次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本実施形態によるパチスロ機1が複数台設置された遊技場の島設備100の構成の概略を示す正面図である。
各パチスロ機1の右側には、パチスロ遊技に用いられる遊技媒体であるメダルを貸し出すメダル貸出機101が設置されている。また、各パチスロ機1の上部には、遊技に関する種々のデータが表示されるデータ表示装置110がパチスロ機1の外部に設けられている。また、島設備100の両端上部には、店員呼出用のコーナーランプ102が設けられている。このコーナーランプ102は、遊技中にトラブルが発生した時などに後述する呼出ボタン116(図4参照)が操作されることで、点滅発光する。
図2は、図1に示すパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部のキャビネット内部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列(図11参照)が描かれている。これら各リール2〜4の前部にはリール表示窓部39が設けられており、このリール表示窓部39に形成された表示窓5,6,7を通して、各リール2〜4の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個ずつ観察される。リール2〜4および表示窓5〜7は、複数のシンボルを表示する図柄表示手段を構成している。
リール表示窓部39には、同図に示すように横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者がメダルを投入するための投入口8が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者が投入口8から1枚のメダルを投入したときは、図3(a)に示すように、中央の横1本の入賞ラインL1(センターライン)が有効化される。また、2枚投入したときは、同図(b)に示すように、これに上下の横2本の入賞ラインL2A(トップライン),L2B(ボトムライン)が加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、同図(c)に示すように、5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A(クロスダウンライン),L3B(クロスアップライン)の全てが有効化される。なお、同図における丸印は各リール2〜4上に描かれたシンボルを表している。以降、有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。
リール表示窓部39は、後述する液晶パネル39d(図5,図6参照)が電気的表示パネルとして積層されて構成されており、この液晶パネル39dには、遊技に関する種々の情報が表示される。液晶パネル39dは、遊技に関する情報を表示する表示手段を構成している。
また、表示窓5〜7の左方の機器前面パネル38には、上部から、遊技動作表示器9〜12、メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびベットランプ13〜15は遊技状況に応じて点灯制御され、その時の遊技状況やメダルの投入枚数が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方の機器前面パネル38には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、後述するRB(レギュラーボーナス)遊技状態の残り入賞可能回数などをデジタル表示する。WINランプ19は、後述する「BB(ビッグボーナス)」の当籤役が決定されると点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数などを表示する。インサートランプ21は投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
左方の機器前面パネル38の下方には、選択ボタン23、決定ボタン24、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。選択ボタン23は、液晶パネル39dに表示する情報を、液晶パネル39dに表示されるメニュー画面などに従って選択する際に操作され、決定ボタン24は、選択ボタン23で決定した情報を決定する際や実際に液晶パネル39dに表示させる際などに操作される。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1枚〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、リール表示窓部39の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30、および停止ボタン(ストップボタン)31a,31b,31cが設けられている。貯留メダル精算ボタン29は、機械内部にメダルをクレジットして遊技を行うか直接投入口8にメダルを投入して遊技を行うかを切り替える際と、機械内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算する際とに使用される。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31a〜31cは、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられており、この配当表示部36の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
図4は、図1に示すデータ表示装置110の外観を示す拡大斜視図である。
データ表示装置110は、同図に示すように取付板111にカバー112が被せられて構成されている。カバー112は、赤色に着色されたアクリル板からなる中央部に位置する表示板112a、黄色に着色されたアクリル板からなる左右両側に位置する表示板112b,112cを有している。各表示板112a,112b,112cの内側には図示しないカバー表示ランプが組み込まれており、各表示板112a,112b,112cは、各カバー表示ランプが点灯することで、赤色および黄色の各色で発色する。
また、データ表示装置110の正面中央下部には表示部115が設けられている。表示部115は、LEDなどの発光素子が格子状に配置されたドットマトリクスディスプレイからなり、遊技に関する種々のデータを文字や記号などにより表示する。表示部115の左側には、受信部117が設けられている。受信部117では、店員により操作される図示しないリモコン送信機から発信される信号が受信される。また、表示部115の右側には、上述したコーナーランプ102(図1参照)を点滅発光させる際に遊技者により操作される呼出ボタン116が設けられている。データ表示装置110は、パチスロ機1の外部に設けられた外部情報表示装置を構成している。また、受信部117は、リモコン送信機などのパチスロ機1の外部からの信号を受信する受信手段を構成している。また、パチスロ機1と上記のリモコン送信機とデータ表示装置110とは遊技場システムを構成している。
図5(a)はリール表示窓部39におけるパチスロ機1の縦断面図であり、図6はリール表示窓部39の分解斜視図である。
リール表示窓部39は、図5(a)に示すように、遊技者から見てリール2〜4の手前側に配設されており、上述した表示窓5〜7を形成する透過表示領域を有する。図6(a)〜(i)に示すように、リール表示窓部39は、機器前面側から、透明アクリル板39a,リールガラスベース39b,ベゼル金属枠39c,液晶パネル39d,液晶ホルダ39e,拡散シート39f,導光板39g,リアホルダ39h,および帯電防止シート39iが配置されて構成されている。拡散シート39f,導光板39g,およびリアホルダ39hには、表示窓5を形成する開口部5a,5b,5c、表示窓6を形成する開口部6a,6b,6c、表示窓7を形成する開口部7a,7b,7cが形成されている。
リール表示窓部39の機器前面パネル38への取り付けは、図5(a)に示すように、リールガラスベース39bの上下方向に突出して設けられた各ブラケット39baが、各ネジ39jによって機器前面パネル38の背面にネジ止めされて行われている。なお、図6(b)において、リールガラスベース39bに設けられた各ブラケット39baの図示は省略している。
また、導光板39gの上下端には、液晶パネル39dの光源として一対の冷陰極管40a,40aが設けられている。また、リアホルダ39hの各窓5c〜7cの背面側上下には、各リール2〜4の外周面に描かれたシンボルを照明する一対の冷陰極管40b,40bが設けられている。
液晶パネル39dは、各リール2〜4の前面に配置されて各リール2〜4が透視されるITO膜などからなる透明な電気的表示パネルであり、その表示部の周囲の背面側は液晶ホルダ39eによって保持されている。導光板39gは、光透過性の樹脂パネルからなり、側部にある冷陰極管40a,40aから出射された光を液晶表示パネル39dの背面側に導くレンズカットが形成されている。拡散シート39fは、光透過性の樹脂シートからなり、導光板39gで導かれた光を拡散して、液晶表示パネル39dに照射される光を均一化する拡散手段を構成している。液晶表示パネル39dを保持した液晶ホルダ39e,拡散シート39fおよび導光板39gは、一体化されてその周囲がベゼル金属枠39cに挿入されている。この挿入により、液晶パネル39dの表示部の周囲の前面側はベゼル金属枠39cによって保持される。
ベゼル金属枠39cに嵌められて一体化された液晶パネル39d,液晶ホルダ39e,拡散シート39fおよび導光板39gは、その周囲がさらにリールガラスベース39bに挿入されて、液晶パネル39dの表示部前面を開口した状態でリールガラスベース39bによって支持されている。透明アクリル板39aは、リールガラスベース39bがネジ39jによって機器前面パネル38に取り付けられることにより、リールガラスベース39bの前面に圧着されて、液晶パネル39dの表示部前面の上記開口を塞いでいる。
リアホルダ39hは、白色の樹脂板からなり、リールガラスベース39bに支持された、ベゼル金属枠39c,液晶パネル39dを保持した液晶ホルダ39e,拡散シート39fおよび導光板39gを背後から保持している。このリアホルダ39hは、冷陰極管40a,40aから導光板39dに出射された光を液晶パネル39d側へ反射する反射板としても機能している。帯電防止シート39iは、透明で、リアホルダ39hの背面に両面テープで接着されており、リアホルダ39hに形成された各開口部5c〜7cの背面を覆っている。
図5(b)は、同図(a)に示す点線の円で囲まれたリアホルダ39hの開口部5c〜7cの周縁部を一部拡大した図である。同図(b)に点線で示すように、リアホルダ39hの開口部5c,6c,7cの背面側の周縁角部は、削がれている。帯電防止シート39iはこの削がれた部分に嵌め込まれた状態で接着されている。
また、各リール2〜4は、図7に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4は、リールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されており、リール帯44の外周面にはシンボル列(図11参照)が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図8(a)に示される。なお、同図において図7と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは発光光量の大きい白色LEDからなり、同図(b)に示すように基板48に実装されて、この基板48がランプケース46の背後に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。本実施形態では、バックランプ47a〜47cは発光光量が大きいため、その前部にある液晶パネル39dまで照明している。また、バックランプ47a〜47cは白色LEDからなるため、リール帯44に描かれたシンボルおよび液晶パネル39dに表示される演出の色は、原色通りに忠実に遊技者に視認される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これらの各遊技状態は、基本的に、後述する内部抽籤処理(図21,S7参照)において決定される可能性のある当籤役(内部当籤役)の種類などにより区別される。ここで当籤役とは、内部抽籤処理において決定されるものであり、この内部抽籤処理で決定された当籤役に対応するシンボルの組合せが遊技者の停止操作によって有効化入賞ライン上に実際に停止表示されると、表示役が成立する。本実施形態におけるパチスロ機1の当籤役には、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ(再遊技)」、「BB」および「ハズレ」がある。
「一般遊技状態」は、パチスロ機1に電源が投入されて行なわれるゲームの開始時における遊技状態である。
BBのボーナス当籤フラグは、BBが当籤役として決定されてから、BBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に実際に停止表示されるまでの間、次回以降の単位遊技に持ち越され、後述する制御RAM66の持越役格納領域(図19参照)に持越役として保持される。BBに内部当籤していまだBBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されずに、BBのボーナスの当籤フラグが持ち越されているこの状態は、「内部当籤状態(持越状態)」と呼ばれる。BBのシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナスが実際に成立すると、持越役格納領域に保持されているBBのボーナス当籤フラグはクリアされる。また、BBのボーナス当籤フラグ以外の他の当籤役の当籤フラグは、その当籤フラグが立てられた単位遊技においてのみ有効であり、その単位遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。なお、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー30に対する操作に応じてリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン31a〜31cに対する操作に応じてリール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回の単位遊技の開始が許可される(次回の遊技が始まる)前までのことである。
また、内部当籤したBBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されてBBの表示役が成立したことを契機として発生する、遊技者にとって有利な特別遊技を、以下「BB遊技」という。この「BB遊技」の終了条件は、本実施形態では、予め定められた350枚のメダルが遊技者に払い出されることである。「BB遊技」では、遊技者にとって有利なRBゲームが行われる「RB遊技状態」が連続して発生する。一つのRBゲームは、遊技回数12回、入賞回数8回を限度として行われる。BB作動中フラグが“オン”のときでは、上記の終了条件が成立するまで、このRBゲームが連続して複数回行われる「RB遊技状態」になっている。
図9および図10は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62a,62bに構成された回路構成を示している。メイン制御基板61には主制御回路が構成されており、サブ制御基板62aには画像制御回路(gSub)、サブ制御基板62bには音・ランプ制御回路(mSub)が構成されている。
図9に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、メインCPU64には、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート71が接続されている。プログラムROM65は、後述する各種テーブルやデータ(図11〜図17参照)およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、制御RAM66には、各種格納領域(図18,図19参照)や、客寄せのためのデモンストレーション演出画像を液晶パネル39dに表示する際に参照されるデモ用タイマ(図23,S41参照)を格納する領域などが設けられている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路74、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路74、76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26,27,28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S,27S,28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。投入メダルセンサ8S,貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sおよびスタートスイッチ30Sは、メダルが賭けられた後に遊技者によりスタートレバー30の操作がされて単位遊技の開始操作が行なわれたことを検出する開始操作検出手段を構成している。また、乱数発生器69,サンプリング回路70およびマイコン63は、投入メダルセンサ8S,貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sおよびスタートスイッチ30Sにより行なわれる開始操作の検出に基づいて、単位遊技における当籤役を決定する当籤役決定手段を構成している。
また、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では図示されていない。リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が一回転する毎に遮蔽板50を検出してリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、メインCPU64は、このリセットパルスに基づいて、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値を“0”にクリアする。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消される。
上記のマイコン63、ステッピングモータ45、モータ駆動回路74、およびリール位置検出回路77は、スタートスイッチ30Sにより行なわれる開始操作の検出に基づいて、図柄表示手段により表示されるシンボルの変動を行なう図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31a〜31cが押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78と、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72Sと、払出完了信号発生回路73とがある。払出完了信号発生回路73は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。これら入力信号発生手段を構成する各回路73,78も、I/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
リール停止信号回路78は、遊技者により停止ボタン31a〜31cに対する停止操作が行なわれたことを検出する停止操作検出手段を構成している。また、マイコン63、ステッピングモータ45、モータ駆動回路74、およびリール位置検出回路77は、当籤役決定手段により決定される当籤役とリール停止信号回路78により行なわれる停止操作の検出とに基づいて、図柄変動手段により行なわれるシンボルの変動を停止させる制御を行なう停止制御手段を構成している。また、マイコン63、ホッパー72、メダル検出部72s、ホッパー駆動回路76、および払出完了信号発生回路73は、停止制御手段によりシンボルの変動が停止された結果、予め定められたシンボル組合せが図柄表示手段により表示されると、遊技者に利益として所定枚数のメダルを付与する利益付与手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63は、このサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62aへ信号を送出する。
図10に示すサブ制御基板62aには、この信号を受信するシリアルポート80aが設けられている。サブ制御部通信ポート79およびシリアルポート80a間の通信は、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、8ビットまたは24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとのセットで構成されている。
サブ制御基板62aは、画像制御CPU81、プログラムROM82およびワークRAM83を主な構成要素として備えている。プログラムROM82には、各種テーブル(図20参照)や画像制御に必要なシーケンスプログラムなどが格納されている。また、ワークRAM83には、遊技者がパチスロ機1を離席して休憩しているか否かを判別する際に画像制御CPU81により参照される休憩表示フラグ(図30、図31、図33(a),(b)参照)や、遊技者が離席して休憩している時間(休憩時間)を計時する休憩表示タイマ(図30、図31参照)、遊技者が休憩を終えてパチスロ機1に戻って再開した単位遊技の回数を計数する演出決定テーブルB選択カウンタ(図30、図31、図33(a),(c)、図34参照)などが記憶されている。
また、画像制御CPU81には、制御RAM88を有するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)86が接続されており、このVDP86には、キャラクタ・データ等が記憶された画像ROM(CROM)87、およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM89が接続されている。画像制御CPU81は、プログラムROM82に記憶されたシーケンスプログラムに従い、ワークRAM83を作業領域としてVDP86を制御し、VDP86は、画像制御CPU81の制御の下、画像ROM87から読み込んだキャラクタ・データに基づいて液晶パネル39dに画像表示を行う。この画像制御は、カレンダIC(集積回路)84から入力した日付時刻情報を用いて行われ、前述した選択ボタン23および決定ボタン24に対する操作入力や、メイン制御基板61から送信されたスタートコマンドやベットコマンドなどの各種コマンドの受信などに応じて行われる。これらワークRAM83およびカレンダIC84は、停電時におけるバックアップ対象になっている。
具体的には、画像制御CPU81は、シリアルポート80aを介して受信した各種コマンド等(図32,S232参照)に基づいて遊技状態や当籤フラグの種類といった情報を取り込み、取り込んだ情報に基づいて、液晶パネル39dに表示する画像を選択する。そして、VDP86を制御して、選択した画像を液晶パネル39dに表示させる。また、液晶パネル39dに表示されるメニュー画面の表示に従って選択ボタン23および決定ボタン24が操作されると、画像制御CPU81の制御の下、遊技履歴情報やBBの入賞回数などといった遊技に関する情報がVDP86により液晶パネル39dに表示される。
また、サブ制御基板62aのシリアルポート80aは、サブ制御基板62bのシリアルポート80bに接続されている。サブ制御基板62bの音・ランプ制御CPU90には、プログラムが記憶されたプログラムROM91、および作業領域となるワークRAM92が接続されている。音・ランプ制御CPU90は、シリアルポート80aを介してシリアルポート80bで受信した制御信号に基づき、LED類99およびランプ類98などの点灯を制御する。LED類99は、各リール2〜4に内蔵されたバックランプ47a〜47c、遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20などを示している。また、ランプ類98は、ベットランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21などを示している。
また、音・ランプ制御CPU90には、音源IC93およびパワーアンプ95を介してスピーカ96,96が接続されており、さらに、音量調節部97が接続されている。音・ランプ制御CPU90は、プログラムROM91に記憶されたプログラムに従って音源IC93を制御し、音源IC93は、音・ランプ制御CPU90によるこの制御に従い、音源ROM94に記憶されたサウンド・データを読み出す。そして、読み出したデータを、音量調節部97からの入力に応じた増幅度に従ってパワーアンプ95において増幅させ、メダル投入音やスタートレバー操作音,停止ボタン操作音,BB遊技中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。
また、画像制御CPU81には、上述した受信部117が接続されている。また、音・ランプ制御CPU90には、上述したデータ表示装置110(図4参照)が接続されており、さらにこのデータ表示装置110には、ホールコンピュータ120が接続されている。データ表示装置110の表示部115には、音・ランプ制御CPU90やホールコンピュータ120から送信される制御信号に基づき、種々のデータが表示される。具体的には、店員の操作によりリモコン送信機から発信される後述する休憩表示開始信号が受信部117により受信されると、画像制御CPU81から音・ランプ制御CPU90へ休憩表示信号が送信される。この休憩表示信号を受信した音・ランプ制御CPU90は、データ表示装置110の表示部115に、予め定められた所定の休憩表示を行なう(図30,S213参照)。また、データ表示装置110に受信される遊技機データがホールコンピュータ120に送信されることで、パチスロ機1の遊技状況は、ホールコンピュータ120によって管理される。なお、本実施形態では、音・ランプ制御CPU90にデータ表示装置110を接続しているが、画像制御CPU81にデータ表示装置110を接続し、表示部115におけるデータ表示が画像制御CPU81によって直接制御される構成としてもよい。
図11〜図17は、メイン制御基板61のプログラムROM65に記憶された各種テーブルおよびデータを示す図である。
図11は、左,中,右の各リール2,3,4のリール帯44に描かれた複数種類のシンボルの配置を示す図柄配置テーブルを概念的に示す図である。
図柄配置テーブルでは、左,中,右の各リール2〜4毎に、“0”〜“20”のコードナンバー(シンボル位置)が設定されており、各リールの各コードナンバーには、それぞれ、“白7”、“リプレイ”、“スイカ”、“ベル”、“チェリー”、および何も描かれていない“ブランク”の6種類のシンボルのうちの何れかが対応づけられている。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図12は、シンボル組合せテーブルを概念的に示す図である。
シンボル組合せテーブルは、表示役およびメダル払出枚数を特定する際(図21,S14参照)などに用いられる。シンボル組合せテーブルには、左リール2,中リール3,右リール4について有効化入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せと、メダル払出枚数と、表示役との関係が記憶されている。同図において各リール2〜4の欄に表されるシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されると、対応する払出枚数欄に表される枚数および表示役欄に表される表示役が、それぞれメダルの払出枚数および表示役として特定される。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ライン上に表示されると、「チェリー」の小役が表示役として特定され、投入枚数が1枚および2枚の場合には15枚、投入枚数が3枚の場合には4枚が払出枚数として特定される。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、投入枚数は単位遊技に賭けられているメダル枚数のことをいう。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ライン上に表示されると、「ベル」の小役が表示役として特定され、投入枚数が1枚および2枚の場合には15枚、投入枚数が3枚の場合には10枚が払出枚数として特定される。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ライン上に表示されると、「スイカ」の小役が表示役として特定され、投入枚数に関係なく、8枚が払出枚数として特定される。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ライン上に表示されると、「リプレイ」が表示役として特定され、投入枚数に関係なく、払出枚数として0枚が特定される。表示役として「リプレイ」が特定されると、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される(図27,S102参照)。また、“白7−白7−白7”が有効化入賞ライン上に表示されると、「BB」が表示役として特定され、投入枚数に関係なく、払出枚数として0枚が特定される。表示役として「BB」が特定されると、次の単位遊技から「BB遊技」が発生する。上記以外のシンボル組合せが有効化入賞ライン上に表示されると、「ハズレ」が表示役として特定され、投入枚数に関係なく、払出枚数として0枚が特定される。
図13は、内部抽籤テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、後述する内部抽籤処理(図21,S7参照)において、内部抽籤テーブルを決定する際に用いられる。このテーブルでは、一般遊技状態、およびRB遊技状態の各遊技状態毎に、抽籤回数、および抽籤に用いる内部抽籤テーブルの種別を表すデータが割り当てられている。後述する内部抽籤処理では、各遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを用いて、各遊技状態に対応する抽籤回数だけ抽籤が行われる。一般遊技状態には、抽籤回数5回および一般遊技状態用内部抽籤テーブルを表すデータが割り当てられており、一般遊技状態中の各単位遊技では、抽籤回数として5回、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定される。また、RB遊技状態には、抽籤回数3回およびRB遊技状態用内部抽籤テーブルを表すデータが割り当てられており、RB遊技状態中の各単位遊技では、抽籤回数として3回、内部抽籤テーブルとしてRB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定される。
図14は、内部抽籤テーブルを概念的に示す図であり、同図(a)は一般遊技状態用内部抽籤テーブル、同図(b)はRB遊技状態用内部抽籤テーブルである。
同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、一般遊技状態および内部当籤状態で用いられる内部抽籤テーブルであり、同図(b)に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルは、RB遊技状態で用いられる内部抽籤テーブルである。各内部抽籤テーブルは、後述する内部抽籤処理(図21,S7参照)において、当籤役を決定する際に用いられる。内部抽籤テーブルでは、乱数発生器69で発生してサンプリング回路70で抽出された“0”〜“65535”の範囲の乱数をいずれかの当籤番号に区分けする抽籤値がメダルの投入枚数毎に設定されている。抽籤値は、各当籤番号に区分けされた乱数範囲の幅を示しており、この乱数範囲の下限値Lおよび上限値Uによって算出される数値範囲を示している。また、各当籤番号は各当籤役に対応づけられている。
同図(a)に示すように一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、“0”〜“65535”の範囲の乱数を各当籤番号「1」〜「5」に区分けする抽籤値が記憶されている。
「チェリー」に対応する当籤番号「1」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“650”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「1」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときには“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときには“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときには“650/65536”である。また、「チェリー」に対応する当籤番号「2」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“8192”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「2」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときには“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときには“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときには“8192/65536”である。また、「スイカ」に対応する当籤番号「3」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“1000”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「3」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときには“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときには“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときには“1000/65536”である。
また、「リプレイ」に対応する当籤番号「4」には、メダルの投入枚数に関係なく、抽籤値“8980”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「4」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数に関係なく、“8980/65536”である。また、「BB」に対応する当籤番号「5」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“250”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「5」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときには“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときには“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときには“250/65536”である。また、サンプリング回路70で抽出された乱数が上記の当籤番号「1」〜「5」に割り当てられた抽籤値に含まれない場合には、当籤番号は「0」に決定され、「ハズレ」が当籤役として決定される。
このように同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が多くなるほど、当籤番号「4」を除く各当籤番号が決定される確率は高くなっている。
また、同図(b)に示すようにRB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、“0”〜“65535”の範囲の乱数を各当籤番号「1」〜「3」に区分けする抽籤値が記憶されている。RB遊技状態では常にメダル1枚賭けの遊技が行われるため、同図(b)に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が1枚のときの抽籤値のみが記憶されている。
「チェリー」に対応する当籤番号「1」には、抽籤値“1”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「1」に決定される当籤確率は、“1/65536”である。また、「ベル」に対応する当籤番号「2」には、抽籤値“65531”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「2」に決定される当籤確率は、“65531/65536”である。また、「スイカ」に対応する当籤番号「3」には、抽籤値“1”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「3」に決定される当籤確率は、“1/65536”である。また、サンプリング回路70で抽出された乱数が上記の当籤番号「1」〜「3」に割り当てられた抽籤値に含まれない場合には、当籤番号は「0」に決定され、「ハズレ」が当籤役として決定される。
このように同図(b)に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、「リプレイ」に対応する当籤番号「4」、および「BB」に対応する当籤番号「5」が決定されることはない。
図15は、内部当籤役決定テーブルを概念的に示す図である。
内部当籤役決定テーブルは、内部抽籤処理(図21,S7参照)において当籤役を決定する際に用いられる。内部当籤役決定テーブルでは、内部抽籤テーブル(図14参照)を用いて決定される各当籤番号「0」〜「5」と、当籤役の種別毎に異なる8ビットデータとが、対応付けられている。
同図に示すように、当籤番号「0」には、「ハズレ」のデータ“00000000”が対応付けられている。また、当籤番号「1」,「2」,「3」,「4」,「5」には、「チェリー」の小役のデータ“00000001”,「ベル」の小役のデータ“00000010”,「スイカ」の小役のデータ“00000100”,「リプレイ」のデータ“00001000”,「BB」のデータ“00010000”が、それぞれ対応付けられている。
図16は、ボーナス作動時テーブルを概念的に示す図である。
ボーナス作動時テーブルは、後述するボーナス作動監視処理(図22,S33参照)およびボーナス作動チェック処理(図27,S104参照)で用いられる。ボーナス作動時テーブルでは、「BB作動時」および「RB作動時」において制御RAM66に格納されるデータと、このデータが格納される制御RAM66内の各格納領域とが対応付けられている。
各格納領域には、作動中フラグ格納領域、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域、遊技可能回数カウンタ格納領域、入賞可能回数カウンタ格納領域がある。同図に示すように、「BB作動時」では、制御RAM66の作動中フラグ格納領域にBB作動中フラグが格納されると共に、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域に、「BB遊技」中におけるメダル払出枚数の上限値である“350”がセットされる。また、「RB作動時」では、制御RAM66の作動中フラグ格納領域にRB作動中フラグが格納されると共に、遊技可能回数カウンタ格納領域および入賞可能回数カウンタ格納領域に、「RB遊技状態」における遊技回数および入賞回数の上限値である“12”,“8”がそれぞれセットされる。
図17は、ボーナスチェックデータを示す図である。
このボーナスチェックデータは、ビット0〜ビット7の8ビットデータ“00010000”から構成されており、内部抽籤処理(図21,S7参照)で用いられる。
次に、図18,図19を参照して、メインCPU64が遊技処理を実行する際に用いられる制御RAM66の格納領域について説明する。
図18は、制御RAM66内に設けられた内部当籤役格納領域を概念的に示す図である。
この内部当籤役格納領域には、内部抽籤処理(図21,S7参照)で決定された当籤役の種別を表すデータが格納される。同図に示すように、内部当籤役格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値がセットされる。
同図に示す内部当籤役格納領域では、当籤役が「BB」を表す“00010000”である場合、内部当籤役格納領域のビット0〜ビット3,ビット5〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット4には数値“1”がセットされる。また、当籤役が「リプレイ」を表す“00001000”である場合、内部当籤役格納領域のビット0〜ビット2,ビット4〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット3には数値“1”がセットされる。また、当籤役が「スイカ」を表す“00000100”である場合、内部当籤役格納領域のビット0,ビット1,ビット3〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット2には数値“1”がセットされる。また、当籤役が「ベル」を表す“00000010”である場合、内部当籤役格納領域のビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。また、当籤役が「チェリー」を表す“00000001”である場合、内部当籤役格納領域のビット1〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。
図19は、制御RAM66内に設けられた持越役格納領域を概念的に示す図である。
この持越役格納領域には、内部抽籤処理(図21,S7参照)で決定された当籤役の持越役を表すデータが格納される。持越役格納領域図も、図18に示す内部当籤役格納領域と同様、ビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値がセットされる。
図19に示す持越役格納領域では、持越役フラグが「BB」を表す“00010000”である場合、持越役格納領域のビット0〜ビット3,ビット5〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット4には数値“1”がセットされる。また、持越役フラグがセットされていない場合には、持越役格納領域の全てのビット0〜ビット7に数値“0”がセットされる。
図20は、サブ制御基板62aのプログラムROM82に記憶された演出決定テーブルを概念的に示す図であり、同図(a)は演出決定テーブルA、同図(b)は演出決定テーブルBを示している。各演出決定テーブルA,Bは、後述するコマンド出力処理(図29,S206参照)において液晶パネル39dに演出表示を行なう際に参照される。
各演出決定テーブルA,Bは、演出識別子欄および内部当籤役欄から構成されており、演出識別子欄に格納された演出態様の種別を示す各演出識別子と、これら各演出識別子が選択される確率とが、内部当籤役欄に示された当籤役の種別毎に対応付けられている。演出識別子欄に示す「演出A」,「演出B」,「演出C」または「演出D」の各演出識別子が選択される場合には、液晶パネル39dやLED類99、ランプ類98、スピーカ96,96などにより、それぞれ異なる態様で演出が行なわれる。また、「演出なし」の演出識別子が選択される場合には、液晶パネル39dなどによる演出は行なわれない。なお、同図(a),(b)において、「ベル」の小役および「ハズレ」以外の当籤役については、各演出識別子が選択される確率の記載を省略してある。
同図(a)に示すように、演出決定テーブルAでは、当籤役が「ベル」の小役である場合、「演出A」の演出識別子が選択される確率は“32/128”である。同様に、「演出B」,「演出C」,「演出D」の各演出識別子が選択される確率はいずれも“0”であり、「演出なし」の演出識別子が選択される確率は“96/128”である。また、当籤役が「ハズレ」である場合、「演出A」,「演出B」,「演出C」,「演出D」の各演出識別子が選択される確率はいずれも“2/128”であり、「演出なし」の演出識別子が選択される確率は“120/128”である。
また、同図(b)に示すように、演出決定テーブルBでは、当籤役が「ベル」の小役である場合、「演出A」の演出識別子が選択される確率は“96/128”である。同様に、「演出B」,「演出C」,「演出D」の各演出識別子が選択される確率はいずれも“0”であり、「演出なし」の演出識別子が選択される確率は“32/128”である。また、当籤役が「ハズレ」である場合、「演出A」,「演出B」,「演出C」,「演出D」の各演出識別子が選択される確率はいずれも“24/128”であり、「演出なし」の演出識別子が選択される確率は“32/128”である。
上記のように、当籤役が「ベル」の小役である場合、演出決定テーブルAが参照されるときには、「演出なし」の演出識別子が選択される確率“96/128”は「演出A」が選択される確率“32/128”の3倍であり、「演出なし」の演出識別子が選択されやすくなるが、演出決定テーブルBが参照されるときには、「演出A」の演出識別子が選択される確率が“96/128”となって「演出なし」の演出識別子が選択される確率“32/128”の3倍となり、「演出A」の演出識別子が選択されやすくなる。また、当籤役が「ハズレ」である場合、演出決定テーブルAが参照されるときには、「演出なし」の演出識別子が選択される確率が“120/128”と非常に高く、「演出A」〜「演出D」の演出識別子が選択される確率は“2/128”と低くなっているが、演出決定テーブルBが参照されるときには、「演出A」〜「演出D」および「演出なし」の各演出識別子は、“24/128”および“32/128”といずれもほぼ同じ確率で選択されるようになる。
画像制御CPU81は、通常時において、第1の演出決定テーブルである上記の演出決定テーブルAに基づいて演出識別子を選択し(図34,S242参照)、選択した演出識別子に応じた演出画像を液晶パネル39dに表示させる。画像制御CPU81、プログラムROM82およびワークRAM83は、演出決定テーブルAに基づいて演出識別子を選択し、選択した演出識別子に応じた演出を液晶パネル39dに表示させる制御を行なう表示制御手段を構成している。また、店員により操作されるリモコン送信機から発信される所定の信号(休憩表示開始信号)が受信部117において受信されることで、遊技者のパチスロ遊技の休憩要求がサブ制御基板62aの画像制御CPU81に受け付けられる(図30,S211参照)。休憩要求が画像制御CPU81に受け付けられると、画像制御CPU81の制御により、ワークRAM83に格納された休憩表示タイマによって遊技者の休憩時間の計時が開始され、また、シリアルポート80aおよびシリアルポート80bを介して音・ランプ制御CPU90に休憩表示信号が出力される。画像制御CPU81、プログラムROM82およびワークRAM83は、リモコン送信機から発信される所定の信号が受信部117により受信されたことに基づいて休憩時間の計時を開始する計時手段を構成している。休憩表示信号を入力した音・ランプ制御CPU90の制御により、データ表示装置110の表示部115に、予め定められた所定の表示として“休憩中”の文字の表示および上記休憩時間の表示が開始される(図30,S213参照)。休憩を終えて遊技者が遊技台に戻ってくるなどして所定の条件が成立すると、休憩時間の計時が終了すると共に、表示制御手段による上記の“休憩中”の文字表示や休憩時間表示が終了して、パチスロ遊技が再開される。本実施形態では、この所定の条件は、店員により操作されるリモコン送信機から発信される所定の信号(休憩表示終了信号)が受信部117により受信されたこと(図30,S214参照)、または、メダルが賭けられたことが投入メダルセンサ8Sまたは貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sにより検出されたこと、または、計時手段により計時される休憩時間が所定時間(例えば、30分)に達したこと(図31,S222参照)、の少なくとも一により成立する。また、所定の条件が成立すると、表示制御手段は、その後所定回数の単位遊技の間、本実施形態では50回の単位遊技が行なわれるまでの間、演出決定テーブルAに代えて第2の演出決定テーブルである上記の演出決定テーブルBに基づいて演出識別子を選択し(図34,S243参照)、選択した演出識別子に応じた演出画像を液晶パネル39dに表示させる。
次に、図21に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、パチスロ機1の電源が投入されると、メインCPU64は、遊技開始時の初期化処理を行う(図21,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて、メインCPU64は、前回のゲームに使用された制御RAM66における指定格納領域のクリア処理を行う(S2)。この処理では、前回のゲームに使用された領域のデータ消去、次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、後述するボーナス作動監視処理を行い(S3)、続いて、後述するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S4)。続いて、メインCPU64は、乱数値抽出処理を行う(S5)。乱数値抽出処理では、乱数発生器69で発生した抽籤用の乱数値Rをサンプリング回路70によって抽出し、この抽出した乱数値Rを、制御RAM66の乱数値格納領域に格納する。次に、メインCPU64は、後述する遊技状態監視処理を行った後(S6)、後述する内部抽籤処理を行う(S7)。
次に、メインCPU64は、スタートコマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62aに送信する(S8)。スタートコマンドは、S6の遊技状態監視処理で識別した遊技状態、S7の内部抽籤処理で決定した当籤役などの情報を含むコマンドである。続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S9)。この判別が“No”である場合、4.1秒が経過するまで待ち時間消化処理を行う(S10)。待ち時間消化処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、各リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、ゲーム監視用の各種タイマを制御RAM66にセットする(S11)。このタイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマや、遊技者の停止ボタン31a〜31cに対する停止操作によらずに自動的に各リール2〜4を停止させるための自動停止用タイマなどを含んでいる。
S11の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求して(S12)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、後述するリール停止制御処理を行う(S13)。続いて、メインCPU64は、有効化入賞ライン上に停止表示されたシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブル(図12参照)とに基づいて、表示役およびメダルの払出枚数を決定する(S14)。このS14の処理で決定される表示役と内部抽籤処理(S7参照)によって決定された当籤役の種類とが一致せず、有効化入賞ライン上に揃って表示されている表示役に誤りがあってイリーガルヒットに該当する場合には、配当枚数表示部20および液晶パネル39dにイリーガルエラーの表示を行なう。表示役が正常でイリーガルヒットに該当しない場合には、メインCPU64は、表示役コマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62aに送信する(S15)。表示役コマンドは、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などの情報を含んだコマンドである。
次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S16)。メダル払出処理では、S14の処理で決定した表示役に対応する枚数(図12参照)のメダルを遊技者に払い出すと共に、払出枚数カウンタの値やメダル払出処理が終了した情報を含む払出終了コマンド(払出コマンド)を、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットして、サブ制御基板62aに送信する。このメダル払出処理では、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作によりクレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダルの払出枚数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、ホッパー72が駆動されて入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。続いて、払出枚数カウンタの値に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(S17)。具体的には、BB遊技が行われているときには、BBボーナス終了枚数カウンタ(初期値“350”)の値から払出枚数カウンタの値を減算する。
次に、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、RB作動中フラグまたはBB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S18)。この判別が“No”でいずれのフラグも“オン”でない場合には、後述するボーナス作動チェック処理を行う(S19)。一方、S18の判別が“Yes”で少なくともいずれかの作動中フラグが“オン”である場合、メインCPU64は、後述するボーナス終了チェック処理を行う(S20)。S19またはS20の処理が終了すると、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図22を参照して、図21,S3で行われるボーナス作動監視処理について説明する。
このボーナス作動監視処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、BB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図22,S31参照)。BB作動中フラグが“オフ”でS31の判別が“No”である場合、ボーナス作動監視処理は終了する。BB作動中フラグが“オン”でS31の判別が“Yes”である場合、続いて、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S32)。RB作動中フラグが“オン”でS32の判別が“Yes”である場合、ボーナス作動監視処理は終了する。一方、RB作動中フラグが“オフ”でS32の判別が“No”である場合、メインCPU64は、ボーナス作動時テーブル(図16参照)に基づいて、RB作動中フラグを“オン”にするRB作動時処理を行い(S33)、ボーナス作動監視処理を終了する。具体的には、RB作動時処理では、RB作動中フラグが制御RAM66に格納されて“オン”にされると共に、RBゲーム中の遊技可能回数である“12”および入賞可能回数である“8”がそれぞれセットされて、RBゲームが開始される。
次に、図23を参照して、図21,S4で行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
このメダル受付・スタートチェック処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、デモ用タイマに“40000”カウントをセットする(図23,S41参照)。このデモ用タイマは、1.1173[msec]毎にメイン制御基板61で定期的に行われる図示しない割込処理によって、“1”カウントずつ減算される。続いて、メダル受け付けが許可されているか否か、すなわち、投入口8へのメダル投入または貯留メダル投入ボタン26〜28に対する操作が許可されているか否かを判別する(S42)。この判別が“No”である場合、処理はS52に移る。一方、メダル投入や貯留メダル投入ボタン26〜28に対する操作が許可されていてS42の判別が“Yes”である場合、続いて、メインCPU64は、投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sがメダルを検出したか否かを判別する(S43)。この判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、いずれかの貯留メダル投入ボタン26〜28が操作されて貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが“オン”になったか否かを判別する(S44)。この判別が“No”である場合、処理はS52に移る。一方、S44の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、クレジット投入処理を行う(S45)。クレジット投入処理では、機械内部にクレジットされていて貯留枚数表示部16に現在表示されているメダル数から、いずれかの貯留メダル投入ボタン26〜28に対する操作によって単位遊技に賭けられたメダル数を減算する処理が行なわれる。
S43の判別が“Yes”である場合、またはS45の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、投入枚数カウンタに“1”を加算する(S46)。なお、後述するS51の処理で投入枚数カウンタの更新が禁止されているときに投入口8へメダルが投入されると、このS46の処理において、クレジットの加算処理が行なわれる。続いて、メインCPU64は、ベットコマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62aに送信する(S47)。このベットコマンドは、投入口8へのメダル投入や貯留メダル投入ボタン26〜28に対する操作によって投入されたメダル枚数の情報を含むコマンドである。続いて、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値に基づいてベットランプ13〜15を点灯させると共に、有効ラインカウンタに“1”を加算する(S48)。有効ラインカウンタは、メダル投入によって有効化された入賞ラインの本数を計数するカウンタであり、S48の処理により、投入枚数カウンタの値が“1”となる場合、メインCPU64は、入賞ラインL1を有効化させる(図3(a)参照)。また、投入枚数カウンタの値が“2”となる場合、入賞ラインL1,L2A,L2Bを有効化させる(図3(b)参照)。また、投入枚数カウンタの値が“3”となる場合には、入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bを有効化させる(図3(c)参照)。
次に、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S49)。RB作動中フラグが“オフ”でS49の判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、メダルが3枚投入されて投入枚数カウンタの値が“3”に達しているか否かを判別する(S50)。この判別が“No”である場合、処理はS52へ移る。RB作動中フラグが“オン”でS49の判別が“Yes”である場合、または投入枚数カウンタの値が“3”でS50の判別が“Yes”である場合には、メインCPU64は、投入枚数カウンタの更新を禁止してメダルの追加投入を禁止する処理を行うと共に(S51)、インサートランプ21を消灯して、メダル投入禁止である旨を遊技者に報知する。このS49およびS51の処理により、RB遊技状態では投入枚数が常に1枚に設定される。
メダル受け付けが許可されていなくてS42の判別が“No”である場合、メダル投入の検出がされていなくてS44の判別が“No”である場合、投入枚数カウンタの値が“3”でなくてS50の判別が“No”である場合、または、S51の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値が“1”以上であるか否かを判別する(S52)。メダルが1枚も投入されていなくてS52の判別が“No”である場合、メインCPU64は、S41でセットしたデモ用タイマの値が“0”になっているか否か、すなわち、S41でデモ用タイマがセットされてから44.692[sec](=1.1173[msec]×40000)が経過したか否かを判別する(S53)。この判別が“Yes”である場合、続いて、ベットランプ13〜15が消灯中であるか否かを判別する(S54)。S53の処理が“No”またはS54の処理が“Yes”である場合、処理はS42に戻り、上述のS42〜S52の処理が繰り返される。一方、S54の判別が“No”である場合、メインCPU64は、ベットランプ13〜15を消灯し(S55)、続いて、デモコマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62aに送信する(S56)。S56の処理が終了すると、処理はS42に戻り、上述の処理が繰り返される。なお、本実施形態では、メダルが1枚も投入されずに所定時間(44.692[sec])が経過すると、画像制御CPU81によりデモンストレーション演出画像が液晶パネル39dに表示される場合を説明しているが、スタートレバー30が操作されずに所定時間が経過すると、デモンストレーション演出画像が液晶パネル39dに表示される構成とすることも可能である。
また、S52の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、スタートレバー30が操作されてスタートスイッチ30Sが“オン”になっているか否かを判別する(S57)。この判別が“No”である場合、処理はS42に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、S57の判別が“Yes”になると、メインCPU64は、メダルの受け付けを禁止して(S58)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図24を参照して、図21,S6で行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図24,S61参照)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、RB遊技状態の識別子を制御RAM66の所定領域に格納し、遊技状態をRB遊技状態にセットする(S62)。一方、S61の判別が“No”である場合、メインCPU64は、一般遊技状態の識別子を制御RAM66の所定領域に格納し、遊技状態を一般遊技状態にセットする(S63)。S62またはS63において遊技状態がセットされると、遊技状態監視処理は終了する。
次に、図25を参照して、図21,S7で行われる内部抽籤処理について説明する。
内部抽籤処理では、まず、メインCPU64は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図13参照)を参照し、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブルの種別および抽籤回数を決定し(図25,S71参照)、決定した抽籤回数を抽籤回数カウンタにセットする。続いて、メインCPU64は、持越役格納領域が“0”であるか否か、すなわち持越役格納領域に持越役がセットされていないか否かを判別する(S72)。持越役格納領域に持越役がセットされていて遊技状態が内部当籤状態であって、S72の判別が“No”である場合、メインCPU64は、S71で抽籤回数カウンタにセットした抽籤回数を“4”に変更する(S73)。
持越役格納領域に持越役がセットされていなくてS72の判別が“Yes”である場合、または、S73の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、抽籤回数と同じ値を当籤番号の初期値として制御RAM66の作業領域にセットする(S74)。従って、一般遊技状態時には“5”、持越状態時には“4”、RB遊技状態時には“3”が当籤番号の初期値として作業領域にセットされることになる。続いて、メインCPU64は、決定した内部抽籤テーブル(図14参照)を参照して、セットした当籤番号および投入枚数カウンタの値に対応する抽籤値の下限値Lを取得し(S75)、図21,S5の処理で抽出されて制御RAM66の乱数値格納領域に格納されている乱数値Rから下限値Lを減算(R−L)する(S76)。続いて、メインCPU64は、S76の減算によって桁かりが行われたか否か、つまり、乱数値格納領域にセットした乱数値Rが下限値L未満であるか否かを判別する(S77)。この判別が“No”である場合には、下限値Lよりも乱数値Rの方が大きいかまたは下限値Lと乱数値Rとが等しい(L≦R)。
S77の判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、S71で決定した内部抽籤テーブルを参照して、作業領域にセットした当籤番号および投入枚数カウンタの値に対応する抽籤値の上限値Uを取得し(S78)、制御RAM66の乱数値格納領域に格納されている乱数値Rから上限値Uを減算(R−U)する(S79)。続いて、メインCPU64は、S79の減算の結果得られた値が“0”であるか否かを判別する(S80)。この判別が“No”である場合には、乱数値Rは上限値Uに等しくはないので、続いて、メインCPU64は、S79の減算で桁かりが行われたか否かを判別する(S81)。
乱数値Rが上限値Uに等しくて(R=U)S80の判別が“Yes”である場合、または、乱数値Rが上限値Uよりも小さくて(R<U)S81の判別が“Yes”である場合、下限値Lおよび上限値Uによって規定される数値範囲に乱数値Rが属するため(L≦R≦U)、メインCPU64は、作業領域にセットされている現在の当籤番号を制御RAM66の当籤番号格納領域に格納する(S82)。続いて、メインCPU64は、抽籤回数カウンタにセットした抽籤回数を“1”減算し(S83)、この減算の結果抽籤回数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S84)。この判別が“No”である場合、処理はS74に戻り、上述のS74〜S84の処理が繰返し行なわれる。
一方、S71で抽籤回数カウンタにセットした抽籤回数分だけ乱数値Rと下限値Lおよび上限値Uとの大小が比較されて、S84の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、内部当籤役決定テーブル(図15参照)を参照し、当籤番号格納領域に格納されている当籤番号と現在の遊技状態とに基づいて、内部当籤役を決定する(S85)。続いて、メインCPU64は、S85で決定された内部当籤役の8ビットデータ(図15参照)とボーナスチェックデータ(図17参照)との論理積をとり、この論理積の結果と持越役格納領域(図19参照)に既に格納されている8ビットデータとの論理和を、持越役格納領域に格納する(S86)。このS86の処理により、内部当籤役または持越役であるBBは、持越役格納領域にセットされることになる。そして、メインCPU64は、S85で決定された内部当籤役の8ビットデータと、S86で持越役格納領域に格納された8ビットデータとの論理和を、内部当籤役格納領域(図18参照)に格納して(S87)、内部抽籤処理を終了する。このS87の処理により、今回の単位遊技における内部当籤役および持越役の両方のフラグデータが内部当籤役格納領域に格納されることになる。
次に、図26を参照して、図21,S13で行なわれるリール停止制御処理について説明する。
このリール停止制御処理では、まず、メインCPU64は、各リール2〜4が定速回転して操作が有効化された停止ボタン31a〜31cのうちのいずれかの停止ボタンが、押圧操作されたか否かを判別する(図26,S91参照)。いずれの停止ボタン31a〜31cも押圧操作されずにこの判別が“No”である場合、このS91の処理が繰り返される。一方、いずれかの停止ボタン31a〜31cが操作されてS91の判別が“Yes”になると、次に、メインCPU64は、図21,S7の内部抽籤処理で決定された内部当籤役に基づいて、滑りコマ数を決定する(S92)。
次に、メインCPU64は、S92で決定された滑りコマ数と、現在の図柄位置、つまりS91で押圧操作された時点で有効化入賞ライン上にあるシンボルの位置とに基づいて、シンボルの停止予定位置を決定する(S93)。続いて、メインCPU64は、停止操作された停止ボタン31a〜31cに対応するリール2〜4が、滑りコマ数分、回転するのを待ち、停止操作された停止ボタン31a〜31cに対応するリール2〜4の回転停止を要求する(S94)。次に、メインCPU64は、停止リールの種別を示す情報などからなるリール停止コマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62aに送信する(S95)。続いて、メインCPU64は、回転中のリールがあるか否かを判別する(S96)。この判別が“Yes”である場合、処理はS91に戻り、上述したS91〜S96の処理が繰り返される。一方、全てのリール2〜4の回転が停止してS96の判別が“No”である場合、リール停止制御処理は終了する。
次に、図27を参照して、図21,S19で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。
ボーナス作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されている表示役がリプレイであるか否かを判別する(図27,S101参照)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、メダル受付・スタートチェック処理で更新された投入枚数カウンタの値(図23,S46参照)を、自動投入枚数カウンタに複写して記憶し(S102)、ボーナス作動チェック処理を終了する。この結果、リプレイが成立した単位遊技の次の単位遊技では、この複写された自動投入枚数カウンタに示される枚数のメダルが自動投入されるため、メダルを消費せずに今回の遊技と同じ枚数のメダルを賭けた状態で遊技を行なうことができる。
また、S101の判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されている表示役がBBであるか否かを判別する(S103)。この判別が“No”である場合、ボーナス作動チェック処理は終了する。一方、S103の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、ボーナス作動時テーブル(図16参照)に基づいて、BB作動中フラグをセットするボーナス作動時処理を行う(S104)。具体的には、BB作動中フラグが“オン”にされると共に、ボーナス終了枚数カウンタに、BB作動時の払出可能枚数である“350”がセットされて、BB遊技の開始が準備される。
S104の処理が終了すると、メインCPU64は、制御RAM66の持越役格納領域(図19参照)をクリアして(S105)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図28を参照して、図21,S20で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。
このボーナス終了チェック処理では、まず、メインCPU64は、小役の入賞が成立したか否か、つまり、図21,S14の処理で表示役として小役が決定されたか否かを判別する(図28,S121参照)。この判別が“Yes”である場合、続いて、メインCPU64は、ボーナス終了枚数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(S122)。今回の小役の入賞成立によってBB遊技における総払出枚数が350枚に達して、S122の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、RB作動中フラグや入賞可能回数および遊技可能回数をクリア等するRB終了時処理を行う(S123)。そして、BB作動中フラグをクリア等するBB終了時処理を行い(S124)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
一方、BB遊技における総払出枚数が350枚に達していなくてS122の判別が“No”である場合、メインCPU64は、入賞可能回数カウンタの値を“1”減算する処理を行ない(S125)、入賞可能回数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S126)。RB遊技状態における入賞回数が8回に達していなくてS126の判別が“No”である場合、または、今回の単位遊技で入賞が成立していなくてS121の判別が“No”である場合、メインCPU64は、遊技可能回数カウンタの値を“1”減算する処理を行なう(S127)。続いて、メインCPU64は、遊技可能回数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S128)。この判別が“No”である場合、ボーナス終了チェック処理は終了する。
また、RB遊技状態における遊技回数が12回に達していてS128の判別が“Yes”である場合、または、RB遊技状態における入賞回数が8回に達していてS126の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、RB作動中フラグをクリア等するRB終了時処理を行い(S129)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図29〜図34を参照して、サブ制御基板62aの画像制御CPU81によって制御される遊技処理について説明する。
図29は、画像制御CPU81によって行われるリセット割込処理の制御動作の概略を示すフローチャートである。
この処理では、まず始めに、パチスロ機1に電源が投入され、画像制御CPU81のリセット端子に信号が入力されると、画像制御CPU81は、制御RAM88や、ビデオRAM89、ワークRAM83の初期化や、割り込みを許可する初期化処理を実行する(図29,S201参照)。次に、画像制御CPU81は、受信部117による所定の信号の入力(受信)を監視する、後述する入力監視処理を行なう(S202)。続いて、画像制御CPU81は、後述する休憩画面表示処理(S203)、コマンド入力処理(S204)、および演出決定処理(S205)を行なう。その後、画像制御CPU81は、コマンド出力処理を行なう(S206)。このコマンド出力処理では、画像制御CPU81は、シリアルポート80bを介して、サブ制御基板62bの音・ランプ制御CPU90にLED類99およびランプ類98の点灯制御やスピーカ96,96の駆動処理を行なわせる為の制御信号を出力する処理や、S205の演出決定処理で決定した演出を液晶パネル39dに画像表示するためにVDP86へ制御指令を出力する処理などを行なう。
図30は、図29のS202に示す入力監視処理の詳細を示すフローチャートである。
入力監視処理では、まず、画像制御CPU81は、遊技者の休憩依頼を受けた店員の操作によりリモコン送信機から発信された休憩表示開始信号が受信部117に受信されたか否かを判別する(図30,S211参照)。休憩表示開始信号が受信部117により受信されてS211の判別が“Yes”である場合、続いて画像制御CPU81は、既に休憩表示開始信号を受信していて休憩表示フラグが“オン”になっているか否かを判別する(S212)。この判別が“Yes”である場合、入力監視処理は終了する。一方、S212の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、休憩表示フラグをセットして“オン”にすると共に、休憩表示タイマに所定時間(例えば、30分)をセットして休憩時間の計時を開始する(S213)。そして、画像制御CPU81は、遊技者が遊技台を離れている旨を遊技台周囲の遊技者に告知するために、音・ランプ制御CPU90を制御してデータ表示装置110の表示部115に、“休憩中”の文字および休憩表示タイマにより計時される休憩時間の表示を行なう。
また、休憩表示開始信号が受信部117により受信されていなくてS211の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、遊技台に戻ってきた遊技者の依頼を受けた店員の操作によりリモコン送信機から発信された休憩表示終了信号が受信部117により受信されたか否かを判別する(S214)。この判別が“No”である場合、入力監視処理は終了する。一方、休憩表示終了信号が受信部117により受信されてS214の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、音・ランプ制御CPU90を制御して、表示部115における休憩画面の表示すなわち“休憩中”の文字および休憩時間の表示を終了すると共に、S213でセットした休憩表示フラグをクリアして“オフ”にする(S215)。そして、演出決定テーブルB選択カウンタに初期値として“50”をセットし(S216)、入力監視処理を終了する。
図31は、図29のS203に示す休憩画面表示処理の詳細を示すフローチャートである。
休憩画面表示処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して休憩表示フラグが“オン”になっているか否かを判別する(図31,S221参照)。休憩表示フラグが“オフ”であってS221の判別が“No”である場合、休憩画面表示処理は終了する。一方、休憩表示フラグがオン”であってS221の判別が“Yes”である場合、続いて、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して休憩表示タイマの値が“0”になっているか否かを判別する(S222)。この判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、遊技者が遊技台を離れている旨を遊技台周囲の遊技者に告知するために、音・ランプ制御CPU90を制御してデータ表示装置110の表示部115に、“休憩中”の文字および休憩表示タイマにより計時される休憩時間の表示を行い(S223)、休憩画面表示処理を終了する。
また、休憩表示タイマの値が“0”になっていてS222の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、表示部115における休憩画面の表示を終了すると共に、図30,S213でセットした休憩表示フラグをクリアして“オフ”にする(S224)。そして、演出決定テーブルB選択カウンタに初期値として“50”をセットし(S225)、休憩画面表示処理を終了する。
図32は、図29のS204に示すコマンド入力処理の詳細を示すフローチャートである。
コマンド入力処理では、まず、画像制御CPU81は、メイン制御基板61から受信してワークRAM83の所定領域に格納されている未処理コマンドがあるか否かを判別する(図32,S231参照)。この判別が“No”である場合、コマンド入力処理は終了する。一方、S231の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、ワークRAM83に格納されているコマンドの種別に応じた実行処理を行なう(S232)。その後、画像制御CPU81は、S232で実行した未処理コマンドを処理済みに設定して(S233)、コマンド入力処理を終了する。
図33は、図32のS232で行なわれる各種の実行処理を示しており、同図(a)はベットコマンド受信時処理の詳細を示すフローチャート、同図(b)はデモコマンド受信時処理の詳細を示すフローチャート、同図(c)はスタートコマンド受信時処理の詳細を示すフローチャートである。
同図(a)に示すベットコマンド受信時処理は、メイン制御基板61からシリアルポート80aを介してベットコマンド(図23,S47参照)を受信したときに、図32,S232において行なわれる処理である。ベットコマンド受信時処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して休憩表示フラグが“オン”になっているか否かを判別する(図33(a),S251参照)。休憩表示フラグが“オフ”であってS251の判別が“No”である場合、ベットコマンド受信時処理は終了する。一方、休憩表示フラグが“オン”であってS251の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、表示部115における休憩画面の表示を終了すると共に、図30,S213でセットした休憩表示フラグをクリアして“オフ”にする(S252)。そして、演出決定テーブルB選択カウンタに初期値として“50”をセットし(S253)、ベットコマンド受信時処理を終了する。
また、同図(b)に示すデモコマンド受信時処理は、メイン制御基板61からシリアルポート80aを介してデモコマンド(図23,S56参照)を受信したときに、図32,S232において行なわれる処理である。デモコマンド受信時処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して休憩表示フラグが“オン”になっているか否かを判別する(図33(b),S261参照)。休憩表示フラグが“オフ”であってS261の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、VDP86を制御して、液晶パネル39dに客寄せのためのデモンストレーション演出画像(デモ画面)を表示させる(S262)。一方、休憩表示フラグが“オン”であってS261の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、遊技者が遊技台を一時的に離れていて休憩中であるため、液晶パネル39dにデモンストレーション演出画像を表示させることなく、デモコマンド受信時処理を終了する。
また、同図(c)に示すスタートコマンド受信時処理は、メイン制御基板61からシリアルポート80aを介してスタートコマンド(図21,S8参照)を受信したときに、図32,S232において行なわれる処理である。スタートコマンド受信時処理では、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照し、演出決定テーブルB選択カウンタの値を“1”減算して更新する(図33(c),S271参照)。
図34は、図29のS205に示す演出決定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出決定処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して演出決定テーブルB選択カウンタの値が“0”になっているか否かを判別する(図34,S241参照)。演出決定テーブルB選択カウンタの値が“0”になっていてS241の判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、演出決定テーブルAを参照して演出識別子を選択し、演出を決定する(S242)。一方、演出決定テーブルB選択カウンタの値が“0”になっていなくてS241の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、演出決定テーブルBを参照して演出識別子を選択し、演出を決定する(S243)。そして、画像制御CPU81は、上述したコマンド出力処理(図29,S206参照)において、これらS242またはS243で選択した演出識別子に応じた演出を液晶パネル39dに表示する。
このような本実施形態によるパチスロ機1によれば、上述したように、演出決定テーブルA(図20(a)参照)に基づいて演出識別子(「演出A」,「演出B」,「演出C」,「演出D」,「演出なし」)が選択され(図34,S242参照)、選択された演出識別子に応じた演出が液晶パネル39dに表示されて遊技が行なわれるが、遊技者が休憩するために遊技台を離席する際に店員によりリモコン送信機が操作されて、休憩表示開始信号が受信部117により受信されると、休憩表示タイマによる休憩時間の計時が開始されると共に、遊技者が遊技台を離れて休憩している旨を表す予め定められた“休憩中”の文字および休憩時間の表示がデータ表示装置110の表示部115で行なわれる(図30,S211〜S213参照)。その後、遊技者が遊技台に戻ってくるなどして所定の条件が成立すると、表示部115における上記“休憩中”の文字および上記休憩時間の表示が終了する(図30,S215、図31,S224、図33(a),S252参照)。そして、50回の単位遊技が行なわれるまでの間、演出決定テーブルB(図20(b)参照)に基づいて演出識別子が選択され、選択された演出識別子に応じた演出が液晶パネル39dに表示されるようになる。
このため、遊技者が遊技台に戻ってくると、50回の単位遊技が行なわれるまでの間は、遊技者が遊技台を離席したときとは異なり、各演出識別子の選択される確率の設定が演出決定テーブルAとは異なる演出決定テーブルBに基づいて選択される異なる演出態様の演出が液晶パネル39dに表示されるようになるので、遊技者が遊技台を離席する前後においてパチスロ遊技の演出態様に変化がもたらされる。例えば、当籤役が「ベル」の小役の場合、休憩前では、「演出なし」の演出識別子が選択されやすいので液晶パネル39dでの演出が行なわれないことが多いが(図20(a)参照)、休憩後では、「演出A」の演出識別子に応じた演出が液晶パネル39dに表示されやすくなる(図20(b)参照)。従って、従来のように遊技者が遊技台に戻って再開されるパチスロ遊技が単調なものとなってしまい、注意力を欠いた状態で漫然と行なわれてしまうことが防止され、パチスロ遊技を再開する遊技者に対して、遊技者が遊技台を離席したときと遜色のない、またはそれ以上の興趣を抱かせることができるパチスロ機1が提供されるようになる。
また、本実施形態では、店員により操作されるリモコン送信機から発信される休憩表示終了信号が受信部117で受信されると(図30,S214参照)、または、遊技者が遊技台に戻ってメダルが賭けられたことが投入メダルセンサ8Sまたは貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sにより検出されると(図33(a),S251参照)、または、休憩表示タイマにより計時される休憩時間が所定時間に達すると(図31,S222参照)、上記所定の条件が成立する。このため、種々の契機によって上記所定の条件が成立し、休憩前と異なる態様の演出でパチスロ遊技が再開されるようになるので、遊技の幅が広がり、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態における、パチスロ機1と上記のリモコン送信機とデータ表示装置110とで構成された遊技場システムによれば、店員により操作されるリモコン送信機から休憩表示開始信号が発信されて、遊技者が休憩をとるので、休憩表示開始信号の発信を遊技場の管理下で行え、休憩などで遊技者が離れる遊技台を遊技場側で正確に把握して管理することができる。
なお、上記実施形態においては、遊技者が休憩を終えて遊技台に戻ってきたとき、当籤役に応じて演出識別子(「演出A」〜「演出D」,「演出なし」)の選択される確率が異なる場合(図20(a),(b)参照)を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、当籤役ではなく、離席したときの遊技状態やBBの入賞回数などに応じて、演出識別子が選択される確率が異なる構成であっても構わない。また、演出識別子の種別も、「演出A」〜「演出D」および「演出なし」の5種類に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、上記実施形態においては、休憩表示を終了させる所定の条件の種類にかかわらず、常に同一の演出決定テーブルBに基づいて演出識別子が選択されて演出が行なわれる場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、演出決定テーブルBが、所定の条件の種類に応じて異なる3つの演出決定テーブルB1,B2,B3からなり、表示制御手段が、成立した上記所定の条件の種類に応じたフラグを立て、成立した上記所定の条件の種類に応じた演出決定テーブルB1〜B3に基づいて演出識別子を選択し、選択した演出識別子に応じた演出を液晶パネル39dに表示させる構成としてもよい。つまり、休憩表示終了信号が受信部117で受信されて所定の条件が成立したとき(図30,S215)や、遊技者が遊技台に戻ってメダルが賭けられたことが投入メダルセンサ8Sまたは貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sにより検出されて所定の条件が成立したとき(図33(a),S252)などには、演出態様の変化の度合いが演出決定テーブルAに比べて大きくなるような演出決定テーブルB1,B2が選択されるように構成し、反対に、休憩時間が所定時間に達して所定の条件が成立したとき(図31,S224)には、休憩時間が超過していることへの罰則的な措置として、演出態様の変化の度合いが演出決定テーブルAとあまり変わらない演出決定テーブルB3が選択されるような構成とすることが考えられる。
上記の構成によれば、成立した上記所定の条件の種類によって異なる演出決定テーブルに基づいて演出識別子が選択され、選択された演出識別子に応じた演出が液晶パネル39dに表示される。このため、成立した上記所定の条件の種類に応じて、つまり、遊技再開時の状況に応じて、異なる演出が液晶パネル39dで行なわれるようになるので、再開されるパチスロ遊技の興趣は一段と向上する。
また、上記実施形態においては、遊技者が休憩を終えてから所定回数として50回の単位遊技が行なわれるまでの間、演出決定テーブルBに基づいて演出識別子が選択される場合を説明したが、所定回数が、成立した上記所定の条件の種類によってそれぞれ異なる構成とすることも可能である。
上記の構成によれば、成立した上記所定の条件の種類に応じ、演出決定テーブルBに基づいて演出表示が行なわれる休憩後の単位遊技の回数が変化する。このため、成立した上記所定の条件の種類に応じて、つまり、遊技再開時の状況に応じて、パチスロ遊技の演出態様の変化する期間が異なってくるので、再開されるパチスロ遊技の興趣は一段と向上する。さらに、成立した上記所定の条件の種類に応じ、休憩後に行なわれる単位遊技の所定回数を変化させると共に、演出の決定に用いるテーブルの種類を異ならせる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、パチスロ機1の上部にデータ表示装置110が設けられ、遊技者の休憩中にはデータ表示装置110の表示部115に“休憩中”の文字や休憩時間が表示される場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。データ表示装置110の表示部115ではなく、液晶パネル39dにおいて“休憩中”の文字や休憩時間の表示を行なう構成とすることもできる。
また、上記実施形態においては、所定の条件が種々の契機によって成立する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、リモコン送信機から発信される休憩表示終了信号が受信部117で受信されたときのみ所定の条件が成立するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、店員により操作されるリモコン送信機から発信される休憩表示開始信号や休憩表示終了信号が受信部117により受信されることで、休憩時間の計時や休憩画面の表示が行なわれる場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、休憩表示開始信号や休憩表示終了信号などの所定の信号を発信する発信手段として、遊技場のホールコンピュータに接続された信号発信装置を予め遊技場内に設置しておき、遊技者からの休憩の依頼により店員がホールコンピュータを操作することで、信号発信装置からも上記実施形態における休憩表示開始信号や休憩表示終了信号などが発信される構成とすることもできる。この場合、受信部117を設けないでリモコン送信機を使わずに、信号発信装置から発信される休憩表示開始信号や休憩表示終了信号などの所定の信号を画像制御CPU81などに入力する構成としてもよい。
上記の構成によれば、ホールコンピュータに接続された信号発信装置や店員により操作されるリモコン送信機などの発信手段から所定の信号が発信されると、この所定の信号がパチスロ機1で受信され、休憩時間の計時が開始されると共に、遊技者が遊技台を離れている旨などを表す“休憩中”の文字や休憩時間の表示が、パチスロ機1の外部に設けられたデータ表示装置110の表示部115で行なわれる。