JP2007111555A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を備え、長手方向に、着用時に着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部Aと該排泄部対向部Aより背側に配される後方部Bとを有する吸収性物品1において、長手方向の両側部に防漏壁5が配されており、該防漏壁5は、基壁部51とその上端部に連設された面状の弾性伸縮部52とからなり且つ前記排泄部対向部A及び後方部Bにおいて起立しており、後方部Bにおける基壁部51の上端部から前記防漏層までの距離が、排泄部対向部Aにおける該距離よりも短いことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
斯かる防漏壁は、吸収性物品を着用者にフィットする好ましい立体形状(特に長手方向の断面が凹状)に変形させることや、着用者の肌に対する密着性を向上させ、液漏れを確実に防止すること等を目的とするものである。
しかし、従来の吸収性物品においては、着用中に装着者の体圧により防漏壁が倒れたり潰れたりして防漏壁の機能が充分に発現されない場合があり、優れたフィット性や液漏れ防止性が得られない場合があった。
図1には、本発明の第1実施形態としての生理用ナプキンをその表面シート側からみた平面図が示されており、図2には、図1の生理用ナプキンの各部における防漏壁の断面が模式的に示されており、図3には、図1の生理用ナプキンの斜視図が示されている。
本実施形態における排泄部対向部Aと後方部Bとの境界は、ナプキン1の長さ方向の略中央部に存する。本実施形態における各ウイング7は、着用時に、折り曲げられてショーツ等の下着の外表面に粘着剤等により固定される。第1及び第3実施形態のナプキンにおける後方部Bは、ナプキン後端側のウイング基端部71(図1参照)から2cm以上、好ましくは3cm以上離間した部位である。図1に、後方部Bとウイング基端部71との離間距離を符号Lで示した。
防漏壁5は、表面シート2及び吸収体4からなる吸収層Eの長手方向の両側縁に沿って設されており、弾性伸縮部52の上面(肌当接面)は、該吸収層4の上面(肌当接面)と略平行である。
そして、弾性伸縮部52は、少なくとも排泄部対向部Aにおいて着用者の肌に面状に当接する。
また、弾性伸縮部52は、防漏壁5が起立した領域(弾性伸縮部の幅方向内側が表面シート2上に固定されていない領域)の長手方向の両端それぞれの外方において表面シート2及びエンドシール部8に固定されており、弾性伸縮部52の収縮によって、ナプキン1は、その長手方向の全体形状が図3に示すように凹状に湾曲している。
(1)排泄部対向部Aに排泄された液が後方に流れた場合においても、後方部Bにおける防漏壁5により、その液が横方向から漏れ出すことが防止される。
(2)排泄部対向部Aに排泄された液が横方向に流れた場合においても、防漏壁5を乗り越えずに後方部に流れ、その近傍の吸収体に吸収されるので、吸収体の吸収性能が効率的に活用されて漏れが防止される。斯かる効果は、防漏壁5が、排泄部対向部Aから後方部Bに亘って連続して起立している場合に、一層顕著に発現される。
(3)ナプキン1のフィット性(特に着用者のお尻乃至お尻寄り部分に対するフィット性)が良好となり、ナプキンと身体とが無理なくフィットし、違和感が低減される。
即ち、液排泄部での身体のライン(カーブ)とそれよりも後ろ側(お尻側)のライン(カーブ)は一定ではなく、その曲率は液排泄部の方が小さい。本実施形態では、後方部Bにおける前記距離L2を排泄部対向部Aにおける前記距離L1よりも短くしたため、後方部Bにおけるナプキンの湾曲の程度(曲率)と排泄部対向部Aにおけるナプキンの湾曲の程度(曲率)とを容易且つ効果的に異ならせることができ、ナプキンの全体形状を、身体の曲面形状に一層フィットした形状とすることができる。
(4)防漏壁の上端部(弾性伸縮部52)が面状であることによって、身体とのフィット性が向上するばかりでなく、防漏壁の形状安定性が良くなり、上述したような漏れ防止効果が良好となる。
尚、基壁部形成シート部の幅方向とは、長手方向及び幅方向を有する基壁部形成用シート部の幅方向であって、ナプキン(吸収性物品)の幅方向とは意味が異なる。
また、後方部Bにおける基壁部形成用シート部53の一部には重層部58が形成されている。重層部58は、基壁部形成用シート部53の一部に設けられたものであり、基壁部形成用シート部53の一部を少なくとも2重になるように折り曲げ、その折り曲げた状態を、接着剤、ヒートシール等の接合手段により維持した部分であるが、図6(a)や図9(c)に示されるような、基壁部形成用シート部53を折り曲げて重層させた部分に弾性伸縮部までが固定されている場合の該重層部分は含まない。
本実施形態においては、このように、排泄部対向部Aにおける基壁部形成用シート部53の幅方向の固定位置と後方部Bにおける該基壁部形成用シート部53の幅方向の固定位置とを異ならせて、後方部Bにおける基壁部51の下端部Qから上端部Pまでの距離を排泄部対向部Aにおける該距離よりも短くすることにより、基壁部51の上端部Pから裏面シート(防漏層)3までの後方部Bにおける距離L2を、排泄部対向部Aにおける該距離L1よりも短くしてあるため、基壁部形成用シート部の幅が長手方向に変化する弾性伸縮部材を固定する場合と比較して製造が容易であり、また、基壁部の上端部Pから裏面シート(防漏層)3までの後方部Cにおける距離L2を、排泄部対向部Aにおける該距離L1よりも低く安定して形成することが可能である。
尚、防漏シート10は、ナプキンの幅方向の両端部近傍においては、図1中に符号11で示す箇所に公知の接合手段(接着剤、ヒートシール等)により固定されており、ナプキンの長手方向においては、エンドシール部8に一体的に固定されている。
また、前記重層部58は、基壁部形成用シート部53を前記本体に固定する工程において形成することもできるが、弾性伸縮部材50を製造する工程において、基壁部形成用シート部53における後方部Bに配される部分に形成することが好ましい。また、吸収層E及び防漏層(裏面シート3)Fからなる本体を製造し、該本体の吸収層E及び/又は防漏層Fに、基壁部形成用シート部53を固定しても良い。この場合、端部55は、図2のように吸収層Eの下ではなく、吸収層Eより幅方向外方に延出した防漏層Fに固定される。
弾性伸縮部52は、弾性部材9を用いず、伸縮性のあるフィルムや不織布、伸縮性のあるフィルムと不織布とのラミネート材料、伸縮性のないフィルムに凹凸加工により伸縮性を付与した材料等で構成されていても良い。また、基壁部も弾性伸縮部と同様に伸縮性を有していても良い。また、本実施形態における防漏壁は、基壁部形成用シート部と弾性伸縮部とが一体的に連設された弾性伸縮部材で形成されているが、基壁部形成用シート部と弾性伸縮部とを別々に製造し、それらを接合して得られた弾性伸縮部材を用いて形成することもできる。
尚、中央固定部56における弾性伸縮部52は、その幅方向内側(内方張出部52a)のみを表面シート2に固定することもできる。
これにより、弾性伸縮部52の幅方向内方側(内方張出部52a)を確実に立ち上がらせることができ、弾性伸縮部52と表面シート2との間に形成されるポケットが着用中に装着圧が掛かっても潰れにくい。更に外方張出部52bが裏面シート33と接着しているために液の滲み漏れが更に低減できる。
第3実施形態の生理用ナプキン1”については、上述した生理用ナプキン1と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、上述した生理用ナプキン1についての説明が適宜適用される。
本実施形態における防漏壁5は、弾性伸縮部材50’を、図9(a)〜(c)に示すように、ナプキン1”の他の構成部材(表面シート2や裏面シート3等)に固定して形成されている。弾性伸縮部材50’は、弾性伸縮部52に対する基壁部形成用シート部53の接続箇所が異なる以外は、上述した弾性伸縮部材50と同様の構成を有している。
即ち、第3実施形態では、製造上の観点から、基壁部形成用シート部53の幅が長手方向に亘って均一な弾性伸縮部材50’を用いて防漏壁を形成してあり、後方部Bにおける基壁部形成用シート部53に重層部58を設けることで、後方部Bにおける基壁部の上端部Pから防漏層Fまでの距離L2を、排泄部対向部Aにおける該距離L1よりも短くしてある。
尚、重層部58は、基壁部形成用シート部53の幅方向の一部を、該シート部の同じ側の面同士が対向するように折り曲げ、その対向面同士を接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段12により接合して形成されている。
次いで、弾性伸縮材50’を、図9(a)〜(c)に示すように、基壁部形成用シート部53の他端部55又はその近傍において該吸収層(本体)Eの両側部に固定する工程、吸収層Eからなる本体に防漏層(裏面シート3)Fを積層して一体化させる工程、該弾性伸縮材50’の長手方向の両端部50a,50bを該吸収層(本体)E上に固定する工程をこの順に行う。
このようにして得られた生理用ナプキン1”においては、弾性伸縮材50’の両端部50a,50b間に、重層部58が形成されていない部位50A及び重層部58が形成されている部位50Bの両方が形成されている。
先ず、図11(a)に示すように、包装材14上に、生理用ナプキン1”を載置する。また、ウイング部7をショーツ等の下着の外表面に固定するための粘着部71を、剥離シート(図示略)で被覆し、ナプキン使用時まで保護しておく。
そして、このようにして折り畳まれた状態のナプキン1”の両側縁から幅方向外方に延出する包装材14の両側部をエンボス加工等の公知方法により封止すると共に、包装材14のタブテープ15を所定箇所に止着する。このようにして、図4(c)に示す、生理用ナプキン1”の個装品が得られる。
防漏壁5が起立した部分のナプキン後端寄りの端部を、折り線Laに達しない箇所に設けることで、基壁部51の上端部Pから防漏層(裏面シート3)Fまでの距離が長い部分と低い部分とを設けたことによるフィット性の向上効果を確実に発現させることができる。即ち、防漏壁5が起立している部分と折り線Laとが重なっていると、その折り線Laによる折り曲げ部位の折り癖によって、防漏壁5の上面(肌当接面)と吸収層Eの上面(肌当接面)との間に大きな高低差が生じて、後方部Bにおける防漏壁の高さを低くしたことによる効果が充分に発現されない恐れがあるが、防漏壁5が起立している部分(50A及び/又は50B)と折り線Laとを重ならないようにすることによって、このような恐れを回避することができる。
また、第3実施形態における重層部58は、基壁部形成用シート部53の一部を、該シート部53のナプキン幅方向外方に向けられる面同士を対向させるようにして折り曲げ、その対向面同士を接合して形成しても良い。
また、防漏壁は、基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置を調節したり、重層部の幅や接合の幅、又は重層部におけるシートの重層回数を多くすることにより、後方部Bにおいて、前記距離L2が後端部Dに向かうに従って減少するようにしても良い。
このように、第1実施形態も図13に示す形態も、後方部において、基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置を異ならせると共に吸収性物品の幅方向における防漏壁の立ち上がり位置を異ならせている。
また、第1実施形態のナプキン1においては、長手方向における後端部Dに防漏シート10が前述した態様で配設されているが、このような防漏シートは、ナプキンの前端部C、又は前端部C及び後端部Dの両方に設けることもできる。
2 表面シート
3 裏面シート(防漏層)
4 吸収体
5 防漏壁
51 基壁部
52 弾性伸縮部
52a 内方張出部
52b 外方張出部
58 重層部
9 弾性部材
10 防漏シート
A 排泄部対向部
B 後方部
P 基壁部の上端部
Q 基壁部の下端部
Claims (10)
- 液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を備え、長手方向に、着用時に着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部と該排泄部対向部より背側に配される後方部とを有する吸収性物品において、
長手方向の両側部に防漏壁が配されており、該防漏壁は、基壁部とその上端部に連設された面状の弾性伸縮部とからなり且つ前記排泄部対向部及び前記後方部において起立しており、
前記後方部における前記基壁部の上端部から前記防漏層までの距離が、前記排泄部対向部における該距離よりも短いことを特徴とする吸収性物品。 - 前記防漏壁は、前記排泄部対向部と前記後方部との間に、該防漏壁が起立していない中央固定部を有する請求項1記載の吸収性物品。
- 前記後方部における前記弾性伸縮部は、前記吸収性物品の幅方向外方側の側縁部が、該吸収性物品の構成部材上に固定されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記弾性伸縮部は、前記基壁部の上端部から前記吸収性物品の幅方向内方に張り出す内方張出部と該上端部から該吸収性物品の幅方向外方に張り出す外方張出部とからなる請求項1〜3の何れか記載の吸収性物品。
- 前記防漏壁は、長手方向に亘って一定の幅を有する基壁部形成用シート部と該基壁部形成用シート部の幅方向の一端部に連設された弾性伸縮部とからなる弾性伸縮部材を、前記吸収性物品の他の構成部材に固定して形成されており、前記排泄部対向部における該基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置と前記後方部における該基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置とを異ならせて、前記後方部における前記基壁部の下端部から上端部までの距離を前記排泄部対向部における該距離よりも短くすることにより、前記後方部における前記基壁部の上端部から前記防漏層までの距離を、前記排泄部対向部における該距離よりも短くしてある請求項1〜4の何れか記載の吸収性物品。
- 前記防漏壁は、長手方向に亘って一定の幅を有する基壁部形成用シート部と該基壁部形成用シート部の幅方向の一端部に連設された弾性伸縮部とからなる弾性伸縮部材を、前記吸収性物品の他の構成部材に固定して形成されており、且つ、前記後方部における前記基壁部形成用シート部の一部に重層部を設けることにより、該後方部における該基壁部の上端部から前記防漏層までの距離を、前記排泄部対向部における該距離よりも短くしてある請求項1〜5の何れか記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の長手方向における前端部及び/又は後端部の肌当接面側に防漏シートが配されており、該防漏シートは、起立した前記防漏壁の前記弾性伸縮部に固定されて、該吸収性物品の長手方向中央部側の縁部が前記吸収層から離間している請求項1〜6の何れか記載の吸収性物品。
- 液保持性の吸収層、液不透過性の防漏層及び該吸収層の両側縁に沿って設けられた防漏壁を具備し、該防漏壁は、基壁部とその上端部に連設された面状の弾性伸縮部とからなり且つ着用時に着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部及び該排泄部対向部より背側に配される後方部において起立しており、該後方部における該基壁部の上端部から該防漏層までの距離が、該排泄部対向部における該距離よりも短い吸収性物品の製造方法であって、
前記吸収層又は該吸収層及び前記防漏層からなる本体を製造する工程、長手方向に亘って一定の幅を有する基壁部形成用シート部と該基壁部形成用シート部の幅方向の一端部に連設された弾性伸縮部とからなる弾性伸縮部材を製造する工程、該弾性伸縮部材の該基壁部形成用シート部を、前記排泄部対向部における該基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置と前記後方部における該基壁部形成用シート部の幅方向の固定位置とが異なるように、該本体の両側部に固定する工程を具備する吸収性物品の製造方法。 - 前記弾性伸縮部材を製造する工程において、前記基壁部形成用シート部における前記後方部に配される部分に重層部を形成する請求項8記載の吸収性物品の製造方法。
- 液保持性の吸収層、液不透過性の防漏層及び該吸収層の両側縁に沿って設けられた防漏壁を具備し、該防漏壁は、基壁部とその上端部に連設された面状の弾性伸縮部とからなり且つ着用時に着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向部及び該排泄部対向部より背側に配される後方部において起立しており、該後方部における該基壁部の上端部から該防漏層までの距離が、該排泄部対向部における該距離よりも短い吸収性物品の製造方法であって、
前記吸収層又は該吸収層及び前記防漏層からなる本体を製造する工程、長手方向に亘って一定の幅を有する基壁部形成用シート部と該基壁部形成用シート部の幅方向の一端部に連設された弾性伸縮部とからなる弾性伸縮部材を製造する工程、該弾性伸縮部材を、該基壁部形成用シート部の他端部又はその近傍において該本体の両側部に固定する工程、該弾性伸縮部材の該基壁部形成用シート部における前記後方部に配される部分に、該弾性伸縮部材の長手方向に所定の長さに亘る重層部を形成する工程、該弾性伸縮材の長手方向の両端部を該本体上に固定する工程を具備する吸収性物品の製造方法。
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