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JP2007192067A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2007192067A JP2006009350A JP2006009350A JP2007192067A JP 2007192067 A JP2007192067 A JP 2007192067A JP 2006009350 A JP2006009350 A JP 2006009350A JP 2006009350 A JP2006009350 A JP 2006009350A JP 2007192067 A JP2007192067 A JP 2007192067A
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Abstract

【課題】クラッチ及び手動変速機を搭載した車両において、変速時の運転者の要求に応じた加速性能や減速性能を実現すること。
【解決手段】車両の情報に基づいて適正車軸トルクを算出し、適正クランク軸トルクに換算すると共に、運転者の要求に応じて要求クランク軸トルクを算出する。そして、加速中に変速時であると判定されたときには、適正クランク軸トルクを最小許容クランク軸トルクとし、最小許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。また、減速中に変速時であると判定されたときには、適正クランク軸トルクを最大許容クランク軸トルクとし、最大許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の出力(動力)を動力伝達系を介して車軸に伝達する車両に適用される内燃機関の制御装置に関するものである。
従来より、クラッチ及び手動変速機(マニュアルトランスミッション:MT)を搭載したMT車においては、走行中に変速段の切り換え(いわゆるギヤチェンジ)を行う際には、運転者がアクセルペダルを戻すと同時にクラッチペダルを踏み込んでクラッチを切った状態でシフトレバーを操作して変速段を変更した後、アクセルペダルを踏み込んでエンジン回転速度を合わせながらクラッチペダルを戻してクラッチを繋ぐ必要があり、このような一連の変速操作を上手に行うには、ある程度の熟練が必要で運転者の技量に委ねられていた。
一方、自動変速機(オートマチックトランスミッション:AT)を搭載したAT車においては、特許文献1(特許第3415863号公報)に記載されているように、運転者の要求に応じて駆動ユニットの出力側目標トルクを算出して、この出力側目標トルクと変速比とコンバータゲイン等に基づいて目標エンジントルクを算出し、この目標エンジントルクを実現するようにエンジンを制御することで、運転者の要求に応じた出力側目標トルクを発生させるようにしたものがある。
特許第3415863号公報
前述したように、MT車の変速操作は、運転者の技量に委ねられているため、変速操作(特にアクセルペダルとクラッチペダルの連係操作)が下手な運転者の場合には、変速時に内燃機関のクランク軸から車軸に適正なトルクを伝達することができず、ドライバビリティが悪化したり、燃料を無駄に消費して燃費が悪化したりするという問題がある。このような問題は、上記特許文献1に記載されているようなAT車の技術では、解決することができない。しかも、MT車では、運転者の要求(アクセル操作量)に応じた加速性能や減速性能を実現できなくなると、MT車の魅力が低減してしまう。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止しながら運転者の要求に応じた加速性能や減速性能を実現することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関のクランク軸の出力を動力伝達系を介して車軸に伝達する車両において、車両の情報に基づいて該車両の走行状態に適した適正車軸トルクを適正車軸トルク算出手段により算出し、この適正車軸トルクを動力伝達系の変速状態に基づいて適正クランク軸トルク算出手段により適正クランク軸トルクに換算すると共に、運転者の要求に基づいて要求クランク軸トルクを要求クランク軸トルク算出手段により算出する。そして、動力伝達系の情報に基づいて変速時であるか否かを変速時判定手段により判定して、変速時であると判定されたときに変速時目標クランク軸トルク設定手段により適正クランク軸トルクと要求クランク軸トルクとを比較して変速時の目標クランク軸トルクを設定し、この目標クランク軸トルクに基づいて内燃機関をトルク制御手段により制御するようにしたものである。
具体的には、加速時には、車両の走行状態(つまり加速状態)に適した適正車軸トルクから換算した適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最小許容値(以下「最小許容クランク軸トルク」という)とし(請求項2)、この最小許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定するようにすると良い(請求項3)。
このようにすれば、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルクよりも小さい場合には、加速状態に適した最小許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じて内燃機関を制御することで、変速時にクラッチペダルを無造作に戻してクラッチを繋いでも、内燃機関の回転速度の不快な落ち込みやストール(いわゆるエンスト)を回避することができ、加速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルク以上の場合には、運転者の要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じて内燃機関を制御することで、運転者の加速要求に応答良く応じた加速性能を実現することができる。
また、減速時には、車両の走行状態(つまり減速状態)に適した適正車軸トルクから換算した適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最大許容値(以下「最大許容クランク軸トルク」という)とし(請求項4)、この最大許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定するようにすると良い(請求項5)。
このようにすれば、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルクよりも大きい場合には、減速状態に適した最大許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じて内燃機関を制御することで、内燃機関の回転速度の不要な吹き上がりを回避することができ、減速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルク以下の場合には、運転者の要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じて内燃機関を制御することで、運転者の減速要求に応答良く応じた減速性能を実現することができる。
ところで、変速の際に、まだ、クラッチが動力伝達可能でない状態や手動変速機がニュートラル状態のときに変速時であると判定して、要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルクのうちの一方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定すると、内燃機関の回転速度が吹き上って運転者に不快感を与えたり、手動変速機のギヤの係合が可能な回転速度範囲から逸脱してしまう可能性がある。
この対策として、請求項6のように、クラッチペダルの操作量が所定値以下(つまりクラッチが動力伝達可能な状態)で且つシフトレバーの操作により選択された今回の変速段が前回の変速段と異なり且つシフトレバーの操作位置がニュートラル位置以外(つまり手動変速機が動力伝達可能な状態)のときに変速時であると判定するようにすると良い。このようにすれば、変速時であると判定されたときに、要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルクのうちの一方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定しても、既にクラッチ及び手動変速機が動力伝達可能な状態になっているため、内燃機関の回転速度が吹き上ることを防止できて運転者に不快感を与えないようにすることができると共に、手動変速機のギヤの係合が可能な回転速度範囲から逸脱すること防止することができる。
また、適正車軸トルクの算出に関しては、請求項7のように、車両重量と推定加速度と車輪半径に基づいて走行車軸トルクを算出すると共に、車速と車輪半径に基づいて走行負荷トルクを算出し、走行車軸トルクと走行負荷トルクに基づいて適正車軸トルクを算出するようにすると良い。
車両の走行に寄与する力(駆動力と走行抵抗との差)と車両重量と加速度との関係は次の運動方程式により表すことができる。
車両の走行に寄与する力=車両重量×加速度
上式より車両重量に推定加速度を乗算すれば、車両の走行に寄与する力を算出することができ、この車両の走行に寄与する力に車輪半径を乗算すれば、車両の走行に寄与する走行車軸トルクを求めることができるため、車両重量と推定加速度と車輪半径を用いれば、走行車軸トルクを精度良く算出することができる。また、一般に、車速に応じて走行抵抗が変化し、この走行抵抗に車輪半径を乗算すれば、車軸における走行負荷トルクを求めることができるため、車速と車輪半径を用いれば、走行負荷トルクを精度良く算出することができる。この走行負荷トルクを走行車軸トルクに加算すれば、車両の走行状態に適した適正車軸トルクを精度良く算出することができる。
更に、請求項8のように、変速時判定手段の判定結果(つまり変速時であるか否かの判定結果)に拘らず常に適正車軸トルクを算出するようにしても良い。このようにすれば、車両の走行状態が刻々と変化するのに対応して該走行状態に適した適正車軸トルクひいては適正クランク軸トルクを随時更新することができる。
尚、前記請求項1に係る発明では、適正車軸トルクを適正クランク軸トルクに換算した上で、変速時であると判定されたときに適正クランク軸トルクと要求クランク軸トルクとを比較して変速時の目標クランク軸トルクを設定するようにしたが、請求項9のように、適正車軸トルクを適正クランク軸トルクに換算する処理(適正クランク軸トルク算出手段)を省略すると共に、要求クランク軸トルクの代わりに要求車軸トルクを算出し、変速時であると判定されたときに適正車軸トルクと要求車軸トルクとを比較して変速時の目標車軸トルクを設定し、この変速時の目標車軸トルクを動力伝達系の変速状態に基づいて変速時の目標クランク軸トルクに換算するようにしても良い。このようにしても、前記請求項1と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を2つの実施例1,2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて車両の駆動システムの概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11のクランク軸12が、クラッチ13を介して手動変速機14の入力軸15に連結され、この手動変速機14の出力軸16が、デファレンシャルギヤ17を介して車輪19の車軸18に連結されている。これらクラッチ13、手動変速機14、デファレンシャルギヤ17等から動力伝達系が構成されている。エンジン11のクランク軸12の出力トルクは、手動変速機14の複数のギヤで変速されて車軸18に伝達され、この車軸18により車輪19が駆動される。また、クラッチ13は、図示しないクラッチペダルの操作によって係合/遮断が操作され、手動変速機14は、図示しないシフトレバーの操作によって変速段が切り換えられる。
エンジン11には、クランク軸12が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ20が取り付けられ、このクランク角センサ20の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、クラッチ13の係合/遮断を操作するクラッチペダルの操作量がクラッチスイッチ21(クラッチ操作量検出手段)によって検出され、手動変速機14の変速段を切り換え操作するシフトレバーの操作位置がシフトスイッチ22(シフト操作位置検出手段)によって検出される。尚、クラッチスイッチ21は、クラッチペダルの操作量に応じて出力信号の大きさが変化するものでも良いし、或は、クラッチペダルの操作量が所定値以下であるか否かによってオン/オフが切り換わるものでも良い。
また、アクセルセンサ23によってアクセル開度(アクセルペダルの操作量)が検出され、車速センサ24によって車速が検出される。また、車両の乗車人数、積載荷物量、燃料量等によって変化する車両重量が車両重量センサ25によって検出される。この車両重量センサ25は、例えば、サスペンション装置のストローク量を検出することで車両重量を検出する。尚、乗車人数を検出する乗車人数センサ、積載荷物量を検出する積載荷物量センサ、燃料タンク内の燃料量を検出する燃料センサ等のうちの少なくとも1つの出力信号に基づいて車両重量を判定するようにしても良い。
これら各種のセンサやスイッチの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)26に入力される。このECU26は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、アクセル開度等に基づいて目標クランク軸トルクを算出し、この目標クランク軸トルクを実現するようにエンジン11の燃料噴射量、吸入空気量、点火時期等を制御するトルク制御手段として機能する。
その際、ECU26は、後述する図2乃至4の目標クランク軸トルク設定用の各プログラムを実行することで、車両の情報(例えば車両重量、推定加速度、車輪19の半径)に基づいて車両の走行状態に適した適正車軸トルクを算出し、この適正車軸トルクを動力伝達系の変速状態(トータルギア比)に基づいて適正クランク軸トルクに換算すると共に、アクセル開度(運転者の要求)とエンジン回転速度とに応じて要求クランク軸トルクを算出する。そして、動力伝達系の情報(例えばクラッチ13や手動変速機14の状態)に基づいて変速時であるか否かを判定し、変速時であると判定されたときに要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルクとを比較して両者のうちの一方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
具体的には、加速時には、車両の走行状態(つまり加速状態)に適した適正車軸トルクから換算した適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最小許容値(以下「最小許容クランク軸トルク」という)とし、この最小許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
これにより、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルクよりも小さい場合には、加速状態に適した最小許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定して、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態(例えば燃料噴射量、スロットル開度、点火時期等)を制御することで、変速時にクラッチペダルを無造作に戻してクラッチ13を繋いでも、エンジン回転速度の不快な落ち込みやストール(いわゆるエンスト)を回避して、加速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止する。一方、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルク以上の場合には、運転者の要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定して、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、運転者の加速要求に応答良く応じた加速性能を実現する。
また、減速時には、車両の走行状態(つまり減速状態)に適した適正車軸トルクから換算した適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最大許容値(以下「最大許容クランク軸トルク」という)とし、この最大許容クランク軸トルクと要求クランク軸トルクのうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
これにより、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルクよりも大きい場合には、減速状態に適した最大許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定して、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、エンジン回転速度の不要な吹き上がりを回避して、減速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止する。一方、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルク以下の場合には、運転者の要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定して、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、運転者の減速要求に応答良く応じた減速性能を実現する。
以下、ECU26が実行する図2乃至図4の目標クランク軸トルク設定用の各プログラムの処理内容を説明する。
[目標クランク軸トルク設定]
図2に示す目標クランク軸トルク設定プログラムは、ECU26の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、車速の挙動やエンジン回転速度の挙動等に基づいて推定加速度を算出する。尚、減速時には推定加速度が負の値となるように算出する。この後、ステップ102に進み、現在の推定加速度に基づいて車両の走行状態が加速状態と減速状態と定速状態のうちのいずれであるかを判定する。
この後、ステップ103に進み、現在の車両重量と推定加速度と車輪19の半径に基づいて、車両の走行に寄与する走行車軸トルクをマップ又は数式等により算出する。
車両の走行に寄与する力(駆動力と走行抵抗との差)と車両重量と加速度との関係は次の運動方程式により表すことができる。
車両の走行に寄与する力=車両重量×加速度
上式より車両重量に推定加速度を乗算すれば、車両の走行に寄与する力を算出することができ、この車両の走行に寄与する力に車輪19の半径を乗算すれば、車両の走行に寄与する走行車軸トルクを求めることができるため、車両重量と推定加速度と車輪19の半径を用いれば、走行車軸トルクを精度良く算出することができる。尚、車輪19の半径はほぼ一定と見なせるため、車輪19の半径を固定値に設定して、車両重量と推定加速度に基づいて走行車軸トルクを算出するようにしても良い。
この後、ステップ104に進み、車速と車輪19の半径に基づいて車軸18における走行負荷トルクをマップ又は数式等により算出する。一般に、車速に応じて走行抵抗が変化し、この走行抵抗に車輪19の半径を乗算すれば、車軸18における走行負荷トルクを求めることができるため、車速と車輪19の半径を用いれば、走行負荷トルクを精度良く算出することができる。尚、車輪19の半径はほぼ一定と見なせるため、車輪19の半径を固定値に設定して、車速のみに応じて走行車軸トルクを算出するようにしても良い。
この後、ステップ105に進み、走行車軸トルクに走行負荷トルクを加算して、車両の走行状態(加速状態や減速状態)に適した適正車軸トルクを求める。
適正車軸トルク=走行車軸トルク+走行負荷トルク
これらのステップ103〜105の処理により変速時であるか否かに拘らず常に適正車軸トルクを所定の演算周期で算出する。これらのステップ103〜105の処理が特許請求の範囲でいう適正車軸トルク算出手段としての役割を果たす。
適正車軸トルクを算出した後、ステップ106に進み、アクセル開度(運転者の要求)とエンジン回転速度とに応じた要求クランク軸トルクをマップ又は数式等により算出する。このステップ106の処理が特許請求の範囲でいう要求クランク軸トルク算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ107に進み、加速判定中であるか否か(上記ステップ102で加速状態と判定されたか否か)を判定し、加速判定中であると判定された場合には、ステップ109に進み、後述する図3の加速判定時処理プログラムを実行して、加速判定時の目標クランク軸トルクを設定する。
一方、上記ステップ107で、加速判定中ではないと判定された場合には、ステップ108に進み、減速判定中であるか否か(上記ステップ102で減速状態と判定されたか否か)を判定し、減速判定中であると判定された場合には、ステップ110に進み、後述する図4の減速判定時処理プログラムを実行して、減速判定時の目標クランク軸トルクを設定する。
また、上記ステップ107で加速判定中ではないと判定され、且つ、上記ステップ108で減速判定中ではないと判定された場合、つまり定速状態の場合には、ステップ111に進み、要求クランク軸トルクをそのまま目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=要求クランク軸トルク
[加速判定時処理]
図3に示す加速判定時処理プログラムは、前記図2の目標クランク軸トルク設定プログラムのステップ109で実行されるサブルーチンである。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、適正車軸トルクを動力伝達系の変速状態であるトータルギヤ比で除算して適正クランク軸トルクを求め、これを最小許容クランク軸トルクとする。
最小許容クランク軸トルク=適正車軸トルク÷トータルギヤ比
ここで、トータルギヤ比は、クランク軸12の回転速度と車軸18の回転速度との比であり、手動変速機14の変速比とデファレンシャルギヤ17の減速比等に基づいて算出される。このステップ201の処理が特許請求の範囲でいう適正クランク軸トルク算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ202〜204で、変速時であるか否かを、例えば、次の(1) 〜(3) の条件を全て満たすか否かによって判定する。
(1) クラッチペダルの操作量が所定値以下(つまりクラッチ13が動力伝達可能な状態)であること(ステップ202)
ここで、クラッチ13が動力伝達可能な状態とは、クラッチ13が軽く繋がった半係合状態(いわゆる半クラッチ)を含むものとする。
(2) シフトレバーの操作により今回選択された変速段が前回選択された変速段と異なっていること(ステップ203)
(3) シフトレバーの操作位置がニュートラル位置以外(つまり手動変速機14が動力伝達可能な状態)であること(ステップ204)
これら(1) 〜(3) の条件を全て満たせば、変速時であると判定するが、上記(1) 〜(3) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、変速時ではないと判定する。これらのステップ202〜204の処理が特許請求の範囲でいう変速時判定手段としての役割を果たす。
これらのステップ202〜204で、変速時であると判定された場合には、ステップ205に進み、要求クランク軸トルクと最小許容クランク軸トルク(適正クランク軸トルク)のうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
つまり、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルクよりも小さい場合には、最小許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=最小許容クランク軸トルク
一方、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルク以上の場合には、要求クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=要求クランク軸トルク
このステップ205の処理が特許請求の範囲でいう変速時目標クランク軸トルク設定手段としての役割を果たす。
その後、上記ステップ202〜204で、変速時ではないと判定されたときには、ステップ206に進み、要求クランク軸トルクをそのまま目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=要求クランク軸トルク
[減速判定時処理]
図4に示す減速判定時処理プログラムは、前記図2の目標クランク軸トルク設定プログラムのステップ110で実行されるサブルーチンである。本プログラムが起動されると、まず、ステップ301で、適正車軸トルクを動力伝達系の変速状態であるトータルギヤ比で除算して適正クランク軸トルクを求め、これを最大許容クランク軸トルクとする。
最大許容クランク軸トルク=適正車軸トルク÷トータルギヤ比
このステップ301の処理も特許請求の範囲でいう適正クランク軸トルク算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ302〜304で、変速時であるか否かを前記図3の加速判定時処理プログラムのステップ202〜204と同じ方法で判定する。これらのステップ302〜304の処理も特許請求の範囲でいう変速時判定手段としての役割を果たす。
これらのステップ302〜304で、変速時であると判定された場合には、ステップ305に進み、要求クランク軸トルクと最大許容クランク軸トルク(適正クランク軸トルク)のうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
つまり、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルクよりも大きい場合には、最大許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=最大許容クランク軸トルク
一方、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルク以下の場合には、要求クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=要求クランク軸トルク
このステップ305の処理も特許請求の範囲でいう変速時目標クランク軸トルク設定手段としての役割を果たす。
その後、上記ステップ302〜304で、変速時ではないと判定されたときには、ステップ306に進み、要求クランク軸トルクをそのまま目標クランク軸トルクとして設定する。
目標クランク軸トルク=要求クランク軸トルク
以上説明した本実施例1では、加速中に変速時であると判定されたときには、要求クランク軸トルクと最小許容クランク軸トルク(適正クランク軸トルク)のうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定するようにしたので、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルクよりも小さい場合には、加速状態に適した最小許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、変速時にクラッチペダルを無造作に戻してクラッチ13を繋いでも、エンジン回転速度の不快な落ち込みやストール(いわゆるエンスト)を回避することができ、加速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、加速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最小許容クランク軸トルク以上の場合には、運転者の要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、運転者の加速要求に応答良く応じた加速性能を実現することができる。
また、減速中に変速時であると判定されたときには、要求クランク軸トルクと最大許容クランク軸トルク(適正クランク軸トルク)のうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定するようにしたので、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルクよりも大きい場合には、減速状態に適した最大許容クランク軸トルクを変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、エンジン回転速度の不要な吹き上がりを回避することができ、減速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、減速中の変速時に、要求クランク軸トルクが最大許容クランク軸トルク以下の場合には、運転者の加速要求に応じた要求クランク軸トルクをそのまま変速時の目標クランク軸トルクとして設定することができ、この変速時の目標クランク軸トルクに応じてエンジン11の運転状態を制御することで、運転者の減速要求に応答良く応じた減速性能を実現することができる。
ところで、変速の際に、まだ、クラッチ13が動力伝達可能でない状態や手動変速機14がニュートラル状態のときに変速時であると判定して、要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルク(最小許容クランク軸トルク又は最大許容クランク軸トルク)のうちの一方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定すると、エンジン回転速度が吹き上って運転者に不快感を与えたり、手動変速機14のギヤの係合が可能な回転速度範囲から逸脱してしまう可能性がある。
この対策として、本実施例1では、クラッチペダルの操作量が所定値以下(つまりクラッチ13が動力伝達可能な状態)で且つシフトレバーの操作により選択された今回の変速段が前回の変速段と異なり且つシフトレバーの操作位置がニュートラル位置以外(つまり手動変速機14が動力伝達可能な状態)のときに変速時であると判定するようにしたので、変速時であると判定されたときに、要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルク(最小許容クランク軸トルク又は最大許容クランク軸トルク)のうちの一方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定しても、既にクラッチ13及び手動変速機14が動力伝達可能な状態になっているため、エンジン回転速度が吹き上ることを防止できて運転者に不快感を与えないようにすることができると共に、手動変速機14のギヤの係合が可能な回転速度範囲から逸脱すること防止することができる。
また、本実施例1では、変速時であるか否かに拘らず常に適正車軸トルクを算出するようにしたので、車両の走行状態が刻々と変化するのに対応して該走行状態に適した適正車軸トルクひいては適正クランク軸トルクを随時更新することができる。
次に、図5乃至図7を用いて本発明の実施例2を説明する。
前記実施例1では、適正車軸トルクを適正クランク軸トルクに換算した上で、変速時であると判定されたときに要求クランク軸トルクと適正クランク軸トルクとを比較して変速時の目標クランク軸トルクを設定するようにしたが、本実施例2では、適正車軸トルクを適正クランク軸トルクに換算する処理を省略すると共に、要求クランク軸トルクの代わりに要求車軸トルクを算出し、変速時であると判定されたときに要求車軸トルクと適正車軸トルクとを比較して変速時の目標車軸トルクを設定し、この変速時の目標車軸トルクを動力伝達系の変速状態(トータルギア比)に基づいて変速時の目標クランク軸トルクに換算するようにしている。
本実施例2では、図5に示す目標クランク軸トルク設定プログラムを所定周期で実行し、まず、車速の挙動やエンジン回転速度の挙動等に基づいて推定加速度を算出した後、この推定加速度に基づいて車両の走行状態が加速状態と減速状態と定速状態のうちのいずれであるかを判定する(ステップ401,402)。
この後、現在の車両重量と推定加速度と車輪19の半径に基づいて走行車軸トルクをマップ又は数式等により算出すると共に、車速と車輪19の半径に基づいて車軸18における走行負荷トルクをマップ又は数式等により算出し、走行車軸トルクに走行負荷トルクを加算して、車両の走行状態(加速状態や減速状態)に適した適正車軸トルクを求める(ステップ403〜405)。
適正車軸トルクを算出した後、ステップ406に進み、アクセル開度と車速とに応じた要求車軸トルクをマップ又は数式等により算出する。このステップ406の処理が特許請求の範囲でいう要求車軸トルク算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ407に進み、加速判定中であるか否かを判定し、加速判定中であると判定された場合には、ステップ409に進み、後述する図6の加速判定時処理プログラムを実行して、加速判定時の目標クランク軸トルクを算出する。
一方、上記ステップ407で、加速判定中ではないと判定された場合には、ステップ408に進み、減速判定中であるか否かを判定し、減速判定中であると判定された場合には、ステップ410に進み、後述する図7の減速判定時処理プログラムを実行して、減速判定時の目標クランク軸トルクを算出する。
また、上記ステップ407で加速判定中ではないと判定され、且つ、上記ステップ408で減速判定中ではないと判定された場合、つまり定速状態の場合には、ステップ411に進み、要求車軸トルクをそのまま目標車軸トルクとして設定する。
目標車軸トルク=要求車軸トルク
この後、ステップ412に進み、目標車軸トルクを動力伝達系の変速状態であるトータルギヤ比で除算して目標クランク軸トルクを求める。
目標クランク軸トルク=目標車軸トルク÷トータルギヤ比
図6に示す加速判定時処理プログラムでは、まず、ステップ501で、適正車軸トルクを最小許容車軸トルクとする。
最小許容車軸トルク=適正車軸トルク
この後、ステップ502〜504で、変速時であるか否かを前記実施例1と同じ方法で判定する。これらのステップ502〜504で、変速時であると判定された場合には、ステップ505に進み、要求車軸トルクと最小許容車軸トルク(適正車軸トルク)のうちの大きい方を変速時の目標車軸トルクとして設定する。
つまり、加速中の変速時に、要求車軸トルクが最小許容車軸トルクよりも小さい場合には、最小許容車軸トルクを変速時の目標車軸トルクとして設定する。
目標車軸トルク=最小許容車軸トルク
一方、加速中の変速時に、要求車軸トルクが最小許容車軸トルク以上の場合には、要求車軸トルクを変速時の目標車軸トルクとして設定する。
目標車軸トルク=要求車軸トルク
この後、ステップ507に進み、目標車軸トルクを動力伝達系の変速状態であるトータルギヤ比で除算して目標クランク軸トルクを求める。
目標クランク軸トルク=目標車軸トルク÷トータルギヤ比
これらのステップ505、507の処理が特許請求の範囲でいう変速時目標クランク軸トルク算出手段としての役割を果たす。
その後、上記ステップ502〜504で、変速時ではないと判定されたときには、ステップ506に進み、要求車軸トルクをそのまま目標車軸トルクとして設定した後、ステップ507に進み、目標車軸トルクをトータルギヤ比で除算して目標クランク軸トルクを求める。
図7に示す減速判定時処理プログラムでは、まず、ステップ601で、適正車軸トルクを最大許容車軸トルクとする。
最大許容車軸トルク=適正車軸トルク
この後、ステップ602〜604で、変速時であるか否かを前記実施例1と同じ方法で判定する。これらのステップ602〜604で、変速時であると判定された場合には、ステップ605に進み、要求車軸トルクと最大許容車軸トルク(適正車軸トルク)のうちの小さい方を変速時の目標車軸トルクとして設定する。
つまり、減速中の変速時に、要求車軸トルクが最大許容車軸トルクよりも大きい場合には、最大許容車軸トルクを変速時の目標車軸トルクとして設定する。
目標車軸トルク=最大許容車軸トルク
一方、減速中の変速時に、要求車軸トルクが最大許容車軸トルク以下の場合には、要求車軸トルクを変速時の目標車軸トルクとして設定する。
目標車軸トルク=要求車軸トルク
この後、ステップ607に進み、目標車軸トルクを動力伝達系の変速状態であるトータルギヤ比で除算して目標クランク軸トルクを求める。
目標クランク軸トルク=目標車軸トルク÷トータルギヤ比
これらのステップ605、607の処理も特許請求の範囲でいう変速時目標クランク軸トルク算出手段としての役割を果たす。
その後、上記ステップ602〜604で、変速時ではないと判定されたときには、ステップ606に進み、要求車軸トルクをそのまま目標車軸トルクとして設定した後、ステップ607に進み、目標車軸トルクをトータルギヤ比で除算して目標クランク軸トルクを求める。
以上説明した本実施例2では、加速中に変速時であると判定されたときには、要求車軸トルクと最小許容車軸トルク(適正車軸トルク)のうちの大きい方を変速時の目標車軸トルクとして選択して、この目標車軸トルクをトータルギヤ比に基づいて変速時の目標クランク軸トルクに換算するようにしたので、加速中の変速時に、要求車軸トルクが最小許容車軸トルクよりも小さい場合には、加速状態に適した最小許容車軸トルクに基づいて変速時の目標クランク軸トルクを設定することができ、加速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、加速中の変速時に、要求車軸トルクが最小許容車軸トルク以上の場合には、運転者の要求に応じた要求車軸トルクに基づいて変速時の目標クランク軸トルクを設定することができ、運転者の加速要求に応答良く応じた加速性能を実現することができる。
また、減速中に変速時であると判定されたときには、要求車軸トルクと最大許容車軸トルク(適正車軸トルク)のうちの小さい方を変速時の目標車軸トルクとして選択して、この目標車軸トルクをトータルギヤ比に基づいて変速時の目標クランク軸トルクに換算するようにしたので、減速中の変速時に、要求車軸トルクが最大許容車軸トルクよりも大きい場合には、減速状態に適した最大許容車軸トルクに基づいて変速時の目標クランク軸トルクを設定することができ、減速中の変速時のドライバビリティや燃費の悪化を防止することができる。一方、減速中の変速時に、要求車軸トルクが最大許容車軸トルク以下の場合には、運転者の要求に応じた要求車軸トルクに基づいて変速時の目標クランク軸トルクを設定することができ、運転者の減速要求に応答良く応じた減速性能を実現することができる。
尚、上記各実施例1,2では、車速と車輪19の半径に基づいて走行負荷トルクを算出するようにしたが、その走行負荷トルクをステアリング角や路面傾斜角に応じて補正するようにしても良い。ステアリング角に応じて車両進行方向に対する車輪の角度が変化してころがり抵抗が変化し、路面傾斜角に応じて勾配抵抗が変化するため、ステアリング角や路面傾斜角に応じて走行負荷トルクが変化する。従って、ステアリング角や路面傾斜角に応じて走行負荷トルクを補正すれば、走行負荷トルクひいては適正車軸トルクの算出精度を向上させることができる。
本発明の実施例1における車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例1の目標クランク軸トルク設定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の加速判定時処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の減速判定時処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の目標クランク軸トルク設定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の加速判定時処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の減速判定時処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…クランク軸、13…クラッチ、14…手動変速機、18…車軸、19…車輪、21…クラッチスイッチ(クラッチ操作量検出手段)、22…シフトスイッチ(シフト操作位置検出手段)、24…車速センサ、25…車両重量センサ、26…ECU(適正車軸トルク算出手段,適正クランク軸トルク算出手段,要求クランク軸トルク算出手段,変速時判定手段,変速時目標クランク軸トルク設定手段,トルク制御手段,要求車軸トルク算出手段,変速時目標クランク軸トルク算出手段)

Claims (9)

  1. 内燃機関のクランク軸の出力を動力伝達系を介して車軸に伝達する車両において、
    前記車両の情報に基づいて該車両の走行状態に適した適正車軸トルクを算出する適正車軸トルク算出手段と、
    前記適正車軸トルクを前記動力伝達系の変速状態に基づいて適正クランク軸トルクに換算する適正クランク軸トルク算出手段と、
    運転者の要求に基づいて要求クランク軸トルクを算出する要求クランク軸トルク算出手段と、
    前記動力伝達系の情報に基づいて変速時であるか否かを判定する変速時判定手段と、
    前記変速時判定手段により変速時であると判定されたときに前記適正クランク軸トルクと前記要求クランク軸トルクとを比較して変速時の目標クランク軸トルクを設定する変速時目標クランク軸トルク設定手段と、
    前記目標クランク軸トルクに基づいて内燃機関を制御するトルク制御手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記適正クランク軸トルク算出手段は、加速時に前記適正車軸トルクから換算した前記適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最小許容値(以下「最小許容クランク軸トルク」という)とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記変速時目標クランク軸トルク設定手段は、加速時に前記最小許容クランク軸トルクと前記要求クランク軸トルクのうちの大きい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記適正クランク軸トルク算出手段は、減速時に前記適正車軸トルクから換算した前記適正クランク軸トルクをクランク軸トルクの最大許容値(以下「最大許容クランク軸トルク」という)とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記変速時目標クランク軸トルク設定手段は、減速時に前記最大許容クランク軸トルクと前記要求クランク軸トルクのうちの小さい方を変速時の目標クランク軸トルクとして設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. クラッチを操作するクラッチペダルの操作量を検出するクラッチ操作量検出手段と、変速機を操作するシフトレバーの操作位置を検出するシフト操作位置検出手段とを備え、
    前記変速時判定手段は、前記クラッチペダルの操作量が所定値以下で且つ前記シフトレバーの操作により選択された今回の変速段が前回の変速段と異なり且つ前記シフトレバーの操作位置がニュートラル位置以外のときに変速時であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記適正車軸トルク算出手段は、車両重量と推定加速度と車輪半径に基づいて走行車軸トルクを算出すると共に、車速と車輪半径に基づいて走行負荷トルクを算出し、前記走行車軸トルクと前記走行負荷トルクに基づいて前記適正車軸トルクを算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記適正車軸トルク算出手段は、前記変速時判定手段の判定結果に拘らず常に前記適正車軸トルクを算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 内燃機関のクランク軸の出力を動力伝達系を介して車軸に伝達する車両において、
    前記車両の情報に基づいて該車両の走行状態に適した適正車軸トルクを算出する適正車軸トルク算出手段と、
    運転者の要求に基づいて要求車軸トルクを算出する要求車軸トルク算出手段と、
    前記動力伝達系の情報に基づいて変速時であるか否かを判定する変速時判定手段と、
    前記変速時判定手段により変速時であると判定されたときに前記適正車軸トルクと前記要求車軸トルクとを比較して変速時の目標車軸トルクを設定し、この変速時の目標車軸トルクを前記動力伝達系の変速状態に基づいて変速時の目標クランク軸トルクに換算する変速時目標クランク軸トルク算出手段と、
    前記目標クランク軸トルクに基づいて内燃機関を制御するトルク制御手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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