JP2007262931A - 内燃機関の冷却水配管構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダブロック12とシリンダヘッド13の気筒配列方向端部に形成されたカムチェーン室12cc,13ccの後壁にカムチェーンテンショナ43が突設され、シリンダヘッド13の後側に取り付けられたサーモスタットケース110が、カムチェーンテンショナ43とクランク軸方向に視て重なり、ラジエータ105に冷却水を送るラジエータ冷却水配管106が接続されるサーモスタットケース110のラジエータ用接続部110aが、クランクケース11の後半部とカムチェーンテンショナ43との間の空間に臨み、同空間をラジエータ冷却水配管106が通ってラジエータ105に至る内燃機関の冷却水配管構造。
【選択図】図2
Description
また、サーモスタットケースから水ポンプに冷却水をバイパスするバイパスホースは、サーモスタットケースから下方に延出してスタータモータの後方を迂回して水ポンプに接続されている。
また、水温センサから延出する信号伝達用ハーネスの取り回しを、バイパス用配管の経路スペースを利用して行うことができる。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、4つのシリンダを直列に配置した直列4気筒の水冷式内燃機関であり、自動二輪車にクランク軸10を左右方向に指向させて横置きに搭載される。
なお、本明細書において、車両前進方向を前方、その反対方向を後方とし、前進方向である前方を見て左手方向を左方、右手方向を右方と決めておく。
また、図4におけるV−V線で切断した概略断面図を図5に示す。
一方、下側クランクケース11Lの下にはオイルパン15が取り付けられる。
直列4気筒の内燃機関Eであるので、クランク軸10は5つのジャーナル部10jを有し、上側クランクケース11Uと下側クランクケース11Lの上下それぞれ5つジャーナル壁11Uw,11Lwによりクランク軸10は回転自在に支持される。
図5を参照して、上側クランクケース11Uと下側クランクケース11Lの各5つのジャーナル壁11Uw,11Lwのそれぞれにおいて、クランク軸10を挟持する半円弧部を挟む前後にスタッドボルト21f,21rが下方から真っ直ぐ上方へ下側クランクケース11Lを貫通して上側クランクケース11Uの長尺のねじ孔に螺入して緊締している。
なお、上側クランクケース11Uと下側クランクケース11Lは、上記スタッドボルト21f,21rだけでなく、所要箇所に複数ボルト23により締結される(図5参照)。
したがって、スタッドボルト25fの螺合緊締により上側クランクケース11Uのねじ孔周辺に作用する応力が一部に集中するのを低減することができる。
なお、吸気ポート33の上流側吸気通路管33bにはスロットルボディ33aが連結されて、その上流に図示しないが、吸気管が連結され、排気ポート34の下流側開口には排気管が連結される。
そのために、各カム軸38,39は、右端部にカムスプロケット38s,39sが嵌着され、クランク軸10の右端部近傍に嵌着される駆動スプロケット10sとカムスプロケット38s,39sの間にタイミングチェーン40が掛け渡され(図2,図4参照)、クランク軸10の半分の回転速度で回転駆動される。
カムチェーンテンショナ43は、図2に示すようにシリンダヘッド13のカムチェーン室13ccの後壁から後方へ突出したテンショナホルダー13aに取り付けられる。
変速機50は、常時噛合い式の歯車変速機であり、クランク軸10の後方で斜め上方位置にメイン軸51が上側クランクケース11Uに軸受52を介して回転自在に軸支され、クランク軸10の後方で上側クランクケース11Uと下側クランクケース11Lの割り面に挟まれてカウンタ軸55が軸受56を介して回転自在に軸支され、クランク軸10と平行なメイン軸51とカウンタ軸55にそれぞれ装着される変速ギヤ群51g,55gが互いに対となるギヤどうしを噛合しており、軸にスプライン嵌合しシフタとなるギヤの変速操作機構による移動によって変速がなされる。
摩擦クラッチ54の出力側であるクラッチインナ54iがメイン軸51にスプライン嵌合しており、よってクランク軸10の回転が1次減速機構53a,53bおよび摩擦クラッチ54を介してメイン軸51に伝達される。
カウンタ軸55は、出力軸でもあり、クランクケース11を左方に貫通して外部に突出させた左端部に出力スプロケット57が嵌着され、図示しない後輪の被動スプロケットとの間に伝動チェーン58が掛け渡され2次減速機構が構成され、この2次減速機構を介して動力が後輪に伝達される。
内燃機関Eを始動するスタータモータ60は、クランクケース11のミッション室を形成する後半部の上面における左右方向中央(図3参照)で前寄り(図1参照)の位置に取り付けられている。
なお、摩擦クラッチ54等の右側はクラッチカバー59により覆われる(図3参照)。
したがって、スタータモータ60の駆動による駆動ギヤ軸61の回転が減速ギヤ機構62により減速されて始動用被動ギヤ63に伝達され、始動用被動ギヤ63の回転が一方向クラッチ64を介してクランク軸10に伝達されて内燃機関Eが始動される。
この被動スプロケット65bの上方に前記メイン軸51に設けられた駆動スプロケット65aが位置して、駆動スプロケット65aと被動スプロケット65bとの間に無端チェーン66が架渡される(図2参照)。
2次バランサ95は、図1に示す側面視でクランク軸10より下方斜め前方に位置する。
クランクケース11の前面図である図7を参照して、2次バランサ95は、バランサ軸95aにバランスウエイト95bがニードル軸受95cを介して軸支され、バランスウエイト95bのボス部外周にバランサドリブンギヤ96bが嵌着されている。
したがって、2次バランサ95は、クランク軸10の2倍の回転速度でバランスウエイト95bが回転して直列4気筒の内燃機関1の2次振動を吸収する。
したがって、オイルポンプ70が駆動されると、オイルパン15に溜まったオイルがオイルストレーナ74を介して吸入導管73に導かれて汲み上げられる。
オイルクーラハウジング78の左隣りに前記バランサ95が配置されている(図6参照)。
そして、オイルクーラハウジング78の中心部の流出ポート78bからは後方に向けて第4のオイル供給路A4が穿設されている(図6,図7参照)。
メインギャラリA5は、下側クランクケース11Lの5つのジャーナル壁11Lwを貫通しており、各ジャーナル壁11Lwにおいて各ジャーナル軸受部に向けてオイル分岐供給路A6が穿設されている。
第2のオイル供給路C2は、シリンダブロック12の右側壁の後部に穿設された第3のオイル供給路C3に連続する。
途中のラビリンス構造部Cbは、シリンダブロック12とシリンダヘッド13の合せ面において両者間を行き来する迷路を形成したもので、フィルタとしての効果を備える。
なお、オイルクーラハウジング78の流出ポート78bからは左隣りのバランサ95のバランサ軸95aに向けて連通孔98も形成されていてバランサ95の潤滑にオイルが供されるようになっている(図6,図7参照)。
第1のオイル供給路D1の上端部で割り面の第2のオイル供給路D2との接続箇所に複数の小さな孔部からなるフィルタ80が介装されている。
左右のオイル噴射用配管81L,81Rには、5つの隣り合うジャーナル壁11Uwの各中間位置に上方のシリンダボア12cに向けてオイル噴射孔であるオイルジェット81Lj,81Rjが左右2つずつ穿孔されている。
そして、左右のオイル噴射用配管81L,81Rは、中央のジャーナル壁11Uwに隣り合う左右両側のジャーナル壁11Uw,11Uwの円孔84,84を貫通して、外端部が左右最外側のジャーナル壁11Uw,11Uwに形成された円孔85,85に挿入されている。
キャップ部材86L,86Rは、軸方向に大小の内径と大小の外径が形成されており、オイル噴射用配管81L,81Rの外径に等しい大内径部にオイル噴射用配管81L,81Rが圧入される形でキャップ部材86L,86Rが被せられる。
キャップ部材86L,86Rの大外径部の一部と小外径部は外側に突出している。
取付けステー88L,88Rの基端部円孔88La,88Raは、左右最外側のジャーナル壁11Uw,11Uwの各々所定位置に形成されたねじ孔89L,89Rに合せてワッシャ91L,91Rを介して締付ボルト90L,90Rにより外側から螺合して緊締される。
したがって、オイル噴射用配管を左右間違って取り付けようとすると、ジャーナル壁11Uwの所定位置に形成されたねじ孔と基端部円孔とが合致することがなく、締付ボルトを螺合することができないので、左右間違って取り付けていることを知ることができ、誤組みを防止することができる。
オイルジェット87Ljは、交流発電機47に直接でなく、交流発電機47のアウタロータ47rの外周面と発電機カバー48の内周面との間の環状空間にオイルを噴射して交流発電機47を冷却する。
また、図7に示すように前面視で、重なるアウタロータ47rとパルサコイル49に対してオイルジェット87Ljは右側(図7では左側)に位置している。
本内燃機関Eの冷却系において、図1を参照して、水ポンプ100は、前記したように下側クランクケース11Lの左側壁の後部に取り付けられており、内燃機関Eの前方にラジエータ105が配置され、そしてサーモスタットケース110がシリンダヘッド13の右端気筒の吸気ポート33の下側から後方に延出した冷却水出口である冷却水排出管108に連結されて取り付けられている。
サーモスタットケース110には、ワックスタイプのボトムバイパス式サーモスタットが内蔵されている。
サーモスタットケース110からラジエータ105に冷却水を送るラジエータ冷却水配管であるラジエータ流入ホース106は、特に径が大きい太い配管であるので、かかるラジエータ流入ホース106が、屈曲を可及的に低減して管路長を短縮しているので、重量を低減することができる。
オイルクーラ77の水流出口から延出した流出ホース118は前記ラジエータ流出ホース107に連結されてオイルクーラ77を経た冷却水を、ラジエータ流出ホース107の一部を利用して水ポンプ100に戻している。
暖機運転中は、シリンダブロック12とシリンダヘッド13を通ってきた冷却水をラジエータ105に流さずバイパス用ホース112に流して水ポンプ100に戻し暖機を促進し、暖機を終え通常運転に入ると、ラジエータ流入ホース106に流れを切換えてラジエータ105に流通させ冷却水の温度を低減させシリンダブロック12とシリンダヘッド13の冷却を促進させる。
バイパス用ホース112は、サーモスタットケース110の左方に開口したバイパス用接続部110bに左方から右方に向って接続されており、このバイパス用ホース112が接続される接続方向と略同じ方向を取付方向として、水温センサ130はサーモスタットケース110に取り付けられている。
したがって、バイパス用ホース112に近接してハーネス131を配設することで、内燃機関Eの熱によるハーネス131への影響を低減することができる。
100…水ポンプ、105…ラジエータ、106…ラジエータ流入ホース、107…ラジエータ流出ホース、108…冷却水排出管、110…サーモスタットケース、110a…ラジエータ用接続管、110b…バイパス用接続部、112…バイパス用ホース、113…ポンプ吐出ホース、115…管継手部材、130…水温センサ、131…ハーネス。
Claims (3)
- クランク室の後方にミッション室を形成するクランクケースのクランク室を形成する前半部の上に、複数の気筒をクランク軸方向に配列したシリンダブロックとシリンダヘッドが略前傾して順に重ね合わされた内燃機関において、
シリンダブロックとシリンダヘッドの気筒配列方向端部に形成されたカムチェーン室の後壁にカムチェーンテンショナが突設され、
前記シリンダヘッドの後側に取り付けられたサーモスタットケースが、前記カムチェーンテンショナとクランク軸方向に視て重なり、
ラジエータに冷却水を送るラジエータ冷却水配管が接続される前記サーモスタットケースのラジエータ用接続部が、前記クランクケースのミッション室を形成する後半部と前記カムチェーンテンショナとの間の空間に臨み、
同空間を前記ラジエータ冷却水配管が通ってラジエータに至ることを特徴とする内燃機関の冷却水配管構造。 - スタータモータが前記クランクケースのミッション室を形成する後半部の上に配置され、
水ポンプに冷却水を戻すバイパス用配管が接続される前記サーモスタットケースのバイパス用接続部が、前記カムチェーンテンショナと反対側に開口を有し、
前記バイパス用配管が、上面視でシリンダブロックと前記スタータモータとの間を通って水ポンプに至ることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却水構造。 - 前記バイパス用配管が前記サーモスタットケースのバイパス用接続部に接続される接続方向と略同じ方向を取付方向として、水温センサが前記サーモスタットケースに取り付けられることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の冷却水配管構造。
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