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JP2007261448A - 車両の空気抵抗低減装置 - Google Patents

車両の空気抵抗低減装置 Download PDF

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Abstract

【課題】単独走行および隊列走行のいずれにおいても良好な導風性能を有して空気抵抗を低減できる装置を提供する。
【解決手段】キャブ20とキャブよりも背高のバンボディ30とを有する車両1の空気抵抗低減装置10であって、キャブ上方に設置され、上面側を導風面4とする導風部材2と、導風部材2の少なくとも前方側導風面の上下高さ位置を調節する高さ位置調節手段7を備える。前者との車間距離を検出する手段11を設け、導風部材制御部12によって、検出結果に基づき隊列走行であるか否かを判定し、隊列走行時に、高さ位置調節手段7によって前記導風部材2を隊列走行用位置に調節し、非隊列走行時に、前記導風部材2を非隊列走行用位置に調節する。隊列走行時に前走車との間で発生する空気流の渦を減少させて効果的に空気抵抗を低減する
【選択図】図1

Description

この発明は、キャブとバンボディとを有する車両において走行時に屋根側で生じる空気抵抗を低減して燃費を向上させる車両の空気抵抗低減装置に関するものである。
キャブとバンボディとを有するトラックなどの車両では、図8(a)に示すように、通常はバンボディ30がキャブ20よりも背高になっており、走行時の空気抵抗を低減するためにキャブ20の前端側から後端側(バンボディ30の直前方)に亘って高さが次第に高くなるように傾斜させた導風板40が設置されている。この導風板40は、トラックが単独走行する場合を想定したものであり、キャブ20前面からバンボディ30前端に向かってスムーズに空気を流す形状となっている。
しかし、今後の高速道路の交通事情としては、ITSなどの発展に伴いトラックの単独走行の頻度は減少し、車群走行を行う頻度が高くなると考えられる。ところが、車群によって隊列走行をしている場合、図8(b)(高速道路走行時)に示すように、導風板40を設けていても先頭トラックと後続トラックとの間には、空気流100によって大きな渦100aが発生し、双方のトラックに作用するトータルの空気力はこの渦100aにより増大し、燃費を低減させてしまう。このため車群走行時のトラックの空気抵抗を低減する手段が必要となる。
例えば、特許文献1では、隊列走行は想定していないものの、走行時の状況(車速や空気抵抗による圧力分布)によって上記導風板の傾斜角度を増加減少させて空気抵抗を低減することを可能にしている。
また、特許文献2では、隊列走行時に隊列走行の有無の状態を判断可能な手段を設けて、各車両で臨機応変に自社の役割(先頭車両か後続車両)を交代可能にして、車群走行を継続可能にすることで道路利用率の向上や運転者の負担軽減を図った技術が提案されている。
実開平7−35268号公報 特開2000−99890号公報
しかし、前記特許文献1に提案されている技術は、隊列走行を全く想定しておらず、後方に向けて徐々に高さを高くした導風板を前提としており、隊列走行時における渦の発生を減少させて空気抵抗の増大を回避することは困難である。また、前記特許文献2に示すものでは、隊列走行の継続制御を可能にするものではあるが、上記したような隊列走行時の空気抵抗の増大については全く課題としてはおらず、当該技術においても隊列走行時における空気抵抗の増大を回避することは困難である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、単独走行時における空気抵抗を低減できるとともに、隊列走行時においても効果的に空気抵抗を低減することができる車両の空気抵抗低減装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の車両の空気抵抗低減装置のうち、請求項1記載の発明は、キャブとキャブよりも背高のバンボディとを有する車両の空気抵抗低減装置であって、前記キャブ上方に設置され、上面側を導風面とする導風部材と、該導風部材の少なくとも前方側導風面の上下高さ位置を調節する高さ位置調節手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、導風部材における前方側導風面の上下高さ位置が高さ位置調節手段によって調節される。隊列走行でない場合に空気抵抗の低減に効果のある導風部材も、隊列走行時には、先行車と後続車との間に発生する空気の渦を排除することは困難である。これは先行車のバンボディに対し後続車のキャブの高さが低いことによって発生する。
そこで、例えば、単独走行時には導風部材の前方側を後方側と比較して下げておくことで、走行時に発生する空気抵抗を小さくし、一方、自車と前走車との距離が一定以下となる隊列走行を行なうときに導風部材の前方側導風面の上下高さ位置を上げることで、自車と前走車との間に空気を流入させにくくして渦領域を減少させることにより双方の車両に作用する空気抵抗を低減することができる。本発明には、非隊列走行時には、特に空気抵抗を低減する機能を求めない導風部材も含まれるが、本発明としては、非隊列走行時にも効果的な空気抵抗の低減効果を有するものが望ましい。
なお、隊列走行は、2台以上の車両が所定以下の距離で継続して走行する状態であり、隊列を組む車両は、同一形式の車両でもよく、また、形式、サイズを異なるものであってもよい。例えばトラクタとトレーラとによって隊列を組むものであってもよく、要はキャブとバンボディとを有する車両であればよい。なお、バンボディは、有蓋の荷室や客室などからなるものであり、本発明としてはウィング車や幌付き車なども含まれる。
なお、導風部材は、上面側にある導風面で空気をガイドして走行時に空気抵抗を小さくできるものであればよく、その材質、形状等は特に限定されない。通常は導風板としてキャブの上方で支持される。該導風部材は、上記のように少なくとも前方側導風面の上下高さ位置を調節可能とされる。高さ調節は導風部材自体を上下動させるものでもよく、一部を軸止して回動させるものでもよく、また、導風面の形状を変化させるものでもよい。上下高さ位置調節は、上記のように少なくとも前方側導風面が対象にしてなされるが、導風部材全体に亘って上下高さ位置を調節できるものでもよく、本発明としてはその範囲が特定されるものではない。例えば、前方側のみが位置調節されて後方側の位置が固定されているものや後方側が前方側とともに高さ調節されるものや、前方側に逆行して後方側の高位置が調節されるものなどを挙げることができる。
また、高さ位置調節手段は、導風部材の構造などに従って、上記前方側導風面の上下高さ位置を調節できるものであればよく、各種アクチュエータ、モータなどの駆動手段などを用いることができる。
請求項2記載の車両の空気抵抗低減装置の発明は、請求項1記載の発明において、前記高さ位置調節手段で調節する導風面の上下高さ位置がバンボディの高さ以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、導風面前方側の上下高さ位置を常にバンボディの高さ以下にすることができる。導風部材前方側の最大上昇時の高さがバンボディの高さを超えた場合には、導風部材におけるバンボディよりも高い部分が却って空気抵抗を増すことになる。そのため、最大上昇時にもバンボディを超えないように構成することで空気抵抗低減に最も高い効果を得ることができる。上記高さ位置は、導風部材の前方側で維持されていればよい。
請求項3記載の車両の空気抵抗低減装置の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記高さ位置調節手段は、制御信号を受けて前記導風部材の導風面の上下高さ調節を行うものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、所定の信号があったときに導風部材の上下高さ位置を自動的に切り替えることが出来る。例えば、キャブ内に導風部材の切替えスイッチ等を設置しておいたときには、運転手等の切り替え操作により自動的に高さ調節手段を自動的に駆動させることができる。また、その他に、各種センサの出力によって隊列走行と非隊列走行とを判定し、その結果に基づく制御信号によって導風部材の上下高さ位置を自動的に調節することもできる。
請求項4記載の車両の空気抵抗低減装置の発明は、請求項3記載の発明において、前走車との車間距離を検出する車間距離検出手段を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、前走車との間の車間距離が車間距離検出手段によって検出されるので、その検出結果に基づいて自車が隊列走行状態であるか非隊列走行状態であるかを知ることができる。隊列走行状態であるか否かは、検出結果に基づいて運転者が判断するものであってもよく、また、後述する導風部材制御部などによって隊列走行状態であるか非隊列走行状態であるかを判定可能とするものであってもよい。
なお、車間距離検出手段としては、レーザ、レーダなどを利用した既知のものを利用することができ、本発明としては特にその構成が限定されるものではない。検出結果を運転者が認識して導風部材への上下高さ位置指令を発行する場合には、検出結果を運転者に通知する表示部などを設けてもよい。
請求項5記載の車両の空気抵抗低減装置の発明は、請求項4記載の発明において、前記車間距離検出手段による検出結果に基づき隊列走行であるか否かを判定し、隊列走行であると判定される場合に、前記高さ位置調節手段によって前記導風部材の前方側導風面を隊列走行用位置に調節し、隊列走行でないと判定される場合に、前記高さ位置調節手段によって前記導風部材の前方側導風面を非隊列走行用位置に調節するように、前記制御信号を生成する導風部材制御部を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、車間距離検出手段の検出結果に基づいて導風部材制御部で隊列走行か非隊列走行かが判定され、導風板部材を、運転手の操作に拠らずに自動的に上下高さ位置調節を行うことができる。特に、自車と前走車との車間距離に基づき上下動切り替えをなすことで、単独走行時と隊列走行時のそれぞれの場合に適切な導風部材の高さ位置調節を行なうことができる。隊列走行か否かの判定は、例えば車間距離検出手段による検出結果と比較すべき第1設定値(例えば20m)と第2設定値(例えば25m)とを定めておき、検出結果が第1設定値以下となった場合に隊列走行と判定し、また、検出結果が第2設定値以上となった場合に、非隊列走行と判定する。第2設定値は第1設定値より大きくするか同一値とする。第2設定値を第1設定値より大きくすることで判定形態の切り替えのハンチングを防止することができる。
請求項6記載の車両の空気抵抗低減装置は、請求項5記載の発明において、前記導風部材制御部は、車両が隊列走行を行うための自動車間距離制御走行時に前記導風部材の高さ調節を行うことを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、自動的に車間距離を保つように制御する場合にのみ導風部材の上下高さ調節を行うことができ、運転者などが意図しない場合に導風部材の上下高さ位置調節がなされるのを回避する。
自動車間距離制御走行の実現は、上記した車間距離検出手段の検出結果を利用して、導風部材制御部や、その他の制御部を用いて、例えば所望の車間距離内で上限設定値と下限設定値とを定め、上限設定値を越える場合、車間距離を縮めるようにアクセル開度を小さくしたりブレーキ動作をオンさせ、一方下限設定値を下回る場合に、アクセル開度を大きくしたりして車間距離を所定の範囲に維持する。制御部は、車両全体を制御するコンピュータを利用することもできる。
請求項7記載の車両の空気抵抗低減装置の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記導風部材は、前面側に導風面下方側を覆うスカート形状を有し、該導風部材の前方の前記キャブ上に、上記導風部材のスカート形状と共同して導風部材の上下移動範囲を前面側で覆うカバープレートを有することを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、導風部材の上下高さ位置調節に際し、車両前方からの空気流が導風部材とキャブルーフの間に導入されるのを阻止して効率よく空気抵抗を軽減することができる。
以上説明したように、本発明の車両の空気抵抗低減装置によれば、キャブとキャブよりも背高のバンボディとを有する車両の空気抵抗低減装置であって、前記キャブ上方に設置され、上面側を導風面とする導風部材と、該導風部材の少なくとも前方側導風面の上下高さ位置を調節する高さ位置調節手段とを備えるので、隊列走行時においても導風部材の前方側導風面の上下高さ位置を調節することができ、隊列走行時に前走車との間で発生する空気流の渦を減少させて効果的に空気抵抗を低減することができ、双方のトラックに作用するトータルの空気力を低減して燃費を改善するなどの効果がある。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
車両1は、運転者が運転操作などを行うキャブ20と、該キャブ20に連結され、該キャブよりも背高のバンボディ30とを有している。
上記キャブ20のルーフ21上には、その後端に導風板支持壁22がバンボディ30のルーフに略沿う高さ(バンボディ30を越えない高さ)で設けられており、その上端に導風部材である導風板2の後端がヒンジ3によって回転可能に支持されている。導風板2は前方下方に伸長して、キャブ20の前端部側で湾曲しつつ下方に伸長してキャブ20のルーフ21近傍に達するスカート形状5を有している。該導風板2の前方には、前記スカート形状5を覆い、導風板2の前方側が最大高さにまで上昇した際に、スカート形状5との間で隙間を形成しない高さでカバープレート6が設けられている。
また、上記導風板2の前方側の内側には、油圧または空圧シリンダからなる高さ位置調節アクチュエータ7が高さ位置調節手段として配置されており、その作動ロッド7aが導風板2の内面に傾動可能に取付けられ、アクチュエータ本体7bの基端側がルーフ21上に傾動可能に取付けられている。上記導風板2、カバープレート6、高さ位置調節アクチュエータ7を主構成として本発明の空気抵抗低減装置10が構成されている。
また、キャブ20には、前走車に向けて距離測定用のレーダを照射して反射波を受信することで車間距離を測定する車間距離検出装置11が車間距離検出手段として設けられている。
また、車両1は、CPUとこれを動作させるプログラムとによって構成され、本発明の導風部材制御部に相当する導風部材制御部12が設けられており、該制御部12に前記車間距離検出装置11による検知結果が入力されている。
導風部材制御部12では、隊列走行か非隊列走行であるか否かを判定するための第1設定値(20m)と第2設定値(25m)とが設定されており、前記測定車間距離と設定値とを比較して隊列走行であるか否かを判定し、前記高さ位置調節アクチュエータ7の動作を制御して、導風板2の傾斜角度、すなわち導風板2上面における導風面4の前方側の上下高さ位置を調節するように構成されている。
次に、上記車両1における空気抵抗低減装置の動作について図1〜図4に基づいて説明する。
なお、前走車1aは、車両1と同様にキャブ20aと背高のバンボディ30aとを有しており、キャブ20a上に導風板2aが設けられている。なお、導風板2aは、上記車両1の導風板2と同様に前方側の導風面の高さ調節が可能になっているか否かは限定されず、いずれであってもよい。
前走車1aと車両1とは、図2に示すように、車間を有して走行しており、車両1では、車間距離検出装置11によって前走車1aとの車間距離が検出される(図3のステップs1)。
ここで、車間距離が第1の設定値(20m)以下であるか否かが比較され(ステップs2)、第1設定値以下である場合、隊列走行であると判定をして前記高さ位置調節アクチュエータ7を動作させて作動ロッド7aを伸長させる。すると、導風板2がヒンジ3を中心に回転をして導風板2の前方側が上昇をして、導風面4がバンボディ30の高さ以下で略同じ高さに位置調節される(ステップs3)。この隊列走行状態では、図4に示すように前走車1aから流れる空気流100が導風板2の導風面4によってガイドされて、車両1との間に形成される空気の渦100bを大幅に減少させることができる。これにより車両1に対する空気抵抗を低減して燃費等が改善される。また、導風板2の前方側が上昇した際に、導風板2のスカート形状5とキャブ20のルーフ21との間は、カバープレート6で覆われており、両者が共同して導風板2の高さ位置調節範囲を覆うので、ルーフ21側への空気流の侵入を防止して、該侵入による空気抵抗の増加を回避することができる。
一方、前記検知結果との比較において第1設定値以下でない場合、第2設定値(25m)以上であるか否かが比較され(ステップs4)、第2設定値以上である場合、非隊列走行であると判定をして、導風部材2が隊列走行時の高さ位置にある場合には、前記高さ位置調節アクチュエータ7を動作させて作動ロッド7aを後退させる。すると、導風板2の前方側が下降して、導風面4が後方側においてバンボディ30の高さ付近にあり、前方側においてルーフ21付近にあるように傾斜した状態に位置調節される(ステップs5)。この非隊列走行状態では、空気流100が傾斜した導風板2の導風面4によってガイドされて空気抵抗が低減される。なお、検出値が第1設定値と第2設定値との間にある場合には、導風板に対する高さ調節はなされない。上記手順は車両の走行または導風板の高さ調節モードが解除されるまで繰り返し行われる(ステップs6)。
また、上記高さ位置調節は、自動車間距離制御走行(オートクルーズ)と組み合わせて行うこともできる。
図5は、上記オートクルーズと組み合わせた場合の制御手順を示すものである。オートクルーズでは、図6に示すように規定車間距離に応じて最大設定値と最小設定値とを定めておき、車間距離が該設定値範囲内にあるように車両の走行制御(アクセル開度、ブレーキ動作)を行う。
すなわち、車間距離を検出し(ステップsc1)、その検出値が最大設定値を超えるか否かを比較する(ステップsc2)。最大設定値を超える場合、車間距離が過大であるとして車間距離を減少させる制御、例えばアクセル開度減少、ブレーキ動作などを自動的に行う(ステップsc3)。また、検出値が最小設定値未満であるか否かを比較し(ステップsc4)、最小設定値に達していない場合には、車間距離が不足しているとして車間距離を増加させる制御、例えばアクセル開度増加などの制御を行う。
導風板2の制御では、導風板2の高さ位置調節を行うための車間距離を第1設定値として設定しておく。上記したオートクルーズが実行されているか否かが判定され(ステップsa1)、実行がなされていない場合には、導風板2の高さは通常走行(非隊列走行)状態にあるものとし、導風板2が下降した状態ではそのままとし、隊列走行に合わせて上昇している場合には、上記と同様に高さ位置調節アクチュエータ7を制御して導風板2を非隊列走行位置にまで下降させる(ステップsa2)。
一方、オートクルーズが実行されている場合、実際に隊列走行が維持されているか否かを確認するため、さらに車間距離検出装置11によって車間距離が検出され、検出結果が設定値以下であるか否かが比較される(ステップsa3)。比較の結果、検出が設定値以下である場合、隊列走行状態であるとして、導風板2が非隊列走行に合わせて下降している場合には、高さ位置調節アクチュエータ7を制御して導風板2を隊列走行位置にまで上昇させる(ステップsa4)。なお、導風板2が既に隊列走行位置にある場合にはそのままにする。
上記により、導風板の高さは、隊列走行または非隊列走行の状態に合わせて最適に調節される。
なお、上記実施形態では、導風板の後端側を軸止して回転させることで導風板の前方側を上下高さ位置調節したが、本発明としては、この形態に限定されるものではなく、種々の形態で導風板の前方側導風面の上下高さ位置調節を行うことができる。
図7は、各導風板における高さ調節の形態変更例を示すものである。図7(a)は、上記実施形態における導風板2を示すものであり、後端を軸止することで上方側の高さ位置を調節可能にしている。(b)図に示す導風板2bは、斜めに配置した導風板全体を上下方向にスライド移動可能としたものである。この結果、導風板の後方側は、バンボディ30の高さを超えているが、導風板2bの前方側は、バンボディ30の高さ以下にしてある。(c)図に示す導風板2cは、非隊列走行時には、従来と同様に後方側の高さが高くなるように傾斜して配置され、隊列走行時には、前方側が上昇し、後方側が下降して傾斜方向が逆になるように構成されている。図(d)(e)に示される導風板2d、2eは、非隊列走行時には、キャブ20のルーフに沿った位置にあり、このため非隊列走行時の導風効果は小さくなっている。導風板2dは、後方側が軸止されるなどして隊列走行時にも位置を変えず、前方側のみが上昇することで隊列走行時の空気渦の発生を抑えるように構成されている。また、導風板2eは、隊列走行時に導風板全体が上方にスライド移動して、バンボディの略高さ位置にまで上昇して上記作用を果たす。
以上、本発明について上記実施形態および導風板の変更例に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
本発明の一実施形態の空気抵抗低減装置を備える車両を示す概略図である。 同じく、前走車と車群で走行する状態を示す図である。 同じく、導風板の高さ調節の手順を示すフローチャートである。 同じく、隊列走行時の空気流を示す図である。 同じく、オートクルーズと組み合わせた導風板の高さ調節の手順を示すフローチャートである。 同じく、オートクルーズの制御手順を示すフローチャートである。 同じく、導風板の変更例を示す図である。 従来の空気抵抗低減装置を備える車両および該車両における隊列走行時の空気流を示す図である。
符号の説明
1 車両
2 導風板
3 ヒンジ
4 導風面
5 スカート形状
6 カバープレート
7 高さ位置調節装置
10 空気抵抗低減装置
11 車間距離検出装置
12 導風部材制御部
20 キャブ
21 ルーフ
30 バンボディ

Claims (7)

  1. キャブとキャブよりも背高のバンボディとを有する車両の空気抵抗低減装置であって、
    前記キャブ上方に設置され、上面側を導風面とする導風部材と、該導風部材の少なくとも前方側導風面の上下高さ位置を調節する高さ位置調節手段とを備えることを特徴とする車両の空気抵抗低減装置。
  2. 前記高さ位置調節手段で調節する導風面の上下高さ位置がバンボディの高さ以下であることを特徴とする請求項1記載の車両の空気抵抗低減装置。
  3. 前記高さ位置調節手段は、制御信号を受けて前記導風部材の導風面の上下高さ調節を行うものであることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の空気抵抗低減装置。
  4. 前走車との車間距離を検出する車間距離検出手段を備えることを特徴とする請求項3記載の車両の空気抵抗低減装置。
  5. 前記車間距離検出手段による検出結果に基づき隊列走行であるか否かを判定し、隊列走行であると判定される場合に、前記高さ位置調節手段によって前記導風部材の前方側導風面を隊列走行用位置に調節し、隊列走行でないと判定される場合に、前記高さ位置調節手段によって前記導風部材の前方側導風面を非隊列走行用位置に調節するように、前記制御信号を生成する導風部材制御部を備えることを特徴とする請求項4記載の車両の空気抵抗低減装置。
  6. 前記導風部材制御部は、車両が隊列走行を行うための自動車間距離制御走行時に前記導風部材の高さ調節を行うことを特徴とする請求項5記載の車両の空気抵抗低減装置。
  7. 前記導風部材は、前面側に導風面下方側を覆うスカート形状を有し、該導風部材の前方の前記キャブ上に、上記導風部材のスカート形状と共同して導風部材の上下移動範囲を前面側で覆うカバープレートを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両の空気抵抗低減装置。
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