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JP2007221924A - 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器 Download PDF

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JP2007221924A JP2006040210A JP2006040210A JP2007221924A JP 2007221924 A JP2007221924 A JP 2007221924A JP 2006040210 A JP2006040210 A JP 2006040210A JP 2006040210 A JP2006040210 A JP 2006040210A JP 2007221924 A JP2007221924 A JP 2007221924A
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Abstract

【課題】駆動制御を容易に実施できる圧電アクチュエータの提供。
【解決手段】圧電アクチュエータ20は、第1、第2振動領域R1,R2に入力する駆動信号D1,D2の位相差(駆動位相差)の正負の切替により、ロータを正方向および逆方向の両方に駆動可能であり、第1振動領域R1および第2振動領域R2のうち少なくとも位相遅れ駆動信号が供給される方に設けられた検出電極(261または262)により振動状態が検出され、この振動信号(S1またはS2)の駆動信号D1に対する位相差(検出位相差)を基に駆動制御されているので、単調増加または単調減少となる位相差特性を得ることができる。この検出位相差を駆動制御の設定値として駆動制御できるため、複雑なアルゴリズムを必要としないので回路規模が大きくならず、駆動信号の周波数制御を容易に実施することができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れているため、近年、圧電素子の振動を伝達して被駆動体を駆動する圧電アクチュエータが開発されている。
ここで、円環状の圧電素子を用いた圧電アクチュエータが知られ(特許文献1)、このような圧電アクチュエータでは、矩形状などの長手方向を有する形状に圧電素子が形成されている場合よりも、圧電素子の電気機械結合係数が大きいため、寸法に比して大きな出力が得られる。
この圧電アクチュエータの駆動方法は、圧電素子の直径方向に沿った二分線の両側にそれぞれ駆動電極を設け、これらの駆動電極に所定の位相差で駆動信号を供給し、圧電アクチュエータを共振状態とする。これにより、圧電アクチュエータは、各駆動電極が設けられた領域ごとに圧電素子の径方向に沿って内側から外側に、外側から内側に往復する呼吸振動と、各領域間における呼吸振動の位相差により二分線両側の領域が二分線と直交する方向に偏心揺動する屈曲振動とを励振する。
特開2005−86884号公報
特許文献1のような従来の円環型圧電アクチュエータの駆動では、圧電アクチュエータに生じた振動を検出していないため、共振状態を正確に捉えることができず、効率の良い駆動が難しい。そこで、振動を検出する検出電極を圧電素子に設け、その振動状態に基いて駆動周波数を制御することが考えられる。このように駆動周波数を制御する際は、駆動周波数を直接的に変化させると駆動の不安定を招くため、駆動信号に対する振動信号の位相差をフィードバックすることを通じて、駆動周波数を追従変化させる。つまり、駆動信号に対する振動信号の位相差が駆動制御の指標であり、この位相差が単調増加または単調減少でないと駆動周波数を上下する向きを規定できず、駆動制御が難しくなるが、検出電極を設ける位置などによっては、この位相差が単調増加または単調減少にならない。このような困難性から、従来、円環状の圧電アクチュエータにおいては、検出電極が設けられていなかった。このため、駆動周波数制御が適切に行われないことにより、圧電アクチュエータが過剰に励振して破損するなどのおそれがあった。
以上に鑑みて、本発明の目的は、駆動制御を容易に行うことができる圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータは、円環状の圧電素子を備え、当該圧電素子の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータであって、前記圧電素子を直径方向に沿って二分する二分線の両側の第1振動領域および第2振動領域には、それぞれ、駆動信号が供給される1つ以上の駆動電極が前記二分線について略線対称に設けられ、前記駆動信号として、互いに所定の駆動位相差を有する2つがあり、前記駆動信号のうち互いの間で位相が進んでいる位相進み駆動信号が前記第1振動領域および前記第2振動領域の一方に供給され、前記駆動信号のうち互いの間で位相が遅れている位相遅れ駆動信号が前記第1振動領域および前記第2振動領域の他方に供給され、前記第1振動領域および前記第2振動領域のうち少なくとも前記位相遅れ駆動信号が供給される方に、前記圧電素子の振動状態を検出して振動信号を出力する検出電極が設けられ、前記位相進み駆動信号および前記位相遅れ駆動信号の一方と、前記振動信号との位相差である検出位相差に基いて駆動制御が行われることを特徴とする。
また、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法は、円環状の圧電素子を備え、前記圧電素子を直径方向に沿って二分する二分線の両側の第1振動領域および第2振動領域にそれぞれ、駆動信号が供給される1つ以上の駆動電極が前記二分線について略線対称に設けられるとともに、前記第1振動領域および前記第2振動領域の少なくとも一方に、前記圧電素子の振動状態を検出して振動信号を出力する検出電極が設けられた圧電アクチュエータの振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、前記駆動信号として、互いに所定の駆動位相差を有する2つを設け、前記駆動信号のうち互いの間で位相が進んでいる位相進み駆動信号を前記第1振動領域および前記第2振動領域の一方に供給し、前記駆動信号のうち互いの間で位相が遅れている位相遅れ駆動信号を前記第1振動領域および前記第2振動領域の他方に供給し、前記位相進み駆動信号および前記位相遅れ駆動信号の一方と、前記振動信号との位相差である検出位相差を基に前記駆動信号の周波数を可変制御することを特徴とする。
この円環型の圧電アクチュエータは、互いに所定の駆動位相差を有する駆動信号が第1、第2振動領域内にそれぞれ供給されることにより、第1、第2振動領域ごとに圧電素子の径方向に拡縮する呼吸振動と、第1、第2振動領域間における呼吸振動の位相差により二分線の両側の領域が二分線と直交する方向に偏心する屈曲振動とを励振する。そして、圧電アクチュエータの一部が楕円状の軌跡で運動するため、この部分に被駆動体を配置することによって、楕円軌跡との接線方向に被駆動体を高効率で駆動することができる。このような圧電アクチュエータにおいて、駆動信号に対する振動信号の検出位相差を基に駆動制御しようとした場合、駆動信号が所定の駆動位相差を有し、圧電素子における歪の分布が二分線について非対称であることから、検出電極を圧電素子の何処に配置するかについて決めかねるという問題がある。
ここで、駆動位相差(例えば90°)と、検出電極を設ける位置との関係について、本件出願人が鋭意探求した結果、位相遅れ駆動信号が供給される振動領域に検出電極を設け、この検出電極が出力する振動信号と駆動信号との検出位相差を得ることにより、駆動効率が良好な範囲において、検出位相差が単調増加または単調減少になるという新たな知見を得た。
すなわち、前記の発明によれば、振動信号と駆動信号との位相差特性を単調増加または単調減少とすることができ、この検出位相差に基いて、複雑なアルゴリズムを必要とすることなく、駆動信号の周波数制御を容易に実施することができる。そして、このように駆動信号の周波数を制御することにより、周囲温度の変化や、連続駆動による発熱、被駆動体との摩擦による経時変化などによる共振点の変動にも対応でき、安定的に駆動できる。
そして、このように駆動信号の周波数制御を振動信号と駆動信号との検出位相差のみで規定できるため、駆動回路の構成を簡略にでき、これによって、低コスト化できるとともに、故障発生も低減できるなど信頼性を向上させることができる。
なお、第1、第2振動領域には、複数の駆動電極が含まれていてもよい。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記駆動位相差の正負が切替可能に構成され、前記検出電極は、前記第1振動領域および前記第2振動領域の両方にそれぞれ、前記二分線について略線対称にまたは前記圧電素子の円中心に対して互いに略点対称に配置されていることが好ましい。
また、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記駆動位相差の正負を切替可能に構成し、前記検出電極を、前記第1振動領域および前記第2振動領域の両方にそれぞれ、前記二分線について略線対称にまたは前記圧電素子の円中心に対して互いに略点対称に設け、前記駆動位相差の正負の切替に応じて、前記第1振動領域および前記第2振動領域のうち前記位相遅れ駆動信号が供給される方に設けられた前記検出電極を用いることが好ましい。
ここで、第1、第2振動領域にそれぞれ供給される駆動信号の駆動位相差の正負の切替によって、圧電アクチュエータの振動挙動が二分線について略線対称に切り替えられ、被駆動体が正方向および逆方向に駆動される。また、このように二相の駆動信号間の位相差の正負が切り替えられると、位相差進み駆動信号と位相差遅れ駆動信号とが相互に入れ替わるが、第1、第2振動領域のうち位相差遅れ駆動信号が供給される側に設けられた検出電極を使用することは前述と同様である。
前述のように、駆動信号が所定の駆動位相差を有し、圧電素子における歪の分布が二分線に対して非対称であるため、もし検出電極が第1、第2振動領域の片方にしか設けられていないとすると、駆動位相差の正負が切替わった際に振動状態を適切に検出することが困難となるが、本発明によれば、駆動位相差の正負が切替わっても、検出電極の一方を用いることによって、駆動制御を問題なく行うことができる。
また、各検出電極が対称に設けられ、駆動位相差が正の場合でも負の場合でも歪を同様に検出できるので、検出位相差に基いて駆動信号の周波数を制御することにより、駆動位相差が正の場合と負の場合とにおける駆動性能を略同等にすることなどが可能となる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記検出電極は、前記圧電素子の周方向に沿う形状とされていることが好ましい。
この発明によれば、検出電極が圧電素子の周方向に沿う形状とされているので、圧電素子の径方向に拡縮する呼吸振動モードだけでなく、この呼吸振動の第1、第2振動領域における位相差により第1、第2振動領域が二分線と直交する方向に偏心する偏心モードについても、検出電極が設けられた部位における受動的な歪として各検出電極によって検出可能となる。すなわち、偏心モードは圧電素子の円中心が二分線と直交する方向に往来する状態であって、検出電極が周方向に沿っていることにより、第1、第2振動領域のうち一方では外周側が内周側に近接し、他方では内周側が外周側に近接する状態を検知できるので、偏心モードの変位を検出できる。このように、検出電極により、呼吸振動モードと偏心モードとの両方の振動状態を検出でき、これに基いて駆動信号の周波数を適切に制御できる。また、検出電極が設けられた圧電素子の部位に、呼吸振動による歪と偏心による歪とが重畳するので、振動信号の電圧を大きく確保でき、振動状態を良好に検出できる。
ここで、圧電素子の径方向における検出電極の幅寸法は、二分線に沿った方向における検出電極の長さ寸法よりも小さいことが好ましい。これにより、呼吸振動による変位と比べて変位量が小さい偏心による変位を良好に検出でき、検出位相差に基く駆動制御を適切に行うことができる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記検出電極は、前記圧電素子の略中心に形成された孔の周縁に沿って配置されていることが好ましい。
この発明によれば、円環状である圧電素子の孔の周縁、すなわち圧電素子の内周部に検出電極が配置されており、振動の腹となる圧電素子の外周側には駆動電極を配置してこの駆動電極が設けられた部位を能動的に変位させることができるので、検出電極を設けることによって圧電アクチュエータの出力が低下することを防止できる。
また、駆動電極や検出電極は、圧電素子の表面にめっき、スパッタ、蒸着などで形成した電極をエッチング溝などで分割することなどで形成されるが、圧電素子の周方向に沿ってエッチング溝を1本形成することで駆動電極と検出電極とを分割形成する場合、検出電極を外周側に配置した場合は内周側に配置した場合と比べて検出電極が大面積となり、そのぶん駆動電極の面積が小さくなる。これは出力の関係上、得策ではないことからも、検出電極を圧電素子の内周側に配置することが好ましい。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記圧電素子を有する円環状の振動部と、前記振動部に連設され当該振動部を振動可能に支持する一対の支持部とを備え、前記各支持部は、前記振動部の外周部における前記二分線と略直交する位置に設けられていることが好ましい。
この発明によれば、第1、第2振動領域それぞれにおける周方向略中央で振動部が支持されることにより、第1、第2振動領域ごとに振動をバランスよく励振でき、振動部が支持されることによる振動の減衰を極力抑制できる。
なお、振動部の構造としては、例えば、2つの圧電素子の間に円環状の補強板が介装されたものを例示でき、この場合、金属板のプレスなどにより、補強板に支持部を容易に形成できる。
本発明の電子機器は、前述の圧電アクチュエータのいずれかを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータを備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。すなわち、駆動制御に適した位相差特性を得ることができるから、駆動制御を容易に実施でき、低コスト化を促進できるとともに、信頼性向上にも繋げることができる。
本発明の電子機器は、計時部と、この計時部で計時された情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることが好ましい。
ここで、圧電アクチュエータは、例えば、カレンダや時分秒などの表示装置における駆動部として組み込まれる。当該圧電アクチュエータは円環状の圧電素子を備えるため特にトルクが大きく、分厚い指針や日車なども駆動可能となるので、時計の重厚感および高級感を高めることができる。また、駆動周波数の制御により安定駆動できるため、周囲温度の変化や姿勢変化により振動特性が変化しやすい腕時計にも好適である。
なお、時計に圧電アクチュエータを組み込む利点としては、ステッピングモータなどと比べて、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型化・薄型化に有利、高トルクなどが挙げられる。
本発明によれば、検出電極による振動信号と駆動信号との位相差が駆動制御に適したものとなるので、この位相差に基き、駆動制御を容易に実施できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以降の説明では、既に説明した構成と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態に係る電子時計1の外観図である。電子時計1は、計時部としてのムーブメント2と、時分秒を表示するための計時情報表示部としての文字板3、時針4、分針5、秒針6のほか、文字板3に設けられた窓部3Aから日付を表示する日付表示装置10を備えた腕時計(ウォッチ)である。
[2.日付表示装置の構成]
図2は、底板1Aに支持された日付表示装置10を示す平面図である。日付表示装置10は、圧電アクチュエータ20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ30と、ロータ30の回転を減速しつつ伝達する減速輪列40と、減速輪列40を介して伝達される駆動力により回転する日車50とを備えて大略構成されている。
ロータ30は、日の変わり目、あるいは日付補正時に圧電アクチュエータ20により回転駆動される。ロータ30には、板バネ31が設けられ、この板バネ31によってロータ30が圧電アクチュエータ20側に付勢されることで、圧電アクチュエータ20とロータ30との間に適切な摩擦力が発生し、圧電アクチュエータ20のロータ30への振動の伝達効率が良好となっている。
減速輪列40は、ロータ30と同軸に配置されてロータ30と一体的に回転する歯車41と、歯車41に噛合する日回し中間車42と、日回し車43とで構成されている。
なお、底板1Aの下方(裏側)には、水晶振動子が発振するパルス信号で動作するステッピングモータや(図示せず)、ステッピングモータに接続されて時針4、分針5、秒針6を駆動する運針輪列(図示せず)や、電池1B等が設けられている。電池1Bは、ステッピングモータや圧電アクチュエータ20、圧電アクチュエータ20に交流電圧を印加する駆動回路(図示せず)などの各回路に電力を供給する。
日回し中間車42は、大径部421と小径部422とから構成されている。小径部422は、大径部421よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部423が形成されている。この小径部422は、大径部421に対し、同心をなすように固着されている。大径部421には、ロータ30の上部の歯車41が噛合していることにより、日回し中間車42は、ロータ30の回転に連動して回転する。
日回し中間車42の側方の底板1Aには、板バネ424が設けられており、この板バネ424の基端部が底板1Aに固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ424の先端部は、日回し中間車42の切欠部423に出入可能に設けられている。板バネ424に近接した位置には、接触子425が配置されており、この接触子425は、日回し中間車42が回転し板バネ424の先端部が切欠部423に入り込んだときに、板バネ424と接触するようになっている。そして、板バネ424には、所定の電圧が印加されており、板バネ424が接触子425に接触すると、その電圧が接触子425にも印加される。従って、接触子425の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車50の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車50の回転量は、板バネ424や接触子425を用いたものに限らず、ロータ30や日回し中間車42の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどを利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車50は、リング状であり、その内周面に内歯車51が形成されている。日回し車43は、五歯の歯車を有しており、日車50の内歯車51に噛合している。また、日回し車43の中心には、シャフト431が設けられており、このシャフト431は、底板1Aに形成された貫通孔1Cに遊挿されている。貫通孔1Cは、日車50の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車43およびシャフト431は、底板1Aに固定された板バネ432によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ432の付勢作用によって日車50の揺動も防止される。
[3.圧電アクチュエータの構成]
次に、圧電アクチュエータ20について説明する。圧電アクチュエータ20は、日付の変わり目に、あるいは、日付補正時に起動され、交流電圧による二相の駆動信号が供給されることにより、ロータ30を駆動する。なお、ロータ30と圧電アクチュエータ20とは、平面的に並べて配置されている。
図3は、図2の部分拡大図であり、図4は、圧電アクチュエータ20の斜視図である。
圧電アクチュエータ20は、図4に示すように、中央に孔20Cを有する円環状であり、補強板23の表裏に圧電素子21,22が積層された圧電振動体20Aと、駆動制御回路100(図6)が実装された図示しない回路基板とを備えている。
圧電アクチュエータ20には、所定の位相差を有する駆動信号がそれぞれ供給される領域として、直径に沿った二分線L1(図5)を境に、第1振動領域R1と第2振動領域R2とがそれぞれ略半円形状に設けられている。
圧電素子21,22は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等から任意に選択した材料により、円環状に形成されている。
これらの圧電素子21,22の表面において、第1振動領域R1には、駆動信号が供給される円弧状の駆動電極251と、これよりも内周側に、圧電振動体20Aの振動状態を検出する検出電極261とが設けられている。圧電アクチュエータ20の駆動時、検出電極261が設けられた部位も変位して誘電分極が生じることにより、この検出電極261から、変位(歪)の状態に応じた交流電圧が駆動信号と同じ周波数で振動信号として出力される。この振動信号の電圧は、圧電アクチュエータ20が共振状態の場合、例えば駆動信号の電圧の10倍程度と高くなっている。
一方、第2振動領域R2にも、二分線L1を挟んで、振動領域251および検出電極261と線対称になるように、駆動電極252および検出電極262が設けられている。
このように、第1、第2振動領域R1,R2の両方にそれぞれ設けられた検出電極261,262は、いずれも、孔20Cの周縁に沿って、圧電素子21,22の周方向に沿う形状であり、また、圧電素子21,22の径方向における幅寸法Wよりも、二分線L1に沿った方向における長さ寸法Lの方が大きくなっている。
これらの駆動電極251,252および検出電極261,262は、具体的に、圧電素子21,22の表面にニッケルあるいは金などによるめっき、スパッタ、蒸着等をして電極面を形成し、この電極面をエッチング等による溝271〜273によって分割することにより形成されている。すなわち、二分線L1に沿った溝271,272により、第1振動領域R1と第2振動領域R2とが分けられ、周方向に沿った溝273により、駆動電極251と検出電極261とが、また、駆動電極252と検出電極262とが、それぞれ分けられている。
なお、底板1Aと対向する圧電素子22も、表側の圧電素子21と同様に第1、第2振動領域R1,R2が設けられており、第1振動領域R1には駆動電極251および検出電極261が設けられ、第2振動領域R2には駆動電極252および検出電極262が設けられている。そして、圧電素子21側の電極と、圧電素子22側の電極とは、リード線などで互いに導通されている。例えば、駆動電極251の裏面側には、駆動電極251が配置され、これらは互いに導通され、共に同じ駆動信号で同時に伸縮する。
これらの駆動電極251,252および検出電極261,262は、孔20Cの中を通した導線280,281,282,283により、駆動制御回路100(図6)に接続されている。このように孔20Cの中に配線を通すことにより、振動体をコンパクトに設置することができる。また圧電アクチュエータ20は円環状でかつ薄型であるため、孔20Cの中に指針を通すこともでき、従来は困難であった多針表示も可能である。
補強板23は、ステンレス鋼、その他の導電性材料から形成され、圧電素子21,22が接着される円環状の本体231と、本体231に連設されて本体231を振動可能に支持する一対の支持固定部232とを一体に有する。この補強板23は、圧電素子21,22の駆動電極251,252および検出電極261,262に対する共通の電極としてグランド(GND)に接続されている。
本体231は、圧電素子21,22への電圧印加により振動し、圧電素子21,22と共に振動部20Bを構成する。本体231の二分線L1両端側には、二分線L1に沿って突出する突起231A,231Bがそれぞれ形成され、一方の突起231Aがロータ30の側面に当接される。このとき、突起231A,231Bは、ロータ30外周に対する法線上に配置される。
支持固定部232は、底板1Aにネジ232C(図4)で固定される固定部232Bと、振動部20Bの外周部において二分線L1と略直交する位置に設けられる括れ部232Eおよび底板1Aに設けられた切り欠き部285によって自由に振動することができる部位232Dからなる可振動部232Aと、からなっている。可振動部232Aを設けることにより、振動部20Bの振動エネルギーの固定部232Bへの伝達を低減でき、駆動効率の向上を図ることができる。
[4.圧電アクチュエータの駆動制御回路の構成および作用]
図6は、圧電アクチュエータ20の駆動制御回路100のブロック図である。駆動制御回路100は、大別して、波形整形・インピーダンス整合部110、フィルタ・移相部120、電力増幅部130、圧電アクチュエータ20に駆動信号を供給する駆動部140、および速度調整手段150を備えて構成されている。
速度調整手段150は、ロータ30の回転量を検出する接触子425と、ロータ30の目標回転速度を設定する目標値設定部151と、接触子425で検出された回転速度および前記目標値の差に基づく制御信号を出力するCPUからなる制御指示部152と、駆動信号制御部160とを備えている。
波形整形・インピーダンス整合部110は、具体的な回路図は省略するが、保護ダイオードや、抵抗、電界効果トランジスタ(FET)、カップリングコンデンサなどを備えて構成されている。波形整形・インピーダンス整合部110の入力端子には、圧電アクチュエータ20に設けられた検出電極261,262のいずれかがスイッチ111を介して接続される。スイッチ111は、正逆切替信号源142からの制御信号により切り替えられる。
なお、圧電アクチュエータ20の検出用電極261,262から得られた検出信号は、出力インピーダンスが非常に高い。また、駆動条件によっては想定電位の範囲を超える電位が出力される場合もある。このため、検出信号は、図示略の保護ダイオードを介して、FETに入力されている。この信号は、FETで増幅され、次段のフィルタ・移相部120に信号を伝達するのに充分な電流が得られる。ここで、波形整形・インピーダンス整合部110に入力される検出信号の波形を図7(B)に示し、波形整形・インピーダンス整合部110の出力信号の波形を図7(C)に示す。
フィルタ・移相部120は、波形整形・インピーダンス整合部110からの入力信号を積分し、検出信号の急激な変動を吸収する積分回路や、検出信号の不要な低周波成分を除去するハイパスフィルタなどを備えて構成されている。このような構成では、積分回路のローパス特性により、フィルタ・移相部120全体としてはバンドパス特性となっている。
フィルタ・移相部120の出力信号の波形を図7(D)に示す。フィルタ・移相部120は、図7(B)に示す検出信号の位相を、圧電アクチュエータ20の共振周波数付近で図7(D)の様に所定角度変化させる。この所定角度は、フィルタ・移相部120の設定値として予め設定されている。
フィルタ・移相部120で変化させる位相の所定角度は、具体的には圧電アクチュエータ20の駆動特性および要求される駆動条件に応じて、略最大効率の駆動状態となる駆動周波数を実現するように設定される。なお、圧電アクチュエータ20の共振周波数は、圧電素子21,22や補強板23の材料特性や寸法などによって設定される。例えば、本実施形態では、圧電アクチュエータ20の共振周波数は、約108〜約110kHzとなっている。
なお、共振状態では、略最大の駆動効率となるが、共振点付近であれば、圧電アクチュエータ20として駆動可能である。ただし、圧電アクチュエータ20は共振を利用するものであるため、共振点から大きく外れると、圧電アクチュエータ20の振動振幅が非常に小さくなり、ロータ30を殆ど駆動できない。
本実施形態では、フィルタ・移相部120による移相量は所定の値に決められ、予めメモリに記憶されている。ただし、圧電アクチュエータ20の起動時に、実際にロータ30を駆動することなどで駆動に適した移相量を実測し、この際に求めた移相量をフィルタ・移相部120に設定してもよい。
電力増幅部130は、演算増幅器や、抵抗、FETで構成されるプッシュプル回路、出力側抵抗などを備えて構成されている。
フィルタ・移相部120から出力された信号は、電力増幅部130において電圧および電流が増幅され、出力される。出力された信号は、駆動部140を介して圧電アクチュエータ20の駆動電極251,252に入力される。演算増幅器の出力信号を図7(E)に示し、駆動信号制御部160の駆動信号を図7(F)に示す。
駆動部140は、電力増幅部130からの出力信号の位相を変化させる移相部141と、移相部141の移相の向きを切り替える正逆切替信号源142と、圧電アクチュエータ20に交番する駆動電圧として駆動信号を供給する2つのドライバ143,144とを備えている。一方のドライバ143は、圧電アクチュエータ20の第1振動領域R1に設けられた駆動電極251に接続され、他方のドライバ144は、圧電アクチュエータ20の第2振動領域R2に設けられた駆動電極252に接続されている。
ここで、ドライバ143には、電力増幅部130から出力された信号がそのまま入力され、この信号がドライバ143で交番電圧とされて圧電アクチュエータ20に供給されるが、ドライバ144には、電力増幅部130から出力された信号が移相部141を介して入力されており、電力増幅部130から出力された信号の位相が所定角度変更される。
移相部141における移相量は、本実施形態では90°となっており、この移相量は正逆切替信号源142からの制御信号により、その正負が切り替えられる。
正逆切替信号源142は、日の変わり目を示す指令値の入力により、ロータ30の回転方向を正方向+(図3)とする制御信号を移相部141に入力し、一方、日付補正時に応じた指令値の入力により、ロータ30の回転方向を逆方向−(図3)とする制御信号を移相部141に入力する。
図8(A)は、ロータ30の回転方向が+のときにドライバ143,144にそれぞれ入力される信号D1,D2(+)を示し、信号D1の位相が0°のとき、移相部141の移相量は+90°となる。このとき、信号D1,D2(+)の間において、信号D1を位相差進み駆動信号といい、信号D2(+)を位相差遅れ駆動信号という。
一方、図8(B)は、ロータ30の回転方向が−のときにドライバ143,144にそれぞれ入力される信号D1,D2(−)を示し、信号D1の位相が0°のとき、移相部141の移相量は−90°となる。このとき、信号D1,D2(−)の間において、信号D1を位相差遅れ駆動信号といい、信号D2(−)を位相差進み駆動信号という。
すなわち、信号D1と信号D2(+または−)との間には+90°または−90°の駆動位相差Xが与えられており、これら信号D1,D2が供給される圧電アクチュエータ20の第1、第2振動領域R1,R2の振動挙動も、この駆動位相差Xに基くものとなる。
なお、図8(A)、(B)に示した波形は、図7(F)に基くが、これよりも模式的に示されている。
また、正逆切替信号源142は、ロータ30の回転方向に応じてスイッチ111を切り替えており、このスイッチ111の切り替えにより、ロータ30の+方向への正転時には圧電アクチュエータ20の検出電極261が波形整形・インピーダンス整合部110に接続され、ロータ30の−方向への逆転時には圧電アクチュエータ20の検出電極262が波形整形・インピーダンス整合部110に接続される。
次に、速度調整手段150において、接触子425からの検出信号は、制御指示部152に送られ、ロータ30の回転速度が検出される。また、制御指示部152には、ロータ30の目標回転速度を設定する目標値設定部151からの目標値も入力される。この目標値設定部151で設定される目標値は、利用者が手動で設定してもよいし、ロータ30で駆動される機器の状態に応じて自動的に設定されるものでもよい。
制御指示部152は、目標値設定部151から入力された目標値と、接触子425から入力された現在の回転速度とを比較し、その差を無くすための制御信号(パルス信号)を駆動信号制御部160に出力する。制御信号PWMinは、例えば、3KHzのパルス信号が利用でき、このパルス信号のデューティ比を前記目標値および実際の回転速度の差に応じて可変することで、ブレーキオフ状態(本実施形態では制御信号PWMinがHレベル信号の状態)、ブレーキオン状態(本実施形態では制御信号PWMinがHレベル信号の状態)の割合を変えて圧電アクチュエータ20の速度を制御する。従って、この制御信号PWMinはいわゆるパルス幅制御を行う信号であり、圧電アクチュエータ20は基本的にパルス幅制御によって調速されている。
ロータ30の回転速度は、接触子425で検出されて制御指示部152に入力される。制御指示部152は、目標値設定部151で設定された目標値と前記回転速度とを比較し、その速度差に応じた制御信号PWMin を出力する。本実施形態では、図7(A)に示すように、制御指示部152から出力される制御信号PWMin は、圧電アクチュエータ20にブレーキを掛けて速度を抑える場合にローレベル信号となり、ブレーキを解除する場合にハイレベル信号となるように設定されている。従って、制御指示部152は、圧電アクチュエータ20を減速する場合には、ブレーキオン制御となるローレベル信号の割合を多くし、増速する場合にはハイレベル信号の割合が多くなるように、制御信号PWMin のデューティ比を制御する。
駆動信号制御部160は、FETおよび負電源Vdd間に直列に接続された振幅制限用抵抗と、この振幅制限用抵抗に並列に接続されたバイパス用スイッチであるFETと、このFETのオン、オフを制御する切替回路とを備えている。切替回路は、制御指示部152から入力される制御信号PWMinによってオン、オフされる。
以上説明した駆動制御回路100では、ドライバ143,144を介して駆動信号が圧電アクチュエータ20の駆動電極251,252に供給されると、圧電アクチュエータ20の振動に応じた振動信号が検出用電極261,262から出力され、振動信号は、波形整形・インピーダンス整合部110、フィルタ・移相部120、電力増幅部130、駆動部140を介して圧電アクチュエータ20の駆動電極に入力される。この信号のループで電圧ゲイン1以上の条件を満たせば、この回路は正帰還となり、ループの位相差が360度の整数倍になる周波数で発振が継続する。すなわち、圧電アクチュエータ20が共振するように適宜移相して、振動信号の位相を駆動電極251,252に駆動信号として戻すことにより、圧電アクチュエータ20を自励発振させることができる。
この信号ループについて図7を参照して説明する。検出電極261,262のいずれかから出力された検出信号は、波形整形・インピーダンス整合部110で増幅、波形整形される。この際、図7(B)に示すように制御信号PWMin がハイレベルおよびローレベル間で切り替わってノイズが発生すると、そのノイズも増幅される。
波形整形・インピーダンス整合部110で増幅、整形された信号は、フィルタ・移相部120で積分され、不要な高周波成分および低周波成分が除去される。入力信号が積分されることで、図7(D)に示すように、前記切替時のノイズも除去される。さらに、圧電アクチュエータ20の共振周波数付近で回路110,120,130および圧電アクチュエータ20で構成されるループの位相遅れが360度の整数倍となるように、信号の位相が変更される。
この信号は、電力増幅部130で増幅、整形され、図7(E)に示す略矩形波状のパルス信号とされる。このパルス信号により、電力増幅部130内のプッシュプル回路によって、出力する信号を正電位Vccおよび負電源Vdd間で切り替え、出力電流が増幅される。この駆動信号が圧電アクチュエータ20の駆動電極251,252に入力される。
一方、ロータ30の速度調整は以下の手順で行われる。
まず、制御指示部152は、接触子425で検出した回転速度および目標値設定部151の目標値の差に基づく制御信号PWMin を駆動信号制御部160に出力する。
駆動信号制御部160では、制御信号PWMin がハイレベル信号の場合、駆動信号制御部160内のFETが切替回路によってオンされる。このとき、FETは負電源Vddに直結し、駆動信号制御部160からの駆動信号は、図7(F)に示すように、正電位Vccおよび負電源Vdd間で変動する。
一方、駆動信号制御部160では、制御信号PWMin がローレベル信号の場合、駆動信号制御部160内のFETがオフとされ、これにより、FETが振幅制限用抵抗を介して負電源Vddに接続する。ここで、振幅制限用抵抗の抵抗値が電力増幅部130内の抵抗に比べて非常に大きいため、電力増幅部130からの出力信号(パルス信号)は負電源Vddまで低下することができず、正電位から僅かに降下した電圧(振幅)となる。そして、駆動信号は変位(振幅)は小さいがその電圧値は僅かに変化しているため、圧電素子21,22も僅かに伸縮し、振動を継続する。すなわち、電力増幅部130内の抵抗と駆動信号制御部160内の抵抗との抵抗比を適切に設定すれば、駆動信号の電圧変位を圧電アクチュエータ20が停止しない限界まで小さくできる。このため、圧電アクチュエータ20は発振を継続し、かつ振動変位が小さくなるためにロータ30の回転速度が低減、つまりブレーキを掛けることができる。従って、ロータ30の速度調整と発振継続とを両立することができる。
[5.圧電アクチュエータの動作]
次に、図9を参照して圧電アクチュエータ20の動作について説明する。圧電アクチュエータ20は、日付の変わり目あるいは日付補正時に起動され、第1、第2振動領域R1,R2には、駆動制御回路100を通じて、正の位相差を有する駆動信号D1,D2(+)あるいは負の位相差を有するD1,D2(−)がそれぞれ供給される(図8参照)。これにより、各圧電素子21,22の厚み方向に電界が生じ、圧電素子21,22は弾性体である補強板23とともに、電界の方向と直交する方向、すなわち圧電素子21,22の径方向に伸縮するいわゆる呼吸振動を励振する。この呼吸振動の腹は振動部20Bの外周部全体である。
ここで、駆動信号D1,D2(+または−)に位相差があることにより、図9に一点鎖線、二点鎖線で別々に示したように、第1振動領域R1における振動挙動と第2振動領域R2における振動挙動とは非対称となる。
このような第1、第2振動領域R1,R2間における呼吸振動の位相差により、第1、第2振動領域R1,R2は圧電アクチュエータ20の円中心Oに対して偏心する。つまり、二分線L1と略直交する方向への屈曲変位により、図9に示したように、圧電アクチュエータ20中央の孔20Cの位置が円中心Oを通る二分線L1の両側を往復する。
このように、圧電アクチュエータ20は、呼吸振動と屈曲振動との混合モードで励振し、共振状態に近い状態で振動する。
ここで、第1、第2振動領域R1,R2に正の位相差の駆動信号D1,D2(+)が供給されるとき、すなわち第1振動領域R1内には位相差進み駆動信号D1が供給され、第2振動領域R2内には位相差遅れ駆動信号D2(+)が供給されるときは、突起231Aの振動軌跡は、図9に+で示したような、二分線L1に対して傾斜した略楕円状の軌跡となる。この振動軌跡との接線方向にロータ30が間欠駆動され、突起231Aが所定の駆動周波数で楕円運動を続けることにより、ロータ30は+方向(図3)に所定の速度で回転し、日車50の回転により日付が変更される。
逆に、第1、第2振動領域R1,R2に負の位相差の駆動信号D1,D2(−)が供給されるとき、すなわち第1振動領域R1内には位相差遅れ駆動信号が供給され、第2振動領域R2内には位相差進み駆動信号が供給されるときは、突起231Aの振動軌跡は、図9に−で示したように、二分線L1に対する傾斜の向きが+の軌跡とは異なる略楕円状の軌跡となる。この−で示した軌跡と前述の+で示した軌跡とは、二分線L1について略線対称であり、かつ互いに逆回りとなっている。これにより、ロータ30が逆方向−(図3)に回転し、日車50の回転により日付が修正される。
ところで、自励駆動回路である駆動制御回路100では、圧電アクチュエータ20に入力する駆動信号と、出力される振動信号との検出位相差Y(図7)に基いて駆動周波数の制御が行われていた。すなわち、フィルタ・移相部120において、所望の駆動状態となるように、移相していた。ここで、周囲温度の変化や発熱などにより、圧電アクチュエータ20の共振点は変動し、また、ロータ30との摩擦による磨耗、電子時計1の姿勢変化による負荷変動などが生じうる。これにより、駆動に適する駆動周波数が変わり、振動が過剰となって破損したり、逆に、ロータ30を駆動できないなどの不都合が生じうる。これに対応して、駆動周波数を適切に制御する必要が生じるが、制御の容易さの点で、制御の指標となる位相差は、単調増加または単調減少(線形、リニア)であることが好ましい。
ここで、圧電アクチュエータ20の振動状態を得る検出電極と、ロータ30回転方向との関係において、図10〜図13に示すような位相差特性が得られた。
図10、図11は、ロータ30を正方向+に駆動させた際の位相差特性を示す。すなわち、図10、図11とも、第1、第2振動領域R1,R2に正の位相差を有する駆動信号D1,D2(+)を入力した場合を示すが、図10は、第1振動領域R1に設けられた検出電極261を用いた場合の位相差特性および振動信号S1の電圧を示し、図11は、第2振動領域R2に設けられた検出電極262を用いた場合の位相差特性および振動信号S2の電圧を示している。これら図10、図11を比較すると、図10では、駆動効率が良好となる駆動周波数が約108〜110kHzの範囲で、駆動信号D1に対する振動信号S1の位相差特性(検出位相差)が上下し単調増加とならないの対し、図11では、駆動信号D1に対する振動信号S2の位相差特性(検出位相差)が同じ駆動周波数帯において単調増加となっている。また、図10よりも図11の方が、ゲイン(振動信号の電圧)が高い。すなわち、検出位相差が単調増加であるとき、検出位相差と駆動周波数とを1:1で対応付けることができるので、駆動制御が容易となる。つまり、値をテーブル化する必要がなく、また、検出位相差が逆転して目標位相差の周波数が2つ以上あるような場合に所定範囲でネグレクトすることによって異常動作を回避するなどの、複雑なアルゴリズムが不要となる。
一方、図12、図13は、ロータ30を逆方向−に駆動させた際の位相差特性を示す。すなわち、図12、図13とも、第1、第2振動領域R1,R2に負の位相差を有する駆動信号D1,D2(−)を入力した場合を示すが、図12は、第1振動領域R1に設けられた検出電極261を用いた場合の位相差特性および振動信号S1の電圧を示し、図13は、第2振動領域R2に設けられた検出電極262を用いた場合の位相差特性および振動信号S2の電圧を示している。これら図12、図13を比較すると、図12では、駆動効率が良好となる駆動周波数が約108〜110kHzの範囲で駆動信号D1に対する振動信号S2の位相差特性(検出位相差)が単調増加となっているのに対し、図13では、駆動信号D1に対する振動信号S1の位相差特性(検出位相差)が同じ範囲で上下し単調増加とならない。また、図13よりも図12の方が、ゲイン(振動信号の電圧)が高い。
このように、検出電極261,262における振動信号S1,S2の位相や電圧が同じとはならないのは、これら検出電極261,262に近接する駆動電極251,252に供給する駆動信号に位相差(D1とD2(+)、またはD1とD2(−))があることが一因と考えられる。
これらの図10〜図13から、検出位相差が単調増加となり、かつ振動信号の電圧レベルも高いのは、第1、第2振動領域R1,R2のうち、位相が遅れている駆動信号が供給された側の領域に設けられた検出電極(261または262)を用いた場合であることがわかる。
このため、ロータ30の正逆に応じて、前述の駆動制御回路100におけるスイッチ111が切り替えられ、検出261,262の一方が振動検出に用いられる。
なお、ロータ30の正転時と逆転時とでは、ロータ30との加圧条件や圧電素子21,22の材料特性、寸法、形状などにより、駆動に適した検出位相差が変わる。このため、ロータ30の正転時、逆転時ごとに、フィルタ・移相部120に設定する移相量が設定される。図10〜図13で示した例では、駆動に適した駆動周波数を実現する検出位相差は、正転時では、約−60°〜約+60°、逆転時では、約−90°〜約−30°であり、これらの値の範囲で、フィルタ・移相部120の移相量が設定される。
[6.本実施形態による効果]
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)日表示装置10の駆動部である圧電アクチュエータ20では、所定の位相差を有する二相の駆動信号D1,D2(+または−)がそれぞれ供給される第1振動領域R1および第2振動領域R2のうち少なくとも位相遅れ駆動信号が供給される方に設けられた検出電極(261または262)によって振動状態が検出されているので、この検出電極による振動信号の駆動信号D1に対する位相差(検出位相差)が単調増加となり、この検出位相差を駆動制御の設定パラメータとして駆動制御できる。このため、複雑なアルゴリズムが必要となって、回路規模が大きくなることなく、駆動信号D1,D2の周波数制御を容易に実施することができる。そして、このように駆動信号D1,D2の周波数を制御することにより、経時変化などによる共振点の変動にも対応でき、安定的に駆動できる。
また、このように駆動信号D1,D2の周波数制御を振動信号S1またはS2の駆動信号D1に対する検出位相差のみで規定できるため、駆動回路の構成を簡略にでき、これによって、低コスト化できるとともに、信頼性を向上させることができる。
(2)また、ロータ30の正転モードと逆転モードとを有する圧電アクチュエータ20にあって、第1振動領域R1および第2振動領域R2の両方にそれぞれ、検出電極261,262が二分線L1について略線対称に配置されているため、駆動信号が位相差(駆動位相差)を有することで歪の分布が二分線L1に非対称であるにも関わらず、正転モード時でも逆転モード時でも歪を同様に検出できる。このため、検出位相差に基いて駆動信号の周波数を制御し、正転時と逆転時との駆動性能を略同等としたり、所定の差を設けたりすることが可能となる。
(3)検出電極261および検出電極262が圧電素子21,22の周方向に沿う形状となっているため、径方向に伸縮する呼吸振動モードのみならず、この呼吸振動の位相差による偏心モードについても、検出電極261,262が設けられた部位における受動的な歪として各検出電極261,262で検出可能となる。このように、呼吸振動と偏心との両方の振動状態を検出でき、これに基いて駆動信号D1,D2の周波数を適切に制御できる。また、検出電極261,262が設けられた部位に、呼吸振動による歪に加えて、偏心による歪も生じるので、振動信号S1,S2の電圧を大きく確保でき、振動状態を良好に検出できる。
(4)圧電素子21,22の幅寸法Wが長さ寸法Lよりも小さいことにより、検出電極261,262が設けられた圧電素子21,22の部位において、呼吸振動よりも変位量が小さい偏心による変位をも検出でき、検出位相差に基く駆動制御を適切に行える。
(5)圧電素子21,22の内周側に検出電極261,262が配置され、円環型の圧電アクチュエータ20において振動の腹となる外周側には駆動電極251,252を配置してこの駆動電極251,252が設けられた部位を能動的に変位させることができる。これにより、検出電極261,262を設けることによって出力が低下することを防止できる。また、検出電極261,262を外周側に配置した場合は内周側に配置した場合と比べて検出電極261,262が大面積となり、そのぶん駆動電極251,252の面積が小さくなり、出力の関係上、得策ではないが、検出電極261,262を圧電素子21,22の内周側に配置しているので、そのような不都合がない。
(6)各支持固定部23は、振動部20Bの外周部における二分線L1と略直交する位置に設けられているため、各振動領域R1,R2の周方向の略中央で振動部20Bが支持され、各振動領域R1,R2ごとの振動をバランスよく励振できる。これにより、振動部20Bを支持することによる振動の減衰を極力抑制できる。
〔本発明の変形例〕
本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変形や改良が許容される。
図14には、前述の圧電アクチュエータ20の前記実施形態とは異なる組み込み例を示した。このように、日車50に圧電アクチュエータ20を直接当接させて駆動してもよい。圧電アクチュエータ20は、円環状の圧電素子21,22を備え、トルクが大であることから、減速輪列40(図2)を省略することも可能である。この圧電アクチュエータ20は、スライダ60を介して底板1Aに取付けられており、底板1Aに設けられた圧縮コイルバネ11によって日車50に加圧されている。
参考まで、図15に、圧電アクチュエータ20の取付構造に係る分解斜視図を示す。
スライダ60は、圧電アクチュエータ20の支持固定部23がそれぞれ固定される一対の起立部61と、これらの起立部61の間に一体的に形成され、底板1A(図14)にスライド可能に支持されるスライド部62とを備えている。
各起立部61には、一対のネジ孔611がそれぞれ形成されており、これらのネジ孔611に支持固定部23を介してネジ612が螺合されることで、圧電アクチュエータ20がスライダ60に固定される。また、起立部61のネジ孔611の間には、切り欠き部620が形成され、この切り欠き部620には、圧電アクチュエータ20の支持固定部232の部位が対向する。
なお、起立部61に固定された圧電アクチュエータ20とスライド部62との間には隙間があり、振動時に振動部20Bがネジ622などに干渉しないようになっている。
スライド部62は、底板1A(図14)に形成された図示しない溝に沿って配置され、起立部61を互いに結ぶ方向との交差方向に延びる長孔621を有する。この長孔621には、2つのネジ622がそれぞれ挿通されて、底板1Aに螺合される。すなわち、スライダ60により、底板1Aに対して圧電アクチュエータ20がスライド可能に取付固定される。
そして、図16は、前記実施形態などとは電極の切り分け形態が異なる圧電アクチュエータ70を示した。圧電アクチュエータ70は、前記の圧電アクチュエータ20と同様、半円形状の第1,第2振動領域R1,R2を備えるが、圧電素子21,22に設けられた各電極が二分線L1と直交する線L2に沿って形成された溝274,275によって二等分されている。すなわち、第1振動領域R1には、2つの駆動電極255,256および2つの検出電極265,266が設けられ、第2振動領域R2には、2つの駆動電極257,258および2つの検出電極267,268が設けられている。このように、各領域R1,R2に1つ以上の駆動電極や検出電極が設けられていてもよい。例えば、振動検出の際のノイズを避けるために、ロータ30と当接される突起231Aと離間する側の検出電極265,267をロータ30の正逆に応じて使用することや、第1、第2振動領域R1,R2ごとに、検出電極265,266の平均、検出電極267,268の平均などにより、振動検出の精度を向上させることなどを検討できる。また、円中心Oに対して点対称に配置された検出電極265,268、あるいは検出電極266,267をロータ30の正逆に応じて用いてもよい。さらに検出電極265,266,267,268は孔20Cの周縁に沿って配置されているが、孔20Cとの間に他の電極や隙間を挟んでいても、検出電極が圧電素子の周方向に沿う形状であれば良い。この場合は駆動電極255,256,257,258の面積は少なくなるが、内孔を通した導線と振動領域R1,R2との接触状態の変動や、孔20Cの周縁の圧電素子に欠けがある場合など、製造・組み立てに起因する検出電圧のバラつきを低減することができ、信頼性を向上する事ができる。
なお、前記実施形態や変形例では、補強板の表裏に圧電素子が1枚ずつ貼り合わせられた3層構造のものを示したが、これに限らず、補強板の片面に圧電素子を1枚だけでもよく、また、補強部材の表裏両面に圧電素子を2枚〜10枚程度、あるいはそれ以上の枚数貼り合わせて多層構造とすることにより、大パワー化を図ることもできる。
前記実施形態では、圧電振動体の圧電アクチュエータとしての組み込み例として腕時計を例示したが、これに限定されず、本発明は、懐中時計、置時計、掛け時計などにも組み込むことができる。これらの各種時計において、時刻やカレンダ表示装置の駆動以外に、例えばからくり人形などを駆動する機構としても利用できる。
さらに、電子時計以外に、カメラやプリンタ、可動玩具などの各種電子機器に組み込んでもよく、カメラのズーム機構やオートフォーカス機構、絞り調整機構、フィルムの巻き上げ機構、プリンタの紙送り機構やインクジェットヘッド、可動玩具類の駆動機構、姿勢補正機構、ハードディスクドライブやCDドライブなどのスピンドルモータ、ヘッド移動用のリニアモータ、超音波モータなどに、本発明の圧電アクチュエータを適宜使用できる。
またさらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、超音波モータ等に本発明の駆動制御装置を用いてもよい。あるいは、圧電アクチュエータとしてのみならず、電子機器の回路基板に実装される発振子などとしても本発明の圧電振動体を使用できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア駆動体などを採用でき、被駆動体の駆動方向は限定されない。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態における電子時計の外観図。 前記実施形態における日表示装置の平面図。 図2の部分拡大図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの斜視図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御回路のブロック図。 図6の駆動制御回路における各信号波形を示す波形図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動信号の位相差を示す波形図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの動作を示す平面図。 前記実施形態における駆動信号に対する振動信号の位相差特性と振動の電圧を示すグラフ(正転時、位相進み駆動信号が入力される領域側に設けられた第1検出電極のデータ)。 前記実施形態における駆動信号に対する振動信号の位相差特性と振動の電圧を示すグラフ(正転時、位相遅れ駆動信号が入力される領域側に設けられた第2検出電極のデータ)。 前記実施形態における駆動信号に対する振動信号の位相差特性と振動の電圧を示すグラフ(逆転時、位相進み駆動信号が入力される領域側に設けられた第2検出電極のデータ)。 前記実施形態における駆動信号に対する振動信号の位相差特性と振動の電圧を示すグラフ(逆転時、位相遅れ駆動信号が入力される領域側に設けられた第1検出電極のデータ)。 本発明の変形例における圧電アクチュエータの組み込み例を示す図。 前記変形例における圧電アクチュエータの分解斜視図。 本発明の変形例における圧電アクチュエータの平面図。
符号の説明
1・・・電子時計(電子機器)、2・・・ムーブメント(計時部)、3・・・文字板(計時情報表示部)、4・・・時針(計時情報表示部)、5・・・分針(計時情報表示部)、6・・・秒針(計時情報表示部)、10・・・日付表示装置(計時情報表示部)、20,70・・・圧電アクチュエータ、20B・・・振動部、20C・・・孔、21,22・・・圧電素子、30・・・ロータ(被駆動体)、232・・・支持固定部(支持部)、251,252,255〜258・・・駆動電極、261,262,265〜268・・・検出電極、D1,D2・・・駆動信号、L1・・・二分線、O・・・円中心、R1・・・第1振動領域、R2・・・第2振動領域、S1,S2・・・振動信号。

Claims (9)

  1. 円環状の圧電素子を備え、当該圧電素子の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータであって、
    前記圧電素子を直径方向に沿って二分する二分線の両側の第1振動領域および第2振動領域には、それぞれ、駆動信号が供給される1つ以上の駆動電極が前記二分線について略線対称に設けられ、
    前記駆動信号として、互いに所定の駆動位相差を有する2つがあり、前記駆動信号のうち互いの間で位相が進んでいる位相進み駆動信号が前記第1振動領域および前記第2振動領域の一方に供給され、前記駆動信号のうち互いの間で位相が遅れている位相遅れ駆動信号が前記第1振動領域および前記第2振動領域の他方に供給され、
    前記第1振動領域および前記第2振動領域のうち少なくとも前記位相遅れ駆動信号が供給される方に、前記圧電素子の振動状態を検出して振動信号を出力する検出電極が設けられ、
    前記位相進み駆動信号および前記位相遅れ駆動信号の一方と、前記振動信号との位相差である検出位相差に基いて駆動制御が行われる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記駆動位相差の正負が切替可能に構成され、
    前記検出電極は、前記第1振動領域および前記第2振動領域の両方にそれぞれ、前記二分線について略線対称にまたは前記圧電素子の円中心に対して互いに略点対称に配置されている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記検出電極は、前記圧電素子の周方向に沿う形状とされている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記検出電極は、前記圧電素子の略中心に形成された孔の周縁に沿って配置されている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子を有する円環状の振動部と、前記振動部に連設され当該振動部を振動可能に支持する一対の支持部とを備え、
    前記各支持部は、前記振動部の外周部における前記二分線と略直交する位置に設けられている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 円環状の圧電素子を備え、前記圧電素子を直径方向に沿って二分する二分線の両側の第1振動領域および第2振動領域にそれぞれ、駆動信号が供給される1つ以上の駆動電極が前記二分線について略線対称に設けられるとともに、前記第1振動領域および前記第2振動領域の少なくとも一方に、前記圧電素子の振動状態を検出して振動信号を出力する検出電極が設けられた圧電アクチュエータの振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、
    前記駆動信号として、互いに所定の駆動位相差を有する2つを設け、前記駆動信号のうち互いの間で位相が進んでいる位相進み駆動信号を前記第1振動領域および前記第2振動領域の一方に供給し、前記駆動信号のうち互いの間で位相が遅れている位相遅れ駆動信号を前記第1振動領域および前記第2振動領域の他方に供給し、
    前記位相進み駆動信号および前記位相遅れ駆動信号の一方と、前記振動信号との位相差である検出位相差を基に前記駆動信号の周波数を可変制御する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記駆動位相差の正負を切替可能に構成し、
    前記検出電極を、前記第1振動領域および前記第2振動領域の両方にそれぞれ、前記二分線について略線対称にまたは前記圧電素子の円中心に対して互いに略点対称に設け、
    前記駆動位相差の正負の切替に応じて、前記第1振動領域および前記第2振動領域のうち前記位相遅れ駆動信号が供給される方に設けられた前記検出電極を用いる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた
    ことを特徴とする電子機器。
  9. 請求項8に記載の電子機器は、計時部と、この計時部で計時された情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
    ことを特徴とする電子機器。
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