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JP2007181775A - 金属異物除去方法 - Google Patents

金属異物除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の金属異物除去方法では除去できなかった、より微細な金属異物を除去することができる金属異物除去方法を提供する。
【解決手段】磁性体からなり表面がクロマイジング処理された球状体1を、筒状体2の内部空間に積層状態で充填し、その球状体1充填空間に磁界を発生させて上記球状体1を磁化させるとともに、上記筒状体2を断続的ないし連続的に振動させた状態で、金属異物が混入している半導体封止材用原材料を上記球状体1充填空間に通すことにより、上記金属異物を上記球状体1に磁力で吸着させ除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉粒体の中に混入している金属異物を、電磁石を利用して除去する金属異物除去方法に関するものである。
一般に、半導体装置は、金属リードフレーム上に素子(半導体チップ)が実装され、外部との導通を図るために、上記素子と上記リードフレームのインナーリードとが、金属ワイヤーをボンディングすることにより、接続されている。さらに、上記素子およびリードフレームは、エポキシ樹脂組成物等の半導体封止材で封止されている。
そして、最近は、電化製品や携帯電話等の高性能化が進んできており、半導体装置においても、小形化,薄形化,高性能化が要請されている。このように、小形高性能化が進むと、半導体装置内部の金属ワイヤーのピッチが狭くなり、最新の半導体装置では、金属ワイヤーのピッチが100μm弱のものもある。この金属ワイヤーのピッチは、半導体装置の小形高性能化に伴って、狭まりつつある。
一方、上記半導体封止材を製造する際には、まず、複数種類の原材料を混合することが行われるが、それら原材料(特に充填剤)に、その製造過程で金属製機器から生じる微細な金属異物が混入していることが多い。このような金属異物が混入した原材料を用いて半導体封止材を製造し、その半導体封止材を用いて上記素子等を封止すると、上記のような狭ピッチの半導体装置では、上記金属異物が金属ワイヤー間等に挟まり、ショートを引き起こす。
そこで、上記金属異物の混入を阻止するために、これまで、上記半導体封止材の製造工程において、磁石を利用したドラム型金属選別回収装置により、上記金属異物の除去を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、他の方法として、筒状体の内部空間に、スリット状の磁性体フィルタをそのスリットの方向を互いに変えて複数積層したスリット状積層フィルタを形成し、上記筒状体の外周部に巻回された電界発生用コイルに通電することにより磁界を発生させて上記スリット状積層フィルタを磁化させ、その状態で、上記半導体封止材用原材料を上記スリット状積層フィルタに通し、その半導体封止材用原材料に混入している微細な金属異物を上記スリット状積層フィルタの各スリット状磁性体フィルタに磁力で吸着させ除去する方法が行われている。
特開平9−173890号公報
しかしながら、上記ドラム型金属選別回収装置による除去方法では、大きなサイズの金属異物の除去は可能だが、微細な(直径約100μm以下)金属異物の除去は充分に行うことはできない。また、上記スリット状積層フィルタを磁化させて行う除去方法では、上記ドラム型金属選別回収装置による除去方法よりも、微細な金属異物の除去性能に優れるものの、上記スリット状積層フィルタ内の通路が1次元的であるため、より微細な金属異物が各スリット状磁性体フィルタに接することなく通過することがあり、これが大きな問題となっている。このように、これまでは、半導体装置の小形高性能化に伴う、金属ワイヤーの狭ピッチ化に対応した、より微細な金属異物の除去が不充分である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、従来の金属異物除去方法では除去できなかった、より微細な金属異物を除去することができる金属異物除去方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の金属異物除去方法は、磁性体からなり表面がクロマイジング処理された複数の球状体を、通路の中途部に積層状態で充填し、その球状体充填空間に磁界を発生させて上記球状体を磁化させるとともに、上記通路を断続的ないし連続的に振動させた状態で、金属異物が混入している粉粒体を、上記通路における球状体間の隙間に通すことにより、上記金属異物を上記球状体に磁力で吸着させ除去するという構成をとる。
本発明者らは、より微細な金属異物を除去すべく、磁性体フィルタのエレメントに着目し、研究を重ねた。その過程で、磁性体フィルタのエレメントとして、磁性体からなる球状体(例えば鉄球)を複数用い、それら球状体を、金属異物除去の処理対象となる粉粒体が通る通路(例えば筒状体の内部空間)の中途部に充填し、そして、その球状体充填空間に磁界を発生させて上記球状体を磁化させると、球状体同士の接点において、磁力が特に大きくなり、しかも、その磁力は、同じ磁界発生条件において、従来の上記スリット状積層フィルタよりも大きくなるという知見を得た。さらに、上記球状体が上記通路の内部空間で密に詰まった状態(積層された状態)にあると、球状体同士の接点部分(磁力が特に大きい部分)は、3次元的に配置され、球状体間の隙間からなる通路も、3次元的に形成されるため、球状体間の隙間を積層方向に通る粉粒体は、磁化された球状体の表面および球状体同士の接点部分(磁力が特に大きい部分)に必然的に接するようになる。その結果、これまで除去できなかった、より微細な金属異物を除去できるという知見を得た。
また、上記球状体をエレメントとした磁性体フィルタ(球状体を積層した部分)に、連続的に粉粒体を通すと、その粉粒体が球状体間の隙間で詰まり易い。それを解消する目的で、上記筒状体等の通路を振動させて、粉粒体を通し易くすると、今度は球状体同士が擦れて金属粉が発生し、これが新たな金属異物になるという問題が生じた。そこで、本発明者らは、上記球状体の表面をクロマイジング処理すると、球状体の表面に硬化層が形成され、球状体同士が擦れても金属粉の発生がなくなり、しかも磁力の作用も維持できることを見出し、本発明に到達した。
本発明の金属異物除去方法では、磁性体からなる球状体を通路の中途部に積層状態で充填し、その球状体充填空間に磁界を発生させて上記球状体を磁化させている。これにより、球状体同士の接点部分において、磁力を特に大きくすることができる。しかも、上記球状体が積層状態で充填されているため、その球状体充填空間を通る粉粒体は、磁化された球状体の表面および球状体同士の接点部分(磁力が特に大きい部分)に必然的に接するようになる。これにより、従来除去できなかった、より微細な金属異物を球状体に磁力で吸着させて除去できる。また、本発明の金属異物除去方法では、上記通路を断続的ないし連続的に振動させた状態で、粉粒体を上記球状体間の隙間に通すため、粉粒体がその隙間で詰まらない。しかも、上記球状体の表面はクロマイジング処理により硬化されているため、上記通路の振動により球状体同士が擦れても、球状体からは金属粉が発生せず、しかも磁力の作用も維持することができる。
特に、上記金属異物が混入している粉粒体が、半導体封止材用原材料である場合には、本発明の金属異物除去方法により、従来除去できなかった、より微細な金属異物が除去された半導体封止材用原材料を得ることができる。そして、この得られた半導体封止材用原材料を用いて製造された半導体封止材は、金属ワイヤーが狭ピッチ化した半導体装置の封止に使用されても、ショートを充分に防止することができる。ここで、より微細な金属異物とは、平均直径25〜75μmの大きさ(金属異物の最も長いところを測定)の金属異物をいう。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。但し、本発明は、これに限定されるわけではない。
本発明の金属異物除去方法は、後で説明する特殊な球状体をエレメントとした磁性体フィルタに磁界を作用させることにより、各球状体(磁性体フィルタ)を磁化させる(電磁石にする)とともに、上記磁性体フィルタに振動を断続的ないし連続的に与えた状態で、上記磁性体フィルタに粉粒体を通し、その粉粒体に混入している金属異物を、上記球状体(磁性体フィルタ)に磁力で吸着させる方法である。特に、3次元的に配置された、上記球状体同士の接点部分においては、それ以外の球状体表面よりも磁力が大きくなり、より微細な金属異物を確実に吸着させることができる。
このような本発明の金属異物除去方法を実現させるためには、例えば、図1に模式的に示すような金属異物除去装置が用いられる。この金属異物除去装置は、垂直に立設された筒状体2を備えており、その筒状体2の内部空間(通路)には、上記球状体(後で説明する特殊な球状体)1が密に詰まった状態(積層状態)で充填されている。この積層充填された多数の球状体1は、上記筒状体2の内部空間に設けられた支持板2aにより下方から支持されている。この支持板2aには、多数の貫通孔(図示せず)が形成されており、各貫通孔の大きさは、上記球状体1の直径よりも小さく、粉粒体の粒径よりも大きく設定されている。また、上記筒状体2の外周部には、球状体1充填空間に磁界を発生させる磁界発生用コイル3が巻回されており、この磁界発生用コイル3は、直流電源(図示せず)に接続されている。さらに、上記筒状体2の外周部には、筒状体2を左右上下に振動させる加振装置4が設置されている。また、上記筒状体2の下方には、球状体1充填空間(球状体1が積層されてなる磁性体フィルタ)を通過した粉粒体を収容する容器5が備えられている。なお、上記筒状体2の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、非磁性の金属や樹脂等があげられる。
より詳しく説明すると、上記特殊な球状体1は、磁性体からなり、その表面には、クロマイジング処理により、硬化層が形成されている。そして、この硬化層のため、筒状体2を振動させた際に球状体1同士が擦れても、金属粉が発生しないようになっている。上記磁性体としては、磁性体として通常用いられている金属であれば、特に限定されないが、クロマイジング処理を容易にできる観点から、高炭素クロム鋼材(SUJ−2),冷間圧造用炭素鋼(SWRCM10),マルテンサイト系ステンレス(SUS440C)等が好ましい。
上記クロマイジング処理は、磁性体等の処理対象物に対するクロム(Cr)の拡散浸透処理のことであり、例えば、つぎのようにして行われる。すなわち、処理対象物である上記球状体1を、クロム(Cr)粉,酸化アルミニウム(Al2 3 )粉および塩化アンモニウム(NH4 Cl)粉からなる調合剤とともに鋼製ケース内に入れて密封し、その鋼製ケース内に水素(H2 )ガスまたはアルゴン(Ar)ガスを通しながら、炉内にて900〜1100℃に加熱することにより行われる。
すなわち、上記クロマイジング処理は、下記の化学反応式(1)〜(3−1),(3−2)に示されるように、Crは、HClと反応してCrCl2 (蒸気)となり、これが上記球状体1の表面でH2 により還元され、析出したCrが拡散浸透したり、上記球状体1の成分Me(金属元素)と置換反応してCrが拡散浸透したりする。
Figure 2007181775
例えば、中〜高炭素鋼や鋳鉄等の磁性体からなる上記球状体1にクロマイジング処理を行うと、表面に形成される上記硬化層は、厚み10〜40μmの範囲内、硬度1400〜1800mHvの範囲内の、摺動性が良好な(FeCr)炭化物層に形成され、耐摩耗性が向上したものとなっている。
また、上記球状体1の形状は、真球であることが好ましいが、球状体1を積層させた状態で球状体1間に粉粒体が通る隙間を形成することができれば、真球を変形させた形状でもよく、例えば、楕円球等でもよいし、また、内部が中空に形成された球殻状であってもよい。そして、上記球状体1の大きさは、特に限定されないが、その設定にはつぎのことを考慮する必要がある。すなわち、球状体1の直径が大きくなるにつれて、球状体1間の隙間が大きくなり、粉粒体が通り易くなるものの、球状体1の単位積層厚みあたりの、3次元的に配置された、球状体1同士の接点部分(磁力が特に大きくなる部分)の数が少なくなり、金属異物の吸着性が低下する傾向にある。このことを考慮すると、例えば、半導体封止材用原材料(粉粒体)を処理する場合、より微細な金属異物を確実に除去できるとともに歩留りが高くなる観点から、上記球状体1の直径は10〜15mmの範囲内に設定することが好ましい。なお、この直径は、上記球状体1の形状は殆どの場合完全な真球ではないため、任意の10個の球状体1についての平均値であり、その測定は、1個の球状体1につき任意の3箇所でノギス等を用いて測定し、それらの値の平均値を求めている。
さらに、上記筒状体2の内部空間における球状体1の積層厚みは、特に限定されないが、その設定にはつぎのことを考慮する必要がある。すなわち、球状体1の積層厚みが厚くなるにつれて、その球状体1の積層部分(磁性体フィルタ)を通る粉粒体は、上記球状体1の表面および球状体1同士の接点部分(磁力が特に大きい部分)に接する機会が多くなるため、より微細な金属異物を除去できる確実性が増すものの、粉粒体が球状体1の積層部分を通過する時間が長くなり、処理効率が低下する傾向にある。このことを考慮すると、例えば、半導体封止材用原材料(粉粒体)を処理する場合において、上記好ましい直径の範囲(10〜15mmの範囲)の球状体1を用いる場合、より微細な金属異物を確実に除去できるとともに処理時間を短くできる観点から、上記球状体1の積層厚みは400〜600mmの範囲内に設定することが好ましい。また、上記筒状体2の内部空間の軸に直角な断面積(球状体1の積層部分の積層方向に直角な断面積)は、広く設定する程、単位時間あたりに処理できる粉粒体の量を多くすることができる。例えば、半導体封止材用原材料(粉粒体)を1時間あたり50kg処理する場合、上記筒状体2の内部空間の軸に直角な断面積は、通常、15000〜20000mm2 の範囲内に設定されることが好ましい。
また、バイブレータ等の加振装置4による筒状体2への振動は、粉粒体が球状体1の積層部分内で詰まらないようにするための手段であり、特に限定されるものではく、断続的でも連続的でもよい。また、その振動の周波数や振幅も、粉粒体の処理量や処理時間に応じて適宜設定される。
このような本発明の金属異物除去方法は、半導体封止材用原材料から金属異物を除去することに有効に用いられる。さらには、上記半導体封止材用原材料を用いて得られる半導体封止材粉末から金属異物を除去することにも有効に用いられる。そこで、上記半導体封止材用原材料および半導体封止材粉末について説明する。
上記半導体封止材用原材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、硬化促進剤と、無機質充填剤とがあげられ、これらは、通常、粉粒体になっている。
より詳しく説明すると、上記エポキシ樹脂は、特に限定されるものではなく、通常用いられているものでよい。例えば、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノールA型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ナフタレン型等があげられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。なかでも、エポキシ当量が90〜500であり、軟化点が50〜160℃のものが好適に用いられ、平均粒子径200μm以下、好ましくは100μm以下の粉末として処理する。また、常温で液状のエポキシ樹脂の場合、他の固形エポキシ樹脂と溶融混合,冷却,粉砕した粉体として処理する。
上記フェノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものであり、特に限定されるものではなく、通常用いられているものでよい。例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等があげられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。なかでも、フェノール性水酸基当量が90〜300であり、軟化点か55〜160℃のものが好適に用いられ、平均粒子径200μm以下、好ましくは100μm以下の粉末として処理する。
上記硬化促進剤も、特に限定されるものではなく、例えば、アミン型やリン型等のものがあげられる。そのうちアミン型とてしは、2−イミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールアミンや1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の三級アミン類等があげられる。また、リン型とてしは、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等があげられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。また、硬化促進剤は液状のものがあり、フェノール樹脂に他の添加剤と共に溶融混合した後、これを冷却し、平均粒子径200μm以下、好ましくは100μm以下の粉末として処理するとよい。
上記無機質充填剤も、特に限定されるものではなく、通常用いられているものでよい。例えば、石英ガラス粉末、シリカ粉末、アルミナ、タルク等があげられる。特に好ましくは、球状溶融シリカ粉末、破砕シリカ粉末があげられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。さらに、上記無機質充填剤の平均粒径は、1〜150μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜75μmである。その最大粒子径は、200μm以下とするのが好ましい。また、無機質充填剤は、他の原材料に比べ硬質であり、その製造過程で、天然鉱石中の酸化鉄、採掘,破砕,運搬,篩別等の工程で混入する金属摩耗物等の金属異物が含まれる。そこで、簡易金属異物除去が行われているが、1kgあたり数十個〜数百個の金属異物が含まれている。また、鋭角を有する破砕シリカの方が金属を摩耗し易いので球状のものを用いるのが好ましい。さらに、粒子径の小さいものを用いる場合は、篩別により金属異物(金属粉末)も除去される傾向にあるが、粒子径の大きいものを用いる場合は、篩別により金属異物(金属粉末)が除去されないことが多いため、その粒子径の大きいものを用いる場合の金属異物除去が特に重要である。特に50μm篩で残存する粒度成分を含むものについては、本発明の金属異物除去方法を適用するとよい。
また、上記原材料に加えて、必要に応じて、ブロム化エポキシ樹脂等のハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、β−(3,4−エポキシシンクロヘキシル)エチルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、カルナバワックス等の離型剤等の他の添加剤が適宜用いられる。
そして、半導体封止材は、上記原材料を用いて、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記原材料を適宜配合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で溶融混練し、これを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により製造することができる。そして、この製造された半導体封止材で半導体装置を封止する際には、その半導体封止材を公知の手段によって加熱し流動状態にして封止が行われ、その後、硬化される。なお、前記半導体封止材粉末は、上記原材料を溶融混練,冷却,粉砕して得られ、混練時にさらに金属摩耗物(金属異物)が混入し、粉砕時にも金属異物混入が起こる。半導体封止材粉末の平均粒子径は、タブレット成形性(打錠性)等を考慮して、100μm〜1mm程度である。このように粒子径が大きいため、磁性異物(金属異物)が粉末内部に取り込まれ易く、原材料からの金属異物除去に比べ処理効率は低下するが、上記半導体封止材粉末についても、本発明の金属異物除去方法(電磁石による金属除去)を行うことがより好ましい。また、上記加振装置4を用いると、粉末内部に取り込まれた磁性異物(金属異物)が外部に露出し、上記磁化させた球状体1に効率よく吸着される。
なお、上記実施の形態では、磁界発生手段として、筒状体2の外周部に巻回したコイル3を用いたが、これに限定されるものではなく、球状体1充填空間に磁界を発生させることができれば、他の手段を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、粉粒体の通路として、筒状体2の内部空間を利用したが、これに限定されるものではなく、粉粒体を通すことができれば、他でもよい。
つぎに、実施例について従来例および比較例と併せて説明する。
上記実施の形態と同様の金属異物除去装置を準備した。球状体は、直径11mmの真球を用い、その材料(磁性体)を冷間圧造用炭素鋼(SWRCM10)とし、クロマイジング処理されたものを用いた。また、その球状体を積層充填する筒状体は、内径150mmのSUS304鋼管を用い、球状体の積層厚みを450mmとした。そして、磁界発生用コイルに、直流電圧180Vを印加して33Aの電流を流し、それにより、磁界〔磁束密度0.3T(テスラ)〕を発生させた。また、加振装置による筒状体への振動は、処理が終了するまで連続的に与え、その振動の周波数を60Hz、振幅を5mmとした。
〔従来例1〕
上記実施例1と同様の筒状体内に、スリット状(各スリット棒の幅5mm,隣り合うスリット棒間の隙間5mm,スリット棒の厚み15mm)の磁性体フィルタ(各厚み22.5mm)をスリットの方向を互いに変えて20枚積層したスリット状積層フィルタ(積層厚み450mm)を設置した。また、磁界発生用コイルも、上記実施例1と同様に設け、印加する電圧,流す電流,発生させる磁界および振動も、上記実施例1と同様とした。
〔処理対象〕
充填剤としてのシリカ粉体(電気化学工業社製、FB−700:溶融球状シリカ、平均粒子径31μm、最大粒子径180μm)を準備した。そして、この充填剤中に混在する直径50μm以上の金属異物を、磁石選別し、325メッシュ(目開き45μm)の篩上に残るもの(残存粒子15重量%)を集めて、実体顕微鏡を用いて金属異物の個数をカウントした。その結果、金属異物の個数は35個/kgであった。
〔金属異物の除去〕
上記充填剤を、上記実施例1および従来例1の各金属異物除去装置における筒状体の上部開口から投入し、筒状体の下部開口から排出された処理済みの充填剤を得た。そして、その処理済みの充填剤に対して、実体顕微鏡を用いて金属異物の個数をカウントした。その結果、実施例1の金属異物除去装置で処理されたものは3個/kgであり、従来例1の金属異物除去装置で処理されたものは18個/kgであった。
上記結果より、実施例1の金属異物除去方法は、従来例1の金属異物除去方法よりも、除去性能が優れることがわかる。なお、実施例1の金属異物除去装置で2回処理することにより、金属異物の個数は0個/kgとなり、完全に金属異物を除去することができた。
〔比較例1〕
上記実施例1の金属異物除去装置において、球状体として、クロマイジング処理されていないものを用いた。それ以外は、上記実施例1と同様とした。そして、その金属異物除去装置で上記充填剤を処理した結果、金属異物は10個/kgとなり、上記実施例1(3個/kg)よりも多くなった。これは、球状体の表面をクロマイジング処理により硬化していなかったため、球状体同士が擦れることにより金属粉が新たに発生したものと考えられる。
本発明の金属異物除去方法では、粉粒体に異物として混入している、より微細な金属をも除去することができる。このため、例えば、半導体分野において、半導体封止材用原材料に混入している、より微細な金属を除去することができ、最近の半導体装置における狭ピッチ化に対応できる半導体封止材用原材料を得ることができる。
本発明の金属異物除去方法に用いられる金属異物除去装置の一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 球状体
2 筒状体

Claims (3)

  1. 磁性体からなり表面がクロマイジング処理された複数の球状体を、通路の中途部に積層状態で充填し、その球状体充填空間に磁界を発生させて上記球状体を磁化させるとともに、上記通路を断続的ないし連続的に振動させた状態で、金属異物が混入している粉粒体を、上記通路における球状体間の隙間に通すことにより、上記金属異物を上記球状体に磁力で吸着させ除去することを特徴とする金属異物除去方法。
  2. 上記通路が筒状体の内部空間により形成され、上記磁界の発生が、上記筒状体の外周部に巻回されたコイルに通電することにより行われる請求項1記載の金属異物除去方法。
  3. 上記金属異物が混入している粉粒体が、半導体封止材用原材料である請求項1または2記載の金属異物除去方法。
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