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JP2007187905A - 信号符号化装置及び方法、信号復号装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

信号符号化装置及び方法、信号復号装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体 Download PDF

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JP2007187905A JP2006006276A JP2006006276A JP2007187905A JP 2007187905 A JP2007187905 A JP 2007187905A JP 2006006276 A JP2006006276 A JP 2006006276A JP 2006006276 A JP2006006276 A JP 2006006276A JP 2007187905 A JP2007187905 A JP 2007187905A
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Abstract

【課題】符号化側で低域信号の他に高域信号の特徴情報を符号化し、復号側でこの特徴情報に基づいて低域信号から高域信号を復元するような場合において、高域信号の特徴情報を効率的に伝送する。
【解決手段】正弦波解析部13は、第4〜第7のサブバンド信号に正弦波が含まれるか否かを解析し、正弦波が含まれる場合には、その周波数インデクス及びパワーを表す正弦波情報を生成する。パワーエンベロープ生成部14は、第4〜第7のサブバンド信号のそれぞれについて、サブフレーム毎に平均パワーを計算してパワーエンベロープ情報を生成する。パワーエンベロープ修正部15は、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報に基づいて、パワーエンベロープが平坦になるよう修正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、符号化側である周波数帯域に制限された時系列信号を、復号側でより広い周波数帯域に拡大する場合に用いて好適な信号符号化装置及びその方法、信号復号装置及びその方法、並びにプログラム及び記録媒体に関する。
近年、オーディオ信号の高能率符号化では、人間の聴覚の仕組みを利用することで、CD(Compact Disc)相当の音質を元のCDの1/10程度のデータ量に圧縮することが可能となっている。現在、市場にもこれらの技術を利用した商品が流通しており、より小さな記録媒体に記録したり、ネットワークを通じて配信したりすることが実現している。
このような高能率圧縮技術では、それぞれ独自のフォーマットが採用されており、フォーマットの範囲内であれば、符号化側で音質とビットレートとをある程度自由にコントロールすることが可能である。例えば、MD(Mini Disc:ソニー株式会社商標)についても、長時間記録モードとして同じ高能率圧縮技術を採用したLP2とLP4との2つのモードが存在しており、LP4はLP2に対してさらに半分に圧縮することで、音質は劣るもののLP2の2倍の記録時間を可能としている。
しかしながら、このような高能率圧縮技術は、ビットレートと音質に明確なターゲットを定めて設計、規格化されているため、規格(フォーマット)を維持したままさらにビットレートを下げると極端に音質が劣化することになる。このような状況を避けるために、符号化側の高能率符号化アルゴリズムの改善や、人間の聴覚が鈍感な高域信号を制限し、余ったビットを低域信号に振り分けるといった方法が一般的にとられる。
特開平2−311006号公報 特開平9−55778号公報 欧州特許出願公開第0940015号明細書 欧州特許出願公開第1423847号明細書 欧州特許出願公開第1157374号明細書
ところで、上述したようにフォーマットを維持したまま、音質を維持しビットレートを下げるために高域信号を制限した場合において、高域信号を復号側で復元する試みもある。例えば、特許文献1のように、44.1kHzサンプリングのPCM(Pulse Code Modulation)信号の再生帯域を2倍にする技術や、特許文献2のように、電話の周波数帯域を受信側で拡大する技術がある。このような技術は、フォーマットの変更が必要なく、復号側だけの改善でよいといった利点があるが、受信した低域信号のみから高域信号を生成するため、元の高域信号を正確に復元することはできず、音質的には劇的な効果はみられない。
一方、フォーマットを拡張して、符号化側で高域信号の特徴情報を符号化しておき、復号側でその特徴情報を用いて帯域を拡大させる試みもある。例えば、特許文献3のように、符号化側で高域信号のパワーエンベロープ情報を符号化しておき、復号側で低域信号から高域信号を生成し、その高域信号の利得を受信したパワーエンベロープ情報を用いて調整する技術がある。このような技術は、フォーマットの変更が必要であるものの、高域信号の特徴情報を用いているため、元の高域信号をより正確に復元することができる。
しかしながら、特許文献3のように、符号化側で高域信号のパワーエンベロープ情報を符号化しておいた場合であっても、元の低域信号のトーナリティと元の高域信号のトーナリティとが大きく異なる場合、例えば、元の低域信号がノイズ性の信号であり元の高域信号がトーン性の信号である場合、或いはその逆の場合には、復元された高域信号の特徴が元の高域信号の特徴と異なってしまうため、聴覚上の歪みが知覚されることになる。
そこで、特許文献4のように、符号化側で高域信号に含まれる正弦波(トーン成分)の周波数インデクスやパワーを解析して正弦波情報として符号化し、復号側に伝送する技術や、特許文献5のように、符号化側で高域信号のノイズフロア情報を抽出して符号化し、復号側に伝送する技術も提案されている。
ここで、低域信号の他に高域信号のパワーエンベロープ情報と正弦波情報とを符号化する信号符号化装置の概略構成を図15に示す。
図15に示す信号符号化装置100において、帯域分割部101は、入力した時系列信号を例えば8つのサブバンド(以下、低域から順に「第0〜第7のサブバンド」という。)に帯域分割する。そして、帯域分割部101は、第0〜第7のサブバンドに分割された時系列信号(以下、低域から順に「第0〜第7のサブバンド信号」という。)のうち、クロスオーバー周波数よりも低域の低域サブバンド信号(図中、第0〜第3のサブバンド信号)を、所定の時間フレーム毎に周波数変換/正規化/量子化部102〜102に供給する。また、帯域分割部101は、クロスオーバー周波数よりも高域の高域サブバンド信号(図中、第4〜第7のサブバンド信号)を、所定の時間フレーム毎に正弦波解析部103とパワーエンベロープ生成部104とに供給する。
周波数変換/正規化/量子化部102〜102は、それぞれ第0〜第3のサブバンド信号に対してMDCT(Modified Discrete Cosine Transformation)等の直交変換を行って周波数領域の第0〜第3のスペクトル信号を生成し、その第0〜第3のスペクトル信号をサブバンド毎に選択されたスケールファクタで正規化する。そして、周波数変換/正規化/量子化部102〜102は、得られた第0〜第3の正規化スペクトル信号を、サブバンド毎に決定された量子化精度情報に対応する量子化ステップで量子化し、第0〜第3の量子化スペクトル信号、スケールファクタ、及び量子化精度情報をマルチプレクサ105に供給する。
正弦波解析部103は、第4〜第7のサブバンド信号に正弦波が含まれるか否かを解析し、正弦波が含まれる場合には、その周波数インデクスやパワーを正弦波情報としてマルチプレクサ105に供給する。
パワーエンベロープ生成部104は、第4〜第7のサブバンド信号のそれぞれについて、所定の時間間隔(サブフレーム)毎に平均パワーを計算してパワーエンベロープ情報を生成し、このパワーエンベロープ情報をマルチプレクサ105に供給する。
マルチプレクサ105は、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタと、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報及びパワーエンベロープ情報とを符号化した後、多重化する。そして、マルチプレクサ105は、多重化の結果得られる圧縮データを伝送路を介して伝送し、或いは図示しない記録媒体に記録する。
また、このようにして信号符号化装置100で生成された圧縮データを復号する信号復号装置の概略構成を図16に示す。
図16に示す信号復号装置110において、デマルチプレクサ111は、入力した圧縮データを非多重化した後、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタと、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報及びパワーエンベロープ情報とを復号する。そして、デマルチプレクサ111は、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタを逆量子化/逆正規化/周波数変換部112〜112に供給し、正弦波情報を正弦波生成部113に供給し、パワーエンベロープ情報を高域生成部114に供給する。
逆量子化/逆正規化/周波数変換部112〜112は、第0〜第3の量子化スペクトル信号を、供給された量子化精度情報に対応する量子化ステップで量子化し、得られた第0〜第3の正規化スペクトル信号を、供給されたスケールファクタで逆正規化する。そして、逆量子化/逆正規化/周波数変換部112〜112は、得られた第0〜第3のスペクトル信号に対してIMDCT(Inverse MDCT)等の逆直交変換を行って時間領域の第0〜第3のサブバンド信号を生成し、この第0〜第3のサブバンド信号を高域生成部114と帯域合成部116とに供給する。
正弦波生成部113は、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報に基づいて正弦波を生成し、生成した正弦波を正弦波付加部115〜115に供給する。
高域生成部114は、第0〜第3のサブバンド信号に基づいて第4〜第7のサブバンド信号を生成し、この第4〜第7のサブバンド信号のパワーを第4〜第7のサブバンドのパワーエンベロープ情報に基づいて調整する。高域生成部114は、パワーが調整された第4〜第7のサブバンド信号を正弦波付加部115〜115に供給する。
正弦波付加部115〜115は、第4〜第7のサブバンド信号に正弦波を付加し、正弦波付加後の第4〜第7のサブバンド信号を帯域合成部116に供給する。
帯域合成部116は、第0〜第3のサブバンド信号と第4〜第7のサブバンド信号とを帯域合成し、得られた時系列信号を出力する。
上述した信号符号化装置100及び信号復号装置110によれば、符号化側で低域サブバンド信号(第0〜第3のサブバンド信号)の他に高域サブバンド信号(第4〜第7のサブバンド信号)のパワーエンベロープ情報と正弦波情報とを符号化し、復号側でこのパワーエンベロープ情報及び正弦波情報に基づいて高域サブバンド信号を復元するようにしているため、元の高域サブバンド信号をより正確に復元することができる。その反面、高域サブバンド信号の特徴情報についての情報量が増えるため、圧縮効率が悪くなるという問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、符号化側で低域信号の他に高域信号の特徴情報を符号化し、復号側でこの特徴情報に基づいて低域信号から高域信号を復元するような場合において、高域信号の特徴情報を効率的に伝送することが可能な信号符号化装置及びその方法、その信号符号化装置から出力された圧縮データを復号する信号復号装置及びその方法、並びにそのような信号符号化処理及び信号復号処理をコンピュータに実行させるプログラム及びそのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る信号符号化装置は、入力された時系列信号を符号化する信号符号化装置において、上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割手段と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析手段と、上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成手段と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正手段と、上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る信号符号化方法は、入力された時系列信号を符号化する信号符号化方法において、上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割工程と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析工程と、上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成工程と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正工程と、上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る信号復号装置は、入力された圧縮データを復号する信号復号装置において、上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化手段と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成手段と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元手段と、上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成手段と、上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る信号復号方法は、入力された圧縮データを復号する信号復号方法において、上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化工程と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成工程と、上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元工程と、上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成工程と、上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、上述した信号符号化処理又は信号復号処理をコンピュータに実行させるものであり、本発明に係る記録媒体は、そのようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なものである。
本発明によれば、符号化側で低域サブバンド信号の他に高域サブバンド信号の特徴情報として正弦波情報及びパワーエンベロープ情報を符号化し、復号側でこの特徴情報に基づいて低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を復元する場合において、高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合には、正弦波情報に基づいて高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するため、パワーエンベロープ情報を効率的に伝送することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、高域サブバンド信号を制限し、低域サブバンド信号と高域サブバンド信号の特徴情報(パワーエンベロープ情報、正弦波情報)とを符号化して圧縮データを生成する信号符号化装置と、低域サブバンド信号を復号すると共に、特徴情報に基づいて低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を復元する信号復号装置とに適用したものである。
先ず、本実施の形態における信号符号化装置の概略構成を図1に示す。図1に示すように、本実施の形態における信号符号化装置10は、帯域分割部11と、周波数変換/正規化/量子化部12〜12と、正弦波解析部13と、パワーエンベロープ生成部14と、パワーエンベロープ修正部15と、マルチプレクサ16とから構成されている。
帯域分割部11は、入力した時系列信号を例えば8つのサブバンド(以下、低域から順に「第0〜第7のサブバンド」という。)に帯域分割する。そして、帯域分割部11は、第0〜第7のサブバンドに分割された時系列信号(以下、低域から順に「第0〜第7のサブバンド信号」という。)のうち、クロスオーバー周波数よりも低域の低域サブバンド信号(図中、第0〜第3のサブバンド信号)を、所定の時間フレーム毎に周波数変換/正規化/量子化部12〜12に供給する。また、帯域分割部11は、クロスオーバー周波数よりも高域の高域サブバンド信号(図中、第4〜第7のサブバンド信号)を、所定の時間フレーム毎に正弦波解析部13とパワーエンベロープ生成部14とに供給する。
なお、本実施の形態では、時系列信号を8つのサブバンドに分割しているが、サブバンドの数がこの例に限定されるものではない。また、低域サブバンドの数と高域サブバンドの数との比を1:1としているが、その比はビットレートに応じて適宜設定可能である。
周波数変換/正規化/量子化部12〜12は、それぞれ第0〜第3のサブバンド信号に対してMDCT等の直交変換を行って周波数領域の第0〜第3のスペクトル信号を生成し、その第0〜第3のスペクトル信号をサブバンド毎に選択されたスケールファクタで正規化する。そして、周波数変換/正規化/量子化部12〜12は、得られた第0〜第3の正規化スペクトル信号を、サブバンド毎に決定された量子化精度情報に対応する量子化ステップで量子化し、第0〜第3の量子化スペクトル信号、スケールファクタ、及び量子化精度情報をマルチプレクサ16に供給する。
正弦波解析部13は、第4〜第7のサブバンド信号に正弦波が含まれるか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が含まれる場合にはその周波数インデクス及びパワーとを含む正弦波情報を生成し、この正弦波情報をパワーエンベロープ修正部15とマルチプレクサ16とに供給する。
具体的に、正弦波解析部13は、周波数インデクスIで表される周波数位置のトーナリティTを以下の式(1)に従って計算する。すなわち、周波数インデクスIで表される周波数位置近傍のnサンプルの平均パワーと、第4〜第7のサブバンド信号全体であるpサンプルの平均パワーとの比を、当該周波数位置におけるトーナリティTとする。
Figure 2007187905
そして、正弦波解析部13は、このトーナリティTが所定の閾値よりも大きい場合には、その周波数位置に正弦波が存在するものとして、周波数インデクスIと当該周波数位置近傍の平均パワーとを正弦波情報としてパワーエンベロープ修正部15及びマルチプレクサ16に供給する。
なお、本実施の形態では、第4〜第7のサブバンド信号全体の平均パワーとの比を求めることによりトーナリティを計算しているが、第0〜第7のサブバンド信号全体の平均パワーとの比を求めることによりトーナリティを計算するようにしても構わない。
パワーエンベロープ生成部14は、第4〜第7のサブバンド信号のそれぞれについて、所定の時間間隔(サブフレーム)毎に平均パワーを計算してパワーエンベロープ情報を生成し、このパワーエンベロープ情報をパワーエンベロープ修正部15に供給する。
パワーエンベロープ修正部15は、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報に基づいてパワーエンベロープ情報を修正し、修正後のパワーエンベロープ情報をマルチプレクサ16に供給する。このパワーエンベロープ修正部15における処理の詳細については後述する。
マルチプレクサ16は、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタと、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報及び修正後のパワーエンベロープ情報とを符号化した後、多重化する。そして、マルチプレクサ16は、多重化の結果得られる圧縮データを伝送路を介して伝送し、或いは図示しない記録媒体に記録する。
ここで、ある時間フレームの各サブバンド及び各サブフレームの関係を図2に示す。図2に示すように、各時間フレームの時系列信号は、周波数方向には第0のサブバンドから第7のサブバンドまでの8つのサブバンドに分割されている。以下では、各サブバンドを表すインデクスとしてiを用いる(i=0,1,・・・,7)。また、図中I〜I11は、上述した周波数インデクスである。なお、図2では、第4,第5のサブフレームにそれぞれ4つの周波数インデクス、第6,第7のサブフレームにそれぞれ2つの周波数インデクスが存在しているが、その数や間隔は任意である。上述した正弦波解析部13は、この周波数インデクスで表される周波数位置のトーナリティを計算することにより、その周波数位置に正弦波が存在するか否かを判断する。
また、各時間フレームの時系列信号は、時間方向には第0のサブフレームから第3のサブフレームまでの4つのサブフレームに分割されている。なお、サブフレームの分割数が4つに限定されないことは勿論である。上述したパワーエンベロープ生成部14は、このサブフレーム毎に第4〜第7のサブバンド信号の平均パワーP[i](P[4]〜P[7])を計算することにより、パワーエンベロープ情報を生成する。
あるサブフレームの時系列信号のパワースペクトラムと、パワーエンベロープ生成部14で生成されるパワーエンベロープとを図3に示す。なお、この図3では、参考のため、第0〜第3のサブバンド信号についてもパワーエンベロープを示している。図3では、周波数インデクスIで表される周波数位置に正弦波が存在すると判断されているものとする。
上述したマルチプレクサ16は、このようにして生成されたパワーエンベロープ情報を符号化する。特に、本実施の形態におけるマルチプレクサ16は、以下の式(2)に示すように、予め第4〜第7のサブバンドの平均パワーP[i]を対数パワー比D[i]に変換し、このD[i]に可変長符号を割り当てる。この際、マルチプレクサ16は、D[i]の値が小さい場合には短い符号を割り当て、D[i]の値が大きい場合には長い符号を割り当てる。
Figure 2007187905
上述した図3のようなパワーエンベロープが生成されたときの対数パワー比を図4に示す。なお、この図4では、参考のため、第0〜第3のサブバンド信号についても対数パワー比を示している。
ところで、上述のように対数パワー比D[i]に可変長符号を割り当てる場合、各サブバンドにおけるD[i]の値が小さいほど、すなわちパワーエンベロープが平坦であるほど、パワーエンベロープ情報の符号化効率が向上するが、図3のように、第5のサブバンドに正弦波が存在するため、そのサブバンドにおける平均パワーP[5]が大きくなり、ローカルピークを形成している場合には、図4のように、D[5]、D[6]の値が大きくなってしまう。
そこで、上述したパワーエンベロープ修正部15は、マルチプレクサ16におけるパワーエンベロープ情報の符号化効率を向上させるため、パワーエンベロープ生成部14から供給されたパワーエンベロープを平坦化する。特に、パワーエンベロープ修正部15は、正弦波の周波数位置とパワーエンベロープのローカルピークの位置とに相関があることを利用し、正弦波情報を用いてパワーエンベロープを平坦化する。その前提として、本実施の形態では、サブバンド毎に正弦波が存在しているか否かを示す正弦波フラグF[i]を準備する。この正弦波フラグF[i]は、インデクスiで表されるサブバンドに正弦波が1本でも存在すれば“true”となり、正弦波が1本も存在しなければ“false”となる。したがって、図3の場合にはF[5]のみが“true”であり、それ以外は“false”である。なお、本実施の形態では、低域サブバンド信号(第0〜第3のサブバンド信号)については正弦波が存在しているか否かを解析しないため、この正弦波フラグは常に“false”である。また、本実施の形態におけるインデクスiは0〜7の範囲であるが、便宜的にF[8]が“true”であるものとして設定する。
上述したパワーエンベロープ修正部15における処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、この図5では、クロスオーバー周波数よりも低域のサブバンドの数をMと表記し、全体のサブバンド数をNと表記する。本実施の形態の場合、M=4、N=8である。
先ずステップS1において、インデクスiをMに初期化することにより、高域サブバンドのうち最も低域のサブバンドから処理を開始する。
次にステップS2において、F[i]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“true”である場合にはステップS3に進み、“false”である場合にはステップS19に進む。ステップS3では、F[i−1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS4に進み、“true”である場合にはステップS5に進む。ステップS4では、F[i+1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS6に進んで第1のプロセスの処理を行い、“true”である場合にはステップS11に進んで第2のプロセスの処理を行う。同様にステップS5では、F[i+1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS15に進んで第3のプロセスの処理を行い、“true”である場合にはステップS19に進む。すなわち、現在のサブバンドの正弦波フラグF[i]と、隣接する低域側のサブバンドの正弦波フラグF[i−1]と、隣接する高域側のサブバンドの正弦波フラグF[i+1]とに応じて、第1〜第3のプロセスの何れかの処理を行うか、何も処理をしないかが決定される。
ステップS6からステップS10までは第1のプロセスの処理である。ステップS6では、インデクスiで表されるサブバンドの平均パワーP[i]に所定値A(A<1.0)を乗算してパワーを修正する。次にステップS7では、j=i+1で表されるインデクスjを設定し、ステップS8では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]にP[i]/P[i−1]を乗算してパワーを修正する。そしてステップS9では、jに1を加算し、ステップS10では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS8に戻り、N以上である場合にはステップS19に進む。このように、第1のプロセスでは、インデクスiで表されるサブバンドの平均パワーを下げると共に、インデクスi+1で表されるサブバンド以降の平均パワーを上げることにより、パワーエンベロープを平坦化する。
第1のプロセスにおける処理の一例を図6に示す。図6(A)に示すように、インデクスiがi=4であり、F[3]が“false”、F[4]が“true”、F[5]が“false”である場合、図6(B)に示すようにインデクスi(=4)で表されるサブバンドの平均パワーが下げられた後、図6(C)に示すようにインデクスi+1(=5)で表されるサブバンド以降の平均パワーが上げられる。
ステップS11からステップS14までは第2のプロセスの処理である。ステップS11では、j=iで表されるインデクスjを設定し、ステップS12では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]に所定値A(A<1.0)を乗算してパワーを修正する。そしてステップS13では、jに1を加算し、ステップS14では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS12に戻り、N以上である場合にはステップS19に進む。このように、第2のプロセスでは、インデクスiで表されるサブバンド以降の平均パワーを下げることにより、パワーエンベロープを平坦化する。
第2のプロセスにおける処理の一例を図7に示す。図7(A)に示すように、インデクスiがi=4であり、F[3]が“false”、F[4]が“true”、F[5]が“true”である場合、図7(B)に示すようにインデクスi(=4)で表されるサブバンド以降の平均パワーが下げられる。
ステップS15からステップS18までは第3のプロセスの処理である。ステップS15では、j=i+1で表されるインデクスjを設定し、ステップS16では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]に所定値G(G>1.0)を乗算してパワーを修正する。そしてステップS17では、jに1を加算し、ステップS18では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS16に戻り、N以上である場合にはステップS19に進む。このように、第3のプロセスでは、インデクスi+1で表されるサブバンド以降の平均パワーを上げることにより、パワーエンベロープを平坦化する。
第3のプロセスにおける処理の一例を図8に示す。図8(A)に示すように、インデクスiがi=5であり、F[4]が“true”、F[5]が“true”、F[6]が“false”である場合、図8(B)に示すようにインデクスi+1(=6)で表されるサブバンド以降の平均パワーが上げられる。
ステップS19では、iに1を加算し、ステップS20では、iがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS2に戻り、N以上である場合には処理を終了する。
このように、本実施の形態におけるパワーエンベロープ修正部15では、高域サブバンドのうち最も低域のサブバンドから順に、現在のサブバンドの正弦波フラグF[i]と、隣接する低域側のサブバンドの正弦波フラグF[i−1]と、隣接する高域側のサブバンドの正弦波フラグF[i+1]とに応じて、パワーエンベロープを平坦化する。この結果、マルチプレクサ16におけるパワーエンベロープ情報の符号化効率が向上する。
なお、上述のようにパワーエンベロープ修正部15においてパワーエンベロープが平坦化されるのは高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合のみであり、正弦波が存在しない場合には、パワーエンベロープ修正部15は、受け取ったパワーエンベロープ情報をそのままマルチプレクサ16に供給する。すなわち、本実施の形態における信号符号化装置10は、高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かによって、パワーエンベロープ情報の符号化方法を切り替えることにより、パワーエンベロープ情報の符号化効率を向上させる。
次に、このようにして信号符号化装置10で生成された圧縮データを復号する信号復号装置の概略構成を図9に示す。図9に示すように、本実施の形態における信号復号装置20は、デマルチプレクサ21と、逆量子化/逆正規化/周波数変換部22〜22と、正弦波生成部23と、パワーエンベロープ復元部24と、高域生成部25と、正弦波付加部26〜26と、帯域合成部27とから構成されている。
デマルチプレクサ21は、入力した圧縮データを非多重化した後、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタと、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報及びパワーエンベロープ情報とを復号する。そして、デマルチプレクサ21は、第0〜第3の量子化スペクトル信号、量子化精度情報、及びスケールファクタを逆量子化/逆正規化/周波数変換部22〜22に供給し、正弦波情報を正弦波生成部23とパワーエンベロープ復元部24とに供給し、パワーエンベロープ情報をパワーエンベロープ復元部24に供給する。
逆量子化/逆正規化/周波数変換部22〜22は、第0〜第3の量子化スペクトル信号を、供給された量子化精度情報に対応する量子化ステップで量子化し、得られた第0〜第3の正規化スペクトル信号を、供給されたスケールファクタで逆正規化する。そして、逆量子化/逆正規化/周波数変換部22〜22は、得られた第0〜第3のスペクトル信号に対してIMDCT等の逆直交変換を行って時間領域の第0〜第3のサブバンド信号を生成し、この第0〜第3のサブバンド信号を高域生成部25と帯域合成部27とに供給する。
正弦波生成部23は、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報に基づいて正弦波を生成し、生成した正弦波を正弦波付加部26〜26に供給する。
パワーエンベロープ復元部24は、第4〜第7のサブバンドの正弦波情報に基づいて、符号化側で平坦化されたパワーエンベロープを復元し、復元後のパワーエンベロープ情報を高域生成部25に供給する。このパワーエンベロープ復元部24における処理の詳細については後述する。
高域生成部25は、第0〜第3のサブバンド信号に基づいて第4〜第7のサブバンド信号を生成する。具体的には、例えば米国特許第5,068,899号明細書に記載されている周波数エイリアシング法を用いて、第0〜第3のサブバンド信号を折り返すことにより第4〜第7のサブバンド信号を生成する。本実施の形態の場合、図10に示すように、第3のサブバンドで第0〜第3のサブバンド信号を折り返す。この結果、第0のサブバンド信号は第7のサブバンド信号となり、第1のサブバンド信号は第6のサブバンド信号となる。なお、第0〜第3のサブバンド信号に基づいて第4〜第7のサブバンド信号を生成する際の生成方法が周波数エイリアシング法に限定されるものではなく、例えば米国特許第466,730号明細書に記載されている周波数シフト法を用いても構わない。高域生成部25は、さらに、生成した第4〜第7のサブバンド信号のパワーを復元された第4〜第7のサブバンドのパワーエンベロープ情報に基づいて調整し、パワーが調整された第4〜第7のサブバンド信号を正弦波付加部26〜26に供給する。
正弦波付加部26〜26は、第4〜第7のサブバンド信号に正弦波を付加し、正弦波付加後の第4〜第7のサブバンド信号を帯域合成部27に供給する。
帯域合成部27は、第0〜第3のサブバンド信号と第4〜第7のサブバンド信号とを帯域合成し、得られた時系列信号を出力する。
上述したパワーエンベロープ復元部24における処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。なお、この図11では、クロスオーバー周波数よりも低域のサブバンドの数をMと表記し、全体のサブバンド数をNと表記する。本実施の形態の場合、M=4、N=8である。
先ずステップS31において、インデクスiをN−1に初期化することにより、高域サブバンドのうち最も高域のサブバンドから処理を開始する。
次にステップS32において、F[i]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“true”である場合にはステップS33に進み、“false”である場合にはステップS49に進む。ステップS33では、F[i−1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS34に進み、“true”である場合にはステップS35に進む。ステップS34では、F[i+1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS36に進んで第1のプロセスの処理を行い、“true”である場合にはステップS41に進んで第2のプロセスの処理を行う。同様にステップS35では、F[i+1]が“true”であるか“false”であるかを判別し、“false”である場合にはステップS45に進んで第3のプロセスの処理を行い、“true”である場合にはステップS49に進む。すなわち、現在のサブバンドの正弦波フラグF[i]と、隣接する低域側のサブバンドの正弦波フラグF[i−1]と、隣接する高域側のサブバンドの正弦波フラグF[i+1]とに応じて、第1〜第3のプロセスの何れかの処理を行うか、何も処理をしないかが決定される。
ステップS36からステップS40までは第1のプロセスの処理である。ステップS36では、j=i+1で表されるインデクスjを設定し、ステップS37では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]にP[i−1]/P[i]を乗算してパワーを修正する。そしてステップS38では、jに1を加算し、ステップS39では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS37に戻り、N以上である場合にはステップS40に進む。ステップS40では、インデクスiで表されるサブバンドの平均パワーP[i]を所定値A(A<1.0)で除算してパワーを修正する。このように、第1のプロセスでは、インデクスi+1で表されるサブバンド以降の平均パワーを下げると共に、インデクスiで表されるサブバンドの平均パワーを上げることにより、元のパワーエンベロープを復元する。
第1のプロセスにおける処理の一例を図12に示す。図12(A)に示すように、インデクスiがi=4であり、F[3]が“false”、F[4]が“true”、F[5]が“false”である場合、図12(B)に示すようにインデクスi+1(=5)で表されるサブバンド以降の平均パワーが下げられた後、図12(C)に示すようにインデクスi(=4)で表されるサブバンドの平均パワーが上げられる。
ステップS41からステップS44までは第2のプロセスの処理である。ステップS41では、j=iで表されるインデクスjを設定し、ステップS42では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]を所定値A(A<1.0)で除算してパワーを修正する。そしてステップS43では、jに1を加算し、ステップS44では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS42に戻り、N以上である場合にはステップS49に進む。このように、第2のプロセスでは、インデクスiで表されるサブバンド以降の平均パワーを上げることにより、元のパワーエンベロープを復元する。
第2のプロセスにおける処理の一例を図13に示す。図13(A)に示すように、インデクスiがi=4であり、F[3]が“false”、F[4]が“true”、F[5]が“true”である場合、図13(B)に示すようにインデクスi(=4)で表されるサブバンド以降の平均パワーが上げられる。
ステップS45からステップS48までは第3のプロセスの処理である。ステップS45では、j=i+1で表されるインデクスjを設定し、ステップS46では、インデクスjで表されるサブバンドの平均パワーP[j]を所定値G(G>1.0)で除算してパワーを修正する。そしてステップS47では、jに1を加算し、ステップS48では、jがN未満であるか否かを判別し、N未満である場合にはステップS46に戻り、N以上である場合にはステップS49に進む。このように、第3のプロセスでは、インデクスi+1で表されるサブバンド以降の平均パワーを下げることにより、元のパワーエンベロープを復元する。
第3のプロセスにおける処理の一例を図14に示す。図14(A)に示すように、インデクスiがi=5であり、F[4]が“true”、F[5]が“true”、F[6]が“false”である場合、図14(B)に示すようにインデクスi+1(=6)で表されるサブバンド以降の平均パワーが上げられる。
ステップS49では、iから1を減算し、ステップS50では、iがM未満であるか否かを判別し、M以上である場合にはステップS32に戻り、M未満である場合には処理を終了する。
このように、本実施の形態におけるパワーエンベロープ復元部24では、高域サブバンドのうち最も高域のサブバンドから順に、現在のサブバンドの正弦波フラグF[i]と、隣接する低域側のサブバンドの正弦波フラグF[i−1]と、隣接する高域側のサブバンドの正弦波フラグF[i+1]とに応じて、元のパワーエンベロープを復元する。
なお、上述のようにパワーエンベロープ復元部24において元のパワーエンベロープが復元されるのは高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合のみであり、正弦波が存在しない場合には、パワーエンベロープ復元部24は、受け取ったパワーエンベロープ情報をそのまま高域生成部25に供給する。すなわち、本実施の形態における信号復号装置20は、高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かによって、パワーエンベロープ情報の復号方法を切り替える。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上述の実施の形態では、第4〜第7のサブバンド信号のそれぞれについて平均パワーを計算してパワーエンベロープ情報を生成するものとして説明したが、符号化側で復号側と同様に第0〜第3のサブバンド信号に基づいて第4〜第7のサブバンド信号を生成し、この新たに生成した第4〜第7のサブバンド信号のパワーと元の第4〜第7のサブバンド信号のパワーとをサブバンド毎に比較し、新たに生成した第4〜第7のサブバンドのパワーを元の第4〜第7のサブバンド信号のパワーと一致させるためのパワー調整情報をパワーエンベロープ情報としても構わない。
また、上述の実施の形態では、サブバンド毎の平均パワーを対数パワー比に変換して符号化するものとして説明したが、対数パワー比に変換せず、平均パワーをそのまま符号化しても構わない。この場合であっても、パワーエンベロープを平坦化することにより、符号化効率が向上する。
また、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
本実施の形態における信号符号化装置の概略構成を示す図である。 ある時間フレームの各サブバンド及び各サブフレームの関係を示す図である。 あるサブフレームの時系列信号のパワースペクトラムとパワーエンベロープとを示す図である。 図3のようなパワーエンベロープが生成されたときの対数パワー比を示す図である。 信号符号化装置のパワーエンベロープ修正部における処理を説明する図である。 第1のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 第2のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 第3のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 図1に対応した信号復号装置の概略構成を示す図である。 周波数エイリアシング法を用いた帯域拡大の様子を模式的に示す図である。 信号復号装置のパワーエンベロープ復元部における処理を説明する図である。 第1のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 第2のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 第3のプロセスにおける処理の一例を示す図である。 低域信号の他に高域信号のパワーエンベロープ情報と正弦波情報とを符号化する信号符号化装置の概略構成を示す図である。 図15に対応した信号復号装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 信号符号化装置、11 帯域分割部、12〜12 周波数変換/正規化/量子化部、13 正弦波解析部、14 パワーエンベロープ生成部、15 パワーエンベロープ変換部、16 マルチプレクサ、20 信号復号装置、21 デマルチプレクサ、22〜22 逆量子化/逆正規化/周波数変換部、23 正弦波生成部、24 パワーエンベロープ復元部、25 高域生成部、26〜26 正弦波付加部、27 帯域合成部

Claims (19)

  1. 入力された時系列信号を符号化する信号符号化装置において、
    上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割手段と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析手段と、
    上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成手段と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正手段と、
    上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化手段と
    を備えることを特徴とする信号符号化装置。
  2. 上記パワーエンベロープ修正手段は、サブバンド毎の正弦波の有無に基づき、サブバンド毎にパワー情報を修正することを特徴とする請求項1記載の信号符号化装置。
  3. 上記パワーエンベロープ修正手段は、上記高域サブバンド信号の低域側のサブバンドから順に、自身のサブバンドにおける正弦波の有無と、低域側及び高域側に隣接するサブバンドにおける正弦波の有無とに基づいて、サブバンド毎にパワー情報を修正することを特徴とする請求項2記載の信号符号化装置。
  4. 上記パワーエンベロープ修正手段は、自身のサブバンドに正弦波が存在し、低域側及び高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身のサブバンドにおけるパワーを下げ、自身よりも高域側のサブバンドにおけるパワーを上げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項3記載の信号符号化装置。
  5. 上記パワーエンベロープ修正手段は、自身のサブバンド及び高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在し、低域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身のサブバンド以降のサブバンドにおけるパワーを下げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項3記載の信号符号化装置。
  6. 上記パワーエンベロープ修正手段は、自身のサブバンド及び低域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在し、高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身よりも高域側のサブバンドにおけるパワーを上げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項3記載の信号符号化装置。
  7. 上記パワーエンベロープ生成手段は、上記低域サブバンド信号から新たな高域サブバンド信号を生成し、該新たな高域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とのパワーをサブバンド毎に比較し、上記パワーエンベロープ情報を生成することを特徴とする請求項1記載の信号符号化装置。
  8. 入力された時系列信号を符号化する信号符号化方法において、
    上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析工程と、
    上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正工程と、
    上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化工程と
    を有することを特徴とする信号符号化方法。
  9. 入力された時系列信号を符号化する信号符号化処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析工程と、
    上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正工程と、
    上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化工程と
    を有することを特徴とするプログラム。
  10. 入力された時系列信号を符号化する信号符号化処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    上記時系列信号を複数のサブバンドに分割し、低域側の複数のサブバンドで構成される低域サブバンド信号と高域側の複数のサブバンドで構成される高域サブバンドとを生成する帯域分割工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在するか否かを解析し、正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報を生成する正弦波解析工程と、
    上記高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成するパワーエンベロープ生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号のパワーエンベロープを平坦化するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ修正工程と、
    上記低域サブバンド信号、上記正弦波情報、及び上記パワーエンベロープ情報を符号化して多重化し、圧縮データとして出力する多重化工程と
    を有することを特徴とするプログラムが記録された記録媒体。
  11. 入力された圧縮データを復号する信号復号装置において、
    上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化手段と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成手段と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元手段と、
    上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成手段と、
    上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成手段と
    を備えることを特徴とする信号復号装置。
  12. 上記パワーエンベロープ復元手段は、サブバンド毎の正弦波の有無に基づき、サブバンド毎にパワー情報を修正することを特徴とする請求項11記載の信号復号装置。
  13. 上記パワーエンベロープ修正手段は、上記高域サブバンド信号の高域側のサブバンドから順に、自身のサブバンドにおける正弦波の有無と、低域側及び高域側に隣接するサブバンドにおける正弦波の有無とに基づいて、サブバンド毎にパワー情報を修正することを特徴とする請求項12記載の信号復号装置。
  14. 上記パワーエンベロープ復元手段は、自身のサブバンドに正弦波が存在し、低域側及び高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身よりも高域側のサブバンドにおけるパワーを下げ、自身のサブバンドにおけるパワーを上げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項13記載の信号復号装置。
  15. 上記パワーエンベロープ復元手段は、自身のサブバンド及び高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在し、低域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身のサブバンド以降のサブバンドにおけるパワーを上げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項13記載の信号復号装置。
  16. 上記パワーエンベロープ復元手段は、自身のサブバンド及び低域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在し、高域側に隣接するサブバンドに正弦波が存在しない場合には、自身よりも高域側のサブバンドにおけるパワーを下げるように、パワー情報を修正することを特徴とする請求項13記載の信号復号装置。
  17. 入力された圧縮データを復号する信号復号方法において、
    上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元工程と、
    上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成工程と、
    上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成工程と
    を有することを特徴とする信号復号方法。
  18. 入力された圧縮データを復号する信号復号処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元工程と、
    上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成工程と、
    上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成工程と
    を有することを特徴とするプログラム。
  19. 入力された圧縮データを復号する信号復号処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    上記圧縮データを非多重化して復号し、低域サブバンド信号、高域サブバンド信号中の正弦波の有無と、正弦波が存在する場合には少なくともその周波数位置とを含む正弦波情報、及び高域サブバンド信号のサブバンド毎のパワー情報からなるパワーエンベロープ情報を生成する非多重化工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて正弦波を生成する正弦波生成工程と、
    上記高域サブバンド信号に正弦波が存在する場合に、上記正弦波情報に基づいて、上記高域サブバンド信号の元のパワーエンベロープを復元するよう上記パワーエンベロープ情報を修正するパワーエンベロープ復元工程と、
    上記低域サブバンド信号から高域サブバンド信号を生成し、該高域サブバンド信号のパワーエンベロープを上記パワーエンベロープ情報に基づいて調整する高域生成工程と、
    上記低域サブバンド信号と上記高域サブバンド信号とを合成し、時系列信号として出力する帯域合成工程と
    を有することを特徴とするプログラムが記録された記録媒体。
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