JP2007291071A - 催眠用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明において、トウキ、ショウキョウ、ケイヒ、ケイシ、ケイヨウヘイ、チンピ、トウヒ、オウゴン、ソウジュツおよびイチョウ葉またはそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種または2種以上のものは抗ヒスタミン性物質の催眠作用を増強することを示した。したがい、上記成分を含有する組成物は、優れた催眠効果を示し、また、催眠用、睡眠障害の治療用、睡眠改善用の医薬組成物として有用なものである。
【選択図】なし
Description
睡眠障害により、心身の疲労回復遅延、免疫・防御機構の低下、身体精神疾患の発症や悪化といった個人の健康問題を生じるばかりではなく、日常生活に様々な支障(集中困難、倦怠感、意欲低下、不機嫌など)をきたし、本来その人が持つ能力が発揮できず、仕事や学業に悪い影響を及ぼす。さらに適切な診断・治療がなされないと、眠気に関連したミスに伴って、交通事故や労働災害による社会的な損失を引き起こす。
不眠症の治療には、医師の処方箋が必要な医療用においては、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、バルビタール酸系等の睡眠薬が使用されており、また、医師の処方箋が必要ない一般用医薬品では、催眠作用を有する抗ヒスタミン性物質、特に塩酸ジフェンヒドラミンが使用されており、我国においても発売されている。
また、催眠作用が増強された薬剤を得るために、例えば、西洋チャボ時計草抽出エキスと抗ヒスタミン性物質を併用すること(例えば、特許文献1参照)や、塩酸ジフェンヒドラミンと、カノコソウまたはサンソウニンとを併用すること(例えば、特許文献2参照)が試みられている。
しかし、これまでに、抗ヒスタミン様物質と、トウキまたはその抽出物、ショウキョウまたはその抽出物、ケイヒまたはその抽出物、ケイシまたはその抽出物、ケイヨウヘイまたはその抽出物、チンピまたはその抽出物、トウヒまたはその抽出物、オウゴンまたはその抽出物、ソウジュツまたはその抽出物、または、イチョウまたはその抽出物を含有する、催眠用、睡眠障害の改善用、または睡眠改善用の医薬組成物については知られていない。
(1)抗ヒスタミン性物質および下記の群から選ばれる1種または2種以上を含有する催眠用、睡眠障害の改善用、または睡眠改善用医薬組成物。
群:トウキまたはその抽出物、ショウキョウまたはその抽出物、ケイヒまたはその抽出物、ケイシまたはその抽出物、ケイヨウヘイまたはその抽出物、チンピまたはその抽出物、トウヒまたはその抽出物、オウゴンまたはその抽出物、ソウジュツまたはその抽出物、イチョウ葉またはその抽出物
(2)抗ヒスタミン性物質およびトウキまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(3)抗ヒスタミン性物質およびショウキョウまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(4)抗ヒスタミン性物質およびケイヒまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(5)抗ヒスタミン性物質およびケイシまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(6)抗ヒスタミン性物質およびケイヨウヘイまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(7)抗ヒスタミン性物質およびチンピまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(8)抗ヒスタミン性物質およびトウヒまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(9)抗ヒスタミン性物質およびオウゴンまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(10)抗ヒスタミン性物質およびソウジュツまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
(11)抗ヒスタミン性物質およびイチョウ葉またはその抽出物を含有する医薬組成物。
(12)抗ヒスタミン性物質が、アリメマジンまたはその塩、ジフェンヒドラミンまたはその塩、クロルフェニラミンまたはその塩、ドキシラミンまたはその塩、メキタジンまたはその塩、クレマスチンまたはその塩、カルビノキサミンまたはその塩、ジフェニルピラリンまたはその塩およびクロモグリク酸またはその塩から選ばれる1種または2種以上である上記(1)〜(11)のいずれか1に記載の医薬組成物。
(13)抗ヒスタミン性物質が、ジフェンヒドラミンまたはその塩である上記(1)〜(11)のいずれか1に記載の医薬組成物。
(14)ジフェンヒドラミンまたはその塩が、塩酸ジフェンヒドラミンである上記(11)または(13)に記載の医薬組成物。
(15)製剤が経口投与製剤である上記(1)〜(14)のいずれか1に記載の医薬組成物。
(16)製剤の剤形が、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、液剤、トローチ剤またはゼリー剤である上記(1)〜(14)のいずれか1に記載の医薬組成物。
(17)下記の群より選ばれる1種または2種以上を含有する抗ヒスタミン性物質の作用増強剤。
群:トウキまたはその抽出物、ショウキョウまたはその抽出物、ケイヒまたはその抽出物、ケイシまたはその抽出物、ケイヨウヘイまたはその抽出物、チンピまたはその抽出物、トウヒまたはその抽出物、オウゴンまたはその抽出物、ソウジュツまたはその抽出物およびイチョウ葉またはその抽出物
本発明の医薬組成物における、抗ヒスタミン性物質とトウキ、ショウキョウ、ケイヒ、ケイシ、ケイヨウヘイ、チンピ、トウヒ、オウゴン、ソウジュツおよびイチョウ葉またはそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種または2種以上の配合比は特に限定されるべきものではないが、抗ヒスタミン性物質1重量部に対して、トウキまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、ショウキョウまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、ケイヒまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、ケイシまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、ケイヨウヘイまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、チンピまたはその抽出物は1〜3000重量部、好ましくは1〜1000重量部、トウヒまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、オウゴンまたはその抽出物は1〜1000重量部、ソウジュツまたはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部、イチョウ葉またはその抽出物は1〜5000重量部、好ましくは1〜1000重量部である。
本発明の医薬組成物を投与するにあたっては、患者の性別、体重、年齢、症状、投与方法、投与回数、投与時期等により、医薬組成物の投与量を適宜決めればよい。本発明の医薬組成物においては、抗ヒスタミン性物質の投与量は、患者に対して1日あたり通常10〜300mgであり、25〜100mgであることが好ましく、抗ヒスタミン性物質が塩酸ジフェンヒドラミンの場合、塩酸ジフェンヒドラミンとして50〜75mgであることがさらに好ましい。
また、トウキまたはその抽出物の投与量は1日あたり通常100〜10000mgであり、500〜5000mgが好ましく、トウキまたはその抽出物がトウキの抽出物である場合1000〜5000mgであることがさらに好ましい。ショウキョウまたはその抽出物の投与量は1日あたり通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、ショウキョウまたはその抽出物がショウキョウの抽出物である場合、1500〜3000mgであることがさらに好ましい。ケイヒまたはその抽出物の投与量は1日あたり通常100〜10000mgであり、500〜5000mgが好ましく、ケイヒまたはその抽出物がケイヒの抽出物である場合、1000mg〜5000mgであることがさらに好ましい。ケイシまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、ケイシまたはその抽出物がケイシの抽出物である場合1000〜5000mgであることがさらに好ましい。ケイヨウヘイまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、ケイヨウヘイまたはその抽出物がケイヨウヘイの抽出物である場合1000〜5000mgであることがさらに好ましい。チンピまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、チンピまたはその抽出物がチンピの抽出物である場合2500〜5000mgであることがさらに好ましい。トウヒまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、トウヒまたはその抽出物がトウヒの抽出物である場合、2500〜5000mgであることがさらに好ましい。オウゴンまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜6000mgであることが好ましく、オウゴンまたはその抽出物がオウゴンの抽出物である場合、3000〜6000mgであることがさらに好ましい。ソウジュツまたはその抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、ソウジュツまたはその抽出物がソウジュツの抽出物である場合2500〜5000mgであることがさらに好ましい。イチョウ葉またはそれらの抽出物の投与量は通常100〜10000mgであり、500〜5000mgであることが好ましく、イチョウ葉またはその抽出物がイチョウ葉の抽出物である場合100〜300mgであることがさらに好ましい。
試験には、5週齢のマウスを用い、1群を6匹とした。表1の検体を経口投与し、投与30分後に、ヘキソバルビタール60mg/kg(投与液量:10mL/kg)を腹腔内投与した。マウスの正向反射が消失してから再度出現するまでの時間(睡眠時間)をストップウォッチにて測定した。薬剤を含まない0.5%メチルセルロース溶液を経口投与したものを対照とした。結果を表1に示した。
Studentのt検定またはAspin-Welchのt検定により対照群との間で有意(* p<0.05, ** p<0.01)。
Studentのt検定またはAspin-Welchのt検定により塩酸ジフェンヒドラミン単独群との間で有意(#p<0.05、##p<0.01)。
表1から明らかなように、実施例1〜7の塩酸ジフェンヒドラミン+トウキ群、塩酸ジフェンヒドラミン+ショウキョウ群、塩酸ジフェンヒドラミン+ケイヒ群、塩酸ジフェンヒドラミン+チンピ群、塩酸ジフェンヒドラミン+オウゴン群、塩酸ジフェンヒドラミン+ソウジュツ群および塩酸ジフェンヒドラミン+イチョウ葉群はいずれも、比較例1の対照群および比較例2の塩酸ジフェンヒドラミン単独群に比べて、有意に正向反射消失持続時間の延長が認められた。したがい、抗ヒスタミン性物質とトウキ、ショウキョウ、ケイヒ、チンピ、オウゴン、ソウジュツおよびイチョウ葉からなる群より選ばれる1種または2種以上の組み合わせは優れた催眠作用を示すことがわかった。塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用が、トウキ、ショウキョウ、ケイヒ、チンピ、オウゴン、ソウジュツおよびイチョウ葉のいずれにおいても増強されていることがわかった。
Claims (17)
- 抗ヒスタミン性物質および下記の群から選ばれる1種または2種以上を含有する催眠用、睡眠障害の治療用または睡眠改善用医薬組成物。
群:トウキまたはその抽出物、ショウキョウまたはその抽出物、ケイヒまたはその抽出物、ケイシまたはその抽出物、ケイヨウヘイまたはその抽出物、チンピまたはその抽出物、トウヒまたはその抽出物、オウゴンまたはその抽出物、ソウジュツまたはその抽出物およびイチョウ葉またはその抽出物 - 抗ヒスタミン性物質およびトウキまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびショウキョウまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびケイヒまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびケイシまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびケイヨウヘイまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびチンピまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびトウヒまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびオウゴンまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびソウジュツまたはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質およびイチョウ葉またはその抽出物を含有する医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質が、アリメマジンまたはその塩、ジフェンヒドラミンまたはその塩、クロルフェニラミンまたはその塩、ドキシラミンまたはその塩、メキタジンまたはその塩、クレマスチンまたはその塩、カルビノキサミンまたはその塩およびジフェニルピラリンまたはその塩からなる群より選ばれる1種または2種以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 抗ヒスタミン性物質が、ジフェンヒドラミンまたはその塩である請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- ジフェンヒドラミンまたはその塩が、塩酸ジフェンヒドラミンである請求項12または13に記載の医薬組成物。
- 製剤が経口投与製剤である請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 製剤の剤形が、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、液剤、トローチ剤またはゼリー剤である請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 下記の群より選ばれる1種または2種以上を含有する抗ヒスタミン性物質の作用増強剤。
群:トウキまたはその抽出物、ショウキョウまたはその抽出物、ケイヒまたはその抽出物、ケイシまたはその抽出物、ケイヨウヘイまたはその抽出物、チンピまたはその抽出物、トウヒまたはその抽出物、オウゴンまたはその抽出物、ソウジュツまたはその抽出物およびイチョウ葉またはその抽出物
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