JP2007165785A - インターコネクタ付き太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池の反りを低減できるインターコネクタ付き太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池を含み、インターコネクタはその長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と小断面積部の間に位置する非小断面積部とを有し、小断面積部のそれぞれは第1非接続部に対応する位置に配置され、小断面積部に対応する位置の第1非接続部の間に非小断面積部に対応する第1非接続部が配置されているインターコネクタ付き太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールである。
【選択図】図4
【解決手段】インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池を含み、インターコネクタはその長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と小断面積部の間に位置する非小断面積部とを有し、小断面積部のそれぞれは第1非接続部に対応する位置に配置され、小断面積部に対応する位置の第1非接続部の間に非小断面積部に対応する第1非接続部が配置されているインターコネクタ付き太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールである。
【選択図】図4
Description
本発明は、インターコネクタ付き太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールに関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。
図8に、従来の太陽電池の一例の模式的な断面図を示す。ここで、太陽電池においては、半導体基板としてのp型シリコン基板10の受光面にn+層11が形成されることによって、p型シリコン基板10とn+層11とによりpn接合が形成されており、p型シリコン基板10の受光面上には反射防止膜12および銀電極13がそれぞれ形成されている。また、p型シリコン基板10の受光面と反対側の裏面にはp+層15が形成されている。そして、p型シリコン基板10の裏面上にはアルミニウム電極14および銀電極16がそれぞれ形成されている。
図9(a)〜(i)に、従来の太陽電池の製造方法の一例を示す。まず、図9(a)の模式的斜視図に示すように、p型シリコン結晶の原料を坩堝で溶解した後に再結晶化して得られたシリコンインゴッド17をシリコンブロック18に切断する。次に、図9(b)の模式的斜視図に示すように、シリコンブロック18をワイヤソーで切断することにより、p型シリコン基板10が得られる。
次いで、アルカリまたは酸によってp型シリコン基板10の表面をエッチングすることによって、図9(c)の模式的断面図に示すp型シリコン基板10のスライス時のダメージ層19を除去する。このとき、エッチング条件を調整すると、p型シリコン基板10の表面に微小な凹凸(図示せず)を形成することができる。この凹凸により、p型シリコン基板10の表面に入射する太陽光の反射が低減されて、太陽電池の変換効率を高めることができる。
続いて、図9(d)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の一方の主面(以下、「第1主面」という)上にリンを含む化合物を含有したドーパント液20を塗布する。そして、ドーパント液20の塗布後のp型シリコン基板10を800℃〜950℃の温度で5〜30分間熱処理することによりp型シリコン基板10の第1主面にn型ドーパントであるリンが拡散して、図9(e)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の第1主面にn+層11が形成される。なお、n+層11の形成方法としては、ドーパント液を塗布する方法以外にも、P2O5やPOCl3を用いた気相拡散による方法がある。
次いで、リンの拡散時にp型シリコン基板10の第1主面に形成されるガラス層を酸処理により除去した後、図9(f)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の第1主面上に反射防止膜12を形成する。反射防止膜12の形成方法としては、常圧CVD法を用いて酸化チタン膜を形成する方法やプラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を形成する方法などが知られている。また、ドーパント液を塗布する方法によりリンを拡散する場合には、リンに加えて反射防止膜12の材料も含ませたドーパント液を用いることによって、n+層11と反射防止膜12とを同時に形成することもできる。また、反射防止膜12の形成は、銀電極の形成後に行なう場合もある。
そして、図9(g)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の他方の主面(以下、「第2主面」という)上にアルミニウム電極14を形成するとともにp型シリコン基板10の第2主面にp+層15を形成する。アルミニウム電極14およびp+層15は、たとえば、アルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなるアルミニウムペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、アルミニウムが溶融してシリコンと合金化することにより形成されたアルミニウム−シリコン合金層下にp+層15が形成されるとともに、p型シリコン基板10の第2主面上にアルミニウム電極14が形成される。また、p型シリコン基板10とp+層15のドーパント濃度差が、p型シリコン基板10とp+層15の界面に電位差(電位障壁として働く)をもたらし、光生成されたキャリアがp型シリコン基板10の第2主面付近で再結合するのを防いでいる。これにより、太陽電池の短絡電流(Isc:short circuit current)および開放電圧(Voc:open circuit voltage)が共に向上する。
その後、図9(h)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の第2主面上に銀電極16を形成する。銀電極16は、たとえば、銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって得ることができる。
そして、図9(i)の模式的断面図に示すように、p型シリコン基板10の第1主面上に銀電極13を形成する。銀電極13は、p型シリコン基板10との接触抵抗を含む直列抵抗を低く抑えるとともに銀電極13の形成面積を少なくして太陽光の入射量を減少させないようにするため、銀電極13の線幅、ピッチおよび厚さなどのパターン設計が重要である。銀電極13の形成方法としては、たとえば、反射防止膜12の表面上に銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、銀ペーストが反射防止膜12を貫通してp型シリコン基板10の第1主面と良好な電気的接触が可能なファイアスルー方式が量産ラインで用いられている。
以上のようにして、図8に示す構成の太陽電池を製造することができる。なお、銀電極13および銀電極16の形成後のp型シリコン基板10を溶融半田槽に浸漬することによって銀電極13および銀電極16の表面に半田をコーティングすることもできる。この半田のコーティングは、プロセスによっては省略される場合もある。また、上記のようにして製造された太陽電池にソーラシミュレータを用いて擬似太陽光を照射し、太陽電池の電流−電圧(IV)特性を測定してIV特性を検査することもできる。
太陽電池は、その複数が直列に接続されて太陽電池ストリングとされた後、太陽電池ストリングを封止材によって封止して太陽電池モジュールとして販売および使用されることが多い。
図10(a)〜(e)に、従来の太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す。まず、図10(a)の模式的斜視図に示すように、上記のようにして製造された太陽電池の第1主面の銀電極上に導電性部材であるインターコネクタ31を接続して、インターコネクタ付き太陽電池30を作製する。
次に、図10(b)の模式的斜視図に示すように、インターコネクタ付き太陽電池30を一列に配列し、インターコネクタ付き太陽電池30の第1主面の銀電極に接続されているインターコネクタ31の他端を他のインターコネクタ付き太陽電池30の第2主面の銀電極に接続して、太陽電池ストリング34を作製する。
次いで、図10(c)の模式的斜視図に示すように、太陽電池ストリング34を並べて、太陽電池ストリング34の両端から突出しているインターコネクタ31と、他の太陽電池ストリング34の両端から突出しているインターコネクタ31とを導電性部材である配線材33を用いて直列に接続することによって、太陽電池ストリング同士を互いに接続する。
続いて、図10(d)の模式的斜視図に示すように、接続された太陽電池ストリング34を封止材としてのEVA(エチレンビニルアセテート)フィルム36で挟み込み、その後、ガラス板35とバックフィルム37との間に挟む。そして、EVAフィルム36間に入った気泡を減圧して抜き、加熱すると、EVAフィルム36が硬化して、太陽電池ストリング34がEVA中に封止される。これにより、太陽電池モジュールが作製される。
その後、図10(e)の模式的側面図に示すように、太陽電池モジュールは、アルミニウム枠40内に配置され、ケーブル39を備えた端子ボックス38が太陽電池モジュールに取り付けられる。そして、上記のようにして製造された太陽電池モジュールにソーラシミュレータを用いて擬似太陽光を照射し、太陽電池の電流−電圧(IV)特性を測定してIV特性が検査される。
特開2005−142282号公報
太陽光発電システムが急速に普及するにつれ、太陽電池の製造コストの低減は必要不可欠となっている。太陽電池の製造コストの低減において、半導体基板であるシリコン基板の大型化および薄型化は非常に有効な手段である。しかしながら、シリコン基板の大型化および薄型化に伴い、インターコネクタ付き太陽電池および太陽電池ストリングを形成する際、太陽電池の電極(バスバー電極など)と銅からなるインターコネクタとを半田などによって固定して接続する加熱工程後の冷却工程において、太陽電池のシリコン基板とインターコネクタとの熱膨張係数差(シリコンの熱膨張係数3.5×10-6/Kに対し、銅は17.6×10-6/Kであり5倍程度の差がある)により、シリコン基板とインターコネクタとにそれぞれ大きな内部応力が発生し、太陽電池が大きく反るという問題が生じていた。
これは、上記の加熱工程において太陽電池の電極とインターコネクタとを固定した後、加熱状態にあった太陽電池の電極とインターコネクタを室温まで冷却すると、インターコネクタが太陽電池よりも大きく収縮するため、太陽電池に凹状の反りが発生したものと考えられる。太陽電池に生じた反りは、自動化された太陽電池モジュールの作製ラインの搬送系において搬送エラーや太陽電池の割れを引き起こす原因となる。また、太陽電池ストリングを構成する太陽電池に反りが生じている場合には、太陽電池ストリングの形成工程や太陽電池モジュールの作製のための封止材による封止工程などにおいて太陽電池に局部的に強い力が加わり、太陽電池に割れが生じる原因となる。
たとえば、特許文献1には、隣接する太陽電池を接続するインターコネクタに断面積が局部的に小さくなっている小断面積部を設ける方法が開示されている。上述したように、上記の加熱工程により加熱状態にあったインターコネクタおよび太陽電池は室温まで冷却する際に太陽電池に凹状の反りが発生する。その際、太陽電池には元の形状に戻ろうとする力(復元力)が発生し、この復元力はインターコネクタに対して引張り応力を加える。特許文献1に開示された方法によれば、インターコネクタに引張り応力が加えられたときに他の部分と比べて比較的強度の弱い小断面積部が延伸して、太陽電池の反りを低減することができる。
特許文献1に記載のインターコネクタを用いて、図11に示す受光面および図12に示す裏面を有する太陽電池を接続した太陽電池ストリングの一例の模式的な断面図を図13に示し、図13に示した太陽電池ストリングの受光面の模式的な平面図を図14に示す。
ここで、図11に示すように、太陽電池の受光面の銀電極13は、比較的幅の大きい1本の線状のバスバー電極13aと、バスバー電極13aから伸びる複数の比較的幅の小さい線状のフィンガー電極13bと、から構成されている。また、バスバー電極13aは、インターコネクタに固定して接続するための線状の第1接続部51と、インターコネクタに接続されない空隙である第1非接続部42とからなっており、第1接続部51と第1非接続部42とが交互に配列して形成されている。具体的には、図11に示す1本のバスバー電極13aにおいて第1接続部51が3つ形成されており、隣接する第1接続部51の間およびp型シリコン基板10の第1主面の端部にそれぞれ第1非接続部42が形成されている。
また、図12に示すように、アルミニウム電極14はp型シリコン基板10の第2主面のほぼ全面に形成されており、銀電極16はp型シリコン基板10の第2主面の一部のみに形成されている。ここで、銀電極16はインターコネクタに接続するための第2接続部に相当し、銀電極16の長手方向に配列されている銀電極16の間に位置するアルミニウム電極14はインターコネクタに接続されない第2非接続部に相当する。したがって、第2接続部としての銀電極16と第2非接続部としてのアルミニウム電極14とは交互に配列されていることになる。なお、半導体基板としてのp型シリコン基板10の第2主面は、半導体基板としてのp型シリコン基板10の第1主面の反対側の主面となる。
また、図13に示すように、特許文献1に記載のインターコネクタを用いた太陽電池ストリングにおいては、太陽電池の受光面の第1接続部51に半田などによって固定されて接続されたインターコネクタ31が、隣接する他の太陽電池の裏面の銀電極16に半田などによって固定されて接続されている。なお、図13においては、n+層とp+層の記載は省略されている。
また、図13および図14に示すように、インターコネクタ31の小断面積部41は、太陽電池の受光面の第1非接続部42に対応する位置および太陽電池の裏面の第2非接続部であるアルミニウム電極14に対応する位置のそれぞれに配置されており、インターコネクタ31の小断面積部41は半田などによって固定されていない。したがって、インターコネクタ31に引張り応力が加えられたときに他の部分と比べて比較的強度の弱い小断面積部41が自由に延伸することができるために、太陽電池の反りを低減することができる。しかしながら、太陽電池の反りの低減に関しては、さらなる改善が望まれる。
そこで、本発明の目的は、太陽電池の反りの低減をさらに改善することができるインターコネクタ付き太陽電池および太陽電池ストリング、ならびにその太陽電池ストリングを含む太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明は、インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池を含み、太陽電池の第1接続部にインターコネクタが接続されたインターコネクタ付き太陽電池であって、インターコネクタは、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と、小断面積部の間に位置する非小断面積部と、を有しており、小断面積部のそれぞれは第1非接続部に対応する位置に配置され、小断面積部に対応する位置にある第1非接続部の間に、非小断面積部に対応する少なくとも1つの第1非接続部が配置されているインターコネクタ付き太陽電池であることを特徴とする。
ここで、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、半導体基板の第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、を交互に配列することができる。
また、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、第1接続部および第2接続部をそれぞれ半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置することが好ましい。
また、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、バスバー電極は第1非接続部を3つ有しており、小断面積部を両端に位置する第1非接続部に対応する位置に配置することができる。
また、本発明は、インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池がインターコネクタにより複数接続されてなる太陽電池ストリングであって、インターコネクタは、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と、小断面積部の間に位置する非小断面積部と、を有しており、小断面積部のそれぞれは第1非接続部に対応する位置に配置され、小断面積部に対応する位置にある第1非接続部の間に、非小断面積部に対応する少なくとも1つの第1非接続部が配置されている太陽電池ストリングであることを特徴とする。
ここで、本発明の太陽電池ストリングにおいては、半導体基板の第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、を交互に配列することができる。
また、本発明の太陽電池ストリングにおいては、第1接続部および第2接続部をそれぞれ半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置することができる。
また、本発明の太陽電池ストリングにおいて、バスバー電極は第1非接続部を3つ有しており、小断面積部を両端に位置する第1非接続部に対応する位置に配置することができる。
さらに、本発明は、上記のいずれかに記載の太陽電池ストリングを含む、太陽電池モジュールである。
本発明によれば、太陽電池の反りの低減をさらに改善することができるインターコネクタ付き太陽電池および太陽電池ストリング、ならびにその太陽電池ストリングを含む太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明に用いられる太陽電池の半導体基板としてのp型シリコン基板10の第1主面となる受光面の好ましい一例の模式的な平面図を示す。ここで、太陽電池の受光面の銀電極13は、比較的幅の大きい1本の線状のバスバー電極13aと、バスバー電極13aから伸びる複数の比較的幅の小さい線状のフィンガー電極13bと、から構成されている。また、バスバー電極13aは、インターコネクタに固定して接続するための線状の第1接続部51と、インターコネクタに接続されない空隙である第1非接続部42とからなっており、第1接続部51と第1非接続部42とが交互に配列して形成されている。具体的には、図1に示す1本のバスバー電極13aにおいて第1接続部51が4つ形成されており、隣接する第1接続部51の間に第1非接続部42が3つ形成されている。
図2に、本発明に用いられる太陽電池の半導体基板としてのp型シリコン基板10の第2主面となる裏面の好ましい一例の模式的な平面図を示す。アルミニウム電極14はp型シリコン基板10の第2主面のほぼ全面に形成されており、銀電極16はp型シリコン基板10の第2主面の一部のみに形成されている。ここで、銀電極16はインターコネクタに接続するための第2接続部に相当しており、銀電極16の長手方向における配列されている銀電極16の間に位置するアルミニウム電極14はインターコネクタに接続されない第2非接続部に相当している。したがって、第2接続部としての銀電極16と第2非接続部としてのアルミニウム電極14とは交互に配列されていることになる。なお、半導体基板の第2主面としての裏面は、半導体基板の第1主面としての受光面の反対側の主面となる。
図3に、本発明に用いられるインターコネクタの好ましい一例の模式的な平面図を示す。ここで、インターコネクタ31は、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部41と、小断面積部41の間に位置する非小断面積部61と、を有している。なお、本発明において、インターコネクタは、導電性を有する部材であって、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と小断面積部の間に位置する非小断面積部とを有していれば、その形状および材質は特に限定されない。また、本発明において、インターコネクタの非小断面積部は、インターコネクタの長手方向に垂直な断面の断面積が小断面積部と比べて大きくなっている。
図4に、本発明のインターコネクタ付き太陽電池の好ましい一例の受光面の模式的な拡大平面図を示す。図4に示す本発明のインターコネクタ付き太陽電池は、図1に示す受光面および図2に示す裏面を有する太陽電池の受光面の第1接続部51に、図3に示すインターコネクタ31が接続されることにより形成されている。ここで、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、インターコネクタ31の2つの小断面積部41は、太陽電池の受光面に配置されている第1非接続部42のうち両端の第1非接続部42に対応する位置に配置されており、小断面積部41に対応する位置にある両端の第1非接続部42の間には非小断面積部61に対応する位置にある1つの第1非接続部42が配置されている。
図4に示すように、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、小断面積部41に対応する位置に第1非接続部42が配置されているだけでなく、小断面積部41の間の非小断面積部61に対応する位置にも第1非接続部42が配置されている。したがって、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、太陽電池の第1接続部51とインターコネクタ31とを半田などによって固定して接続する加熱工程後の冷却工程においてp型シリコン基板10とインターコネクタ31とにそれぞれ内部応力が発生した場合でも、インターコネクタ31の小断面積部41だけでなく、小断面積部41の間の非小断面積部61でもその内部応力を緩和することができるために、図13に示す特許文献1のインターコネクタを用いたインターコネクタ付き太陽電池と比べて、太陽電池の反りをさらに低減することができる。
図5に、図4に示す本発明のインターコネクタ付き太陽電池の模式的な断面図を示す。ここで、本発明のインターコネクタ付き太陽電池においては、第2接続部としての銀電極16と、第1接続部51とはそれぞれ半導体基板としてのp型シリコン基板10に関して互いに対称となる位置に配置されている。太陽電池に反りが生じる原因の一つは、太陽電池とインターコネクタとの熱膨張差に起因して太陽電池に発生する内部応力は太陽電池の受光面と裏面とで異なっていることであるが、このような構成とすることによって、太陽電池とインターコネクタとの熱膨張差に起因して太陽電池に発生する内部応力は太陽電池の受光面と裏面とでほぼ等しくすることができる。
したがって、本発明のインターコネクタ付き太陽電池において、太陽電池とインターコネクタとの熱膨張差に起因して太陽電池に内部応力が発生した場合には、特許文献1に記載のように太陽電池に接続されていない小断面積部の自由な延伸による緩和に加えて、太陽電池に接続されていない非小断面積部の自由な変形による緩和、さらには、太陽電池の受光面の第1接続部と裏面の第2接続部とが半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置されることによって太陽電池の受光面と裏面とで内部応力がほぼ等しくなる効果が得られることから、太陽電池の反りの低減のさらなる改善を望むことができる。
図6に、本発明の太陽電池ストリングの好ましい一例の模式的な断面図を示す。ここで、太陽電池ストリングは、図4および図5に示す構成の本発明のインターコネクタ付き太陽電池を複数接続することによって形成されている。すなわち、本発明のインターコネクタ付き太陽電池60の受光面に接続されているインターコネクタ31の他端が、他の本発明のインターコネクタ付き太陽電池62の裏面の第2接続部としての銀電極16に接続されている。また、インターコネクタ付き太陽電池60およびインターコネクタ付き太陽電池62のそれぞれにおいては、第2接続部としての銀電極16と、第1接続部51と、がそれぞれ半導体基板としてのp型シリコン基板10に関して互いに対称となる位置に配置されている。
図7に、図6に示す本発明の太陽電池ストリングの受光面の模式的な平面図を示す。ここで、本発明の太陽電池ストリングにおいては、インターコネクタ31の小断面積部41は、インターコネクタ付き太陽電池60の受光面に配置されている第1非接続部42のうち両端の第1非接続部42に対応する位置およびインターコネクタ付き太陽電池62の受光面に配置されている第1非接続部42のうち両端の第1非接続部42に対応する位置にそれぞれ配置されている。そして、インターコネクタ付き太陽電池60の受光面に配置されている両端の第1非接続部42の間には、非小断面積部61に対応する位置にある1つの第1非接続部42が配置されている。また、インターコネクタ付き太陽電池62の受光面に配置されている両端の第1非接続部42の間にも、非小断面積部61に対応する位置にある1つの第1非接続部42が配置されている。
また、インターコネクタ31の小断面積部41は、インターコネクタ付き太陽電池60の裏面に配置されている第2非接続部のうち両端の第2非接続部に対応する位置およびインターコネクタ付き太陽電池62の裏面に配置されている第2非接続部のうち両端の第2非接続部に対応する位置にそれぞれ配置されている。
したがって、本発明の太陽電池ストリングにおいて、太陽電池とインターコネクタとの熱膨張差に起因して太陽電池に内部応力が発生した場合には、インターコネクタ付き太陽電池60およびインターコネクタ付き太陽電池62の双方の受光面および裏面のそれぞれについて、特許文献1に記載のように太陽電池に接続されていない小断面積部41の自由な延伸による緩和および太陽電池に接続されていない非小断面積部61の自由な変形による緩和の効果が得られるとともに、太陽電池の受光面の第1接続部と裏面の第2接続部とが半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置されることによって太陽電池の受光面と裏面とで内部応力がほぼ等しくなる効果が得られることから、太陽電池の反りの低減のさらなる改善を望むことができる。
このような本発明の太陽電池ストリングを従来から公知の方法によりEVAなどの封止材に封止することなどによって、本発明の太陽電池ストリングを含む本発明の太陽電池モジュールを得ることができる。
なお、上記の本発明の実施の形態についてのその他の説明は、上記の背景技術の欄における説明と同様であるが、その説明に限定されるものではない。たとえば、本発明においては、p型シリコン基板以外の半導体基板を用いてもよく、上記の背景技術の欄の説明のp型とn型の導電型を入れ替えてもよい。また、本発明においては、第1接続部および第2接続部は必ずしも銀電極である必要はない。また、本発明においては、第1非接続部は空隙である必要はなく、第2非接続部はアルミニウム電極からなっている必要はない。また、本発明において、インターコネクタの小断面積部に対応する位置に配置された第1非接続部の間に設置される、インターコネクタの非小断面積部に対応する位置に配置される第1非接続部の個数は1個に限定されず、2個以上であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、太陽電池の反りの低減をさらに改善することができるインターコネクタ付き太陽電池および太陽電池ストリング、ならびにその太陽電池ストリングを含む太陽電池モジュールを提供することができる。
10 p型シリコン基板、11 n+層、12 反射防止膜、13,16 銀電極、13a バスバー電極、13b フィンガー電極、14 アルミニウム電極、31 インターコネクタ、41 小断面積部、42 第1非接続部、51 第1接続部、60,62 インターコネクタ付き太陽電池、61 非小断面積部。
Claims (9)
- インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、前記バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池を含み、前記太陽電池の前記第1接続部にインターコネクタが接続されたインターコネクタ付き太陽電池であって、
前記インターコネクタは、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と、前記小断面積部の間に位置する非小断面積部と、を有しており、
前記小断面積部のそれぞれは前記第1非接続部に対応する位置に配置され、
前記小断面積部に対応する位置にある前記第1非接続部の間に、前記非小断面積部に対応する少なくとも1つの前記第1非接続部が配置されていることを特徴とする、インターコネクタ付き太陽電池。 - 前記半導体基板の前記第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、が交互に配列されていることを特徴とする、請求項1に記載のインターコネクタ付き太陽電池。
- 前記第1接続部および前記第2接続部はそれぞれ前記半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のインターコネクタ付き太陽電池。
- 前記バスバー電極は前記第1非接続部を3つ有しており、前記小断面積部は両端に位置する前記第1非接続部に対応する位置に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のインターコネクタ付き太陽電池。
- インターコネクタに接続するための複数の第1接続部とインターコネクタに接続されない複数の第1非接続部とが交互に配列してなるバスバー電極と、前記バスバー電極から伸びるフィンガー電極と、を半導体基板の第1主面上に備えた太陽電池がインターコネクタにより複数接続されてなる太陽電池ストリングであって、
前記インターコネクタは、その長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部と、前記小断面積部の間に位置する非小断面積部と、を有しており、
前記小断面積部のそれぞれは前記第1非接続部に対応する位置に配置され、
前記小断面積部に対応する位置にある前記第1非接続部の間に、前記非小断面積部に対応する少なくとも1つの前記第1非接続部が配置されていることを特徴とする、太陽電池ストリング。 - 前記半導体基板の前記第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、が交互に配列されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池ストリング。
- 前記第1接続部および前記第2接続部はそれぞれ前記半導体基板に関して互いに対称となる位置に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の太陽電池ストリング。
- 前記バスバー電極は前記第1非接続部を3つ有しており、前記小断面積部は両端に位置する前記第1非接続部に対応する位置に配置されていることを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の太陽電池ストリング。
- 請求項5から8のいずれかに記載の太陽電池ストリングを含む、太陽電池モジュール。
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