JP2007188666A - 燃料電池運転システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池運転システムにおいて、カソード側及びアノード側の水または水蒸気の処理を可能とすることである。他の目的は、燃料電池の運転停止の際の水または水蒸気の処理を可能とすることである。
【解決手段】燃料電池運転システム10は、燃料電池本体に相当する燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される酸化ガスである空気供給のための各要素と、燃料電池スタック20から排出される気体及び液体を外部に排出するための各要素とを含んで構成される。特に、燃料電池スタック20のアノード側排出口26とカソード側排出口28とに、それぞれエジェクタ70,72が接続され、それぞれのエジェクタ70,72に、酸化ガスが供給される。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池運転システム10は、燃料電池本体に相当する燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される酸化ガスである空気供給のための各要素と、燃料電池スタック20から排出される気体及び液体を外部に排出するための各要素とを含んで構成される。特に、燃料電池スタック20のアノード側排出口26とカソード側排出口28とに、それぞれエジェクタ70,72が接続され、それぞれのエジェクタ70,72に、酸化ガスが供給される。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池運転システムに係り、特にカソード側に酸化ガスを供給し、アノード側に燃料ガスを供給し、電池化学反応によって電力を出力する燃料電池スタックにおいて発生する反応生成水を排水する燃料電池運転システムに関する。
環境に与える影響が少ないことから、車両に燃料電池の搭載が行われている。燃料電池は、例えば燃料電池スタックのアノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電池化学反応によって必要な電力を取り出す。この電池化学反応の過程で反応生成物として水がカソード側に生じる。この反応生成物である水は燃料電池の効率的運転を阻害することがあるので、外部に排出する必要がある。
例えば、特許文献1には、大出力のため段数を増やした固体高分子電解質型燃料電池においてセル内の生成水を効率よく排出して電圧が低下するセルをなくすための構成が述べられている。ここでは、途中に流量調節弁を有する排出ラインを、各セルごとの酸化剤ガスの排出口に接続して、その先端にエジェクタ取り付け、圧縮機で圧縮された空気をエジェクタを通すことにより生じる吸引作用で酸素極側から生成水を積極的に排出させることが述べられている。また、流量調節弁は、セルごとの電圧の検出値eとセルごとの水位の検出値fに基づき制御器からの指令によって調整されている。ここでエジェクタとはイジェクタとも呼ばれ、上記のように、流体を流すことで吸引作用を生じる素子である。
上記のように、酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応を用いる燃料電池においては、酸素極側、つまりカソード側に反応生成物である生成水が生じるので、特許文献1に述べられているように、燃料電池の発生する電圧値等を監視して、適当にこれを排水することが行われる。
燃料電池の運転状況を観察すると、燃料ガス極側、つまりアノード側にも、電解質膜を通して水蒸気が存在し、これが水となってアノード側にたまることがわかってきている。また、燃料電池の発生する電圧値等に実用上支障がない範囲であっても、燃料電池スタック中にこれら水、あるいは水蒸気が残ったままで燃料電池を停止すると、例えば停止中の環境温度が氷点下となると、これらの水あるいは水蒸気が氷ることが生じる。この状態では燃料電池スタックのガス流路が氷によって閉鎖され、燃料電池の運転に支障が生じる。
上記特許文献1に開示される従来技術では、アノード側の水または水蒸気の処理、及び燃料電池の運転停止の際の水または水蒸気の処理について不十分である。
本発明の目的は、カソード側及びアノード側の水または水蒸気の処理を可能とする燃料電池運転システムを提供することである。他の目的は、燃料電池の運転停止の際の水または水蒸気の処理を可能とする燃料電池運転システムを提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係る燃料電池運転システムは、カソード側に酸化ガスを供給し、アノード側に燃料ガスを供給し、電池化学反応によって電力を出力する燃料電池スタックと、燃料電池スタックのカソード側排出口に設けられ、負圧を発生しカソード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側吸出手段と、燃料電池スタックのアノード側排出口に設けられ、負圧を発生しアノード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側吸出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池運転システムにおいて、カソード側吸出手段の発生する負圧の大きさと、アノード側吸出手段の発生する負圧の大きさの比を変更する吸出比変更手段を有することが好ましい。
また、吸出比変更手段は、燃料電池スタックの運転状況に応じて吸出比を変更することが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池運転システムにおいて、カソード側吸出手段は、負圧発生用気体を供給することで負圧を発生するカソード側エジェクタであり、カソード側吸出手段は、負圧発生用気体を供給することで負圧を発生するカソード側エジェクタであり、負圧発生用気体は、カソード側に供給される酸化ガスと同じガス源から供給されることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池運転システムにおいて、カソード側への酸化ガスの供給を制御する酸化ガス供給手段と、アノード側への燃料ガスの供給を制御する燃料ガス供給手段と、酸化ガス供給手段とカソード側吸出手段とを協働して運転するカソード側協働手段と、燃料ガス供給手段とアノード側吸出手段とを協働して運転するアノード側協働手段と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池運転システムは、酸化ガス源からカソード側に酸化ガスを供給し、燃料ガス源からアノード側に燃料ガスを供給し、電池化学反応によって電力を出力する燃料電池スタックと、燃料電池スタックのカソード側排出口に設けられ、負圧発生用ガスとして酸化ガスを供給して負圧を発生しカソード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側エジェクタと、燃料電池スタックのアノード側排出口に設けられ、負圧発生用ガスとして酸化ガスを供給して負圧を発生しアノード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するアノード側エジェクタと、酸化ガス源に設けられ、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、カソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給する負圧発生用酸化ガスの総流量とを調整する酸化ガス流量調整手段と、カソード側エジェクタに設けられ、負圧発生用酸化ガスの総流量のうちカソード側エジェクタに供給される負圧発生用酸化ガスの流量を規制するカソード側エジェクタガス流量調整手段と、アノード側エジェクタに設けられ、負圧発生用酸化ガスの総流量のうちアノード側エジェクタに供給される負圧発生用酸化ガスの流量を規制するアノード側エジェクタガス流量調整手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池運転システムにおいて、カソード側排出口とカソード側エジェクタとの間に設けられ、カソード側排出口をカソード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるカソード側切換手段と、アノード側排出口とアノード側エジェクタとの間に設けられ、アノード側排出口をアノード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるアノード側切換手段と、燃料電池が運転状態から停止状態に移るときに、カソード側切換手段を制御してカソード側排出口をカソード側エジェクタに接続し、アノード側切換手段を制御してアノード側排出口をアノード側エジェクタに接続し、酸化ガス流量調整手段を制御して負圧発生用酸化ガスをカソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給する制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成の少なくとも1つにより、負圧を発生しカソード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側吸出手段と、負圧を発生しアノード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するアノード側吸出手段とを備えるので、カソード側及びアノード側の水または水蒸気の処理が可能となる。
また、カソード側吸出手段の発生する負圧の大きさと、アノード側吸出手段の発生する負圧の大きさの比を変更する吸出比変更手段を有するので、カソード側の水等の排出の必要性と、アノード側の水等の排出の必要性とに応じて、各吸出の程度を変更できる。
また、各吸出手段はエジェクタであるので、周知の吸出手段を利用することができる。また、エジェクタへは、カソード側に供給される酸化ガスと同じガス源から負圧発生用気体が供給されるので、ガス系の構成が簡単となる。
また、酸化ガス供給手段とカソード側吸出手段とを協働して運転するカソード側協働手段と、燃料ガス供給手段とアノード側吸出手段とを協働して運転するアノード側協働手段とを備えるので、各吸出手段による水等の吸出とともに、酸化ガスまたは燃料ガスの送り込みによって水等の排出を合わせて行うことが可能となる。
また、燃料電池スタックの各排出口にそれぞれエジェクタを設け、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、カソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給する負圧発生用酸化ガスの総流量とを調整する酸化ガス流量調整手段と、負圧発生用酸化ガスの総流量について各エジェクタに供給される負圧発生用酸化ガスの流量をそれぞれ規制するエジェクタガス流量調整手段を備えるので、カソード側及びアノード側の水または水蒸気の処理が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池運転システムにおいて、カソード側排出口をカソード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるカソード側切換手段と、アノード側排出口をアノード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるアノード側切換手段を備え、制御部は、燃料電池が運転状態から停止状態に移るときに、カソード側排出口をカソード側エジェクタに接続し、アノード側排出口をアノード側エジェクタに接続し、酸化ガス流量調整手段を制御して負圧発生用酸化ガスをカソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給するように制御するので、燃料電池の運転停止の際に、カソード側及びアノード側の水または水蒸気の処理が可能となる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、車両に搭載される固体高分子電解質型燃料電池についてその反応生成物である水の排出に関係する燃料電池運転システムについて説明するが、燃料電池は固体高分子電解質型以外の形式であってもよく、また、燃料電池車両以外の用途に用いられるものであってもよい。
また、以下では、負圧を発生して燃料電池スタック内の気体及び液体を外部に吸出する吸出手段として、カソード側に供給される酸化ガスとして用いられるものと同じ圧縮空気を供給することで負圧を発生する気体エジェクタを説明するが、気体エジェクタ以外の流体エジェクタであってもよく、また、負圧を発生する機構が異なる装置、例えば電動ポンプ等の吸出装置を用いてもよい。また、負圧発生用気体は、カソード側に用いられる酸化ガスと異なるものでもよい。例えば、カソード側に供給される圧縮空気に対し、ガス源が異なっていてもよく、あるいは圧力が異なっていてもよく、また、不活性ガス等の圧縮空気以外の気体を負圧発生用気体として用いてもよい。
図1は、燃料電池運転システム10の構成図であり、ここでは特に、燃料電池スタックに生成する水の排出に関係する部分について示されている。燃料電池運転システム10は、燃料電池スタック20を含むシステム本体部12と、システム本体部12の各要素をシステム全体として制御する制御部14とを備えている。
システム本体部12は、燃料電池本体に相当する燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される酸化ガスである空気供給のための各要素と、燃料電池スタック20から排出される気体及び液体を外部に排出するための各要素とを含んで構成される。
燃料電池スタック20は、車両の電源として必要な高電圧を発生できるように、固体高分子電解質型の燃料電池セルを複数積層したものである。各燃料電池セルには、MEA(Membrane Electrode Assembly)を挟んでカソード側に酸化ガスが供給され、アノード側に燃料ガスが供給される。そして、周知のように、MEAを介して電池化学反応によって、カソード側とアノード側との間に所定の電圧を有する電力を発電し、カソード側に反応生成物としての水を生じる。発電された電力は、例えばその電圧が、発電電力検出部80によって検出され、そのデータは制御部14に伝送される。
アノード側の水素ガス源22は、燃料ガスとしての水素を供給するタンクである。水素ガス源22は、図示されていないレギュレータに接続され、適当な圧力と流量に調整された燃料ガスが、アノード側のガス供給口25から燃料電池スタック20に供給される。
カソード側の酸化ガス供給源24は、実際には大気を用いることができる。酸化ガス供給源24である大気は、図示されていないフィルタを通し、必要があれば流量計によって酸化ガス供給源24からの全供給流量が検出され、温度計によって酸化ガス供給源24からのガスの温度を検出され、エアコンプレッサ(ACP)32に供給される。
ACP32は、モータによって供給ガスを容積圧縮してその圧力を高める気体昇圧機である。ACP32の出力口に設けられる2つの流量調整弁60,62のうち、前者の流量調整弁60は、燃料電池スタック20のカソード側に供給する酸化ガスの流量を調整する機能を有し、後者の流量調整弁62は、後述するアノード側エジェクタ70及びカソード側エジェクタ72に供給する負圧発生用酸化ガスの総流量を調整する機能を有する気体流量調整装置である。かかる流量調整弁60,62は、一般的な気体制御弁を用いることができる。
両流量調整弁60,62に供給される酸化ガスの流量の合計は、ACP32が出力する酸化ガスの全流量であるので、両流量調整弁60,62は、酸化ガスの総流量を、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、負圧発生用酸化ガスの総流量とに振り分ける機能をも有する流量調整装置である。つまり、両流量調整弁60,62の間の相対的な絞り量の比等によって、ACP32から出力される酸化ガスの全流量が、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、負圧発生用酸化ガスの総流量とに分配される。その意味で、両流量調整弁60,62は、ACP32から出力される酸化ガスについて、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、負圧発生用酸化ガスの総流量との分配比を変更する酸化ガス分配比変更手段でもある。
流量調整弁60と、燃料電池スタック20のカソード側のガス供給口27との間に設けられる加湿器34は、酸化ガスを適度に湿らせ、燃料電池スタック20での燃料電池反応を効率よく行わせる機能を有するもので、例えばいわゆる中空糸を用いたガス交換器を用いることができる。
燃料電池スタック20のアノード側排出口26とカソード側排出口28とには、それぞれ3方調整弁40,42を介して、アノード側エジェクタ70とカソード側エジェクタ72が設けられる。両エジェクタ70,72は、圧縮空気を供給することで負圧を発生する装置であり、図1の場合では、3方調整弁40,42が燃料電池スタック20の各排出口26,28と各エジェクタ70,72とを接続する方向に調整されるときに、燃料電池スタック20の中の気体及び液体を吸出する機能を有する。
流量調整弁62とアノード側エジェクタ70との間に設けられる流量調整弁64、及び、流量調整弁62とカソード側エジェクタ72との間に設けられる流量調整弁66は、それぞれアノード側エジェクタ70とカソード側エジェクタ72に流れる酸化ガスの流量を規制する流量調整装置である。かかる流量調整弁64,66は、一般的な気体制御弁を用いることができる。
両流量調整弁64,66に供給される酸化ガスの流量の合計は、流量調整弁62によって規定される負圧発生用酸化ガスの総流量であるので、両流量調整弁64,66は、負圧発生用酸化ガスの総流量を、アノード側エジェクタ70とカソード側エジェクタ72とに振り分ける機能をも有する流量調整装置である。つまり、両流量調整弁64,66の間の相対的な絞り量の比等によって、負圧発生用酸化ガスの総流量が、アノード側エジェクタ70へ供給される流量とカソード側エジェクタ72とに供給される流量とに分配される。その意味で、両流量調整弁64,66は、カソード側吸出手段の発生する負圧の大きさと、アノード側吸出手段の発生する負圧の大きさの比を変更する吸出比変更手段でもある。
3方調整弁40は、アノード側排出口26の接続先を、アノード側エジェクタ70と水分離器30との間で切り換える機能を有する調整弁である。3方調整弁40は、接続方法の切換とともに、両接続先へのそれぞれの流量比をも調整する機能を有することが望ましい。かかる3方調整弁40は、流量調整機構付の気体用3方調整弁を用いることができる。
水分離器30は、アノード側から排出される気体に含まれる水蒸気を液体の水に戻す機能を有する装置で、例えば凝集器を用いることができる。
3方調整弁42は、カソード側排出口28の接続先を、カソード側エジェクタ72と、3方弁44との間で切り換える機能を有する調整弁である。3方調整弁44は、加湿器34及びマフラー36側の接続先を、カソード側エジェクタ72と3方調整弁42との間で切り換える機能を有する調整弁である。3方調整弁42,44は、接続方法の切換とともに、両接続先へのそれぞれの流量比をも調整する機能を有することが望ましい。かかる3方調整弁42は、流量調整機構付の気体用3方調整弁を用いることができる。マフラー36は、車両の排気ガスの出口となるものであるが、ここでは、アノード側排出口26及びカソード側排出口28から排出される気体及び液体の中で、再び燃料電池スタック20へ戻して再利用できるもの以外のものを最終的に車両の外部に排出するために用いられる。
図1に示される逆止弁50,52,54は、各流路において、気体の逆流を防止するために設けられるものである。かかる逆止弁50,52,54は、一般的な気体用逆止弁を用いることができる。
制御部14は、車両あるいは燃料電池の運転状況に応じ、各流量調整弁60,62,64,66の流量調整、及び3方調整弁40,42,44の接続方法及び必要があればその流量調整を制御し、燃料電池運転を制御する機能を有する。具体的には、燃料電池の運転モードを、通常の発電制御を行う通常運転モードと、燃料電池スタック20の中の気体及び液体を強制排出する排水モードとに切り換える機能を有する。また、排水モードのなかで、車両が停止する際に燃料電池スタック20の中の気体及び液体を強制排出する車両停止時排水モードと、アイドリング等で燃料電池スタックに水等が溜まりやすい状況にあるときに燃料電池スタック20の中の気体及び液体を強制排出する車両運転時排水モードとを実行する機能を有する。かかる制御部14は、車両用コンピュータで構成することができる。また、これらの機能は、ソフトウェアで実現でき、具体的には、対応する燃料電池運転プログラムを実行することで実現できる。
上記構成の燃料電池運転システム10の機能を図2のフローチャート及び図3、図4を用いて説明する。図2は、燃料電池運転に関する手順、特に燃料電池スタック20の中の気体及び液体を外部に排出する手順を示すフローチャートである。図2の各手順は、制御部14が実行する燃料電池運転に関する各処理手順に対応する。図3、図4は、それぞれ通常運転モードと排水モードにおける各3方調整弁40,42,44の接続方向と、気体等の流れ方を説明する図である。図3、図4において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図2において、制御部14は、まず車両のイグニッションスイッチ(IG)がオフ状態にあるかどうかを取得する(S10)。そして、IGがオフであると判断されると、S20からS26の手順が実行される。この手順は、車両停止時排水モードの手順に相当する。IGがオフであると判断されないときは、車両あるいは燃料電池の運転状態が排水を必要とするか否かが判断される(S12)。この判断は、発電電力検出部80によって検出される電圧eが所定の閾値以下か否か、アイドリングの時間が所定の閾値以上か否か、排水処理なしでの連続走行時間が所定の閾値以上か否か、等の条件で判断することができる。排水が必要ないと判断されるとS14、S16の手順が実行される。この手順は、通常運転モードの手順に相当する。排水が必要と判断されると、S30からS34の手順が実行される。この手順は、車両運転時排水モードの手順に相当する。
通常運転モードでは、まず切換弁を通常モードの方向に切り換える(S14)。ここで切換弁とは各3方調整弁40,42,44である。これら各3方調整弁40,42,44を、通常モードの方向に切り換える。そして各流量調整弁の開閉を次のようにする。すなわち、図1においてA1,A2,A3として示される流量調整弁66,64,62を閉に、A4として示される流量調整弁60を開にする(S16)。
その様子を図3に示す。ここで、3方調整弁40は、アノード側排出口26の接続先を水分離器30に、3方調整弁42は、カソード側排出口28の接続先を3方調整弁44に、3方調整弁44の接続先は、加湿器34及びマフラー36側に方向が向けられる。この方向の接続が、切換弁の通常モードに対応する。そして、流量調整弁66,64,62が閉に、流量調整弁60が開とされる。
この状態で、水素ガス源22からの燃料ガスは、燃料電池スタック20のアノード側ガス供給口25−アノード側排出口26−3方調整弁40−水分離器30−マフラー36及び水素ガス源22と流れる。水素ガス源22に戻された燃料ガスは、再び燃料電池スタック20に供給されるが、マフラー36に行く燃料ガスは、車両の外部に放出される。
一方、ACP32からの酸化ガスは、流量調整弁60−逆止弁54−加湿器34−燃料電池スタック20のカソード側ガス供給口27−カソード側排出口28−3方調整弁42−3方調整弁44−マフラー36及び加湿器34と流れる。加湿器34に戻された酸化ガスは、再び燃料電池スタック20に供給されるが、マフラー36に行く酸化ガスは、車両の外部に放出される。そして、燃料電池スタック20に供給された酸化ガスは、MEAを介して燃料ガスと電池化学反応によって発電を行うとともに、カソード側に反応生成物である水が生成され、その水がMEAを通し、アノード側に水蒸気として浸透する。
車両停止時排水モードでは、まず切換弁を排水モードの方向に切り換える(S20)。すなわち切換弁である各3方調整弁40,42,44を、排水モードの方向に切り換える。そして各流量調整弁の開閉を次のようにする。すなわち、図1においてA1,A2,A3として示される流量調整弁66,64,62を開に、A4として示される流量調整弁60を閉にする(S22)。
その様子を図4に示す。ここで、3方調整弁40は、アノード側排出口26の接続先をアノード側エジェクタ70に、3方調整弁42は、カソード側排出口28の接続先をカソード側エジェクタ72に、3方調整弁44は、カソード側エジェクタ72の出力側をマフラー36側にするように方向が向けられる。この方向の接続が、切換弁の排水モードに対応する。そして、流量調整弁66,64,62が開に、流量調整弁60が閉とされる。
この状態で、水素ガス源22からの燃料ガスは、図示されていないレギュレータによって燃料電池スタック20への供給が止められ、ACP32からの酸化ガスの燃料電池スタック20への供給も流量調整弁60が閉とされることで止められる。
一方、ACP32からの負圧発生用酸化ガスは、流量調整弁62−流量調整弁64−アノード側エジェクタ70−逆止弁50−水分離器30−マフラー36と流れ、また、流量調整弁62−流量調整弁66−カソード側エジェクタ72−逆止弁52−マフラー36と流れる。したがって、両エジェクタ70,72に負圧発生用酸化ガスが流れ、燃料電池スタック20のアノード側及びカソード側の中の気体及び液体が強制的にマフラー36から車両の外部に放出される。この気体及び液体には、燃料電池スタック20のカソード側における残存酸化ガスおよび反応生成物である水、アノード側における残存燃料ガスおよびMEAを通して浸透してきた水蒸気が含まれる。
再び図2に戻り、予め設定されているタイマーによって、所定時間経過後にACP32の運転がオフされる(S24)。タイマーの設定は、反応生成物である水等を十分に排出できる時間に設定される。その後に、燃料電池の停止状態とされる(S26)。例えば、各3方調整弁40,42,44を中立状態あるいは通常運転状態に戻し、流量調整弁60,62,64,66をすべて閉または通常運転状態に戻す処理が行われる。
車両運転時排水モードは、基本的に車両停止時排水モードに似たモードである。すなわち、切換弁を排水モードにする工程(S30)はS20と同じで、次の各流量調整弁の開閉設定工程(S32)もS22と同じである。したがって、両エジェクタ70,72に負圧発生用酸化ガスが流れ、燃料電池スタック20のアノード側及びカソード側の中の気体及び液体が強制的にマフラー36から車両の外部に放出される。この気体及び液体には、燃料電池スタック20のカソード側における残存酸化ガスおよび反応生成物である水、アノード側における残存燃料ガスおよびMEAを通して浸透してきた水蒸気が含まれる。その後、タイマーに適当に設定された時間が経過(S34)すると、通常運転モードのS14に戻る。
上記の排水モードにおいて、流量調整弁64,66を適当に調整し、カソード側エジェクタ72の発生する負圧の大きさと、アノード側エジェクタ70の発生する負圧の大きさの比を調整することができる。一般的にはカソード側に水がたまりやすいので、カソード側エジェクタ72の発生する負圧の絶対値を、アノード側エジェクタ70の発生する負圧の絶対値より大きくする。例えばその比を10:3等にすることができる。
また、上記の排水モードにおいては、流量調整弁60,62を適当に調整し、燃料電池スタックに酸化ガス及び燃料電池ガスを流すようにしてもよい。これによって、各エジェクタ70,72による水等の吸出とともに、酸化ガスまたは燃料ガスの送り込みによって水等の排出を合わせて行うことが可能となる。
10 燃料電池運転システム、12 システム本体部、14 制御部、20 燃料電池スタック、22 水素ガス源、24 酸化ガス供給源、25 アノード側ガス供給口、26 アノード側排出口、27 カソード側ガス供給口、28 カソード側排出口、30 水分離器、32 ACP、34 加湿器、36 マフラー、40,42,44 3方調整弁、50,52,54 逆止弁、60,62,64,66 流量調整弁、70 アノード側エジェクタ、72 カソード側エジェクタ、80 発電電力検出部。
Claims (7)
- カソード側に酸化ガスを供給し、アノード側に燃料ガスを供給し、電池化学反応によって電力を出力する燃料電池スタックと、
燃料電池スタックのカソード側排出口に設けられ、負圧を発生しカソード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側吸出手段と、
燃料電池スタックのアノード側排出口に設けられ、負圧を発生しアノード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側吸出手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池運転システム。 - 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
カソード側吸出手段の発生する負圧の大きさと、アノード側吸出手段の発生する負圧の大きさの比を変更する吸出比変更手段を有することを特徴とする燃料電池運転システム。 - 請求項2に記載の燃料電池運転システムにおいて、
吸出比変更手段は、燃料電池スタックの運転状況に応じて吸出比を変更することを特徴とする燃料電池運転システム。 - 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
カソード側吸出手段は、負圧発生用気体を供給することで負圧を発生するカソード側エジェクタであり、
カソード側吸出手段は、負圧発生用気体を供給することで負圧を発生するカソード側エジェクタであり、
負圧発生用気体は、カソード側に供給される酸化ガスと同じガス源から供給されることを特徴とする燃料電池運転システム。 - 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
カソード側への酸化ガスの供給を制御する酸化ガス供給手段と、
アノード側への燃料ガスの供給を制御する燃料ガス供給手段と、
酸化ガス供給手段とカソード側吸出手段とを協働して運転するカソード側協働手段と、
燃料ガス供給手段とアノード側吸出手段とを協働して運転するアノード側協働手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池運転システム。 - 酸化ガス源からカソード側に酸化ガスを供給し、燃料ガス源からアノード側に燃料ガスを供給し、電池化学反応によって電力を出力する燃料電池スタックと、
燃料電池スタックのカソード側排出口に設けられ、負圧発生用ガスとして酸化ガスを供給して負圧を発生しカソード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するカソード側エジェクタと、
燃料電池スタックのアノード側排出口に設けられ、負圧発生用ガスとして酸化ガスを供給して負圧を発生しアノード側流路中の気体及び液体を外部に吸出するアノード側エジェクタと、
酸化ガス源に設けられ、カソード側に供給する酸化ガスの流量と、カソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給する負圧発生用酸化ガスの総流量とを調整する酸化ガス流量調整手段と、
カソード側エジェクタに設けられ、負圧発生用酸化ガスの総流量のうちカソード側エジェクタに供給される負圧発生用酸化ガスの流量を規制するカソード側エジェクタガス流量調整手段と、
アノード側エジェクタに設けられ、負圧発生用酸化ガスの総流量のうちアノード側エジェクタに供給される負圧発生用酸化ガスの流量を規制するアノード側エジェクタガス流量調整手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池運転システム。 - 請求項6に記載の燃料電池運転システムにおいて、
カソード側排出口とカソード側エジェクタとの間に設けられ、カソード側排出口をカソード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるカソード側切換手段と、
アノード側排出口とアノード側エジェクタとの間に設けられ、アノード側排出口をアノード側エジェクタまたは外部排出口のいずれかに接続を切り換えるアノード側切換手段と、
燃料電池が運転状態から停止状態に移るときに、カソード側切換手段を制御してカソード側排出口をカソード側エジェクタに接続し、アノード側切換手段を制御してアノード側排出口をアノード側エジェクタに接続し、酸化ガス流量調整手段を制御して負圧発生用酸化ガスをカソード側エジェクタ及びアノード側エジェクタに供給する制御部と、
を備えることを特徴とする燃料電池運転システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006003563A JP2007188666A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 燃料電池運転システム |
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JP2006003563A JP2007188666A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 燃料電池運転システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-01-11 JP JP2006003563A patent/JP2007188666A/ja active Pending
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