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JP2007284468A - 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料 Download PDF

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Katsuhiro Onose
勝博 小野瀬
Tomohiro Hirata
知広 平田
Susumu Kaneko
進 金子
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Abstract

【課題】 分子量の異なるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂溶液に平均粒子径の異なった無機フィラーを混合させることにより、流動性を向上させ、さらにスクリーン印刷時に巻き込まれた気泡が消泡した場合、消泡跡やピンホールを発生することなく、印刷作業性を向上させた樹脂組成物及びこれを含む被膜形成材料を提供する。
【解決手段】 樹脂溶液に、2種類以上の平均粒子径の異なる無機フィラーを組み合わせてなる樹脂組成物及びこれを含む被膜形成材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スクリーン印刷機、ディスペンサ、スピンコータ等の塗布方法に適したチクソトロピー性を有する樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料に関する。
近年、電子部品の分野においては、小型化、薄型化、高速化への対応から、耐熱性、電気特性及び耐湿性に優れる樹脂としてエポキシ樹脂に代わり、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が使用されている。これらの樹脂は、樹脂構造が剛直であり薄膜基材に用いた場合、硬化後の基材が大きく反り、硬化膜は柔軟性に欠け、屈曲性に劣る間題がある。
そこで、低反り性、柔軟性を改善するために、樹脂を可とう化及び低弾性率化した変性されたポリアミドイミド樹脂が、特許文献1、2、3等に提案されている。
特願昭60−244066号公報 特開平08−012763号公報 特開平07−196798号公報
これらの樹脂に、印刷性や作業性を向上させるために無機フィラーや有機フィラー等を樹脂溶液に分散させている。また、電気特性向上のために大量の無機フィラー、有機フィラー等が使用されているが、大量のフィラーのため揺変性が増大し流動性が低下する。
揺変性が増大し流動性が低下するとスクリーン印刷時に巻き込まれた気泡が抜けづらくなり樹脂硬化後に膜中に気泡が残留し、耐湿試験等の長期信頼性が低下する。また、スクリーン印刷時に巻き込まれた気泡が消泡した場合、流動性が低下しているため消泡跡が発生し、場合によってはピンホールとなり長期信頼性や膜形成後の工程に悪影響を及ぼす問題が発生する。
本発明は、分子量の異なるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂溶液に平均粒子径の異なった無機フィラーを混合させることにより、流動性を向上させ、さらにスクリーン印刷時に巻き込まれた気泡が消泡した場合、消泡跡やピンホールを発生することなく、印刷作業性を向上させた樹脂組成物及びこれを含む被膜形成材料を提供することを目的とするものである。
本発明は、樹脂溶液に、2種類以上の平均粒子径の異なる無機フィラーを組み合わせてなる樹脂組成物に関する。
また、本発明は、樹脂溶液が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂である前記の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、無機フィラーの平均粒子径が、10μm以下である前記の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、平均粒子径の異なる無機フィラーの1種類以上が、タルクである前記の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、無機フィラーのタルクの分散後の平均粒子径の低下率が、30%以内である前記の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、無機フィラーの合計添加量が、樹脂溶液固形分100重量部に対して50〜300重量部である前記の樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、前記の樹脂組成物を含む被膜形成材料に関する。
本発明の樹脂組成物及びこれを含む被膜形成材料は、タルクの分散時に分散状態を制御することにより、電気特性を向上させ、更にスクリーン印刷時の流動性を向上させ、巻き込まれた気泡が破泡した際に発生する消泡跡やピンホールを発生することなく耐湿性や印刷作業性に優れる。
本発明の樹脂溶液としては、熱硬化性、熱可塑性の樹脂等があり、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂等が好適に用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂等が好適に用いられる。好ましくは、耐熱性や電気的特性を考慮してポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。
変性された樹脂としては各種公知の変性がされたものであれば特に制限はなく、例えば、シリコーン樹脂で変性されたもの、ポリカーボネート樹脂で変性されたもの、ポリブタジエンで変性されたものなどを挙げることができる。中でも、ポリカーボネート樹脂で変性されたポリアミドイミド樹脂が好ましいものとして挙げられる。
可とう化及び低弾性率化成分変性された樹脂は、例えば、ポリカーボネート樹脂で変性されたポリアミドイミド樹脂の場合、通常、可とう化及び低弾性率化成分である1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオール等をカルボン酸とを反応させて得られたジカルボン酸と、ポリイソシアネート及び酸無水物基を有する3価のカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる。
本発明に用いられる無機フィラーの合計添加量は、樹脂溶液固形分100重量部に対して50〜300重量部が好ましい。無機フィラーの合計添加量が300重量部を超えると、樹脂皮膜の柔軟性が低下し反り性が大きくなる傾向があり好ましくない。無機フィラーの合計添加量が50重量部未満であると、流動性の向上効果が得られにくくなり好ましくない。
本発明に用いられる無機フィラーは特に制約はなく、例えば、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、マイカ、タルク、炭酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、溶融シリカ、破砕シリカ、ヒュームドシリカ、硫酸バリウム、ガラス短繊維やホウ酸アルミニウムや炭化ケイ素等の各種ウィスカなどが用いられる。また、これらを数種類併用しても良く、特に限定するものではない。
本発明に用いられる無機フィラーの平均粒子径は10μm以下が好ましく、平均粒子径が10μm以下であれば数種類併用しても良く、フィラーの形状等、特に制限はない。無機フィラー平均粒子径が10μmを超えると回路間に無機フィラーがまたがり電気特性が低下し好ましくない。
また、無機フィラーの平均粒子径が10μm超えると、揺変性が小さくなりスクリーン印刷時の流動性が大きくなり、回路間の流れ出しが大きくなり、その後のIC実装工程等の位置あわせに悪影響を及ぼし好ましくない。
本発明に用いられる無機フィラーの1種類以上にタルクを用いることが好ましく、タルクを用いないとスクリーン印刷時の流動性や消泡性が低下し好ましくない。
タルクの添加量は、無機フィラー100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、10重量部以上50重量部以下がより好ましく、10重量部以上30重量部以下が特に好ましい。
本発明に用いられる無機フィラーのタルクの分散後の平均粒子径の変化率は30%以内が好ましく、5%以上20%以下が特に好ましい。タルクの分散後の平均粒子径の変化率が30%を超えると電気特性やスクリーン印刷後の外観が低下し好ましくない。タルクの分散後の平均粒子径の変化率が5%未満であるとタルクの2次凝集物が分散させず電気特性に悪影響をおよぼす。
本発明の樹脂組成物は、各々、被膜形成材料として好適に用いられる。この樹脂組成物には、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるため、エポキシ樹脂類、レベリング剤等の界面活性剤類、染料、顔料等の着色剤類、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、滑剤を添加することもできる。
本発明になる樹脂組成物及びそれを含む皮膜形成材料は、上記の優れた特性を有し、電子部品用オーバーコート材、液状封止材、エナメル線用ワニス電気絶縁用含浸ワニス、積層板用ワニス、摩擦材料用ワニス、プリント基板分野等における層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト膜、接着層等や、半導体素子などの電子部品に好適に用いられる。
本発明になる樹脂組成物をペースト化した樹脂ペーストは、各種電気製品や電子部品の皮膜形成材料としてスクリーン印刷、ディスペンサ、スピンコートなどの塗布方法に好適に用いられる。特にスクリーン印刷に好適に用いられる。
また、樹脂ペーストは、例えば、半導体素子、プリント基板分野などの電子部品用オーバーコート材、液状封止材、層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト層、接着層などとして好適に用いられる。
さらに、エナメル線用ワニス、電気絶縁用含浸ワニス、注型ワニス、マイカ、ガラスクロス等の基材と組み合わせたシート用ワニス、MCL積層板用ワニス、摩擦材料用ワニス等にも使用できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに制限するものではない。
実施例1
攪拌機、油分分離機付冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットルの四つ口フラスコに、プラクセルCD−220(ダイセル化学工業(株)製、1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオールの商品名)2000.0g(100モル)、アジピン酸292.0g(2.00モル)及びキシレン114.6gを仕込み、途中、副生してくる縮合水を除去しながら200℃まで昇温した。200℃で2時間反応させ、酸価49.7KOHmg/gのジカルボン酸Aを得た。
ついで、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、4,4’−ジフェ二ルメタンジイソシアネート150.0g(0.60モル)、無水トリメリット酸69.12g(0.36モル)、前記合成で得られたジカルボン酸A541.44g(0.24モル)及びγ―ブチロラクトン760.56gを仕込み、160℃まで昇温し反応させて、得られた樹脂をγ―ブチロラクトンで希釈し、不揮発分40重量%のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の固形分100重量部に対して、シリコーン系消泡剤(信越化学工業株式会社製 商品名:KS−603)を0.3重量部を配合し20℃で10分間攪拌し、さらにタルク(富士タルク株式会社製、商品名:LMS−300)を80重量部を配合し、ビーズミル(ターボ工業株式会社製、商品名:OBミル0.5N1型)を用いて1.0mmのジルコニアビーズを80%充填して、ロータ速度:2000min−1、流速:毎分0.5Lで処理を2回行ってポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂タルク分散溶液Aを得た。
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の固形分100重量部に対して、シリコーン系消泡剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KS−603)を0.3重量部を配合し20℃で10分間攪拌し、さらに硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名:B−30)を220重量部を配合し、ビーズミル(ターボ工業株式会社製、商品名:OBミル0.5N1型)を用いて1.0mmのジルコニアビーズを80%充填して、ロータ速度:2000rpm、流速:毎分0.5Lで処理を1回行ってポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂硫酸バリウム分散溶液Bを得た。
得られた分散溶液をA液:100とB液:100を配合し、必要に応じてγ―ブチロラクトン等の溶剤を加えて50℃で1時間攪拌し、さらにビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名Ep−1004)を20重量部を加え、20℃で1時間攪拌し、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
実施例2
実施例1のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂タルク分散溶液Aのビーズミル処理回数を3回とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
比較例1
実施例1のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂タルク分散溶液Aのビーズミル処理回数を4回とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
比較例2
実施例1のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂タルク分散溶液Aのビーズミル処理回数を8回とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
上記の各実施例及び各比較例で得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペースト及びポリアミドイミド樹脂組成物の特性を下記の方法で測定し、その結果を表1に示す。
(1)平均粒子径低下率
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂タルク分散ペーストを粒度分布測定機(セイシン企業製 商品名:LMS−350)を用いて測定し、正規分布50%の値を平均粒子径とし分散前の無機フィラー単体の平均粒子径を100%としてその比率とした。使用したタルク(富士タルク株式会社製 商品名:LMS−300)の平均粒子径は5.5μmを標準品平均粒子径とした。
(2)電気特性
ポリイミド基材上にライン幅15μm、スペース幅15μmでくし型状にスズメッキされた銅電極を覆う様に、得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂組成物を印刷機(ニューロング株式会社製、商品名:LS−34GX)とメッシュ版(株式会社ムラカミ製、150メッシュ)で印刷速度100mm/secで印刷し、空気雰囲気下で120℃で60分間加熱硬化してポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂皮膜付ポリイミド基材くし型電極を得た。
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂皮膜付ポリイミド基材くし型電極を連続抵抗測定機(IMV株式会社製、商品名:Ion Migratuin Tester MIG−8600)と不飽和型プレッシャークッカ(株式会社平山製作所製、商品名:HASTPC−422R8D)を用いて温度110℃、湿度85%、印加電圧40V、印加時間100時間の条件で抵抗を測定した。得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂組成物に対して各3個測定し、抵抗値1×10−6Ω以下になった時点で導通として、電圧印加後100時間後を歩留まり比とした。
(3)印刷作業性
2mmのガラス板上に、得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを印刷機(ニューロング株式会社製、商品名:LS−34GX)とメッシュ版(株式会社ムラカミ製、150メッシュ)で印刷速度100mm/secで100mm角を印刷し、空気雰囲気下で120℃で60分間加熱硬化してポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂被膜を得た。
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂皮膜を万能投影機(ニコン株式会社製、倍率100倍)で観察して、樹脂皮膜の表面の観察をした。泡抜け跡、ピンホール、気泡がない樹脂皮膜を○とし、泡抜け跡、ピンホール、気泡があるものを×とした。
Figure 2007284468
以上の結果から、次のことが分かった。
実施例1〜2は、タルク平均粒子径低下率を30%以内で分散させることにより電気特性を向上させ、さらに流動性が向上しスクリーン印刷作業が改善し、消泡時に発生する消泡跡およびピンホールを発生させることなく印刷作業性に優れる。
本発明のスクリーン印刷用樹脂組成物及びこれを含む被膜形成材料は、上記の優れた特性を有し、電子部品用オーバーコート材、液状封止材、エナメル線用ワニス電気絶縁用含浸ワニス、積層板用ワニス、摩擦材料用ワニス、プリント基板分野などにおける層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト膜、接着層等や半導体素子などの電子部品にも適用できる。

Claims (7)

  1. 樹脂溶液に、2種類以上の平均粒子径の異なる無機フィラーを組み合わせてなる樹脂組成物。
  2. 樹脂溶液が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 無機フィラーの平均粒子径が、10μm以下である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 平均粒子径の異なる無機フィラーの1種類以上が、タルクである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物
  5. 無機フィラーのタルクの分散後の平均粒子径の低下率が、30%以内である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物
  6. 無機フィラーの合計添加量が、樹脂溶液固形分100重量部に対して50〜300重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を含む被膜形成材料。


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