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JP2007177022A - ホース用ゴム組成物及びホース - Google Patents

ホース用ゴム組成物及びホース Download PDF

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JP2007177022A JP2005375136A JP2005375136A JP2007177022A JP 2007177022 A JP2007177022 A JP 2007177022A JP 2005375136 A JP2005375136 A JP 2005375136A JP 2005375136 A JP2005375136 A JP 2005375136A JP 2007177022 A JP2007177022 A JP 2007177022A
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Abstract

【課題】ゴム切れ、ゴム上がりの問題がなく、優れた押出性、寸法安定性で高品質のホースを製造することができるゴム組成物と、このゴム組成物を用いて製造されたホースを提供する。
【解決手段】ポリケトン繊維を含むホース用ゴム組成物。内管ゴム層1と中間ゴム層2と外被ゴム層3とが各々のゴム層間に補強層4,5を介して積層されたホースであって、少なくとも中間ゴム層2がこのゴム組成物より形成されているホース。
【選択図】図1

Description

本発明はホース用ゴム組成物及びホースに係り、特に、グリーンモジュラス(加硫前ゴムの弾性率)が高く、押出成形温度条件ではフロー性(流動性)に優れ、その後の加硫温度条件ではフロー性が低減されることにより、優れた押出性、寸法安定性で高品質のホースを製造することができるゴム組成物と、このゴム組成物を用いて製造されたホースに関する。
給水給湯ホース等の各種の流体輸送用ホースは、図1に示す如く、内管ゴム層1、中間ゴム層2、及び外被ゴム層3が、金属硬線又は補強糸の、編組層又は互いに対をなす方向に巻き付けられたスパイラル層よりなる補強層(第1補強層4、第2補強層5)を介して積層された構造とされている。
このようなホースは、通常、マンドレル上に内管ゴム層1を所定の厚さに押出成形し、その後、金属硬線又は補強糸を巻き付けて第1補強層4を形成し、この第1補強層4の上に中間ゴム層2を所定の厚さに押出成形し、更にこの上に金属硬線又は補強糸を巻き付けて第2補強層5を形成し、次いでこの第2補強層5の上に外被ゴム層3を所定の厚さに押出成形し、最後に加熱加硫することにより製造される。
従来、このようなホースの成形加工工程においては、下記のような「ゴム切れ」、「ゴム上がり」と称される問題があった。
[ゴム切れ]
ゴム層を押出成形する際、押し出されたゴムシートには常にテンションが掛け続けられるため、ゴムのグリーンモジュラスが低いとテンションにより降伏し、押し出されるゴムシートが切れる「ゴム切れ」が発生する。
特に、ホースを構成するゴム層のうち、中間ゴム層については、ホースのスリム化のために薄肉化が要求されているため、薄肉のゴムシートにテンションを掛けることによりゴム切れが発生し易い。
[ゴム上がり]
「ゴム上がり」とは、加硫時に内層側のゴム層が補強層の隙間を通って外側へ上昇する現象であり、例えば内管ゴムが補強層を通って中間ゴム層、更には外被ゴム層を突き破って上昇したり、中間ゴム層が上昇して外被ゴム層に食い込んだりする。これは、ゴムが加硫温度条件でフロー性を発現することが原因である。
従来、ゴム切れを防止するために、天然セルロース等の短繊維を、ゴム層を形成するゴム組成物に配合することが行われているが、グリーンモジュラスを十分に高めてゴム切れを防止するためには、ゴム成分100重量部に対して短繊維を少なくとも10重量部程度配合する必要がある。しかし、短繊維を多量に配合すると、グリーンモジュラスは上がる反面、押出成形によるゴムの肌が悪化し、更に寸法安定性が損なわれ、ホースの寸法自体が安定しなくなる。また、押出性も悪くなり「ヤケ」と称される部分的な加硫反応が起こる。
繊維自体の剛性が高い芳香族ポリアミド繊維を用いることにより、少ない配合量でグリーンモジュラスを高めることができる可能性はあるが、芳香族ポリアミド繊維はゴムとの相互作用が弱いため、グリーンモジュラスの向上効果は十分ではない。
また、ゴム上がりの抑制のためにも、短繊維の配合が有効ではあるが、やはり、十分な効果を得るためには多量配合が必要であり、短繊維の多量配合でゴム肌の悪化、寸法安定性の低下、更には押出性の悪化につながる。
本発明は上記従来の問題点を解決し、ゴム切れ、ゴム上がりの問題がなく、優れた押出性、寸法安定性で高品質のホースを製造することができるゴム組成物と、このゴム組成物を用いて製造されたホースを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のホース用ゴム組成物は、ホースのゴム層を形成するためのゴム組成物において、ポリケトン繊維を含むことを特徴とする。
請求項2のホース用ゴム組成物は、請求項1において、前記ポリケトン繊維が平均長さ0.1〜50mmの短繊維であることを特徴とする。
請求項3のホース用ゴム組成物は、請求項1又は2において、ポリケトン繊維の含有量がゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部であることを特徴とする。
請求項4のホース用ゴム組成物は、前記ポリケトン繊維の平均繊維径が1〜1000μmであることを特徴とする。
請求項5のホース用ゴム組成物は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポリケトン繊維が下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂の繊維であることを特徴とする。
Figure 2007177022
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
請求項6のホース用ゴム組成物は、請求項5において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とする。
請求項7のホース用ゴム組成物は、請求項5又は6において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とする。
本発明(請求項8)のホースは、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のホース用ゴム組成物よりなるゴム層を備えることを特徴とする。
請求項9のホースは、請求項8において、内管ゴム層と中間ゴム層と外被ゴム層とが各々のゴム層間に補強層を介して積層されたホースであって、少なくとも該中間ゴム層が前記ゴム組成物より形成されていることを特徴とする。
ポリケトン繊維は、剛性、ゴムとの接着性、分散性、充填剤として配合されるカーボンブラックとの相互作用に優れ、少ない配合量でゴム組成物のグリーンモジュラスを高めることができ、これによりゴム肌や寸法安定性を損なうことなくゴム切れを防止することができる。また、ポリケトン繊維は、約100℃程度の押出成形温度条件ではα型結晶形態をとることにより、ゴム組成物の優れたフロー性、押出性を維持し、一方で140〜190℃程度の加硫温度条件ではβ型結晶形態をとることによりポリケトン繊維が収縮してフロー性が低減され、これによりゴム上がりが抑制される。
従って、ポリケトン繊維を配合した本発明のホース用ゴム組成物によれば、グリーンモジュラスが高く、押出成形温度条件ではフロー性に優れ、その後の加硫温度条件ではフロー性が低減されることにより、ゴム切れ、ゴム上がりを防止して、優れた押出性、寸法安定性で高品質のホースを製造することができる。
本発明において、ゴム組成物に配合するポリケトン繊維は平均長さ0.1〜50mmの短繊維であることが好ましく(請求項2)、その含有量はゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部であることが好ましく(請求項3)、また、ポリケトン繊維の平均繊維径は1〜1000μmであることが好ましい(請求項4)。
本発明において、ポリケトン繊維を構成するポリケトン樹脂は下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂であることが好ましく(請求項5)、Rはエチレン由来の連結基であり(請求項6)、重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることが好ましい(請求項7)。
Figure 2007177022
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
本発明のホースは、このような本発明のホース用ゴム組成物よりなるゴム層を備えるものであるが、特に、内管ゴム層と中間ゴム層と外被ゴム層とが各々のゴム層間に補強層を介して積層されたホースであって、少なくとも該中間ゴム層が前記ゴム組成物より形成されていることが好ましい(請求項9)。
以下に本発明のホース用ゴム組成物及びホースの実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明で用いるポリケトン繊維について説明する。
本発明で用いるポリケトン繊維は、好ましくは下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂を原料として製造される。
Figure 2007177022
((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
上記ポリケトン樹脂は、分子中にCO単位(カルボニル基)とエチレン性不飽和化合物由来の単位とが配列された交互共重合体、即ち、高分子鎖中で各CO単位の隣に、例えばエチレン単位等のオレフィン単位が一つずつ位置する構造である。このポリケトン樹脂は、一酸化炭素と特定のエチレン性不飽和化合物の1種との共重合体であってもよく、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物の2種以上との共重合体であってもよい。
上記(I)中のRを形成するエチレン性不飽和化合物としては、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン等の不飽和炭化水素化合物、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体、更にはウンデセノール,6−クロロヘキセン,N−ビニルピロリドン,及びスルニルホスホン酸のジエチルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、エチレン性不飽和化合物としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトン樹脂が好ましい。
ポリケトン樹脂を構成するエチレン性不飽和化合物として、エチレンと他のエチレン性不飽和化合物とを併用する場合、エチレンは、全エチレン性不飽和化合物に対し、80モル%以上になるように用いるのが好ましい。この割合が80モル%未満では得られるポリマーの融点が200℃以下になり、得られるポリケトン繊維の耐熱性が不充分となる場合がある。ポリケトン繊維の力学特性や耐熱性の点から、エチレンの使用量は、特に全エチレン性不飽和化合物に対し90モル%以上が好ましい。前記のポリケトンは、公知の方法、例えばヨーロッパ特許公開第121965号,同第213671号,同第229408号及び米国特許第3914391号明細書に記載された方法に従って製造することができる。
上記ポリケトン樹脂の重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にあるのが好ましい。溶液粘度が1.0dL/g未満では、得られるポリケトン繊維の力学強度が不充分となる場合があり、ポリケトン繊維の力学強度の観点から、溶液粘度が1.2dL/g以上であるのが更に好ましい。一方、溶液粘度が10.0dL/gを超えると、繊維化時の溶融粘度や溶液粘度が高くなりすぎて紡糸性が不良となる場合があり、紡糸性の観点から、溶液粘度が5.0dL/g以下であるのが更に好ましい。繊維の力学強度及び紡糸性などを考慮すると、この溶液粘度は1.3〜4.0dL/gの範囲が特に好ましい。
上記ポリケトン樹脂の繊維化方法は、特に限定されないが、一般的には溶融紡糸法又は溶液紡糸法が採用される。溶融紡糸法を採用する場合には、例えば特開平1−124617号公報に記載の方法に従って、ポリマーを通常、融点より20℃以上高い温度、好ましくは融点より40℃程度高い温度で溶融紡糸し、次いで、通常、融点より10℃以下低い温度、好ましくは融点より40℃程度低い温度において、好ましくは3倍以上の延伸比で、更に好ましくは7倍以上の延伸比で延伸処理することにより、容易に所望の繊維を得ることができる。
一方、溶液紡糸法を採用する場合、例えば特開平2−112413号公報に記載の方法に従って、ポリマーを例えばヘキサフルオロイソプロパノール,m−クレゾール等に0.25〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n−ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴、好ましくはアセトン浴中で溶剤を除去、洗浄して紡糸原糸を得、更に(融点−100℃)〜(融点+10℃)、好ましくは(融点−50℃)〜(融点)の範囲の温度で延伸処理することにより、所望のフィラメントを得ることができる。また、このポリケトン樹脂には、熱,酸素等に対して十分な耐久性を付与する目的で酸化防止剤を加えることが好ましく、また必要に応じて艶消し剤,顔料,帯電防止剤等も配合することができる。
本発明で用いるポリケトン繊維は平均繊維長さ0.1〜50mmの短繊維であることが好ましい。ポリケトン繊維の繊維長さが長過ぎると成形性が損なわれ、一方、短過ぎるとポリケトン繊維を配合したことによるゴム切れ、ゴム上がりの改善効果を十分に得ることができない。
また、ポリケトン繊維は平均繊維径1〜1000μmであることが好ましい。ポリケトン繊維の繊維径が太過ぎると成形性が損なわれ、一方、細過ぎるとポリケトン繊維を配合したことによるゴム切れ、ゴム上がりの改善効果を十分に得ることができない。
このようなポリケトン繊維は、ゴム組成物中に、ゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部配合されていることが好ましい。ポリケトン繊維の配合量が多過ぎると成形性が損なわれ、一方、少な過ぎるとポリケトン繊維を配合したことによるゴム切れ、ゴム上がりの改善効果を十分に得ることができない。
なお、本発明においては、ポリケトン繊維を配合することを必須とするが、ポリケトン繊維と、天然セルロース、芳香族ポリアミド、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド等の他の繊維とを組み合わせて配合しても良い。ただし、ポリケトン繊維による優れたゴム切れ、ゴム上がりの改善効果を得るために、このような他の繊維を併用する場合、その使用量は全繊維量の10重量%以下とすることが好ましい。
本発明において、ゴム組成物中にポリケトン繊維を配合すること以外は、通常のゴム組成物配合とすることができ、その配合組成は、ゴム組成物の用途、即ち、ホースの種類、適用するゴム層の箇所等により適宜決定される。
例えば、本発明のホース用ゴム組成物は、次のような配合組成とすることができる。
ゴム成分:100重量部
ポリケトン繊維:0.5〜50重量部
充填剤(カーボンブラック等):20〜150重量部
加工助剤(オイル等):0〜80重量部
老化防止剤(6C等):0.3〜5.0重量部
加硫剤(イオウ等):0.2〜10重量部
加硫促進剤(チウラム、スルフェンアミド等):0.2〜10重量部
なお、ゴム組成物に短繊維を配合する場合、通常、短繊維はゴムとの接着性を向上させるためにディップ処理と言われる接着性改善処理が施される。
具体的にはRFL液(R:レゾルシン、F:ホルマリン、L:ラテックス)に短繊維を浸漬するRFL処理が行われる。ここで、Rについてはレゾルシン以外に、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂や、ナフトールを使用することもできる。また、Fについてはホルムアルデヒド以外に、ヘキサメチレンテトラミンやヘキサメチレンメチルメラミンといったメチレンドナー化合物を使用することもできる。
Lのラテックスとは「水性媒体の中に高分子物質が安定して分散してるもの」であり、高分子としてはNRやSBRといったポリマーを使用することができる。このポリマーについては配合するゴムによって自由に選択することができる。RFLにシリカ(適用するシリカのpHは適用する配合によって自由に選択可能である。)をブレンドしても良い。
また、RFL処理に先立ち、短繊維に対してプラズマやコロナといった電気的な前処理やエポキシ化合物といった化学物質を用いた前処理を施しても良い。
本発明において、ポリケトン繊維にはRFL処理として、
R:レゾルシン、
F:ホルムアルデヒド、
L:ビニルピリジン−スチレンブタジエン共重合体のエマルジョン:SBR=7:3(重量比)の混合物
を用いることが好ましい。
本発明のホースが図1に示すような構成のホースである場合、例えば、内管ゴム層1及び外被ゴム層3を構成するゴム組成物のゴム成分としては、一般にブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(C1−IIR)、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、イソブチレン−ブロモパラメチルスチレン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、水素添加NBR、アクリルゴム、これらのゴムの2種以上のブレンド物或いは、これらのゴムを主成分とするポリマーとのブレンド物、好ましくはブチル系ゴム、EPDM系ゴムが用いられる。
なお、内管ゴム層1のゴム種と外被ゴム層3のゴム種は同種のものであっても、異種のものであっても良い。
また、中間ゴム層2を構成するゴム組成物のゴム成分は、内管ゴム層1及び外被ゴム層3との接着性が良いものであれば良く、特に制限はなく、通常、NR(天然ゴム)、NBR、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、CR等が用いられる。
各ゴム層の厚さはホースの用途によっても異なるが、通常、内管ゴム層1の厚さは0.5〜5mm、中間ゴム層2の厚さは0.1〜1.0mm、外被ゴム層3の厚さは0.5〜5mmとすることが好ましい。
第1,2補強層4,5の構成材料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、鉄、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレススチール等の合金等の金属硬線や、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、その他カーボン繊維等の有機繊維や無機繊維よりなる補強糸を用いることができる。補強層4,5は、これらの1種を単独で、或いは2種以上を併用して編組又はスパイラル巻きして、編組層又は互いに対をなす方向に巻き付けられたスパイラル層として形成される。
補強層4,5を構成する金属硬線の径や補強糸の繊度としては特に制限はないが、金属硬線の線径は0.1〜0.5mmであることが好ましい。金属硬線の線径が0.1mm未満であると内面層に対して食い込み易くなり、また、金属硬線の破断のおそれもある。また、金属硬線の線径が0.5mmを超えると太過ぎて補強層4,5を形成するのが困難となる。
また、有機繊維の補強糸の繊度については、1100〜3300dtexであることが好ましい。補強糸の繊度が1100dtex未満であると強度、耐久性不足であり、3300dtexを超えると太すぎて外観が悪くなる恐れがある。
図1に示す如く、2層の補強層を有するホースにあっては、有機繊維の補強糸の編組層よりなる有機繊維補強層と金属硬線の編組層よりなる金属硬線補強層との2層構造であることが好ましく、特に、1100〜3300dtex、撚り数6〜15回/10cmの補強糸を編組した有機繊維補強層と、線径が0.1〜0.5mmの金属硬線を編組した金属硬線補強層とを有する2層構造、或いは、1100〜3300dtex、撚り数0〜10回/10cmの補強糸をスパイラル状に巻回した有機繊維補強層と、線径が0.1〜0.5mmの金属硬線を編組した金属線補強層とを有する2層構造であることが好ましく、このような2層構造の補強層を設けたものであれば、十分な耐圧性、耐久性を得ることができる。なお、補強層が2層構造の場合、有機繊維補強層を内層側とし、金属硬線補強層を外層側とすることが製造上及び外観の点で好ましい。
図1に示す如く、3層のゴム層を有する構造のホースの場合、すべてのゴム層が本発明のゴム組成物で形成されていても良く、いずれか1層のみ又は2層のみが本発明のゴム組成物で形成されていても良いが、前述の如く、特に薄肉化のためにゴム切れが起こり易い中間ゴム層が少なくとも本発明のゴム組成物により形成されていることが好ましい。
図1は本発明を適用し得るホースの構成の一例を示すものであって、本発明のホースは何ら図示のものに限定されるものでなく、例えば、次の(1)〜(3)のような構成とすることができる。
(1) 内管ゴム層/補強層/外被ゴム層
(2) 樹脂層/内管ゴム層/補強層/外被ゴム層
(3) 樹脂層/接着層/内管ゴム層/補強層/外被ゴム層
更に、図1の構造において、内管ゴム層1の内側に最内層としての樹脂層を有するものであっても良い。
本発明のホースは、給水給湯ホース、冷媒輸送ホース、オイルクーラーホース、油圧ホース、マリンホース等の各種の用途に有効に適用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において用いた短繊維は下記の通りである。
ポリケトン繊維:前記一般式(I)において、Rがエチレンで、m−クレゾール中、
60℃で測定した溶液粘度が4.0dL/gを示す重合度のポリケ
トン樹脂よりなるポリケトン繊維
平均繊維径1.0μm
平均繊維長5mm
天然セルロース繊維:平均繊維径15μm
平均繊維長2mm
芳香族ポリアミド繊維:平均繊維径10μm
平均繊維長3mm
これらの短繊維には、下記のRFL処理を施した。
[RFL]
R(レゾルシン):三井化学社製 商品名:レゾルシン
F(ホルマリン):三井化学社製 商品名:ホルマリン
L(ラテックス):日本ゼオン社製 商品名:VPラテックス2518FS
L(ラテックス):JSR社製SBR 商品名:JSR1500
(ラテックスは、VPラテックス70重量部とSBR30重量部の混合物)
実施例1〜3、比較例1〜4
表1に示す短繊維をゴム組成物のゴム成分100重量部当たり表1に示す量配合してなるゴム組成物について、ゴム肌、フロー性、グリーンモジュラスを下記方法により調べ、結果を表1に示した。
なお、ゴム組成物の短繊維以外の配合組成は次の通りである。
[ゴム組成物の配合組成]
ゴム成分(NR(RSS#4):NBR(JSR N230S))=60:40(重量比):100重量部
カーボンブラック(東海カーボン社製「シーストF」):50重量部
硫黄(鶴見化学社製「亜鉛華混合硫黄」):3.0重量部
促進剤(大内新興化学社製「ノクセラーCZ−G」):1.0重量部
[評価方法]
〈ゴム肌〉
目視により押し出し肌の平滑性を調べ、下記基準で評価した。
◎:非常に良い
○:良い
△:普通
×:悪い
〈フロー性〉
100℃及び150℃におけるフロー性をそれぞれフローテスター(測定圧力:50kg/cm)により調べ、比較例1の場合のフロー性を100として相対値で示した。
〈グリーンモジュラス〉
2mm厚のシートからJIS 1号ダンベルを打ち抜き、テンシロン(引張試験機,引張速度:50mm/min)により調べ、比較例1の場合のグリーンモジュラスを100として相対値で示した。
Figure 2007177022
表1より次のことが明らかである。
即ち、ポリケトン繊維を配合した実施例1〜3では、短繊維の配合でゴム肌を損なうことなく、押出成形温度条件である100℃でのフロー性が良好で、一方、加硫温度条件であるフロー性は低いものとなり、従って、ゴム上がりが防止されることが分かる。また、グリーンモジュラスが高く、ゴム切れが防止されることが分かる。
これに対して、天然セルロース繊維では配合量を多くすることによりグリーンモジュラスを高めることはできるが、フロー性が損なわれ、押出成形性が悪くなり、また、ゴム肌も悪化する。
また、芳香族ポリアミド繊維では、ゴム肌、フロー性、グリーンモジュラスのいずれも、良好な結果は得られない。
ホースの構造例を示す斜視図である。
符号の説明
1 内管ゴム層
2 中間ゴム層
3 外被ゴム層
4 第1補強層
5 第2補強層

Claims (9)

  1. ホースのゴム層を形成するためのゴム組成物において、ポリケトン繊維を含むことを特徴とするホース用ゴム組成物。
  2. 請求項1において、前記ポリケトン繊維が平均長さ0.1〜50mmの短繊維であることを特徴とするホース用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2において、ポリケトン繊維の含有量がゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部であることを特徴とするホース用ゴム組成物。
  4. 前記ポリケトン繊維の平均繊維径が1〜1000μmであることを特徴とするホース用ゴム組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポリケトン繊維が下記一般式(I)で表されるポリケトン樹脂の繊維であることを特徴とするホース用ゴム組成物。
    Figure 2007177022
    ((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
  6. 請求項5において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とするホース用ゴム組成物。
  7. 請求項5又は6において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とするホース用ゴム組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のホース用ゴム組成物よりなるゴム層を備えることを特徴とするホース。
  9. 請求項8において、内管ゴム層と中間ゴム層と外被ゴム層とが各々のゴム層間に補強層を介して積層されたホースであって、少なくとも該中間ゴム層が前記ゴム組成物より形成されていることを特徴とするホース。
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