JP2007192032A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】要求の噴射時間が閾値を超えるときには、噴射中に所定以上に燃料圧力が低下するものと判断する。そして、要求の噴射時間が閾値を超えるときには、要求の噴射時間を複数回に分けて噴射させることで1回当たりの噴射時間を短くし、噴射中における燃料圧力の低下を充分に小さくし、噴射量が不足することを防止する。
【選択図】図3
Description
しかし、噴射された燃料分を補給する燃料ポンプからの燃料の吐き出しには遅れがあるため、1回の燃料噴射が長時間継続されると、燃圧が徐々に低下して、噴射時間に見合う所期の量の燃料を噴射させることができなくなってしまうことがあった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料噴射中における燃料圧力の低下によって、要求の燃料量を噴射させることができなくなることを回避できる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
かかる構成によると、要求噴射時間だけ燃料噴射を継続して行った場合に、噴射中に燃料圧力が低下する条件であると判断すると、前記要求噴射時間だけ継続して噴射させる代わりに、複数の燃料噴射の合計時間が前記要求噴射時間になるように、燃料噴射を複数回に分けて行わせる。
請求項2記載の発明では、燃料の圧力が低下する条件であるか否かを、前記要求噴射時間及び/又は燃料圧力に基づいて判断することを特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記燃料噴射を複数回に分けて行わせるときの燃料噴射の分割パターンを、前記要求噴射時間及び/又は燃料圧力に応じて変更することを特徴とする。
従って、要求噴射時間・燃料圧力の条件が異なっても、噴射中の圧力降下による燃料不足の発生を確実に防止できる分割パターンで、燃料噴射を複数回に分けて行わせることができる。
かかる構成によると、噴射中の燃料圧力の低下を充分に小さくできる最大噴射時間に基づいて、燃料噴射の分割パターンを決定する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関の燃料供給装置の構成図である。
図1において、燃料タンク1は、内燃機関10の燃料であるガソリンを貯留するタンクであり、例えば車両の後部座席の下などに配置される。
前記燃料タンク1には、給油キャップ2で閉塞される給油口3が開口されており、給油キャップ2を外して前記給油口3から燃料が補給される。
前記燃料ポンプ4は、燃料タンク1内のガソリンを吸い込み口から吸い込んで吐出口から吐き出す、例えばタービン式のポンプであり、前記吐出口には、燃料パイプ5aの一端が接続されている。
前記逆止弁7の出口には、燃料パイプ5bの一端が接続され、前記燃料パイプ5bの他端は、燃料ギャラリーパイプ8に接続される。
前記燃料ギャラリーパイプ8には、その延設方向に沿って気筒数(本実施形態は4気筒)と同じ数の噴射弁接続部8aが設けられ、各噴射弁接続部8aには、電磁式の燃料噴射弁9の燃料取り入れ口がそれぞれ接続される。
前記燃料噴射弁9は、内燃機関10の各気筒の吸気ポート部にそれぞれ設置され、各気筒に燃料をそれぞれ噴射供給する。
また、前記燃料ギャラリーパイプ8内と燃料タンク1内とを連通させるリリーフパイプ12が設けられて、前記リリーフパイプ12の途中には、電磁リリーフ弁13が介装されている。
前記電磁リリーフ弁13が開弁すると、前記リリーフパイプ12を介して前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料が前記燃料タンク1内に排出されるので、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料圧力を積極的に降下させることができる。
また、前記電子制御ユニット11は、前記燃料ポンプ4への通電のオン・オフをデューティ制御することで、燃料ポンプ4の駆動電流(駆動電圧)を変化させ、燃料ポンプ4の吐出量を制御する。
前記電子制御ユニット11には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、内燃機関10の吸入空気流量を検出するエアフローメータ21、所定クランク角位置毎に検出信号を出力するクランク角センサ22、内燃機関10の冷却水温度Twを検出する水温センサ23、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の圧力を検出する燃圧センサ24、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の温度を検出する燃温センサ25などが設けられている。
そして、前記電子制御ユニット11は、クランク角センサ22からの信号に基づいて内燃機関10の回転速度Neを演算し、エアフローメータ21で検出された吸入空気流量Qaと前記機関回転速度Neとに基づいて基本燃料噴射量Tpを演算する。
そして、各気筒の燃料噴射タイミングを前記クランク角センサ22からの信号に基づいて検出して、前記噴射タイミングに合わせて前記噴射パルス幅の噴射パルス信号を該当する気筒の燃料噴射弁9に出力する。
前記目標燃圧は、機関負荷,機関回転速度Ne,冷却水温度Twに基づいて可変に設定される。
一方、低負荷・低回転領域では、目標燃圧を低下させることで燃料ポンプ4の負荷を減らして電力消費を低下させる。
また、燃料温度が高い状態で内燃機関10が始動される場合(高温再始動時)には、燃料圧力が低いと、燃料配管内で発生した燃料ベーパが燃料噴射弁9の開弁時に噴射されることにより、実際に噴射される燃料量が少なくなって始動性が悪化する。
ところで、本実施形態では、前述のように、実際の燃圧が目標燃圧に近づくように燃料ポンプ4の吐出量をフィードバック制御するが、前記フィードバック制御には応答遅れがあるため、前記燃料噴射弁9による1回の燃料噴射時間が長くなると、噴射中に実際の燃圧は徐々に低下してしまう(図2参照)。
そこで、本実施形態では、前記噴射途中での燃料圧力の低下を回避すべく、図3のフローチャートに示すようにして、燃料噴射弁9による燃料噴射を制御する。
次のステップS102では、前記ステップS101で算出した噴射パルス幅と予め記憶された閾値とを比較し、今回算出された噴射パルス幅が前記閾値以下であるか否かを判別する。
今回算出された噴射パルス幅が前記閾値以下である場合には、噴射時間内における燃料圧力の低下は充分に小さく、略要求の噴射量を噴射させることができるものと判断し、ステップS103へ進む。
1サイクル毎の1回の燃料噴射は、例えば、吸気行程中に設定される噴射開始タイミングから前記噴射パルス幅だけ燃料噴射弁9を開弁させて行われる。
ステップS104では、前記ステップS101で算出した噴射パルス幅の噴射を複数回に分けて行うときの分割パターンを決定し、次のステップS105では、前記決定された分割パターンに従って、要求噴射時間の噴射を複数回に分けて実行させる(図4参照)。
従って、燃料噴射弁9による燃料の計量精度を維持でき、空燃比制御精度を高く維持することができるので、空燃比ずれによる排気性能・運転性の悪化を防止できる。
また、前記ステップS101で算出される噴射パルス幅が長いほどより大きな分割数を設定し、該分割数によって要求噴射時間を均等割りした噴射時間での噴射を、所定間隔を空けて行わせることができる。
そして、前記除算演算で余りが出たときには、その余りが通常噴射が可能な(計量精度を確保できる)最小噴射時間以上であれば、余りの分も1回の噴射とし設定し、余りが最小噴射時間未満であれば、その余りを前記分割最大噴射時間での噴射に割り振って加算して噴射させることができる。
また、前記ステップS101で算出した噴射パルス幅(噴射時間)を最小分割回数である2で除算したときの1回当たりの噴射時間が、前記分割最大噴射時間以下になるか否かを判別し、前記分割最大噴射時間以下であれば2回に分けて噴射させるものと決し、前記分割最大噴射時間を越える場合には、分割した後の1回当たりの噴射時間が前記分割最大噴射時間以下になるように、分割数を段階的に増やすようにすることができる。
また、分割した各噴射時間は全て異なっていても良く、また、噴射間隔は予め記憶された一定値とすることができる他、直前の噴射時間や機関回転速度などに応じて可変に設定することができる。
図5のフローチャートは、複数回に分けて噴射させるか否かの判断、及び、分割パターンの設定を燃料圧力に応じて行う第2実施形態を示す。
次のステップS202では、そのときの目標燃圧から分割判定に用いる噴射時間の閾値を設定する。
ここでは、目標燃圧が高いときほど閾値を短く変更する。これは、燃料圧力が高い条件では、燃料ポンプ4の負荷が大きく、噴射中に燃料圧力が低下し易くなる傾向を示すためである。
ステップS203では、前記ステップS201で算出した噴射パルス幅(要求噴射時間)と前記ステップS202で設定した閾値とを比較する。
一方、前記ステップS201で算出した噴射パルス幅(要求噴射時間)が前記閾値を越えるときには、ステップS205へ進む。
前記ステップS205における分割パターンの設定においては、前記ステップS104と同様に、予め特定しておいた分割数で要求噴射時間を均等割りするか、噴射パルス幅(要求噴射時間)の長短に応じて分割数を決定し、該分割数によって要求噴射時間を均等割りすることができ、また、固定の或いは機関運転条件に応じた分割最大噴射時間に基づいて分割数を決定させることができる。
この場合、目標燃圧が高いほど、燃料噴射の分割数が多く設定されることになって、分割後の1回当たりの噴射時間が短くして、燃料圧力が高い条件下であっても、分割後の各噴射時間中に燃料圧力が低下することを回避できる。
また、要求噴射時間での噴射を複数回に分けて行わせる場合に、予め噴射可能期間を設定し、その噴射可能期間内に各燃料噴射時間を分散させることができ、また、要求噴射時間での噴射を複数回に分割する場合に、噴射の開始タイミングを早めることができる。
(イ)請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記要求噴射時間が閾値よりも長いときに、要求噴射時間中に燃料圧力が所定以上低下する条件であると判断することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ロ)請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料圧力が閾値よりも高いときに、要求噴射時間中に燃料圧力が所定以上低下する条件であると判断することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ハ)請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料圧力が高いほど要求噴射時間の閾値を短く設定し、前記要求噴射時間が前記閾値よりも長いときに、要求噴射時間中に燃料圧力が所定以上低下する条件であると判断することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ニ)請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記要求噴射時間が長いほど、前記要求噴射時間を分割する数を多くすることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ホ)請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料圧力が高いほど、前記要求噴射時間を分割する数を多くすることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ヘ)請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記所定の最大噴射時間を、そのときの燃料圧力に基づいて決定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
(ト)請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記所定の最大噴射時間を、内燃機関の運転条件に基づいて決定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
Claims (4)
- 燃料噴射弁の要求噴射時間中に燃料圧力が所定以上低下する条件であるか否かを判別し、燃料圧力が低下する条件であるときに、前記要求噴射時間の燃料噴射を複数回に分けて行わせることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 燃料の圧力が低下する条件であるか否かを、前記要求噴射時間及び/又は燃料圧力に基づいて判断することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射を複数回に分けて行わせるときの燃料噴射の分割パターンを、前記要求噴射時間及び/又は燃料圧力に応じて変更することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射を複数回に分けて行わせるときの燃料噴射の分割パターンを、前記分割後の1回当たりの噴射時間が所定の最大噴射時間以下になるように決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009108717A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Toyota Motor Corp | 燃料噴射システム |
JP2009121411A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Toyota Motor Corp | 排気ガス再循環装置 |
JP2016176336A (ja) * | 2015-03-18 | 2016-10-06 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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2006
- 2006-01-17 JP JP2006008368A patent/JP2007192032A/ja active Pending
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