JP2007315242A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】Sトラップ触媒、酸化触媒、フィルタ、NOx触媒等の排気浄化手段を有し、内燃機関の排気を浄化する排気浄化システムにおいて、排気浄化手段に対する性能再生制御を効率よく実施するとともに、その際に、Sトラップ触媒からのSOxの放出を抑制し、多量のSOxが酸化触媒やフィルタで酸化され、白煙となって外部に放出されることにより排気エミッションが悪化することを抑制する。
【解決手段】排気浄化部10にはS−Trap110、酸化触媒111、フィルタ112、NSR113を直列に配置し、上記性能再生制御を実施する時には第1切換弁12を第2の位置に切り換えることにより、排気を排気浄化部10にNSR113側から流入させる(第2状態)。
【選択図】図1
【解決手段】排気浄化部10にはS−Trap110、酸化触媒111、フィルタ112、NSR113を直列に配置し、上記性能再生制御を実施する時には第1切換弁12を第2の位置に切り換えることにより、排気を排気浄化部10にNSR113側から流入させる(第2状態)。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関では、排気中に含まれる煤やSOF(Soluble Organic Fraction)などの微粒子物質(以下、単に「PM」ともいう。)と窒素酸化物(NOx)とを浄化するため、内燃機関の排気系に排気中のPMを捕集するフィルタ、NOxを浄化する吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」ともいう。)、或いはNOx触媒とフィルタを組み合わせたものを配置する技術が知られている。
ここで、NOx触媒は流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵(吸収、吸着)し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを放出するとともに窒素(N2)に還元する。この技術では、NOx触媒において、吸蔵されたNOxの量が増加すると浄化能力が低下するため、NOx触媒に還元剤を供給し、同触媒に吸蔵されたNOxを放出し還元することが行われる(以下、「NOx還元処理」という。)。
また、排気中には硫黄酸化物(SOx)も含まれており、このSOxはNOxと同様のメカニズムによってNOx触媒に吸収される。そして、NOx触媒に吸蔵されるSOx量が増えるとNOx触媒のNOx吸蔵能力が低下して所謂SOx被毒が生じてしまう。
そこで、流入する排気中のSOxを吸収するSトラップ触媒をNOx触媒の排気上流に配置してNOx触媒のSOx被毒を抑制することが行われる。また、NOx触媒が被毒された場合には、NOx触媒を昇温するとともにNOx触媒に流入する排気の酸素濃度を低くしてNOx触媒からSOxを放出し還元することが行われる場合もある(以下、「SOx被毒回復処理」という。)。
一方、上記のフィルタでは、捕集されたPMが増加すると、フィルタの詰まりによって排気圧力が上昇し機関性能が低下するため、フィルタの上流に酸化触媒を設け、酸化触媒において排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO2)に酸化することでフィルタに捕集されたPMを比較的低い低温域で連続的に酸化除去する技術も提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、酸化触媒、フィルタ、Sトラップ触媒およびNOx触媒が直列に設けられた構成において、上記のNOx触媒に対するNOx還元処理や、SOx被毒回復処理等(以下「性能再生制御」ともいう。)のための還元剤を酸化触媒側から供給すると、供給された還元剤が上流の酸化触媒で反応してしまい、供給された還元剤がNOx触媒に到達し難く、性能再生制御の効率が悪化する場合があった。
また、Sトラップ触媒およびNOx触媒が隣接して配置された構成においてNOx触媒に対して性能再生制御を実施すると、Sトラップ触媒とNOx触媒の両方からSOxが放出される虞があった。放出されたSOxが酸化触媒やフィルタに供給され得る構成においては、多量のSOxが酸化触媒やフィルタで酸化され、白煙となって外部に放出されてしまう場合もあった。
特表2005−500147号公報
米国特許第6408620号明細書
特開2004−60596号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排気系に排気を浄化するSトラップ触媒、酸化触媒、フィルタ、NOx触媒が直列に設けられた排気浄化手段を有する内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化手段に対する性能再生制御をより効率よく実施するとともに、その際に、前記Sトラップ触媒からSOxが放出されることを抑制し、放出されたSOxが白煙となることにより排気エミッションを悪化させることを抑制する技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、排気浄化手段においてSトラップ触媒、酸化触媒、フィルタ、NOx触媒等が該順番で直列に設けられるようにし、該排気浄化手段に対する性能再生制御を実施しないときには、前記排気浄化手段にSトラップ触媒側から排気を導入させ、前記性能再生制御と実施するときには、前記排気浄化手段にNOx触媒側から排気を導入させるとともに還元剤を供給することを最大の特徴とする。
より詳しくは、一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに前記排気通路を通過する前記排気を浄化する排気浄化手段と、
前記排気浄化手段に導入される排気に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段から前記排気に還元剤を供給することによって前記排気浄化手段の性能を再生する制御を行う性能再生制御手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化システムであって、
前記排気浄化手段には、前記排気の空燃比がリーンの時に該排気中のSOxを吸収するSトラップ触媒と、酸化能を有する酸化触媒と、前記排気中の微粒子物質を捕集するとともに該捕集した微粒子物質が酸化除去されることで目詰まりが抑制されるフィルタと、前記排気の空燃比がリーンの時には該排気中のNOxを吸蔵するとともに前記排気の空燃比がリッチで還元剤が存在する時には前記吸蔵されたNOxを放出し還元する吸蔵還元型NOx触媒とが、前記Sトラップ触媒、前記酸化触媒、前記フィルタ、前記吸蔵還元型NOx触媒の順に直列に配置した状態で設けられ、
前記排気の状態を、前記排気が前記排気浄化手段に前記Sトラップ触媒側から流入する状態である第1状態と、前記吸蔵還元型NOx触媒側から流入する状態である第2状態とに切換可能な排気状態切換手段をさらに備え、
前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われない場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が第1状態とされ、前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われる場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が前記第2状態とされることを特徴とする。
前記排気通路に設けられるとともに前記排気通路を通過する前記排気を浄化する排気浄化手段と、
前記排気浄化手段に導入される排気に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段から前記排気に還元剤を供給することによって前記排気浄化手段の性能を再生する制御を行う性能再生制御手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化システムであって、
前記排気浄化手段には、前記排気の空燃比がリーンの時に該排気中のSOxを吸収するSトラップ触媒と、酸化能を有する酸化触媒と、前記排気中の微粒子物質を捕集するとともに該捕集した微粒子物質が酸化除去されることで目詰まりが抑制されるフィルタと、前記排気の空燃比がリーンの時には該排気中のNOxを吸蔵するとともに前記排気の空燃比がリッチで還元剤が存在する時には前記吸蔵されたNOxを放出し還元する吸蔵還元型NOx触媒とが、前記Sトラップ触媒、前記酸化触媒、前記フィルタ、前記吸蔵還元型NOx触媒の順に直列に配置した状態で設けられ、
前記排気の状態を、前記排気が前記排気浄化手段に前記Sトラップ触媒側から流入する状態である第1状態と、前記吸蔵還元型NOx触媒側から流入する状態である第2状態とに切換可能な排気状態切換手段をさらに備え、
前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われない場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が第1状態とされ、前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われる場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が前記第2状態とされることを特徴とする。
このように構成された内燃機関の排気浄化システムでは、前記排気浄化手段の性能を再生する前記性能再生制御が行われない場合には、前記排気状態切換手段により前記排気の状態は前記第1状態にされる。
従って、前記排気は前記排気浄化手段に前記Sトラップ触媒側から流入するため、該Sトラップ触媒によって前記排気に含まれるSOxを吸収させることができる。これにより排気の状態が前記第1状態における下流の前記NOx触媒が前記SOxにより被毒することを抑制できる。
一方、排気に含まれるNOxが前記Sトラップ触媒によって吸収される量は少ないため
、前記NOxは前記排気の状態が第1状態において下流側の前記酸化触媒に流入する。一般に、内燃機関から排出された排気に含まれるNOxは、NO2に比べてNOが多く含まれており(例えば60乃至70%)、前記酸化触媒に流入した前記NOは前記酸化触媒において酸化されることによりNO2が生成される。ここで、該NO2はNOに比べてより低い温度においても前記PMを酸化することが可能であり、前記生成されたNO2は前記第1状態における更に下流側の前記フィルタに供給される。
、前記NOxは前記排気の状態が第1状態において下流側の前記酸化触媒に流入する。一般に、内燃機関から排出された排気に含まれるNOxは、NO2に比べてNOが多く含まれており(例えば60乃至70%)、前記酸化触媒に流入した前記NOは前記酸化触媒において酸化されることによりNO2が生成される。ここで、該NO2はNOに比べてより低い温度においても前記PMを酸化することが可能であり、前記生成されたNO2は前記第1状態における更に下流側の前記フィルタに供給される。
従って本発明では、前記性能再生制御手段によって前記排気浄化手段の性能を再生する前記性能再生制御が行われない場合には、前記酸化触媒において、排気中に含有するNOxのうち、前記NO2の割合を増やすことにより前記フィルタにおけるPMの酸化除去を促進することができる。
また、本発明においては、前記排気浄化手段の性能を再生する前記性能再生制御を実施する必要が生じたときには、前記還元剤供給手段から前記排気浄化手段に導入される前記排気に還元剤(燃料等)が供給される。
ここで、前記排気状態切換手段を備えていない内燃機関の排気浄化システムにおいては、前記性能再生制御を実施するときに供給される前記還元剤(燃料等)が前記酸化触媒によって酸化されてしまい、前記NOx触媒に導入される還元剤(燃料等)の供給量が減少する場合がある。
これに対し本発明では、前記排気状態切換手段によって前記排気の状態を前記第1状態と前記第2状態とを切換えることができる。従って、前記性能再生制御を実施するときには、前記排気を前記NOx触媒側から流入させることができるため、前記性能再生制御のために供給された前記還元剤(燃料等)が前記酸化触媒によって酸化されてしまい、前記NOx触媒に導入される還元剤(燃料等)の供給量が減少することを抑制できる。従って、前記性能再生制御を効率的に実施することが可能となり、以って前記性能再生制御に係る燃費を向上することができる。
また、前記性能再生制御を実施するときは、前記排気の状態を前記第2状態することにより前記供給された還元剤(燃料等)が前記NOx触媒から下流側に流出しても、該流出した還元剤(燃料等)は前記第2状態における下流側の前記酸化触媒において酸化されるため、該還元剤(燃料等)が浄化されずに外部に排出されることが抑制できる。
また、前記性能再生制御が終了し、前記排気の状態を第1状態に切り換えた後においても、前記還元剤(燃料等)は前記酸化触媒に残留しないため、前記酸化触媒においてNO2の生成量が減少する虞がない。従って、前記排気の状態を第1状態に切り換えた後は、効率的に前記フィルタにおけるPMの酸化除去を促進することができる。
ここで、前記Sトラップ触媒が、前記フィルタと前記NOx触媒との間であって、且つ該NOx触媒に隣接して配置される構成の内燃機関の排気浄化システムにおいては、前記性能再生制御が実施される際に、前記還元剤供給手段により供給された還元剤(燃料等)が前記Sトラップ触媒に導入され易い。その結果、前記Sトラップ触媒の温度も高温(例えば摂氏600乃至650度)となり、空燃比もリッチ空燃比となり易いため、該Sトラップ触媒からのSOxの漏れ出しが生じる場合があった。そのような場合には、前記Sトラップ触媒から漏れ出したSOxが前記フィルタや酸化触媒において酸化されることによって、白煙が生じる虞があった。
それに対し、本発明においては、前記Sトラップ触媒、前記酸化触媒、前記フィルタ、前記NOx触媒が、上記の順に直列に配置されており、前記Sトラップ触媒と前記NOx
触媒とが離れて配置される。従って、前記性能再生制御が実施されても、前記還元剤供給手段により供給される還元剤(燃料等)は前記Sトラップ触媒に導入され難く、且つ前記Sトラップ触媒は高温になり難い。従って、前記Sトラップ触媒に吸収されている前記SOxが放出されることを抑制することができる。
触媒とが離れて配置される。従って、前記性能再生制御が実施されても、前記還元剤供給手段により供給される還元剤(燃料等)は前記Sトラップ触媒に導入され難く、且つ前記Sトラップ触媒は高温になり難い。従って、前記Sトラップ触媒に吸収されている前記SOxが放出されることを抑制することができる。
また、前記Sトラップ触媒から前記SOxが放出されても、前記性能再生制御の実施時には前記排気の状態を第2状態とするため、該SOxは前記フィルタや酸化触媒に流入することは無い。従って該前記フィルタ及び酸化触媒に対してSOxが流入する絶対量を減少させることができ、以って前記SOxが酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
尚、前記還元剤供給手段は、排気中に還元剤(燃料等)を噴射する還元剤添加弁や、エンジンの膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁を含んで構成されてもよい。
また、本発明において、前記性能再生制御は、前記吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されたNOxを放出し還元するNOx還元処理であってもよい。
また、前記性能再生制御は、前記吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを放出し還元するSOx被毒回復処理であってもよい。
即ち、前記NOx触媒に吸収されたSOxを放出し還元する必要が生じた時に、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が前記第2状態にされるとともに、前記還元剤供給手段から前記排気浄化手段に導入される前記排気に還元剤(燃料等)が供給される。
そして、前記NOx触媒に導入される排気の空燃比が低く、且つ該NOx触媒が高温状態(例えば摂氏600乃至650度)に維持されることによって該NOx触媒に吸収されたSOxを放出し還元することができる。
この場合に、もしSトラップ触媒が、フィルタとNOx触媒との間であって、該NOx触媒に隣接して配置される構成の排気浄化システムである場合には、前記NOx触媒と同様に、前記Sトラップ触媒の温度も高温となり、空燃比もリッチとなるので、より該SトラップからのSOxの漏れ出しが生じやすくなる。また、Sトラップ触媒は前記第1状態においてNOx触媒の排気上流に設けられているため、前記NOx触媒に比べて前記Sトラップ触媒に吸収されているSOx量は多いと考えられる。
従って、前記NOx触媒に対するSOx被毒回復処理において、前記Sトラップ触媒からもSOxが放出されることが考えられ、その場合には、該放出されたSOxが前記フィルタや酸化触媒において酸化され、白煙となって外部に放出されてしまう虞があった。
これに対し、本発明においては、前記Sトラップ触媒、前記酸化触媒、前記フィルタ、前記NOx触媒が、上記の順に直列に配置されており、前記Sトラップ触媒と前記NOx触媒とが離れて配置される。従って、前記NOx触媒に対するSOx被毒回復処理が実施されても、前記還元剤供給手段により供給される還元剤(燃料等)は前記Sトラップ触媒に導入され難く、且つ前記Sトラップ触媒は高温になり難い。即ち、前記Sトラップ触媒の周辺雰囲気は前記SOxが還元される還元雰囲気になり難いため、前記Sトラップ触媒に吸収されている前記SOxが放出されることを抑制することが可能となる。
また、前記Sトラップ触媒から前記SOxが放出されても、前記排気の状態を第2状態とすることにより、該SOxは前記フィルタや酸化触媒に流入しないため、該前記フィル
タ及び酸化触媒に対してSOxが流入する絶対量を減少させることができ、以って前記SOxが酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
タ及び酸化触媒に対してSOxが流入する絶対量を減少させることができ、以って前記SOxが酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムとしては、以下のような構成を例示することができる。即ち、
前記排気通路は、該排気通路に設けられた分岐部から分岐し前記排気浄化手段のSトラップ触媒側の端部に接続される第1分岐通路と、前記分岐部から分岐し前記排気浄化手段の吸蔵還元型NOx触媒側の端部に接続される第2分岐通路と、前記排気通路における前記分岐部の上流側の第1排気通路と、前記排気通路における前記分岐部の下流側の第2排気通路と、を含み、
前記還元剤供給手段は、前記分岐部より上流において前記排気に前記還元剤を供給し、
前記排気状態切換手段は、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第1分岐通路とを接続し、前記第2分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第1分岐通路と、前記接続された状態の第2分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第1状態とし、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第2分岐通路とを接続し、前記第1分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第2分岐通路と、前記接続された状態の第1分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第2状態としても良い。
前記排気通路は、該排気通路に設けられた分岐部から分岐し前記排気浄化手段のSトラップ触媒側の端部に接続される第1分岐通路と、前記分岐部から分岐し前記排気浄化手段の吸蔵還元型NOx触媒側の端部に接続される第2分岐通路と、前記排気通路における前記分岐部の上流側の第1排気通路と、前記排気通路における前記分岐部の下流側の第2排気通路と、を含み、
前記還元剤供給手段は、前記分岐部より上流において前記排気に前記還元剤を供給し、
前記排気状態切換手段は、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第1分岐通路とを接続し、前記第2分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第1分岐通路と、前記接続された状態の第2分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第1状態とし、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第2分岐通路とを接続し、前記第1分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第2分岐通路と、前記接続された状態の第1分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第2状態としても良い。
このような構成において前記排気の状態を前記第1状態とすれば、前記排気は前記第1排気通路から前記第1分岐通路を経由して前記排気浄化手段に前記Sトラップ触媒側から流入し、次いで、前記第2分岐通路に流出して前記第2排気通路を経由して外部に排出される。
一方、前記排気の状態を前記第2状態とすれば、前記排気は前記第1排気通路から前記第2分岐通路を経由して前記排気浄化手段に前記NOx触媒側から流入し、次いで、前記第1分岐通路に流出して前記第2排気通路を経由して外部に排出される。
従って、本発明の構成によれば、より簡単な構成により前記排気の状態を前記第1状態と前記第2状態とに切り換えることができる。
本発明にあっては、排気系に排気を浄化するSトラップ触媒、酸化触媒、フィルタ、NOx触媒の排気浄化手段が直列に設けられた内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化手段に対する性能再生制御を実施する際に、上記の性能再生制御の効率が悪化することを抑制し、以って前記性能再生制御に係る燃費を向上することができる。また、排気浄化手段に対する性能再生制御を実施する際に、Sトラップ触媒からSOxが放出されることを抑制し、放出された多量のSOxが酸化触媒やフィルタで酸化され、白煙となって外部に放出されることにより排気エミッションが悪化することを抑制できる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関と、その排気系及び制御系の概略構成を示す図である。図1においては、内燃機関1の内部及びその吸気系は省略されている。
図1において、内燃機関1には、内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され
、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、排気中の微粒子物質(例えば、煤)やNOxを浄化する排気浄化部10が配置されている。また、この排気浄化部10にはSトラップ触媒が担持されたS−Trap110、酸化能を有する酸化触媒111、排気中の微粒子物質を捕集するフィルタ112、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたNSR113が直列に配置されている。
、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、排気中の微粒子物質(例えば、煤)やNOxを浄化する排気浄化部10が配置されている。また、この排気浄化部10にはSトラップ触媒が担持されたS−Trap110、酸化能を有する酸化触媒111、排気中の微粒子物質を捕集するフィルタ112、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたNSR113が直列に配置されている。
ここで、排気管5は、分岐部15において第1分岐管10a、第2分岐管10b及び第2排気管5bに分岐されている。排気管5aの分岐部15の上流側を以下では第1排気管5aという。また、第1分岐管10aは排気浄化部10のS−Trap110側の端部に接続されており、第2分岐管10bは排気浄化部10のNSR113側の端部に接続されている。すなわち、第1分岐管10a、第2分岐管10bは排気浄化部10を介して接続されておりループ状の排気経路が形成されている。従って、第1排気管5a及び第2排気管5bは本実施例における第1排気通路及び第2排気通路に相当する。また、第1分岐管10a及び第2分岐管10bは本実施例における第1分岐通路及び第2分岐通路に相当する。
本実施例におけるフィルタ112は、多孔質の基材からなるウォールフロー型のパティキュレートフィルタであるが、フィルタ112は、パティキュレートフィルタに吸蔵還元型NOx触媒が担持された構成であってもよい。
ここで、排気浄化部10は本実施例における排気浄化手段に相当する。また、分岐部15には、第1排気管5a、第1分岐管10a、第2分岐管10b及び第2排気管5bのうち、いずれを接続させ、または遮断するかを切り換える第1切換弁12が備えられている。第1切換弁は後述するように第1の位置、第2の位置に切り換え可能である。尚、第1切換弁12は本実施例における排気状態切換手段に相当する。
また、図1中、第1排気管5aにおける分岐部15より上流側には、NOx触媒113のNOx還元処理やSOx被毒回復処理等の際に、還元剤としての燃料を排気に添加する燃料添加弁13が備えられている。尚、燃料添加弁13は本実施例における還元剤供給手段に相当する。
ここで、第1切換弁12を、第1の位置とすることにより、分岐部15において、第1排気管5aと第1分岐管10aとを接続させ、さらに第2分岐管10bと第2排気管5bとを接続させるとともに、接続された状態の第1排気管5a及び第1分岐管10aの2つの通路と、接続された状態の第2分岐管10b及び第2排気管5bの2つの通路とを遮断させることができる。
また、第1切換弁12を、第2の位置とすることにより、分岐部15において、第1排気管5aと第2分岐管10bとを接続させ、さらに第1分岐管10aと第2排気管5bとを接続させるとともに、接続された状態の第1排気管5a及び第2分岐管10bの2つの通路と、接続された状態の第1分岐管10a及び第2排気管5bの2つの通路とを遮断させることができる。尚、第1の位置及び第2の位置については、図2で詳細に説明する。
以上述べたように構成された内燃機関1及びその排気系には、該内燃機関1及び排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御する他、内燃機関1の排気浄化部10に係る制御を行うユニットである。
ECU35には、アクセルポジションセンサ36や、クランクポジションセンサ37な
どの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、内燃機関1内の図示しない燃料噴射弁等が電気配線を介して接続される他、本実施例における第1切換弁12及び燃料添加弁13が電気配線を介して接続されており、ECU35によって制御されるようになっている。従って、本実施例における還元剤供給手段および排気状態切換手段はECU35を含んで構成されてもよい。
どの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、内燃機関1内の図示しない燃料噴射弁等が電気配線を介して接続される他、本実施例における第1切換弁12及び燃料添加弁13が電気配線を介して接続されており、ECU35によって制御されるようになっている。従って、本実施例における還元剤供給手段および排気状態切換手段はECU35を含んで構成されてもよい。
また、ECU35には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。NSR113のNOx還元処理ルーチンやSOx被毒回復処理ルーチンなども、ECU35のROMに記憶されているプログラムの一つである。従って、本実施例における性能再生制御手段、還元剤供給手段および排気状態切換手段はECU35を含んで構成されてもよい。
図2は、本実施例における排気浄化システムの排気の経路を示す概念図である。先ず、図2(a)を用いて、第1切換弁12が第1の位置にある時の排気の経路を説明する。図2(a)中に示すように、第1切換弁12を第1の位置とすると、内燃機関1から排出された排気は、第1排気管5aから第1分岐管10aを通過した後、S−Trap110側から排気浄化部10を通過し、その後、第2分岐管10b、第2排気管5bを通過して外部に排出される。ここで、図2(a)に示す経路R1に沿って排気が流れている排気の状態を以下では「第1状態」という。
次に、図2(b)を用いて、第1切換弁12が第2の位置にある時の排気の経路を説明する。図2(b)に示すように、第1切換弁12を第2の位置とすると、内燃機関1から排出された排気は、第1排気管5aから第2分岐管10bを通過した後、NSR113側から排気浄化部10を通過し、その後、第1分岐管10a、第2排気管5bを通過して外部に排出される。ここで、図2(b)に示す経路R2に沿って排気が流れている排気の状態を以下では「第2状態」という。
上記のように排気の状態を、第1状態と、第2状態とに切り換えることによって内燃機関1からの排気が排気浄化部10を通過する方向を逆転することが可能である。
次に、本実施例における排気浄化システムに関し、NSR113に対するNOx還元処理を実施する場合の制御について説明する。
図3は、本実施例に係るNOx還元処理ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンはECU35内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。尚、本ルーチンにおいて、上記のNOx還元処理の開始時における排気の状態が第1状態である場合を前提として説明する。
本ルーチンが実行されると、まずS101においては、NSR113に対してNOx還元要求が出されているかどうかが判定される。ここで、NOx還元要求は、例えば前回のNSR113に対するNOx還元処理が終了してからの吸入空気量の積算値に基づいて出されるようにしてもよい。また、第2排気管5bに図示しないNOxセンサを設け、該NOxセンサの出力に基づいて出されるようにしてもよい。
ここで、NOx還元要求が出されていないと判定された場合にはそのまま本ルーチンを一旦終了する。一方、NOx還元要求が出されていると判定された場合にはS102に進む。
S102においては、第1切換弁12を第2の位置に切り換え、排気の状態を第2状態とする。S102の処理が終わるとS103に進む。
S103においては、燃料添加弁13から所定量の燃料が添加される。ここで、排気の状態は上記のS102において第1状態から第2状態に切り換えられるため、燃料添加弁13から添加された燃料は排気浄化部10にNSR113側から導入され、NSR113に効率よく燃料を供給することができる。ここで、所定量の燃料とは一度のNOx還元処理において燃料添加弁13から添加される燃料添加量であり、NSR113に吸蔵されているNOxを還元放出するために必要な量である。そして、NSR113に吸蔵されているNOxが還元されることにより、S103の処理が終わるとS104に進む。
S104においては、第1切換弁12を第2の位置から第1の位置に切り換え、排気の状態を第1状態とする。S104の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本実施例に係るNOx還元処理においては、排気の状態を第2状態として実施することにより、燃料添加弁13から添加された燃料は排気浄化部10にNSR113側から導入され、NSR113に効率よく燃料を供給できるためNOx還元処理に係る燃費を向上できる。
また、S103において、燃料添加弁13から添加された燃料がNSR113から下流側に流出しても、排気状態が第2状態における下流側の酸化触媒111において酸化されるため、NSR113から流出した燃料が浄化されずに外部に排出されることが抑制できる。
同様に、上記のようにNSR113から燃料が流出しても、該燃料は酸化されるため、NOx還元処理の終了後において排気の状態を第1状態に切り換えても、酸化触媒111におけるNO2の生成量が減少してしまう虞は生じない。従って、排気の状態を第1状態に切り換え、通常運転時に戻った後は、効率的に前記フィルタにおけるPMの酸化除去を促進することができる。
ここで、本実施例においては、S−Trap110、酸化触媒111、フィルタ112、NSR113が直列に配置されているため、S103において燃料添加弁13から添加された燃料がNSR113をすり抜けて下流に流出しても、該流出した酸化触媒111により酸化されるため、燃料S−Trap110には導入され難い。
さらに、S−Trap110とNSR113は離れて配置されていることにより、高温となってNSR113から流出する排気によってS−Trap110の床温がSOxの放出されてしまう温度(例えば摂氏600乃至650度)までは昇温され難い。
従って、もしNSR113に対するNOx還元処理が長期化しても、S−Trap110に吸収されているSOxが漏れ出すことを抑制することが可能となる。また、S−Trap110からSOxが漏れ出しても、排気の状態が第2状態であるため、該SOxは酸化触媒111やフィルタ112に流入しない。従って、前記SOxが酸化触媒111やフィルタ112において酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施例に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、第1切換弁12が第1の位置と第2の位置との中間位置に切換可能とし、上記のS103において、燃料添加弁13から燃料が添加された後は、NSR113におけるNOxの還元が終了するまでの一定期間に亘り、第1切換弁12を上記の中間位置に切り換えても良い。これにより、排気の
大部分は第1排気管5aから背圧の低い第2排気管5bのみを通過して外部に排出されるため、排気浄化部10に導入される排気の流量は急激に減少する。その結果、NSR113に燃料が残留することによってNOx還元反応を促進することができる。
大部分は第1排気管5aから背圧の低い第2排気管5bのみを通過して外部に排出されるため、排気浄化部10に導入される排気の流量は急激に減少する。その結果、NSR113に燃料が残留することによってNOx還元反応を促進することができる。
その際、上記のように排気浄化部10を通過する排気の流量を減少させた状態が長期化すると、NSR113に吸収されているSOxが放出される場合がある。しかし、そのような場合でも、NSR113に吸収されているSOxの量は、S−Trap110に吸収されているSOxの量と比較すると少量であるとともに、本実施例に係る構成によれば、S−Trap110から該SOxが放出されることが抑制される。従って、多量のSOxがフィルタ112や酸化触媒111において酸化されることにより白煙が生じることを抑制することが可能となる。
次に、本実施例における排気浄化システムに関し、NSR113に対するSOx被毒回復処理を実施する場合の制御について説明する。
図4は、本実施例に係るSOx被毒回復処理ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンはECU35内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。尚、本ルーチンにおいて、上記のNOx還元処理の開始時における排気の状態が第1状態である場合を前提として説明する。
本ルーチンが実行されると、まずS201においては、NSR113に対してSOx被毒回復要求が出されているかどうかが判定される。ここで、SOx被毒回復要求は、例えば、前回のSOx被毒回復処理の終了後の車両の走行距離の積算値に基づいて出されるようにしてもよい。
ここで、SOx被毒回復要求が出されていないと判定された場合にはそのまま本ルーチンを一旦終了する。一方、SOx被毒回復要求が出されていると判定された場合にはS202に進む。
S202においては、第1切換弁12の切換位置を第1の位置から第2の位置に切り換え、排気の状態を第2状態とする。S202の処理が終わるとS203に進む。
S203においては、NSR113から吸収されているSOxを放出させるために、燃料添加弁13から燃料が添加される。本ステップにおいては、NSR113に導入される排気の空燃比がリッチ空燃比となるように燃料添加弁13から燃料が添加される。これにより、NSR113に導入される排気の空燃比が低く、且つNSR113が高温状態(例えば摂氏600乃至650度)に維持されることにより、NSR113に吸収されたSOxを放出し還元することができる。さらに、排気の状態は第2状態であるため、放出されたSOxが外部に直接排出されることを抑制できる。S203の処理が終わるとS204に進む。
S204においては、NSR113に対するSOx被毒回復終了要求が出されているかどうかが判定される。ここで、SOx被毒回復終了要求は、例えば、NSR113の床温がSOxの放出可能温度(例えば摂氏600乃至650度)以上に維持された状態で、NSR113に導入される排気の空燃比がリッチ空燃比となるように燃料添加弁13から燃料が添加された後、一定期間以上経過したか否かに基づいて出されるようにしてもよい。尚、NSR113の床温は、排気の状態が第2状態においてNSR113の下流側に設けられる図示しない排気温度センサによる検出値に基づいて推定してもよい。
ここで、SOx被毒回復終了要求が出されていないと判定された場合にはS202の処
理の後の状態が継続される。即ち、燃料添加弁13からの燃料の添加が継続される。一方、SOx被毒回復終了要求が出されていると判定された場合にはS205に進む。
理の後の状態が継続される。即ち、燃料添加弁13からの燃料の添加が継続される。一方、SOx被毒回復終了要求が出されていると判定された場合にはS205に進む。
S205においては、燃料添加弁13による燃料の添加が停止される。S205の処理が終わるとS206に進む。
S206においては、第1切換弁12の切換位置を第2の位置から第1の位置に切り換え、排気の状態を第1状態とする。S206の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する
以上のように、本実施例に係るSOx被毒回復処理においては、排気の状態を第2状態として実施することにより、燃料添加弁13から添加された燃料は排気浄化部10にNSR113側から導入され、NSR113に効率よく燃料を供給できるためSOx被毒回復処理に係る燃費を向上できる。
以上のように、本実施例に係るSOx被毒回復処理においては、排気の状態を第2状態として実施することにより、燃料添加弁13から添加された燃料は排気浄化部10にNSR113側から導入され、NSR113に効率よく燃料を供給できるためSOx被毒回復処理に係る燃費を向上できる。
また、本実施例においては、S−Trap110、酸化触媒111、フィルタ112、NSR113が直列に配置されているため、S203において燃料添加弁13から添加された燃料がNSR113をすり抜けて下流に流出しても、該流出した酸化触媒111により酸化されるため、燃料S−Trap110に導入されにくい。
さらに、S−Trap110とNSR113は離れて配置されていることにより、高温となってNSR113から流出する排気によってS−Trap110の床温がSOxの放出可能な温度(例えば摂氏600乃至650度)まで昇温されない。
従って、NSR113に対するSOx被毒回復処理が実施されても、S−Trap110に吸収されているSOxが放出されることを抑制することが可能となる。また、たとえS−Trap110からSOxが放出されても、排気の状態が第2状態であるため、放出されたSOxは酸化触媒111やフィルタ112に流入しないため、酸化触媒111やフィルタ112に対してSOxが流入する絶対量を減らすことが可能である。その結果、多量のSOxが酸化触媒111やフィルタ112において酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
尚、本実施例においてはNSR113に対するNOx還元処理及びSOx被毒回復処理についての制御を例示したが、その他の制御においても本発明を適用することができる。例えば、フィルタ112にPMが多量に堆積した場合には、集中的にPMを酸化除去するPM再生制御について本発明を適用することもできる。
また、本発明に係るS−Trap110は、吸収されているSOxの量が増加してもSOxの吸収能力が低下せず、SOxの放出という性能再生制御を行うことなく充分にSOxを吸収できるSトラップ触媒とする方がより好適であるが、SOxの量が増加した場合に、SOxの吸収能力を回復するために上記の性能再生制御が必要なSトラップ触媒であっても本発明を適用することが可能である。
次に、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施例1とは異なる構成の実施例を説明する。
図5は、本実施例に係る内燃機関と、その吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。ここで、実施例1の排気浄化システムと同一又は同等の構成部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施例に係る内燃機関1には、内燃機関1からの排気が流通する排気管50が接続さ
れ、この排気管50は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管50の途中には、排気中の微粒子物質(例えば、煤)やNOxを浄化する排気浄化部20が配置されている。また、この排気浄化部20にはSトラップ触媒が担持されたS−Trap210、酸化能を有する酸化触媒211、排気中の微粒子物質を捕集するフィルタ212、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたNSR213が直列に配置されている。尚、排気浄化部20は本実施例における排気浄化手段に相当する。
れ、この排気管50は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管50の途中には、排気中の微粒子物質(例えば、煤)やNOxを浄化する排気浄化部20が配置されている。また、この排気浄化部20にはSトラップ触媒が担持されたS−Trap210、酸化能を有する酸化触媒211、排気中の微粒子物質を捕集するフィルタ212、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたNSR213が直列に配置されている。尚、排気浄化部20は本実施例における排気浄化手段に相当する。
また、排気管50の途中には第1接続部25aが設けられており、排気管50において、第1接続部25aの上流を第3排気管50aといい、第1接続部25aと排気浄化部20のS−Trap210側の端部との間の部位を第3分岐管20aという。また、第1接続部25aには第4分岐管20bが接続されており、この第4分岐管20bの他端は排気浄化部20のNSR213側の端部に接続されている。
一方、排気管50において、排気浄化部20の下流には第2接続部25bが設けられており、上記第2接続部25bの下流を第4排気管50bという。また、第2接続部25bには第5分岐管20cが接続されており、この第5分岐管20cの他端は排気浄化部20のS−Trap210側の端部に接続されている。また、排気管50において、第2接続部25bと排気浄化部20のNSR213側の端部との間の部位を第6分岐管20dという。
また、排気浄化部20のS−Trap210側の端部には第2切換弁22aが備えられ、排気浄化部20のNSR213側の端部には第3切換弁22bが備えられている。第2切換弁22aは排気浄化部20を第3分岐管20a、第5分岐管20cの何れか一方と接続させるように切換可能である。一方、第3切換弁22bは排気浄化部20を第4分岐管20b、第6分岐管20dの何れか一方と接続させるように切換可能である。尚、第2切換弁22a、第3切換弁22bは本実施例における排気状態切換手段に相当する。
また、図5中、第3排気管50aには、NOx触媒213のNOx還元処理やSOx被毒回復処理等の際に、還元剤としての燃料を排気に添加する燃料添加弁23が備えられている。尚、燃料添加弁23は本実施例における還元剤供給手段に相当する。
また、ECU35には、本実施例における第2切換弁22a、第3切換弁22b及び燃料添加弁23等が電気配線を介して接続されており、ECU35によって制御されるようになっている。
また、ECU35には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。NSR213のNOx還元処理ルーチンやSOx被毒回復処理ルーチンなども、ECU35のROMに記憶されているプログラムの一つである。従って、本実施例における性能再生制御手段、還元剤供給手段および排気状態切換手段はECU35を含んで構成されてもよい。
図6は、本実施例における排気浄化システムの排気の経路を示す概念図である。ここで図6(a)に示すように、第2切換弁22aおよび第3切換弁22bが、第3分岐管20aと排気浄化部20とを接続させるとともに、排気浄化部20と第6分岐管20dとを接続させるように切り換えられるときには、内燃機関1から排出された排気は、第3排気管50aから第3分岐管20aを通過した後、S−Trap210側から排気浄化部20を通過し、その後、第6分岐管20d、第4排気管50bを通過して外部に排出される。ここで、図6(a)に示す経路R3に沿って排気が流れている排気の状態を以下では「第1状態」という。
次に、図6(b)に示すように、第2切換弁22aおよび第3切換弁22bが、第4分岐管20bと排気浄化部20とを接続させるとともに、排気浄化部20と第5分岐管20cとを接続させるように切り換えられるときには、内燃機関1から排出された排気は、第3排気管50aから第4分岐管20bを通過した後、NSR213側から排気浄化部20を通過し、その後、第5分岐管20c、第4排気管50bを通過して外部に排出される。ここで、図6(b)に示す経路R4に沿って排気が流れている排気の状態を以下では「第2状態」という。
上記のように排気の状態を、第1状態と、第2状態とに切り換えることによって、内燃機関1からの排気が排気浄化部20を通過する方向を逆転することが可能である。従って、本実施の形態に係る構成においても、上記に示したNOx還元処理ルーチン、SOx被毒回復処理ルーチンを適用することが可能であり、NSR213に対するNOx還元処理やSOx被毒回復処理を実施することができる。
即ち、上記のような構成においても、NSR213に対するNOx還元処理やSOx被毒回復処理において、燃料添加弁23から添加された燃料は排気浄化部20にNSR213側から導入され、NSR213に効率よく燃料を供給できるためNOx還元処理やSOx被毒回復処理に係る燃費を向上することができる。
さらに、本実施例におけるNSR213のNOx還元処理やSOx被毒回復処理においても、排気浄化部20には、S−Trap210、酸化触媒211、フィルタ212、NSR213が直列に配置されており、且つS−Trap210とNSR213は離れている。
従って、燃料添加弁23から添加された燃料がNSR213をすり抜けても、S−Trap210には導入されにくく、S−Trap210に吸収されているSOxの放出を抑制できる。また、S−Trap210からSOxが放出されても、酸化触媒211やフィルタ212に流入しないため、酸化触媒211やフィルタ212に対してSOxが流入する絶対量を減らすことが可能である。従って、多量のSOxが酸化触媒211やフィルタ212において酸化されることにより生じる白煙の発生を抑制することが可能となる。
尚、以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加えることができる。
1・・・内燃機関
5・・・排気管
5a・・・第1排気管
5b・・・第2排気管
10・・・排気浄化部
10a・・・第1分岐管
10b・・・第2分岐管
12・・・第1切換弁
13・・・燃料添加弁
15・・・分岐部
35・・・ECU
110・・・S―trap
111・・・酸化触媒
112・・・フィルタ
113・・・NSR
5・・・排気管
5a・・・第1排気管
5b・・・第2排気管
10・・・排気浄化部
10a・・・第1分岐管
10b・・・第2分岐管
12・・・第1切換弁
13・・・燃料添加弁
15・・・分岐部
35・・・ECU
110・・・S―trap
111・・・酸化触媒
112・・・フィルタ
113・・・NSR
Claims (3)
- 一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに前記排気通路を通過する前記排気を浄化する排気浄化手段と、
前記排気浄化手段に導入される排気に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段から前記排気に還元剤を供給することによって前記排気浄化手段の性能を再生する制御を行う性能再生制御手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化システムであって、
前記排気浄化手段には、前記排気の空燃比がリーンの時に該排気中のSOxを吸収するSトラップ触媒と、酸化能を有する酸化触媒と、前記排気中の微粒子物質を捕集するとともに該捕集した微粒子物質が酸化除去されることで目詰まりが抑制されるフィルタと、前記排気の空燃比がリーンの時には該排気中のNOxを吸蔵するとともに前記排気の空燃比がリッチで還元剤が存在する時には前記吸蔵されたNOxを放出し還元する吸蔵還元型NOx触媒とが、前記Sトラップ触媒、前記酸化触媒、前記フィルタ、前記吸蔵還元型NOx触媒の順に直列に配置した状態で設けられ、
前記排気の状態を、前記排気が前記排気浄化手段に前記Sトラップ触媒側から流入する状態である第1状態と、前記吸蔵還元型NOx触媒側から流入する状態である第2状態とに切換可能な排気状態切換手段をさらに備え、
前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われない場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が第1状態とされ、前記性能再生制御手段による前記性能再生制御が行われる場合には、前記排気状態切換手段によって、前記排気の状態が前記第2状態とされることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。 - 前記性能再生制御は、前記吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを放出させるSOx被毒回復処理であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前記排気通路は、該排気通路に設けられた分岐部から分岐し前記排気浄化手段のSトラップ触媒側の端部に接続される第1分岐通路と、前記分岐部から分岐し前記排気浄化手段の吸蔵還元型NOx触媒側の端部に接続される第2分岐通路と、前記排気通路における前記分岐部の上流側の第1排気通路と、前記排気通路における前記分岐部の下流側の第2排気通路と、を含み、
前記還元剤供給手段は、前記分岐部より上流において前記排気に前記還元剤を供給し、
前記排気状態切換手段は、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第1分岐通路とを接続し、前記第2分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第1分岐通路と、前記接続された状態の第2分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第1状態とし、前記分岐部において、前記第1排気通路と前記第2分岐通路とを接続し、前記第1分岐通路と前記第2排気通路とを接続するとともに、前記接続された状態の第1排気通路及び第2分岐通路と、前記接続された状態の第1分岐通路及び第2排気通路とを遮断することによって、前記排気の状態を前記第2状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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JP2010090711A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-22 | Isuzu Motors Ltd | NOx吸蔵器の脱硫処理方法及びその装置 |
JP2010255583A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
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2006
- 2006-05-24 JP JP2006144244A patent/JP2007315242A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090804 |