JP2007223112A - インクジェット用インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットであって、無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含むことを特徴とするインクジェット用インクセット、該インクジェット用インクセットを収容したインクカートリッジ、該インクジェット用インクセットを用いるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、
<1> 白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットであって、無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含むことを特徴とするインクジェット用インクセットである。
<2> 前記無機酸化物顔料の数平均分散粒径が10〜100nmの範囲にあることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用インクセットである。
<4> 前記無機酸化物顔料が二酸化チタンであることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用インクセットである。
<6> 前記樹脂が可溶化基として弱酸性の官能基を有する樹脂であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用インクセットである。
<8> 前記無機酸化物顔料を凝集させる物質が有機酸およびその塩であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用インクセットである。
<10> <1>に記載のインクジェット用インクセットを収納したことを特徴とするインクカートリッジである。
<12> 前記第二の液体を吐出した後、前記インクを吐出さることを特徴とする<11>に記載のインクジェット記録方法である。
<14> 前記第二の液体を記録媒体上に塗布した後、前記インクを吐出さることを特徴とする<13>に記載のインクジェット記録方法である。
<16> 無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含む白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットを用い、前記インクを記録媒体に向けて吐出させるインクジェットヘッドと、前記第二の液体を記録媒体上に塗布するロールと、を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明のインクジェット用インクセット(以下、「本発明のインクセット」という場合がある。)は、白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットであって、無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含むことを特徴とする。
以下、これらインクジェット用インクセットを構成する材料について順次説明する。
本発明のインクセットにおけるインクは、色材として無機酸化物顔料を含有する。本発明のインクセットは、色材として無機酸化物顔料を後述する樹脂と共に用いることにより、印字濃度が高く、形成された画像上に画像を形成した場合での下の画像の隠蔽性、定着性及び保存安定性が優れるインクセットとなる。前記無機酸化物顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモンが挙げられ、二酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
また、前記無機酸化物顔料は、樹脂による分散性を高めるため、シリカ/アルミナ等の表面処理がされていてもよい。
レーザー回折・散乱法:レーザー光を粒子に照射し、発生した散乱光をレンズで集め、得られた回折像の明るさと大きさにより粒子径とその分布を決定する。
本発明のインクセットにおけるインクは、分散剤として樹脂を含有する。樹脂を含有することにより定着性、分散性が向上し、前記無機酸化物顔料の数平均分散粒径を小さくしても沈降を抑制することができる。ここで本発明における樹脂とは、数平均分子量1000〜500000であるポリマーをいう。
ここで弱酸性の官能基とは、H+を生じるがその電離度が1に満たない酸性基である官能基のことをいい、具体的には、カルボン酸基、有機リン酸基、フェノール性OH基などが挙げられ、カルボン酸系の官能基が好ましい。
一方、弱塩基の官能基とは、OH-を生じるがその電離度が1に満たない塩基性基である官能基のことをいい、具体的には、アミノ基、イミノ基などが挙げられる。
両性化合物の高分子化合物としては、ベタイン型化合物等が挙げられる。
本発明において使用される無機酸化物顔料を凝集させる物質(以下、「本発明に係る凝集剤」という場合がある。)とは、無機酸化物顔料と反応、又は、相互作用をすることで、増粘又は凝集を起こす効果を有する物質のことを示す。このような物質としては、多価金属イオン又はカチオン性物質が挙げられる。具体的には、下記に示す、無機金属塩、有機ポリアミン化合物、及び有機酸およびその塩などが有効に使用され、有機酸およびその塩が好ましい。
具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、及び、これら化合物のスルフォニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、又は、リン酸エステル等が挙げられる。
Mは、水素原子、アルカリ金属又はアミン類を表す。Mとして好ましくは、H、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等であり、より好ましくは、H、Na、Kであり、更に好ましくは、水素原子である。
nは、3〜7の整数である。nとして好ましくは、複素環が6員環又は5員環となる場合であり、より好ましくは、5員環の場合である。mは、1又は2である。
一般式(1)で表される化合物は、複素環であれば、飽和環であっても不飽和環であってもよい。lは、1〜5の整数である。
第二の液体中における本発明に係る凝集剤の含有量は、第二の液体の全質量に対し、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは0.25質量%以上10質量%以下である。第二の液体中における本発明に係る凝集剤の添加量が0.01質量%未満の場合には、インク接触時において無機酸化物顔料の凝集が不充分となり、光学濃度、滲み、色間滲みが悪化する場合があり、一方、添加量が30質量%を超える場合には、噴射特性が低下し、液体が正常に噴射しない場合がある。
本発明に用いられる水溶性有機溶媒としては、水に0.1質量%以上溶解するものであれば適宜使用できるが、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が好ましく使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンオール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明のインクセットにおいては、各液体中に界面活性剤を添加することもできる。本発明における界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物であれば有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。
その他、本発明のインクセットには、吐出性改善等の特性制御を目的とし、インク、第二の液体の各々に、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加することができる。
一方、記録媒体に対する乾燥性および画像ムラを考慮すると、インク及び第二液の表面張力は20〜40mN/mが好ましい。
また、インク中に樹脂を含有しているため、顔料の定着性も向上している。
本発明のインクカートリッジは、既述の本発明のインクセットを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で
形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
また、前記容器として、例えば、特開2001−138541等に記載のインクタンクを適用することができる。
この場合、本発明のインクセットにおけるインクや第二の液体をインクタンクに充填するため、インクジェットヘッドからインク吐出する際においても、インクタンクにおけるける長期保管時のインク特性変化が抑制され、特に長期保管時の記録ヘッドからの噴射性において充分満足できるものとなる。
本発明のインクジェット記録方法は、既述の本発明のインクセットを用い、少なくとも前記インクをインクジェットヘッドより記録媒体に向けて吐出させて画像を形成するものであり、前記インク及び第二の液体をインクジェットヘッドより記録媒体に向けて吐出させ、該インク及び第二の液体をそれぞれ記録媒体上で接触させて画像を形成することが好ましい。
前記インクの吐出量が第二の液体の吐出量に対して少なすぎたり、多すぎたり場合には、凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合がある。ここで、画素とは、所望の画像を主走査方向、及び、副走査方向に対してインクを付与可能な最小距離で分割した際に構成される格子点であり、夫々の画素に対して適切なインクセットを付与することで、色及び画像濃度が調整され、画像が形成される。
但し、一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット装置において、上記ドロップ量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
図1は本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図2は、図1のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。本実施形態の画像形成装置100は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。すなわち、図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1を画像形成装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインク及び液体組成物を吐出して画像を形成する画像形成部8(画像形成手段)とそれぞれのサブインクタンク5へインク及び処理液を補給するメインインクタンク4とから構成されている。
ここで、メインインクタンク4も、同様にそれぞれ異なる色のインク及び処理液が納めされたメインインクタンク41、42、43、44、45、48を有している。そして、これらには、例えば、ブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ホワイト(W)、処理液として第2の液体が満たされ、それぞれが画像形成装置100に脱着可能に格納されている。
更に、本発明のインクジェット記録装置は、既述の本発明のインクセットを用い、前記インクを記録媒体に向けて吐出させるインクジェットヘッドと、前記第二の液体を記録媒体上に塗布するロールと、を備えていることも好ましい態様(第二の態様)である。
また、本発明のインクジェット記録方法(装置)の第二の態様において、1画素を形成するために要する前記インクの吐出量と第二の液体の塗布量との質量比は、1:20〜20:1であることが好ましい。より好ましくは1:10〜10:1であり、さらに好ましくは、1:5〜5:1である。
また、新たに白色画像を形成した場合は、印字濃度が高い白色画像が得られる。
更に、白色以外の画像が形成された箇所に再度白色画像を形成した場合は、白色以外の画像に対して高い隠蔽性を有する。
尚、以下の実施例において、表面張力、粘度は下記方法にて測定した。
−表面張力−
23±0.5℃、55±5%RHの環境において、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用いて、得られたインクの表面張力を測定した。
−粘度−
レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、得られたインクの粘度を測定した。その測定は、インクを測定容器に入れ、所定の方法で装置に装着し、測定温度は23℃、せん断速度は1400s-1の条件で行った。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:80質量%、平均一次粒子径:15nm、チタネートカップラーにより表面処理)500g、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体に水酸化ナトリウムを加えて中和した樹脂50g、及び純水を混合した後、サンドミルにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:25質量%、数平均分散粒径:45nm、二酸化チタン:樹脂比率(質量比)=1:0.1)を得た。
・上記顔料分散液 24質量部
・ジエチレングリコール 15質量部
・グリセリン 20質量部
・サーフィノール465 1.0質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.1近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:43nm、η(粘度)=4.8mPas、γ(表面張力)=32mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
・コハク酸 10質量部
・ジエチレングリコール 15質量部
・サーフィノール465(界面活性剤) 0.5質量部
上記組成に純水を加え混合し、さらにアルカリ金属塩水溶液を加えて、pH=4.5に調整し、η=3.2mPas、γ=34mN/mの第二の液体を得た。
得られたインク及び第二の液体を用いて、後述する評価を実施した。
実施例1で調製したインクのみを用いて、後述する評価を実施した。
(インクの調製)
・二酸化チタンゾル(硝酸にて解膠、pH:1.5、一次粒径約:7nm、TiO2濃度 :30質量%) 20質量部
・ジエチレングリコール 28質量部
・オキシエチレンラウリルエーテル 0.1質量部
上記組成に純水を加えたのち、pH=1.8近傍に調整して、数平均分散粒径:15nm、η=3.6mPas、γ=42mN/mのインクを得た。
・硝酸マグネシウム六水和物 5質量部
・ジエチレングリコール 8質量部
・グリセリン 17質量部
・サーフィノール465 0.5質量部
上記組成に純水を加えて、pH=7.0近傍に調整し、η=3.1mPas、γ=34mN/mの第二の液体を得た。
実施例1で調製したインクと、比較例2で調製した第二の液体を用いて、後述する評価を実施した。
比較例2で調製したインクと、実施例1で調製した第二の液体を用いて、後述する評価を実施した。
実施例1で調製した顔料分散液を用い、下記組成のインクを試作した。
(インクの調製)
・上記顔料分散液 24質量部
・グリセリン 15質量部
・ポリエチレングリコール(平均分子量=約200) 2質量部
・オキシエチレンオレイルエーテル 0.2質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.3近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:41nm、η=3.6mPas、γ=38mN/mの二酸化チタン分散インクを得た。
実施例3で調製したインクのみを用いて、後述する評価を実施した。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:75質量%、一次粒子径:50nm、シリケートカップラーにより表面処理)400g、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体に水酸化リチウムを加えて中和した樹脂80g、及び純水を混合した後、ボールミルにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:20質量%、数平均分散粒径:85nm、二酸化チタン:樹脂比率(質量比)=1:0.2)を得た。
・上記顔料分散液 30質量部
・ジプロピレングリコール 15質量部
・グリセリン 25質量部
・1,2−ヘキサンジオール 2質量部
・オルフィンSTG 1.2質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.2近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:87nm、η=6.6mPas、γ=30mN/mの二酸化チタン分散インクを得た。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:95質量%、一次粒子径:35nm、シリケートカップラーによる表面処理)500g、ステアリン酸ソルビタン25g、及び純水を混合した後、サンドミルにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:30質量%、数平均分散粒径:85nm)を得た。
・上記顔料分散液 15質量部
・グリセリン 40質量部
・テトラエチレングリコール 10質量部
・サーフィノール465 1.5質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH7.9近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:360nm、η=3mPas、γ=33mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:95質量%、一次粒子径25nm、チタネートカップラーにより表面処理)500g、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体に水酸化ナトリウムを加えて中和した樹脂2.5g、及び純水を加えて混合した後、サンドミルにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:20質量%、数平均分散粒径:60nm、二酸化チタン:樹脂比率(質量比)=1:0.005)を得た。
・上記顔料分散液 20質量部
・トリエチレングリコール 20質量部
・2−ピロリドン 10質量部
・オルフィンSTG 2.5質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.1近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:63nm、η=4.5mPas、γ=35mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
・クエン酸 6質量部
・グリセリン 10質量部
・サーフィノール465 0.7質量部
上記組成に純水を加え混合し、さらにアルカリ金属塩水溶液を加えて、pH=4.2に調整し、η=2.4mPas、γ=33mN/mの第二の液体を得た。
実施例1〜5及び比較例2、3、5のインクセット、及び比較例1、4のインクを用いて、普通紙(富士ゼロックスC2紙)上に、黒色顔料インク(富士ゼロックス(株)製 Workcentre B900用インク)により文字画像(JEITA標準パターンJ1チャート)の印字されたプリントに対し、文字画像部分が隠れるように、試作したインクジェットヘッド(解像度600dpi)を用いて、第二の液体をインク吐出量の約1/4、インクを1ドロップあたり約20plの吐出量で、この順に約0.2sの印字間隔で連続印字し、又はインクのみソリッドパッチ(2cm×2cm)を黒文字画像上に印字し、以下の(1)〜(5)の評価を実施した。その結果を表1に示す。
黒文字画像上に印字した画像を下記の基準で評価した。
○:黒色文字画像部分が白色で覆われ、読み取り不可。
△:黒色文字画像がやや透けてみえるが、完全には判読不可。
×:黒色文字画像が透けて、判読可能。
印字部を指で擦り、下記の基準で評価した。
○:非画像部への汚れなし。
△:白色画像部がややはがれ落ちるが、下の黒色文字画像は判読不可能。
×:白色画像部がはがれ落ち、下の黒色文字画像が判読可能。
ソリッドパッチを続けて印字して、用紙を重ねた際に、プリントの裏面に前のプリントの画像が転写されなくなるまでの時間を測定し、以下の基準で評価した。
○:乾燥時間が5s未満。
△:乾燥時間が5s以上20s未満。
×:乾燥時間が20s以上。
実施例1〜5及び比較例1〜5で調製したインクについて、60℃/1週間保管した前と後の数平均分散粒径を測定し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
○:保管後の数平均分散粒径から保管前の数平均分散粒径を引いた差が保管前の数平均分 散粒径の±15%未満である。
△:保管後の数平均分散粒径から保管前の数平均分散粒径を引いた差が保管前の数平均分 散粒径の±15%以上±30%未満である。
×:保管後の数平均分散粒径から保管前の数平均分散粒径を引いた差が保管前の数平均分 散粒径の±30%以上である。
実施例1〜5及び比較例2、3、5のインクセット、及び比較例1、4のインクを用いて、上述の条件で印字を行った後、キャップした状態で、23℃/1week放置した。放置後にメンテナンスすることなく、吐出可能なノズルの比率を測定した。その結果を表1に示す。
○:保管後の吐出可能なノズルの比率が90%以上である。
△:保管後の吐出可能なノズルの比率が70%以上90%未満である。
×:保管後の吐出可能なノズルの比率が70%未満である。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:92質量%、一次粒子径35nm、シリケートカップラーにより表面処理)400g、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体に水酸化ナトリウムを加えて中和した樹脂40g、及び純水を加えて混合した後、ナノマイザーにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:15質量%、数平均分散粒径:54nm、二酸化チタン:樹脂比率(質量比)=1:0.1)を得た。
・上記顔料分散液 40質量部
・ジエチレングリコール 15質量部
・ジグリセリンオキシエチレン付加物 10質量部
・オルフィンE1004 0.5質量部
・オルフィンE1010 1質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.1近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:76nm、η=3.8mPas、γ=29mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
・サリチル酸 5質量部
・グリセリン 20質量部
・サーフィノール465 0.5質量部
上記組成に純水を加え混合し、さらにアルカリ金属塩水溶液を加えて、pH=4.0に調整し、η=2.6mPas、γ=32mN/mの第二の液体を得た。
上記インクおよび第二の液体を用いて、リサイクルカラーペーパー100(富士ゼロックス社製)上に、試作したインクジェットヘッド(解像度600dpi)を用いて、第二の液体をインク吐出量の約1/5、インクを1ドロップあたり約25plの吐出量で、第二の液体→インクの順に約0.5sの印字間隔で連続印字し、白色ソリッドパッチ(5cm×5cm)を印字し、前述の(2)、(3)の評価、および以下の(6)の評価を実施した。
JIS P 8148の白色度測定法にのっとり、印字したソリッドパッチの白色度を測定し、以下の基準にのっとり判定した。
○:白色度80%以上。
△:白色度60%以上80%未満。
×:白色度60%未満。
その結果を表2に示す。
(顔料分散液の調製)
二酸化チタンスラリー(ルチル型、TiO2濃度:96質量%、一次粒子径35nm)500g、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体に水酸化ナトリウムを加えて中和した樹脂50g、及び純水を加えて混合した後、ボールミルにより分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(TiO2濃度:20質量%、数平均分散粒径:220nm、二酸化チタン:樹脂比率(質量比)=1:0.1)を得た。
・上記顔料分散液 25質量部
・グリセリン 16質量部
・ジプロピレングリコール 7質量部
・1,2−ヘキサンジオール 4質量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 6質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH8.4近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:210nm、η=3.9mPas、γ=36mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
・ピロリドンカルボン酸 8質量部
・トリエチレングリコール 10質量部
・グリセリン 10質量部
・オキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル 0.8質量部
上記組成に純水を加え混合し、さらにアルカリ金属塩水溶液を加えて、pH=4.3に調整し、η=2.8mPas、γ=34mN/mの第二の液体を得た。実施例1と同様に、上記のインクおよび第二の液体を用い、前述の(1)〜(5)の評価を行った。
(顔料分散液の調製)
酸化亜鉛スラリー(ZnO濃度:90質量%、一次粒子径75nm)300g、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体に水酸化ナトリウムを加えて中和した樹脂10g、及び純水を加えて混合した後、マイクロフルイダイザ−により分散を行い、粗粒分をろ過して、顔料分散液(ZnO濃度:10質量%、数平均分散粒径:87nm、酸化亜鉛:樹脂比率(質量比)=1:0.033)を得た。
・上記顔料分散液 40質量部
・ジエチレングリコール 22質量部
・プロピレングリコール 10質量部
・1,3−ブタンジオール 5質量部
・オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー 1.5質量部
上記組成に純水を加えて混合したのち、pH7.9近傍に調整し、5μmフィルターでろ過を行い、数平均分散粒径:92nm、η=4.4mPas、γ=34mN/mの二酸化チタンが分散したインクを得た。
・フタル酸 7質量部
・エチレングリコール 5質量部
・ジグリセリン 15質量部
・オキシエチレンオレイルエーテル 1.0質量部
上記組成に純水を加え混合し、さらにアルカリ金属塩水溶液を加えて、pH=3.7に調整し、η=3.1mPas、γ=37mN/mの第二の液体を得た。
実施例1と同様に、上記のインクおよび第二の液体を用い、前述の(1)〜(5)の評価を行った。実施例7および8の結果を表3に示す。
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
4 メインインクタンク
5 サブインクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット
15 補給装置
16 補給管
100 画像形成装置
Claims (16)
- 白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットであって、無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含むことを特徴とするインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料の数平均分散粒径が10〜100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料が二酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料が二酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記樹脂が可溶化基として弱酸性又は弱塩基の官能基を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記樹脂が可溶化基として弱酸性の官能基を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料を凝集させる物質が有機酸およびその塩、無機金属塩、及び有機ポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料を凝集させる物質が有機酸およびその塩であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記無機酸化物顔料と樹脂の比率(無機酸化物顔料:樹脂、質量比)が1:0.01〜1:0.3であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 請求項1に記載のインクジェット用インクセットを収納したことを特徴とするインクカートリッジ。
- 無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含む白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットを用い、前記インク及び第二の液体をインクジェットヘッドより記録媒体に向けて吐出させ、該インク及び第二の液体をそれぞれ記録媒体上で接触させて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記第二の液体を吐出した後、前記インクを吐出さることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含む白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットを用い、前記インクをインクジェットヘッドより記録媒体に向けて吐出させ、前記第二の液体をロールにより記録媒体上に塗布させて、該インク及び第二の液体を記録媒体上で接触させて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記第二の液体を記録媒体上に塗布した後、前記インクを吐出さることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録方法。
- 無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含む白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットを用い、前記インク及び第二の液体をそれぞれ記録媒体に向けて吐出させるインクジェットヘッドを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 無機酸化物顔料、及び分散剤として樹脂を含有するインクと、該無機酸化物顔料を凝集させる物質を含有する第二の液体と、を含む白色記録を行うためのインクジェット記録用インクセットを用い、前記インクを記録媒体に向けて吐出させるインクジェットヘッドと、前記第二の液体を記録媒体上に塗布するロールと、を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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