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JP2007161793A - 異方導電性接着シート - Google Patents

異方導電性接着シート Download PDF

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JP2007161793A JP2005357286A JP2005357286A JP2007161793A JP 2007161793 A JP2007161793 A JP 2007161793A JP 2005357286 A JP2005357286 A JP 2005357286A JP 2005357286 A JP2005357286 A JP 2005357286A JP 2007161793 A JP2007161793 A JP 2007161793A
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Abstract

【課題】低接続抵抗、高絶縁信頼性、かつ微細回路接続性に優れた異方導電性接着シートの提供。
【解決手段】少なくとも硬化剤、硬化性の絶縁樹脂及び導電性粒子からなる異方導電性接着シートであって、該導電性粒子の平均粒径が2〜8μmであり、異方導電性接着シートの片側表面から導電性粒子表面までの最短距離が0.1μm〜2μmの範囲内にある導電性粒子が導電性粒子個数の90%以上であることを特徴とする異方導電性接着シート。近接する導電性粒子同士の平均粒子間隔が導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下となるように配列していることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、微細回路接続性、接続信頼性に優れた異方導電性接着シート、それらを用いた接続構造体に関する。
これまで、微細回路を接続するための異方導電性接着シートに関して、接続性改良、短絡防止のために、種々の導電性粒子の検討および、異方導電性接着剤構成の検討がなされている。例えば、導電性粒子と同等の熱膨張係数をもつ絶縁粒子を配合する方法(特許文献1参照)、短絡防止のため、導電性粒子の表面に絶縁性粒子を付着させる方法(特許文献2参照)、導電性粒子の表面を電気絶縁性樹脂で被覆する方法(特許文献3参照)、導電性粒子を含む層と含まない層とを積層し、隣接する回路間の短絡を防止する方法(特許文献4、5参照)、イオン捕捉剤粒子を配合して、イオン化しやすい材質からなる電極からのイオンマイグレーションによる短絡を防止する方法(特許文献6、7参照)及び片側表面に単独粒子を配置する方法(特許文献8)等が公知である。
導電性粒子を含む層と含まない層とを積層し、隣接する回路間の短絡を防止する等の従来技術においては、回路端子面側の導電性粒子数を増すことにより、回路端子と接続端子間に挟まれる導電性粒子数を増すことが可能である。しかしながら、回路端子の位置ずれ等で回路端子と接続端子が接近する場合には、回路端子に接触して、回路端子と接続端子に挟まれていない導電性粒子が多くなると、導電性粒子を介して、回路端子と接続端子との短絡が発生する危険性がある。一方、導電性粒子の表面を電気絶縁性樹脂で被覆する方法の場合、充分な絶縁性確保と接続性との両立を満足できるものではなかった。
特開平6−349339号公報 特許第2895872号公報 特公平7−99644号公報 特開平6−45024号公報 特開2003−49152号公報 特許第3035579号公報 特許第3633422号公報 国際公開第2005/054388号パンフレット
本発明は、微細回路の隣接する回路間の絶縁性を損なうことなく、良好な電気的接続性を実現する異方導電性接着シート、その製造方法、およびそれを用いた微細接続構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ある特定の平均粒径を持つ導電性粒子が、ある特定の範囲内に存在しており、その導電性粒子がある特定割合以上の導電性粒子と接触せずに存在していることを特徴とする異方導電性接着シートを用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのものである。
(1) 少なくとも硬化剤、硬化性の絶縁樹脂及び導電性粒子からなる異方導電性接着シートであって、該導電性粒子の平均粒径が2〜8μmであり、異方導電性接着シートの片側表面から導電性粒子表面までの最短距離が0.1μm〜2μmの範囲内にある導電性粒子が導電性粒子個数の90%以上であることを特徴とする異方導電性接着シート。
(2)導電性粒子個数の95%以上が他の導電性粒子と接触せずに存在していることを特徴とする(1)に記載の異方導電性接着シート。
(3) 近接する導電性粒子同士の平均粒子間隔が導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下となるように配列していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の異方導電性接着シート。
(4) それぞれが少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる膜厚の異なる2層の接着層、並びに導電性粒子よりなる異方導電性接着シートであって、導電性粒子が2層の接着層の界面に存在し、膜厚の薄い接着層に含まれる導電性粒子部分が導電性粒子の平均粒径の1/50から4/5であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の異方導電性接着シート。
(5)前記膜厚の薄い接着層の弾性率が、膜厚の厚い接着層の弾性率より高いことを特徴とする(4)に記載の異方導電性接着シート。
(6) 前記膜厚の薄い接着層の硬化反応率が、膜厚の厚い接着層の硬化反応率より高いことを特徴とする(4)又は(5)に記載の異方導電性接着シート。
(7) 2軸延伸可能なフィルム上に粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に平均粒径2〜8μmの導電性粒子を付着させて導電性粒子付着フィルムを作製し、該導電性粒子付着フィルムを該導電性粒子同士の平均粒子間隔が該導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下になるように2軸延伸して保持し、2軸延伸して保持した後、支持体上に少なくとも硬化剤、及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着シートに、該導電性粒子を転写し、2軸延伸可能なフィルムを剥離し、導電性粒子を転写した面に、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる接着層を積層する工程を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の異方導電性接着シートの製造方法。
(8) 2軸延伸可能なフィルム上に少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に平均粒径2〜8μmの導電性粒子を付着させて導電性粒子付着フィルムを作製し、該導電性粒子付着フィルムを該導電性粒子同士の平均粒子間隔が該導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下になるように2軸延伸して保持し、2軸延伸して保持した後、導電性粒子が存在する面に、少なくとも硬化剤、及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着シートに該導電性粒子及び粘着層を転写し、積層する工程を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の異方導電性接着シートの製造方法。
(9)(1)〜(6)いずれか1つに記載の異方導電性接着シートにおける導電性粒子から片側表面までの最短距離の面を相対的に配線高さの低い回路基板面に配し、相対的に配線高さの高い電子部品を加熱圧着して回路基板と電子部品とを接続することを特徴とする接続構造体の製造方法。
(10)(9)記載の方法により製造された接構造体。
本発明の異方導電性接着シート及び微細接続構造体は、隣接する接続端子間の良好な絶縁特性を有し、かつ接続した接続端子間の良好な電気的接続性を有する。すなわち、絶縁性が必要な異方導電性接着シートの面内方向には特定の平均粒径の導電性粒子を配置させ、異方導電性接着シートの片側表面から導電性粒子表面までの最短距離を特定の範囲内にすることにより圧着時の短絡を防止し、また、接続部分以外の接続基板配線と導電性粒子との間に所定の間隔を保持することにより、良好な絶縁性を確保することが出来る。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の異方導電性接着シートにおける導電性粒子としては、貴金属被覆された樹脂粒子、貴金属被覆された金属粒子、金属粒子、貴金属被覆された合金粒子、及び合金粒子の中から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。貴金属被覆された樹脂粒子としては、ポリスチレン、ベンゾグアナミン、ポリメチルメタアクリレート等の球状粒子にニッケル、および金をこの順に被覆したものを用いることが好ましい。
接続する微細接続端子(バンプ)硬度に応じて、より柔軟な樹脂粒子を用いて貴金属被覆された樹脂粒子を形成することができる。
接続するバンプ硬度がビッカース硬度で50Hv未満である場合は、ポリメタアクリレート樹脂等の柔軟な樹脂粒子を用いることが好ましい。また、バンプ硬度が50Hv以上である場合は、ベンゾグアナミン樹脂等の硬質樹脂粒子を用いることが好ましい。
貴金属被覆された金属粒子としては、ニッケル、銅等の金属粒子に金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を最外層に被覆したものを用いることが好ましい。被覆する方法としては、蒸着法、スパッタリング法等の薄膜形成法、乾式ブレンド法によるコーティング法、無電解めっき法、電解めっき法等の湿式法を用いることができる。量産性の点から、無電解めっき法が好ましい。
金属粒子としては、銀、銅、ニッケル等の金属から選ばれるものを用いることが好ましい。合金粒子としては、融点が150℃以上500℃以下のものが好ましく、さらには150℃以上350℃以下の低融点合金粒子を用いることがより好ましい。融点が500℃以下であると、接続端子間に金属結合を形成することも可能であり、接続信頼性の点から好ましい。また、耐熱接続信頼性の観点から、融点が150℃以上であることが好ましい。
貴金属被覆された合金粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、ビスマス、インジウム等から選ばれた2種以上からなる合金粒子に上記方法等を用いて貴金属被覆したものを用いることができる。
合金粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、ビスマス、インジウム等から選ばれた2種以上からなる合金粒子が好ましい。融点が150℃以上500℃以下の合金粒子を用いる場合は、予め粒子表面にフラックス等を被覆しておくことが好ましい。いわゆるフラックスを用いることにより、表面の酸化物等を取り除くことができ好ましい。フラックスとしては、アビエチン酸等の脂肪酸等を用いることができる。
導電性粒子の平均粒径と最大粒径の比は2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。該導電性粒子の粒度分布はより狭いほうが好ましく、該導電性粒子の粒径分布の幾何標準偏差は、1.2〜2.5であることが好ましく、1.2〜1.4であることが特に好ましい。幾何標準偏差が上記値であると粒径のバラツキが小さくなる。通常、接続する2端子間に一定のギャップが存在する場合には、粒径が揃っているほど、導電性粒子が有効に機能すると考えられる。
導電性粒子の粒度分布の幾何標準偏差とは、粒度分布のσ値(累積84.13%の粒径値)を累積50%の粒径値で除した値である。粒度分布のグラフの横軸に粒径(対数)を設定し、縦軸に累積値(%、累積個数比、対数)を設定すると粒径分布はほぼ直線になり、粒径分布は対数正規分布に従う。累積値とは全粒子数に対して、ある粒径以下の粒子の個数比を示したもので、%で表す。粒径分布のシャープさはσ(累積84.13%の粒径値)と平均粒径(累積50%の粒径値)の比で表現される。σ値は実測値あるいは、前述グラフのプロット値からの読み取り値である。
導電性粒子の平均粒径及び粒度分布は、公知の方法、装置を用いて測定することができ、湿式粒度分布計、レーザー式粒度分布計等を用いることができる。あるいは、電子顕微鏡等で粒子を観察し、平均粒径、粒度分布を算出しても構わない。本発明の平均粒径及び粒度分布はレーザー式粒度分布計により求めることが出来る。
導電性粒子の平均粒径は2〜8μmであることが好ましく、2〜5μmであることがさらに好ましく、2.5〜3.5μmが最も好ましい。絶縁性の観点から8μm以下が好ましく、接続端子等の高さバラツキ等の影響を受けにくく、また、電気的接続性の観点から2μm以上が好ましい。
本発明の異方導電性接着シートは、導電性粒子個数(導電性粒子総個数)の90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%、最も好ましくは100%において、導電性接着シートの片側表面から導電性粒子表面までの最短距離が0.1μmから2μmである。絶縁性確保の観点から0.1μm以上であることが好ましく、接続時の導電性粒子数確保の観点から2μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2μmから1μmである。本発明の異方導電性接着シートにおいて、該異方導電性接着シートの厚み方向に対して、導電性粒子の存在している位置は、焦点方向の変位を測定できるレーザー顕微鏡により測定することができる。またこのとき同時に、導電性粒子が他の導電性粒子と接触せずに存在している個数を測定することもできる。前記レーザー顕微鏡を用いて焦点方向の変位を測定する場合、その変位測定分解能は0.05μm以下であることが好ましく、0.01μm以下であることが特に好ましい。
本願明細書では、他の導電性粒子と接触せずに存在する導電性粒子を「単独粒子」という場合がある。
本発明においては、導電性粒子個数の95%以上が他の導電性粒子と接触せずに存在していることが好ましく、より好ましくは98%以上、更に好ましくは100%が接触せずに存在していることが好ましい。
本発明の異方導電性接着シートにおいては、近接する導電性粒子同士の平均粒子間隔は、導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下が好ましい。より好ましくは、20μm以下で、かつ導電性粒子の平均粒径の1.5倍以上3倍以下である。
本発明において、近接する導電性粒子とは、任意の導電性粒子を選定し、該導電性粒子に最も近い6個の導電性粒子を言う。また、本発明における近接する導電性粒子同士の平均粒子間隔は以下のようにして求められる。
まず、本発明の異方導電性接着シートを、導電性粒子が存在する面側から光学顕微鏡で拡大した写真を撮影する。次に、任意の20個の導電性粒子を選定し、そのそれぞれの導電性粒子に最も近い6個の導電性粒子との距離を測定し、全体の平均値を求めて、平均粒子間隔とする。導電性粒子の平均粒子間隔のバラツキは小さい方が好ましく、それらの標準偏差が平均粒子間隔の10%以下であることが好ましい。
本発明の異方導電性接着シートは、それぞれが少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる2層の接着層という構造であって、それらの界面に導電性粒子を配して積層する構造をとることが好ましい。
2層の接着シートを積層する場合、膜厚の薄い接着層に含まれる導電性粒子部分が導電性粒子の平均粒径の1/50から4/5の範囲にあることが好ましく、1/20から3/5の範囲であることがより好ましい。接続時の樹脂流動による凝集等の観点から2層の界面に導電性粒子が存在することが好ましく、1/50から4/5の範囲の場合は、樹脂流動の影響を受け難く好ましい。
また、積層する2層の接着層のうち、膜厚の薄い接着層の弾性率が、膜厚の厚い接着層の接着シートの弾性率より高い方が好ましい。この場合、接続時の樹脂流動による導電性粒子の移動が起こり難く、かつ、接続構造体の接続信頼性が良好であり、好ましい。それぞれの接着層の弾性率は、それぞれの接着層のシートを作製し、このシートを接続条件温度で充分に硬化させ、それらのシートを用いて、例えば、テンシロン法、あるいは、バイブロン法等で測定することができる。それぞれの接着シートの25℃の弾性率は、いずれの測定方法においても0.5GPa以上5GPa以下であることが好ましく、より好ましくは1から4GPaの範囲である。
さらに、積層する2層の接着層のうち、膜厚の薄い接着層の硬化反応率が、膜厚の厚い接着層の硬化反応率よりも高い方が好ましい。この場合、接続構造体の接続信頼性が良好であり好ましい。それぞれの接着層の硬化反応率は、それぞれの接着層のシートを作製し、このシートで測定することができる。例えば、接着層のシートをフッ素樹脂シートの如く剥離性の良い2枚のシート間に挟み込み、通常の接続温度以下の温度(例えば80%の温度)及び通常の接続条件の時間で加熱して試験シートを作製する。これらのシートを用いて、処理前後の顕微IR等による官能基の消費率測定値、あるいは、示差走査熱量測定装置を用いる反応熱量比計算により、硬化反応率を算出することができる。硬化反応率の具体的な算出方法としては、たとえば、エポキシ樹脂を用いている場合には、接着層をシート化してシートのIR測定を行い、エポキシ基吸収強度(914cm−1)/メチル基吸収強度(2922cm−1)の比(強度比)を算出し、シートに熱をかけて硬化させた硬化率測定サンプルについても同様に算出し、加熱前後の強度比の比を計算し、エポキシ基残存率を算出し、100%からエポキシ基残存率を差し引いて硬化反応率とする。
接着シートを積層する方法としては、公知の方法を用いることができる。
しかしながら、通常0.1μm〜2.0μmの距離を保つためには、その距離に近い膜厚の接着シートを積層する必要があるが、そのような極薄のシートを巧く積層し、かつ、距離を制御することは容易ではない。例えば、薄い接着シートを予め作製して積層する場合は、最初に転写するシートへの食い込みを浅くして、露出させる形にして、積層する薄い接着シートへ充分に食い込ませることにより導電性粒子から表面までの距離を0.1μm〜2.0μmに制御することができる。また、予め導電性粒子を所定の深さまで埋め込んだ接着シート上に少なくとも硬化剤、硬化性樹脂および溶剤からなる樹脂溶液を、例えばダイコーター、ブレードコーター、コンマコーター等の塗工装置を用いて塗布し、溶剤乾燥して、所定の膜厚の接着層を形成する方法等を用いることができる。
本発明の異方導電性接着シートに用いる硬化性の絶縁性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光及び熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができる。取り扱いの容易さから、熱硬化性の絶縁性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を用いることができるが、エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、脂環式エポキシ基を有する化合物、分子内の二重結合をエポキシ化した化合物が好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂あるいは、それらの変性エポキシ樹脂を用いることができる。
本発明に用いる硬化剤は、前記硬化性の絶縁性樹脂を硬化できるものであればよい。硬化性の絶縁性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、100℃以上で熱硬化性樹脂と反応し、硬化できるものが好ましい。エポキシ樹脂の場合は、保存性の点から、潜在性硬化剤であることが好ましく、例えば、イミダゾール系硬化剤、カプセル型イミダゾール系硬化剤、カチオン系硬化剤、ラジカル系硬化剤、ルイス酸系硬化剤、アミンイミド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤等を用いることができる。保存性、低温反応性の点から、カプセル型のイミダゾール系硬化剤が好ましい。
本発明における異方導電性接着シートには、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂以外に、熱可塑性樹脂等を配合しても構わない。熱可塑性樹脂を配合することにより、容易にシート状に形成することが出来る。この場合の配合量は、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂を合わせた成分100質量部に対して200質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることが特に好ましい。
本発明の硬化性の絶縁性樹脂に配合できる熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキル化セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等であり、それらから選ばれる1種または2種以上の樹脂を組み合わせても差し支えない。これらの樹脂の中、水酸基、カルボキシル基等の極性基を有する樹脂は、接着強度の点から好ましい。また、熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が80℃以上300℃以下である熱可塑性樹脂を1種以上含むことが好ましい。
本発明の異方導電性接着シートには、上記構成成分に添加剤を配合しても差し支えない。異方導電性接着シートと被着物との密着性を向上させるために、添加剤として、カップリング剤を配合することができる。該カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤等を用いることができるが、シランカップリング剤が好ましい。該シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。
該カップリング剤の配合量は硬化剤および硬化性の絶縁性樹脂を合わせた成分100質量部に対して、0.01質量部から1質量部が好ましい。密着性向上の観点から0.01質量部以上が好ましく、信頼性の観点から1質量部以下が好ましい。
異方導電性接着シートの厚みは10μm以上、30μm以下であることが好ましく、15μm以上25μm以下であることがより好ましい。機械的接続強度の観点から10μm以上が好ましく、接続時の粒子流動による接続粒子数減少を防止する観点から30μm以下であることが好ましい。
異方導電性接着シートが、2層の接着層からなる場合は、2層の膜厚は一方を薄く、他方を厚くするが、厚い接着層の膜厚は5〜29.8μm、薄い接着層の膜厚は0.1μm以上、5μm未満が好ましい。
次に、本発明における導電性粒子個数の95%以上が他の導電性粒子と接触せずに存在している異方導電性フィルムの製造方法について例示する。
該異方導電性フィルムの製造方法としては、2軸延伸可能なフィルム又はシート上に、粘着層を形成し、その上に導電性粒子を単層配列し、それらを延伸することにより、該導電性粒子を分散配列させ、延伸した状態を保った状態で導電性粒子を少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる膜厚の厚い接着層に転写させ、その後に導電性粒子転写面側に少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる膜厚の薄い接着層を積層することが好ましい。
また、上記の粘着層として、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる薄い接着層を用いることによって、導電性粒子が付着した薄い接着層を導電性粒子と共に厚い接着層へ転写して積層することも好ましい。
2軸延伸可能なフィルムとしては、公知の樹脂フィルム等を用いることができるが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等の単独あるいは共重合体等、又は、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴムシート等の柔軟で延伸可能な樹脂フィルムを用いることが好ましい。ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。延伸後の収縮率は10%以下であることが好ましい。粘着層として、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる接着シートを用いる場合は、より低温で延伸することが好ましいため、ポリエチレン樹脂、シリコーンゴム等を用いることが好ましい。この場合は、前記接着シートの転写を容易にするため、予めフィルム上に剥離処理を施すことが好ましい。
2軸延伸可能なフィルム上に導電性粒子を単層配列し、固定する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、少なくとも熱可塑性樹脂を含む粘着層を該2軸延伸可能なフィルム上に形成し、その上に導電性粒子を接触させて付着させ、ゴムロール等で荷重をかけて単層で配列する方法を採ることができる。この場合、隙間無く充填するためには、付着−ロール操作を数回繰り返す方法が好ましい。球状の導電性粒子の場合、最密充填が最も安定した構造なので比較的容易に充填することができる。あるいは、該2軸延伸可能なフィルム上に粘着剤を塗布して接着層を形成し、その上に導電性粒子を付着させ、必要なら数回付着を繰り返し、単層で配列させる方法等を用いることができる。
導電性粒子を単層配列させた2軸延伸可能なフィルムを延伸させる方法としては、公知の方法を用いることができるが、均一分散配列という点から、2軸延伸装置を用いることが好ましい。粒子間隔の点から延伸度合いは、50%以上、500%以下であることが好ましく、100%以上、300%以下であることがより好ましい。なお、100%延伸するとは、延伸方向に沿って延伸した部分の長さが延伸前の長さの100%であることを言う。延伸方向は、任意であるが、延伸角度が90°の2軸延伸が好ましく、同時延伸が好ましい。2軸延伸の場合、各方向の延伸度合いは同じであっても異なっていても構わない。
2軸延伸装置としては、同時2軸連続延伸装置が好ましい。
同時2軸連続延伸装置としては、公知のものを使用することができるが、長辺側をチャック金具で固定し、それらの間隔を縦横同時に延伸することにより連続延伸するテンター型延伸機が好ましい。延伸度を調整する方式としては、スクリュー方式、パンタグラフ方式を用いることが可能だが、調整の精度の観点から、パンタグラフ方式がより好ましい。加熱しながら延伸する場合は、延伸部分の手前に予熱ゾーンを設けて、延伸部分の後方に熱固定ゾーンを設けることが好ましい。
粘着層に使用する粘着剤は、公知のものを使用することができるが、加熱しながら2軸延伸する場合は、非熱架橋性の粘着剤を用いることが好ましい。具体的には、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、合成樹脂エマルジョン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体粘着剤等を単独で、又は組み合わせて用いることができる。延伸前の導電性粒子保持性、延伸時の導電性粒子分散の均一性、延伸後の導電性粒子の転写性の観点から、天然ゴム系粘着剤をアクリレートでグラフト重合した粘着剤が特に好ましい。さらに、加熱延伸時の均一性の点から、延伸前に延伸温度以下で1分間から5分間加熱処理することが好ましい。
粘着層の厚みは、使用する導電性粒子の平均粒径の1/50から3倍の範囲が好ましく、1/10から2倍の範囲がより好ましい。導電性粒子付着時及び延伸時に導電性粒子を保持する観点から、粘着層の厚みは該導電性粒子の平均粒径の1/50以上が好ましく、延伸後の接着シートへの粒子転写の観点から3倍以下が好ましい。粘着層形成方法としては、溶剤又は水に分散又は溶解したものを、グラビアコーター、ダイコーター、ナイフコーター、バーコーター、スプレーコート等の公知の方法で塗布し、乾燥する方法を用いることができる。ホットメルトタイプの粘着剤を使用する場合は、無溶剤でロールコートすることができる。
該導電性粒子を粘着層に塗布するにあたっては、ほぼ隙間無く単層で配列すること(密集充填)が好ましい。密集充填する方法としては、前述の、2軸延伸可能なフィルム上に導電性粒子を分散配列し、固定する方法を用いることができる。なお、密集充填とは、充填された粒子間の平均粒子間隔が、平均粒径の1/2以下であるように充填することをいうものとする。より好ましくは、充填された粒子間の平均粒子間隔が、平均粒径の1/5以下である。
2軸延伸後のフィルムの膜厚は、転写する接着性シート及び接着性シートのベースフィルムの膜厚を合計した厚みの1/10から1倍であることが好ましく、1/5から1/2であることが特に好ましい。延伸後のフィルムのハンドリング性の観点から、1/10以上であることが好ましく、延伸後の接着性フィルムへの粒子転写の観点から1倍以下であることが好ましい。
接着シートは、少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる接着層であり、この接着シートは、通常は剥離可能なベースフィルム(支持フィルム)上に形成される。このため、得られる異方導電性接着シートは、通常は剥離可能なベースフィルム上に形成される。本願明細書では、接着シートとベースフィルムとの積層体を接着シートと、また、この異方導電性接着シートとベースフィルムとの積層体を異方導電性接着シートということが有る。
本発明の接続構造体を構成する電子回路部品としては、液晶ディスプレイ機器、プラズマディスプレイ機器、エレクトロルミネッセンスディスプレイ機器等の表示機器の配線板接続用途および、それら機器のLSI等の電子部品実装用途、その他の機器の配線基板接続部分、LSI等の電子部品実装用途に使用することができる。上記表示機器の中でも、信頼性を必要とされるプラズマディスプレイ機器、エレクトロルミネッセンスディスプレイ機器に用いるのが好ましい。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明する。
(接続構造体作製方法)
縦横が1.6mm×15.1mmのシリコン片(厚み0.5mm)全面に酸化膜を形成後、外辺部から40μm内側に横77μm、縦120μmのアルミ薄膜(1000Å)をそれぞれが23μm間隔になるように長辺側に各々140個、短辺側に各々14個形成する。さらに、その30μm内側に同じパターンで隙間とアルミ薄膜の位置が前記パターンと25μmずれた位置になるように同様なアルミ薄膜を形成する。それらアルミ薄膜上に25μm間隔になるように横25μm、縦100μmの金バンプ(厚み15μm)をそれぞれ2個ずつ形成するために、それぞれの金バンプ配置個所の外周部から7.5μm内側に横10μm、縦60μmの開口部を残す以外の部分に酸化ケイ素の保護膜を常法により前記開口部以外の全面に形成する。その後、前記金バンプを形成し、試験チップとする。
厚み0.7mmの無アルカリガラス上に前記外側アルミ薄膜上の金バンプが隣接するアルミ薄膜上の金バンプと対になる位置関係で接続されるようにインジウムスズ酸化物膜(1500Å)の接続パッド(横77μm、縦100μm)を形成する。20個の金バンプが接続される毎に前記接続パッドにインジウムスズ酸化物薄膜の引き出し配線を形成する(この引き出し配線が接続抵抗測定部分となる。)。
また、別の辺に前記外側のアルミ薄膜上の金バンプがそれぞれ接続されるような位置関係にインジウムスズ酸化物膜(1500Å)の接続パッド(横25μm、縦100μm)を形成する。前記接続パッドから各々引き出し配線(幅15μm、インジウムスズ酸化物膜)を内側の対応する位置のバンプの間を通して形成し、10バンプ分を接続できるようにインジウムスズ酸化物薄膜の接続配線を形成して接続する。さらに内側の10バンプ分をそれらと対になるように同様にして接続パッドを形成し、外側バンプ間を通して接続配線を形成して、櫛型パターンを形成する。それぞれの接続配線にインジウム錫酸化物薄膜の引出し配線を形成する(この引き出し配線が絶縁抵抗測定部分となる。)。
それぞれの引出し配線上にアルミニウム−チタン薄膜(チタン1%、3000Å)を形成し、接続基板とする。前記接続基板上に、前記接続パッドがすべて覆われるように、幅2mm、長さ17mmの異方導電性接着シートの該導電性粒子の存在する側を仮張りし、2.5mm幅の圧着ヘッドを用いて、80℃、0.3MPa、3秒間加圧した後、ポリエチレンテレフタレートのベースフィルムを剥離する。そこへ、前記接続パッドと金バンプの位置が合うように試験チップを載せ、200℃で10秒間、2.0MPa加圧圧着する。圧着後、前記引出し配線間(金バンプ20個のデイジーチェイン)の抵抗値を四端子法の抵抗計で抵抗測定し、接続抵抗値とする。
また、対になった引き出し配線間の抵抗測定し、絶縁抵抗値とする。
この絶縁抵抗試験基板を60℃、90%相対湿度中に保持しながら、定電圧定電流電源を用いて、対になる引き出し配線間に25Vの直流電圧を印加する。この配線間の絶縁抵抗を5分間毎に測定し、絶縁抵抗値が10MΩ以下になるまでの時間を測定し、その値を絶縁低下時間とする。この絶縁低下時間が240時間未満の場合を×、240時間以上の場合を○とする。
[実施例1]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)35g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量240、半固形)34gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とした。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)31g、前記固形分50%溶液に配合分散させた。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚15μmのフィルム状の接着シートAを得た。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)35g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)34g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とした。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)31g、前記固形分50%溶液に配合分散させた。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚3μmのフィルム状の接着シートBを得た。
接着シートA及びBそれぞれをポリエチレンテレフタレートフィルムから剥がした後、180℃、2時間加熱硬化した硬化フィルムを作製し、幅5mm、長さ70mmの短冊状サンプルを作製し、チャック間距離50mm、引張り速度10mm/分の条件で、引張り弾性率を測定した。その結果接着シートAの弾性率は、2.2GPa、接着シートBの弾性率は、2.6GPaであった。
また、接着シートA及びBをそれぞれ、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥がし、テフロン(登録商標)フィルム(25μm厚み)に挟み、160℃で10秒間、2.0MPa加圧圧着し、反応硬化率測定サンプルとする。それぞれの反応硬化率測定サンプルのIR測定を行った。
予め、加熱前の接着シートA及びBのIR測定を行い、エポキシ基吸収強度(914cm−1)/メチル基吸収強度(2922cm−1)の比をそれぞれ算出する。硬化率測定サンプルについても同様に算出する。加熱前後の強度比の比を計算し、エポキシ基残存率を算出する。100%からエポキシ基残存率を差し引いて硬化反応率とする。接着シートAの硬化反応率は、56%であり、接着シートBの硬化反応率は65%であった。
厚さ100μmの無延伸ポリプロピレンフィルム上に、粘着層として天然ゴム−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を6μmの厚みを塗布したものに平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子(導電性粒子)をほぼ隙間無く単層塗布した。すなわち、該導電性粒子を該フィルム幅より大きい容器内に数層以上の厚みになるよう敷き詰めたものを用意し、該導電性粒子に対して粘着剤の塗布面を下向きにして押し付けて付着させ、その後過剰な粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。
この操作を2回繰り返すことにより、隙間無く単層塗布した導電性粒子付着フィルムを得た。この導電性粒子付着フィルムを乾燥機中で、100℃、3分間加熱処理した。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し130℃、120秒間予熱し、その後5%/秒の速度で100%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートAをラミネートした後、ポリプロピレンフィルムを剥離した。この接着シートをレーザー顕微鏡で観察した結果、導電性粒子100個の平均飛び出し量は1.5μmであった。その後、接着シートBをラミネートして、異方導電性接着シートを得た。
レーザー顕微鏡観察の結果、導電性粒子100個のうち99%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は4.21μmであった。導電性粒子100個のうち100%が異方導電性接着シート表面から0.1μm以上2μm以下離れていた。
[実施例2]
実施例1と同様にして、接着シートAを作製した。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)30g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)34g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチルに溶解し、固形分50%溶液とする。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)36g、前記固形分50%溶液に配合分散させた。その後、厚さ80μmの無延伸ポリエチレンフィルム上に塗布し、40℃で15分間送風乾燥し、膜厚5μmのフィルム状の接着シートCを得た。この接着シートC上に平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子(導電性粒子)をほぼ隙間無く単層塗布した。すなわち、該導電性粒子を該フィルム幅より大きい容器内に数層以上の厚みになるよう敷き詰めたものを用意し、該導電性粒子に対して粘着剤の塗布面を下向きにして押し付けて付着させ、その後過剰な粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。
この操作を2回繰り返すことにより、隙間無く単層塗布した導電性粒子付着フィルムを得た。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し50℃、120秒間予熱し、その後5%/秒の速度で120%延伸して固定した。
その後、この延伸フィルムに前記接着シートAをラミネートした後、ポリエチレンフィルムを剥離し、異方導電性フィルムを得た。
レーザー顕微鏡観察の結果、導電性粒子100個のうち98%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は4.51μmであった。導電性粒子100個のうち100%が異方導電性接着シート表面から0.1μm以上2μm以下離れていた。
実施例1と同様にして、引張り弾性率を測定した。その結果、接着シートCの弾性率は、2.7GPaであった。
また、接着シートCをポリエチレンフィルムから剥がし、テフロン(登録商標)フィルム(25μm厚み)に挟み、160℃で10秒間、2.0MPa加圧圧着し、硬化率測定サンプルとした。それぞれの硬化率測定サンプルのIR測定を行った。
予め、加熱前の接着シートCのIR測定を行い、エポキシ基吸収強度(914cm−1)/メチル基吸収強度(2922cm−1)の比をそれぞれ算出する。硬化率測定サンプルについても同様に算出した。加熱前後の強度比の比を計算し、エポキシ残存率を算出した。100%からエポキシ残存率を差し引いて硬化反応率とする。接着シートの硬化反応率は62%であった。
[実施例3]
実施例1の接着シートAにおいて膜厚が16μmである以外は同一である接着シートDを作製し、実施例1と同様にして導電性粒子付着延伸シートを作製し、その後、ラミネートして、導電性粒子を転写した接着シートEを作製した。
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)39g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)34g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比5:1)に溶解し、固形分30%溶液とした。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)27g、前記固形分30%溶液に配合分散させてワニスAを得た。その後、前記導電性粒子を転写した接着シートEの導電性粒子転写面側にワニスAをダイコーターで塗布し、50℃で15分間送風乾燥し、全体膜厚18μmの異方導電性接着シートを得た。
別途、ワニスAをポリエチレンテレフタレートフィルム(50μm)上に塗布して,50℃で15分間送風乾燥し、膜厚5μmの接着シートFを作製した。このフィルムを実施例1の手順と同様にして、引張り弾性率を測定した。その結果接着シートFの弾性率は、2.4GPaであった。また、実施例1と同様にして算出した硬化反応率は、65%であった。
異方導電性接着シートをレーザー顕微鏡で観察した結果、導電性粒子100個のうち98%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は4.32μmであった。異方導電性接着シート表面からの平均距離は0.9μmであり、導電性粒子100個のうち100%が異方導電性接着シート表面から0.1μm以上2μm以下離れていた。
[比較例1]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)44g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、25℃粘度、14000mPa・S)26g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とした。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃)30g、平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子4.0gを前記固形分50%溶液に配合分散させた。
その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚25μmのフィルム状の異方導電性接着シートを得た。
得られた異方導電性接着シートの導電性粒子のうち、無作為に100個を選び、レーザー式の変位計を用いて、異方導電性接着シート表面からの距離を測定した。その結果、導電性粒子は異方導電性接着シートの膜厚方向においてランダムに存在することがわかった。また、測定した導電性粒子100個のうち85%が単独粒子であった。
[比較例2]
実施例1の接着シートAにおいて膜厚が20μmである以外は同一である接着シートGを得た。
厚さ100μmの無延伸ポリプロピレンフィルム上に、粘着層として天然ゴム−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を6μmの厚みを塗布したものに平均粒径8.0μmの金めっきプラスチック粒子(導電性粒子)をほぼ隙間無く単層塗布した。すなわち、該導電性粒子を該フィルム幅より大きい容器内に数層以上の厚みになるよう敷き詰めたものを用意し、該導電性粒子に対して粘着剤の塗布面を下向きにして押し付けて付着させ、その後過剰な粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。
この操作を2回繰り返すことにより、隙間無く単層塗布した導電性粒子付着フィルムを得た。この導電性粒子付着フィルムを乾燥機中で、100℃、3分間加熱処理した。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し130℃、120秒間予熱し、その後5%/秒の速度で50%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートGをラミネートした後、ポリプロピレンフィルムを剥離し、異方導電性接着シートを得た。レーザー顕微鏡観察の結果、導電性粒子100個のうち99%が単独粒子であった。また、平均粒子間隔は4.55μmであった。導電性粒子100個のうち100%が異方導電性接着シート表面から露出していた。
このようにして得た異方導電性フィルムを用いて、200℃の接続温度で前記接続抵抗値測定法と同様にして、圧着して接続構造体を得た。
実施例及び比較例の接続構造体の接続抵抗値及び絶縁試験結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の異方導電性接着シートは、非常に優れた絶縁信頼性を示す。
Figure 2007161793
本発明の接続構造体は、低接続抵抗、高絶縁信頼性を示し、微細回路接続が求められる高精細なディスプレイ装置等の接続構造体として好適である。

Claims (10)

  1. 少なくとも硬化剤、硬化性の絶縁樹脂及び導電性粒子からなる異方導電性接着シートであって、該導電性粒子の平均粒径が2〜8μmであり、異方導電性接着シートの片側表面から導電性粒子表面までの最短距離が0.1μm〜2μmの範囲内にある導電性粒子が導電性粒子個数の90%以上であることを特徴とする異方導電性接着シート。
  2. 導電性粒子個数の95%以上が他の導電性粒子と接触せずに存在していることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性接着シート。
  3. 近接する導電性粒子同士の平均粒子間隔が導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下となるように配列していることを特徴とする請求項1又は2に記載の異方導電性接着シート。
  4. それぞれが少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる膜厚の異なる2層の接着層、並びに導電性粒子よりなる異方導電性接着シートであって、導電性粒子が2層の接着層の界面に存在し、膜厚の薄い接着層の接着層に含まれる導電性粒子部分が導電性粒子の平均粒径の1/50から4/5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方導電性接着シート。
  5. 前記膜厚の薄い接着層の弾性率が、膜厚の厚い接着層の弾性率より高いことを特徴とする請求項4に記載の異方導電性接着シート。
  6. 前記膜厚の薄い接着層の硬化反応率が、膜厚の厚い接着層の硬化反応率より高いことを特徴とする請求項4又は5に記載の異方導電性接着シート。
  7. 2軸延伸可能なフィルム上に粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に平均粒径2〜8μmの導電性粒子を付着させて導電性粒子付着フィルムを作製し、該導電性粒子付着フィルムを該導電性粒子同士の平均粒子間隔が該導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下になるように2軸延伸して保持し、2軸延伸して保持した後、支持体上に少なくとも硬化剤、及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着シートに、該導電性粒子を転写し、2軸延伸可能なフィルムを剥離し、導電性粒子を転写した面に、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる接着層を積層する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着シートの製造方法。
  8. 2軸延伸可能なフィルム上に少なくとも硬化剤及び硬化性樹脂からなる粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に平均粒径2〜8μmの導電性粒子を付着させて導電性粒子付着フィルムを作製し、該導電性粒子付着フィルムを該導電性粒子同士の平均粒子間隔が該導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上5倍以下になるように2軸延伸して保持し、2軸延伸して保持した後、導電性粒子が存在する面に、少なくとも硬化剤、及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着シートに該導電性粒子及び粘着層を転写し、積層する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着シートの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着シートにおける導電性粒子から片側表面までの最短距離の面を相対的に配線高さの低い回路基板面に配し、相対的に配線高さの高い電子部品を加熱圧着して回路基板と電子部品とを接続することを特徴とする接続構造体の製造方法。
  10. 請求項9記載の続構造体の製造方法により製造された接構造体。
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