JP2007298303A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】先行車と自車の距離が急激に変化した場合においても、先行車を見失うことなく、光軸の補正を行うことができるレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置100は、先行車との距離Lを測定する。レーザ光は、リフレクタ200での反射光が最大となる。レーザレーダ装置100は、受光量が最大となるレーザ照射角度と、水平照射角度の差θを算出する。距離Lとθから、レーザレーダ装置100とリフレクタ200の設置位置の高差hを求める。先行車との距離が所定値未満、かつ相対速度(の絶対値)が所定値以上となった場合、高差hに基づいて、理想的光軸ずれ補正量を算出する。
【選択図】図19
【解決手段】レーザレーダ装置100は、先行車との距離Lを測定する。レーザ光は、リフレクタ200での反射光が最大となる。レーザレーダ装置100は、受光量が最大となるレーザ照射角度と、水平照射角度の差θを算出する。距離Lとθから、レーザレーダ装置100とリフレクタ200の設置位置の高差hを求める。先行車との距離が所定値未満、かつ相対速度(の絶対値)が所定値以上となった場合、高差hに基づいて、理想的光軸ずれ補正量を算出する。
【選択図】図19
Description
本発明は、レーザ光やミリ波等の電磁波でスキャンすることにより、前方に存在する物体の存在を測定し、この物体との距離を測定するレーダ装置に関する。
従来、車両の前方をレーザ光等でスキャンして、物体が存在するかどうか、および物体までの距離、方向を測定するレーダ装置が有る。このようなレーダ装置は、車体に対する取り付け誤差や車両の積載状態等による検知領域の傾きによって、物体を誤検知するおそれがある。
レーダ装置が物体を誤検知すると、後段に接続される車両制御装置に誤動作を引き起こすおそれがある。車両制御装置は、レーダ装置で測定した物体の情報(位置)に基づいて、自車を先行車に追従させて車間距離を一定に保つ定車間距離追従走行(ACC:Adaptive Cruise Control)等を行っている。上記のように、物体を誤検知すると、車両制御装置は、この誤検知した物体との距離が所定距離(安全な距離)以下となった場合に減速、停止などを行ってしまう。
そこで、反射波のレベルが所定強度以上となる領域の位置と、スキャン範囲の中心位置とに基づいて、光軸のずれ量を補正する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、反射波のレベルが最大となる領域をもってずれ量を演算する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、これらの装置は、停車中に補正を行うものであって、走行中に補正を行うものではない。走行中に光軸の補正を行う装置としては、例えば特許文献3の様な装置が知られている。特許文献3の装置によれば、先行車が直進している状態で、先行車の情報(位置)を複数採取し、この複数採取された情報を統計処理して先行車の平均的中心位置(適正位置)を判定し、この適正位置に光軸中心位置が一致するように補正する。
しかしながら、走行中において、自車と先行車の位置関係は、走行状態に応じて常に変化する。例えば、加速、減速による自車の姿勢変化、路面変化(坂道等)による自車と先行車の鉛直方向の位置関係の変化、等が考えられる。
走行中において、鉛直方向の位置関係の変化に対応するため、レーザ光の光軸を鉛直方向に動的に制御する技術が用いられている(例えば特許文献4参照)。特許文献4の装置によれば、鉛直方向に多段階に水平スキャンを行う場合であって、反射波のレベルが最大となる鉛直方向と、スキャン可能範囲のうち中心方向との関係に基づいて、ずれ補正量を算出し、鉛直方向のずれを補正する。また、特許文献4の装置は、路面ギャップによる自車の瞬間的な上下揺れ発生時に、瞬間的な光軸ずれを緩和するため、算出したずれ補正量を移動平均してフィルタリングすることが開示されている。
特開2000−329853号公報
特開平11−64489号公報
特開平11−142520号公報
特開2004−125739号公報
特許文献3によれば、走行中においても光軸のずれを補正することができる。また、特許文献4の装置によれば、自車と先行車の位置関係が変化したとしても、その変化に応じた光軸ずれの補正が行われる。しかし、特許文献3、および特許文献4の装置においては、以下の様な問題が発生していた。すなわち、先行車と自車の距離が急激に変化した場合に、光軸の補正が間に合わず、先行車を見失ってしまう。
例えば、先行車が自車に近づくと、先行車の反射板の存在位置は、自車と相対的に高い位置に変化するので、光軸を鉛直上方向に補正する状態となるが、このときに、先行車が急加速した場合、レーザ光が先行車に照射されなくなる。特許文献4の装置においては、先行車にレーザ光が照射されていれば、光軸を下方向に補正する処理が行われるが、上記のように瞬間的な光軸ずれを緩和するため、算出したずれ補正量をフィルタリングするために、光軸補正が遅れてしまう。フィルタの時定数を短くすることも考えられるが、この場合、自車の瞬間的な上下揺れに敏感に反応してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて、先行車と自車の距離が急激に変化した場合においても、先行車を見失うことなく、光軸の補正を行うことができるレーダ装置を提供することを目的とする。
本発明のレーダ装置は、所定間隔で電磁波パルスを照射する電磁波照射部と、前記電磁波パルスの照射方向からの反射波を受波する電磁波受波部と、前記電磁波受波部が受波した反射波の強度を測定する反射強度測定部と、前記電磁波パルスを照射してから反射波を受波するまでの時間に基づいて反射点の距離を測定する距離測定部と、前記電磁波照射部の電磁波照射方向および前記電磁波受波部の受波方向を、水平方向および鉛直方向にそれぞれ所定角度のスキャン範囲で走査させるスキャン部と、前記反射波の強度が最大となる鉛直方向の探査方向と、前記スキャン範囲の鉛直方向の中心位置と、のずれ量を演算し、今回のスキャンで演算したずれ量を、前回スキャン時に演算したずれ量と平均化した値で第1の補正角度を演算し、前記反射波の強度が最大となる鉛直方向の探査方向と、当該探査方向の反射点である最大反射点の距離と、に基づいて、前記電磁波照射部と最大反射点との地上高の差を算出して保持し、今回のスキャンで測定した最大反射点との距離、および前記地上高の差、に基づいて、第2補正角度を演算する演算部と、前記最大反射点との距離が第1の所定値未満であり、かつ最大反射点との相対速度が第2の所定値以上である補正条件を満たした場合に、前記第2の補正角度を選択し、前記補正条件を満たさない場合に前記第1の補正角度を選択する選択部と、前記選択部が選択した補正角度に基づいて、前記スキャン範囲を鉛直方向に移動させる補正部と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、演算部は、反射波の強度が最大となる探査方向と、スキャン範囲の鉛直方向の中心位置と、に基づいてずれ量を演算する。演算部は、このずれ量を記憶しておく。スキャン毎に新たに演算したずれ量は、記憶部に記憶されている過去のずれ量と平均化され、第1の補正角度として演算される。
また、演算部は、反射波の強度が最大となる反射点の探査方向と、その反射点との距離と、に基づいて反射点との高差を求める。例えば、先行車のリフレクタとの高差を求める。高差hは、電磁波の鉛直水平照射角度と、反射波の強度が最大となる探査方向の照射角度との差θ、反射点との距離Lから、以下のようにして求める。
h=L×tanθ
この高差hは、例えば、道路形状が安定している(直線道路)場合に更新すればよい。演算部は、この高差を保持しておく。さらに、演算部は、保持している高差h、および、その時点で前記反射波の強度が最大となる反射点との距離L’に基づいて、第2補正角度θ’を演算する。第2補正角度θ’は、以下のようにして求める。
θ’=tan−1(h/L’)
ここで、最大反射点(例えば先行車のリフレクタ)との距離が第1の所定値(例えば30m)未満であり、かつ当該最大反射点との相対速度(例えば20km/h)が第2の所定値以上であれば、第2補正角度に基づいてスキャン範囲を鉛直方向に移動させる。
h=L×tanθ
この高差hは、例えば、道路形状が安定している(直線道路)場合に更新すればよい。演算部は、この高差を保持しておく。さらに、演算部は、保持している高差h、および、その時点で前記反射波の強度が最大となる反射点との距離L’に基づいて、第2補正角度θ’を演算する。第2補正角度θ’は、以下のようにして求める。
θ’=tan−1(h/L’)
ここで、最大反射点(例えば先行車のリフレクタ)との距離が第1の所定値(例えば30m)未満であり、かつ当該最大反射点との相対速度(例えば20km/h)が第2の所定値以上であれば、第2補正角度に基づいてスキャン範囲を鉛直方向に移動させる。
これにより、先行車と自車の距離が急激に変化した場合においても、その距離に応じて補正角度が求められ、スキャン範囲の鉛直方向の中心位置が補正される。
また、本発明のレーダ装置は、さらに、前記演算部は、今回のスキャンで算出した地上高の差の値を、前回スキャン時に算出した地上高の差の値と平均化した値で保持することを特徴とする。
この発明では、新たに求めた高差を前回までに求めた高差の値で平均化(フィルタリング)する。
また、本発明のレーダ装置は、さらに、前記スキャン部は、所定角度刻みの鉛直方向毎に、前記電磁波照射部の電磁波照射方向および前記電磁波受波部の受波方向を水平方向に走査させることを特徴とする。
この発明では、水平方向のスキャンを所定角度刻みの鉛直方向毎に行う。補正部は、スキャン範囲の鉛直方向の中心位置を移動させる。
本発明によれば、先行車のリフレクタ等の高さを求めておき、先行車との距離が近づいた場合等は、予め求めておいたリフレクタ高さと先行車の距離と、に基づいて演算した補正角度で光軸(スキャン範囲の鉛直方向の中心位置)を補正するので、先行車と自車の距離が急激に変化した場合においても、先行車を見失うことがなくなる。
図1は、本発明の実施形態であるレーザレーダ装置(車両用測距装置)のブロック図である。
LD(Laser Diode)駆動回路10は、制御回路11で生成された駆動信号に基づいて、LD12の発光を制御する。スキャナ13は、制御回路11の制御に基づいて、LD12により発生されたレーザ光を所定のスキャン範囲でスキャンさせる。スキャナ13より出射されたレーザ光は、投光レンズを介して自車1の走行方向(前方)に出射される。鉛直走査位置検出装置14と水平走査位置検出装置15は、スキャナ13におけるレーザ光の水平方向と鉛直方向のスキャン(走査)位置をそれぞれ検出して、制御回路11に出力する。
LD12が出射したレーザ光が、検出対象としての前方の物体(例えば、車両)に反射して戻ってきた反射光は、受光レンズにより集光され、PD(Photo Diode)16によって受光され、その受光レベルに対応する信号が受光回路17に出力される。受光回路17は、入力された反射光の信号レベルを数値化して、制御回路11に出力する。制御回路11は、入力された数値(受光レベル)を、鉛直走査位置検出装置14と水平走査位置検出装置15から入力されたスキャン位置に対応してメモリ18に記億する。メモリ18には、その他、光軸(レーザ光出射角度であり、初期状態では自車正面中心方向に設定される軸)のずれ補正量、ヒストグラム(後述する)等が記憶される。制御回路11には、車速センサ19、ヨーレートセンサ20、およびGPS21が接続されている。車速センサ19は、自車の車速を検出する。ヨーレートセンサ20は、自車の水平方向のヨーレートを検出する。GPS21は、自車の位置を検出する。
制御回路11は、メモリ18に記憶された受光レベルに基づいて、レーザ光を出射してからその反射光を受光するまでの時間に基づいて、物体(先行車等)と自車との距離を測定する。さらに、制御回路11は、検出した物体が先行車であるかどうかの判定を行う。なお、先行車とは、自車が走行している車線前方を走行する直前の車両(1台)を意味する。
スキャナ13の投光レンズと受光レンズを支持する部分の構成を図2に示す。
制御回路11からの制御信号が、駆動回路30に入力される。駆動回路30は、入力された制御信号に基づき、水平方向駆動用コイル31と鉛直方向駆動用コイル32に駆動電流を供給する。水平方向駆動用コイル31と鉛直方向駆動用コイル32は、投光レンズ35と受光レンズ36を一体的に支持する支持部材(図示せず)を、それぞれ、水平方向または鉛直方向に移動させる。支持部材は、水平方向板バネ33と鉛直方向板バネ34により、それぞれ水平方向または鉛直方向に移動自在に支持されている。したがって、支持部材(投光レンズ35と受光レンズ36)は、駆動電流により水平方向駆動用コイル31に発生した磁界と図示しない永久磁石との引力もしくは反発力と水平方向板バネ33に発生する反力がつりあう水平方向の位置に移動して、静止するとともに、鉛直方向駆動用コイル32に発生した磁界と図示しない永久磁石との引力もしくは反発力と鉛直方向板バネ34に発生する反力、および重力がつりあう位置に移動して、静止する。なお、各レンズの位置は図示していないセンサにより検出し、このセンサ出力を駆動回路30に入力することでサーボ機構を構成している。
制御回路11からの制御信号が、駆動回路30に入力される。駆動回路30は、入力された制御信号に基づき、水平方向駆動用コイル31と鉛直方向駆動用コイル32に駆動電流を供給する。水平方向駆動用コイル31と鉛直方向駆動用コイル32は、投光レンズ35と受光レンズ36を一体的に支持する支持部材(図示せず)を、それぞれ、水平方向または鉛直方向に移動させる。支持部材は、水平方向板バネ33と鉛直方向板バネ34により、それぞれ水平方向または鉛直方向に移動自在に支持されている。したがって、支持部材(投光レンズ35と受光レンズ36)は、駆動電流により水平方向駆動用コイル31に発生した磁界と図示しない永久磁石との引力もしくは反発力と水平方向板バネ33に発生する反力がつりあう水平方向の位置に移動して、静止するとともに、鉛直方向駆動用コイル32に発生した磁界と図示しない永久磁石との引力もしくは反発力と鉛直方向板バネ34に発生する反力、および重力がつりあう位置に移動して、静止する。なお、各レンズの位置は図示していないセンサにより検出し、このセンサ出力を駆動回路30に入力することでサーボ機構を構成している。
このようにして、投光レンズ35と受光レンズ36は、水平方向と鉛直方向の両方向の所定の位置に移動することができる。
スキャナ13によって駆動された、投光レンズ35と受光レンズ36の光路を図3に示す。投光レンズ35は、LD12の前面に設けられ、受光レンズ36は、PD16の前面に設けられている。
LD12から出射されたレーザ光は、投光レンズ35に集光される。投光レンズ35の位置が走査の中立位置にある場合は、図3の実線で示されるような光路で、レーザ光は正面に出射される。出射されたレーザ光は、前方の物体(例えば、車両)で反射され、図3の実線で示されるような光路で、受光レンズ36に入射し、PD16によって受光される。
また、スキャナ13によって、図中、上方向に投光レンズ35が移動した場合、レーザ光は、図3の点線で示されるような光路で、図中、上方向に出射される。そして、出射されたレーザ光は、図中、上方向の物体で反射され、図3の点線で示されるような光路で、受光レンズ36に入射し、PD16によって受光される。
このようにして、スキャナ13は、投光レンズ35と受光レンズ36を一体的に水平方向の所定の位置に移動することで、レーザ光を水平方向にスキャンする。また、同様に、スキャナ13は、投光レンズ35と受光レンズ36を一体的に鉛直方向に移動することで、レーザ光を鉛直方向にスキャンをする。
図4と図5は、自車1のレーザレーダ装置100が車両2にレーザ光を出射する場合の、水平方向と鉛直方向のスキャン範囲の例を示す図である。図4に示すように、水平方向のスキャン範囲は、水平領域61乃至67の7個の領域に分割されている。また、図5に示したように、鉛直方向のスキャン範囲は、鉛直領域81乃至85の5個の領域に分割されている。なお、実際に車両に搭載される場合さらに多数の領域に分割されているが、この実施形態においては説明を容易にするために水平方向に7個、鉛直方向に5個の領域に分割されているものとする。
図4、図5に示したスキャン範囲をレーザ光にスキャンさせる場合のスキャナ13によるスキャン方向を図6に示す。鉛直領域83は、鉛直方向の5個の領域のうち、中心領域であり、この領域においては、水平領域61から水平領域67に向かってスキャンが行われる(メインスキャン1)。これに対して、鉛直領域83より上の鉛直領域81と鉛直領域82は、水平領域67から水平領域61に向かって走査される(サブスキャン1とサブスキャン2)。同様に、鉛直領域83より下の鉛直領域84と鉛直領域85においては、水平領域67から水平領域61に向かってスキャンが行われる(サブスキャン3とサブスキャン4)。
図7は、スキャン範囲の全体をスキャンする場合における、メインスキャン1とサブスキャン1乃至4の実行順の例を示す図である。ステップS1において、スキャナ13は、メインスキャン1(鉛直領域83を水平領域61から水平領域67に向かって行うスキャン)を行う。ステップS2において、スキャナ13は、サブスキャン1(鉛直領域81を水平領域67から水平領域61に向かって行うスキャン)を行う。ステップS3において、スキャナ13は、メインスキャン1を行い、ステップS4において、サブスキャン2(鉛直領域82を水平領域67から水平領域61に向かって行うスキャン)を行う。
ステップS5において、スキャナ13は、メインスキャン1を行い、ステップS6において、サブスキャン3(鉛直領域84を水平領域67から水平領域61に向かって行うスキャン)を行う。ステップS7において、スキャナ13は、メインスキャン1を行い、ステップS8において、サブスキャン4(鉛直領域85を水平領域67から水平領域61に向かって行うスキャン)を行う。各スキャンの時間は、いずれも50msとされる。そして、以上のステップS1乃至S8の8回のスキャンがスキャン範囲の1セットのスキャンとされる。
本実施形態において、レーザレーダの光軸ずれは、短期的に補正されるとともに、長期的にも補正される。短期的な光軸ずれは、加減速時の自車の上下方向の揺れや、坂道での先行車両の上下方向の移動等の数秒間の光軸ずれである。また、長期的な光軸ずれは、自車の積載重量の変化による上下方向の傾きや、軽衝突等による光軸ずれである。さらに、路面のギャップ等による瞬間的な自車両の上下方向の揺れによる瞬間的な光軸ずれも存在するが、本発明では、この瞬間的な光軸ずれは、誤検出を防ぐため補正しない。さらに、本実施形態において、レーザレーダの光軸ずれは、先行車との相対速度が大きく変化した場合に、先行車との距離に応じて補正する。
以下、レーザレーダ装置の具体的な動作について、図8〜図23を参照して説明する。
図8、および図9は、鉛直光軸補正処理フローを示すフローチャートである。まず、制御回路11は、メモリ18に記憶されているヒストグラムを初期化する(s21)。図10は、メモリ18に記憶されているヒストグラムの例を示す図である。同図には、光軸ずれ補正量(横軸)に対する補正回数(縦軸)が表されている。図10の例では、−2度の光軸ずれ補正が行われた回数は8回とされ、−1度の光軸ずれ補正が行われた回数は40回とされている。光軸ずれ補正が行われなかった回数、すなわち光軸ズレ補正量が0の場合は最も多い100回とされ、1度の光軸ずれ補正が行われた回数は70回とされている。2度の光軸ずれ補正が行われた回数は、最も少ない2回とされている。s21の処理では、これらの補正回数がいずれも0回とされる。
図8、および図9は、鉛直光軸補正処理フローを示すフローチャートである。まず、制御回路11は、メモリ18に記憶されているヒストグラムを初期化する(s21)。図10は、メモリ18に記憶されているヒストグラムの例を示す図である。同図には、光軸ずれ補正量(横軸)に対する補正回数(縦軸)が表されている。図10の例では、−2度の光軸ずれ補正が行われた回数は8回とされ、−1度の光軸ずれ補正が行われた回数は40回とされている。光軸ずれ補正が行われなかった回数、すなわち光軸ズレ補正量が0の場合は最も多い100回とされ、1度の光軸ずれ補正が行われた回数は70回とされている。2度の光軸ずれ補正が行われた回数は、最も少ない2回とされている。s21の処理では、これらの補正回数がいずれも0回とされる。
s22において、制御回路11は、光軸ずれ補正量として、工場出荷時に予め設定された規定値を設定する。この規定値もメモリ18に記憶されている。s23において、制御回路11は、スキャナ13を制御し、設定された光軸補正量に基づいて光軸を補正する。即ち、図2に示されるように、制御回路11は、制御信号をスキャナ13の駆動回路30に供給し、鉛直方向駆動用コイル32に制御信号に対応する大きさの電流を供給する。投光レンズ35と受光レンズ36を支持する支持部材に連結した鉛直方向板バネ34が、電流によってコイルに発生した力と板バネに発生する反力や重力がつりあう位置に移動する。これによりスキャン範囲の鉛直方向の位置が、工場出荷時の位置に設定される。
スキャン範囲の工場出荷時の位置の設定例を図11〜図13を参照して説明する。なお、この例の場合、スキャナ13の鉛直方向の可動範囲は20度であり、20度のうち4度の範囲がスキャン範囲とされる。
図11は、光軸補正量が0度の(光軸が補正されない)場合において、スキャナ13が設定するスキャン範囲の鉛直方向の位置の例を示す。この例の場合、鉛直可動範囲内の下限より4度だけ上(略水平角度)にメインスキャン1が設定される。サブスキャン2は、メインスキャン1より1度だけ上方向に設定され、サブスキャン1は、さらに1度(合計2度)だけ上方向に設定される。また、サブスキャン3は、メインスキャン1より1度だけ下方向に設定され、サブスキャン4は、さらに1度(合計2度)だけ下方向に設定される。したがって、この場合、光軸補正の余裕として、上側に14度、下側に2度の範囲が残ることとなる。S22で設定される規定値は、この値に設定される。
図12は、図11の状態に対する光軸補正量が1度の(上方向に1度補正された)場合において、スキャナ13が設定するスキャン範囲の鉛直方向の位置の例を示す。この例の場合、メインスキャン1は、鉛直可動範囲内の下限より5度だけ上方向に設定される。サブスキャンは、図11の例の場合と同様に、サブスキャン2は、メインスキャン1より1度だけ上方向に設定され、サブスキャン1は、サブスキャン2より1度だけ上方向(メインスキャン1より2度だけ上方向)に設定される。また、サブスキャン3は、メインスキャン1より1度だけ下方向に設定され、サブスキャン4は、サブスキャン3より1度だけ下方向(メインスキャン1より2度だけ下方向)に設定される。従って、この場合、光軸補正の余裕として残るのは、上側が13度、下側が3度の範囲となる。
図13は、図11の状態に対する光軸補正量が−2度の(下方向に2度だけ補正された)場合において、スキャナ13が設定するスキャン範囲の鉛直方向の位置の例を示す。この例の場合、メインスキャン1は、鉛直可動範囲の下限より2度だけ上方向に設定される。サブスキャン2は、メインスキャン1より1度上方向に設定され、サブスキャン1は、サブスキャン2より1度だけ上方向(メインスキャン1より2度だけ上方向)に設定される。また、サブスキャン3は、メインスキャン1より1度だけ下方向に設定され、サブスキャン4は、サブスキャン3より1度だけ下方向(メインスキャン1より2度だけ下方向)に設定される。従って、この場合、光軸補正の余裕として残るのは、上側が16度、下側が0度となる。
s24において、制御回路11は、スキャナ13を制御し、図6と図7に示したような方向と順序で、設定されたスキャン範囲を1セットだけスキャンする。スキャンされたレーザ光は、物体により反射され、PD16で受光される。PD16で受光されたレーザ光は、電気信号に変換され、受光回路17で数値化される。s25において、制御回路11は、受光回路17から数値化された受光量を取得する。
図14は、s25の処理の結果、受光回路17から取得された受光量の例を示す図である。なお、表中の数値の記載がないものは全て受光量がゼロであることを示している。
図14の例の場合、鉛直領域81の水平領域64からの受光量は「10」である。鉛直領域82では、水平領域63からの受光量は「20」であり、水平領域64からの受光量は「100」であり、水平領域65からの受光量は「25」である。鉛直領域83の水平領域63からの受光量は「90」であり、水平領域64からの受光量は「150」であり、水平領域65からの受光量は「100」である。鉛直領域84の水平領域63からの受光量は「150」であり、水平領域64からの受光量は「200」であり、水平領域65からの受光量は「160」である。鉛直領域85では、水平領域63からの受光量は「80」であり、水平領域64からの受光量は「180」であり、水平領域65からの受光量は「75」である。
s26において、制御回路11は、先行車が認識できたか否かを判定する。先行車の認識は、以下のようにして行う。
制御回路11は、受光量が予め設定されている所定の基準値以上であった場合、反射体(ターゲットと言う)が存在すると判定する。そして、各ターゲットの検出を時間継続的に複数回繰り返すことで、そのターゲットの移動速度と移動方向(移動ベクトル)を求めることができ、同じ移動ベクトルを有する近接ターゲットを同一物体としてグルーピングする。
制御回路11は、受光量が予め設定されている所定の基準値以上であった場合、反射体(ターゲットと言う)が存在すると判定する。そして、各ターゲットの検出を時間継続的に複数回繰り返すことで、そのターゲットの移動速度と移動方向(移動ベクトル)を求めることができ、同じ移動ベクトルを有する近接ターゲットを同一物体としてグルーピングする。
グルーピングについて図15を参照して詳細に説明する。図15に示すグラフの横軸は各ターゲットの水平方向における検出位置を表し、縦軸は各ターゲットとの距離を示す。なお、鉛直方向については図示していないが、鉛直方向についても検出位置と各ターゲットとの距離を比較するものとする。同図における丸印は検出した各ターゲットを示し、矢印は移動ベクトルを示す。移動ベクトルは、1スキャンの時間における各ターゲットの移動距離と方向を表し、前回スキャンにおける検出位置と今回スキャンにおける検出位置の差から算出する。1スキャンは例えば100msecとする。
制御回路11は、各ターゲットの移動ベクトルを算出し、比較する。その結果、移動ベクトル、および距離が同一(類似)と判断されたターゲットを同一の物体としてグルーピングする。同図においては、ターゲット101A〜101Hが検出されており、ターゲット101A〜101Eは略同一の距離、移動ベクトルを有している。したがって制御回路11は、ターゲット101A〜101Eを同一の物体としてグルーピングする。ここで、ターゲット101Fはターゲット101A〜101Eと略同一の距離であるが、移動ベクトルが異なる(反対方向である)ために同一の物体ではないとして判断する。また、ターゲット101Gはターゲット101A〜101Eと略同一の移動ベクトルを有するが、距離が大きく異なるために、同一の物体ではないとして判断する。ターゲット101Hはターゲット101A〜101Eと距離、移動ベクトルともに異なるために、同一の物体ではないとして判断する。
このようにして、グルーピングしたターゲット集合から、物体の大きさ(水平方向の幅)を算出することができる。制御回路11は、これらの情報から、検出したターゲット集合が人であるか、車両であるか、道路構造物であるか、等を判断して、物体の種類を認識する処理を行う。
また、制御回路11は、自車前方の道路形状を推定し、車両であると認識した物体の中から先行車を認識する。制御回路11は、車速センサ19、ヨーレートセンサ20、およびGPS21の検出した情報に基づいて、自車前方の道路形状を推定する。推定手法は、公知の手法を用いればよい。GPS21の検出した自車の位置情報を用いる場合は、ナビゲーション(図示せず)の地図情報と連動させればよい。また、カメラにより前方画像を撮影し、この画像に基づいて道路形状を推定してもよい。制御回路11は、車両であると認識した物体のうち、自車の走行車線と同一の車線を走行し、かつ直前の車両(最も距離が近い車両)を先行車として認識する。
以上のような処理で、先行車を認識した場合、制御回路11は、処理をs28に進め、その先行車との距離、および相対速度が所定値以上であるか否かを判断する。先行車との距離が所定値(例えば30m)以上、または相対速度の絶対値が所定値(例えば20km/h)未満であれば、処理をs29に進め、短期的光軸ずれ補正量を決定する処理を実行する。先行車との距離が所定値未満、および相対速度の絶対値が所定値以上であれば、s30に処理を進め、距離による光軸ずれ補正量決定処理を行う。この距離による光軸ずれ補正量決定処理については後に詳細に述べる。
図16のフローチャートを参照して、s29の短期的光軸ずれ補正量を決定する処理の詳細について説明する。
図16のフローチャートを参照して、s29の短期的光軸ずれ補正量を決定する処理の詳細について説明する。
s51において、制御回路11は、受光量が最大の鉛直領域を検出する。即ち、図14の例の場合、受光量の値が最大の「200」となる鉛直領域84が検出される。s52において、制御回路11は、スキャナ13のレーザの水平照射角度(鉛直可動範囲内の下限より4度だけ上)から、その鉛直領域(受光量の値が最大となる鉛直領域)の角度オフセット量を光軸ずれ量として演算する。即ち、図14の例の場合、メインスキャン1は鉛直領域83に設定されているので、レーザの水平照射角度は鉛直領域83であり、受光量が最大の鉛直領域84(鉛直可動範囲内の下限より3度だけ上)との角度(図5の角度a)は、1度となる。
s53において、制御回路11は、フィルタリング処理を行なう。制御回路11のフィルタリング処理について、図17(A)のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、s71において、制御回路11は、メモリ18から前回の短期的光軸ずれ補正量を読み出す。次に、s72において、制御回路11は、前回の短期的光軸ずれ補正量×0.8(前回の短期的光軸ずれ補正量の80%)の値と、今回の光軸ずれ量×0.2(今回の光軸ずれ量の20%)の値の和を演算し、短期的光軸ずれ補正量に設定する。例えば、前回の短期的光軸ずれ補正量が4度であり、今回の光軸ずれ量が3度であった場合、短期的光軸ずれ補正量は、3.8度に設定される。
s72の処理の後、制御回路11は、処理を図16のs54に進め、クリッピング処理を行なう。このクリッピング処理について、図18のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、s91において、制御回路11は、メモリ18から前回の短期的光軸ずれ補正量(後述するs57の処理で記憶されている補正量)を読み出す。s92において、制御回路11は、今回の短期的光軸ずれ補正量(図17のs72で設定された短期的光軸ずれ補正量)と、前回の短期的光軸ずれ補正量の差の絶対値が1度以上であるか否かを判定する。今回と前回の短期的光軸ずれ補正量の差の絶対値が1度以上であると判定された場合、制御回路11は、s93に進め、今回の短期的光軸ずれ補正量を前回の光軸ずれ補正量に1度単位で変更する。この処理により、今回の短期的光軸ずれ補正量が前回の光軸ずれ補正量より、最大でも、1度だけ大きい値、または小さい値に設定される。なお、更新した修正値が、可動範囲を超える場合は、修正値を可動範囲内の値とすることが望ましい。
s92において、今回と前回の短期的光軸ずれ補正量の差の絶対値が一度以上ではない(1度未満である)と判定された場合、制御回路11は、短期的光軸ずれ補正量を変更せず、そのままの値とする。
s93の処理、またはs92で今回と前回の短期的光軸ずれ補正量の差の絶対値が1度以上ではないと判定された後、制御回路11は、s55において、自車のレーザレーダ装置の地上設置高と、先行車のリフレクタの地上設置高との差(以下、高差と言う)を算出する。この高差は、後述の光軸ずれの距離補正処理に用いられる。図19に示すように、一般的にレーザレーダ装置100は、車体前方の低い位置に設置されており、リフレクタ200は視認性を高めるために車体後方の高い位置に設置されている。リフレクタ200は、反射光量が大きく、このリフレクタ200が存在する方向へレーザを出射すると受光量が最大となる。したがって、制御回路11は、s55において、s53でフィルタリングした後の短期的光軸ずれ補正量(図19に示すθ)と、リフレクタ200との距離(図19に示すL)に基づいて、高差hを算出する。高差hは、以下の数式で表される。
h=L×tanθ ・・・数式1
制御回路11は、算出した高差hもさらにフィルタリング処理する(s56)。このフィルタリング処理は、図17(B)に示す処理である。まず、s73において、制御回路11は、メモリ18から前回の算出高差hを読み出す。次に、s74において、制御回路11は、前回の算出高差h×0.8の値と、今回の算出高差h×0.2の値の和を演算し、高差hに設定する。なお、制御回路11は、フィルタリング処理の時に、車速センサ19、ヨーレートセンサ20、およびGPS21の検出した情報に基づいて、自車前方の道路形状を推定し、道路形状が安定していると判断できた場合にのみ高差hを更新するようにしてもよい。
h=L×tanθ ・・・数式1
制御回路11は、算出した高差hもさらにフィルタリング処理する(s56)。このフィルタリング処理は、図17(B)に示す処理である。まず、s73において、制御回路11は、メモリ18から前回の算出高差hを読み出す。次に、s74において、制御回路11は、前回の算出高差h×0.8の値と、今回の算出高差h×0.2の値の和を演算し、高差hに設定する。なお、制御回路11は、フィルタリング処理の時に、車速センサ19、ヨーレートセンサ20、およびGPS21の検出した情報に基づいて、自車前方の道路形状を推定し、道路形状が安定していると判断できた場合にのみ高差hを更新するようにしてもよい。
s56の処理の後、制御回路11は、処理を図16のs57に進め、短期的光軸ずれ補正量、および高差hをメモリ18に記億する。
次に、図8のs30で行う光軸ずれ補正量決定処理について図20を用いて詳細に説明する。この処理は、制御回路11が先行車を認識し、かつ先行車との距離が所定値(例えば30m)未満、および相対速度の絶対値が所定値(例えば20km/h)以上であることがトリガとなる。
制御回路11は、まず、メモリ18から高差hを読み出す(s101)。次に、s102において、制御回路11は、高差hと、現時点での先行車との距離L’に基づいて最適な光軸角度(レーザの水平照射角度からのオフセット角度)を算出する。最適な光軸角度は、以下の数式で表される。
θ’=tan−1(h/L’) ・・・数式2
この最適光軸角度の一例を図21に示す。図21に示すグラフの縦軸は、光軸角度を表し、横軸は先行車との距離を表す。同図のグラフは、高差hが50cmである場合について、数式2で求めた最適光軸角度の値を示したものである。制御回路11は、s103において、図18に示したクリッピング処理を行う。この処理により、急速に光軸を変更する必要がある場合に、光軸の移動速度を、駆動回路30、鉛直方向駆動用コイル32等の機構系の最高移動速度以内とすることができる。なお、本実施形態においては、1度単位でクリッピングを行い鉛直方向の照射角度を変更制御することとしたが、機構系の最高移動速度などに応じ、適宜、クリッピングを行う際の値を変更できることは言うまでもない。制御回路11は、s104において、最適光軸角度と、メインスキャン1の鉛直領域の角度オフセット量との差から、光軸ずれ量を演算する。そして、s105で、演算した光軸ずれ量をメモリ18に記憶する。
θ’=tan−1(h/L’) ・・・数式2
この最適光軸角度の一例を図21に示す。図21に示すグラフの縦軸は、光軸角度を表し、横軸は先行車との距離を表す。同図のグラフは、高差hが50cmである場合について、数式2で求めた最適光軸角度の値を示したものである。制御回路11は、s103において、図18に示したクリッピング処理を行う。この処理により、急速に光軸を変更する必要がある場合に、光軸の移動速度を、駆動回路30、鉛直方向駆動用コイル32等の機構系の最高移動速度以内とすることができる。なお、本実施形態においては、1度単位でクリッピングを行い鉛直方向の照射角度を変更制御することとしたが、機構系の最高移動速度などに応じ、適宜、クリッピングを行う際の値を変更できることは言うまでもない。制御回路11は、s104において、最適光軸角度と、メインスキャン1の鉛直領域の角度オフセット量との差から、光軸ずれ量を演算する。そして、s105で、演算した光軸ずれ量をメモリ18に記憶する。
図16のs57の処理の後、または、図20のs105の後、制御回路11は、処理を図9のs31に進め、メモリ18に記憶された光軸ずれ補正量(短期的光軸ずれ補正量、または距離による光軸ずれ補正量)を読み出し、光軸ずれ補正量に設定する。光軸ずれ補正量を設定することで、s40からs23に処理が戻されたとき、この設定された光軸ずれ補正量に基づいて、スキャン範囲の鉛直方向の位置の補正が行われる。s32において、制御回路11は、光軸ずれ補正量が統計対象の条件を満たしているか否かを判定する。
図22は、統計対象の条件の例を示している。1つ目の条件は、「先行車両との距離が100m未満である」ことである。距離がこの条件を満足していれば、車両は定車間追従走行していることになる。2つ目の条件は、「光軸ずれ補正量の絶対値が2度以内」の値であることである。これは、瞬間的光軸ずれによる影響を除外するための条件である。3つ目の条件は、「自車速が60km/h以上である」ことである。これは、停止時、低速時においては、坂道などによる光軸ずれの時間が高速時に比べ長くなるので、主に坂道の傾斜の少ない自動車道路や高速道路を対象とするための条件(短期的光軸ずれによる影響を軽減する)である。
s32において、図22に示されるような統計対象の全ての条件を、光軸ずれ補正量が満たしていると判定された場合、制御回路11は、処理をs33に進め、設定された光軸ずれ補正量をヒストグラムに追加する。即ち、図10に示したようなヒストグラムがメモリ18に記憶されており、光軸ずれ補正量が−1度であった場合、ヒストグラムの光軸ずれ補正量が−1度の補正回数は、40回から41回に更新される。
s32において、統計対象の3つの条件のうち、1つでも満足されない条件が存在する場合、s33の処理はスキップされる。即ち、その光軸ずれ補正量はヒストグラムに追加されない。これにより、瞬間的な光軸ずれ、相対速度が所定値以上、かつ相対距離が所定値未満のときに行う距離による光軸ずれ補正等、に基づいて後述する長期的光軸ずれ量の値が悪影響を受けることが抑制される。
s26において、先行車両が認識できないと判定された場合、制御回路11は、s57でメモリ18に記憶した高差hをリセットし(s27)、処理をs34に進め、ヒストグラムの統計数が1000個より少ないか否かを判定する。ヒストグラムの統計数が1000個より少ないと判定された場合、制御回路11は、処理をs35に進め、長期的光軸ずれ補正量(後述する図23のステップS113で記憶される)がメモリ18に記憶されているか否かを判定する。長期的光軸ずれ補正量がメモリ18に記憶されていないと判定した場合、制御回路11は、処理をステップS36に進め、光軸ずれ補正量として、予め設定されている規定値(メモリ18に記憶されている)を設定する。
s34において、ヒストグラムの統計数が1000個より少なくない(1000個以上である)と判定した場合、制御回路11は、処理をステップS37に進め、長期的光軸ずれ補正量を演算する。制御回路11が長期的光軸ずれ補正量を演算する処理を、図23のフローチャートを参照して説明する。
s111において、制御回路11は、ヒストグラムから、補正回数の最も多い光軸ずれ補正量を検出する。例えば、ヒストグラムが図10に示される例の場合、最も補正回数の多い光軸ずれ補正量として、補正回数が100回の0度の光軸ずれ補正量が検出される。s112において、制御回路11は、長期的光軸ずれ補正量として、その光軸ずれ補正量(今の場合、0度)を設定する。s113において、制御回路11は、長期的光軸ずれ補正量をメモリ18に記憶する。なお、この長期的光軸ずれ補正量を、s22の処理で用いる工場出荷時に予め設定された規定値としても記憶するようにしてもよい。この様にすることにより、工場出荷後に光軸がずれた場合にも、鉛直方向の光軸補正処理を開始した時点で光軸を最適な状態とすることができる。
図23のs113の処理の後、制御回路11は、処理を図9のs38に進め、ヒストグラムの統計数を半分に縮小する。例えば、光軸ずれ補正量毎の補正回数が全て半分の値に設定される。s38の処理の後、またはs35の処理で長期的光軸ずれ補正量がメモリ18に記憶されていると判定した場合、制御回路11は、処理をs39に進め、光軸ずれ補正量として長期的光軸ずれ補正量を設定する。即ち、今回、図23のs112の処理で設定された新たな長期的光軸ずれ補正量、または前回、図23のs113の処理でメモリ18に記憶された長期的光軸ずれ補正量が、光軸ずれ補正量に設定される。
このようにして、s33の処理によって1000個の光軸ずれ補正量がヒストグラムに追加され、s37により長期的光軸ずれ補正量が設定された後、s33の処理によって統計数が500個追加される毎に、制御回路11は、s37乃至39の処理を行ない、新たな長期的光軸ずれ補正量を決定し、光軸ずれ補正量に設定する。
s32で統計対象の条件が満たされていないと判定された場合、s33の処理の後、s36の処理の後、またはs39の処理の後、制御回路11は、処理をs40に進め、ユーザの指令によってレーザレーダの処理を終了するか否かを判定する。レーザレーダの処理をまだ終了しないと判定された場合、制御回路11は、処理をs23に戻し、設定された光軸ずれ補正量に基づいて光軸を補正する。即ち、先行車両が検出された場合は、短期的光軸ずれ補正量、先行車との距離によって求めた理想的光軸ずれ補正量に基づいて光軸が補正され、先行車両が検出されず、ヒストグラムの統計数が1000個以上の場合は、長期的光軸ずれ補正量に基づいて、光軸が補正される。また、先行車両が検出されず、ヒストグラムの統計数が1000個に満たない場合は、前回の長期的光軸ずれ補正量がメモリ18に記憶されていない場合は、規定値に基づいて光軸が補正される。前回の長期的光軸ずれ補正量が記憶されている場合は、前回の長期的光軸ずれ補正量に基づいて光軸が補正される。レーザレーダの処理の終了が指令されるまで、上述の処理が繰り返される。
s40において、レーザレーダの処理を終了すると判定された場合、制御回路11は、処理を終了する。
このように、本発明においては、受光量が最大の鉛直領域がスキャン範囲の鉛直方向の中心となるように光軸ずれを補正しつつ、先行車が急接近した場合に、先行車との距離に基づいて理想的光軸角度が設定される。したがって、自車の上下方向の揺れや、坂道での先行車両の上下方向の移動などにより、数秒間、光軸がずれた場合も、光軸を最適な位置に設定することが可能となり、検出対象の距離を確実に測定することができる。
また、短期的光軸ずれ補正量は、フィルタリング処理やクリッピング処理を行なうので、瞬間的な光軸ずれによる受光量の影響を減らすことができるとともに、先行車が急接近した場合等は、先行車との距離に応じて即座に理想的な光軸補正量が算出されるので、光軸補正が間に合わずに先行車を見失うことがない。
また、検出対象がない場合であっても、それまでに補正された光軸ずれ補正量と補正回数のヒストグラムに基づいて光軸ずれ補正量を決定することができるので、自車の積載重量の変化による上下方向の傾きや、軽衝突等による長期的な光軸ずれを補正することができる。
100−レーザレーダ装置
200−リフレクタ
200−リフレクタ
Claims (3)
- 所定間隔で電磁波パルスを照射する電磁波照射部と、
前記電磁波パルスの照射方向からの反射波を受波する電磁波受波部と、
前記電磁波受波部が受波した反射波の強度を測定する反射強度測定部と、
前記電磁波パルスを照射してから反射波を受波するまでの時間に基づいて反射点の距離を測定する距離測定部と、
前記電磁波照射部の電磁波照射方向および前記電磁波受波部の受波方向を、水平方向および鉛直方向にそれぞれ所定角度のスキャン範囲で走査させるスキャン部と、
前記反射波の強度が最大となる鉛直方向の探査方向と、前記スキャン範囲の鉛直方向の中心位置と、のずれ量を演算し、
今回のスキャンで演算したずれ量を、前回スキャン時に演算したずれ量と平均化した値で第1の補正角度を演算し、
前記反射波の強度が最大となる鉛直方向の探査方向と、当該探査方向の反射点である最大反射点の距離と、に基づいて、前記電磁波照射部と最大反射点との地上高の差を算出して保持し、
今回のスキャンで測定した最大反射点との距離、および前記地上高の差、に基づいて、第2補正角度を演算する演算部と、
前記最大反射点との距離が第1の所定値未満であり、かつ最大反射点との相対速度が第2の所定値以上である補正条件を満たした場合に、前記第2の補正角度を選択し、前記補正条件を満たさない場合に前記第1の補正角度を選択する選択部と、
前記選択部が選択した補正角度に基づいて、前記スキャン範囲を鉛直方向に移動させる補正部と、
を備えたレーダ装置。 - 前記演算部は、今回のスキャンで算出した地上高の差の値を、前回スキャン時に算出した地上高の差の値と平均化した値で保持する請求項1に記載のレーダ装置。
- 前記スキャン部は、所定角度刻みの鉛直方向毎に、前記電磁波照射部の電磁波照射方向および前記電磁波受波部の受波方向を水平方向に走査させる請求項1、または請求項2に記載のレーダ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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