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JP2007233164A - フォトマスクの作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトマスクの製造に伴う省人化とコストの低減化を図るフォトマスクの作成方法。
【解決手段】本発明の一形態のフォトマスクの作成方法は、フォトマスクの検査のための情報をコード化したパターン(c1)を前記フォトマスク上に形成し、前記パターンから前記検査のための情報を読み取り、読み取った前記検査のための情報を基に前記フォトマスクを検査する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクの作成方法に関する。
(第1の背景技術)
半導体デバイスの製造過程で用いるフォトマスクは、製作の過程で欠陥検査が行われる。このフォトマスクの欠陥検査として、フォトマスクに形成されたパターンが所望通りになっているか否かを、設計データもしくはフォトマスクの製作時に使用するマスク描画データに基づいて作成するマスク検査データと、フォトマスク上に形成されたパターンとの比較照合により検査する方法(第1の比較方法)がある。あるいは、フォトマスク上に形成されたパターン群から同一パターンを抽出して、抽出されたパターン間の比較照合により欠陥の有無を検査する方法(第2の比較方法)がある。これらの検査結果に基づいて、検出された欠陥部に対する修正の可否の判定を行い、必要に応じて欠陥修正を行う工程を経てフォトマスクが製作される。
上述したフォトマスクの欠陥検査に際しては、マスク製作前に、書類もしくは所定書式に準拠したマスク検査に係わる情報が、マスク製作要求部門からマスク製作部門へコンピュータによる通信で提供される。マスク製作部門では、上記のマスク欠陥検査に係わる情報群の中から、検査対象となるフォトマスクから検査領域を選択的に抽出するための検査領域情報と、この選択的に抽出した検査領域に対する検査感度情報及び検査方法(上記第1の比較方法または第2の比較方法)情報とに基づいて、マスク欠陥検査装置が上記指定に沿った検査を行うための制御情報(検査レシピ)に変換、もしくはオペレータが検査レシピを作成して、マスク欠陥検査するための準備を行う。その検査レシピに基づいて、マスク欠陥検査装置が制御され、フォトマスクに形成したパターンの正否及び欠陥の有無が検査されていた。
しかしながら、上述したフォトマスクの欠陥検査方法では、次のような問題があった。つまり、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクを製作するための情報として、フォトマスクに形成する所望パターンを表現した描画データと、その描画データから作成されるマスクパターンが正しく形成されているか、及び欠陥が無いかを検証するためのマスク検査に係わる情報とが必要となる。さらに、マスクの製造工程で画一的な製造フローとするために、マスク製造要求部門からのマスク欠陥検査情報をルール付けされた所定形式にするなど、マスク製造に伴う前準備が必要である。これがマスク製造におけるTAT(Turn Around Time)短縮の阻害要因となっており、それが一因となってマスク製造に伴う省人化が阻害され、マスク製造コストの低減化の阻害要因となっている。
また、再版マスク(過去に製造したマスクを再度製作)の製造に際しては、オリジナルマスクの描画データと、検査対象となるフォトマスクから検査領域を選択的に抽出するための検査領域情報と、この選択的に抽出した検査領域に対する検査感度情報及び検査方法(上記第1の比較方法または第2の比較方法)情報とからなるマスク検査に係わる情報がその都度必要となる。さらに、このマスク検査に係わる情報は、パターンの微細化に伴い益々厳しくなる検査感度向上の要求の中で複雑化しているために、それらデータおよび情報を保管管理するためのインフラや管理運用のための人的リソースが必要となる。これがマスク製造に伴う省人化を阻害し、マスクコスト低減化の阻害要因となり、マスク製造コストの低減化を妨げる大きな問題となっている。
(第2の背景技術)
半導体デバイスの製造過程で用いるフォトマスクは、形成されたパターンが所望通りになっているか否かを、所望ルールで抽出したマスク上のパターン寸法を計測し、その計測結果とそのマスクに許容される寸法誤差範囲とを照合することで合否判定する。
上記合否判定に際しては、マスク製作前に、書類もしくは所定書式に準拠したマスク寸法保証情報が、マスク製作要求部門からマスク製作部門へコンピュータによる通信で提供される。マスク製作部門では、上記のマスク寸法保証情報の中から、寸法合否判定するために必要な寸法モニタパターン部に関する情報を抽出して寸法計測装置で寸法測定するための制御情報(測定レシピ)に変換、もしくはオペレータが測定レシピを作成して、寸法測定するための準備を行う。
その一方で、上記寸法計測装置で測定された測定結果に対する合否基準となる書類または情報を、上記マスク寸法保証情報と同様にマスク製作要求部門とマスク製作部門との間で交換し、マスク製作部門で製作したマスクを合否判定するための準備を行い、所望パターンが表現された描画データを基に、電子ビーム描画装置に代表される描画工程と現像工程及びエッチング工程で構成するパターン形成工程を経て形成される所望パターンを、上記マスク寸法保証情報から生成した測定レシピに基づいて寸法計測する共に、その計測結果が要求する合否判定基準を満足しているかどうかを判定する工程となっていた。
しかしながら、上述したフォトマスクの寸法保証方法では、次のような問題があった。つまり、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクを製作するための情報として、フォトマスクに形成する所望パターンを表現した描画データと、その描画データから作成されるマスクパターンが要求する所望精度で仕上がっているかを検証するためのパターン計測情報と、パターン計測結果が要求する製作精度を満足しているか否かを判定する寸法合否判定情報とが必要となる。さらに、マスクの製造工程で画一的な製造フローとするために、マスク製造要求部門からのパターン計測情報と寸法合否判定情報をルール付けされた所定形式にするなど、マスク製造に伴う前準備が必要である。これがマスク製造におけるTAT短縮の阻害要因となっており、それが一因となってマスク製造に伴う省人化が阻害され、マスク製造コストの低減化の阻害要因となっている。
また、再版マスク(過去に製造したマスクを再度製作)の製造に際しては、オリジナルマスクの描画データと、パターン計測情報またはそれから作成した測定レシピおよび寸法合否判定情報が必要となり、それらデータおよび情報を保管管理するためのインフラや管理運用のための人的リソースが必要となる。これがマスク製造に伴う省人化を阻害し、マスクコスト低減化の阻害要因となり、マスク製造コストの低減化を妨げる大きな問題となっている。
(第3の背景技術)
半導体デバイスの製造過程で用いるフォトマスクは、形成されたパターンが所望通りになっているか否かを、所望ルールで抽出したマスク上のパターン位置を計測し、その計測結果とそのマスクに許容される許容誤差範囲とを照合することで合否判定する。
上記合否判定に際しては、マスク製作前に、書類もしくは所定書式に準拠したマスク位置精度保証情報が、マスク製作要求部門からマスク製作部門へコンピュータによる通信で提供される。マスク製作部門では、上記のマスク位置精度保証情報の中から、位置精度合否判定するために必要な位置精度モニタパターン部に関する情報を抽出して位置精度計測装置で位置精度測定するための制御情報(測定レシピ)に変換、もしくはオペレータが測定レシピを作成して、パターン位置精度測定するための準備を行う。
その一方で、上記位置精度計測装置で測定された計測結果に対する合否基準となる書類または情報を、上記位置精度保証情報と同様にマスク製作要求部門とマスク製作部門との間で交換し、マスク製作部門で製作したマスクを合否判定するための準備を行い、所望パターンが表現された描画データを基に、電子ビーム描画装置に代表される描画工程と現像工程及びエッチング工程で構成するパターン形成工程を経て形成される所望パターンを、上記位置精度保証情報から生成した測定レシピに基づいて位置精度計測する共に、その計測結果が要求する合否判定基準を満足しているかどうかを判定する工程となっていた。
しかしながら、上述したフォトマスクの位置精度保証方法では、次のような問題があった。つまり、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクを製作するための情報として、フォトマスクに形成する所望パターンを表現した描画データと、その描画データから作成されるマスクパターンが要求する所望精度で仕上がっているかを検証するためのパターン位置精度計測情報と、パターン計測結果が要求する製作精度を満足しているか否かを判定する位置精度合否判定情報とが必要となる。さらに、マスクの製造工程で画一的な製造フローとするために、マスク製造要求部門からのパターン位置精度情報と位置精度合否判定情報をルール付けされた所定形式にするなど、マスク製造に伴う前準備が必要である。これがマスク製造におけるTAT短縮の阻害要因となっており、それが一因となってマスク製造に伴う省人化が阻害され、マスク製造コスト低減化の阻害要因となっている。
また、再版マスク(過去に製造したマスクを再度製作)の製造に際しては、オリジナルマスクの描画データと、パターン位置精度計測情報またはそれから作成した測定レシピおよび位置精度合否判定情報が必要となり、それらデータおよび情報を保管管理するためのインフラや管理運用のための人的リソースが必要となる。これがマスク製造に伴う省人化を阻害し、マスクコスト低減化の阻害要因となり、マスク製造コストの低減化を妨げる大きな問題となっている。
なお、特許文献1には、所定の体系に従って複数の要素コードを間欠的に配列して構成されるバーコードを、バーコードの読み取り方向(要素コードの配列方向)に直交する方向に縮小した形状を有する縮小コードが形成されたマスクを用い、バーコードの読み取り方向に直交する方向に順次隣接するように、縮小コードの像を基板上に複数回露光転写する方法が記載されている。
特開2002−231613号公報
本発明の目的は、フォトマスクの製造に伴う省人化とコストの低減化を図るフォトマスクの作成方法を提供することにある。
本発明の一形態のフォトマスクの作成方法は、フォトマスクの検査のための情報をコード化したパターンを前記フォトマスク上に形成し、前記パターンから前記検査のための情報を読み取り、読み取った前記検査のための情報を基に前記フォトマスクを検査する。
本発明によれば、フォトマスクの製造に伴う省人化とコストの低減化を図るフォトマスクの作成方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャートである。以下の工程は、フォトマスクに形成したパターンの正否および欠陥の有無を検査するマスク欠陥検査工程を含む。
まずステップS1で、半導体デバイスを製造するための所望パターンをパターン設計して設計データを作成する。ステップS2で、その設計データに対してCAD処理を行う。このCAD処理には、露光装置でフォトマスクからウェハにパターン転写する際の光近接効果(以下、OPEと呼ぶ)を補正するための光近接効果補正(以下、OPC処理と呼ぶ)、露光後のパターンを現像及びエッチング処理によりパターン加工する際に生じるプロセス近接効果(以下、PPEと呼ぶ)に起因するウェハのパターン変形を補正するためのPPC処理、設計データからフォトマスクに形成すべきパターンデータとするための層間データ演算処理(例:図形データ間のAND・OR処理など)、寸法補正処理(以下、リサイズと呼ぶ)、白黒反転処理などの組合せで構成される。これにより、フォトマスクに形成する所望パターンのデータを作り出す。
ステップS3で、このフォトマスクに形成される所望パターンのデータを、マスクを製作する際に使用する電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画(発生)装置に入力可能なマスク描画データへ変換する。
ステップS4で、上記マスク描画データを入力として、電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画装置で所望パターンをマスク基板に描画し、描画がされたマスク基板を現像及びエッチング処理を主とするマスクプロセス工程によりパターン加工して、所望パターンを形成する。その後、マスク上に形成されたパターンが要求する精度を満足しているか、選択的に抽出されたモニタパターン群に対して寸法測定をする。その寸法計測の結果がマスクに要求される寸法精度を満足しているか否かを合否判定する。さらに同様の手順により選択的に抽出されたモニタパターン部の位置精度を計測して、その位置精度の計測結果が要求する位置精度を満足しているか否かを合否判定する。これらの判定の合格品が、ステップS5に示すマスク欠陥検査工程に至る。
このマスク欠陥検査工程では、パターンが所望通りに形成されているか否かを所定の検査感度で検査する。ステップS6で、検出された欠陥部分に対して、修正工程を経て最終的に修正欠陥部の修正精度をモニタして合否判定する。合格となったマスクは、ステップS7で、ペリクル貼り付けを行い、該マスクを使用して半導体デバイスを製造するデバイス製造サイトへ出荷する。しかし、上記マスク欠陥検査工程で修正工程では修正しきれないほどオリジナルパターン部が破壊されていると判断した場合や、マスク欠陥検査工程で検出した欠陥部を修正した結果、所望精度で修正できなかった部分が残存し修正しきれないと判断した場合には、不合格となる。この場合、上記パターン描画工程から始まる一連のマスク製作工程を繰り返すこととなる。
図2は、上述した工程により作成するフォトマスクのパターンイメージを示す平面図である。図中、Fマークを記述している部分が、所望の半導体デバイスパターンが表現される領域a1である。図中、領域b1が、上述の工程で製作したフォトマスクを露光装置で半導体ウェハに転写する際に必要となるアライメント用マーク、及び上記マスク毎に異なる半導体デバイスパターンに依存しないパターン精度をモニタするためのQCマーク群である。図中、領域c1で示す部分が、本実施の形態の骨子であるパターン計測情報や寸法合否判定情報を表現する2次元バーコードの形成部分である。
図3は、これらフォトマスク上に形成するパターン群が表現されたマスク描画データの体系を示す模式図である。同図で示すように、上記の半導体デバイスパターンが表現された本体部パターンデータ31と、アライメントマーク及びQCマークデータ32と、2次元バーコードデータ33とが分別されてディスク3内に格納されている。これらのパターンデータは、マスク上のどの位置へ描画するかを表現したマスク内パターン配置情報30と結びつけてデータ定義されている。
次に、上記の2次元バーコードデータ部分について説明する。
図4は、2次元バーコードの配置を示す平面図である。図中、領域c1,c1が、2次元バーコードを形成する領域に設定されている。1個の2次元バーコードで表現できる文字数には制限があるために、1個の2次元バーコードで表現しきれない場合や、2次元バーコードで表現する情報属性が異なる場合に、2次元バーコードを別定義として複数配置する体系としている。複数の2次元バーコードに亘って表現される場合、この情報属性にて表現する。この2次元バーコードで表現している情報について、以下に説明する。
2次元バーコードで表現する情報体系は、上述した情報属性を表わす(1)属性情報に続いて、(2)実データとして、検査領域定義情報、検査感度情報、検査比較方法情報が表現され、これらには測定マーク位置情報、測定マーク幅情報、測定マーク白黒情報等がある。
図5は、2次元バーコード部で表現するマスク欠陥検査情報の例を示す図である。図中、“Repeat−area1”は同一パターン群で構成される領域を記述しており、“Repeat−area1=X1,Y1,2,2,Xピッチ,Yピッチ”は、単位領域Aのパターンの繰返し構造を表現した記述であり、別の表現形式として、“Repeat−area1=X1,Y1,X2,Y2;”乃至“Repeat−area1=X3,Y3,X4,Y4;”で表現することも可能である。
この表現の中で、area1の数字部が同一パターン群の識別を意味しており、数字が異なることにより基準パターン群が異なることを意味する。さらに、同図に示す斜線部及び網掛部は、領域中に包含されるパターンとして、光透過部に相当するガラス部、光の一部を透過する半透明膜で構成するハーフトーンパターン部、及び光を遮光する遮光膜で構成する遮光膜部の少なくとも3種類で構成されるトライトーン領域を示しており、この領域を“Tri−tone=Xa,Ya,Xd,Yb;”乃至“Tri−tone=Xa,Yc,Xd,Yd;”の記述で表現している。
さらに、上記記述分の行末に定義する“B=1,W=1;”が、行定義に相当する領域の検査感度を示している。B=1が黒欠陥に対する検査感度を定義し、W=1が白欠陥に対する検査感度を定義しており、数値部が検査感度を区別するよう定義している。このようなマスク欠陥に係わる情報を2次元バーコード化してフォトマスクの一部にパターン形成し、マスク欠陥検査工程において上記2次元バーコードに定義された検査情報を読み取り認識し、後述のマスク欠陥検査装置を制御するための検査レシピを作成して、該検査レシピに沿って所望のマスク欠陥検査を行う。
図6は、マスク欠陥検査装置の構成を示すブロック図である。
図中、参照符号103はXYステージを示しており、このXYステージ11上には、半導体デバイスを製造する際に使用するマスクMが載置される。XYステージ103は、計算機106から指令を受けたステージ制御回路107により、X方向(紙面左右方向)およびY方向(紙面上下方向)に駆動されるようになっている。
XYステージ103の位置は、図示しないレーザー干渉計によりモニタされる。モニタされたXYステージ103の位置情報は、ステージ制御回路107に入力される。ステージ制御回路107は、入力された位置情報に基づいて、マスクMを載置したXYステージ103を高精度に制御する。
一方、XYステージ103の上方には光源101が配置されている。光源101から出射した光は、XYステージ103上に載置されたマスクM上を照射する。マスクMを透過した光はCCDセンサに代表される撮像装置105の受光面に結像される。撮像装置105は、例えば、一列に配置された複数の光受光センサを備えている。
マスクM上を上記光で照射しながらXYステージ103を撮像装置105のセンサの読み取り方向(X方向)と直交する方向(Y方向)へ連続移動させることにより、撮像装置105によりマスクMのマスクパターンに対応した検出信号(検出アナログ信号)SIG1が検出される。この検出信号SIG1は例えばマスクパターン寸法に対応する。
計算機106からの指示により、検出アナログ信号SIG1は、AD変換器112により、デジタル信号(検出デジタル信号)SIG2に変換される。AD変換器112から比較回路111に検出デジタル信号SIG2が送出される。さらに、検出デジタル信号SIG2は、検査信号バッファ108内に格納される。
一方、検査対象となるマスクパターンを形成する基となるマスクパターンデータ(パターン設計データ)が計算機106に入力される。計算機106からパターン展開回路109にマスクパターンデータD1が送出される。
パターン展開回路109は、マスクパターンデータD1を展開データD2に展開する。パターン展開回路109から参照データ発生回路110に展開データD2が送出される。
参照データ発生回路110は、撮像装置105で検出した検出信号SIG1に相当する領域のマスクパターンデータを検出デジタル信号SIG2と比較照合可能な信号形式に変換した基準デジタル信号SIG3を作成する。参照データ発生回路110から比較回路111に基準デジタル信号SIG3が送出される。
比較回路111は、計算機106からの指示により、検出デジタル信号SIG2と基準デジタル信号SIG3とを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥ありと判定し、欠陥データを出力する。
上記一連の欠陥検査を繰り返し行うことにより、つまり、撮像装置105の読み取りスキャンおよびマスクMを載置したXYステージ103の連続移動動作を繰り返し行い、マスクM上の所望領域における検出デジタル信号SIG2と基準デジタル信号SIG3とを比較照合することにより、マスクM上に形成されたマスクパターンの検査は行われる。
上記の説明は、検査信号バッファ108に格納された検出デジタル信号SIG2を用いない欠陥検査、つまり、Die-to-Database比較方式の欠陥検査に対応する。
一方、Die-to-Die比較方式の欠陥検査の場合については、検査信号バッファ108に格納された検出デジタル信号SIG2を利用する。
すなわち、上述した手順と同様に、マスクMが載置されたXYステージ103をX方向(紙面左右方向)に連続移動しながら、撮像装置105の光受光センサ群をXYステージ103の移動方向と相反するY方向(紙面上下方向)にスキャンすることにより、マスクM上に形成された繰り返しパターンを含む同一パターン群で構成する領域に対応する検出アナログ信号SIG1(以下、第1の検出アナログ信号SIG1という。)を得て、AD変換器112によりデジタル信号SIG2(以下、第1の検出デジタル信号SIG2という。)に変換する。
さらに、上記とは異なるパターン領域に対応する検出アナログ信号SIG1(以下、第2の検出アナログ信号SIG1)を得て、AD変換器112によりデジタル信号SIG2(以下、第2の検出デジタル信号SIG2という。)に変換する。
比較回路111は、計算機106からの制御信号SIG6(指示)に基づいて、第2の検出デジタル信号SIG2を取り込むとともに、検査信号バッファ108に格納された第1の検出デジタル信号SIG2を読み出して、第1の検出デジタル信号SIG2と第2の検出デジタル信号SIG2との比較照合を行って、二つの部分領域の差異を検査する。
その結果、差異がある場合には、比較回路111はパターン欠陥ありと判定し、欠陥データを出力する。一方、差異がない場合には、比較回路111はパターン欠陥なしと判定し、欠陥なしデータを出力する。
その後、XYステージ103を連続移動方向Xと相反する方向Yへ撮像装置105で検出するスキャン幅分だけステップ移動する工程と、上述した欠陥検査動作を行う工程とからなる一連の工程を繰り返して、マスクM上の同一パターン群が存在するパターン領域の全体の欠陥検査を行う。
図7は、本実施の形態によるマスク欠陥検査の体系図である。まず、上述した“Repeat−area”で定義された繰返し情報を基に、図7に示すマスク上の領域11と領域12に形成されたパターン同士を、die−to−die方式にて検査する。この際、検査するパターン形状から決定する検査感度もしくは検査装置の検査感度が所望感度に満たない場合は、検査装置固有の最高感度にて領域11と12に対する欠陥検査を行う。そして、図7に示す領域21及び領域22に関しても、上記と同様の手順にてdie−to−die方式での欠陥検査を行う。
次に、図7に示す領域31a乃至31fについて、図6に示すマスク欠陥検査装置を用いて、マスク上に形成されたパターンに基づいて得られるマスクパターン検出信号と、マスクにパターン形成する際に用いるマスクデータから作成される基準信号との比較により欠陥を検出するdie−to−database比較による欠陥検査を行う。その時に、検査領域31a乃至31f毎に包含されるパターン群の中で最も厳しい検査感度もしくは検査装置の検査感度が所望感度に満たない場合は、検査装置固有の最高感度にて検査する。
さらに、領域31a乃至31fの外側に位置する図7に示す領域32a乃至32dは、領域中に包含されるパターンとして、光透過部に相当するガラス部、半透明膜で構成するハーフトーンパターン部、及び光を遮光する遮光膜で構成する遮光膜部の少なくとも3種類で構成されるトライトーン領域を示している。通常この領域は、die−to−die検査対象である領域11,12,21,22、及びdie−to−database検査対象である領域31a乃至31fと比べて、包含するパターンカテゴリーから決定する検査感度が緩い場合が多い。したがって、領域32a乃至32dは、検査感度を適正化してdie−to−database比較により欠陥検査を行う。
このような一連の検査手順により、フォトマスクに形成された所望パターン全体に対して適正な検査感度にて欠陥検査を行う。
本第1の実施の形態のフォトマスクの作成方法は、フォトマスクを製作する際に、該フォトマスクに形成したパターンの正否および欠陥の有無を検査するための欠陥検査に係わる情報を2次元バーコード化してフォトマスク上にパターン形成する。そして、フォトマスク上に形成された半導体デバイスのパターンの欠陥検査工程において、該マスクの欠陥検査に係わる情報を、マスク上にパターン形成された2次元バーコード部から読み取り識別し、この識別情報に基づいて、指定領域を指定検査感度で指定の比較方式(マスクに形成された同一パターン群で構成する領域同士の比較を行うdie−to−die方式や、マスクに形成されたパターンと設計データもしくはマスク描画データに基づいて作成するマスク検査データとの比較を行うdie−to−database方式)にて検査し、該フォトマスクの合否を判定する。
これまで、書類や通信手段(コンピュータ通信など)による情報授受により行っていた欠陥保証領域および該領域の欠陥検査感度や比較方式などの欠陥検査に係わる情報は、実際の製造生産物となるフォトマスクとは別の流通経路となっており、その管理もまた同様に別々に管理されていた。
したがって、一度作成したフォトマスクを半導体デバイスの増産やフォトマスクの破損などで再製造する必要が生じた場合、過去に製造した際の欠陥検査に係わる情報をマスク製造時に再度準備することが必須となり、手間とその管理インフラが必要になり、マスク製造に関する省人化と工程簡略化の阻害要因となり、コスト増大の大きな要因となっていた。また、この状況は微細化が急激に進む状況下では、欠陥検査に係わる制御情報が極めて複雑化して、その影響度は益々大きくなる状況にある。
しかし本第1の実施の形態によれば、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクの作成に必要となる描画データと、マスク上に形成したパターンの正否および欠陥の有無を検査するためのマスク欠陥検査に係わる情報とを一体化して管理することが可能になり、フォトマスクに形成された2次元バーコードからマスク欠陥検査に係わる情報を認識して、マスク欠陥検査装置がマスク欠陥検査を行うための制御レシピの作成を自動化することが可能になる。その結果として、マスク製造におけるTATの短縮とマスク製造に係る省人化および管理インフラの削減が可能となり、マスク製造コストの大幅な低減を図ることが可能になる。
本第1の実施の形態によれば、マスク欠陥検査工程の自動化を図ると共に、マスク欠陥検査に係わるドキュメント管理を合理化することが可能になる。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャートである。以下の工程は、フォトマスクに形成したパターンの寸法精度が所望の要求精度であるか否かを検査するマスク寸法保証工程を含む。
まずステップS11で、半導体デバイスを製造するための所望パターンをパターン設計して設計データを作成する。ステップS12で、その設計データに対してCAD処理を行う。このCAD処理には、露光装置でフォトマスクからウェハにパターン転写する際の光近接効果(以下、OPEと呼ぶ)を補正するための光近接効果補正(以下、OPC処理と呼ぶ)、露光後のパターンを現像及びエッチング処理によりパターン加工する際に生じるプロセス近接効果(以下、PPEと呼ぶ)に起因するウェハのパターン変形を補正するためのPPC処理、設計データからフォトマスクに形成すべきパターンデータとするための層間データ演算処理(例:図形データ間のAND・OR処理など)、寸法補正処理(以下、リサイズと呼ぶ)、白黒反転処理などの組合せで構成される。これにより、フォトマスクに形成する所望パターンのデータを作り出す。
ステップS13で、このフォトマスクに形成される所望パターンのデータを、マスクを製作する際に使用する電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画(発生)装置に入力可能なマスク描画データへ変換する。
ステップS14で、上記マスク描画データを入力として、電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画装置で所望パターンをマスク基板に描画し、描画がされたマスク基板を現像及びエッチング処理を主とするマスクプロセス工程によりパターン加工して、所望パターンを形成する。その後ステップS15で、寸法検査工程において、マスク上に形成されたパターンが要求する精度を満足しているかどうかを見極めるために、予め設定されたモニタパターン群に対して選択的に寸法測定をする。ステップS16で、その寸法計測の結果がマスクに要求される寸法精度を満足しているか否かを合否判定する。
この判定で合格となったマスクは、ステップS17で、マスクの欠陥検査を始めとする上記寸法検査以外の検査工程を経て、ペリクル貼り付けを行い、該マスクを使用して半導体デバイスを製造するデバイス製造サイトへ出荷する。しかし、上記寸法計測結果が該マスクに要求される寸法精度を満足していない場合には不合格となり、上記パターン描画工程から始まる一連のマスク製作工程を繰り返すこととなる。
なお、このマスク再製作処理に際しては、上記寸法計測結果に基づいて描画条件や現像とエッチング処理を主とするマスクプロセス条件を調整する場合もある。
図9は、上述した工程により作成するフォトマスクのパターンイメージを示す平面図である。図中、Fマークを記述している部分が、所望の半導体デバイスパターンが表現される領域a2である。図中、領域b2が、上述の工程で製作したフォトマスクを露光装置で半導体ウェハに転写する際に必要となるアライメント用マーク、及び上記マスク毎に異なる半導体デバイスパターンに依存しないパターン精度をモニタするためのQCマーク群である。図中、領域c2で示す部分が、本実施の形態の骨子であるパターン計測情報や寸法合否判定情報を表現する2次元バーコード形成部分である。
図10は、これらフォトマスク上に形成するパターン群が表現されたマスク描画データの体系を示す模式図である。同図で示すように、上記の半導体デバイスパターンが表現された本体部パターンデータ41と、アライメントマーク及びQCマークデータ42と、2次元バーコードデータ43とが分別されてディスク4内に格納されている。これらのパターンデータは、マスク上のどの位置へ描画するかを表現したマスク内パターン配置情報40と結びつけてデータ定義している。
次に、上記の2次元バーコードデータ部分について説明する。
図11は、2次元バーコードの配置を示す平面図である。図中、領域c2,c2が、2次元バーコードを形成する領域に設定されている。1個の2次元バーコードで表現できる文字数には制限があるために、1個の2次元バーコードで表現しきれない場合や、2次元バーコードで表現する情報属性が異なる場合に、2次元バーコードを別定義として複数配置する体系としている。
上記情報属性とは、対象となる2次元バーコードで表現する情報となるパターン計測情報や寸法合否判定情報などを区別するための識別情報であり、さらに複数の2次元バーコードに亘って表現される場合も、この情報属性にて表現する。この2次元バーコードで表現している情報について、以下に説明する。
2次元バーコードで表現する情報体系は、上述した情報属性を表わす(1)属性情報に続いて、(2)実データとして、パターン計測情報や寸法合否情報などの実体情報が定義され、これらには寸法モニタ座標値、設計寸法値、白黒情報、測定パターン形状等がある。
図12は、2次元バーコード部で表現するパターン計測情報の体系図である。この図12で表現されている情報は、寸法測定すべきパターンの種類(例:マスク面内の寸法均一性、マスク面間の寸法平均など)を示す記述部分121に続いて、測定パターンに関する記述部分122と測定パターン座標の記述部分123で構成されている。
上記測定パターンに関する記述部分122は、図13の(a)(b)(c)に示すような測定パターン形状(この例ではHole形状やライン形状パターン)を識別するキーワード(図12の記述部分122のSLに相当)と、測定パターンの測定部が白パターン部(ガラス部に相当)か黒パターン部(クロム部または半透明膜部)かを示すキーワード(図12の記述部分122のBに相当)と、測定部が測定パターンのX寸法かY寸法か、または両方かを示すキーワード(図12の記述部分122のYに相当)と、測定パターンの誤差が0の時の設計寸法値を示すキーワード(図12の記述部分122の1.3に相当)とで表現している。そして、測定パターン座標に関する記述部分123は、測定パターン部の中心座標値を表現している。
このような、情報定義がされた2次元バーコードを含むマスク描画データにてマスクを製作し、製作したマスクの2次元バーコード部から上記パターン計測情報を読み取って寸法計測装置で寸法計測するための測定レシピを作成し、この測定レシピに沿って所望のパターンの計測を行うことにより、対象マスクのマスク面内の寸法均一性及び計測寸法の平均値を、該マスクの寸法オフセット値として算出する。
図11で示したように、2次元バーコードで表現されたマスク寸法合否判定情報(上記パターン計測情報の2次元バーコードとは属性情報で区別する)が、マスクの2次元バーコード形成領域c2に形成されている。このバーコード情報を読み取り、該マスクに許容できる寸法均一性の許容範囲と同じく該マスクに許容できる寸法オフセットの許容範囲を認識して、上記のようにして得た寸法均一性及び寸法オフセットのパターン計測結果と比較照合する。これにより、該マスクが合格(欠陥検査などの後工程へ進む)か、不合格(マスクを再製作する)かを判定する。
なお、上記マスクの合否判定に際しては、計測された寸法均一性の計測結果と寸法オフセットの計測結果に該対象マスクの位相差・透過率の計測結果を加え、それぞれの所望値と計測結果との差を、フォトマスクを半導体ウェハに露光及びパターン加工する際の劣化量に換算して、該劣化量が許容範囲内か否かによりマスク合否を判定するための劣化量算出関数を上記2次元バーコードにパターン形成する方法も、一実施の形態として適用可能である。
図14は、クリティカルパターン抽出のイメージ図である。図14に示すように、製作するマスクに包含されるパターンを露光装置でマスクからウェハに転写する際の露光条件や、露光したウェハ上のパターンを現像してエッチング処理する際の条件を想定してシミュレーションを行い、局所的な寸法変動の影響を見積もる。この寸法変動量が例えば10%以上であったり、隣接パターンと干渉してオープン(パターンが断線)したりショート(パターン繋がってしまう)に至ったりするなどの境界条件を設定し、該境界条件以上の寸法変動を生じる可能性のある箇所を抽出する。図8では、丸部分が抽出箇所に相当する。
上記抽出箇所に関するパターン部をクリティカル情報として、図11に示した2次元バーコードでパターン形成し、クリティカル情報であることを2次元バーコード部の属性情報で区別して定義する。
そして、上述したマスク面内の寸法均一性及び計測寸法の平均値を計測するのと同様の手順で、パターン寸法測定及びマスクの合否判定を行う。
本第2の実施の形態のフォトマスクの作成方法は、フォトマスクに所望パターンを形成する際に、該フォトマスクの寸法をモニタして寸法保証するための寸法管理情報を2次元バーコード化してフォトマスク上にパターン形成する。そして、フォトマスク上に形成された半導体デバイスのパターンが所望の許容範囲内で寸法制御されて形成されているかを検査するマスク検査工程において、マスク寸法をモニタするパターン測定情報を、マスク上にパターン形成された2次元バーコード部から読み取り識別し、この識別情報に基づいて、指定パターン部の寸法測定を行い、さらには2次元バーコード部から測定寸法結果が所望の許容範囲内であるかを判定するための合否判定情報を読み取り識別し、該フォトマスクの寸法合否を判定する。
これまで、書類や通信手段(コンピュータ通信など)による情報授受により行っていた寸法保証位置および保証パターンに関する情報とフォトマスクの合否を決める情報は、実際の製造生産物となるフォトマスクとは別の流通経路となっており、その管理もまた同様に別々に管理されていた。
したがって、一度作成したフォトマスクを半導体デバイスの増産やフォトマスクの破損などで再製造する必要が生じた場合、過去に製造した際の寸法保証および保証パターンに関する情報と製造したフォトマスクの合否を判定する情報をマスク製造時に再度準備することが必須となり、手間とその管理インフラが必要になり、マスク製造に関する省人化と工程簡略化の阻害要因となり、コスト増大の大きな要因となっていた。
しかし本第2の実施の形態によれば、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクの作成に必要となる描画データと、マスク上に形成したパターンの寸法計測情報および寸法計測結果を基にしたパターン形成精度の合否判定情報とを一体化して管理することが可能になると共に、マスク自体に形成された2次元バーコードから寸法計測情報と合否判定情報を認識して寸法計測装置での寸法計測および合否判定を自動化することができる。その結果として、マスク製造におけるTATの短縮とマスク製造に係る省人化および管理インフラの削減が可能となり、マスク製造コストの大幅な低減を図ることが可能になる。
本第2の実施の形態によれば、マスク寸法保証工程の自動化を図ると共に、寸法保証に関するドキュメント管理を合理化することが可能になる。
(第3の実施の形態)
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャートである。以下の工程は、フォトマスクに形成したパターンの位置精度が所望の要求精度であるか否かを検査するマスク位置精度保証工程を含む。
まずステップS21で、半導体デバイスを製造するための所望パターンをパターン設計して設計データを作成する。ステップS22で、その設計データに対してCAD処理を行う。このCAD処理には、露光装置でフォトマスクからウェハにパターン転写する際の光近接効果(以下、OPEと呼ぶ)を補正するための光近接効果補正(以下、OPC処理と呼ぶ)、露光後のパターンを現像及びエッチング処理によりパターン加工する際に生じるプロセス近接効果(以下、PPEと呼ぶ)に起因するウェハのパターン変形を補正するためのPPC処理、設計データからフォトマスクに形成すべきパターンデータとするための層間データ演算処理(例:図形データ間のAND・OR処理など)、寸法補正処理(以下、リサイズと呼ぶ)、白黒反転処理などの組合せで構成される。これにより、フォトマスクに形成する所望パターンのデータを作り出す。
ステップS23で、このフォトマスクに形成される所望パターンのデータを、マスクを製作する際に使用する電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画(発生)装置に入力可能なマスク描画データへ変換する。
ステップS24で、上記マスク描画データを入力として、電子ビーム描画装置に代表されるパターン描画装置で所望パターンをマスク基板に描画し、描画がされたマスク基板を現像及びエッチング処理を主とするマスクプロセス工程によりパターン加工して、所望パターンを形成する。その後ステップS25で、マスク位置精度検査工程において、マスク上に形成されたパターンの位置が要求する精度を満足しているかどうかを見極めるために、予め設定されたモニタパターン群に対して選択的に位置精度測定をする。ステップS26で、その位置精度計測の結果がマスクに要求される位置精度を満足しているか否かを合否判定する。
この判定で合格となったマスクは、ステップS27で、マスクの寸法検査及び欠陥検査を始めとする上記位置精度検査以外の検査工程を経て、ペリクル貼り付けを行い、該マスクを使用して半導体デバイスを製造するデバイス製造サイトへ出荷する。しかし、上記位置精度計測結果が該マスクに要求される位置精度を満足していない場合には不合格となり、上記パターン描画工程から始まる一連のマスク製作工程を繰り返すこととなる。
なお、このマスク再製作処理に際しては、上記寸法計測結果に基づいて描画条件や現像とエッチング処理を主とするマスクプロセス条件を調整する場合もある。
図16は、上述した工程により作成するフォトマスクのイメージを示す平面図である。図中、Fマークを記述している部分が、所望の半導体デバイスパターンが表現される領域a3である。図中、領域b3が、上述の工程で製作したフォトマスクを露光装置で半導体ウェハに転写する際に必要となるアライメント用マーク、及び上記マスク毎に異なる半導体デバイスパターンに依存しないパターン精度をモニタするためのQCマーク群である。図中、領域c3で示す部分が、本実施の形態の骨子であるパターン位置精度計測情報や位置精度合否判定情報を表現する2次元バーコード形成部分である。
図17は、これらフォトマスク上に形成するパターン群が表現されたマスク描画データの体系を示す模式図である。同図で示すように、上記の半導体デバイスパターンが表現された本体部パターンデータ51と、アライメントマーク及びQCマークデータ52と、2次元バーコードデータ53とが分別されてディスク5内に格納されている。これらのパターンデータは、マスク上のどの位置へ描画するかを表現したマスク内パターン配置情報50と結びつけてデータ定義している。
次に、上記の2次元バーコードデータ部分について説明する。
図18は、2次元バーコードの配置を示す平面図である。図中、領域c3,c3が、2次元バーコードを形成する領域に設定されている。1個の2次元バーコードで表現できる文字数には制限があるために、1個の2次元バーコードで表現しきれない場合や、2次元バーコードで表現する情報属性が異なる場合に、2次元バーコードを別定義として複数配置する体系としている。
上記で情報属性とは、対象となる2次元バーコードで表現する情報となるパターン位置精度計測情報や位置精度合否判定情報などを区別するための識別情報であり、さらに複数の2次元バーコードに亘って表現される場合も、この情報属性にて表現する。この2次元バーコードで表現している情報について、以下に説明する。
2次元バーコードで表現する情報体系は、上述した情報属性を表わす(1)属性情報に続いて、(2)実データとして、位置精度を計測するための測定マーク位置情報、測定マーク幅及び測定マークの白黒情報や、計測された測定マーク位置に基づいて計算される倍率・直交度・オフセット・ローテーション成分及び前記成形成分を除外して導出される残渣成分の合否判定情報などが定義される。
図19の(a)は、2次元バーコード部で表現する位置精度計測情報の体系図である。図19の(b)は測定マークの例を示す図、図19の(c)はマスク上の測定位置座標系を示す図である。図19の(a)で表現されている情報は、位置測定すべき測定マークが抜きパターン(白=ガラス部)であるか残しパターン(黒=遮光膜部)であるかを識別するコード化情報、測定マークのパターン幅を表現したコード化情報、及び測定マークの描画パターンデータ上での位置を示すコード化情報から構成される1マーク測定に係わる情報の集合体である位置精度計測情報であり、2次元バーコード部に、テキストのままの形式もしくは暗号化された形式で表現され、マスク上にパターン形成される。図19の(a)において、「B」は測定パターンが黒であることを示し、「1.0」は測定パターンのサイズが1.0μmであることを示し、「Rel=6908.000000:−9995.000000」は、ウェハ中心を原点とした場合の測定位置[μm]を示す。
このような、情報定義がされた2次元バーコードを含むマスク描画データにてマスクを製作し、製作したマスクの2次元バーコード部からパターン計測情報を読み取って、上記一連の測定マークが実際にマスク上に形成されたパターン部分を位置精度計測装置で位置寸法計測するための測定レシピを作成し、この測定レシピに沿って所望のパターン位置計測を行うことにより、対象マスクの位置精度を算出する。
具体的には、図20に示すようなマスク面内に配置された十字形状の位置精度測定マーク群のパターン位置計測を行い、計測された測定位置データと描画パターンデータに定義された上記測定マーク部の理想位置とのずれから、製作したマスクの倍率(x、y)・直交度・オフセット(x、y)・ローテーションおよび上記誤差成分の中からウェハ露光時の露光装置で補正可能な線形成分である倍率・直交度を除外したランダム誤差成分となる残渣成分を導出する。
そして、これらのパターン位置精度の計測結果は、図18で示したように、2次元バーコードで表現されたマスク位置精度合否判定情報(上記パターン位置精度計測情報の2次元バーコードとは属性情報で区別する)が、マスクの2次元バーコード形成領域c3に形成されている。このバーコード情報を読み取り、該マスクに許容できる位置精度の許容範囲とパターン位置精度の計測結果とを比較照合する。これにより、該マスクが合格(欠陥検査などの後工程へ進む)か、不合格(マスクを再製作する)かを判定する。
なお、上記マスクの合否判定に際しては、計測された位置精度の計測結果を、フォトマスクを半導体ウェハに露光及びパターン加工する際の劣化量に換算して、該劣化量が許容範囲内か否かによりマスク合否を判定するための劣化量算出関数を上記2次元バーコードにパターン形成する方法も、一実施の形態として適用可能である。
本第3の実施の形態のフォトマスクの作成方法は、フォトマスクに所望パターンを形成する際に、該フォトマスクのパターン位置精度をモニタして保証するための位置管理情報を2次元バーコード化してフォトマスク上にパターン形成する。そして、フォトマスク上に形成された半導体デバイスのパターンが所望の許容範囲内で位置制御されて形成されているかを検査するマスク検査工程において、マスク上に形成されたパターン位置精度をモニタするパターン測定情報を、マスク上にパターン形成された2次元バーコード部から読み取り識別し、この識別情報に基づいて、指定パターン部の位置精度測定を行い、さらには2次元バーコード部から測定位置精度が所望の許容範囲内であるかを判定するための合否判定情報を読み取り識別し、該フォトマスクの位置精度を合否判定する。
これまで、書類や通信手段(コンピュータ通信など)による情報授受により行っていた位置精度測定情報および合否判定する為の情報は、実際の製造生産物となるフォトマスクとは別の流通経路となっており、その管理もまた同様に別々に管理されていた。
したがって、一度作成したフォトマスクを半導体デバイスの増産やフォトマスクの破損などで再製造する必要が生じた場合、過去に製造した際の位置精度測定情報および合否判定する為の情報をマスク製造時に再度準備することが必須となり、手間とその管理インフラが必要になり、マスク製造に関する省人化と工程簡略化の阻害要因となり、コスト増大の大きな要因となっていた。
しかし本第3の実施の形態によれば、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクの作成に必要となる描画データと、マスク上に形成したパターンの位置精度計測情報および位置精度計測結果を基にしたパターン位置精度の合否判定情報とを一体化して管理することが可能になると共に、マスク自体に形成された2次元バーコード部から位置精度計測情報と合否判定情報を認識して位置精度計測装置での位置精度計測および合否判定を自動化することができる。その結果として、マスク製造におけるTATの短縮とマスク製造に係る省人化および管理インフラの削減が可能となり、マスク製造コストの大幅な低減を図ることが可能になる。
本第3の実施の形態によれば、マスク寸法保証工程の自動化を図ると共に、寸法保証に関するドキュメント管理を合理化することが可能になる。
なお、本発明は上記各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
第1の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャート。 第1の実施の形態に係るフォトマスクのパターンイメージを示す平面図。 第1の実施の形態に係るマスク描画データの体系を示す模式図。 第1の実施の形態に係る2次元バーコードの配置を示す平面図。 第1の実施の形態に係る2次元バーコード部で表現するマスク欠陥検査情報の例を示す図。 第1の実施の形態に係るマスク欠陥検査装置の構成を示す図。 第1の実施の形態に係るマスク欠陥検査の体系図。 第2の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャート。 第2の実施の形態に係るフォトマスクのパターンイメージを示す平面図。 第2の実施の形態に係るマスク描画データの体系を示す模式図。 第2の実施の形態に係る2次元バーコードの配置を示す平面図。 第2の実施の形態に係る2次元バーコード部で表現するパターン計測情報の体系図。 第2の実施の形態に係る測定パターン形状を示す図。 第2の実施の形態に係るクリティカルパターン抽出のイメージ図。 第3の実施の形態に係る半導体デバイスの製造に用いられるフォトマスクの作成工程のフローチャート。 第3の実施の形態に係るフォトマスクのパターンイメージを示す平面図。 第3の実施の形態に係るマスク描画データの体系を示す模式図。 第3の実施の形態に係る2次元バーコードの配置を示す平面図。 第3の実施の形態に係る2次元バーコード部で表現する位置精度計測情報の体系図、測定マークの例を示す図、及びマスク上の測定位置座標系を示す図。 第3の実施の形態に係るパターン位置精度の導出イメージを示す図。
符号の説明
101…光源 102…レンズ 103…XYステージ 104…レンズ 105…撮像装置 106…計算機 107…ステージ制御回路 108…検査信号バッファ 109…パターン展開回路 110…参照データ発生回路 111…比較回路 112…A/D変換器

Claims (5)

  1. フォトマスクの検査のための情報をコード化したパターンを前記フォトマスク上に形成し、
    前記パターンから前記検査のための情報を読み取り、
    読み取った前記検査のための情報を基に前記フォトマスクを検査することを特徴とするフォトマスクの作成方法。
  2. 前記パターンは2次元バーコードからなることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクの作成方法。
  3. 前記検査のための情報は欠陥検査に係る情報を含む請求項1または2に記載のフォトマスクの作成方法。
  4. 前記検査のための情報は寸法検査に係る情報を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトマスクの作成方法。
  5. 前記検査のための情報は位置精度検査に係る情報を含む請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトマスクの作成方法。
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