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JP2007201764A - フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、特に省面積化しやすく、かつ平衡信号を広帯域でバランス特性に優れた状態で伝送することができるようにしたフィルタを提供する。
【解決手段】第2の共振器2を、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器21,22で構成する。第1の共振器2もインターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12で構成する。一対の1/4波長共振器21,22において、一方の1/4波長共振器21には一方の平衡端子4Aを接続し、他方の1/4波長共振器22には他方の平衡端子4Bを接続する。第1の共振器1と第2の共振器2とを、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器21,22における周波数の低い第2の共振周波数f2で共振させ、電磁結合する。一対の1/4波長共振器11,12と一対の1/4波長共振器21,22はすべて、同一方向に積層配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、平衡端子を備えたフィルタに関する。
平衡端子を備えたフィルタとして、例えば不平衡入力−平衡出力型のバンドパスフィルタが知られている。このようなフィルタとして、バランを使用するものがある。バランは、不平衡信号(アンバランス信号)と平衡信号(バランス信号)とを相互変換するものである。携帯電話機等の無線通信機器では、フィルタとして小型化および薄型化への要求がある。
なお、不平衡信号を伝送する線路では、グランド電位に対する1本の信号線の電位により信号が伝送される。平衡信号を伝送する線路では、一対の信号線間の電位差により信号が伝送される。平衡信号は、一対の信号線間を伝送する各信号の位相が互いに180°異なり、かつ振幅がほぼ等しければ、一般にバランス特性に優れた状態といえる。
図21は、バランの一般的な構造を示している。このバランは、1/2波長(λ/2)共振器101と、第1および第2の1/4波長共振器102,103とを備えている。1/2波長共振器101は、両端が開放(オープン)端とされ、一方の開放端に不平衡入力端子111が接続されている。第1および第2の1/4波長共振器102,103のそれぞれの短絡(ショート)端が、1/2波長共振器101の各開放端に対向するように1/2波長共振器101に対向して配置されている。第1および第2の1/4波長共振器102,103のそれぞれの開放端には、平衡出力端子112,113が接続され、一対の平衡出力端子が形成されている。
この構造を有するバランとして、特許文献1および特許文献2に記載の積層型バラントランスがある。特許文献1および特許文献2では、各共振器をスパイラル状の導体の線路パターンで形成し、その導体の線路パターンを複数の誘電体基板上に形成して積層構造にすることで、小型化を図っている。また、特許文献3および特許文献4には、平衡出力型のバンドパスフィルタとして、1/2波長共振器を用いた積層型バンドパスフィルタが記載されている。
特開2002−190413号公報 特開2003−007537号公報 特開2005−045447号公報 特開2005−080248号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の積層型バラントランスでは、全体の大きさが1/2波長共振器の大きさ(動作周波数の1/2波長の大きさ)によって制限されてしまい、小型化が困難である。また特許文献1および特許文献2には、各共振器をスパイラル構造にすることも開示されているが、その場合には線路間の不要な結合や物理的な配置のバランスが理想状態から崩れる等の理由で、平衡出力したときの振幅バランスや位相バランスが崩れ、所望の特性が得られないという問題もある。特許文献3および特許文献4に記載の積層型バンドパスフィルタについても同様に、基本的に1/2波長共振器を用いているので、全体の大きさが1/2波長共振器の大きさによって制限されてしまい、小型化が困難である。
また、広帯域の周波数を使用するUWB(Ultra Wide Band)などに対応するためには、広帯域なバランス信号が必要になるが、従来の構造では入力側の共振器と出力側の共振器との結合が強く取れないため、広帯域化が困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化、特に省面積化しやすく、かつ平衡信号を広帯域でバランス特性に優れた状態で伝送することができるようにしたフィルタを提供することにある。
本発明によるフィルタは、互いに対向するようにインターディジタル結合され、各1/4波長共振器がすべて同一方向に積層配置された複数組の一対の1/4波長共振器と、少なくとも1つの一対の1/4波長共振器に設けられ、一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子とを備えたものである。
なお、本発明によるフィルタにおいて、「インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器」とは、一方の1/4波長共振器の開放端と他方の1/4波長共振器の短絡端とが対向すると共に、一方の1/4波長共振器の短絡端と他方の1/4波長共振器の開放端とが対向するように配置されることで、互いに電磁結合された共振器のことをいう。
本発明によるフィルタにおいて、各一対の1/4波長共振器は、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、かつ、隣り合う各一対の1/4波長共振器同士が第2の共振周波数f2で電磁結合されていることが好ましい。
本発明によるフィルタでは、各一対の1/4波長共振器が、インターディジタル結合された構成とされていることで、小型化が容易となる。特に、複数組の一対の1/4波長共振器における各1/4波長共振器がすべて同一方向に積層配置されていることで、省面積化しやすい。また、少なくとも1つの一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子が接続され、各1/4波長共振器がすべて同一方向に積層配置されていることで、一対の1/4波長共振器間の結合を強くしやすく、広帯域な平衡信号がバランス特性に優れた状態で伝送される。
ここで、一対の1/4波長共振器をインターディジタル型で、かつ強く結合させると、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0(インターディジタル結合させていないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)に対し周波数が高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れ、共振周波数が2つに分離する。この場合において、物理的な長さに対応する共振周波数f0よりも周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化が図られる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。また、周波数の低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードは、一対の1/4波長共振器で互いに逆相となる励振モードなので、バランス特性に優れたものとなる。
本発明によるフィルタにおいて、複数のグランド層をさらに備えていても良い。そして、複数のグランド層が、少なくとも、一対の平衡端子が設けられた一対の1/4波長共振器を挟み込むような位置に形成されていても良い。また、一対の平衡端子が設けられた一対の1/4波長共振器は回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、複数のグランド層は、回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において一対の1/4波長共振器を挟み込むように形成されていても良い。さらに、隣り合う一対の1/4波長共振器の間にグランド層を有し、そのグランド層に隣り合う一対の1/4波長共振器同士を結合するための結合窓が設けられていても良い。
この構成の場合には、隣り合う一対の1/4波長共振器がグランド層で仕切られる形となり、各一対の1/4波長共振器が設けられた部分をそれぞれ、回転対称な構造にしやすくなる。これにより、バランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。また、結合窓が設けられていることで、隣り合う一対の1/4波長共振器間の結合調整を行いやすい。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の1/4波長共振器が、回転対称軸を有し全体として回転対称な構造とされ、一対の平衡端子が、回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において一対の1/4波長共振器に接続されていることが好ましい。
この構成の場合には、バランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の平衡端子が設けられていない他の一対の1/4波長共振器に設けられた不平衡端子をさらに備え、全体として不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型のフィルタが構成されていても良い。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の平衡端子を2組備え、2組の一対の1/4波長共振器のそれぞれに、一対の平衡端子が設けられ、全体として平衡入力−平衡出力型のフィルタが構成されていても良い。
本発明のフィルタによれば、各一対の1/4波長共振器をインターディジタル結合し、かつ各1/4波長共振器をすべて同一方向に積層配置するようにしたので、小型化、省面積化が容易となる。また、少なくとも1つの一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子を接続するようにしたので、平衡信号を伝送することができる。このとき、各1/4波長共振器をすべて同一方向に積層配置していることで、一対の1/4波長共振器間の結合を強くしやすく、広帯域な平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。これらにより、小型化、特に省面積化しやすく、かつ平衡信号を広帯域でバランス特性に優れた状態で伝送することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るフィルタについて説明する。本実施の形態では、入力端側または出力端側の一方にのみ平衡端子を備えると共に、他方に不平衡端子を備えた不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型のフィルタを例に説明する。
図1ならびに図2(A)および図2(B)は、本実施の形態に係るフィルタの一構成例を示している。なお、図2(A)は図1のA方向の側面(YZ面)から見た構造を示し、図2(B)は図1のB方向の側面(YX面)から見た構造を示している。また、図3は、このフィルタにおけるインターディジタル結合の構造を模式的に示している。このフィルタは、第1の共振器1と、第2の共振器2と、第1の共振器1に接続された不平衡端子3と、第2の共振器2に接続された一対の平衡端子4A,4Bとを備えている。このフィルタは例えば、不平衡端子3を入力端子とし一対の平衡端子4A,4Bを出力端子とすることで、全体として不平衡入力−平衡出力型のフィルタが構成される。または、不平衡端子3を出力端子とし一対の平衡端子4A,4Bを入力端子とすることで、全体として平衡入力−不平衡出力型のフィルタを構成しても良い。
第1の共振器1は、図3に模式的に示したように、互いにインターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12で構成されている。一対の1/4波長共振器11,12はそれぞれ、一端が短絡端とされ、他端が開放端とされている。一対の1/4波長共振器11,12のうち、一方の1/4波長共振器11に不平衡端子3が接続されている。一対の1/4波長共振器11,12は、回転対称軸6を有し、全体的に回転対称な構造とされている。なお、不平衡端子3を一方の1/4波長共振器11(下層側)ではなく、他方の1/4波長共振器12(上層側)に設けても良い。
第2の共振器2も、図3に模式的に示したように、互いにインターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器21,22で構成されている。一対の1/4波長共振器21,22のうち、一方の1/4波長共振器21には一方の平衡端子4Aが接続され、他方の1/4波長共振器22には他方の平衡端子4Bが接続されている。一対の1/4波長共振器21,22はそれぞれ、一端が短絡端とされ、他端が開放端とされている。一対の1/4波長共振器21,22は、回転対称軸5を有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡端子4A,4Bは、回転対称軸5に対して互いに回転対称となる位置において、一対の1/4波長共振器21,22に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
ここで、第1の共振器1と第2の共振器2は、図1に示したように上下方向に互いに隣接して所定間隔をあけて積層配置されている。より具体的には、第1の共振器1における一対の1/4波長共振器11,12と第2の共振器2における他の一対の1/4波長共振器21,22とが、すべて同一方向(上下方向)に所定間隔をあけて積層配置されている。
一対の1/4波長共振器11,12は、後述するように、強いインターディジタル結合がなされていることで、第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。より詳しくは、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器11,12の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。他の一対の1/4波長共振器21,22も同様に、2つの共振モードを有している。このフィルタは、第1の共振器1と第2の共振器2とが、周波数の低い第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。これにより、第2の共振周波数f2を通過帯域とした、不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型のバンドパスフィルタが構成されている。
以上で説明したフィルタの主要な構成要素は、TEM線路により構成されている。TEM線路は、例えばストリップラインなどの導体パターンや誘電体基板内部に形成された貫通導体などで構成することができる。なお、TEM線路とは、電界および磁界が共に電磁波の進行方向に垂直な断面内にのみ存在する電磁波(TEM波)を伝送する伝送線路である。
より具体的には、このフィルタは、図1に示したように、誘電体材料よりなる誘電体基板61を備え、その誘電体基板61を多層構造とした積層型のフィルタの構成とされている。誘電体基板61の内部には、導体の線路パターン(ストリップライン)が形成され、その内部の線路パターンにより、第1の共振器1と、第2の共振器2と、不平衡端子3と、一対の平衡端子4A,4Bとが形成されている。このような構造は、例えば、シート状の誘電体基板を複数用意し、各共振器および各端子部分をそのシート状の誘電体基板上に導体の線路パターンで形成して、そのシート状の誘電体基板を重ね合わせた積層構造にすることで実現できる。一対の1/4波長共振器21,22は、回転対称軸5を有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡端子4A,4Bは、回転対称軸5に対して互いに回転対称な位置に接続されている。
図示しないが、誘電体基板61には一対の1/4波長共振器11,12と一対の1/4波長共振器21,22とにおける各短絡端を接地するための接地層が設けられている。接地層は例えば誘電体基板61の上面もしくは底面、または内部に設けることができる。この場合、例えば長手方向に対向する両側面に、各1/4波長共振器を接地層に接続するための接続用導体パターンを設け、その接続用導体パターンを介して各1/4波長共振器の各短絡端を接地層に導通させるなどすれば良い。また、各1/4波長共振器の各短絡端と接地層との間にスルーホールを形成し、そのスルーホールにより両者を導通させるなどしても良い。
なお、図1に示した構成例では、不平衡端子3が一方の1/4波長共振器11の開放端側の端部に接続されているが、図4に示した他の構成例のように、端部ではなく、一方の1/4波長共振器11の途中(開放端と短絡端との間)に接続されていても良い。一対の平衡端子4A,4Bについても同様に、一対の1/4波長共振器21,22の開放端側の端部ではなく、途中に接続されていても良い。
次に、本実施の形態に係るフィルタの作用を説明する。
このフィルタでは、不平衡端子3から入力された不平衡信号が、入力端と出力端との間の各共振器の作用により、第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、平衡信号として一対の平衡端子4A,4Bから出力される。または、一対の平衡端子4A,4Bから入力された平衡信号が、各共振器の作用により第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、不平衡信号として不平衡端子3から出力される。ここで、このフィルタでは、第1の共振器1と第2の共振器2とが上下方向に互いに隣接して積層配置され、各1/4波長共振器がすべて同一方向(上下方向)に積層配置されていることで、第1の共振器1と第2の共振器2との間の結合を強くしやすく、かつ省面積化が図られている。図22は比較例のフィルタ構造を示している。図22において、図1に示したフィルタの構成部分に対応する部分には同一の符号を付している。図22に示した比較例のフィルタは、第1の共振器1と第2の共振器2とを平面方向に並列配置したものである。図22に示した比較例のフィルタ構造に比べて、本実施の形態に係るフィルタ構造では、平面方向の小型化が図られている。
また、このフィルタでは、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器における周波数の低い第2の共振周波数f2を通過帯域としていることで、従来のフィルタに比べて小型化が容易となり、平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。次に、このインターディジタル結合することにより得られる作用、効果について説明する。
TEM線路からなる2つの共振器を結合させる手法として、一般にコムライン結合とインターディジタル結合との2種類を挙げることができる。このうち、インターディジタル結合は、非常に強い結合が得られることが知られている。インターディジタル結合とは、一方の共振器の開放端と他方の共振器の短絡端とが対向し、一方の共振器の短絡端と他方の共振器の開放端とが対向するように2つの共振器が対向配置された構造となる結合方法である。
インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器11,12(および他の一対の1/4波長共振器21,22)では、共振状態を2つの固有な共振モードに分けることができる。図5は、一対の1/4波長共振器11,12(または他の一対の1/4波長共振器21,22)における第1の共振モードを示し、図6は、その第2の共振モードを示している。なお、図5および図6において、破線で示した曲線は、各共振器における電界Eの分布を示している。なお、以下では一対の1/4波長共振器11,12について説明するが、他の一対の1/4波長共振器21,22についても同様である。
第1の共振モードでは、一対の1/4波長共振器11,12のそれぞれにおいて開放端側から短絡端側に電流iが流れ、それぞれに流れる電流iの向きが逆方向となる。この第1の共振モードでは、一対の1/4波長共振器11,12で電磁波が同相に励振されている。
一方、第2の共振モードでは、一方の1/4波長共振器11では開放端側から短絡端側に電流iが流れると共に、他方の1/4波長共振器12では短絡端側から開放端側に電流iが流れ、それぞれに流れる電流iの向きが同方向となる。すなわち、この第2の共振モードでは、電界Eの分布を見ても分かるように、一対の1/4波長共振器11,12で電磁波が逆相に励振されている。この第2の共振モードでは、一対の1/4波長共振器11,12全体の物理的な回転対称軸6に対して互いに回転対称な位置で、電界Eの位相が180°異なる。
ここで、回転対称構造の場合には、第1の共振モードの共振周波数は、以下の式(1A)のf1で表され、第2の共振モードの共振周波数は、以下の式(1B)のf2で表される。式(1A),(1B)において、cは光速、εrは実効比誘電率、lは共振器の長さを表す
Figure 2007201764
また、Zeは偶モードの特性インピーダンス、ZOは奇モードの特性インピーダンスを表す。左右対称型のカップリング伝送線路において、その伝送線路に伝搬する伝送モードは、偶モードと奇モードとの2種類の独立なモード(互いに干渉しない)に分解される。
図7(A)は、そのカップリング伝送線路の奇モードでの電界Eの分布を示し、図7(B)は偶モードでの電界Eの分布を示している。なお、図7(A),図7(B)において、外周部分はグランド層50、内部には左右対称の導体線路51,52が形成されている。図7(A),図7(B)では、カップリング伝送線路の伝送方向に直交する断面内での電界分布を示しており、信号の伝送方向は紙面に対して直交する方向である。
図7(A)に示したように、奇モードでは、導体線路51,52の対称面に対して電界が垂直に交わり、対称面が仮想的な電気壁53Eとなる。図8(A)は、図7(A)と等価な伝送線路を示している。図8(A)に示したように、対称面を実際の電気壁53E(ゼロ電位の壁、グランド)に置き換えることで、1つの導体線路51だけの線路と等価な構造にすることができる。図8(A)に示した線路での特性インピーダンスが、上記式(1A),(1B)での奇モードの特性インピーダンスZOとなる。
一方、偶モードでは、図7(B)に示したように導体線路51,52の対称面に対して電界が平衡になり、磁界が対称面に対して垂直に交わる。偶モードでは、対称面が仮想的な磁気壁53Hとなる。図8(B)は、図7(B)と等価な伝送線路を示している。図8(B)に示したように、対称面を実際の磁気壁53H(インピーダンス無限大の壁)に置き換えることで、1つの導体線路51だけの線路と等価な構造にすることができる。図8(B)に示した線路での特性インピーダンスが、上記式(1A),(1B)での偶モードの特性インピーダンスZeとなる。
ここで、一般的に伝送線路の特性インピーダンスZは、信号ラインの単位長さ当たりのグランドに対する容量Cと、信号ラインの単位長さ当たりのインダクタンス成分Lとの比で表現される。すなわち、
Z=√(L/C) ……(2)
なお、√は、(L/C)全体の平方根を取ることを示す。
奇モードでの特性インピーダンスZOは、図8(A)の線路構造から、対称面がグランド(電気壁53E)となりグランドに対する容量Cが大きくなるので、(2)式から、ZOの値が小さくなる。一方、偶モードでの特性インピーダンスZeは、図8(B)の線路構造から、対称面が磁気壁53Hとなるので容量Cが小さくなり、(2)式から、Zeの値が大きくなる。
このことを踏まえてインターディジタル結合した一対の1/4波長共振器11,12の共振モードの共振周波数である式(1A),(1B)を検討する。アークタンジェントの関数は単調増加の関数であるので、式(1A),(1B)においてtan-1に係る部分が大きくなればなるほど共振周波数は大きくなるし、小さくなればなるほど共振周波数は小さくなる。すなわち、奇モードでの特性インピーダンスZOの値が小さくなり、偶モードでの特性インピーダンスZeの値が大きくなって、それらの差が大きくなればなるほど、式(1A)から第1の共振モードの共振周波数f1は大きくなり、式(1B)から第2の共振モードの共振周波数f2は小さくなる。
従って、結合する伝送路の対称面の比率を大きくしてやれば、第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2は、図9に示したように互いに離れていくことになる。なお、図9は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12における共振周波数の分布状態を示している。第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2の中間の共振周波数f0は、線路の物理的な長さによって決まる1/4波長で共振した場合の周波数(インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)となる。ここで、伝送路の対称面の比率を大きくするということは、(2)式から奇モードでの容量Cを大きくすることに対応する。容量Cを大きくすることは、線路の結合の度合いを強くすることに対応する。従って、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12において、共振器間の結合を強くすればするほど、第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2とが大きく分離していくことになる。
一対の1/4波長共振器11,12をインターディジタル型で、かつ強く結合させることにより、以下の利点がある。強く結合させることで、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0が2つに分離する。すなわち、共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れる。
この場合において、周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、第1の利点としてまず、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化することができる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。
また、第2の利点として、平衡端子を結合させた場合に優れたバランス特性が得られる(本実施の形態では他の一対の1/4波長共振器21,22に一対の平衡端子4A,4Bが接続されている)。図5および図6を参照して説明したように、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12では、第1の共振モードでは同相に励振され、第2の共振モードでは逆相に励振されている。従って、一対の1/4波長共振器11,12をインターディジタル型に強く結合させて第1の共振周波数f1を十分に高く設定し、第2の共振周波数f2とは十分に分離させることで、フィルタ通過周波数(=第2の共振周波数f2)に対しては同相成分を励振させずに逆相成分だけにすることができる。これによりバランス特性を良好なものとすることができる。この観点から、第1の共振周波数f1は、入力信号の周波数帯域よりも十分に高いことが好ましい。例えば、第1の共振周波数f1が第2の共振周波数f2に対し3倍を超える程度であることが好ましい。すなわち、
1>3f2
の条件を満たすことが好ましい。
周波数の低い第2の共振周波数f2をフィルタとしての通過周波数に設定する場合、入力信号の周波数帯域が第1の共振周波数f1に重なると周波数特性が悪化する。第1の共振周波数f1を入力信号の周波数帯域よりも高く設定することで、これが防止される。
さらに、第3の利点として、導体損失を少なくすることができる。図10(A),図10(B)は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器11,12における磁界Hの分布を模式的に示している。なお、図10(A),図10(B)では、図6に示した一対の1/4波長共振器11,12における第2の共振モードでの電流iの流れる方向に直交する断面内での磁界分布を示している。電流iの流れる方向は紙面に対して直交する方向である。第2の共振モードでは、図10(A)に示したように、一対の1/4波長共振器11,12において、断面内で同一方向に(例えば反時計回りに)、磁界Hが分布する。この場合、強くインターディジタル結合させると(共振器同士を近づけると)、図10(B)に示したように、一対の1/4波長共振器11,12を仮想的に1つの導体とみなした状態と同等の磁界分布となる。すなわち、仮想的に導体厚が厚くなるので、導体損失が少なくなる。
以上説明したように、本実施の形態に係るフィルタによれば、一対の1/4波長共振器11,12および他の一対の1/4波長共振器21,22をそれぞれ、インターディジタル結合した構成にしたので、小型化が容易となる。また、他の一対の1/4波長共振器21,22に一対の平衡端子4A,4Bを接続するようにしたので、平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。さらに、第1の共振器1と第2の共振器2とを互いに隣接して積層配置し、各1/4波長共振器をすべて同一方向(上下方向)に積層配置するようにしたので、第1の共振器1と第2の共振器2との間の結合を強くしやすく広帯域な平衡信号の伝送が可能となり、かつ省面積化を図りやすくなる。これらにより、小型化、特に省面積化しやすく、かつ平衡信号を広帯域でバランス特性に優れた状態で伝送することができる。さらに、導体損失の少ない信号伝送を行うことができる。
図11は、図1に示したフィルタの損失特性(Sパラメータ特性)を示している。符号S21を付した曲線は一方の平衡端子4Aから出力される信号の通過損失特性を示し、符号S31を付した曲線は他方の平衡端子4Bから出力される信号の通過損失特性を示している。符号S11を付した曲線は不平衡端子3から見た反射損失特性を示す。図示したように、このフィルタでは、4GHz〜7GHz帯付近を通過帯域とした良好なバンドパスフィルタが実現できている。特に、一対の平衡端子4A,4Bの減衰損失特性が互いにほぼ等しく、振幅バランスに優れたバンドパスフィルタが実現できている。
図12は、図1に示したフィルタの平衡信号の位相バランス特性を示している。また、図13は平衡信号の振幅バランス特性を示している。図12から分かるように、このフィルタでは、通過帯域において平衡出力信号間の位相が互いにほぼ180°異なり、位相バランスに優れている。また図13から分かるように、振幅バランスにも優れている。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るフィルタについて説明する。なお、上記第1の実施の形態に係るフィルタと実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。図14および図15は、本実施の形態に係るフィルタの一構成例を示している。本実施の形態に係るフィルタは、一対の平衡端子4A,4Bが設けられた第1の共振器1を挟み込むような位置にグランド層70,71が形成されているものである。グランド層70は、第1の共振器1に対して上層側に設けられている。グランド層71は、第1の共振器1と第2の共振器2との間、すなわち、一対の1/4波長共振器11,12と他の一対の1/4波長共振器21,22との間に配置されている。グランド層70,71を備えている点を除いて、上記第1の実施の形態に係るフィルタと構造的には同様である。なお、第2の共振器2の下層側にもグランド層が設けられていても良い。
中間層にあるグランド層71の一部、例えば中央部には結合窓(開口部)71Aが設けられている。結合窓71Aの平面内の位置は、上下の隣接する1/4波長共振器12,21が設けられている位置に対応する位置であることが好ましい。また、グランド層71の上下方向(積層方向)の位置は、一方の1/4波長共振器21およびグランド層71間の間隔d1と、他方の1/4波長共振器22および上層側のグランド層70間の間隔d2とが、同じ(d1=d2)となるような位置に設けられていることが好ましい。これにより、上層側のグランド層70と中間のグランド層71との間において、一対の1/4波長共振器21,22が、各層間の誘電体部分も含めて理想的な回転対称構造に近くなる。このように物理的に回転対称な構造とされた一対の1/4波長共振器21,22に、一対の平衡端子4A,4Bが接続されることで、よりバランス特性に優れたフィルタを実現できる。
また、中間のグランド層71において、結合窓71Aを設ける位置や大きさおよび形状を変えることで、第1の共振器1と第2の共振器2との間の結合度合いを変えて、共振器間の結合調整を行うことができる。例えば結合窓71Aの大きさが大きいほど、結合の度合いを強くすることができる。結合窓71Aの形状は図示した矩形形状に限らず、多角形状でも良いし、楕円などの曲線状の形状であっても構わない。要は、第1の共振器1と第2の共振器2とが結合できるように中間のグランド層71が形成されていない領域が形成されていれば良い。また各グランド層70,71の形状も図示した矩形形状に限らず、多角形状でも良いし、楕円などの曲線状の形状でも良い。さらに図示のように平面内において全体的にグランド層70,71が設けられている必要はなく、平面内において部分的に形成されていても良い。要は、一対の平衡端子4A、4Bが接続された一対の1/4波長共振器21、22の回転対称軸5に対して回転対称な構造にグランド層70,71が形成されていれば良い。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るフィルタについて説明する。なお、上記第1および第2の実施の形態に係るフィルタと同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。上記第1および第2の実施の形態では、一対の1/4波長共振器11,12と他の一対の1/4波長共振器21,22との2組の一対の1/4波長共振器を所定間隔をあけて積層配置した構成について説明したが、一対の1/4波長共振器を3組以上積層配置した構成にすることも可能である。積層する一対の1/4波長共振器の数が多いほど、各1/4波長共振器の物理的な長さをより短く設計することができ、より小型化が可能となる。
図16は、本実施の形態に係るフィルタの第1の構成例を示している。上記第1の実施の形態に係るフィルタの構成に対して、第1の共振器1と第2の共振器2との間に、中間段の共振器30を所定間隔をあけて設けたものである。中間段の共振器30も、第1の共振器1と第2の共振器2と同様、互いにインターディジタル結合された一対の1/4波長共振器31,32で構成されている。そして、その中間段の共振器30も含めて、第1の共振器1と第2の共振器2とが第2の共振周波数f2で共振し、互いに電磁結合されている。このフィルタでは、下層側から順に、一対の1/4波長共振器11,12と一対の1/4波長共振器31,32と一対の1/4波長共振器21,22との3組の一対の1/4波長共振器が、すべて同一方向(上下方向)に所定間隔をあけて積層配置されていることで、2組の一対の1/4波長共振器を積層配置した構成に比べて、より小型化が可能となる。
図17および図18は、本実施の形態に係るフィルタの第2の構成例を示している。この第2の構成例は、図16に示した第1の構成例と上記第2の実施の形態の構成とを組み合わせた構造を有している。この第2の構成例は、グランド層70,71,72が追加された点を除いて図16に示した第1の構成例と同様である。グランド層70は、第1の共振器1に対して上層側に設けられている。なお、図18では、上層のグランド層70の図示を省略している。グランド層71,72は中間層に設けられている。すなわち、第1の共振器1と中間段の共振器30との間(一対の1/4波長共振器11,12と一対の1/4波長共振器31,32との間)にグランド層72が配置されると共に、中間段の共振器30と第2の共振器2との間(一対の1/4波長共振器31,32と一対の1/4波長共振器21,22との間)にグランド層71が配置されている。グランド層71,72には、結合窓(開口部)71A,72Aが設けられている。上記第2の実施の形態と同様、グランド層71,72において、結合窓71A,72Aを設ける位置や大きさおよび形状を変えることで、隣り合う共振器間の結合調整を行うことができる。結合窓71A,72Aの形状は図示した矩形形状に限らず、多角形状でも良いし、楕円などの曲線状の形状であっても構わない。
[その他の実施の形態]
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型のフィルタを例に説明したが、本発明は、入力端または出力端の少なくとも一方に平衡端子を備えたフィルタに適用可能である。すなわち、入出力端双方を平衡端子にした平衡入力−平衡出力型のフィルタにも適用可能である。
図19および図20は、平衡入力−平衡出力型のフィルタの構成例を示している。図19は、このフィルタにおけるインターディジタル結合の構造を模式的に示している。この平衡入力−平衡出力型フィルタは、第1の共振器1と、第2の共振器2と、第1の共振器1に接続された一対の平衡端子3A,3Bと、第2の共振器2に接続された一対の平衡端子4A,4Bとを備えている。このフィルタは、第1の共振器1に一対の平衡端子3A,3Bが接続されている点を除いて、図1に示した上記第1の実施の形態に係るフィルタと同様の構成となっている。
このフィルタも上記第1の実施の形態に係るフィルタと同様、第1の共振器1と第2の共振器2とが、インターディジタル結合された共振器における周波数の低い第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。これにより、第2の共振周波数f2を通過帯域とした、平衡入力−平衡出力型のバンドパスフィルタが構成されている。なお、この平衡入力−平衡出力型のフィルタについても、上記第2の実施の形態と同様の構成、すなわち、一対の1/4波長共振器11,12と他の一対の1/4波長共振器21,22との間にグランド層71を備えた構成にすることも可能である。また、上記第3の実施の形態と同様、一対の1/4波長共振器を3組以上積層配置した構成にすることも可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの一構成例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの一構成例を示す第1の側面図(A)および第2の側面図(B)である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタにおけるインターディジタル結合の構造を模式的に示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの他の構成例を示す斜視図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器の第1の共振モードを示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器の第2の共振モードを示す説明図である。 左右対称型のカップリング伝送線路の伝送モードについての説明図であり、(A)は奇モードでの電界分布を示し、(B)は偶モードでの電界分布を示す説明図である。 左右対称型のカップリング伝送線路と等価な伝送線路の構造についての説明図であり、(A)はその等価な伝送線路における奇モードを示し、(B)は偶モードを示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器における共振周波数の分布状態を示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器における磁界分布を示す第1の説明図(A)および第2の説明図(B)である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの損失特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの位相特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの振幅特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの一構成例を示す側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの一構成例を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタの第1の構成例を示す側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタの第2の構成例を示す側面図である。 図17に示した第2の構成例に係るフィルタの分解斜視図である。 本発明のその他の実施の形態に係るフィルタにおけるインターディジタル結合の構造を模式的に示す説明図である。 本発明のその他の実施の形態に係るフィルタの一構成例を示す斜視図である。 従来のバランの基本構造を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタに対する比較例の構造を示す斜視図である。
符号の説明
1…第1の共振器、2…第2の共振器、3…不平衡端子、3A,3B,4A,4B…平衡端子、5,6…回転対称軸、11,12,21,22…1/4波長共振器、71,72…グランド層、71A,72A…結合窓。

Claims (8)

  1. 互いに対向するようにインターディジタル結合され、各1/4波長共振器がすべて同一方向に積層配置された複数組の一対の1/4波長共振器と、
    少なくとも1つの前記一対の1/4波長共振器に設けられ、前記一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、前記一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子と
    を備えたことを特徴とするフィルタ。
  2. 前記各一対の1/4波長共振器は、インターディジタル結合していないときの前記各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、前記単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと前記単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、
    かつ、隣り合う前記各一対の1/4波長共振器同士が前記第2の共振周波数f2で電磁結合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  3. 複数のグランド層をさらに備え、
    前記複数のグランド層は、少なくとも、前記一対の平衡端子が設けられた前記一対の1/4波長共振器を挟み込むような位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ。
  4. 前記一対の平衡端子が設けられた前記一対の1/4波長共振器は回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、
    前記複数のグランド層は、前記回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において前記一対の1/4波長共振器を挟み込むように形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のフィルタ。
  5. 隣り合う前記一対の1/4波長共振器の間に前記グランド層を有し、そのグランド層に前記隣り合う前記一対の1/4波長共振器同士を結合するための結合窓が設けられている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のフィルタ。
  6. 前記一対の1/4波長共振器は、回転対称軸を有し全体として回転対称な構造とされ、
    前記一対の平衡端子が、前記回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において前記一対の1/4波長共振器に接続されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ。
  7. 前記一対の平衡端子が設けられていない他の一対の1/4波長共振器に設けられた不平衡端子をさらに備え、全体として不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型のフィルタが構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフィルタ。
  8. 前記一対の平衡端子を2組備え、2組の前記一対の1/4波長共振器のそれぞれに、前記一対の平衡端子が設けられ、全体として平衡入力−平衡出力型のフィルタが構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフィルタ。
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