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JP2007186192A - 乗員保護装置 - Google Patents

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JP2007186192A
JP2007186192A JP2006329762A JP2006329762A JP2007186192A JP 2007186192 A JP2007186192 A JP 2007186192A JP 2006329762 A JP2006329762 A JP 2006329762A JP 2006329762 A JP2006329762 A JP 2006329762A JP 2007186192 A JP2007186192 A JP 2007186192A
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occupant
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JP2006329762A
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Inventor
Naoki Takemura
直樹 武村
Koji Ikeda
康二 池田
Hiroyuki Hirayama
広行 平山
Takashi Nakamura
隆 中村
Hiroyuki Isayama
博之 諫山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】乗員保護装置の乗員保護性能を高めるとともに、乗員保護装置の軽量化及びコストの低減化を図ることを課題とする。
【解決手段】車両10の窓31,32,33の上縁31a,32a,33aに沿って折り畳み状態で配置されるとともに、窓31,32,33に沿って車室12にカーテン状に展開可能な、乗員28,29を保護するための展開部61を備えた乗員保護装置40であって、展開部61を車体11に取付ける複数の取付点のうち、窓31,32,33に対し、前方に配置された取付点Q1と後方に配置された取付点Q2の、2点を結ぶテンションラインTeは、2点Q1,Q2間で展開部61が張っている状態となる位置であり、窓31,32,33の下縁31,32,33aよりも下方に位置している。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の側部へ衝撃力を受けたときに、乗員を保護するための展開部を、車室の側部にカーテン状に展開させて窓を覆うようにした、乗員保護装置に関する。
乗員保護装置の中には、外部から車両の側部へ衝撃力を受けたときに、特に乗員の頭部の保護性能を高めるものがある。この乗員保護装置は、折り畳まれた状態の展開部が、車両のルーフから窓の上縁にかけた位置に配置されている。展開部は、衝撃力を緩和することが可能な部材である。この種の乗員保護装置としては、サイドカーテンエアバッグ装置が知られている。
サイドカーテンエアバッグ装置は、車体に所定の衝撃力を受けたときに、サイドカーテンエアバッグを窓に沿わせて展開させるとともに、所定の部分を膨張させるものである。サイドカーテンエアバッグは、カーテン状に展開するので、展開部の一種であると、言える。この種のサイドカーテンエアバッグ装置は、各種知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−138857号公報(第7頁、図1)
特許文献1の技術の概要を、図6に基づいて説明する。
図6は従来の乗員保護装置の説明図である。
図6に示すように、従来のサイドカーテンエアバッグ装置220(乗員保護装置)は、車体221のルーフ222の側縁に収納されているサイドカーテンエアバッグ223(展開部)を、前の窓228及び後の窓229に沿わせて車室にカーテン状に展開させるものである。エアバッグ223の前端は、前支持部224によってフロントピラー225の下部に取り付けられている。エアバッグ223の後端は、後支持部226によってルーフレール227の後部に取り付けられている。前支持部224及び後支持部226は、前の窓228の下縁228a及び後の窓229の下縁229aよりも、上方に配置されている。
前支持部224と後支持部226とを結ぶテンションラインTLは、前下がりに傾斜した線であって、前の窓228及び後の窓229に臨んでいる。図6に示すように、エアバッグ223は、展開されたときに、テンションラインTLに沿って、2点224,226間で、車体221の前後方向に張っている状態になる。
展開されたエアバッグ223のうち、テンションラインTLから下方の下半部223aは車体221に接していない。このため、下半部223aは、上半部223bに比べて、車幅方向に弛み易い。
これに対して、下半部223aにおける乗員の保護性能を、より高めるためには、車体221の前後方向にエアバッグ223が張っている状態となるための張力を、増すことが考えられる。しかし、張力を増すには、前支持部224や後支持部226を一層強固な構成にする必要がある。これでは、サイドカーテンエアバッグ装置220の重量の増加やコストアップの要因となる。
そこで、乗員保護装置の乗員保護性能を高めるとともに、乗員保護装置の軽量化及びコストの低減化を図ることができる技術が望まれている。
請求項1に係る発明は、車両の窓の上縁に沿って折り畳み状態で配置されるとともに、前記窓に沿って車室にカーテン状に展開可能な、乗員を保護するための展開部を備えた乗員保護装置であって、前記展開部を車体に取付ける複数の取付点のうち、前記窓に対し、前方に配置された取付点と後方に配置された取付点の、2点を結ぶテンションラインは、前記2点間で前記展開部が張っている状態となる位置であり、前記窓の下縁よりも下方に位置していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記展開部が展開されたときに、前記展開部の下縁は、ほぼ前記テンションラインに位置することを特徴とする。
請求項1に係る発明では、テンションラインが、窓の下縁よりも下方に位置するので、展開部は、カーテン状に展開された状態において、窓の上縁から下縁までの全域にわたって、覆うことができる。さらに、展開された状態の展開部は、窓の下縁よりも下方の2点間において、張っている状態になる。
このように、展開部の下部は、車体の前後方向へ張っている状態になるとともに、車体に接しているので、車室から外側へ向かって弛まない。展開部は、全体にわたって、ほぼ均一に乗員保護性能を発揮する。この結果、乗員保護装置の乗員保護性能を一層高めることができる。
さらにまた、展開部は車室から外側へ向かって弛まない。このため、展開部が車体の前後方向に張っている状態となるための張力を、極度に大きく設定する必要はない。張力が小さくてすむので、前後2点の部分の強度を、低減することができる。このため、乗員保護装置の乗員保護性能を高めるとともに、乗員保護装置の軽量化及びコストの低減化を図ることができる。安価な乗員保護装置であるから、多種の車両(安価な車両を含む、)に搭載することができる。このため、乗員保護装置を普及させることができる。
請求項2に係る発明では、展開部が展開されたときに、展開部の下縁は、ほぼテンションラインに位置する。
このため、窓の下縁よりも下方に位置するテンションラインに対して、展開部は下方へ乗員を保護するのに必要な最小限の寸法だけ延びている。最小の展開部によって、各窓の全体を覆うことができる。展開部が小型になるので、乗員保護装置を小型にすることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る乗員保護装置を装備した車両を説明する図であり、図2は図1に示された乗員保護装置が作動する前の車室の斜視図である。
図1は、乗員保護装置40が装備された車両10を示している。図1及び図2に示すように、車両10は、モノコックボディの車体11を有し、車室12に前後2つの座席26,27、つまり、前部座席26と後部座席27を備えている。前部座席26は、運転者などの乗員28が着座するものであり、後部座席27は、乗員29が着座するものである。 さらに、車室12は、前方にインストルメントパネル25を有する。
車体11は、前部のフロントピラー35と、中間部のセンタピラー36と、後部のリヤピラー37と、各ピラー35,36,37の上端に結合されたルーフサイドレール38とを、有している。ルーフサイドレール38は、車体11の前後に細長い部材であって、ルーフ24を支えるものである。つまり、ルーフサイドレール38は、ルーフ24の側縁に沿って設けられている。
さらに、車体11は、フロントピラー35とセンタピラー36との間の開口部に、フロントサイドドア18が設けられ、また、センタピラー36とリヤピラー37との間の開口部に、リヤサイドドア19が設けられている。
図2に示すように、フロントサイドドア18は、前部座席26に隣接して配置され、上半分に窓31を有する。リヤサイドドア19は、後部座席27に隣接して配置され、上半分に窓32とクォータ窓33を有する。
図2に示すように、乗員保護装置40は、ルーフサイドレール38に設置されている。詳しく述べると、乗員保護装置40は、収納された状態(折り畳み状態または巻かれた状態)のサイドカーテンエアバッグ41が、ルーフ24の側縁に沿うように、つまり、車体11の窓31,32,33の上縁31a,32a,33aに沿うように、取り付けられたものである。サイドカーテンエアバッグ41のことを、以下、単に「エアバッグ41」と言う。
乗員保護装置40は、車両10の側部に一定以上の衝撃力を受けたときに、インフレータ42からガスを発生し、このガスをエアバッグ41に供給することにより、エアバッグ41が各窓31,32,33に沿って車室12側へ膨張するものである。このような乗員保護装置40は「サイドカーテンエアバッグ装置」と言われている。
車室12内に展開したエアバッグ41は、各窓31,32,33を覆うとともに、各座席26,27に座っている乗員28,29に作用する衝撃を円滑に吸収することによって、乗員28,29を保護することができる。
インフレータ42(ガス供給源42)は、ガスを発生するインフレータ本体44と、インフレータ本体44と一体の取付ブラケット46とからなる。インフレータ本体44は、エアバッグ41のガス導入部45(図3参照)に接続されている。インフレータ42が発生したガスは、ガス導入部45の側面からエアバッグ41内に導かれる。インフレータ本体44の取付ブラケット46は、リヤピラー37に4本のボルト48によって取付けられている。
次に、エアバッグ41を詳細に説明する。
図3は図2に示されたサイドカーテンエアバッグの展開状態を示す図であり、図4は図1に示された乗員保護装置が作動した後の車室の斜視図である。
図3は、展開された状態のエアバッグ41を示している。図4は、車室12内に展開された状態のエアバッグ41を示している。エアバッグ41は、例えば、気密性を有した布などの柔軟性を有したシートの、組み合わせ構造からなる。このエアバッグ41は、インフレータ42からガスを導入するガス導入部45と、各窓31,32,33(図4参照)をカーテン状に覆う展開部61とからなる。
展開部61は、各窓31,32,33に沿って車室12にカーテン状に展開可能な、シート状の部材であって、乗員28,29を保護するものである。この展開部61は、展開されたときにガスの圧力によって膨張する、前後2つの膨張部70A,70Bを備える。この2つの膨張部70A,70Bは、車幅方向(図3の紙面において表裏方向)に膨張可能である。第1の膨張部70Aは、展開部61の前半の部分に配置される。第2の膨張部70Bは、展開部61の後半の部分に配置される。
第1の膨張部70Aは、1つの乗員保護用膨張部71と、2つの内圧調整用膨張部73,75とからなる。
第1の乗員保護用膨張部71は、第1の膨張部70Aのうち、前部座席26(乗員28の着座位置26)に臨む位置で膨張する部分である。この第1の乗員保護用膨張部71は、前から後へ前室71aと中間室71bと後室71cの順に1列に配列された、3つの室からなる。これらの3つの室71a,71b,71c同士は、上部の位置において互いに連通している。
2つの内圧調整用膨張部73,75は、第1の乗員保護用膨張部71の内圧を調節するものであって、第1の乗員保護用膨張部71の前後に配列されている。より具体的に例示すると、第1の内圧調整用膨張部73は、前部座席26に着座した乗員28(特に上半身)よりも前方に位置するように、配置されている。第2の内圧調整用膨張部75は、前部座席26と、後部座席27に着座した乗員29(特に上半身)との間に、位置するように、配置されている。このため、2つの内圧調整用膨張部73,75は、着座位置26から離れた位置において、膨張可能である。
第1の内圧調整用膨張部73は、前室71aの前に隣接するように配置され、前側の連通路72を介して第1の乗員保護用膨張部71だけに、常に連通している。前側の連通路72(縮径部72)は、前室71aの下側を通って、中間室71bと第1の内圧調整用膨張部73とを連通するものであり、ガスの流量を制限するために径が絞られている(比較的、小径に設定されている)。
第2の内圧調整用膨張部75は、後室71cの後に隣接するように配置され、中間の連通路74を介して第1の乗員保護用膨張部71だけに、常に連通している。中間の連通路74(縮径部74)は、後室71cの下側を通って、中間室71bと第2の内圧調整用膨張部75とを連通するものであり、ガスの流量を制限するために径が絞られている。
第2の膨張部70Bは、1つの乗員保護用膨張部76と、1つの内圧調整用膨張部78とからなる。
第2の乗員保護用膨張部76は、第2の膨張部70Bのうち、後部座席27(乗員29の着座位置27)に臨む位置で膨張する部分である。この第2の乗員保護用膨張部76は、前から後へ前室76aと後室76bの順に1列に配列された、2つの室からなる。これらの2つの室76a,76b同士は、上部の位置において互いに連通している。
第3の内圧調整用膨張部78は、第2の乗員保護用膨張部76の内圧を調節するものであって、第2の乗員保護用膨張部76の前に配列されている。つまり、第3の内圧調整用膨張部78は、前室71aの前に隣接している。より具体的に例示すると、第3の内圧調整用膨張部78は、前部座席26と、後部座席27に着座した乗員29(特に上半身)との間に、位置するように、配置されている。このため、第3の内圧調整用膨張部78は、着座位置27から離れた位置において、膨張可能である。
この第3の内圧調整用膨張部78は、第2の内圧調整用膨張部75と前室71aとの間に配置され、後側の連通路77を介して第2の乗員保護用膨張部76だけに、常に連通している。後側の連通路77(縮径部77)は、前室76aの下側を通って、後室76bと第3の内圧調整用膨張部78とを連通するものであり、ガスの流量を制限するために径が絞られている。
ところで、ガス導入部45は、第1導入部45aと第2導入部45bとからなる。第1導入部45aは、インフレータ42から第2の乗員保護用膨張部76にガスを導入する、パイプ状の連通管からなる。第2導入部45bは、インフレータ42から第1導入部45aを介して、第1の乗員保護用膨張部71にガスを導入する、パイプ状の連通管からなる。
図3及び図4に示すように、展開部61は、複数の上取付部52と1つの前取付部62と1つの後取付部63とを、備えている。複数の上取付部52は、展開された展開部61の上部から上方へ延ばされた、取付け片からなり、ルーフサイドレール38に沿って配列されている。これらの上取付部52は、それぞれボルト54によってルーフサイドレール38に取付けられている。
前取付部62は、展開された展開部61の下端における前部から前方へ延ばされた、取付け片からなる。後取付部63は、展開された展開部61の下端における後部から後方へ延ばされた、取付け片からなる。
図5は図3に示されたサイドカーテンエアバッグの展開状態を示す模式図である。
図4及び図5に示すように、前取付部62は、前の取付点Q1において、車体11に上下スイング可能に取り付けられている。前の取付点Q1は、窓31,32,33の前方に、且つ、窓31,32,33の下縁31b,32b,33bよりも下方に配置されている。
後取付部63は、後の取付点Q2において、車体11に上下スイング可能に取り付けられている。後の取付点Q2は、窓31,32,33の後方に且つ窓31,32,33の下縁31b,32b,33bよりも下方に配置されている。取付点Q1に対して、取付点Q2は概ね同じ高さに配置されることが好ましい。
このように、展開部61は、前取付部62による前の取付点Q1と、後取付部63による後の取付点Q2と、複数の上取付部52による各取付点Q3(図5参照)とにおいて、車体11に取付けれらている。複数の取付点Q1,Q2,Q3のうち、窓31,32,33に対し、前方に配置された取付点Q1と後方に配置された取付点Q2との、少なくとも2点Q1,Q2を結ぶ直線Teのことを、「テンションラインTe」と言う。
このテンションラインTeは、2点Q1,Q2間で展開部61が張っている状態となる位置である。テンションラインTeは、窓31,32,33の下縁31b,32b,33b(下側の縁)よりも下方に位置しており、概ね水平である。なお、テンションラインTeは、下縁31b,32b,33bの近傍に設けられることが、好ましい。
このように、テンションラインTeが、窓31,32,33の下縁31b,32b,33b(下側の縁)よりも下方に位置するので、展開部61は、カーテン状に展開された状態において、窓31,32,33の上縁31a,32a,33aの(上側の縁)から下縁31b,32b,33bまでの全域にわたって、覆うことができる。さらに、展開された状態の展開部61は、窓31,32,33の下縁31b,32b,33bよりも下方の2点Q1,Q2間において、張っている状態になる。
このように、展開部61における下縁61aの部分は、車体11の前後方向へ張っている状態になるとともに、車体11(窓31,32,33を備えたドア18,19を含む)に接しているので、車室12から外側へ向かって弛まない。展開部61は、全体にわたって、ほぼ均一に乗員保護性能を発揮する。この結果、乗員保護装置40の乗員保護性能を一層高めることができる。
さらにまた、展開部61は車室12から外側へ向かって弛まない。このため、展開部61が車体11の前後方向に張っている状態となるための張力を、極度に大きく設定する必要はない。張力が小さくてすむので、前後2点Q1,Q2の部分の強度を、低減することができる。このため、乗員保護装置40の乗員保護性能を高めるとともに、乗員保護装置40の軽量化及びコストの低減化を図ることができる。安価な乗員保護装置40であるから、多種の車両(安価な車両を含む、)に搭載することができる。このため、乗員保護装置40を普及させることができる。
ここで、前後2点Q1,Q2の部分とは、前後の取付部62,63、取付部62,63を取付けるボルト等の部材、及び、車体11のうち取付部62,63を取付ける部分のことである。
さらに、展開部61が展開されたときに、展開部61の下縁61aは、ほぼテンションラインTeに位置する。なお、下縁61aは、テンションラインTeよりも下方に、且つ、テンションラインTeの近傍に形成されることが、好ましい。
このため、窓31,32,33の下縁31b,32b,33bよりも下方に位置するテンションラインTeに対して、展開部61は下方へ乗員28,29を保護するのに必要な最小限の寸法だけ延びている。最小の展開部61によって、各窓31,32,33の全体を覆うことができる。展開部61が小型になるので、乗員保護装置40を小型にすることができる。
次に、エアバッグ41が展開される前の、収納状態について説明する。
図2に示すように、展開される前のエアバッグ41は、折り畳まれた状態の展開部61(図3参照)とガス導入部45(図3参照)とが、筒状カバー49の中に収納されたものである。筒状カバー49は、複数のストラップ51で束ねられている。
筒状カバー49と複数のストラップ51は、エアバッグ41が膨出して展開する際に、エアバッグ41自体が展開する力によって、破断できるように、例えば、破断させる部位にミシン目(図示せず)などが形成されている。
次に、乗員保護装置40の作用について説明する。
図2に示す車両10の側部に一定以上の衝撃力を受けたときに、インフレータ42はガスを発生し、このガスをエアバッグ41に供給する。この結果、折り畳まれている展開部61は、図3及び図4に示すように、各窓31,32,33に沿って車室12側へ展開して、乗員28,29を保護する。
展開部61におけるガスの流れについては、図3に示すことができる。インフレータ42が発生したガスは、矢印a1,a2のように、第1導入部45a及び第2導入部45bから、前後の乗員保護用膨張部71,76に導入される。
第2導入部45bから導入されたガスは、矢印a3,a4,a5のように、第1の乗員保護用膨張部71の前室71a、中間室71b及び後室71cに、それぞれ流れる。この結果、第1の乗員保護用膨張部71は膨張して、車室12内に展開する。
このときに、中間室71bのガスは、矢印a6のように、前側の連通路72を通って、前方の内圧調整用膨張部73へ少しずつ流入する。さらに、中間室71bのガスは、矢印a7のように、中側の連通路74を通って、後方の内圧調整用膨張部75へ少しずつ流入する。この結果、前後の内圧調整用膨張部73,75は、第1の乗員保護用膨張部71の膨出が開始したときから、徐々に膨張する。
一方、第1導入部45aから導入されたガスは、矢印a9のように、第2の乗員保護用膨張部76の前室76aに流れるとともに、矢印a10のように、前室76aから後室76bに流れる。この結果、第2の乗員保護用膨張部76は膨張して、車室12内に展開する。このときに、後室76bのガスは、矢印a11のように、第3の連通路72を通って、前方の内圧調整用膨張部78へ少しずつ流入する。この結果、内圧調整用膨張部78は、第2の乗員保護用膨張部76の膨出が開始したときから、徐々に膨張する。
このように、展開部61は膨張部70A,70Bを備えている。ガスの圧力により膨張した膨張部70A,70Bによって、乗員28,29を保護する性能を、一層増すことができる。
その後、例えば、膨張した第1の乗員保護用膨張部71に乗員28が当たることによって、第1の乗員保護用膨張部71の内圧は急増する。上述のように、第1の乗員保護用膨張部71は、内圧調整用膨張部73,75だけに連通している。第1の乗員保護用膨張部71のガスは、連通路72,74を介して、内圧調整用膨張部73,75だけに流出する。このため、第1の乗員保護用膨張部71の内圧は、減少するものの、乗員28を保護することが可能な一定以上の圧力に、維持される。
しかも、連通路72,74の径が絞られているので、第1の乗員保護用膨張部71の内圧は、比較的緩やかに減少する。このため、第1の乗員保護用膨張部71の内圧の急激な変化を抑制することができる。
第1の乗員保護用膨張部71は、乗員28を保護することが可能な内圧を、比較的長時間にわたって十分に保持する。この結果、第1の乗員保護用膨張部71は、乗員28を包み込むように受け止めることができ、乗員28が受ける衝撃を、より一層円滑に吸収することができる。
このことは、膨張した第2の乗員保護用膨張部76に乗員29が当たった場合も、同様である。
また、内圧調整用膨張部73,75,78は、着座位置26,27から離れた位置において、膨張可能である。内圧調整用膨張部73,75,78が膨張するときに、膨張することを乗員28,29によって規制されることはない。このため、第1の乗員保護用膨張部71のガスは、内圧調整用膨張部73,75,78に容易に流出する。この結果、内圧調整用膨張部73,75は、乗員保護用膨張部71,76の内圧を、十分に調節することができる。
なお、連通路72,74,77の孔径を最適なものに設定することによって、乗員保護用膨張部71,76の内圧を調節することができる。この結果、乗員保護用膨張部71,76による衝撃力の吸収量を調整することができる。
本発明に係る乗員保護装置40において、乗員保護用膨張部71,76に設ける内圧調整用膨張部73,75,78の個数は任意である。
また、必要に応じて乗員保護用膨張部71,76を増加・削減することを妨げるものではなく、展開部61に乗員保護用膨張部71,76及び内圧調整用膨張部73,75,78を形成しない装置であってもよい。
本発明に係る乗員保護装置40は、図5に示すように、前後の取付点Q1,Q2の2点を結んだ線を、展開部61を車体前後方向に引張るテンションラインTeとしたが、これに限るものではなく、取付点を複数個(3個以上)設けた場合には、テンションラインは取付点のうち少なくとも2点を結んだ線であればよい。
本発明に係る乗員保護装置40は、ワゴンやセダンなどの乗用車のサイドカーテンエアバッグに採用するのに好適である。
本発明に係る乗員保護装置を装備した車両を説明する図である。 図1に示された乗員保護装置が作動する前の車室の斜視図である。 図2に示されたサイドカーテンエアバッグの展開状態を示す図である。 図1に示された乗員保護装置が作動した後の車室の斜視図である。 図3に示されたサイドカーテンエアバッグの展開状態を示す模式図である。 従来の乗員保護装置の説明図である。
符号の説明
10…車両、11…車体、31,32,33…窓、31a,32a,33a…上縁、31b,32b…下縁、40…乗員保護装置、61…展開部、61a…下縁、Q1,Q2…前後の取付点、Te…テンションライン。

Claims (2)

  1. 車両の窓の上縁に沿って折り畳み状態で配置されるとともに、前記窓に沿って車室にカーテン状に展開可能な、乗員を保護するための展開部を備えた乗員保護装置であって、
    前記展開部を車体に取付ける複数の取付点のうち、前記窓に対し、前方に配置された取付点と後方に配置された取付点の、2点を結ぶテンションラインは、前記2点間で前記展開部が張っている状態となる位置であり、前記窓の下縁よりも下方に位置していることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記展開部が展開されたときに、前記展開部の下縁は、ほぼ前記テンションラインに位置することを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
JP2006329762A 2005-12-15 2006-12-06 乗員保護装置 Pending JP2007186192A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009040265A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Toyota Motor Corp 頭部保護エアバッグ装置
US8628112B2 (en) 2010-11-18 2014-01-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Curtain air bag system

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