JP2007233169A - トナー、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂、着色剤、及び定着助剤を含有するトナー材料を含むトナーであって、前記定着助剤が融点50〜150℃の結晶性有機化合物であり、かつ前記トナーのDSC測定を行った際の昇温一回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、昇温二回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とすると、次式、0≦(Q2/Q1)≦0.30を満たすトナーである。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献3には、20〜150℃の融点を有するワックスを溶媒として該ワックス中に熱溶解させ、更に急速冷却した際にワックス中に分離析出しないバインダーと、前記ワックスとを含むトナーが記載されている。該トナーによれば、前記ワックスが、定着温度より融点の高い樹脂に対して可塑効果を示すため、低温定着化を図ることはできるものの、溶融混練工程を含む粉砕法で作製しているため、既に製造時に可塑効果が発現しており、耐熱保存性が十分ではない。
例えば、特許文献4には、樹脂単量体に対して、相溶性を有するワックスと非相溶性を有するワックスとの2種類のワックスを含むトナーが記載されている。しかし、前記特許文献4に記載のトナーは、主に一成分現像剤用のトナーを対象とし、トナー中に磁性体を均一に分散させることを目的としており、トナーとの相溶性を有するワックスの可塑化効果に言及されているものの、あくまで磁性体の分散に対する補助効果を目的としている。また、該トナーの製造工程においては、前記相溶性ワックスの融点よりも高い温度での加熱工程を含んでいるため、前記特許文献3に記載のトナー同様、既に製造時に可塑効果が発現してしまい、耐熱保存性が悪化するという問題がある。
例えば、特許文献5には、樹脂単量体に対して相溶性のある多官能エステル化合物を含むトナーが記載されている。しかし、該トナーにおいては、単に樹脂単量体の融点と、多官能エステル化合物の融点とが同程度の値であるものを使用しているにすぎず、トナーのガラス転移温度(Tg)は、既に多官能エステル化合物による可塑効果が発現した状態のものであるため、やはり低温定着性と耐熱保存性との両立が充分に達成させることができない。
更に、定着助剤を導入したトナーにおいては、定着ローラでトナーが加熱される際に、バインダーとの親和性が高い材料である定着助剤がブリード(染み出し)してローラ表面に付着することで、トナー層と定着ローラとのタック力を増大させ、充分な低温定着性が得られないことが判明した。
<1> 少なくとも樹脂、着色剤、及び定着助剤を含有するトナー材料を含むトナーであって、
前記定着助剤が融点50〜150℃の結晶性有機化合物であり、かつ前記トナーのDSC測定を行った際の昇温一回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、昇温二回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とすると、次式、0≦(Q2/Q1)≦0.30を満たすことを特徴とするトナーである。
<2> 結晶性有機化合物が多価アルコールのエステル化合物である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 結晶性有機化合物が炭素数16〜24の脂肪酸である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 結晶性有機化合物が炭素数16〜24のアルコールである前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 結晶性有機化合物が結晶性ポリエステルである前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 結晶性有機化合物の融点が60〜100℃である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 定着助剤のトナーにおける含有量が5〜30質量%である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 定着助剤を分散状態で含み、該定着助剤の分散径が10nm〜3μmである前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 40℃以下の有機溶剤に対する定着助剤の溶解度が、1質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 樹脂のDSC測定を行った際における、該樹脂の昇温1回目のピークをTg1r、該樹脂の昇温2回目のピークをTg2rとし、該樹脂を含むトナーのDSC測定を行った際における、該トナーの昇温1回目の前記樹脂由来のピークをTg1tとし、該トナーの昇温2回目の前記樹脂由来のピークをTg2tとすると、下記式(1)及び式(2)を満たす前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
Tg2r>Tg2t ・・・(1)
Tg1t−Tg2t>Tg1r−Tg2r ・・・(2)
<11> Tg2r−Tg2t>10(℃)を満たす前記<10>に記載のトナーである。
<12> Tg1r−Tg1t<5(℃)である前記<10>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後トナーを造粒してなる前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、
造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる前記<13>に記載のトナーである。
<15> トナー材料の溶解乃至分散液が前記トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させることにより調製される前記<13>から<14>のいずれかに記載のトナーである。
<16> トナー製造時の温度が20〜60℃である前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーである。
<18> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<19> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<20> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<21> 画像担持体と、該画像担持体上に前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーを供給するトナー供給手段と、前記画像担持体に当接させた前記トナーに対し画像信号に応じた熱を印加して該熱が印加された部位のトナーにより可視像を形成し、該可視像を前記画像担持体上に仮固着させる可視像仮固着手段と、仮固着された前記可視像を記録媒体に転写して熱溶着させる熱溶着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<22> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<23> 画像担持体上に前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーを供給するトナー供給工程と、前記画像担持体に当接させた前記トナーに対し画像信号に応じた熱を印加して該熱が印加された部位のトナーにより可視像を形成し、該可視像を前記画像担持体上に仮固着させる可視像仮固着工程と、仮固着された前記可視像を記録媒体に転写して熱溶着させる熱溶着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明のトナーは、少なくとも樹脂、着色剤、及び定着助剤を含有してなり、ワックス、更に必要に応じてその他の成分を含有してなるトナー材料を含んでなる。
前記定着助剤は、その融点が50〜150℃の結晶性有機化合物であり、該融点は60〜100℃が好ましい。前記融点が50℃未満であると、該定着助剤が融解しやすく、耐熱保存性に劣ることがあり、150℃を超えると、定着助剤を融解させるのに、トナーを高温加熱する必要があるため十分な低温定着性が得られないことがある。
前記定着助剤が樹脂と相溶し、トナー外部にブリードしないことは、前記トナーのDSC測定を行った際の昇温一回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、昇温二回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2としたときに、次式、0≦(Q2/Q1)≦0.30を満たすことで実現される。前記定着助剤が樹脂との相溶性に優れる場合、昇温一回目の加熱により、定着助剤由来の融解ピークの吸熱量が低下する。そのため樹脂と定着助剤が相溶化しやすい場合、昇温二回目の定着助剤由来の融解ピークの吸熱量は昇温一回目に比べ小さくなる。そのため、定着助剤が樹脂と充分相溶し、トナー外部へのブリードを防止するため、0≦(Q2/Q1)≦0.30を満たすことが必要であり、0≦(Q2/Q1)≦0.20を満たすことが好ましい。前記比(Q2/Q1)が0.30を超えると、定着時の加熱の際に、可塑剤と樹脂の相溶性が不十分であるため、可塑剤がブリードして定着ローラ表面に付着することで、トナー層と定着ローラ間のタック力を増大させるため、低温定着性に劣ることがある。なお、前記(Q2/Q1)が0(ゼロ)とは、Q2のピークが検出されない場合を意味し、また、定着助剤を含有しない場合にはQ1及びQ2のピークがともに0(ゼロ)となる。
前記定着助剤の融解ピークの吸熱量測定としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。昇温1回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q1と称する)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q1を算出することができる。
昇温2回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q2と称する)については、前記1回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q2を算出することができる。
上記により算出した昇温一回目、昇温二回目の定着助剤の融解ピーク比である(Q2/Q1)が0以上0.30以下であることで、定着助剤のブリードを防止し、充分な低温定着性を得ることができる。
前記多価アルコールのエステル化合物は、以下のアルコール成分と、脂肪酸成分をエステル化したものが挙げられる。
前記アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン等のポリオールの単量体、又は前記ポリオールを必要に応じて縮重合したものを用いるのが好ましい。前記縮重合物をアルコール成分として用いる場合、重合度は2以上20未満が好ましい。重合度が20以上の場合、結晶性が低下することで、定着助剤としてのシャープメルト性が失われ、充分な低温定着効果が得られないことがある。
前記多価アルコールのエステル化合物は前記脂肪酸と前記アルコール成分を目的に応じて適宜選択し、エステル化することで得ることができる。また前記多価アルコールのエステル化合物のエステル化度も目的に応じて、適宜選択することができる。
前記長鎖脂肪酸としては、炭素鎖数16以上24以下のものが好ましい。具体的にはパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、エイコサン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等の単体、又はそれらの混合物が挙げられる。炭素鎖数が16以下であると、融点が低下し、充分な耐熱保存性が得られないことがある。
前記長鎖アルコールとしては、炭素鎖数16以上24以下のものが好ましい。具体的には、ヘキシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール等の単体、又は、それらの混合物が挙げられる。炭素鎖数が16以下であると、融点が低下し、充分な耐熱保存性が得られないことがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール単位及びカルボン酸単位を含む、−OCOC−R−COO−(CH2)n−(但し、式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2〜20の整数を示す)で表される構造を少なくとも樹脂全体における全エステル結合の60モル%含有する。なお、前記式中、Rは、好ましくは、直鎖状不飽和脂肪族二価カルボン酸残基を示し、炭素数2〜20であり、より好ましくは2〜4の直鎖状不飽和脂肪族基である。nは、2〜6の整数である。
必要に応じて添加される多価アルコール単位を例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン単位、ポリエチレングリコール単位、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物単位、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物単位、グリセリン単位等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂についての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を質量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いられる結晶性ポリエステル樹脂の場合、この分子量分布図において、3.5〜4.0質量%の範囲に分子量ピークを有することが好ましく、また、そのピークの半値幅が1.5以下であることが好ましい。
前記定着助剤の溶解度を求める際の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。
前記樹脂としては、DSC測定を行った際における、該樹脂の昇温1回目のピークをTg1r、該樹脂の昇温2回目のピークをTg2rとし、該樹脂を含むトナーのDSC測定を行った際における、該トナーの昇温1回目の前記樹脂由来のピークをTg1tとし、該トナーの昇温2回目の前記樹脂由来のピークをTg2tとすると、下記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。
Tg2r>Tg2t ・・・(1)
Tg1t−Tg2t>Tg1r−Tg2r ・・・(2)
前記式(1)は、トナーのガラス転移温度が前記樹脂のガラス転移温度よりも低下することを、前記式(2)は、トナーの加熱時に前記ガラス転移温度の低下が発現することを、それぞれ意味する。
前記Tg2rは前記Tg2tよりも大きいことが好ましく、その差(Tg2r−Tg2t)は、(Tg2r−Tg2t)>10(℃)を満たすのがより好ましい。前記差(Tg2r−Tg2t)が大きくなるほど、定着時の加熱により、前記樹脂の熱特性値が大幅に低下し、トナーの定着下限温度を低下させることができ、前記差が10℃未満であると、低温定着性が十分でないことがある。
また、このとき、(Tg1r−Tg1t)は、(Tg1r−Tg1t)<5(℃)を満たすのがより好ましい。前記差(Tg1r−Tg1t)が5(℃)未満であると、保存時における前記樹脂単体とトナーのガラス転移温度が近く、耐熱保存性をより高いレベルで保持することができる。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点のワックスが好ましい。低融点のワックスは、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂、前記定着助剤、前記ワックス、前記トナーのガラス転移温度及び融点の測定方法としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。
昇温1回目における樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg1r及びTg1t)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、樹脂(又はトナー)の変極点以前の曲線と変極点以降の曲線との接線の交点から算出することができる。また、同時に前記定着助剤、前記ワックスに由来する融解ピークのボトム値をDSC−60システム中の解析プログラムを用いて読み取ることで、前記定着助剤の融点(Tm)を求めることができる。なお、前記定着助剤の融点が、トナー中の他の物質(樹脂、ワックス等)のピークと重なる場合には、前記定着助剤単体でのDSC測定を行うことにより前記定着助剤の融点を求めることができる。
昇温2回目における樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg2r及びTg2t)については、前記1回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、樹脂(又はトナー)の変極点以前の曲線と変極点以降の曲線との接線の交点から算出することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m2/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーの好ましい態様としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含むトナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られるトナーが挙げられる。
ここで、本発明の前記トナーを製造する際の温度としては、20〜60℃がより好ましい。前記製造温度が60℃を超えると、加熱により前記樹脂と前記定着助剤とが相溶し、低温定着性と耐熱保存性との両立を図ることができないことがある。
−トナー材料の溶解乃至分散液−
前記トナー材料の溶解乃至分散液は、前記トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させてなる。前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)のいずれかを少なくとも含み、前記定着助剤、前記着色剤、好ましくは前記ワックスを含み、更に必要に応じて、未変性ポリエステル樹脂や、離型剤、帯電制御剤等の上記その他の成分を含んでなる。
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられるが、エステル系溶剤であるのが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
なお、本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法において、前記トナー材料の溶解乃至分散液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記定着助剤、前記未変性ポリエステル樹脂、前記ワックス、前記着色剤、前記帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができ、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体に添加する際に、該溶解乃至分散液と共に前記水系媒体に添加してもよい。
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」、三洋化成工業社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中への乳化乃至分散は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。該分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができ、該分散機としては、前記低速せん断式分散機、前記高速剪断式分散機などが挙げられる。
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記質量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、35〜70℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、35℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、通常、1.0〜30.0mgKOH/gであり、5.0〜20.0mgKOH/gが好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該未変性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜25/75が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、75未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
前記使用量が50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記懸濁重合法により製造されるトナーは、上述の通り、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散(懸濁)させて乳化乃至分散液(懸濁液)を調製した後トナーを造粒することにより得ることができる。
前記懸濁重合法においては、前記トナー材料の溶解乃至分散液は、重合性単量体、油溶性重合開始剤中に、前記定着助剤、前記着色剤、更に必要に応じて、前記ワックス、前記帯電制御剤、架橋剤等の成分を溶解乃至分散させてなる。なお、例えば、後述する重合反応で生成される重合体の粘度を低下させるために、有機溶剤、高分子重合体、分散剤等を適宜添加してもよい。
前記重合性単量体には、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、等の酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、及びこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有するアクリレート及びメタクリレートなどを一部使用することにより、トナー粒子表面に官能基を導入することができる。なお、使用する分散剤として、酸基や塩基性基を有するものを適宜選択することによってもトナー粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、などが挙げられる。
前記アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、等が挙げられる。また、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコールを使用してもよい。
前記酸成分としては、例えば、2価のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物;などが挙げられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物等の多価カルボン酸を使用してもよい。
前記ポリエステル樹脂における、前記アルコール成分と前記酸成分との含有量としては、前記アルコール成分が45〜55モル%であり、前記酸成分が55〜45モル%であるのが好ましい。
ここで、このような極性官能基を含む高分子重合体を使用する際、該高分子重合体の平均分子量としては、5,000以上が好ましい。
前記樹脂の添加量は、前記重合性単量体100質量部に対し、1〜20質量部が好ましい。前記添加量が1質量部未満であると、添加によるトナー粒子の物性調整の効果が発現しないことがあり、20質量部を超えると、トナー粒子の物性設計が困難になることがある。また、前記重合性単量体を重合して得られるトナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合体を前記重合性単量体中に溶解して重合させることもできる。
前記油溶性重合開始剤は、重合反応時に半減期が0.5〜30時間のものを、前記重合性単量体100質量部に対し、0.5〜20質量部の添加量にて重合反応を行うと、分子量10,000〜100,000の間に極大を有する重合体を得ることができ、トナーに望ましい強度と適度な溶解特性を付与することができる。
前記油溶性重合開始剤としては、油溶性である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等の過酸化物系重合開始剤;などが挙げられる。
前記架橋剤の添加量としては、例えば、前記重合性単量体100質量部に対し、0.001〜15質量部が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水が挙げられる。
前記水系媒体は、分散安定剤を含むのが好ましい。
前記分散安定剤としては、例えば、公知の界面活性剤、有機分散剤、無機分散剤等を使用することができるが、これらの中でも、有害な超微粒子が発生し難く、立体障害性により分散安定性が得られるため、反応温度を変化させても安定な状態を保ち、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えない点で、無機分散剤が好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物;などが挙げられる。
前記無機分散剤は、前記重合性単量体100質量部に対し、0.2〜20質量部を単独で使用するのが好ましい。なお、前記無機分散剤を使用すると、超微粒子が発生し難いものの、小粒径のトナーが得られ難いため、界面活性剤を0.001〜0.1質量部併用するのが好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
前記懸濁は、前記トナー材料が均一に溶解乃至分散した前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体に乳化乃至分散させることにより行われる。このとき、高速撹拌機や超音波分散機等の高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズに分散させると、粒度分布がシャープなトナーが得られる。
なお、前記油溶性重合開始剤は、前記重合性単量体中に他の添加剤を添加するのと同時に加えてもよいし、前記水系媒体中に前記トナー材料の溶解乃至分散液を懸濁させる直前に混合してもよい。またトナーの造粒中、トナーの造粒直後、重合反応を開始する前、に前記重合性単量体あるいは溶媒に溶解した前記油溶性重合開始剤を加えることもできる。
前記造粒は、前記重合性単量体を重合反応させることにより行われる。
前記重合反応における温度としては、例えば40℃以上であり、一般的には50〜90℃である。該温度範囲で重合を行うと、トナー粒子内部に存在させるべき、前記離型剤、前記ワックス等の類が、相分離により析出し、内包化を図ることができる。残存する重合性単量体を消費するために、反応温度を90〜150℃に設定することがあるが、上述の通り、前記定着助剤の融点以上に加熱すると、前記樹脂と前記定着助剤とが相溶するため、前記定着助剤の融点以下の温度で反応させることが必要であり、具体的には100℃以下で反応させるのが好ましい。
なお、前記造粒においては、得られた重合粒子に更に前記重合性単量体を吸着させた後、前記油溶性重合開始剤を用いて重合させるシード重合法を使用することもできる。このとき、吸着させる重合性単量体中に、極性を有する化合物を溶解又は分散させて使用することもできる。
前記重合反応終了後の重合粒子に対して、公知の方法により、濾過し、洗浄して余分な前記界面活性剤を除去し、乾燥し、更に無機微粉体を混合し、粒子表面に付着させることによりトナー粒子が得られる。このとき、分級を行うことにより、粗粉や微粉を除去するのが好ましい。
前記無機微粉末としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。
前記シリカとしては、例えば、ケイ酸微粉体として、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ、などが挙げられる。これらの中でも、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 −等の製造残滓の少ない乾式シリカが好ましい。また、乾式シリカにおいては、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることにより、前記シリカと他の金属酸化物との複合微粉末を得ることができ、該複合微粉末を使用することもできる。
前記比表面積は、BET法に従い、比表面積測定装置(「オートソーブ1」、湯浅アイオニクス社製)を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
前記無機微粉末の含有量は、例えば、蛍光X線分析を利用し、標準試料から作成した検量線を用いて定量することができる。
前記疎水化処理における処理剤としては、例えば、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記疎水化処理の方法としては、例えば、第一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成させることにより疎水化する方法が挙げられる。
前記シリコーンオイルの25℃における粘度としては、例えば、10〜200,000mm2/sが好ましく、3,000〜80,000mm2/sがより好ましい。
前記粘度が10mm2/s未満であると、前記無機微粉末の性能が不安定となり、熱及び機械的な応力により、画質が劣化することがあり、200,000mm2/sを超えると、均一な疎水化処理が困難になることがある。
前記シリコーンオイルの使用方法としては、例えば、シラン化合物で処理されたシリカとシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、シリカにシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよく、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解乃至分散させた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法を用いてもよい。これらの中でも、前記無機微粉末の凝集体の生成が比較的少ない点で、噴霧機を用いる方法が好ましい。
前記シリコーンオイルの処理量としては、例えば、前記シリカ100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、3〜35質量部がより好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性が得られるため、高画質の画像を得ることができる。
前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。なお、前記針入度の値が大きいほど、前記耐熱保存性が優れることを示している。
なお、定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を定着下限温度としたものである。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、転写紙をセットし、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することにより求めることができる。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、前記キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウェーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図1に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
前記粘着転写方式を採用する場合には、本発明のトナーは、少なくとも感熱性粘着剤を含むことが必要である。該感熱性粘着剤は、定着助剤と熱可塑性樹脂とを必須成分とし、必要に応じて粘着付与剤を含んでなる。
前記感熱性粘着剤は、常温では全く粘着性を示さないが、加熱及び外的負荷により粘着性を発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間は粘着性を維持するものであり、加熱によりまず前記定着助剤が溶融し、前記熱可塑性樹脂と前記粘着付与剤とを溶融させることにより、粘着性を発現させる。即ち、前記粘着性は、前記定着助剤が熱溶融して前記熱可塑性樹脂と相溶し、該熱可塑性樹脂を可塑化させることにより粘着力を生じさせる。
前記粘着転写方式の本発明の画像形成装置は、画像担持体と、トナー供給手段と、可視像仮固着手段と、熱溶着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、トナー除去手段等を有してなる。
前記トナー供給工程は、前記画像担持体上に本発明の前記トナーを供給する工程である。前記画像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から、適宜選択することができるが、その形状としては、無端のフィルム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、光透過性樹脂が挙げられ、ポリカーボネートが好ましい。
前記トナーの供給は、本発明の前記トナーに静電的な付着力を付与して前記トナー担持体に補給してもよいし、磁力等の非静電的な付着力を付与して前記トナー担持体に補給してもよい。
前記可視像仮固着工程は、前記画像担持体に当接させた前記トナーに対し画像信号に応じた熱を印加して該熱が印加された部位のトナーにより可視像を形成し、該可視像を前記画像担持体上に仮固着させる工程である。
前記可視像仮固着手段は、前記トナーに粘性を付与する粘性付与手段を少なくとも有するのが好ましい。
前記粘性付与手段としては、例えば、レーザ光源と、コリメータレンズと、ポリゴンミラーと、fθレンズと、反射鏡とを少なくとも有するレーザ光走査装置が好適に挙げられる。該レーザ光走査装置は、前記トナーに画像信号に応じた熱をレーザ光により像様に付与することが可能である。なお、レーザ光の代わりにサーマルヘッドを用いることもできる。
前記粘性付与手段におけるレーザ光からの熱により、前記トナー担持体上の画像部に相当する位置に存在するトナーに対して選択的に粘性を付与することができ、熱が付与されたトナーにより、粘性を帯びた可視像が形成され、該可視像が前記画像担持体上に仮固着される。
ここで、前記粘性の付与は、もともと粘性を有しない物質に粘性を帯びさせる場合だけでなく、もともと粘性を有していた物質の粘性を更に高める場合をも含む。
なお、仮固着した可視像の前記画像担持体への付着力は、トナーとトナー担持体との静電気力による付着力よりも弱く、かつ後述するトナー除去工程において前記画像担持体上の残留トナーが容易に除去される程度の大きさである。
前記熱溶着工程は、仮固着された前記可視像を記録媒体に転写して熱溶着させる工程であり、熱溶着手段により好適に行うことができる。
熱溶着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記可視像の前記記録媒体への転写と定着とを同時に行うものが好ましく、例えば、加熱ローラが好適に挙げられる。
前記トナー除去手段としては、特に制限はなく、前記画像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から、適宜選択することができ、例えば、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナなどが好適に挙げられる。
また、トナー供給装置520の内部には、クリーニングブレード541の先端縁が当接されたトナー除去ローラ540が配置されている。
加熱ローラ550は、画像担持体510を介してローラ511に接離可能に対向配置されており、加熱ローラ550とローラ511との間に記録媒体Sがレジストローラ対551により送り込まれたときに、画像担持体510を介してローラ511に圧接するようになっている。
次いで、レーザ光走査装置530では、画像信号に応じた熱がレーザ光により画像担持体510を介してトナー担持ローラ522上のトナーTに像様に照射される。該トナーTに照射されたレーザ光の熱エネルギーによりトナーTが粘性を帯び、画像担持体510の表面に可視像として仮固着する。また、画像担持体510上に可視像Gが仮固着した後、画像担持体510上の可視像G以外の部位(非画像部)に存在するトナー(残留トナー)は、プラスの電圧が印加されたトナー除去ローラ540の静電的吸引力により除去される。なお、トナー除去ローラ540は、本来仮固着されるトナー以外のトナーが画像担持体510上の非画像部に付着し、いわゆる地汚れが発生した場合に、トナーを除去する目的にで設けられ、トナー除去ローラ540の吸引力は、トナーTの画像担持体510に対する仮固着力よりも弱い。また、前記非画像部に付着するトナーの量が少ない場合には、トナー除去ローラ540を設けなくてもよい。
<接着性基材生成工程>
以下のようにしてトナーを製造した。
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、質量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が58℃であった。
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」、デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
前記定着助剤としてB−DSP−60(松本油脂製薬社製、エチレングリコールステアリン酸ジエステル、融点=62℃)200質量部、ポリエステル樹脂400質量部、及び酢酸エチル800質量部を混合し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして定着助剤の分散を行い、定着助剤分散液を調製した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのB−DSP−60(松本油脂製薬社製、エチレングリコールステアリン酸ジエステル)の溶解度を測定したところ、0質量%であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、質量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、ヘキサグリセリンステアリン酸ジエステル(融点=62℃)200質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのヘキサグリセリンステアリン酸ジエステルの溶解度を測定したところ、1質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、0.4μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、ステアリン酸とベヘニン酸との混合物(融点=70℃)100質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのステアリン酸とベヘニン酸との混合物の溶解度を測定したところ、1質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、0.3μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、グリセリンジステアリン酸エステル(融点=66℃)200質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのグリセリンジステアリン酸エステルの溶解度を測定したところ、0質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、0.4μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、酸成分をフマル酸90%、コハク酸5%、無水トリメリット酸5%(いずれもモル比)とし、アルコール成分を1,4−ブタンジオール100%として合成した結晶性ポリエステル(融点120℃、質量平均分子量(Mw)=6,000)200質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としての結晶性ポリエステルの溶解度を測定したところ、0質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、1.2μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液を除いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナー母体粒子を製造した。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したステアリン酸ポリグリセリンエステルを、テトラグリセリンベヘニン酸テトラエステル(融点=62℃)200質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのテトラグリセリンベヘニン酸テトラエステルの溶解度を測定したところ、0質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、0.4μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、ベヘニン酸(融点=78℃)400質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において有機溶剤酢酸エチルに対する定着助剤としてのベヘニン酸の溶解度を測定したところ、0.3質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、0.2μmであった。
実施例1において、定着助剤分散液の調製で使用したエチレングリコールステアリン酸ジエステルを、フタル酸ジフェニル(融点=77℃)200質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のトナー母体粒子を製造した。
なお、40℃において酢酸エチルに対する定着助剤としてのフタル酸ジフェニルの溶解度を測定したところ、20質量%であった。
得られたトナー母体粒子中における定着助剤の分散径を実施例1と同様にして測定したところ、フタル酸ジフェニルと判別される分散物の確認はできなかった。
得られた実施例1〜5及び比較例1〜4のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1〜5及び比較例1〜4の各トナーを製造した。
次に、以下のようにして、キャリアを作製した。
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(「オルガノストレートシリコーン」100質量部、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
得られた実施例1〜5及び比較例1〜4の各トナーについて、熱特性、即ち、Q2/Q1、(Tg2r−Tg2t)、{(Tg1t−Tg2t)−(Tg1r−Tg2r)}、(Tg1r−Tg1t)、定着助剤の融点(Tp)を測定した。結果を表1に示す。
前記熱特性は、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定した。
昇温1回目における樹脂、及びトナーのガラス転移温度(Tg1r及びTg1t)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、樹脂(又はトナー)の変極点以前の曲線と変極点以降の曲線との接線の交点から算出した。また、同時に前記定着助剤に由来するピークの値から、前記定着助剤の融点(Tp)及び定着助剤由来の融解ピークの吸熱量Q1を求めた。
昇温2回目における樹脂、及びトナーのガラス転移温度(Tg2r及びTg2t)及び定着助剤由来の融解ピークの吸熱量Q2については、前記1回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、樹脂(又はトナー)の変極点以前の曲線と変極点以降の曲線との接線の交点から算出した。また、同時に前記定着助剤に由来する融解ピークから、定着助剤の融解ピークの吸熱量Q2を求めた。
次に、外添剤処理済の実施例1〜5及び比較例1〜4の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミルで混合し、実施例1〜5及び比較例1〜4の各二成分現像剤を製造した。
タンデム型カラー電子写真装置(「Imagio Neo C350」、株式会社リコー製)の定着ユニットから、シリコーンオイル塗布機構を取り去り、オイルレス定着方式に改造して、温度及び線速を調整可能にチューニングした装置と、普通紙(「タイプTYPE 6000<70W>Y目」;株式会社リコー製)とを用い、定着下限温度を評価した。なお、前記タンデム型カラー電子写真装置は、A4サイズの用紙を、毎分35枚連続印刷することができる。このとき、定着ローラの線速を125mm/sとし、ローラ温度を変化させて評価を行った。
得られた定着画像を専用の布パットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とし、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:110℃未満
○:120℃未満110℃以上
△:140℃未満120℃以上
×:140℃以上
画像形成は、タンデム型カラー電子写真装置(「Imagio Neo C350」、株式会社リコー製)の定着ユニットから、シリコーンオイル塗布機構を取り去り、オイルレス定着方式に改造して、温度及び線速を調整可能にチューニングした装置前記タンデム型カラー電子写真装置を用いて、前記普通紙に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色のベタ画像を各単色で、0.85±0.3mg/cm2のトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
前記タンデム型カラー電子写真装置(「Imagio Neo C350」、株式会社リコー製)を用いて、定着画像へのコールドオフセットの有無を目視評価した。コールドオフセットが発生した定着ロール温度をもってコールドオフセット発生温度とし、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:110℃未満
○:110℃以上120℃未満
△:120℃以上140℃未満
×:140℃以上
50mlのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
500 画像形成装置(粘着転写方式)
510 画像担持体
520 トナー供給装置
530 レーザ光走査装置
540 トナー除去ローラ
550 加熱ローラ
Claims (18)
- 少なくとも樹脂、着色剤、及び定着助剤を含有するトナー材料を含むトナーであって、
前記定着助剤が融点50〜150℃の結晶性有機化合物であり、かつ前記トナーのDSC測定を行った際の昇温一回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、昇温二回目における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とすると、次式、0≦(Q2/Q1)≦0.30を満たすことを特徴とするトナー。 - 結晶性有機化合物が多価アルコールのエステル化合物である請求項1に記載のトナー。
- 結晶性有機化合物が炭素数16〜24の脂肪酸である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性有機化合物が炭素数16〜24のアルコールである請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性有機化合物が結晶性ポリエステルである請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性有機化合物の融点が60〜100℃である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
- 定着助剤のトナーにおける含有量が5〜30質量%である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
- 定着助剤を分散状態で含み、該定着助剤の分散径が10nm〜3μmである請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
- 40℃以下の有機溶剤に対する定着助剤の溶解度が、1質量%以下である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
- 樹脂のDSC測定を行った際における、該樹脂の昇温1回目のピークをTg1r、該樹脂の昇温2回目のピークをTg2rとし、該樹脂を含むトナーのDSC測定を行った際における、該トナーの昇温1回目の前記樹脂由来のピークをTg1tとし、該トナーの昇温2回目の前記樹脂由来のピークをTg2tとすると、下記式(1)及び式(2)を満たす請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
Tg2r>Tg2t ・・・(1)
Tg1t−Tg2t>Tg1r−Tg2r ・・・(2) - Tg2r−Tg2t>10(℃)を満たす請求項10に記載のトナー。
- Tg1r−Tg1t<5(℃)を満たす請求項10から11のいずれかに記載のトナー。
- トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後トナーを造粒してなる請求項1から12のいずれかに記載のトナー。
- トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、
造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる請求項13に記載のトナー。 - トナー材料の溶解乃至分散液が、前記トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させることにより調製される請求項13から14のいずれかに記載のトナー。
- トナー製造時の温度が、20〜60℃である請求項1から15のいずれかに記載のトナー。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1から16のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
- 画像担持体上に請求項1から16のいずれかに記載のトナーを供給するトナー供給工程と、前記画像担持体に当接させた前記トナーに対し画像信号に応じた熱を印加して該熱が印加された部位のトナーにより可視像を形成し、該可視像を前記画像担持体上に仮固着させる可視像仮固着工程と、仮固着された前記可視像を記録媒体に転写して熱溶着させる熱溶着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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