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JP2007255627A - ころ軸受、間座および風力発電機の主軸支持構造 - Google Patents

ころ軸受、間座および風力発電機の主軸支持構造 Download PDF

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JP2007255627A JP2006082486A JP2006082486A JP2007255627A JP 2007255627 A JP2007255627 A JP 2007255627A JP 2006082486 A JP2006082486 A JP 2006082486A JP 2006082486 A JP2006082486 A JP 2006082486A JP 2007255627 A JP2007255627 A JP 2007255627A
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Abstract

【課題】生産性が良好なころ軸受を提供する。
【解決手段】円錐ころ軸受31は、外輪32と、内輪33と、外輪32および内輪33の間に配置される複数の円錐ころ34と、円錐ころ34を保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、外輪および内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメント11a、11dと、周方向に連ねた最初の保持器セグメント11aと最後の保持器セグメント11dとの間に配置される金属製の間座26とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、ころ軸受、間座および風力発電機の主軸支持構造に関し、特に、大型のころ軸受、大型のころ軸受に含まれる間座および大型のころ軸受を備える風力発電機の主軸支持構造に関するものである。
ころ軸受は、一般的には、外輪と、内輪と、外輪および内輪の間に配置される複数のころと、複数のころを保持する保持器とから構成される。ころを保持する保持器については、その材質や製造方法等により、樹脂製保持器、プレス保持器、削り保持器、溶接保持器等、様々な種類があり、それぞれ用途や特性に応じて使い分けられている。また、保持器は通常、一体型、すなわち、環状の一つの部品で構成されている。
風を受けるためのブレードが取り付けられた風力発電機の主軸を支持するころ軸受については、大きな荷重を受ける必要があるため、ころ軸受自体も大型となる。そうすると、ころや保持器等、ころ軸受を構成する各構成部材も大型となり、部材の生産や組み立てが困難となる。このような場合、各部材を分割可能とすると、生産や組み立てが容易となる。
ここで、ころ軸受に含まれる保持器を、軸に沿う方向に延びる分割線によって分割した分割型の保持器に関する技術が、ヨーロッパ特許公報1408248A2(特許文献1)に開示されている。図10は、特許文献1に開示された分割型の保持器である保持器セグメントを示す斜視図である。図10を参照して、保持器セグメント101aは、ころを収容する複数のポケット104を形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部103a、103b、103c、103d、103eと、複数の柱部103a〜103eを連結するように周方向に延びる連結部102a、102bとを有する。
図11は、図10に示した保持器セグメント101aを含むころ軸受の一部を示す断面図である。図10および図11を参照して、保持器セグメント101aを含むころ軸受111の構成を説明すると、ころ軸受111は、外輪112と、内輪113と、複数のころ114と、複数のころ114を保持する複数の保持器セグメント101a、101b、101c等とを有する。複数のころ114は、最もころの挙動が安定する位置であるPCD(Pitch Circle Diameter)105付近において、複数の保持器セグメント101a等によって保持されている。複数のころ114を保持する保持器セグメント101aは、周方向において隣接する同一形状の保持器セグメント101b、101cと、周方向の最も外側にある柱部103a、103eが当接するように連なって配置されている。複数の保持器セグメント101a、101b、101c等が連なって、ころ軸受111に組み込まれ、ころ軸受111に含まれる一つの環状の保持器が形成される。
ヨーロッパ特許公報EP1408248A2
上記した一つの環状の保持器は、複数の保持器セグメントを周方向に連ねて配置させることにより形成される。複数の保持器セグメントを周方向に連ねて、一つの環状の保持器を形成するには、熱膨張等を考慮した周方向のすき間が必要である。
ここで、この周方向のすき間が広すぎれば、保持器セグメントが周方向に大きく動き、隣接する保持器セグメント同士が衝突し、異音が発生したり、保持器セグメントが破損するおそれがある。また、保持器セグメントは、温度上昇に伴って熱膨張するが、この周方向のすき間が狭い場合には、熱膨張により、隣接する保持器セグメントとのすき間がなくなり、隣接する保持器セグメント同士が押し合うことになる。この熱膨張による周方向への応力は、保持器セグメントの摩擦や摩耗の原因となり、これも保持器セグメントの破損の要因となる。
ここで、特許文献1によると、各保持器セグメントを当接させ、周方向に連ねて配置したときに、最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に生じる最後のすき間の寸法を、保持器セグメントの中央を通る円の円周の0.15%以上、かつ、1%未満と規定することにより、周方向のすき間の寸法を適正にする技術が開示されている。
しかし、各保持器セグメントはそれぞれ単独で製造されるため、各保持器セグメントにおいて、周方向の寸法誤差を有する。このような寸法誤差を有する保持器セグメントを、周方向に連ねて配置した場合、寸法誤差も累積されていくことになる。したがって、周方向のすき間の寸法を上記した所定の範囲内にするには、各保持器セグメントを高精度で製造しなければならず、保持器セグメントの生産性が悪化し、引いては、ころ軸受の生産性も悪化することになる。
この発明の目的は、生産性が良好なころ軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、生産性が良好な間座を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、生産性が良好な風力発電機の主軸支持構造を提供することである。
この発明に係るころ軸受は、外輪と、内輪と、外輪および内輪の間に配置される複数のころと、ころを保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、外輪および内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメントと、周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置される金属製の間座とを備える。
保持器セグメントは、比較的複雑な形状を有し、1つのころ軸受に対し、大量の数が必要とされる。したがって、保持器セグメントを樹脂製とし、射出成形等で製造することにより、保持器セグメントの生産性を向上させることができる。一方、すき間寸法を調整するための間座は、比較的単純な形状であり、1つのころ軸受に対し、少なくとも軌道面1列当たり1つあればよい。また、間座は、周方向に累積された寸法誤差を調整するために設けられるものであるため、それぞれ要求される形状、具体的には、間座の周方向の寸法が異なる。このような間座を、たとえば樹脂製とし、高価な金型を必要とする射出成形等によって製造すれば、安価に製造することができない。したがって、間座を金属製とし、砂型や切削加工等で製造することにより、容易に、かつ、安価に製造することができる。その結果、ころ軸受の生産性を向上させることができる。
ここで、保持器セグメントとは、一つの環状の保持器を、少なくともころを収容する1つのポケットを有するように、軸に沿う方向に延びる分割線によって分割した単位体である。複数の保持器セグメントが周方向に連なってころ軸受に組み込まれ、一つの環状の保持器を形成する。また、最初の保持器セグメントとは、保持器セグメントを周方向に順次連ねて配置する際に、最初に配置される保持器セグメントをいい、最後の保持器セグメントとは、隣接する保持器セグメントを当接させ、周方向に順次連ねて配置していった際に、最後に配置される保持器セグメントをいう。複数の保持器セグメントが周方向に連なってころ軸受に組み込まれ、一つの環状の保持器を形成する。保持器セグメントは、少なくともころを収容する1つのポケットを有するものであり、ころを収容するポケットを有しない間座とは、異なるものである。
好ましくは、間座は、砲金製である。間座は、保持器セグメントと共にころ軸受内を回転するため、ある程度の潤滑性が要求される。ここで、このように構成することにより、間座の摺動性が良好となり、間座の潤滑性を向上させることができる。
この発明の他の局面においては、間座は、周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置され、金属製である。
このような間座は、金属製であるため、砂型や切削加工等によって、容易に製造することができる。そうすると、射出成形による金型等を必要としないため、容易に、かつ安価に製造することができる。
この発明のさらに他の局面においては、風力発電機の主軸支持構造は、風力を受けるブレードと、その一端がブレードに固定され、ブレードとともに回転する主軸と、固定部材に組み込まれ、主軸を回転自在に支持するころ軸受とを有する。ころ軸受は、外輪と、内輪と、外輪および内輪の間に配置される複数のころと、ころを保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、外輪および内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメントと、周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置される金属製の間座とを備える。
このような風力発電機の主軸支持構造は、生産性が良好なころ軸受を含むため、風力発電機の主軸支持構造自体も生産性が良好になる。
この発明によれば、保持器セグメントは、比較的複雑な形状を有し、1つのころ軸受に対し、大量の数が必要とされるため、保持器セグメントを樹脂製とし、射出成形等で製造することにより、保持器セグメントの生産性を向上させることができる。一方、すき間寸法を調整するための間座は、比較的単純な形状であり、1つのころ軸受に対し、少なくとも軌道面1列当たり1つあればよい。また、間座は、周方向に累積された寸法誤差を調整するために設けられるものであるため、それぞれ要求される形状、具体的には、間座の周方向の寸法が異なる。このような間座を、たとえば樹脂製とし、高価な金型を必要とする射出成形等によって製造すれば、安価に製造することができない。したがって、間座を金属製とし、砂型や切削加工等で製造することにより、容易に、かつ、安価に製造することができる。その結果、ころ軸受の生産性を向上させることができる。
また、このような間座は、金属製であるため、砂型や切削加工等によって、容易に製造することができる。そうすると、射出成形による金型等を必要としないため、容易に、かつ安価に製造することができる。
また、このような風力発電機の主軸支持構造は、生産性が良好なころ軸受を含むため、生産性が良好になる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受に含まれる保持器セグメント11aを示す斜視図である。図3は、図2に示す保持器セグメント11aを、図2中の線III−IIIを含み、軸に直交する平面で切断した場合の断面図である。また、図4は、図2に示す保持器セグメント11aを、柱部14aの中央を通り、円周方向に直交する平面で切断した場合の断面図である。なお、理解の容易の観点から、図3および図4において、保持器セグメント11aが保持する複数の円錐ころ12a、12b、12cを点線で示している。また、一点鎖線でPCD22を示す。
図2、図3および図4を参照して、まず、円錐ころ軸受に含まれる保持器セグメント11aの構成について説明する。保持器セグメント11aは、一つの環状の保持器を、少なくともころを収容する一つのポケットを有するように、軸に沿う方向に延びる分割線によって分割した形状である。保持器セグメント11aは、円錐ころ12a、12b、12cを保持するポケット13a、13b、13cを形成するように、軸に沿う方向に延びる4つの柱部14a、14b、14c、14dと、軸方向の両端に位置し、4つの柱部14a〜14dを連結するように周方向に延びる一対の連結部15a、15bと、軸方向の両端に位置し、周方向に突出する一対の突部16a、16bとを含む。
一対の連結部15a、15bおよび一対の突部16a、16bは、複数の保持器セグメント11aが円錐ころ軸受に組み込まれた際に、周方向に連なって一つの環状の保持器を形成するように、周方向において所定の曲率半径を有している。一対の連結部15a、15bおよび一対の突部16a、16bのうち、円錐ころ12a〜12cの小径側に位置する連結部15a、突部16aの曲率半径は、円錐ころ12a〜12cの大径側に位置する連結部15b、突部16bの曲率半径よりも小さく構成されている。
保持器セグメント11aは、他の保持器セグメントと端面21a、21b同士を当接させて配置した場合に、一対の突部16a、16bにより、保持器セグメント11aと他の保持器セグメントとの間に、円錐ころを収容するポケットを形成する。
ポケット13a〜13cの周方向両側に位置する柱部14a〜14dの内径側および外径側には、案内面17a、17b、17c、17d、18a、18b、18c、18dが設けられている。このように構成することにより、保持器セグメントは、ころ案内となり、保持器セグメント11aの径方向への移動が規制される。柱部14a〜14dの外径側および内径側には、軸方向の中央部分において、径方向内側または外側に凹んだ形状で、周方向に貫通する油溝19、20が設けられている。この油溝19、20により、潤滑剤の循環が良好になる。
ここで、保持器セグメント11aは、樹脂製とする。上記した保持器セグメント11aは、比較的複雑な形状であり、1つのころ軸受に対して、大量の数が必要となる。したがって、保持器セグメント11aを樹脂製として、たとえば、射出成形等によって製造することにより、同一形状の保持器セグメント11aを、容易に製造することができる。
次に、この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受に含まれ、周方向に連なる保持器セグメント11a等の周方向のすき間の寸法を調整する間座について説明する。図5は、円錐ころ軸受に含まれる間座26の斜視図である。図5を参照して、間座26の構成について説明すると、間座26は、軸方向の両端に位置する端部27a、27bと、端部27a、27b間に位置する中央部28とを含む。端部27a、27bの軸方向の間隔は、上記した保持器セグメント11aに含まれる一対の連結部15a、15bの軸方向の間隔と同じである。また、中央部28の内径面側および外径面側には、周方向に貫通する油溝30a、30bが設けられている。
ここで、間座26は、金属製とする。このように構成することにより、間座26を砂型や切削加工等によって、容易に製造することができる。したがって、間座26を樹脂製とした場合に、射出成形時に必要な高価な金型を必要とせず、安価に間座26を製造することができる。
なお、間座26は、砲金製であることが好ましい。このように構成することにより、間座26の摺動性能を向上させることができる。具体的には、砲金として、CAC301が挙げられる。
次に、上記した保持器セグメント11aおよび間座26を含む円錐ころ軸受の構成について説明する。図6は、複数の保持器セグメント11a、11b、11c、11d等および間座26を周方向に配置させた円錐ころ軸受31を、軸方向から見た概略断面図である。また、図7は、図6中においてVIIで示す部分の拡大断面図である。ここで、保持器セグメント11b、11c、11dは、保持器セグメント11aと同一形状であるため、その説明を省略する。なお、図6においては、保持器セグメント11a等に保持される円錐ころ34を省略している。また、ここでは、複数の保持器セグメント11a〜11dのうち、最初に配置される保持器セグメントを保持器セグメント11aとし、最後に配置される保持器セグメントを保持器セグメント11dとする。
図6および図7を参照して、円錐ころ軸受31は、外輪32と、内輪33と、複数の円錐ころ34と、複数の保持器セグメント11a〜11dと、間座26とを備える。保持器セグメント11a〜11dは、周方向において、順次連ねられて配置される。ここでは、まず、最初に保持器セグメント11aが配置され、次に、保持器セグメント11bが保持器セグメント11aと当接するように配置される。その後、保持器セグメント11cが保持器セグメント11bと当接するように配置され、順次、保持器セグメントが配置されていき、最後に、保持器セグメント11dが配置される。また、隣接する2つの保持器セグメント11a、11b等の間には、最初の保持器セグメント11aと最後の保持器セグメント11dとの間を除いて、形成されるポケット35に円錐ころ34が配置される。
このようにして、周方向に連ねられて、保持器セグメント11a〜11dが配置される。なお、隣接する保持器セグメント11a〜11dの間に配置された円錐ころ34によっても、円錐ころ軸受31に負荷される荷重を受けることができる。
次に、最初の保持器セグメント11aと最後の保持器セグメント11dとの間に配置される間座26の配置状態について説明する。図1は、図6においてIで示す部分の拡大断面図である。図1、図5および図6を参照して、保持器セグメント11a等を順次当接するように連なって配置していき、保持器セグメント11aと保持器セグメント11dとの間に生じたすき間39に、間座26を配置させる。こうすることにより、保持器セグメント11aと間座26との間に生じる周方向の最後すき間40の寸法を、容易に設定された範囲にすることができる。最後すき間とは、保持器セグメント11a〜11d等を円周上にすき間なしに配置し、さらに、最後の保持器セグメント11dと間座26とをすき間なしに配置したときに、最初の保持器セグメント11aと、最初の保持器セグメント11aと最後の保持器セグメント11dとの間に配置された間座26との最大すき間をいう。
ここで、周方向のすき間39は、各々が独立して製造される保持器セグメント11a〜11dの周方向の寸法誤差を累積したすき間寸法であるため、予め定められた一定の寸法とはならない。すなわち、周方向に連ねて配置する保持器セグメント11a〜11dの寸法精度等によって異なる。このような一定の寸法とならないすき間39の寸法を間座26によって適正な最後すき間40の寸法とするには、すき間39の寸法に合わせて、適正な最後すき間40となるように、間座26の周方向の寸法を調整する必要がある。
このような用途に使用される間座26を、一定の寸法、すなわち、一定の形状を多量に製造する射出成形で製造すると、たとえば、周方向の寸法がやや異なる金型を複数必要とすることになるため、高コストとなる。また、すき間寸法を調整するための間座は、比較的単純な形状であり、1つのころ軸受に対し、少なくとも軌道面1列当たり1つあればよい。したがって、樹脂製として射出成形で製造するのは、不向きである。
このように、様々な周方向の寸法が必要とされる場合であっても、たとえば、砂型として、間座を金属製にすれば、容易に、型の形状を変更することができ、安価に製造することができる。また、間座26を金属製にして、切削加工で製造する際にも、要求される寸法通りに切削することができるため、より適正な周方向の寸法を有する形状の間座26を製造することができる。
このような円錐ころ軸受31は、最後すき間40が適正な範囲内であるため、保持器セグメント11a〜11dが熱膨張をしても、隣接する保持器セグメント11a〜11dが押し合ったりすることはなく、また、異音等の発生や、隣接する保持器セグメント11a〜11d同士の衝突による破損等を防止することができる。
また、間座26は、保持器セグメント11a〜11dと共に、周方向に回転するが、間座26は、砲金製であるため、その摺動性が良好である。そうすると、回転時において、間座26が外輪32や内輪33、隣接する保持器セグメントを摩耗させるおそれは少なくなる。したがって、円錐ころ軸受31を構成する部材を摩耗させたり、破損させたりすることはない。
図8および図9は、この発明の一実施形態に係るころ軸受を主軸支持軸受75として適用した、風力発電機の主軸支持構造の一例を示している。主軸支持構造の主要部品を支持するナセル72のケーシング73は、高い位置で、旋回座軸受71を介して支持台70上に水平旋回自在に設置されている。風力を受けるブレード77を一端に固定する主軸76は、ナセル72のケーシング73内で、軸受ハウジング74に組み込まれた主軸支持軸受75を介して、回転自在に支持されている、主軸76の他端は増速機78に接続され、この増速機78の出力軸が発電機79のロータ軸に結合されている。ナセル72は、旋回用モータ80により、減速機81を介して任意の角度に旋回させられる。
軸受ハウジング74に組み込まれた主軸支持軸受75は、この発明の一実施形態に係るころ軸受であって、外輪と、内輪と、外輪および内輪の間に配置される複数のころと、ころを保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、外輪および内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメントと、周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置される金属製の間座とを備える。
主軸支持軸受75は、大きな風力を受けるブレード77を一端に固定する主軸76を支持するため、大きな荷重がかかることになる。そうすると、主軸支持軸受75自体も大型にする必要がある。ここで、生産性向上等のため、一つの環状の保持器を分割した形状の保持器セグメントとした場合であっても、ころ軸受の生産性が良好であるため、風力発電機の主軸支持構造自体も、生産性が良好になる。
なお、上記の実施の形態においては、間座は、中央部と端部を含むことにしたが、これに限らず、他の形状、たとえば、略直方体形状であってもよいし、中央部が周方向に膨出した形状であってもよい。さらに、隣接する保持器セグメントの間に、ころを配置しなくともよいし、間座と保持器セグメントとの間に、ころを配置してもよい。
また、上記の実施の形態においては、保持器セグメントは、周方向に突出する突部を有することにしたが、これに限らず、突部を有さないタイプ、すなわち、周方向外側に柱部が配置される構成の保持器セグメントについても、適用される。
なお、上記の実施の形態においては、保持器セグメントは、ころを収容するポケットを3つ有することにしたが、これに限らず、4つ以上のポケットを有することにしてもよい。このような構成の保持器セグメントは、案内面が設けられたポケットを多く有するため、より安定して径方向に配置される。
また、上記の実施の形態においては、ころ軸受に備えられるころとして、円錐ころを用いたが、これに限らず、円筒ころや針状ころ、棒状ころ等を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るころ軸受は、良好な生産性が要求される場合に、有効に利用される。
この発明に係る間座は、良好な生産性が要求されるころ軸受に備えられる際に、有効に利用される。
また、この発明に係る風力発電機の主軸支持構造は、良好な生産性が要求される場合に、有効に利用できる。
最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に間座を配置した場合の拡大断面図である。 この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受に含まれる保持器セグメントの斜視図である。 図2に示す保持器セグメントを、図2中の線III−IIIを含み、軸に直交する平面で切断した場合の断面図である。 図2に示す保持器セグメントを、柱部の中央を通り、円周方向に直交する平面で切断した場合の断面図である。 円錐ころ軸受に含まれる間座を示す斜視図である。 複数の保持器セグメントおよび間座を周方向に配置した場合の円錐ころ軸受の概略断面図である。 隣接する保持器セグメントを示す拡大断面図である。 この発明に係る円錐ころ軸受を用いた風力発電機の主軸支持構造の一例を示す図である。 図8に示す風力発電機の主軸支持構造の図解的側面図である。 従来における保持器セグメントの斜視図である。 図10に示す保持器セグメントを、柱部を含み、軸に直交する平面で切断した場合の断面図である。
符号の説明
11a,11b,11c,11d 保持器セグメント、12a,12b,12c 円錐ころ、13a,13b,13c ポケット、14a,14b,14c,14d 柱部、15a,15b 連結部、17a,17b,17c,17d,18a,18b,18c,18d 案内面、19,20,30a,30b 油溝、21a,21b 端面、22 PCD、26 間座、27a,27b 端部、31 円錐ころ軸受、32 外輪、33 内輪、39 すき間、40 最後すき間、70 支持台、71 旋回座軸受、72 ナセル、73 ケーシング、74 軸受ハウジング、75 主軸支持軸受、76 主軸、77 ブレード、78 増速機、79 発電機、80 旋回用モータ、81 減速機。

Claims (4)

  1. 外輪と、
    内輪と、
    前記外輪および前記内輪の間に配置される複数のころと、
    前記ころを保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、前記外輪および前記内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメントと、
    周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置される金属製の間座とを備える、ころ軸受。
  2. 前記間座は、砲金製である、請求項1に記載のころ軸受。
  3. 周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置され、金属製である、間座。
  4. 風力を受けるブレードと、
    その一端が前記ブレードに固定され、ブレードとともに回転する主軸と、
    固定部材に組み込まれ、前記主軸を回転自在に支持するころ軸受とを有する風力発電機の主軸支持構造であって、
    前記ころ軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪および前記内輪の間に配置される複数のころと、前記ころを保持するポケットを形成するように軸に沿う方向に延びる複数の柱部、およびこの複数の柱部を連結するように周方向に延びる連結部を有し、前記外輪および前記内輪の間で周方向に順次連ねて配置される複数の樹脂製の保持器セグメントと、周方向に連ねた最初の保持器セグメントと最後の保持器セグメントとの間に配置される金属製の間座とを備える、風力発電機の主軸支持構造。
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