は、次のように構成されてもよい。前記特殊演出実行手段は、前記通常状態に対応して行なう演出状態として予め定められた通常演出状態において前記特定遊技状態の終了後に前記第1高確率状態とする前記第2遊技状態に制御された後と、前記通常演出状態において前記第3遊技状態に制御された後とで、前記通常演出状態とは異なる共通の演出態様となる前記特殊演出を実行する特殊演出状態(ミッション演出状態)に切替える制御を行なう(図17の第1特別プロセス処理における図36のS277、図39のS340,S343,S344〜S346、さらに、図18の第2特別プロセス処理における図37のS277、図39のS340,S343,S344〜S346)。
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限
的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8 第1特別図柄表示器、9 第2特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、8k 第1飾り変動表示部、9k 第2特別図柄表示器、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、800 演出制御用マイクロコンピュータ、7 遊技領域、15 第1可変入賞球装置、17 第2可変入賞球装置、20 第1特別可変入賞球装置、22 第2特別可変入賞球装置。